トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 移動装置
【発明者】 【氏名】海老根 浩
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【氏名】村木 一至
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株式会社内

【要約】 【課題】ノートパソコンやキーボードなどの移動装置の機能を損なわず利便性を向上させるとともに、ユーザの希望に応じて、固定された状態と移動し易い状態を両立させることの可能な移動装置の提供を目的とする。

【解決手段】ノートパソコン1cは、前方に配設されたゴムパッド2と、後方に配設された、滑り止め部材としての弓状に形成された弾性体21と、この弾性体21の中心線より後方に配設された回転自在に嵌入されたボール32とで構成してある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 机などの載置面上に、移動自在に載置される移動装置であって、前記載置面上を移動しやすくするための滑り部材と、前記載置面上を移動しずらくするための滑り止め部材とを具備したことを特徴とする移動装置。
【請求項2】 前記移動装置を、ノートパソコンやキーボードなどの電子装置としたことを特徴とする請求項1記載の移動装置。
【請求項3】 前記滑り部材を、キャスターやローラなどの転がり部材としたことを特徴とする請求項1又は2記載の移動装置。
【請求項4】 前記転がり部材の形状を、複数の溝を形成した形状又は多角形としたことを特徴とする請求項3記載の移動装置。
【請求項5】 前記滑り止め部材を、ゴムや樹脂製部材としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の移動装置。
【請求項6】 前記滑り止め部材を前記移動装置の前部に配設し、かつ、前記滑り部材を前記移動装置の後部に配設したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の移動装置。
【請求項7】 前記移動装置の前部に、移動させるとき前記載置面と接触する滑り部材を配設したことを特徴とする請求項6記載の移動装置。
【請求項8】 前記滑り部材の近傍に、弾性力を備えた滑り止め部材を配設したことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の移動装置。
【請求項9】 前記弾性力を調整可能としたことを特徴とする請求項8記載の移動装置。
【請求項10】 前記弾性力を備えた滑り止め部材の形状を、弓状の形状とし、かつ、前記滑り部材を、前記弾性力を備えた滑り止め部材を二分割する中心線より離して配設したことを特徴とする請求項8又は9記載の移動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動装置に関し、特に、使い始めるときやかたづけるとき、あるいは、周りの人に画面を見せるときなどに、机上を容易に移動させることができるノートパソコンやキーボードなどの移動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、机の上に載置されたノートパソコンなどを容易に移動させるための簡易移動装置等について、様々な提案が行われてきた。また、ノートパソコンやキーボードなどは、一般的に、底部に滑り止めが付いており、使用するとき机の上で動かない構造としてあった。
【0003】ところが、上記ノートパソコンなどを使い終わってしまうときや、商談などにおいて表示画面を周囲の人に見せるときなどに、軽い力で容易に移動できるようにしてほしいといった要望があった。
【0004】上記要望をかなえるために、たとえば、実用新案登録第3071670号や特開2000−353028号公報において、球体や車輪などの転がり部材を備えたキャスターや台の技術が提案されている。しかしながら、これらの技術は、キャスターや台を完成されたノートパソコンやキーボードに後から取り付ける構造であり、持ち運ぶとき邪魔になったり、かさばったりして不便であった。
【0005】上記不具合を改善する技術として、たとえば、特開2000−330666号公報において、ノートパソコンの本体下面に転がり体を備えた簡易移動可能なノート型パソコンの技術が提案されている。この技術は、転がり体をノート型パソコンに内蔵することにより、邪魔にならず移動性を向上させることができた。
【0006】ところで、ノートパソコンやキーボードは、ユーザが移動させたいときには、容易に移動でき、かつ、ユーザが使用しているときには、しっかり机などに固定されていることが必要である。また、向かい合った相手に表示画面を見せるときなどには、ノートパソコンの後部や上部本体を持って移動させなければならない場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ノートパソコンやキーボードのユーザにとっては、ノートパソコンやキーボードの移動性や固定力は、一概に最適な値が決定できるものではなく個人差や使用状況などによっても異なるものである。つまり、ユーザの使用状況により、移動性が必要な場合と逆に固定力が必要な場合がある。従来は、ユーザの必要性に応じて、ノートパソコンなどの移動性と固定力を設定することができないといった問題があった。
【0008】また、上記ノートパソコンの本体下面に転がり体を備えた簡易移動可能なノート型パソコンは、転がり体をノートパソコンの後部に配設してあるので、ノートパソコンの前部を持ち上げて移動させる必要があった。このため、この簡易移動可能なノート型パソコンは、後部や上部本体を持って移動させなければならない場合、転がり体を利用することができず、容易に移動させることができないといった問題があった。
【0009】本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、ノートパソコンやキーボードなどの移動装置の機能を損なわず利便性を向上させるとともに、ユーザの希望に応じて、固定された状態と移動し易い状態を両立させることの可能な移動装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の移動装置は、机などの載置面上に、移動自在に載置される移動装置であって、前記載置面上を移動しやすくするための滑り部材と、前記載置面上を移動しずらくするための滑り止め部材とを具備した構成としてある。このようにすると、滑り部材を利用して移動装置を容易に移動させることができ、かつ、滑り止め部材を利用して移動装置を移動しにくくすることができる。
【0011】また、本発明の移動装置は、前記移動装置を、ノートパソコンやキーボードなどの電子装置とした構成としてある。このようにすることにより、電子装置を使い始めるときやかたづけるとき、あるいは、周りの人に画面を見せるときなどに、容易に移動させることができる。
【0012】また、本発明の移動装置は、前記滑り部材を、キャスターやローラなどの転がり部材とした構成としてある。このようにすることにより、移動装置と載置面との摩擦係数を小さくすることができる。
【0013】また、本発明の移動装置は、前記転がり部材の形状を、複数の溝を形成した形状又は多角形とした構成としてある。このようにすることにより、転がり部材が転がる際の滑りやすさを、滑り過ぎないように調整することができる。
【0014】また、本発明の移動装置は、前記滑り止め部材を、ゴムや樹脂製部材とした構成としてある。このようにすることにより、移動装置と載置面との摩擦係数を大きくすることができる。
【0015】また、本発明の移動装置は、前記滑り止め部材を前記移動装置の前部に配設し、かつ、前記滑り部材を前記移動装置の後部に配設した構成としてある。このようにすると、移動装置を使用するときは、滑り止め部材により移動装置を固定することができ、かつ、移動装置を移動させるときは、移動装置の前部を持ち上げて滑り部材と載置面を接触させることにより、移動装置を容易に移動することができる。
【0016】また、本発明の移動装置は、前記移動装置の前部に、移動させるとき前記載置面と接触する滑り部材を配設した構成としてある。このようにすると、移動装置を移動させるとき、移動装置の前部に配設された滑り部材と後部に配設された滑り部材によって移動装置が支持されるので、より容易に移動させることができる。
【0017】また、本発明の移動装置は、前記滑り部材の近傍に、弾性力を備えた滑り止め部材を配設した構成としてある。このようにすると、弾性力の範囲内の力に対しては、滑り止め部材が移動装置を支持し、弾性力を上回った力に対しては、滑り部材が移動装置を支持することができる。
【0018】また、本発明の移動装置は、前記弾性力を調整可能とした構成としてある。このようにすることにより、移動装置を移動させる際の力を利用者が容易に調整することができる。
【0019】また、本発明の移動装置は、前記弾性力を備えた滑り止め部材の形状を、弓状の形状とし、かつ、前記滑り部材を、前記弾性力を備えた滑り止め部材を二分割する中心線より離して配設した構成としてある。このようにすることにより、移動装置を傾ければ傾けるほど、より小さな力で移動させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の移動装置の各実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】「第一実施形態」図1は、本発明の第一実施形態にかかる移動装置を説明するための概略図であり、(a)は底面図を、(b)は載置状態を説明するための側面図を、(c)は移動状態を説明するための側面図を示している。同図において、移動装置(ノートパソコン1)は、底面に載置面10上を移動しずらくするための滑り止め部材としてのゴムパッド2と、移動しやすくするための滑り部材としてローラ3と、を具備した構成としてある。
【0022】また、本発明における移動装置は、ノートパソコンやキーボードなどの電子装置とするとよく、このようにすることにより、電子装置を使い始めるときやかたづけるとき、あるいは、周りの人に画面を見せるときなどに、容易に移動させることができる。なお、電子装置には、ノートパソコンやキーボードに限定するものではなく、たとえば、ワープロや表示装置などを含む。
【0023】ゴムパッド2は、ゴム製のパッドであり、ノートパソコン1と載置面10との摩擦抵抗を大きくすることができる。また、パッドの材料は、ゴムに限定するものではなく、滑り止め部材として機能する摩擦係数を有する材料であれば、ウレタン樹脂等の樹脂材料でもよい。また、ゴムパッド2は、楕円状の形状としてあるが、この形状に限定するものではなく、円形、長円形、多角形など様々な形状としてもよい。
【0024】ローラ3は、回転軸が貫通された円筒状の形状としてあり、ノートパソコン1の前後方向に回転自在に配設してある。また、本実施形態の滑り部材は、ローラ3からなる転がり部材としてあり、このようにすることにより、ノートパソコン1と載置面10との摩擦係数を小さくすることができる。
【0025】また、本発明の転がり部材は、円筒状のローラ3に限定するものではなく、方向転換自在のキャスターや回転自在に嵌入されたボールなどとしてもよい。また、図2に示すように、ローラ3の断面形状を複数の溝の形成された形状のローラ3aや多角形のローラ3bとしてもよく、このようにすることにより、転がり部材が転がる際の滑りやすさを、滑り過ぎないように調整することができる。
【0026】なお、本発明の滑り部材は、転がり部材に限定するものではなく、たとえば、摩擦係数の小さいテフロン(登録商標)樹脂をほぼ半球状に形成したテフロンパッドとしてもよく、このようにすることにより、滑り部材のコストダウンを図ることができる。また、上記滑り部材としてのパッドの材料や表面粗さなどを選択することにより、ノートパソコン1の移動性を滑り過ぎないように設定することができる。
【0027】また、ノートパソコン1は、ゴムパッド2をノートパソコン1の前部両側の二箇所に配設し、かつ、ローラ3をノートパソコン1の後部両側の二箇所にそれぞれ配設した構成としてある。
【0028】このようにすると、図1(b)に示すように、ノートパソコン1は、使用されるとき、前部のゴムパッド2と後部のローラ3によって安定した状態で支持され、かつ、ゴムパッド2によって、載置面10を滑ることなく固定される。また、図1(c)に示すように、ノートパソコン1は、移動されるとき、ノートパソコン1の前部を持ち上げてローラ3だけを載置面10と接触させることにより、容易に移動される。
【0029】また、ノートパソコン1は、ゴムパッド2およびローラ3を、それぞれ矩形板状のホルダ4に形成し、このホルダ4をねじあるいは嵌合構造(図示せず)を用いて、ノートパソコン1と接合させる構造としてある。このようにすることにより、小型・軽量化といったノートパソコン1の機能を確保することができる。
【0030】また、ノートパソコン1は、ホルダ4を自由に取り替え可能な構造とすることにより、たとえば、ゴムパッド2の形成されたホルダ4を四箇所に配設することもでき、ノートパソコン1の移動性を必要としないユーザの要望にも容易に対応することができる。なお、ノートパソコン1は、ホルダ4を用いる構造に限定するものではなく、たとえば、ノートパソコン1の筐体にゴムパッド2やローラ3を直接配設する構造としてもよい。
【0031】上述したように、本実施形態のノートパソコン1は、滑り部材としてのローラ3を利用して容易に移動させることができ、かつ、滑り止め部材としてのゴムパッド2を利用して載置面10に固定することができる。また、ホルダ4を介してゴムパッド2やローラ3を取り付けることにより、ノートパソコン1の機能を損なうことなく、移動性といった利便性を向上させることができる。
【0032】また、ローラ3の断面形状を多角形などの形状としたり、あるいは、摩擦係数の異なる材料や表面粗さなどを選択した滑り部材としてのパッドを用いることにより、ノートパソコン1の移動性を滑り過ぎないように設定することができ、ユーザの希望に応じて、固定された状態と移動し易い状態を両立させることができる。
【0033】<第一実施形態の応用例>なお、本実施形態のノートパソコン1は、上記構造に限定されるものではなく、図3に示すように、ノートパソコン1aの底面のほぼ四隅にゴムパッド2を配設し、かつ、底面の後方端部の両側にローラ3を配設する構造としてもよい。
【0034】このようにすることにより、図3(b)に示すように、ノートパソコン1aを使用するときは、四箇所に配設されたゴムパッド2により、より強固に載置面10に固定することができる。さらに、図3(c)に示すように、ノートパソコン1aを移動させるときは、ノートパソコン1aの前部を傾けるように持ち上げることにより、ローラ3を載置面10と接触させることができるので、第一実施形態のノートパソコン1と同様に、容易に移動させることができる。
【0035】「第二実施形態」図4は、本発明の第二実施形態にかかる移動装置を説明するための概略図であり、(a)は底面図を、(b)は載置状態を説明するための側面図を、(c)は移動状態を説明するための側面図を示している。同図において、ノートパソコン1bは、底面の前部両側に、底面方向及び正面方向に回動自在に一対のアーム5を配設し、このアーム5にローラ31を回転自在に取り付けた構成としてある。
【0036】ローラ31は、対向する一対のアーム5と回転自在に連結してある。また、ローラ31は、直径がゴムパッド2の高さより短くしてあるので、正面方向に移動した状態では、ローラ31が載置面10と当接しないので、ゴムパッド2は、載置面10と確実に接触することができる。したがって、ノートパソコン1bは、強固に載置面10と固定される。
【0037】アーム5は、ノートパソコン1bの両側に露出しており、ユーザが容易に回動させることができる。また、このアーム5は、図4(b)に示すように、ユーザがノートパソコン1bを使用、保管、持ち運びするときは、正面方向に位置し、先端部がノートパソコン1bの正面より突き出る。したがって、ノートパソコンを持ち運びする際、ローラ31を取手として利用することができる。
【0038】アーム5は、図4(c)に示すように、ユーザがノートパソコン1bを移動するときは、底面とほぼ垂直になる位置まで底面方向に回動される。アーム5がこの状態まで回動されると、ノートパソコン1bの後方に配設されたローラ3とローラ31が、ノートパソコン1bを移動自在に支持することができる。
【0039】また、アーム5は、上記状態を保持する構造としてある。したがって、ノートパソコン1bは、ユーザによってアーム5が立てられると、ゴムパッド2が載置面10と接触しなくなるので、スムースに移動させることができる。また、アーム5は、ユーザによって正面方向に回動されると、保持状態が解除される構造としてあるので、ノートパソコン1bは、位置希望する場所まで移動されてから、保持状態が解除されることにより、四つのゴムパッド2によって支持され載置面10に簡単には移動できないように載置される。なお、その他の構造及び作用については、上記応用例のノートパソコン1aと同様としてある。
【0040】上述したように、第二実施形態におけるノートパソコン1bは、移動させるとき、滑り部材であるローラ3とローラ31によって支持されるので、非常にスムースに移動することができる。
【0041】また、ノートパソコン1bは、図示してないが、アーム5をノートパソコン1bの上部本体の回動と連動させ、上部本体が閉じられると自動的にアーム5が立てられる構成としてもよい。このようにすることにより、ユーザは、上部本体を閉じた後、アーム5を立てる動作を省略することができる。
【0042】「第三実施形態」図5は、本発明の第三実施形態にかかる移動装置を説明するための概略図であり、(a)は底面図を、(b)は載置状態を説明するための側面図を、(c)は移動状態を説明するための側面図を示している。同図において、ノートパソコン1cは、ゴムパッド2と、回転自在に嵌入されたボール32と、滑り止め部材としての弾性体21とを具備した構成としてある。
【0043】滑り止め部材としてのゴムパッド2は、ノートパソコン1cの底面前方の両側に配設され、また、滑り部材としてのボール32は、ノートパソコン1cの底面後方の両側に配設してある。
【0044】弾性体21は、ボール32の両側に、両端がノートパソコン1cの前後方向に沿って、かつ、側面から見ると弓状に湾曲した状態で、弾性力を発揮できるように取り付けてある。また、弾性体21は、ゴム製としてあるが、ゴム製に限定するものではなく、止め部材として機能する材料であればよい。
【0045】また、弾性体21は、図5(b)に示すように、ノートパソコン1cが使用されるときや置かれているときは、ボール32が載置面10と接触しないように、ノートパソコン1cを支持する。したがって、ノートパソコン1cは、ゴムパッド2と弾性体21により、載置面10にしっかり固定される。
【0046】一方、弾性体21は、図5(c)に示すように、ノートパソコン1cを移動させる際、ユーザがノートパソコン1cの前部を持ち上げると、受ける力が増え、この増加量に応じて弾性変形する。なお、同図においては、弾性変形が微小であるため、省略して図示してある。
【0047】このように弾性体21が弾性変形すると、ボール32が載置面10と接触し、ノートパソコン1cは、弾性体21と、ボール32と、ユーザの手とによって支持される。つまり、ボール32の摩擦抵抗がないものと仮定すると、ユーザは、弾性体21と載置面10との摩擦抵抗に抗して、ノートパソコン1cを移動させる必要があり、ユーザが適度な力加減で移動させることができる。
【0048】また、弾性体21の弾性力を調整可能とした構成とするとよく、このようにすることにより、ノートパソコン1cを移動させる際の力をユーザが容易に調整することができる。なお、弾性体21の弾性力は、形状、材質などを変えることにより、容易に調整することができる。
【0049】また、弓状の弾性体21を二分割する中心線よりボール32を後方側に配設するとよい。このようにすると、ノートパソコン1cが傾けられることによって、ボール32が載置面10に接近し、かつ、弾性体21と載置面10の接点が後方に移動するので、ユーザがノートパソコン1cを傾ければ傾けるほど、弾性体21が受ける力が減少し、より小さな力で移動させることができる。つまり、ユーザは、ノートパソコン1cの傾け角度で、移動させる力を自由に調整することができる。なお、その他の構造及び作用については、上記第一実施形態のノートパソコン1と同様としてある。
【0050】上述したように、第三実施形態におけるノートパソコン1cは、弾性体21の弾性力の範囲内の力に対しては、弾性体21が支持し、弾性力を上回った力に対しては、弾性体21がノートパソコン1cを支持する。したがって、ノートパソコン1cを移動させる際、前部を持ち上げてノートパソコン1cの後方に大きな力が作用する場合であっても、ノートパソコン1cを容易かつ適度な力で移動させることができる。
【0051】<第三実施形態の応用例>なお、本応用例のノートパソコン1dは、上記構造に限定されるものではなく、図6に示すように、ノートパソコン1cの弾性体21の代りに、ばね(図示せず)により底面方向に付勢された付勢ゴムパッド22を配設した構成としてある。付勢ゴムパッド22は、上記ばねを代えることにより、容易に弾性力を調整することができる。
【0052】ここで、好ましくは、付勢ゴムパッド22は、側面から見ると弓状の形状としてあり、付勢ゴムパッド22を二分割する中心線よりボール32を後方側に配設する構成とするとよい。このようにすることにより、ユーザがノートパソコン1dを傾ければ傾けるほど、付勢ゴムパッド22の接点が後方に移動して、付勢ゴムパッド22が受ける力が減少し、より小さな力で移動させることができる。
【0053】「第四実施形態」図7は、本発明の第四実施形態にかかる移動装置を説明するための概略図であり、(a)は底面図を、(b)は載置状態を説明するための側面図を、(c)は移動状態を説明するための側面図を示している。同図において、ノートパソコン1eは、ゴムパッド2を使用しないで、上記ゴムパッド22とボール32を、底面の四隅に配設した構成としてある。
【0054】ここで、ノートパソコン1eは、上記ノートパソコン1dに対して、ゴムパッド2の代りに、付勢ゴムパッド22とボール32を180度回転させた状態で取り付け、底面の四隅にボール32と付勢ゴムパッド22を配設させた構造としてある。なお、その他の構造及び作用については、上記第三実施形態の応用例のノートパソコン1dと同様としてある。
【0055】上述したノートパソコン1eは、使用するとき、図7(b)に示すように、四隅に配設された付勢ゴムパッド22によって、ボール32が載置面10と当接することなく、強固に載置面10に固定される。
【0056】また、ノートパソコン1eを移動させるときは、ノートパソコン1eの前部は勿論、図7(c)に示すように、後部を持ち上げた場合であっても、前方に配設されたボール32によって、軽い力で容易に移動させることができる。したがって、向かい合った相手にノートパソコン1eの表示画面を見せるときであっても、ノートパソコン1eの後部や上部本体を持って容易に移動させることができる。
【0057】なお、本実施形態のノートパソコン1eは、上記構造に限定されるものではなく、たとえば、付勢ゴムパッド22を底面方向に付勢するばね(図示せず)を取り付けず、かつ、ボール32の代りに摩擦抵抗の小さいテフロン製の半球を使用した構成としてもよい。このようにすることにより、ノートパソコン1eのコストダウンを図ることができる。
【0058】なお、本発明にかかる移動装置は、上述した各実施形態等に限定するものではなく、様々な応用例を含むものである。たとえば、図8に示すノートパソコン1fは、上記ノートパソコン1bのアーム5とローラ31の代りに、前部両側に支持棒33と、支持棒33の下部先端に回転自在に連結されたボール32とを配設した構成としてある。
【0059】この支持棒33は、上方に付勢されており、ノートパソコン1fの上部本体が開かれた状態では、上部先端がノートパソコン1fの下部本体から上方に突出している。また、支持棒33は、ノートパソコン1fの上部本体が閉められると、下方に移動し下部本体の底面から突出し、ノートパソコン1fを支持する。
【0060】このようにすると、ノートパソコン1fは、上部本体が閉じられると自動的にボール32が突出するので、利便性を向上させることができる。また、ノートパソコン1fは、突出したボール32とローラ3によって支持されるので、容易に移動させることができる。
【0061】また、ノートパソコン1fは、図示してないが、支持棒33の中段をコイル型の圧縮ばねとし、下部本体の底面にボール32が突出しないように、ボール32が出入りする穴を塞ぐストッパを配設する構造としてもよい。このようにすると、ストッパで穴を塞ぐことにより、上部本体が閉められても、下部本体の底面からボール32が突出しないようにすることもできる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における移動装置によれば、ノートパソコンやキーボードなどの移動装置の機能を損なわず利便性を向上させるとともに、ユーザの希望に応じて、固定された状態と移動し易い状態を両立させることができる。
【0063】また、本発明における移動装置によれば、ノートパソコンを持ち上げて移動させる際の位置を前部に限定することなく、後部や上部本体を持って移動させることができるので、ノートパソコンの移動をより容易にかつ自由に行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【住所又は居所】東京都港区芝五丁目7番1号
【出願日】 平成13年12月28日(2001.12.28)
【代理人】 【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 喜平
【公開番号】 特開2003−195976(P2003−195976A)
【公開日】 平成15年7月11日(2003.7.11)
【出願番号】 特願2001−399318(P2001−399318)