| 【発明の名称】 |
ICカード |
| 【発明者】 |
【氏名】萩原 裕之 【住所又は居所】茨城県下館市大字五所宮1150番地 日立化成工業株式会社五所宮工場内
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| 【要約】 |
【課題】そりがなくしかも表面平滑性にすぐれたICカードを提供すること。
【解決手段】厚みが50μm以下のポリエチレンテレフタレートからなるIC基材1と、そのIC基板上の一方の面上に搭載した、厚みが200μm以下のICチップ2及びコンデンサと、IC基材の一方の面上に配置されたスペーサ層4と、スペーサ層4の上面と前記基材の下面にそれぞれ敷設されたカバーフィルム5とを備えることを特徴とするICカードである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 厚みが50μm以下であるポリエチレンテレフタレートからなるIC基材と、該IC基材上の一方の面上に搭載したICチップ及びコンデンサと、該ICチップ及びコンデンサの上方と前記基材の下面にそれぞれ敷設されたカバーフィルムとを備えることを特徴とするICカード。 【請求項2】 厚みが50μm以下であるポリエチレンテレフタレートからなるIC基材と、該IC基材上の一方の面上に搭載したICチップ及びコンデンサと、前記IC基板と前記ICチップ及びコンデンサとの上面に配置されたスペーサ層と、該スペーサ層の上面と前記基材の下面にそれぞれ敷設されたカバーフィルムとを備えることを特徴とするICカード。 【請求項3】 前記ICチップの厚みが200μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のICカード。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ICチップを熱硬化性の異方導電性接着材料により実装し、カード状に成形されるICカードとその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】現在広く用いられているキャッシュカード、クレジットカード等は、プラスチックカードに磁気ストライプを塗布し、これに記録された情報を読み取りできるようにしたものである。このような磁気記録方式のものでは、第三者によって情報が解読され易い、記録可能な情報量が少ないといった欠点がある。そこで近年メモリ、CPU等の機能を有するICをカード状基材に実装した、いわゆるICカードが開発され、既に実用段階に達しつつある。このようなICカードの製造方法として、従来、プリント板の上にICチップを搭載・実装し、注型樹脂にはめ込んでカード状に成形するという方法が一般的にとられている。その後、カード表面に文字、記号、絵柄などが印刷される。そのため、カード表面形状は印刷性に大きく影響し、平滑にすることが必要である。特に、本発明に類似の製法からなるICカード、すなわちICチップ、コンデンサなど複数のベアーの部品を異方導電性接着材料によりICカード基材上に実装し、その上下面に、カバーフィルムを貼付して規定厚みにしたICカードとしては、両面に導電ペーストで印刷されたICカード基板に、ICチップ、コンデンサ等の部品を、異方導電性接着材料によりフェースダウンで接続し、部品相当のサイズにくりぬき穴のあいたスペーサ層及びカバーフィルムを貼り付けて規定厚みにしたICカード(特願平7−123574号)が提案されている。しかしながらこのようにして得られたICカードにおいて、しばしばカード自体のそりや表面平滑性が問題となるものがあった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ICカード基材にプラスチックフィルムを使用している場合、実装温度の影響で部品に接触する部分のICカード基材が熱伸縮を起こし発生した応力、さらには異方導電性接着材料自体の硬化収縮による応力で部品が実装側を凸にして湾曲に変形する現象が発生する。その上下面にカバーフィルムを貼付して、規定厚みにしたICカードの表面においても、変形した部品の影響で凹凸となってしまう問題が潜在的にあった。この現象は、部品厚みが薄ければ薄いほど、またICカード厚みが厚ければ厚いほど顕著であった。本発明は、かかる状況に鑑みなされたもので、そりがなくしかも表面平滑性にすぐれたICカードを提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】かかる目的は本発明によれば、ICチップ等の部品を熱硬化性の異方導電性接着材料により実装したICカード基材の上下面に、カバーフィルムを貼付して規定厚みにしたプラスチック製のICカードにおいて、実装時の異方導電性接着材料の硬化反応率を90%以下とするか、ICカード基材の厚みを50μm以下とすることにより達成される。 【0005】 【発明の実施の形態】本発明に用いられるICカード基材としては、異方導電性接着材料により部品を実装する点から、耐熱性のある材料が好ましい。例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ガラス繊維含浸エポキシ、ポリイミド等が好適に用いられる。さらにICカード基材の上下面に貼付されるカバーフィルムとしては、上記の材料の他に例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン又はオレフィンを主成分とする共重合体、若しくはこれらの混合物からなるフィルムやポリビニルアルコール、ナイロン、塩化ビニルなどが挙げられる。さらには安価な紙、合成紙等も使用することができる。本発明に用いられる部品としては、ICチップ、コンデンサ等であり、外部応力による変形を比較的受けやすい厚み200μm以下(目安)でベアーの状態のものが用いられる。異方導電性接着材料としては、エポキシ樹脂等のバインダーにニッケル、金、銀、銅などの金属粉あるいはポリマの核体の表面に導電処理を行ったポリマ導電粒子が添加されてなるフィルム状のものが用いられる。この系の接着剤は通常180℃、20秒の硬化条件により硬化反応率が95%以上になるよう設計されている。ICカード基材に部品を実装する際の異方導電性接着材料の硬化反応率としては、10〜90%であることが好ましい。この上限を越えるとICカード基材の熱伸縮あるいは異方導電性接着材料の硬化収縮により部品が変形し、ICカードの表面が凹凸となってしまう。また、この下限以下では異方導電性接着材料が殆ど硬化しないため、実装後の組み立て工程で部品がズレたりする等で、接続信頼性が急激に低下してしまう。異方導電性接着材料の硬化反応率を適度に低下させる方法としては、通常の実装温度より20℃以上低めることが最も容易である。ICカード基材の厚みとしては、50μm以下であることが好ましい。50μmより厚肉化すると、基材の断面積が増加することにより熱伸縮応力が増大し、部品が変形し易くなるからである。 【0006】本発明のICカードの製造方法に関する技術的なポイントは、部品実装の温度を低温化する等の方法により、異方導電性接着材料の硬化反応率を適度に低めたこと、あるいはICカード基材の厚みを薄肉化したことである。ICカード基板上にはICチップ、コンデンサ等の部品群が搭載されている。これらの部品を、異方導電性接着材料によりベアーの状態で実装することは、工程が簡素化されるため好ましい方法である。しかし、実装温度の影響でプラスチックフィルムであるICカード基材が熱伸縮し発生した応力、あるいは異方導電性接着材料の硬化収縮による応力で部品が湾曲する現象があった。その結果、カード表面の平滑性が低下し、印刷不良等が発生する問題があった。そこで本発明に記載されているように、部品実装の温度を低温化する等により異方導電性接着材料の硬化反応率を適度に低める、若しくはICカード基材の厚みを薄肉化することにより、部品を変形させる応力が顕著に減少し、表面平滑性の優れたICカードを得ることが可能となった。なお、実装温度を下げることにより異方導電性接着材料の硬化反応率が低下し、接続信頼性の悪化が懸念されるが、カバーフィルムを上下面に貼付して密閉封止状態とするため、硬化反応率90%以上のものと比較して同等であることを確認している。 【0007】 【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の範囲はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。 【0008】実施例1図1に、部品が実装されたICカード基材上にカバーフィルムを表面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。銀ペーストアンテナ3(15μm厚、60ターン)が両面に印刷された100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム1をICカード基材とし、その上にICチップ2(120μm厚、4×4mmサイズ)を搭載した。ICチップの実装方法としては、異方導電性接着材料(日立化成 アニソルムAC−8301 導電粒子平均粒径5μm、膜厚20μm)を使用し、ベアーの状態で行った。実装条件としては、異方導電性接着材料温度で150℃、30kgf/cm 、20秒(標準条件:180℃、20秒)とした。ICカード基材の部品側に、部品より大きい5×5mmサイズのくりぬき穴があいた接着剤付スペーサ層4(100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に20μmの接着剤を塗布)を貼り付けた後、両側に接着剤付きスキン層5(250μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に20μmの接着剤を塗布)を貼り付け、総厚760μmのICカードを得た。ICカードの特性を表1に示す。なお、貼り付け条件としては、120℃、10kgf/cm2 、10分プレスとした。 【0009】実施例2図2に、部品が実装されたICカード基材上に、カバーフィルムを表裏面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム1をICカード基材とし、異方導電性接着材料による実装条件として、異方導電性接着材料温度で180℃、30kgf/cm2 、20秒に変更し、スペーサ層14とスキン層15の間にコア層16(75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に20μmの接着剤を塗布)を貼り付けた以外は実施例1と同じ。総厚780μmのICカードを得た。 【0010】実施例3図3に、部品が実装されたICカード基材上に、カバーフィルムを表裏面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。実装条件として、異方導電性接着材料温度で150℃、30kgf/cm2 、20秒(標準条件:180℃、20秒)に変更した以外は実施例2と同じ。総厚780μmのICカードを得た。 【0011】実施例4図4に、部品が実装されたICカード基材上に、カバーフィルムを表裏面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。銀ペーストアンテナ33(15μm厚、60ターン)が両面に印刷された50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム31をICカード基材とし、その上にICチップ32(50μm厚、4×4mmサイズ)を搭載した。ICチップの実装方法としては、異方導電性接着材料(日立化成工業(株)商品名アニソルム AC−8301 導電粒子平均粒径5μm 膜厚20μm)を使用し、ベアーの状態で行った。実装条件としては、異方導電性接着材料温度で150℃、30kgf/cm2 、20秒(標準条件:180℃、20秒)とした。ICカード基材の部品側に、部品より大きい5×5mmサイズのくりぬき穴があいた接着剤付きスペーサ層34(50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に20μmの接着剤を塗布)を貼り付けた後、両側に接着剤付スキン層35(25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に20μmの接着剤を塗布)を貼り付け、総厚210μmのICカードを得た。なお、貼り付け条件としては、120℃、10kgf/cm2 、10分プレスとした。 【0012】比較例1図5に、部品が実装されたICカード基材上にカバーフィルムを表裏面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。実装条件を、異方導電性接着材料温度で180℃、30kgf/cm2 、20秒(標準条件:180℃、20秒)に変更した以外は、実施例1と同じである。 【0013】比較例2 図6に、部品が実装されたICカード基材上にカバーフィルムを表裏面に貼付してなるICカードの断面構成を示す。実装条件を、異方導電性接着材料温度で180℃、30kgf/cm2 、20秒(標準条件:180℃ 20秒)に変更した以外は、実施例4と同じである。 【0014】 【表1】
【0015】<試験方法>・ICカード表面の平滑性ICチップの実装位置に相当するICカード表裏面の凹凸を表面粗さ計(小坂研究所製)にて測定した。測定条件としては、測定長さ:8mm、倍率:200〜10000倍、モード:うねり。なお、回路層に部品が実装されている側をカード表面、反対面をカード裏面とした。 ・異方導電性接着材料の硬化反応率実装前後の異方導電性接着材料皮膜をDSC装置により硬化反応ピーク面積を測定し、その面積比により硬化反応率を見積もった。 【0016】 【発明の効果】本発明のICカードは、ICカード基材上にICチップ、コンデンサ等の部品を異方導電性接着材料を使用して実装してなるICカードにおいて、実装時の異方導電性接着材料の硬化反応率を90%以下とするか、ICカード基材の厚みを50μm以下とすることにより、そりや表面平滑性が改善され、印刷性の良好なICカードを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004455 【氏名又は名称】日立化成工業株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区西新宿2丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成9年9月10日(1997.9.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−76973(P2003−76973A) |
| 【公開日】 |
平成15年3月14日(2003.3.14) |
| 【出願番号】 |
特願2002−195232(P2002−195232) |
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