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【発明の名称】 タッチパネルの製造方法
【発明者】 【氏名】渡辺 正人
【住所又は居所】山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の2 河口湖精密株式会社内

【氏名】森田 不二夫
【住所又は居所】山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の2 河口湖精密株式会社内

【氏名】藤田 暁夫
【住所又は居所】山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の2 河口湖精密株式会社内

【要約】 【課題】偏光板の積層工程における上基板の破損を防止することができるタッチパネルの製造方法を提供する。

【解決手段】一対の透明電極3、4を配設した上下基板1、2を前記透明電極3、4面が対向するように設置し、所定の空間を隔ててシール剤6で貼着し、前記上基板1の表面に偏光板9を積層した後に前記シール剤6の開口部を封止することによって、偏光板積層工程における前記上基板1の破損を防止することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極面が対向するように設置し、所定の空間を隔ててシール剤で貼着し、前記上基板の表面に偏光板を積層した後に前記シール剤の開口部を封止することによって、偏光板積層工程における前記上基板の破損を防止することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
【請求項2】 前記上基板がマイクロガラス板から製作され、前記下基板がガラス板から製作されることを特徴とする請求項1記載のタッチパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーナビゲーション等の機器において、液晶ディスプレイの画面上に配置し、透視した画面の指示に従って使用者が情報の表示画面を指やペン等で直接押してデータを入力し、且つ画面が美しく、耐久性、耐摩耗性等に優れたタッチパネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】表示装置一体型の入力スイッチとしてのタッチパネルは、表示装置の表示面上に配置されて使用される。前記タッチパネルは、マイクロガラス板とその下面に形成された透明電極とからなる上基板と、ガラス板とその上面に形成された透明電極とからなる下基板とが、所定の空間を隔てて透明電極同士が対面するように配置されシール剤で貼着されている。
【0003】このタッチパネルにおいて、上基板の上部を入力ペンまたは指で押圧したとき、上基板が撓んでその押圧点において上基板の透明電極が下基板の透明電極と接触する。そして、その接触点の座標が電気抵抗の測定によって検知されて、入力情報が読取られる。このような従来技術におけるタッチパネルの製造方法の例を図を用いて説明する。
【0004】図1、図2、図3、図5、図7は、従来例のタッチパネルの製造工程を説明するための図ある。図1は、下基板2にシール剤6を印刷した状態を示し、図1(a)は、下基板2の平面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図2は、上基板1に透明電極3を形成した状態を示し、図2(a)は、上基板1の平面図、図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。図3は、上基板1と下基板2を前記シール剤6で貼着した状態を示し、図3(a)は、平面図を示し、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。図5は、シール剤の開口部を封止剤で封止した状態を示す平面図である。図7は、偏光板9を上基板に接着し積層する工程を示すである。
【0005】図1に示すように、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなる下基板2に、透明電極4を形成し、この透明電極4に接続する引き回し電極8a、8bを形成する。更に、この透明電極4上にドットスペーサー5を形成した後、前記下基板2の周辺部にシール剤6を印刷する。この時、前記下基板2の周辺部の一部にシール剤6の開口部6aを設ける。
【0006】一方、図2に示すように厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなる上基板1にも下基板2と同様に、透明電極3、引き回し電極7a、7bを形成する。
【0007】次に、前記下基板2に形成されている透明電極4と前記上基板1に形成されている透明電極3とが互いに対向するように配置し、シール剤6が印刷されている下基板2に上基板1を重ね合わせる。そして所定の時間、加圧・加熱し、シール剤6を焼成する。これによって、図3に示すように上下基板1、2が前記シール剤6で貼着される。
【0008】次に、図6に示すように、シール剤6の開口部6aを封止剤6bで封止する。これによって、タッチパネル内部の空気は密閉される。
【0009】その後、最終工程として、図7に示すように前記上基板1の表面に偏光板9を接着ローラ11を用いて接着し、積層する。前記偏光板9は、タッチパネルを液晶ディスプレイの画面上に配置して使用する場合に画像視認性に重要な役割を果たす。又、この偏光板9には、予め接着剤が付着されており、前記上基板1上面の所定の位置に偏光板をセットし、偏光板9の表面を前記接着ローラ11で押圧することで接着することが出来る。以上の製造工程によって、従来技術におけるタッチパネル10が製作される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のタッチパネル10の製造方法においては、前記シール剤6の開口部6aを封止した後に偏光板9を接着ローラ11で押圧して接着するため、前記タッチパネル10の内部の空気は密閉された状態になっている。このため偏光板9の積層工程において、前記接着ローラ11を前記偏光板9の表面を押圧しながら移動する時、図7に示すように、タッチパネル10の内部の空気が片寄せされ局部的に圧縮され、前記上基板1の一部に凸状の変形部12が発生する。このため、前記偏光板9の接着がうまくいかず、上基板1が大きな変形することによって破損して不良品となる場合もあった。このように、従来技術におけるタッチパネルの製造方法は、製造工程中における歩留りが悪く、コスト高になるという問題があった。
【0011】(発明の目的)本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、製造工程を改善することによって、前記偏光板の積層工程における上基板の破損を防止し、且つ安価に製造することができるタッチパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に係わるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極面が対向するように設置し、所定の空間を隔ててシール剤で貼着し、前記上基板の表面に偏光板を積層した後に前記シール剤の開口部を封止することによって、偏光板積層工程における前記上基板の破損を防止することを特徴とする。
【0013】又、請求項2の発明に係わるタッチパネルの製造方法は、前記上基板がマイクロガラス板から製作され、前記下基板がガラス板から製作されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】図1、図2、図3、図4、図5、図6は、本実施形態におけるタッチパネルの製造方法を説明するための図である。本実施形態におけるタッチパネルの製造方法は、一対の透明電極を配設した上下基板を前記透明電極面が対向するように設置し、所定の空間を隔ててシール剤で貼着し、前記上基板の表面に偏光板を積層した後に前記シール剤の開口部を封止することによって、偏光板積層工程における前記上基板の破損を防止することを特徴としている。即ち、前記シール剤の開口部を封止する前に、偏光板を接着する点が従来例と異なっている点である。以下、図を用いて本実施形態におけるタッチパネルの製造方法について説明する。
【0015】図1は、下基板2の製造工程を説明するための図で、図1(a)は、上基板2の平面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図である。図1に示すように、厚みが1.1mmのソーダガラス板からなる下基板2に透明電極4を形成する。前記透明電極4は、厚みが50Å〜4000Å程度のITO膜をスパッタリング或いはCVD等により成膜し、エッチング加工によりパターン形成される。
【0016】次に、前記透明電極4に電気的に接続される引き回し電極8a、8bを形成する。前記引き回し電極8a、8bは、厚さ1〜20μm程度の銀ペースト膜を印刷、130℃で約60分焼成して形成する。
【0017】次に、前記透明電極4の表面上に形成さされるドットスペーサー5を形成する。前記ドットスペーサー5は、大きさが30〜40μm程度の四角または円形等の形状で厚さが3〜12μm程度のアクリル系レジストを4〜5mm程度の間隔で均一にフォトリソグラフィプロセスによりパターン形成する。叉、前記ドットスペーサー5は、印刷による光硬化型樹脂とすることもできる。
【0018】更に、前記ドットスペーサー5を形成した後、前記下基板2の周辺部にシール剤6を印刷する。前記シール剤6は、上基板1と下基板2とを貼り合わせるためのもので、エポキシ樹脂接着剤やアクリル樹脂接着剤等が選択され、スクリーン印刷等の方法で、1〜2.5mmの範囲の幅で形成される。このシール剤6には、所要の大きさのプラスチックボールやファイバーガラス等のスペーサ部材が分散されており、このスペーサ部材でもって前記上基板1と前記下基板2とを所要の間隔に保持する役目を成している。叉、前記下基板2の周辺部の一部にシール剤6の開口部6aを設ける。
【0019】図2は、上基板1の製造工程を説明するための図で、図2(a)は、上基板1の平面図、図2(b)は、図2(a)におけるB−B断面図である。 図2に示すように厚みが0.2mmのマイクロガラス板からなる上基板1に、上基板2と同様に透明電極3、引き回し電極7a、7bを形成する。前記上基板1として使用されるマイクロガラスついては、ホウケイ酸ガラス等が例としてあげられる。
【0020】図3は、上下基板1、2をシール剤6で貼着した状態を示し、図3(a)は、平面図、図3(b)は、図3(a)におけるC−C断面図である。前期上下基板1、2をシール剤6で貼着する工程は、まず、シール剤6が印刷されている下基板2を下にして、上基板1を重ね合わせる。この時、前記下基板2に形成されている透明電極4と前記上基板1に形成されている透明電極3とが互いに対向するように配置する。
【0021】次に、硬化治具(図示せず)に重ね合わせた上下基板1、2をセットし、0.2〜0.25kg/cm2 、150℃で加圧・加熱し、60〜90分間保持しシール剤6を焼成する。その後、徐冷することによって、図3に示すように、上下基板1、2の周辺部が、8〜12μ程度の一定間隔を保って前記シール剤6で貼着される。この時、図3(a)に示すように、シール剤6の開口部6aは、まだ封止されていない。
【0022】次に図4に示すように、前記上基板1の表面に接着ローラ11を用いて偏光板9を接着し、積層する。この時、前記シール剤6の開口部6aは、まだ封止されていないため、タッチパネルの内部の空気は外部と自由に出入り出来る状態にある。従って、前記接着ローラ11を前記偏光板9の表面を押圧しながら移動させてもタッチパネルの内部の空気が片寄せされ局部的に圧縮されることはなく、前記上基板1が変形することによって破損することはない。このため、前記偏光板9の積層工程は安定し問題なく偏光板9を接着することができる。
【0023】その後、図5に示すように、シール剤6の開口部6aを封止剤6bで封止する。封止剤6bは、アクリル樹脂等の光硬化性接着剤を使用する。以上の製造工程によって図6に示す本実施形態におけるタッチパネル20が実現される。
【0024】以上説明したように本実施形態におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤6の開口部6aを封止する前に偏光板9の接着が実施される。この結果、偏光板9の積層工程における上基板1の変形による破損を防止することができ、製造工程中における歩留りを向上させ、コストダウンが可能となる。
【0025】尚、本実施形態においては、上基板1の材料としてホウケイ酸ガラスを例として説明し、下基板2の材料としてソーダガラスを例として説明したが、これに限定されるものではなく、その他の材料を使用出来ることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明におけるタッチパネルの製造方法によれば、シール剤の開口部を封止する工程の前に偏光板の接着し積層することにより、上基板変形によるタッチパネルの破損を防止することができ、品質が安定し、製造が容易となり、工数削減、コストダウンを実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000124362
【氏名又は名称】河口湖精密株式会社
【住所又は居所】山梨県南都留郡河口湖町船津6663番地の2
【出願日】 平成14年3月12日(2002.3.12)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−271306(P2003−271306A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−67638(P2002−67638)