トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数

【発明の名称】 産業機械のリサイクル情報提供システム、産業機械のリサイクル情報提供方法、およびこの方法をコンピュータに実行させるためのプログラム
【発明者】 【氏名】田丸 正毅
【住所又は居所】石川県小松市符津町ツ23 株式会社小松製作所粟津工場内
【課題】廃棄処分された産業機械を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を効率的に提供することのできる産業機械のリサイクル情報提供システムを提供すること。

【解決手段】廃棄処分された産業機械を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を提供する産業機械のリサイクル情報提供システムは、産業機械の機種別、装置部位別分解工数を蓄積した分解工数蓄積手段56と、廃棄対象となる産業機械の情報を収集する廃棄対象情報収集手段32と、収集された廃棄対象情報に係る産業機械について、分解工数蓄積手段56に蓄積された分解工数に基づいて、廃棄対象の装置部位別に分解処理時間を演算する分解処理時間演算手段35とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】廃棄処分された産業機械(1)を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を提供する産業機械のリサイクル情報提供システムであって、前記産業機械(1)の機種別、装置部位別分解工数を蓄積した分解工数蓄積手段(56)と、廃棄対象となる前記産業機械(1)の情報を収集する廃棄対象情報収集手段(32)と、収集された廃棄対象情報に係る産業機械(1)について、前記分解工数蓄積手段(56)に蓄積された分解工数に基づいて、廃棄対象の装置部位別に分解処理時間を演算する分解処理時間演算手段(35)とを備えていることを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供システム。
【請求項2】請求項1に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、前記分解工数蓄積手段(56)に蓄積された装置部位別の減容必要係数を蓄積した減容必要係数蓄積手段(57)を備え、前記分解処理時間演算手段(35)は、この減容必要係数蓄積手段(57)に蓄積された減容必要係数をも利用して前記分解処理時間を算出することを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供システム。
【請求項3】請求項1または請求項2に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、前記廃棄対象情報収集手段(32)で取得された廃棄対象情報、および前記分解処理時間演算手段(35)で算出された分解処理時間に基づいて、再生原料の生産時期および生産量を含む生産情報を算出生成する生産情報生成手段(34)と、生成された再生原料の生産情報を、再生材製造者に提示する生産情報提示手段(39)とを備えていることを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供システム。
【請求項4】請求項3に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、前記各手段は、サーバ(10)および複数の端末(2A、2B、2C、2D)をネットワーク接続したネットワークシステム上に構成され、前記再生材製造者の必要原料情報を蓄積した必要原料情報蓄積手段(53)と、この必要原料情報蓄積手段(53)に蓄積された必要原料情報、および、前記生産情報生成手段(34)で生成された生産情報をマッチングさせるマッチング手段(38)と、マッチングした結果、再生原料の余剰が生じたとき、その余剰分を前記ネットワークシステム上で公開する生産情報公開手段(40)とを備えていることを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供システム。
【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、廃棄処分された産業機械(1)を構成する鋼材の再生を行うために利用されることを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供システム。
【請求項6】廃棄処分された産業機械(1)を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を提供する産業機械のリサイクル情報提供方法であって、コンピュータが廃棄対象となる前記産業機械(1)の情報を収集する廃棄対象情報収集手順(S8)と、収集された廃棄対象情報について、前記産業機械(1)の機種別、装置部位別分解工数を蓄積した分解工数蓄積手段(56)から得られる分解工数に基づいて、前記廃棄対象の装置部位別に分解処理時間を、コンピュータが演算する分解処理時間演算手順(S13)とを備えていることを特徴とする産業機械のリサイクル情報提供方法。
【請求項7】廃棄処分された産業機械(1)を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を提供する産業機械のリサイクル情報提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、廃棄対象となる前記産業機械(1)の情報を収集する廃棄対象情報収集手順(S8)と、収集された廃棄対象について、前記産業機械の機種別、装置部位別分解工数を蓄積した分解工数蓄積手段(56)から得られる分解工数に基づいて、前記廃棄対象の装置部位別に分解処理時間を演算する分解処理時間演算手順(S13)とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄処分された産業機械を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、リサイクル情報を提供する産業機械の材料リサイクル情報提供システムに係り、特に、建設機械等の高強度、高品質鋼材を利用した産業機械の材料リサイクルシステムに好適に利用できる。
【0002】
【背景技術】建設機械を初めとする大型の産業機械においては、機械1台当たりの単価が高額であること、耐久性を考慮して駆動部等に高品質の材料を用いていること等の観点から、廃棄処分とされた産業機械を再生して新たな産業機械の原材料として利用することの有効性が高い。特に、建設機械のエンジンブロック、クレーンのブーム、減速機のギア・シャフト等に用いられる鋼材は高品質のものであるから、また、カウンタウエイトに用いられる鋳鉄は量が多いことから、再溶融して再生鋼材として新たな建設機械の製造に供することは、原材料の省資源化を図る上で非常に有効である。このため、従来、廃棄処分された産業機械は、解体業者等で引き取り後、分解/解体され、必要に応じて再生材製造業者が解体された構成部材を購入し、再生材の製造に供することにより、産業機械の構成部材のリサイクルを行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来のリサイクルの方法では、産業機械の所有者からどのようなスクラップが供給されるか判らないので、解体業者にいつ、どのような装置部位が搬入されるか不明であり、再生材製造業者が効率的にこのようなスクラップを利用して再生材を製造することができないという問題がある。また、解体業者にとっても、どのようなスクラップを再生材製造業者に供給すればよいか判らないので、廃棄処分された産業機械をストックする大きなストックヤードを準備しなければならず、必ずしも効率的にリサイクルが行われているとは言い難い。さらに、高級材比率の高い産業機械から得られる再生材と一般材とは混在しており、限られた流通範囲における一様な価格低下による再生業における経営の困難さの発生、産業機械用部品としての再利用時高級材にするために各種微量金属の添加の必然性が存在している。
【0004】本発明の目的は、廃棄処分された産業機械を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を効率的に再生産するために、再生原料のリサイクル情報を効率的に提供することのできる産業機械のリサイクル情報提供システム、リサイクル情報提供方法、およびこの方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用効果】前記目的を達成するために、本願の請求項1記載の発明は、廃棄処分された産業機械を分解し、その構成部材を原料として新たな再生材を生産するために、再生原料のリサイクル情報を提供する産業機械のリサイクル情報提供システムであって、前記産業機械の機種別、装置部位別分解工数を蓄積した分解工数蓄積手段と、廃棄対象となる前記産業機械の情報を収集する廃棄対象情報収集手段と、収集された廃棄対象情報に係る産業機械について、前記分解工数蓄積手段に蓄積された分解工数に基づいて、廃棄対象の装置部位別に分解処理時間を演算する分解処理時間演算手段とを備えていることを特徴とする。
【0006】ここで、本発明のリサイクル対象となる産業機械は、例えば、クレーン、パワーショベル等の建設機械、移動可能な発電機等を対象とするのが好ましい。これらの産業機械は、廃棄処分するのが難しく、また、多数の構成部材を有するため、分解工数が多いからである。また、産業機械の機種別、装置部位別分解工数は、実際の作業工程、時間をデータとして蓄積もよいが、例えば、産業機械の組立において対応する装置部位の組立時間から逆算したデータを蓄積してもよい。好ましくは、当初、組立時間から逆算したデータを分解工数蓄積手段に蓄積しておき、実際の分解工程に要した時間を適宜更新すればよい。さらに、廃棄対象情報の収集は、廃棄処分された産業機械の所有者がネットワークに接続された端末から再生情報収集手段に出力してもよいが、産業機械が自己の位置情報、機械情報等を無線出力できる情報端末装置を具備している場合、廃棄に際してその旨の信号をこの情報端末から無線出力し、廃棄対象情報収集手段で収集するように構成してもよい。
【0007】このような本発明によれば、廃棄対象情報収集手段、および分解処理時間演算手段を備えていることにより、廃棄処分とされた産業機械の情報を直ちに把握して、これに要する分解処理時間が演算されるため、再生材製造業者は、いつ、どこで自己が欲する再生原料が生じるかの情報をタイムリーに取得することができる。従って、廃棄処分された産業機械を効率的に再生材製造業者が利用できるので、産業機械のリサイクル率が大幅に向上する。また、解体業者にとっても、再生材製造業者が効率的にリサイクルしてくれるため、不必要なストックヤードを維持する必要がなく、無駄が生じない。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、分解工数蓄積手段に蓄積された装置部位別の減容必要係数を蓄積した減容必要係数蓄積手段を備え、分解処理時間演算手段は、この減容必要係数蓄積手段に蓄積された減容必要係数をも利用して分解処理時間を算出することを特徴とする。ここで、減容必要係数とは、例えば、産業機械を構成するエンジンブロック、クレーンのブーム等の大型の構成部品を部品単位への分解後、溶断等により小型化、減容する時間を考慮した係数として設定される。このような本発明によれば、減容工数をも加味しながら分解処理時間を算出しているため、分解工数蓄積手段に蓄積された装置部位別分解工数が、組立工数を逆算して設定されたものであっても、より正確な分解処理時間を算出することができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、廃棄対象情報収集手段で取得された廃棄対象情報、および分解処理時間演算手段で算出された分解処理時間に基づいて、再生原料の生産時期および生産量を含む生産情報を算出生成する生産情報生成手段と、生成された再生原料の生産情報を、再生材製造者に提示する生産情報提示手段とを備えていることを特徴とする。ここで、生産情報の生成は、廃棄対象情報における廃棄処分とされた産業機械の機種、状態、および引き渡し時期と、該産業機械の分解処理時間等とに基づいて、材料別に分解される時期、その際の量を予測することにより行われる。
【0010】このような本発明によれば、提示される生産情報に基づいて、再生利用できる原料がいつ、どの程度生産されるかを把握できるため、再生材製造業者は、再生原料の供給時期に応じて再生材の製造スケジュールを組み立てることができるため、一層効率的なシステムとすることができる。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項3に記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、前述の各手段は、サーバおよび複数の端末をネットワーク接続したネットワークシステム上に構成され、再生製造者の必要原料情報を蓄積した必要原料情報蓄積手段と、この必要原料情報蓄積された必要原料情報、および、生産情報生成手段で生成された生産情報をマッチングさせるマッチング手段と、マッチングした結果、再生原料の余剰が生じたとき、その余剰分をネットワーク上で公開する生産情報公開手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】ここで、ネットワークとしては、TCP/IPプロトコルに準拠したインターネット等を採用するのが好ましく、生産情報は、WWWサーバ上でHTML形式のサイト等で公開するのが好ましい。このような本発明によれば、余剰の再生原料が生じたときに、余剰分の生産情報が公開されるため、他の再生材製造者にも生産情報が提供されることとなり、広い範囲からの情報により余剰分も無駄なくリサイクルに供することができる。また、不足が生じる場合には、他の再生材製造業者との情報が利用できるため、不足分を性急に分解によって対処する必要がない。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の産業機械のリサイクル情報提供システムにおいて、廃棄処分された産業機械を構成する鋼材の再生を行うために利用されることを特徴とする。すなわち、産業機械のエンジンブロック、クレーンのブーム、カウンタウエイト等の大型の構成部材を鋼材として再利用することができるため、本発明を採用することの有用性が高い。
【0014】請求項6記載の発明は、前記請求項1に係る発明を方法の発明として構成したものであり、請求項7の発明はこの請求項6に係る発明をコンピュータに実行させるプログラムとして構成したものである。ここで、方法の発明を構成する各手順は、同一のコンピュータ内で実施されなければならないわけではなく、複数のコンピュータが協働して一連の手順が実施されるように構成してもよく、さらに一つの手順を複数のコンピュータが協働して実施してもよい。そして、これらの発明も、前記請求項2〜請求項5と同様の限定を加えることが可能であり、同様の作用および効果を享受することができる。また、プログラムとして構成することにより、汎用のコンピュータで本発明の方法を実施できるため、広く普及させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
〔システム構成〕図1には、本発明の実施形態に係るリサイクル情報提供システムの概略構成が示されている。このリサイクル情報提供システムは、建設機械1を受け入れる販売店A、建設機械1を分解する分解事業所B、再生材を製造する再生材製造事業所Cのそれぞれに設置される端末2A、2B、2Cと、ネットワーク3を介して接続されるリサイクル情報提供サーバ10とを備えている。そして、販売店Aで受け入れられた廃棄対象となる建設機械1の廃車情報は、受入側端末2Aからリサイクル情報提供サーバ10に送信され、リサイクル情報提供サーバ10は、分解事業所Bの分解事業所側端末2Bに廃車情報を流すとともに、廃車により得られる再生原料の納期等を含む予定を再生材製造事業所Cの再生材製造事業所側端末2Cに送信する。また、このリサイクル情報提供システムには、インターネット等を通じて、外部再生材製造業者Dの端末2Dが接続することができるようになっている。
【0016】図2には、販売店Aにおける建設機械1の中古車の受入手順を表す模式図が示されている。所有者が自己が保有する建設機械1を売却する場合、廃車となる建設機械1は、販売店Aで受け入れられ(A1)、保守整備すれば中古建設機械として販売できるか否かの状態検査が行われる(A2)。検査の結果、再販売可能であると判定されると(A3)、エンジン、キャブ、アーム等の重装備部分の保守整備を行うとともに(A4)、補修塗装、フィルタ交換等の軽装備部分の保守整備を行った後(A5)、出荷検査を行って(A6)搬出する(A7)。一方、検査の結果、廃車決定がなされると(A8)、詳しくは後述するが、受入側端末2Aを操作して廃車情報を、リサイクル情報提供サーバ10に送信する(A9)。そして、リサイクル情報提供サーバ10からの搬出予定に基づいて、廃車を搬出し(A10)、分解事業所に輸送する(A11)。
【0017】分解事業所Bにおいては、図3に示される工程で廃棄対象となる建設機械1の分解が行われる。具体的には、建設機械1が油圧ショベル等である場合、まず、建設機械本体から作業機を分離する(B1)。作業機を分離したら、オペレータキャブ(B2)、カウンタウエイト(B3)、および他の部品(B4)の順で分離した後、上下を分離して(B5)エンジン(B6)、フレーム(B7)に分解する。再利用できるものについては、所定の補修を行った後、再利用部品としてストックする(B8)。
【0018】一方、作業機は、バケット、アームを分解し(B9)、ホース配管を分離し(B10)、ブーム、アームを分離した後(B11)、各部位毎に切断、減容を行い(B12)、鋼材の種類別に仕分けした後(B13)、再生製造業者に出荷する(B14)。尚、建設機械本体の分解工程で生じたカウンタウエイト、フレーム、エンジン等でそのままでは再利用不可のものも、切断、減容された後、鋼材の種類別に仕分けされて再生材製造業者Cに出荷される。
【0019】リサイクル情報提供サーバ10は、図4に示すように、演算処理装置21およびハードディスク等の記憶装置22を備えたコンピュータとして構成される。演算処理装置21は、プログラムとして動作する登録受付手段31、廃車情報収集手段32、必要原料情報受付手段33、生産情報生成手段34、分解処理時間演算手段35、タグ発行手段36、作業指示提示手段37、マッチング手段38、生産情報提示手段39、生産情報公開手段40、実績収集手段41、およびデータ解析手段42を備えている。記憶装置22は、各情報を記録保存する蓄積手段としての登録業者データベース51、廃車情報データベース52、必要原料情報データベース53、機種別鋼種/重量データベース54、部品別鋼種/重量データベース55、分解工数データベース56、切断減容必要係数データベース57、鋼種別価格データベース58、および取引実績データベース59を備えている。
【0020】登録受付手段31は、新規登録申請者が端末2A、2Dを操作して、サーバ10にアクセスした場合、該登録申請者の諸情報を取得して、取得した情報を登録業者データベース51に蓄積する部分である。具体的には、登録申請者に応じてアドレスを設定し、登録申請者の会社名、住所、連絡先、メールアドレス等を入力する画面を端末2Aに配信する。そして、登録受付手段31は、登録申請者が所定の情報を入力して送信してきたら、図5に示されるように、登録業者のID、会社名、連絡先、アドレス等を1つのレコードとして登録業者データベース51に記録保存する。
【0021】廃車情報収集手段32は、登録された業者が端末2Aを操作して廃車が発生した旨の廃車情報を送信してきた際、該廃車情報を収集する部分であり、廃車情報としては、廃棄対象となる廃車の機種ID、型式、廃車発生場所、廃車発生日、分解事業所Bへの入荷日等があり、収集された廃車情報は、図6に示されるように、各廃車情報を1つのレコードとして廃車情報データベース52に蓄積される。
【0022】必要原料情報受付手段33は、再生材製造事業所Cにおいて、再生材を生産する際に原料となるスクラップが、どの鋼種でいつどれだけ必要になるかという必要原料情報を受け付ける部分であり、ここで受け付けられた必要原料情報は、図7に示されるように、必要な鋼材の種類および材質、必要となる時期、およびその際の必要な量を記録したテーブルとして必要原料情報データベース53に蓄積される。尚、図7に示すように、必要原料情報データベース53内には、複数のテーブル531、532、533…を設定することができるようになっていて、再生材製造事業所Cが複数ある場合、各事業所の必要原料情報を各テーブル531、532、533…に蓄積する。
【0023】生産情報生成手段34は、廃車情報データベース52に蓄積された廃車情報に基づいて、分解事業所Bで生産される再生原料の鋼種、生産量を含む生産情報を生成する部分であり、廃車情報に含まれる廃棄対象となる建設機械1の機種情報に基づいて、機種別鋼種/重量データベース54および部品別鋼種/重量データベース55を探索する。機種別鋼種/重量データベース54は、図8に示されるように、建設機械1の機種及び型式を分解した場合、軟鋼、高抗張力鋼等の各種鋼材がどれだけの量採取できるかが蓄積されたテーブル構造のデータベースとして構成される。部品別鋼種/重量データベース55は、図9に示されるように、建設機械1を構成する部品に応じて採取できる鋼材の材質、採取重量が蓄積されたテーブル構造のデータベースとして構成される。そして、生産情報生成手段34は、廃車情報に係る建設機械1の鋼種、重量をこれらのデータベース54、55から取得して、再生原料として生産される鋼種および重量に関する生産情報を生成する。
【0024】分解処理時間演算手段35は、前記生産情報に基づいて、廃車情報に係る建設機械1の分解処理時間を演算する部分である。具体的には、分解処理時間演算手段35は、生産情報生成手段34が生成した生産情報に基づいて、分解工数データベース56に蓄積された情報を探索して分解処理時間を演算する。分解工数データベース56は、図10に示されるように、建設機械1の機種、型式に応じた分解部位と、部位番号、分解工数、部位重量を1つのテーブル541に記録したデータベースとして構成され、建設機械1の機種に応じたテーブル542、543…が複数設定されている。
【0025】また、分解処理時間演算手段35は、切断減容必要係数データベース57をも探索して、建設機械1の分解処理とともに各部位の切断、減容に要する時間を考慮して分解処理時間を演算する。切断減容必要係数データベース57は、図9に示されるように、構成部品毎に設定された減容係数(分)を蓄積したテーブル構造のデータベースとして構成される。前述した図3に示される分解事業所Bにおける分解手順において、手順B1〜B7、手順B9〜B11に至る工程の実施に必要な時間は、主として分解工数データベース56から取得され、切断/減容工程に要する時間は、切断減容必要係数データベース57から取得され、分解処理時間演算手段35は、これらを合算して分解処理時間とする。このように分解処理時間演算手段35で演算された分解処理時間は、再び生産情報生成手段34に出力され、生産情報生成手段34は、この分解処理時間に基づいて、廃棄対象となる建設機械1の入荷日から再生原料が生産され、出荷可能となる日程を作成する。
【0026】タグ発行手段36は、生産情報生成手段34で生成された生産情報と、分解処理時間演算手段35で演算された分解処理時間に基づいて、分解事業所Bで生産された再生原料をどこの再生材製造事業所に搬出すればよいからのタグ情報を生成し、発信する部分である。このタグ発行手段36で生成されたタグ情報は、ネットワーク3を介して、分解事業所Bの分解事業所側端末2Bに送信され、分解事業所側端末2Bでは、プリンタ等の出力装置によりタグを印刷し、仕分けされた鋼材に付されて搬出される。
【0027】作業指示提示手段37は、生産情報生成手段34で生成された生産情報、および分解処理時間演算手段35で演算された分解処理時間に基づいて、分解事業所Bにおける分解作業の指示を生成し、作業指示として分解事業所Bに提示する部分である。そして、分解事業所Bの作業者は、作業指示提示手段37から送信された作業指示に基づいて、廃棄対象となる建設機械1の分解作業、切断/減容作業を実行する。
【0028】マッチング手段38は、再生材製造事業所Cから送信された必要原料情報と、生産情報生成手段34で生成された生産情報、および分解処理時間演算手段35で演算された分解処理時間とに基づいて、需要、供給のマッチングを図る部分である。具体的には、マッチング手段38は、必要原料情報データベースに蓄積された鋼種および必要な日時と、生産情報および分解処理時間とを対比して、分解事業所Bで生産される再生原料が、再生材製造事業所Cの要求する日時に間に合うかどうかを判定することにより、マッチング処理を行う。マッチング手段38でマッチングした再生原料は、生産情報として、生産情報提示手段39からネットワーク3を介して、再生材製造事業所側端末2Cに送信出力される。
【0029】生産情報公開手段40は、マッチング手段38によるマッチング処理の結果、分解事業所Bで生産された再生原料が必要以上に多くなってしまった場合に、WEBサイト上で公開提示する部分である。生産情報の公開に際しては、価格を表示しなければならないため、生産情報公開手段40は、図12に示されるように、材質区分と価格とを対比した鋼種別価格データベース58を参照して、公開する情報を生成する。実績収集手段41は、再生材製造事業所Cで再生原料を用いて再生材を製造した実績を収集する部分であり、また、図示を略したが、公開されたWEBサイトを介して他の再生材製造業者が端末2Dを操作して購入した再生原料の購入実績をも収集する。収集された再生原料の使用実績、購入実績は、図示を略したが、鋼種、使用量、納入日等を1つのレコードとした取引実績として、取引実績データベース59に蓄積される。
【0030】〔システムの作用〕次に、前述のリサイクル情報提供システムの作用を図13〜図15に示されるフローチャートに基づいて説明する。
(1)販売店Aにおいて、廃車と決定した建設機械1を分解事業所Bで分解し、分解した鋼材を再生材製造業者Cで再生原料として使用する場合、まず、受入側端末2Aを操作して、リサイクル情報提供サーバ10にアクセスする(処理S1)。
(2)アクセスを受け付けたサーバ10の登録受付手段31は、アクセスした者が新規登録者であるか否かを判定する(処理S2)。具体的には、登録受付手段31は、登録業者に付与するIDの入力の有無に基づいて判定し、IDの入力がない場合、登録情報入力用の画面を受入側端末2Aに送信し(処理S3)、登録情報の入力を促す。
【0031】(3)受入側端末2Aから所定の登録情報の送信があったら(処理S4)、登録受付手段31は、新たな会員として登録し、ID番号を付与・送信するとともに、登録業者データベース51に送信された登録情報を蓄積する(処理S5)。尚、既に登録している業者の場合は、登録画面等を表示することなく、次の処理に進む。
(4)廃車情報収集手段32は、図16に示される画面G1において、ハイパーテキストリンクが張られた「鋼材を出品する」というテキスト部分を選択したことを条件として、廃車情報入力画面を送信して、所定の廃車情報の入力を促す(処理S6)。尚、図示を略したが、廃車情報入力画面は、廃車となる建設機械1の機種、型式を特定するとともに、廃車発生場所、廃車発生日、分解事業所Bへの入荷予定日等を入力するようになっている。
【0032】(5)受入側端末2Aから廃車情報の送信があったら(処理S7)、廃車情報収集手段33は、送信された廃車情報を収集し、IDを付与して廃車情報データベース52に当該廃車情報を蓄積する(処理S8:廃棄対象情報収集手順)。
(6)一方、再生材製造事業所側端末2Cからは、定期的に必要原料情報が送信されていて(処理S9)、この必要原料情報は、必要原料情報受付手段33で受け付けられて、必要原料情報データベース53に蓄積される(処理S10)。尚、必要原料情報は、図7に示すように、必要な鋼材の種類および材質、必要となる時期等から構成され、必要原料情報データベース53に蓄積された情報は、経日で順次書き換えられるようになっている。
【0033】(7)生産情報生成手段34は、廃車情報データベース52に蓄積された廃車情報を取得し(処理S11)、廃車情報に含まれる建設機械1の機種、型式、装備部品等に基づいて、機種別鋼種/重量データベース54、部品別鋼種/重量データベース55を探索し、廃車から得られる鋼材の種類および量を取得する(処理S12)。
(8)次に、生産情報生成手段34は、廃車情報に含まれる機種、型式情報を分解処理時間演算手段35に出力し、分解処理時間演算手段35は、これに基づいて、分解工数データベース56から分解処理に要する時間の総計と、切断減容必要係数データベース57から切断、減容に要する時間の総計とを算出し、合算して分解処理全体に要する時間を演算する(処理S13:分解処理時間演算手順)。
【0034】(9)演算された分解処理時間は、再び生産情報生成手段34に返され、生産情報生成手段34は、廃車情報に含まれる分解事業所Bへの入荷予定日と、演算された分解処理時間とに基づいて、分解事業所Bにおける生産原料となる鋼材の生産計画を作成し(処理S14)、さらに、鋼種別にどの程度の重量がいつまでにできるかという鋼種別生産計画を作成する(処理S15)。
(10)次に、マッチング手段38は、必要原料情報データベース53を探索して再生材製造事業所Cにおける必要原料情報と、分解事業所Bの生産計画とをマッチングを行い、再生材製造事業所Cに供給できる再生原料鋼材の量を算出し(処理S16)、生産情報生成手段34に出力する。生産情報生成手段34は、マッチングの結果を考慮して分解事業所Bに送信する生産情報を修正する。また、生産情報提示手段39は、再生原料の入荷スケジュールを含む生産情報を再生材製造事業所側端末2Cに送信出力する。
【0035】(11)作業指示提示手段37は、修正された生産情報に基づいて、分解事業所Bにおける作業指示を生成し、分解事業所端末2Bに送信出力する(処理S17)。出力された作業指示は、分解事業所側端末2Bで受信され(処理S18)、これに基づいて、作業が行われる。また、生産情報に基づいてタグ発行手段36は、タグ情報を生成し、これをデータとして分解事業所側端末2Bに送信出力する(処理S19)。分解事業所側端末2Bは、このタグ情報を受信したら、付設のプリンタ等を利用して印刷出力する(処理S20)。
【0036】(12)マッチング手段38は、マッチング処理の結果、分解事業所Bで生産される再生原料鋼材に余剰分が生じるか否かを判定し(処理S21)、余剰分が生じた場合、生産情報公開手段40にその旨を通知する。生産情報公開手段40は、生産情報生成手段34で生成された生産計画と、必要原料情報データベース53に蓄積された必要原料情報との差分を求め、鋼種別の余剰分と、鋼種別価格データベース58から取得される鋼種別の価格とを公開情報として生成する(処理S22)。
【0037】(13)そして、生産情報公開手段40は、生成された公開情報を所定のサイト上にアップする(処理S23)。具体的には、図16に示される画面例の下側のように、鋼種材質、単価、販売可能量、納期可能時期等が地域単位で表示される。尚、本例にあっては、各地域の右側の「Myリストに入れる」ボタンを押すと仮押さえの状況となり、さらに「地図」ボタンを押すと、該当地域の地図が表示されるようになっている。
【0038】(14)このように生産情報が公開されている状態において、外部再生材製造業者Dが、再生原料鋼材の購入を希望する場合、まず、公開情報がアップされているサイトにアクセスして(処理S24)、購入希望の旨を送信する(処理S25)。具体的には、図16の画面G1上でハイパーテキストリンクが張られた「鋼材の検索/購入」というテキスト部分を選択し、新たな画面において購入のボタンを押すと、ID等を入力する画面が表示される。
(15)登録受付手段31は、廃車情報登録の場合と同様に、新規登録者であるかどうかを判定し(処理S26)、新規登録である場合、登録画面の送信(処理S27)、登録情報の送信(処理S28)、新規会員の登録(処理S29)という手順で会員登録を行った後、登録受付手段31は、購入希望者側の端末2Dおよび分解業者側の端末2Bに対して、確認のメールを送信する(処理S30)。
【0039】(16)確認のメールを受け取った分解事業所Bの端末2Bは、購入を受け付けた旨のメールを送信し(処理S31)、以後、両者間の直接の取引が行われる。取引が終了したら、生産原料鋼材を販売した分解事業所側端末2B、および、購入した再生材製造業者側端末2Dのそれぞれから、取引の結果に関する情報をサーバ10に送信してもらう(処理S32、S33)。
(18)サーバ10の実績収集手段41は、これらの取引結果を受け付け、取引実績データベース59に蓄積する(処理S34)。取引実績データベース59に蓄積された実績情報は、データ解析手段42により分析され、鋼種別価格、分解工数等の変動する可能性のあるデータベースの修正情報として利用される。
【0040】尚、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すような変形をも含むものである。前記実施形態では、専ら建設機械1の廃棄から分解、再利用という観点でリサイクル情報提供システムを利用していたが、本発明はこれに限られない。すなわち、他の産業機械の廃棄、再利用に際して本発明を利用してもよい。また、前記実施形態では、分解事業所Bを予めリサイクル情報提供システムを用いたリサイクルシステムに組み込んだものとして構成していたが、本発明はこれに限られない。すなわち、ネットワークアクセスに基づく外部参加の形式で、他の解体業者等が分解事業所として参加してもよい。また、中古車の販売店A、分解業者B、再生材製造業者Cは2つまたはそれ以上が一つの事業所に併せたものでもよい。このようにすることで、広くリサイクル情報を提供することのできるシステムとすることができ、その有用性は高い。
【0041】さらに、前記実施形態では、鋼材のリサイクルを行うリサイクル情報提供システムとしていたが、これに限らず、合成樹脂等のリサイクルにおいて本発明を採用してもよい。そして、前記実施形態では、単一のサーバ10に各手段31〜41、各データベース51〜59を集約していたが、本発明はこれに限られず、一部機能が分散された複数のサーバを用いて本発明を実施してもよい。要するに、システム全体で本発明の構成が具体化できればよい。
【0042】また、前記実施形態では、各事業所側の端末として通常のコンピュータを採用していたが、本発明はこれに限られない。すなわち、通信機能を有する携帯情報端末(PDA)を端末として利用してもよい。その他、本発明の実施の際の具体的な構成および構造等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構成等としてもよい。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目3番6号
【出願日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【代理人】 【識別番号】100079083
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 實三 (外2名)
【公開番号】 特開2003−196375(P2003−196375A)
【公開日】 平成15年7月11日(2003.7.11)
【出願番号】 特願2001−394886(P2001−394886)