| 【発明の名称】 |
配管設計支援システム |
| 【発明者】 |
【氏名】長屋 重義 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】金田 勇 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】熊本 佳典 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】渡邉 善和 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】実機での試作評価を行うための試作費や試験費用の削減、並びに新機種の開発期間の短縮化が計れる配管設計支援システムを提供する。
【解決手段】本発明の配管設計支援システムは、配管途中に配管を拘束するクランプ部Cを有する配管のレイアウトを3次元CADプログラムで作成し、その3次元CAD形状から計算モデルを作成し、配管レイアウトの振動源側である一端部Aで振動を与え、その他端部Cであるジョイント側での振れ量fをコンピュータによる計算によって解析し、他端部での振れ量が配管からの漏れが発生しないと判断する領域(a)内に収まるような位置に、配管のクランプ部を設けるように配管をレイアウトする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 配管のレイアウト設計時に使用される、配管からの漏れを判定する配管設計支援システムであって、この配管設計支援システムが、配管途中に配管を拘束するクランプ部を有する配管のレイアウトを、3次元CADプログラムで作成して、その3次元CAD形状から計算モデルを作成し、前記配管のレイアウトの振動源側である一端部で振動を与え、他端部であるジョイント側での振れ量をコンピュータにより計算によって解析し、前記他端部での振れ量を配管からの漏れが発生しないと判断する領域内に収めるような位置に、前記クランプ部を設けるように配管をレイアウトすることを特徴とする配管設計支援システム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、カーエアコンディショナの冷媒ホース等の配管のレイアウト設計時に使用される配管のジョイント部からの漏れを判定する配管設計支援システムに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に利用されている配管のクィックジョイント取り付けは、車両に取り付けるときにネジ締めの必要がなく、車両搭載時の組み付け費を低減できるメリットがある。しかし、その一方で取り付け部への振動により、この取り付け部位よりエアコンディショナの冷媒の漏れも懸念される。この漏れを生じさせる振動の主たる要因は、エンジン始動時の振動であり、コンプレッサからゴムホース、金属配管を介して取り付け部の振動となる。特に冬季等の低温時は、ゴムホースが硬くなり振動を減衰する作用が落ちる。従って、低温でのエンジン始動時がクィックジョイント部からの漏れを生じさせる上での厳しい条件となっている。 【0003】従来では、このクィックジョイント部からの漏れを判定するためには、実際に試作を行い、低温試験場で実機の配管レイアウト状態を再現し、エンジン始動時相当の振動を与えてクィックジョイント部からの漏れがないかを、実機確認で行っている。このような試験評価では、漏れが発生した場合に、再度配管のレイアウト設計しているため、試作評価を行うための試作費、試験費用の増大及び開発期間の長期化といった問題を生じている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、配管のジョイント部よりの漏れ可能性を配管拘束部とジョイント部との直線距離と、ジョイント部の振動変位との関係に着目してなされたものであり、その目的は、実機での試作評価を行うための試作費や試験費用の削減、並びに新機種の開発期間の短縮化が計れる配管設計支援システムを提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の請求項に記載された配管設計支援システムを提供する。請求項1に記載の配管設計支援システムは、配管のレイアウトを3次元CADプログラムで作成し、その3次元CAD形状から計算モデルを作成し、振動源側である配管の一端部で振動を与え、その他端部での振れ量をコンピュータによる計算によって解析し、この振れ量が配管からの漏れが発生しないと判断する領域内に収めるような位置に、配管途中にクランプ部を設けるようにして配管のレイアウトを設計するようにしたものである。これにより、従来では実際に試作し、試験を行ってジョイント部からの漏れの有無を確認しながら、配管のレイアウトを設計していたが、これをコンピュータ上での計算解析により行えるので、試作費、試験費用等を大幅に削減でき、またレイアウト設計の開発期間も短縮できる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、図面に従って本発明の実施の形態の配管設計支援システムについて説明する。図1は、エアコンディショナのホース配管のレイアウトを示している。エアコンディショナは、コンプレッサ1、コンデンサ2、エバポレータ3及びレシーバ&ドライヤ4等の部品から構成され、これらの部品間が配管によって閉回路に接続されている。したがって、冷凍サイクル中の冷媒は、コンプレッサ1で圧縮されて高温・高圧のガス状冷媒となり、コンデンサ2に送られて冷却されて液化して液冷媒となってレシーバ&ドライヤ4に送られた後に膨脹弁によって急激に膨脹させられ、低温・低圧の霧状の冷媒となってエバポレータ3に流れ込み、ここで周囲の空気から熱を奪って蒸発し、加熱されてガス状冷媒になり、コンプレッサ1に戻る。これを繰り返し行うことで、室内の冷房を行う。なお、コンプレッサ1は、車両用のエアコンディショナにおいては、一般にエンジンによって駆動される。 【0007】この場合、図1に示すように、コンプレッサ1とエバポレータ3間は、ゴムホース10と金属配管11を介して結合している。そして金属配管11とエバポレータ3との結合にはクィックジョイント12が採用されている。 【0008】図2は、エアコンディショナを車両12搭載した斜視図であり、各方向変位を説明する図である。即ち、車両の進行方向である前後方向をX方向とし、車体幅方向である左右方向をY方向とし、車体高さ方向である上下方向をZ方向としている。また、図2に示すように前面視によりYZ平面を、右側視によりXZ平面を表現することができる。 【0009】図3は、本発明の配管設計支援システムによってレイアウトされたホース配管の実測例を示している。図3において、符号Aはエンジン始動時相当の振動を与える点を示しており、コンプレッサ1への取り付け部に相当する。符号Bは、配管の車両への取り付け点を示しており、ブラケット13に相当する。符号Cは、クランプと呼ばれる配管のブラケット13への取り付け点を示している。符号Dは、図1の配管をエバポレータ3に結合するクィックジョイント部12であり、A点での振動により振れる。 【0010】本発明の実施の形態の配管設計支援システムは、配管拘束部である、配管がブラケット13にクランプされているC点とクィックジョイント部のD点との直線距離lと、クィックジョイント部のD点のYZ平面上の振れ量fにより、クィックジョイント部12の冷媒漏れを予測判定するものである。A点に与えられる振動は、エンジンのレイアウトにより異なり、横置きエンジンでは、XZ平面上に、縦置きエンジンでは、YZ平面上に与えられ、振動変位はエンジンの大きな揺動を模擬し、楕円形状で与えられる。また振れ量fとは、左右方向(Y方向)f2 と上下方向(Z方向)f1 のそれぞれの最大値を加えたものとする。 【0011】図4は、実測例の測定結果を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、配管の車両へのクランプ点であるC点とクィックジョイント部のD点との直線距離lを示しており、縦軸は、クィックジョイント部であるD点の振れ量fを示している。また、グラフ中のプロット●と×は、同様の配管レイアウトにおいてクィックジョイント12を実際に取り付け、冷媒を封入し、図3のA点で振動を加えた場合、冷媒が実際に漏れたか否かを表わす。プロット●は、クィックジョイント部12より冷媒の漏れがなかった場合を示しており、プロット×はクィックジョイント部12より冷媒の漏れがあった場合を示している。 【0012】また、図4のグラフ中の太い実線は、距離lと振れ量fから、冷媒漏れを判定する基準線であり、実験で実際に冷媒漏れを生じた配管レイアウトを網羅するように決定された。更に、冷媒漏れが発生しないと判断する領域(a)、冷媒漏れが発生すると判断する領域(b)、計算誤差や測定誤差を加味し、実機において確認を要する領域(c)とに分かれている。 【0013】図5は、本発明の実施の形態の配管設計支援システムにおける計算フローを示している。まずステップS1において、3次元のCADプログラムでホース配管のレイアウトを作成する。次いでステップS2の計算用の形状作成では、有限要素法で計算するための計算モデルが、3次元のCAD形状から、その中心線をもとに自動的に作成される。次にステップS3の計算条件の設定では、計算に必要な物性値(密度、ヤング率等)を各構成部品毎に保存されているデータベースから、構成部品の選択により、自動入力される。ステップS4では、A点での振動によるD点での振れ(上下変位f1 と左右変位f2 )を有限要素法を用いた計算により求める。ステップS5では、計算結果を読み込み、冷媒漏れの有無を判定する。 【0014】図6は、車両前面視におけるクィックジョイント部の変位について、計算結果と実測との比較を示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は、車両の幅方向(Y方向)である左右変位f2 を示しており、縦軸は、車両の高さ方向(Z方向)である上下変位f1 を示している。また、グラフ中の楕円は、計算による結果を示し、矩形は、実験による結果を示している。なお、この実験結果は、最大限幅を矩形で示したものである。これにより、計算結果と実験結果とが良く一致していることが解る。 【0015】図7の(a)は、本発明の対策前の配管レイアウトのモデルを、図2の車両前面視(YZ平面)と車両右側視(XZ平面)で示した図であり、(b)は、この対策前のモデルにおけるクィックジョイント部変位を車両前面視で表わしたものである。この場合、左右変位f2 及び上下変位f1 共にクィックジョイント部の振れが大きく、冷媒漏れが発生した。(c)は、本発明による対策後の配管レイアウトのモデルを、前と同様に車両前面視(YZ平面)と車両右側面視(XZ平面)で示したものである。具体的には、クランプ部Cをクィックジョイント部12側に追加(図中においてC1 で示す)し、冷媒漏れ対策を実施している。(d)は、この対策後のモデルにおけるクィックジョイント部変位を車両前面視で表わしたものである。この結果、左右変位f2 及び上下変位f1 共にクィックジョイント部の振れが小さくなり、冷媒漏れの発生が防止できた。なお、(b),(d)のグラフにおいて、矩形で表わされた実験結果と楕円で表わされた計算結果とが良く一致していることが解る。 【0016】なお、上述の説明においては、エアコンディショナの冷媒用配管のレイアウトを例として説明しているが、本発明の配管設計支援システムは、他の配管系のレイアウトにも当然適用可能なものである。以上説明したように本発明においては、ホース配管のレイアウト設計を行った段階で有限要素法による計算解析を行うことで、冷媒漏れを予測し、レイアウト設計の修正を行えるので、従来のように実際に配管レイアウトの試作を行い実機レイアウト状態を再現して漏れの有無を確認しているのに比べ、試作費、試験費用等が大幅に削減でき、かつ開発期間の短縮化を計れる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年3月25日(2002.3.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−281209(P2003−281209A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月3日(2003.10.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−83628(P2002−83628) |
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