| 【発明の名称】 |
上下水道の省エネ方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】原 直樹 【住所又は居所】茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所情報制御システム事業部内
【氏名】圓佛 伊智朗 【住所又は居所】茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所電力・電機開発研究所内
【氏名】▲陰▼山 晃治 【住所又は居所】茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所電力・電機開発研究所内
【氏名】木村 文智 【住所又は居所】茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社日立製作所情報制御システム事業部内
【氏名】武本 剛 【住所又は居所】茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社日立製作所電力・電機開発研究所内
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| 【要約】 |
【課題】省エネと水処理プラントの機能を総合的に判断できるノウハウを持つサービス会社によって、上下水道の省エネ方法および省エネシステムの提供。
【解決手段】サービス会社2と上下水道事業体1との間の契約条件、および水処理プラントの施設情報と運転実績情報に基づいて、サービス会社がプラントの省エネ診断を実施して省エネ効果を決定し、機器改修または運転方法を上下水道事業体へ提供すると共に、上下水道事業体は提供された前記機器または運転方法に従って実施する。また、サービス会社は決定したプラントの省エネ効果を基に、機器改修または運転方法を上下水道事業体へ提供すると共に、機器メーカ3に機器改修を指示し、該機器メーカが指示に従い機器改修を実施する。上下水道事業体の保有する浄水場や下水処理場などの省エネシステムの構築をサービス会社に委託することにより、それぞれの役割分担が明確化され、上下水道分野全体としての円滑化と効率化が期待できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】上下水道事業体の保有する水処理プラントの運転実績情報及び施設情報に基づいて、前記水処理プラントの目標処理水質を満足し、かつ電力使用量が最低となる機器あるいは運転方法を決定する上下水道の省エネ方法であって、運転情報解析手段と、水質情報解析手段と、省エネ効果試算手段と、機器仕様データベースとを具備し、前記運転情報解析手段は上下水道事業体が保有するプラントの施設情報及び運転実績情報から機器の原単位を算出し、該原単位に基いて省エネ効果のある機器仕様あるいは運用方法を決定し、前記水質情報解析手段は上下水道が保有する水処理プラントの施設情報及び運転実績情報からプラントの処理水質を予測し、該処理水質の予測値に基づいて、省エネ効果のある機器仕様あるいは運用方法を決定し、前記省エネ効果試算手段は運転情報解析手段および水質情報解析手段より決定された機器仕様あるいは運用方法を基に省エネ効果を試算することを特徴とする上下水道の省エネ方法。 【請求項2】請求項1の上下水道の省エネ方法において、前記省エネ効果のある機器を、前記上下水道事業体に提供あるいは施工することを特徴とする上下水道の省エネ方法。 【請求項3】請求項1の上下水道の省エネ方法において、前記省エネ効果のある運転方法を、前記上下水道事業体の作業者または該上下水道とは別の作業会社の作業者に作業指示し、該作業者が運転を実施する上下水道の省エネ方法。 【請求項4】請求項1に記載の省エネ方法において、前記水処理プラントの機器動作、水量、水質、使用電力量などの実績情報を収集する運転実績情報収集手段を設け、該運転実績情報収集手段により得られる運転実績情報から省エネ効果のある機器仕様あるいは運用方法を決定することを特徴とする上下水道の省エネ方法。 【請求項5】請求項1に記載の省エネ方法において、前記水処理プラントの構成や機器仕様などの施設情報を保存できる施設情報保存手段を設け、該施設情報保存手段により得られる施設情報から省エネ効果を算出することを特徴とする上下水道の省エネ方法。 【請求項6】省エネ効果のある機器仕様、機器数を決定し、機器を保有するメーカに情報ネットワークを利用して通知し、ネットオークションによってメーカを決定し、水処理プラントの機器改修を実施することを特徴とする水処理プラントの省エネシステム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、本発明は、取水場、浄水場、給水所、下水処理場、ポンプ場など上下水事業体の水処理プラントの省エネ方法および省エネシステムに関し、特に、省エネ化を図るために使用されるポンプ、ブロア、自家発電装置、制御機器、受変電設備、インバータ装置、ドライブ装置及び制御機器などのプロセス機器、計測器等の機器の決定、導入および運転に係わる上下水道の省エネ方法および省エネシステムに関する。 【0002】 【従来の技術】上下水道事業体の保有する水処理プラントの省エネには、電力使用量、機器の負荷などを設備毎に調査して問題点を明らかにした後に、目的とする省エネ効果を達成できる機器に投資したり、運用方法の変更を図っている。これら電力使用量の調査や省エネ診断は職員が実施しているのが一般的である。また、省エネに関する作業は、通常の運転管理業務の他に行われるのが現状である。対象プラントの土木、機械、電気設備、さらに水処理プラントの製品である処理水の品質を十分に熟知した職員が必要である。また、電力料金の仕組みの理解、情報の収集と解析、法規制の理解など省エネ診断の知識を保有した専門職員が必要である。このような専門知識を持つ運転員や保守保全管理員が十分に確保できる事業体では、取り組みが可能である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来の省エネ診断では、適正な省エネ効果を評価するために、各事業体が個別に専門職員を必要十分に確保する必要があった。こうした専門職員の確保は、事業体の財政状況や人員構成などの条件が揃わなければならず、事業体にとっては事業遂行上の大きな負担となっている場合がある。また、専門職員確保の負担軽減を目的として、従来も一部実施されていた作業会社への委託(アウトソーシング)の範囲を拡大することも考えられるが、この場合には作業会社が専門職員に相当するノウハウを求められるだけでなく、各所に点在するプラントに省エネ調査実施できる人員を派遣できるローカルな拠点を置く必要があり、参入にあたっての障壁が大きいという課題が存在する。さらに、単に機器の省エネ効果のみではなく、機器動作や電力使用量が水処理に与える影響を十分に評価しなければならない。省エネは達成したが製品品質(水質)が法規制基準値以下に低下したのでは、本末転倒である。このような、省エネとともに水処理プラントの機能を総合的に判断できる専門職員の確保が課題である。水道事業による電力使用量は、全国総使用量の約0.9%(78.6億kWh;平成9年度実績)を占めるため、省エネ/温暖化ガス抑制という観点での取り組みが求められている。平成10年に改正された省エネ法により、浄水場や下水処理場が新たにエネルギー管理指定事業場(第2種)に指定されたことから、この動きは強まっている。第2種に指定された浄水場や下水処理場では、必要に応じて省エネの効果を診断し、省エネ機器を導入し、浄水場または下水処理場の運転費を縮減し、経営の健全化、さらには上水道、下水道の普及を促進することを求められている。本発明の目的は、省エネとともに水処理プラントの機能を総合的に判断できるノウハウを持つサービス会社によって、上水道および下水道の省エネ方法および省エネシステムを提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明に係る上下水道の省エネ方法は、上下水道事業体と契約したサービス会社が上下水道事業体のプラントの施設情報と運転実績情報に基づいて、当該プラントの省エネ診断を実施し、プラントの省エネ効果を決定し、機器改修または運転方法を該上下水道事業体へ提供し、該上下水道事業体は提供された前記機器または運転方法に従って実施することを特徴とする。また、サービス会社は決定した機器改修を機器メーカに指示し、該機器メーカは指示に従いプラント機器改修を実施する。また、上下水道事業体からプラントの運転を委託された維持管理会社がある場合、サービス会社は決定した運転方法を維持管理会社に指示し、該維持管理会社は指示に従いプラントの運転を実施する。また、上下水道事業体が保有するプラントの施設情報及び運転実績情報から機器の原単位を算出し、該原単位に基いて省エネ効果のある機器仕様あるいは運用方法を決定する運転情報解析工程、および施設情報及び運転実績情報からプラントの処理水質を予測し、該処理水質の予測値に基づいて、省エネ効果のある機器仕様あるいは運用方法を決定する水質情報解析工程を包含する。さらに、水質情報解析工程は、プラントの目標処理水質を満足し、かつ電力使用量が最低となる運転方法を決定する。また、上下水道事業体のプラントの構成や機器仕様などの施設情報を電子データとして格納可能な施設情報保存手段を設け、情報ネットワークを利用して施設情報を収集し、該施設情報をもとに省エネ効果を決定する。また、上下水道事業体のプラントの機器動作、水量、水質、使用電力量などの運転実績を収集するための運転実績情報収集手段を設け、情報ネットワークを利用して運転実績情報を収集し、該運転実績情報をもとに省エネ効果を決定する。また、省エネ効果のある機器仕様、機器数を決定し、機器を保有するメーカに情報ネットワークを利用して通知し、ネットオークションによってメーカを決定し、プラントの機器改修を実施する。 【0005】サービス会社と上下水道事業体との間の契約条件、および該上下水道事業体のプラントの施設情報と運転実績情報に基づいて、サービス会社が前記プラントの省エネ診断を実施し、該プラントの省エネ効果を決定し、機器改修または運転方法を上下水道事業体へ提供し、該上下水道事業体は提供された前記機器または運転方法に従って実施することを特徴とする。また、前記サービス会社はプラントの省エネ診断を実施し、該プラントの省エネ効果を決定し、機器改修、または運転方法を該上下水道事業体へ提供し、機器メーカに機器改修を指示し、該機器メーカが指示に従い機器改修を実施することを特徴とする。 【0006】 【発明の実施の形態】本発明に係る上下水道の省エネ方法の実施例を説明する。図1は本発明の一実施例のシステム構成を示す。本実施例では、上水道事業体や下水道事業体を表す上下水道事業体1、水処理プラントの省エネ効果を決定するサービス会社2、水処理プラントの機器を保有しサービス会社の指示に従い機器を提供する機器メーカ3が当事者である。本実施例で、サービス会社2と機器メーカ3とを分離しているが、サービス会社2と機器メーカ3が一体であっても構わない。 【0007】最初に上下水道事業体1とサービス会社2との間で、契約を締結する。この契約は、サービス会社2からは省エネシステム構築代行、水道事業体1からみると委託(アウトソーシング)の契約であり、代行する省エネシステム構築業務の範囲と内容、課金や支払の条件、提供されるデータや報告内容、契約期間などが両者の合意によって設定される。 【0008】上下水道事業体1、サービス会社2、機器メーカ3の3者間の情報伝達は、電子データメディア、情報ネットワーク等の情報伝達手段を介して行われる。上下水道事業体1は、機器の起動停止の情報、流量情報、風量情報、機器や設備毎の使用電力量情報、濁度、有機物、窒素、リン、残留塩素、色度、pH値などの水質情報、薬品使用量や燃料使用量の情報などの運転実績情報を、実績情報収集手段11で収集する。 【0009】実績情報収集手段11は、計測機器、計算機、計算機のソフトウエア等から構成されており、収集情報は帳票、電子データメディア、情報ネットワーク等によってサービス会社2に伝えられる。情報収集対象は、機器単位、設備単位、施設単位である。例えばポンプの省エネ効果を把握するためには、稼動、電力使用量、吐き出し流量の情報を同時に収集することが望ましい。 【0010】実績情報収集手段11は、上下水道事業体1の保有する浄水場、下水処理場、ポンプ場など広域な地域に配置された施設や機器にも設置され、遠隔地の機器に対しても情報ネットワークなどを利用して情報を伝達することができる。施設情報保有手段12は、上下水道事業体1の保有する機器、設備、施設の仕様、構造、施工、接続系統などの施設情報を完成図書や電子データとして保存でき、これら施設情報は、図面、電子データメディア、情報ネットワーク等によってサービス会社2に伝えられる。実績情報収集手段11や施設情報保存手段12は、サービス会社2が契約によって提供してもよいし、上下水道事業体1がその他のメーカから直接購入してもよい。 【0011】サービス会社2は、パーソナルコンピューター等の計算機や計算機上のソフトからなる運転情報解析手段21、水質情報解析手段22及び省エネ効果試算手段23を備えている。運転情報解析手段21は、上下水道事業体1の施設情報保存手段12からの施設構成や機器仕様等の施設情報を収集し、省エネ効果を解析するための対象機器を決める。続いて上下水道事業体1の実績情報収集手段11から対象機器の電力使用量や稼動時間等の運転実績情報を収集し、また機器メーカ3の機器仕様データベースから最新の機器情報と合わせて解析し、省エネ量と最適な機器仕様または機器改修等を決定する。 【0012】水質情報解析手段22は、実績情報収集手段11から機器の運転目標と運転実績、流入から処理されて流出するまでの水質や水量の情報を収集し、処理水質が基準値を満足する運用方法を解析し、省エネ効果のある運用方法を決定する。サービス会社2は、これら運転情報解析手段21と水質情報解析手段22による省エネ効果を、上下水道事業体1に報告する。サービス会社2は自社の機器によっても省エネシステムを構築することもできるが、本実施例では、機器メーカ3との請負契約により、機器及び機器設置作業そのものは機器メーカ3の作業者が実施する。 【0013】サービス会社2は、機器メーカ3と上下水道事業体1の保有する施設における機器の改修・提供の契約を行い、機器メーカ3は改修・提供の指示に従い、上下水道事業体1に機器を提供する。このように省システムを引き渡した時点で上下水道事業体1からサービス会社2に対価が支払われる。また、サービス会社2は機器メーカ3に機器改修・提供の対価を支払う。 【0014】ここでの契約では、請負に出される作業の範囲と内容、作業指示のやり方、作業報告の内容、請負費や支払条件などが設定される。上下水道事業体1とサービス会社2との契約により請負範囲省が省エネ効果試算までの場合は、省エネ効果を上下水道事業体1に報告することによって、上下水道事業体1からサービス会社2に対価が支払われる。 【0015】機器メーカ3は、パーソナルコンピューター等の計算機や計算機上のソフトからなる保有機器の機器仕様データベース31を備えている。機器仕様データベース31は、機器の型式と、型式毎の重量、寸法、電力使用量、効率及びその保有数量、施工図、保守点検、納入実績などの機器仕様に関する情報を管理する。これらの機器仕様情報はサービス会社2が参照できる。また、機器仕様データベース31は、サービス会社2からの機器の新規導入、機器の改修指示を受けて、提供する機器や、対象となる上下水道事業体名称、施設名称、納入実績等を管理または表示する。 【0016】機器仕様データベース31の参照は、サービス会社2や上下水道事業体1や他の会社からの無償でアクセスできることが望ましいが、契約者のみ参照してもよい。この場合、アクセス頻度や時間に合わせて課金される。本実施例では、各当事者がそれぞれ一つしか記載されていないが、一つのサービス会社2が複数の上下水道事業体1、複数の機器メーカ3とやり取りするケースもある。 【0017】次に本発明におけるサービス会社の機能を説明する。図2はポンプの省エネを、運転情報解析手段21により試算する工程の一実施例である。施設情報収集工程51は、上下水道事業体1の施設情報保存手段12からの施設構成や機器の種類、数量、仕様、据え付け位置、電気的・水理的・機械的な接続状況等の施設情報を収集し、プラントの機器構成の把握と省エネ効果が得られそうな機器の候補を抽出する。例えばポンプの場合の仕様としては、ポンプの型式、口径、揚程、吐出し量、回転数、電動機出力などである。実績情報収集工程52では、上下水道事業体1の実績情報収集手段11から既設ポンプの吐出し流量、電力使用量、稼働時間、稼動台数、負荷率、実揚程等の実績情報を収集する。 【0018】運転情報解析工程53では、収集された実績情報から既設ポンプの吐出し流量単位の電力消費量の特性を原単位として算出し、流量の変化と原単位の変化の関係を定量化する。同時に、機器メーカ3の機器仕様データベース31から既設ポンプと同様の口径、揚程、吐出し量の仕様でかつ効率の良いポンプを検索し情報を取得する。また、回転数が固定で運用されたポンプの場合は、既設ポンプの回転数を制御できるインバータの情報を取得する。このように取得した機器情報から、実績よりも少ない電力使用量で必要とする吐出し量や揚程を満足できる機器を選定し、同時に選定機器による省エネ効果を試算する。 【0019】図3は運転情報解析工程53のフローを示すもので、複数台の固定速(回転数一定)ポンプによって、時間とともに変化する流量を送水しているポンプ設備の運転情報解析工程の一実施例を示す。工程531では、ポンプ電力消費量を流量で除算し原単位R0を算出する。このとき単位はKWh/m3である。工程532では、24時間、1ヶ月、1ヶ年の流量と原単位R0の関係を散布図などの相関図を作成する。通常、流量がポンプ1台で吐出せる範囲では流量が大きいほど原単位が小さくなり効率は高くなり、流量が増加してポンプが1台から2台に切換わると、原単位は再び上昇する。 【0020】工程534では、機器メーカ3の機器仕様データベース31から、既設ポンプの流量、口径、揚程、使用電力量などの情報をキーワードに最新の高効率ポンプ情報を検索し、取得する。検索したポンプ仕様を適用した場合の効率を既設の効率と比較しα1と定義すると、検索したポンプの原単位R1は、R0とα1の乗算により算出する。α1が1.0のときは既設ポンプと同一の効率であり、α1<1.0のときは少ない電力使用量で同一流量を吐出せることを意味する。工程535では、機器メーカ3の機器仕様データベース31から、ポンプの回転数を変化可能なインバータ情報を検索する。回転数制御により既設の複数台のポンプを運転した場合の効率上昇をα2で表し、インバータを適用したときの原単位R2をR0とα2の乗算により算出する。 【0021】工程534では、評価対象とした24時間、1ヶ月、1ヶ年などの期間の流量パターンに対して原単位R1、R2を乗じて評価期間の電力使用量を試算する。複数の機器メーカからの機器仕様データベース31の情報検索に基づいてこれら工程534、535、536を繰り返す。工程537では、工程536で試算した電力使用量試算値と既設ポンプによる電力使用量の実績値とを比較し、最も小さい電力使用量を示したポンプやインバータを最適機器仕様と決定する。省エネ効果とは、電力使用量試算値と既設ポンプによる電力使用量の実績値との差である。 【0022】図4は下水処理場のブロワの省エネを、サービス会社2の運転情報解析手段21及び水質情報解析手段22により試算する工程の一実施例を示す。まず、運転情報解析手段21による機器解析の工程について説明する。施設情報収集工程61は、施設情報保存手段12からのブロワの種類、数量、仕様、据え付け位置、電気的・機械的な接続状況等の施設情報を収集する。ブロワの仕様としては、ブロワの型式、口径、吐出し圧力、風量、回転数、電動機出力などである。 【0023】実績情報収集工程62では、実績情報収集手段11から既設ブロワの風量、電力使用量、稼働時間、稼動台数、負荷率、吐出し圧力等の実績情報を収集する。運転情報解析工程63では、収集された実績情報から既設ブロワの風量単位の電力消費量の関係を原単位として算出し、風量の変化と原単位の変化の関係を定量化する。同時に、機器メーカ3の機器仕様データベース31から既設ブロワと同様の口径、揚程、吐出し量の仕様でかつ効率の良いブロワを検索し情報を取得する。また、回転数が固定で運用されたブロワで、かつルーツブロワの場合、既設ブロワの回転数を制御できるインバータの情報を取得する。このように取得した機器情報から、実績よりも少ない電力使用量で必要とする風量と圧力とを満足できるブロワを選定し、同時に選定機器による省エネ効果を試算する。 【0024】次に、水質情報解析手段21による水質解析工程について説明する。施設情報収集工程71は、施設情報保存手段12からの前記のブロワ単独施設情報の他、散気装置の位置と仕様、溶存酸素濃度計の位置と仕様、反応槽の寸法、最終沈殿池の寸法、返送や循環の位置、制御仕様など水処理施設全体の施設情報を収集する。 【0025】実績情報収集工程72では、実績情報収集手段11から既設ブロワの風量、処理水量、処理水質等の情報を収集する。ここで水質情報とは、下水処理場で汚濁物質とされる有機物、硝酸性窒素、アンモニア性窒素、リンなどの情報や、処理における制御指標となる微生物濃度、溶存酸素濃度などである。これらは自動計測器による計測や、専門者の採水分析により収集したデータである。 【0026】水質情報解析工程73は、施設情報収集工程71と実績情報収集工程72で収集した情報により処理水質を予測可能な水質予測モデルを構築し、処理水質に残留する汚濁物質が基準値以下に保つための最低風量をシミュレーション計算にて算出する。この最低風量に、運転情報解析工程63で選択されたブロワの原単位に基づいて省エネ効果を試算する。 【0027】図5は水質情報解析工程73のフローを示すもので、処理水質に残留する除去対象物質が基準値以下に保つための最低風量をシミュレーション計算にて算出するための水質情報解析工程の一実施例を示す。工程731では、処理水に残留する汚濁物質と処理水中の目標量を設定する。ここでは、有機物、全窒素、全リンを対象としている。工程732では、汚濁物質が下水処理プロセスにより除去される過程を表現可能な水質予測モデルを作成する。 【0028】水質予測モデルは、例えば有機物除去モデル、リンの放出と摂取によるリン除去モデル、硝化と脱窒による窒素除去モデル、反応槽や沈殿池の混合状態モデル、酸素供給モデルなどの複数のモデル群から構成され、施設情報収集工程71や実績情報収集工程72にて収集した情報を利用してモデルを実施設に合わせてチューニングする。モデルは公知の数学的モデルを用いてもよいし、システム同定や統計的手法により決定してもよい。 【0029】工程733では、評価対象とした24時間、1ヶ月、1ヶ年などの期間における処理水質を水質予測モデルで算出する。水質予測モデルへの入力は、流入条件として流入下水の流量、有機物、全リン、全窒素など、運転条件として風量または溶存酸素を与え、出力として処理水中に残留する有機物、全リン、全窒素を算出する。風量または溶存酸素量を変化しながら計算を繰り返すことにより、処理水中に残留する有機物、全リン、全窒素が目標値以下となる最低風量または最低溶存酸素が算出できる。 【0030】溶存酸素に基づいて計算した場合は、最低溶存酸素に係数や関数を乗算して最低風量を換算する。工程734では、この最低風量に、運転情報解析工程63で選定された最適ブロワの原単位を乗算することにより、電力使用量を算出する。前記電力使用量と既設ブロワによる電力使用量の実績値とを比較し、省エネ効果とは、電力使用量試算値と既設ブロワによる電力使用量の実績値との差である。 【0031】図6は省エネ試算に用いる情報を示すもので、実績情報収集手段11によって収集した下水処理場の運転実績情報の一実施例を示す。実績情報収集手段11には、時間毎の情報、日毎の情報、月毎の情報があり、情報項目としては、運転情報80、自動水質計または手分析による水質試験情報81、設備の運転目標を記した情報82とから構成される。 【0032】これら情報の項目は、一般的に用いられている日報や各種データ帳票の項目と重複していることから、広く普及している施設の情報収集システムと連動していることが望ましい。運転目標を記した情報82は、作業記録やどのような設定値での運転がなされたかなどの過去のデータを保存したものである。また、水質試験情報81の項目は、水質基準に設定されている各種水質規制項目のうち連続計測できないものや、微生物の種類や計数結果などである。これらの情報は、運転管理上で必要な所定の頻度で、実績情報収集手段11介してサービス会社2へ送信される。 【0033】図7は省エネ試算に用いる情報を示すもので、施設情報保存手段12によって収集した下水処理場の施設情報の一実施例を示す。施設情報には、土木関係情報90、電気設備情報91、機械設備情報92などがあり、一般には完成図書として図面で保存または、CD-ROMやMOなどの電子メディアによって保存されている。 【0034】図8は本発明の実施形態であるネットオークションの概要図を示す。サービス会社2は、上下水道事業体1の省エネに有効な機器情報を情報ネットワークを利用して、複数の機器メーカ3に伝える。機器の情報は、名称、型式、仕様等である。これらに加えて、サービス会社2は、価格、予備機器の有無、メンテナンス条件、機器の製造年月日、機器故障時の対応などについても回答させる。サービス会社2は、機器メーカ2の回答を比較し、最適条件の機器メーカ3と契約をする。機器メーカの決定には項目毎に点数で評価し、高得点な会社を選択する。 【0035】なお、価格、メンテナンス条件、故障時の対応、予備機器の有無の項目を重視し、故障期間の短縮を図るとともに運転費を縮減できるようにする。さらに、上下水道事業体1がサービス会社2を、サービス会社2が機器メーカ3をそれぞれ複数の会社から、同様なネットオークションを利用して選定することも可能である。 【0036】以上のように、本発明の実施形態によれば、省エネ効果を試算し、効果のある機器提供や機器改修を実行、上下水道事業体の省エネシステム構築の調査や建設費や運転費を縮減することができる。本実施例では、上下水道業体が有する施設の一部の適用について説明したが、その他の機器や設備、施設に適用する場合でも、個別の情報内容や項目が異なるのみで、基本的な方式の枠組みは全く同様に適用することができる。 【0037】 【発明の効果】本発明によれば、上下水道事業体の保有する浄水場や下水処理場などの省エネシステムの構築をサービス会社に委託することにより、それぞれの役割分担が明確化され、上下水道分野全体としての円滑化と効率化が期待できる。具体的な効果としては、水道事業体にとってはサービス会社のノウハウとマンパワーとを活用することにより、職員確保の負担軽減や管理水準向上が期待できる。また、サービス会社にとっては、作業者派遣を作業会社に委託することで、浄水場や下水処理場の近隣に作業者派遣のためのローカルな拠点を必要とせずに、サービス事業を地域を限定せずに展開できる。また、機器メーカにとっては、省エネ効果の試算を行う際に必要となる高度なノウハウ取得をサービス会社に委ねることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所 【住所又は居所】東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地
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| 【出願日】 |
平成13年11月8日(2001.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074631 【弁理士】 【氏名又は名称】高田 幸彦 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−150674(P2003−150674A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月23日(2003.5.23) |
| 【出願番号】 |
特願2001−343066(P2001−343066) |
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