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【発明の名称】 電子機器用脚装置
【発明者】 【氏名】張 俊
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1 株式会社ニフコ内

【氏名】荒木 実
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1 株式会社ニフコ内

【要約】 【課題】脚部材を付勢手段で使用位置に切り換えたり、該切換時の作動をダンパー手段で制動可能にして商品価値や信頼性を向上できる脚装置を実現する。

【解決手段】電子機器Pを所定角に保持する収納式の脚装置1において、電子機器Pの凹部P1に取り付けられるベース2と、ベース2に対し凹部P1内に配置される非使用位置及び、凹部P1内から突出される使用位置に回動切り換えられる脚部材3と、脚部材3を使用位置方向へ付勢している付勢手段6と、付勢手段6の付勢力に抗して脚部材3を非使用位置に係止する係止手段7、及び該係止手段7による係止状態を解除する解除用操作手段8と、脚部材3の回動を制動するダンパー手段9とをユニットとして備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子機器の設置面側に取り付けられ該電子機器を所定角に保持する収納式の脚装置において、前記電子機器の設置面側の凹部に取り付けられるベースと、前記ベースに対し前記凹部内に配置される非使用位置及び、前記凹部内から突出される使用位置に回動切り換えられる脚部材と、前記脚部材を前記使用位置方向へ付勢している付勢手段と、前記付勢手段の付勢力に抗して前記脚部材を非使用位置に係止する係止手段、及び該係止手段による係止状態を解除する解除用操作手段と、前記脚部材の回動を制動するダンパー手段とをユニットとして備えている、ことを特徴とする電子機器用脚装置。
【請求項2】 前記脚部材は、基端側が幅方向に位置する一端側を閉じ他端側を開口した筒部に形成され、前記一端側の外面に突設された略円柱状軸部と、前記筒部内に回動可能に挿入される小筒部及び前記他端側の開口から突出配置される略非円柱状軸部を一体形成しているシャフトとを有していると共に、前記付勢手段であるコイルばねを前記小筒部内に配置しており、前記ベースに対し前記円柱状軸部が回動自在に支持され、前記非円柱状軸部が回動不能に支持されている請求項1に記載の電子機器用脚装置。
【請求項3】 前記ダンパー手段は、前記シャフトの小筒部内に入れられて、該小筒部の周囲に設けられた液通し孔から前記脚部材の筒部内に出入りするオイル等の流体を利用している請求項2に記載の電子機器用脚装置。
【請求項4】 前記係止手段は前記ベース及び前記脚部材にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な係止部と被係止部とからなり、前記解除用操作手段は前記ベース側にあって前記係止部又は被係止部に対応して設けられた揺動片からなる請求項1から3の何れかに記載の電子機器用脚装置。
【請求項5】 前記ベースに対し摺動可能かつ一方向に付勢されたスライダーを備え、前記係止手段は前記スライダー及び前記脚部材にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な凸部と凹部とからなり、前記解除用操作手段は前記スライダーで構成さている請求項1から3の何れかに記載の電子機器用脚装置。
【請求項6】 前記ベースに対し所定角だけ回動可能に組み付けられた回動レバーを備え、前記係止手段は前記ベース及び前記脚部材にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な凸部と凹部とからなり、前記解除用操作手段は前記回動レバーで構成されている請求項1から3の何れかに記載の電子機器用脚装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の電子機器に付設される収納式の脚装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ノート型パソコンやディスクトップ型パソコン用のキーボード等(以下、電子機器Pと称する)は、図11(a)〜(c)に例示した如く設置面側に凹部P1を対に形成していると共に各凹部P1に取り付けられた脚装置90を有し、該脚装置90が凹部P1に収まった同(b)の非使用位置より回動され、該凹部P1内から突出した同(a)や(c)の使用位置に回動切り換えられる。これは、同(b)と(c)から分かるように、電子機器Pを使い易い傾斜角に保持可能にしたものである。脚装置90は、通常、枠形又は板形の脚部材91が主体となり、凹部P1に対し軸部92と軸孔93との枢支構造で取り付けられると共に、非使用位置において摩擦力を利用した保持構造が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の脚装置90は、簡易であるが、脚部材91を回動操作して使用位置に切り換えるときに強い力を必要とし、又、脚部材91の回動切り換え時に脚部材91の先端を摘み難く操作性が悪い。しかも、脚部材91は、凹部P1に対し部材同士の間に生じる摩擦力で保持されているため、電子機器Pを持ち運ぶ際に凹部P1から不用意に突出することもある。これらは、脚装置90の品質低下だけでなく、電子機器自体の商品価値や信頼性の低下要因となっている。
【0004】本発明は以上の様な課題を解消することを目的としている。具体的には、取扱性及び電子機器の凹部への組込性を維持しながら、脚部材を付勢手段で使用位置に切り換えたり、該切換時の作動をダンパー手段で制動可能にして商品価値や信頼性を向上できる脚装置を実現することにある。他の目的は以下に説明する内容の中で順次明らかにして行く。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明は、図1〜図7の形態で特定すると、電子機器Pの設置面側に取り付けられ該電子機器を所定角に保持する収納式の脚装置1において、前記電子機器Pの設置面側の凹部P1に取り付けられるベース2と、前記ベース2に対し前記凹部P1内に配置される非使用位置及び、前記凹部P1内から突出される使用位置に回動切り換えられる脚部材3と、前記脚部材3を前記使用位置方向へ付勢している付勢手段6と、前記付勢手段6の付勢力に抗して前記脚部材3を非使用位置に係止する係止手段7、及び該係止手段7による係止状態を解除する解除用操作手段8と、前記脚部材3の回動を制動するダンパー手段9とをユニットとして備えていることを特徴としている。
【0006】以上の脚装置1では、ベース2、脚部材3、付勢手段6、係止手段7、操作手段8、ダンパー手段9がユニット化されているため、取扱性に優れ、電子機器Pへの組込構造も良好にし易い。そして、この構造では、通常、脚部材3が付勢手段6の付勢力に抗して凹部P1内に収められ、係止手段7によりその非使用位置に係止されている。電子機器Pを使用する場合は、操作手段8を操作して前記係止手段7の係止状態を解除すると、脚部材3が付勢手段6の付勢力により凹部P1内から突出する外方向へ回動される。この回動時には、脚部材3がダンパー手段9により制動されるため違和感を生じない。これにより、電子機器Pは、該凹部P1から突出した脚部材3により所定角の傾斜状態に保持され、最適な使用態様で使用することができる。脚部材3は、付勢手段6で使用位置方向へ常に付勢されているため、仮に電子機器Pを持ち上げたとしても非使用位置方向へ不用意に回動したりがたつくことがなく、又、係止手段7で非使用位置に係止されているため、電子機器Pの搬送時等において凹部P1から不用意に突出する虞も解消できる。
【0007】以上の本発明は請求項2〜6のように具体化することがより好ましい。即ち、・第1に、前記脚部材3は、基端側が幅方向に位置する一端側を閉じ他端側を開口した筒部32に形成され、前記一端側の外面に突設された略円柱状軸部35と、前記筒部32内に回動可能に挿入される小筒部41及び前記他端側の開口から突出配置される略非円柱状軸部42を一体形成しているシャフト4とを有していると共に、前記付勢手段6であるコイルばねを前記小筒部41内に配置しており、前記ベース2に対し前記円柱状軸部35が回動自在に支持され、前記非円柱状軸部42が回動不能に支持されている構成である。この構造では、脚部材3がベース2に対しシャフト4を介在した状態で回動可能に支持されているためシャフト4の小筒部41と脚部材3の筒部32との間に制動用流体を介在することが可能となる点、付勢手段6であるコイルばねを小筒部41の筒内に配置しているため良好な外観を維持できる点等の利点を具備できる。なお、付勢手段6としてのコイルばねは、例えば、一端を筒部32側に係止し、他端を小筒部41側に係止した状態で脚部材3に付勢力を与えることができる。
・第2に、前記ダンパー手段9は、前記シャフト4の小筒部41内に入れられて、該小筒部41の周囲に設けられた液通し孔46から前記脚部材3の筒部32内に出入りするオイル等の流体を利用している構成である。これは、部材数を増やすことなく、制動作用を付与できるようにしたことに意義がある。但し、本発明のダンパー手段9はこれ以外の構成でも何ら差し支えない。他の例としては、シャフト4を単純な棒状に形成し、該シャフト外周面と脚部材3の筒部内径との間にオイル等の制動用流体を入れるように構成したり、更に実用新案登録第2510565号や実用新案登録第2592758号等に記載されているようなダンバー機構やダンパーユニットを応用することが考えられる。
・第3に、前記係止手段7は前記ベース2及び前記脚部材3にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な係止部23a(図8では23f)と被係止部37(図8では31b)とからなり、前記解除用操作手段8は前記ベース2側にあって前記係止部又は被係止部に対応して設けられた揺動片23(図8では23A)からなる構成である。これは、第1形態及び図8の変形例を特定したもので、部材数を増やしたり組立性を損なうことなく、係止手段7及び操作手段8を実現できるようにする。但し、以上の係止手段7及び操作手段8は、適用電子機器の形態、ベース形態、凹部形態等に応じ請求項5や6の構成等に変更可能なものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1〜図7は本発明の第1形態の脚装置を示している。このうち、図1は電子機器に組み付けた脚装置の作動を示し、同(a)は脚装置を非使用位置で示す要部断面図、同(b)は脚部材を使用位置で示す要部断面図である。図2は前記脚装置の細部を示し、同(a)は一部破断した上面図、同(b)は側面図、同(c)は(a)のA−A線断面図である。図3は前記脚装置の構成部材を示す概略分解図である。図4は前記脚部材を構成しているベース単品を示し、同(a)は上面図、同(b)は側面図、同(c)は(a)のB−B線断面図である。図5は前記脚装置を構成している脚部材単品を示し、同(a)は上面図、同(b)は一方の側面図、同(c)は(a)の右側から見た端面図、同(d)は(a)のC−C線断面図、同(e)は(a)のD−D線断面図である。図6は前記脚装置を構成しているキャップ単品を示し、同(a)は内側から見た端面図、同(b)は半断面した側面図、同(c)は外側から見た端面図、同(d)は(a)のE−E線に沿う半断面図である。図7は前記脚装置を構成しているシャフト単品を示し、(a)は(b)の左側から見た端面図、同(b)は上面図、同(c)は(b)の右側から見た端面図、同(d)は(b)のF−F線に沿う半断面図、同(e)は(b)のG−G線断面図である。図8は第1形態の変形例を示し、同(a)は脚装置の概略外観図、同(b)は前記脚装置の要部断面図である。図9は第2形態の脚装置を示し、同(a)は前記脚装置の概略外観図、同(b)は前記脚装置の要部断面図である。図10は第2形態の変形例を示し、同(a)は前記脚装置の概略外観図、同(b)は前記脚装置の要部断面図である。以下の説明では、第1形態の構造、組立及び作動を詳述した後、変形例と第2形態及び第3形態について概説する。
【0009】(第1形態)この脚装置1は、電子機器P側に取り付けるベース2と、ベース2に枢支されて非使用位置及び使用位置に回動切り換えられる脚部材3と、脚部材3に組み付けられるシャフト4及びキャップ5と、脚部材3を使用位置方向へ付勢している付勢手段6と、脚部材3を非使用位置に係止する係止手段7と、係止手段7による脚部材3の係止を解除する操作手段8と、脚部材3の回動を制動する流体式のダンパー手段9とをユニットとして備えている。なお、電子機器Pは、ノート型パソコン、ディスクトップ型パソコン用のキーボード等を想定している。但し、脚装置1の用途は、使用状態で所定傾斜角で使用する計測器等の他の電子機器であっても差し支えない。電子機器Pには、設置面(通常は下面側)に凹部P1が設けられ、そこに脚装置1が組み付けられる。
【0010】前記ベース2は、図3と図4に示される如く、脚部材3を余裕を持って配置可能な大きさの上開口した略矩形容器状をなし、脚部材3を支持する両片部22と、係止手段7及び操作手段8を形成している揺動片23と、脚部材3用のストッパー24等を有している。即ち、両片部22は、容器状の両側壁面21a,21aの手前側に設けられて、それぞれがスリット25で区画された状態で一段高く突出されている。両片部22は、同軸線上に設けられて貫通した軸孔27,28を有している。一方の軸孔27は円形孔であり、他方の軸孔28は矩形等の非円形孔である。ストッパー24は、脚部材3が回動されて当接することにより、最大傾斜部に係止される規制部である。この例では、容器状の手前側の壁面21bを利用して形成されており、該壁面21bが中間部を揺動片23に対応して切り欠され、該切欠部の両側部分を一段高く形成して、上内縁をストッパー用のテーパー部24aにしたものである。揺動片23は、容器状の底壁面21cから前記切欠部を通って外へ延設されている。即ち、この例では、底壁面21cの前側部分にあって、前記切欠部に一致させた状態で対のスリット23bを介し区画し、該スリット23b間の板部分を前方へ突出形成したものである。そして、この揺動片23は、両片部22の間にある部分に設けられて係止手段7を構成している係止部23aと、容器状の外へ延びた先端側自体で構成される操作手段8とを形成している。符号29aは底壁面21cに貫通された対の取付孔、符号29bは側壁面21a及び片部22に設けられて脚部材3の対応側面と線接触する突起である。符号29cは底壁面21に下設された対の位置決め用ボスである。
【0011】前記脚部材3は、図3と図5に示される如く本体31の基端側に設けられた筒部32と、本体31の両側にあって筒部32の両端に対応して突設された軸部35及び連結筒36と、筒部32の外周囲に設けられて係止部23aと共に係止手段7を構成している被係止部37とを有している。本体31は、略矩形板状をなし、先端面が傾斜面31aとなっている。筒部32は、基端板幅方向に位置し、一端側が閉じられ、他端側が開口されている。筒内には、一端側奥面から筒内へ突出した支持軸32aと、内周にあって板幅方向に延びた流体通路32b等が設けられている。支持軸32aは、先細に形成され、かつ軸先端中心から2分するよう切り欠かれたばね掛止め用溝38を有している。筒部32の外周には、一段落ち込んだ径小部分33が設けられている。被係止部37は、図5(d)の如くその径小部分33の下側に突設されている。軸部35は、前記軸孔27に回動自在に枢支される回転軸であり、筒部32の閉じられた外面から略円柱状に突設されている。連結筒36は、筒部32の開口周りに一体に突出形成されている。連結筒36の先端周囲には、後述するキャップ5を装着する段差36aや小孔36bと、複数の逃げ溝36cとが設けられている。符号39aは本体31の上面に設けられた窪み部、符号39bは本体31の先端傾斜面31aに設けられた窪み部、符号39cは本体31の下面に設けられた窪み部である。
【0012】前記シャフト4は、図3と図7に示される如く小筒部41と軸部42とを連結部43を介し一体に形成している。小筒部41は、前記した筒部32内に回動可能に挿入される円筒であり、内径に前記した支持軸32aを差し込み可能となっている。周囲には複数の液通し孔46及び連結部43側に位置したエア抜き孔47が設けられている。軸部42の先端側は、矩形等の略非円柱状に形成され、前記した連結筒36から突出されると共に、ベース2の他方の軸孔28に回転不能に係合される。連結部43は、小筒部41内の対応端側を閉じ、かつ、図7(d)の如くばね用係止溝44を形成している。なお、エア抜き孔47の外側は浅い横溝48を介し連結部43の端面まで通じている。横溝48の端側は、図3の如く連結部43に装着されるシールリング49により弾性的に封止される。
【0013】前記キャップ5は、前記軸部42を突出した状態で前記連結筒36の開口を閉じる部材である。この例では、筒形の胴部51と、該胴部51の一端外周に突出された対の鍔部52と、鍔部52同士の間に突設された係止爪53等を一体に有している。胴部51は、連結筒36に挿入され、かつ軸部42を筒内径より突出可能に形成されている。鍔部52は前記した段差36aに係合される。係止爪53は前記した小孔36bに係合される。付勢手段6は、コイルばねが用いられ、一端6aが脚部材3の溝38に係止され、他端6bが前記シャフト4の係止溝44に係止される。また、ダンパー手段9は、シャフト4の小筒部41及び、小筒部41内に入れられる不図示のオイル(粘性流体)等からなり、該オイル(粘性流体)が小筒部41の液通し孔46aを通じて該筒内から脚部材3の流体通路32bに出入りつつ小筒部41の外径と筒部32の内径との間に膜状に広がって、脚部材3のシャフト4に対する回動を制動する構成である。
【0014】(組立)以上の各部材の組立例について概説する。この形態では、シールリング49を装着したシャフト4、キャップ5、付勢手段6であるコイルばねとが脚部材3に組み付けられた後、ベース2に対し一括して組み込まれて脚装置1として作製される。組立操作例としては、まず、付勢手段6が脚部材3の筒部32内に挿入され、一端6aが前記溝38に差し込み係止される。次に、シャフト4は、小筒部41が筒内にオイルを所定量だけ充填した状態で、付勢手段6であるコイルばねを筒内に入れながら筒部32内に押し込まれる。すると、付勢手段6は軸方向に少し圧縮した状態で、他端6bが係止溝44に差し込み係止される。その状態から、キャップ5は、軸部42を胴部51の内孔から突出し、各鍔部52を対応する段差36aに合わせた状態で、胴部51を連結筒36内に押し入れることにより、鍔部52が段差36aと係合しかつ係止爪53が小孔36bと係合して連結筒36に対し装着される。この状態では、シャフト4がキャップ5等を介し脚部材3に回動可能に組み付けられている。この組立体は、ベース2に対し両片部22のうち一方の軸孔27に脚部材側の軸部35を回動自在に嵌合し、他方軸孔28にシャフト側の軸部42を回転不能に係合するが、その場合、軸部42を回転して付勢手段6に付勢力を発現した状態で軸部42を軸孔28に係合する。勿論、以上の組立例は一例であり、量産数等に応じ最適な手順が工夫される。
【0015】(作動)組み立てられた脚装置1は、図1(b)の如く脚部材3が付勢手段6の付勢力によりベース2から離れる方向へ回動され、ストッパー24のテーパー部24aに当接した状態つまり使用位置に配置されている。そして、脚部材3は、付勢手段6の付勢力に抗して回動操作されて底壁面21に近づくと、被係止部37が係止部23aと当たった後、揺動片23の揺動作用を伴って係止部23aを通り抜け、係止部23aの反対側の端面と係合して、図2(c)の如く底壁面21cに略平行となった非使用位置つまり収納状態となる。以上の脚装置1は、前記使用位置と非使用位置との間の回動角Mが約120度に設定されている。この回動角Mは、適用される電子機器に応じて最適な値に設計される。また、この形態では、脚装置1が電子機器Pの凹部P1に対しボス29cが凹部P1の対応部に設けられた位置決め穴P2に係合され、不図示の止めねじを取付孔29aから係止することで固定される。但し、電子機器Pへの取付構造は任意である。
【0016】そして、オペレータは、電子機器Pを使う場合、脚装置1を非使用位置から使用位置に回動切り換える。この操作では、例えば、電子機器Pの後側を持ち上げて、揺動片23を片手で図1(a)の矢印方向へ押す。すると、係止部23aは被係止部37から離れる。脚部材3は、この係止解除から付勢手段6の付勢力により使用位置まで自動的に回動される。従って、この構造では、脚部材3を目視せずワンタッチで使用位置に回動切換可能なため操作性を向上できる。また、脚部材3の回動過程では、脚部材3が上記したダンパー手段9により制動されて緩やかに回動される。これにより、この構造では、外観特性を維持しながら、脚部材3の操作性を改善でき、回動時の違和感や衝突音の虞をなくして高級感や信頼性を具備できる。
【0017】(変形例)図8の変形例は、第1形態の係止手段7と、揺動片23の一部で形成される解除用操作手段8とを形状的に変更した例であり、それ以外は第1形態と同じ。このため、この説明では、第1形態と実質的に同じ部材及び部位に同一符号を付し、変更点だけを詳述する。
【0018】図8の係止手段7は、上記した係止部23aに相当する凸形の係止部23fと、上記した被係止部37に相当する被係止部31bとからなる。この構造では、揺動片23Aが上記した揺動片23と異なり、ベース2の後側(脚部材3の非使用位置において、脚部材3の先端側に位置した側)に延び、かつ先端略逆L形として形成されている。この揺動片23Aは、前記逆L形の垂直片部に係止部23fを形成し、水平片部を操作手段8として形成している。なお、揺動片23Aは、底壁面21cに設けられた対のスリット23d及び前記逆L形の水平片部に対応した型抜き孔23eにより区画されている。これに対応して、脚部材3の本体31は、先端側の中間部が略垂直面となっており、該垂直面に係止部23fと係脱する凹形の被係止部31bを有している。従って、脚部材3は、係止部23fと被係止部31bとの凹凸係合により非使用位置に係止される。そして、揺動片23Aは、前記逆L形の水平片部を矢印方向へ押すことにより図8(b)の想像線で示す方向へ揺動されて、前記係止を解除可能にする。この係止解除により、脚部材3は前記形態と同様に使用位置へ回動切り換えられる。以上の変形例では、例えば、揺動片23Aが先端逆L形に形成されているため第1形態のものよりも係止解除するときに押し易く操作性を更に向上できる。
【0019】(第2,第3形態)図9と図10の各形態は、上記した係止手段7と、解除用操作手段8とを部材的に変更した二例であり、それ以外は第1形態や変形例と同じ。このため、これらの説明では、第1形態や変形例と実質的に同じ部材及び部位に同一符号を付し、重複記載を避けて変更点だけを詳述する。
【0020】図9の脚装置1は、ベース2に対し摺動可能かつばね部材65を介し一方向に付勢されたスライダー60を有している点、係止手段7が該スライダー60及び脚部材3にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な凸部62aと凹部31bとからなる点、解除用操作手段8がスライダー60を主体に構成されている点を特徴としている。即ち、スライダー60は、上記した揺動片23や23Aに変わる略逆L形の専用部材である。逆L形の水平片部61は、上面に設けられた滑り止め用突起61aと、背面に突設されたガイド軸61bと、片側の側面に突出されて対向する側壁面21aに設けられたガイド溝21eに嵌合しているピン64とを有している。逆L形の垂直片部62は前記した凸部62aを形成している。そして、以上のスライダー60は、ベース2の後側、つまり脚部材3の非使用位置において、脚部材3の先端側と、それに対向する壁面21bとの間に確保されたスペースに摺動可能に組み込まれる。この組立では、ピン64が前記ガイド溝21eに嵌合され、又、ガイド軸61bがばね部材65を軸周り保持した状態で前記壁面21bに設けられた貫通孔21dに挿通される。このため、この構造では、スライダー60がばね部材65の付勢力により同(b)の位置つまり凸部62aが凹部31bと係合可能な位置まで摺動されている。そして、スライダー60は、ばね部材65の付勢力に抗して矢印方向へ摺動操作されると、前記凸部62aと凹部31bの係合つまり脚部材3の係止状態が解除されて、脚部材3が上記形態や変形例と同様に使用位置へ自動的に回動切り換えられる。また、スライダー60は、脚部材3が使用位置から非使用位置へ再び回動切り換えられるとき、脚部材3の先端側から受ける応力でばね部材65の付勢力に抗して矢印方向へ少し摺動し凸部62aと凹部31bとの係合つまり脚部材3を同図の如く係止する。なお、スライダー60の摺動範囲はピン64が嵌合しているガイド溝21で規制される。以上の第2形態では、スライダー60が水平方向に摺動されるため上記した2例に対し、電子機器Pの凹部P1の深さ寸法を多少なりとも浅くできる。
【0021】図10の脚装置1は、ベース2に対し所定角だけ回動可能に組み付けられた回動レバー70を有している点、係止手段7がベース2及び脚部材3にそれぞれ一体に形成されて互いに係脱可能な図示を省略した凸部と凹部とからなる点、解除用操作手段8が回動レバー70にて構成されている点を特徴としている。即ち、回動レバー70は、略逆L形の解除用操作部材8としての専用部材である。逆L形の水平片部71は、両側に突出されて対向する両側の壁面21aに設けられた軸孔21fに枢支される長いピン73と短いピン74とを有している。逆L形の垂直片部72は、底壁面21cに接近する長さからなる。垂直片部72と水平片部71との間の角部には、所定角で傾斜したテーパー部72aが設けられている。このテーパー部72は、脚部材3における本体31の先端面に設けられた同方向のテーパー部31cと共に解除用操作手段8を構成している。以上の回動レバー70は、ベース2の後側、つまり脚部材3の非使用位置において、脚部材3の先端側と、それに対向する壁面21bとの間に確保されたスペースに組み込まれる。この組立操作は、長いピン73と短いピン74を対応する軸孔21fに回動自在かつ抜け止め可能にそれぞれ枢支するだけある。回動レバー70の回動角は、水平片部71が矢印方向に押されたときに、回動レバー70がピン73,74を支点として回動し底壁面21c上に水平片部71の先端を当接する僅かな角度である。通常は、回動レバー70がピン73,74により枢支された状態で、同(b)の如く垂直片部72が底壁面21cに接近し、水平片部71が底壁面21cと平行に配置されている。そして、この構造では、脚部材3が係止手段7である凸部及び凹部(これは本体31の側面と、該側面に対向するベース2の側壁面21aとに設けられて互いに係脱可能な凸部及び凹部)の係合により同図の非使用位置に係止されている。非使用位置から使用位置へ切り換える場合は、水平片部71を矢印方向へ押すと、回動レバー70が回動され、該回動によってテーパー部72aがテーパー部31aを押し上げる。すると、脚部材3は、その押し上げ力により前記凸部と凹部との係合つまり脚部材3の係止状態を解除して、脚部材3が上記各形態と同様に使用位置へ自動的に回動切り換えられる。以上の第3形態では、回動レバー70が梃子の原理を利用しているため弱い力で係止手段7を係止解除でき、しかも前記第2形態に対し簡素化が図られている点で優れている。このように、本発明は、請求項1に記載の要件を具備しておればよく、電子機器P側の形態や経費等に応じて、上記以外にも脚部材の形状、付勢手段やダンパー手段の具体的な構成等についても適宜に変更可能なものである。
【0022】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の脚装置は、各部材がユニットとして構成されているため取扱性に優れ、電子機器への組込構造を簡易化できることに加え、操作手段と付勢手段により脚部材の回動切り換えをワンタッチで行うことができる点、脚部材の回動をダンパー手段により制動するため高級感を付与できる点、脚部材が付勢手段で常に付勢されているため脚部材の不用意ながたつき発生の虞を解消できる点、等を同時に具備できる。これにより、本発明は、脚装置としての作動特性に優れ、適用電子機器自体の使い勝手、商品価値、信頼性向上に寄与できる。
【出願人】 【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1
【出願日】 平成14年2月14日(2002.2.14)
【代理人】 【識別番号】100088708
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀樹
【公開番号】 特開2003−241886(P2003−241886A)
【公開日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願番号】 特願2002−36191(P2002−36191)