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【発明の名称】 半導体集積回路のレイアウト設計方法
【発明者】 【氏名】小澤 重雄
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】一宮 敬弘
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】木村 文浩
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】銅配線を採用した半導体集積回路のレイアウト設計を行う際、設計制約として配線幅、配線占有率の上限を守る必要があるが、2つの幅広配線が交差する部分でこれらの制約を満たすためには、従来技術では過剰な面積的損失が発生する。

【解決手段】互いに交差する配線に対して配線分割を行う場合、交差する配線を配線交差部とそれ以外の部分の各領域に分割する(S12)。次にそれぞれの領域に対して配線分割処理あるいはスリット挿入処理を別々に行う(S13,S14)。これにより、配線占有率の制約を遵守するために配線分割処理あるいはスリット面積の調整を行う際に、配線交差部とそれ以外の部分に対して独立に処理を行うことが可能になり、それぞれの部分において配線占有率と面積損失等を考慮して最適な処理を行うことが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに交差する位置関係にある配線を、配線交差部とそれ以外の部分との領域に分割し、それぞれの領域に対してスリットを挿入することを特徴とする半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項2】 2つの配線がL字型に交差する前記配線交差部の領域に対して行うスリットの挿入は、配線分割数とスリット幅の2つのパラメータに基づいて複数のセグメントに分割し、前記スリットの挿入位置以外に対してセグメントを規則的に配置することにより行うことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項3】 2つの配線がT字あるいは十字型に交差する前記配線交差部の領域に対して行うスリットの挿入は、縦方向の配線分割数、横方向の配線分割数、縦方向のスリット幅、および、横方向のスリット幅の4つのパラメータに基づいて複数のセグメントに分割し、前記スリットの挿入位置以外に対してセグメントを規則的に配置することにより行うことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項4】 前記配線交差部の縦横の辺の長さを変更することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項5】 前記配線交差部以外の部分の占有する領域の幅を変更することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項6】 複数の配線工程を有する半導体集積回路のレイアウト設計方法であって、ある配線工程の後に、一定領域の配線占有率を計算する工程と、その配線占有率に基いて以降の配線工程で配線占有率エラーが起こることのない様な配線禁止面積を算出する工程と、前記算出された面積に基き配線禁止領域を設ける工程とを含む半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項7】 複数の配線工程を有する半導体集積回路のレイアウト設計方法であって、ある配線工程の後に、一定領域の配線占有率を計算する工程と、その配線占有率に応じて既配線部のスリット量を変更する配線およびそのスリット率を決定する工程と、その決定に従って前記配線のスリット量を変更する工程とを含む半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項8】 スリット量を変更する配線を決定する際、配線の特性に応じた優先順位をつけ、その優先順位に応じて決定することを特徴とする請求項7記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項9】 配線の特性として、配線に流れる電流値と配線の抵抗値の関数を用いることを特徴とする請求項8記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【請求項10】 配線の特性として、配線のタイミング情報を用いることを特徴とする請求項8記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銅配線等を有する半導体装置を製造するために必要となる半導体集積回路のレイアウト設計方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体集積回路の高集積化の伴い、配線抵抗の低下を目的とし、配線材料として銅が広く用いられるようになってきた。配線材料として銅を用いる場合、化学的機械研磨(CMP)を利用したダマシンプロセスが採用されるのが一般的である。ところがこのプロセスを行った場合、ディッシングおよびシンニングと呼ばれる現象が発生し、配線抵抗の増加と基板表面の平坦化の悪化による配線の短絡等の問題を引き起こす。この問題の発生を抑止するため、配線幅の上限設定、配線占有率の上限設定等のレイアウト上の制約を設けることが一般的に行われている。配線幅の制約を守るためには、ある一定幅より広い配線は複数に分割する必要がある。また、配線占有率とは、あるエリア内に存在する配線の総面積のエリアに対する比率のことを言うが、これの上限値を守るためには、幅の広い配線が密集しないようなレイアウトパターンにする必要がある。
【0003】従って、電源配線等の幅の広い配線パターンを作成する要求があった場合、以上のような制約を満たすためには、上限幅以下の複数の配線で構成されるバス形状の配線パターンを作成する必要がある。2本の直線状の配線が同一配線層で互いに交差する場合でも、従来の方法では、2本の配線それぞれを複数に分割した状態で交差させるため、図17に示すようなレイアウトパターンが形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17に示すように配線の交差部1の面積占有率は、交差部以外の部分と比べて高くなるため、交差部1が配線占有率の上限を守るようなレイアウトパターンを形成する必要がある。そのためには、交差部1内に存在するスリットの幅を広げることになるが、従来の方法では、それに追随して分割した配線間の間隔を広げることに等しく、この場合、交差部以外では面積占有率の観点からみると分割した配線の間隔が必要以上に広がる場合がある。分割した配線間には電圧降下抑制のためのブリッジを形成しておくことが多いことと、シンニングの発生を極力抑えるためにも、その配線間領域は信号配線領域としては使用できない。従って、分割した配線の間隔が広がれば面積的な損失が発生する。
【0005】本発明の目的は、面積的な損失を抑えた配線のレイアウトパターンを実現できる半導体集積回路のレイアウト設計方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、互いに交差する位置関係にある配線を、配線交差部とそれ以外の部分との領域に分割し、それぞれの領域に対してスリットを挿入することを特徴とする。
【0007】この請求項1の方法によれば、互いに交差する配線に対して配線分割を行う場合、互いに交差する位置関係にある配線を、配線交差部とそれ以外の部分との領域に分割し、それぞれの領域に対してスリットを挿入することにより、配線占有率の制約を遵守するために配線分割処理あるいはスリット面積の調整を行う際に、配線交差部とそれ以外の部分に対して独立に処理を行うことが可能になり、それぞれの部分において配線占有率と面積損失等を考慮して最適な処理を行うことが可能になる。
【0008】さらに、請求項2記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、請求項1記載のレイアウト設計方法において、2つの配線がL字型に交差する配線交差部の領域に対して行うスリットの挿入は、配線分割数とスリット幅の2つのパラメータに基づいて複数のセグメントに分割し、スリットの挿入位置以外に対してセグメントを規則的に配置することにより行うことを特徴とする。
【0009】この請求項2の方法によれば、各セグメントの位置およびサイズは配線分割数とスリット幅の2つのパラメータに基づいて容易に決定することができ、スリットを挿入したL字型の配線交差部の形状を容易に実現できる。
【0010】また、請求項3記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、請求項1記載のレイアウト設計方法において、2つの配線がT字あるいは十字型に交差する配線交差部の領域に対して行うスリットの挿入は、縦方向の配線分割数、横方向の配線分割数、縦方向のスリット幅、および、横方向のスリット幅の4つのパラメータに基づいて複数のセグメントに分割し、スリットの挿入位置以外に対してセグメントを規則的に配置することにより行うことを特徴とする。
【0011】この請求項3の方法によれば、各セグメントの位置およびサイズは縦方向の配線分割数、横方向の配線分割数、縦方向のスリット幅、および、横方向のスリット幅の4つのパラメータに基づいて容易に決定することができ、スリットを挿入したT字あるいは十字型の配線交差部の形状を容易に実現できる。
【0012】また、請求項4記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、請求項1記載のレイアウト設計方法において、配線交差部の縦横の辺の長さを変更することを特徴とする。
【0013】この請求項4の方法によれば、配線占有率の制約上、配線交差部のスリット面積を増大せざるを得ない場合、配線交差部の配線抵抗が増大するが、それを抑制するため配線交差部の縦横の辺の長さを変更し、配線交差部の面積を大きくすることができる。
【0014】また、請求項5記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、請求項1記載のレイアウト設計方法において、配線交差部以外の部分の占有する領域の幅を変更することを特徴とする。
【0015】この請求項5の方法によれば、配線交差部以外の部分の配線占有率が上限よりも余裕がある場合、配線交差部以外の部分の占有する領域の幅を変更し、領域の幅を小さくすることにより、面積損失をより抑制することができる。
【0016】請求項6記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、複数の配線工程を有する半導体集積回路のレイアウト設計方法であって、ある配線工程の後に、一定領域の配線占有率を計算する工程と、その配線占有率に基いて以降の配線工程で配線占有率エラーが起こることのない様な配線禁止面積を算出する工程と、算出された面積に基き配線禁止領域を設ける工程とを含むものである。
【0017】この請求項6の方法によれば、配線交差部の配線部の配線占有率に最悪値を用いなくても、その周辺領域にあらたな配線が行われることはないので、配線占有率エラーを起こすことはない。これらの禁止領域は、従来のように配線内に存在するものではないため、たとえば、他配線のスペーシングとして用いることも可能である。なお、本発明は、配線交差部にのみ適用されるものではない。一定領域は、全チップ領域でもよい。
【0018】請求項7記載の半導体集積回路のレイアウト設計方法は、複数の配線工程を有する半導体集積回路のレイアウト設計方法であって、ある配線工程の後に、一定領域の配線占有率を計算する工程と、その配線占有率に応じて既配線部のスリット量を変更する配線およびそのスリット率を決定する工程と、その決定に従って配線のスリット量を変更する工程とを含むものである。
【0019】この請求項7の方法によれば、最終的な配線に対し、配線占有率エラーを起こすことのない範囲内の、任意のスリット率でスリットを設けることが出来る。
【0020】この場合、請求項8のように、スリット量を変更する配線を決定する際、配線の特性に応じた優先順位をつけ、その優先順位に応じて決定することができる。さらに、配線の特性として、請求項9のように、配線に流れる電流値と配線の抵抗値の関数を用いたり、請求項10のように、配線のタイミング情報を用いることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態における半導体集積回路のレイアウト設計方法について、図面を用いて説明する。
【0022】まず、請求項1の実施の形態について図1の処理フローに基づいて、また図2を参照しながら説明する。まず図2(a)に示すような互いに交差する2つの配線を特定する(S11)。これは、任意の縦配線、横配線を1つずつ選んで、その縦配線のすべてのx座標が横配線のx座標に含まれ、かつ縦配線のy座標の少なくとも一部が横配線のy座標に含まれるような2つの配線は互いに交差する配線であると特定できる。次に、図2(b)に示すように配線交差部1とそれ以外の部分とに領域を分割する(S12)。図2中の(Xa1、Ya1)等は、領域の左下角、右上角の座標を示す。次に、交差部1の領域に対して、配線占有率を考慮してスリットを挿入する(S13)。このスリット挿入処理方法については後述する。最後に交差部1以外の領域に対して、配線分割処理あるいはスリット挿入処理(S14)を行うが、この方法については既に一般的な手法があるためここでは説明しない。
【0023】次に、2つの配線がL字型に交差する場合の配線交差部におけるスリット挿入処理(S13)について(請求項2に対応)、図3の処理フローに基づいて、また図4を参照しながら説明する。まず、配線占有率を考慮して配線分割数Nとスリット幅Wを決定する(S21)。ここでは配線交差部1の形状を正方形と仮定しており、分割してできる配線幅が全て同じになるようにすれば、配線幅は図4に示すように(X−(N−1)W)/Nとなるので、これらの数値に従って、図4のように領域を細かいセグメントに分割する(S22)。各セグメントの座標とサイズは上記パラメータから容易に決定できる。次に各セグメントをスリットの位置を除いて配置する(S23)。スリットの位置以外に配置するには、k=1、2、・・・、Nとすると、〔行:列〕という表記で、〔α:2k−1〕(ここで、α=1、・・・、2k−1)、〔2k−1:β〕(ここで、β=1、・・・、2k−2)の行列の位置に配置すればよい。
【0024】次に、2つの配線がT字型あるいは十字型に交差する場合の配線交差部におけるスリット挿入処理(S13)について(請求項3に対応)、図5の処理フローに基づいて、また図6を参照しながら説明する。まず、配線占有率を考慮して横方向の配線分割数N、縦方向の配線分割数Mとスリットの辺の長さW、Lを決定する(S31)。分割してできる配線幅が横方向同士は同じ、縦方向同士は同じになるようにすれば、図6に示すように、横方向の配線幅は(Y−(N−1)W)/N、縦方向の配線幅は(X−(M−1)L)/Mとなるので、これらの数値に従って、図6のように領域を細かいセグメントに分割する(S32)。各セグメントの座標とサイズは上記パラメータから容易に決定できる。次に各セグメントをスリットの位置を除いて配置する(S33)。スリットの位置以外に配置するには、k=1、2、・・・、N−1および、l=1、2、・・・、M−1とすると、〔行:列〕という表記で、〔2k:2l〕の行列の位置を避けて配置すればよい。
【0025】次に、配線交差部における配線抵抗増大を抑制するために配線交差部を拡大する方法について(請求項4に対応)、図7の処理フローに基づいて、また図8を参照しながら説明する。図7のステップS41は、図1のステップS12である。すなわち、交差する2つの配線を特定し(図1のS11)、配線交差部とそれ以外の部分とに領域を分割(S41=S12)した後、配線交差部のサイズを拡大する(S42)。そして、スリット挿入処理を行う(S43)。このスリット挿入処理(S43)は、配線交差部の領域に対して前述のようにスリットを挿入し(図1のS13)、配線交差部以外の領域に対して一般的な手法で分割処理あるいはスリット挿入処理(図1のS14)を行う。
【0026】図8では、元々の配線交差部近傍を示したのが図8(a)であり、ステップS42により配線交差部を拡大した図が図8(b)であり、それにステップS43によるスリット挿入処理を行ったものが図8(c)である。なお、図8では、2つの配線が十字型に交差する場合の配線交差部を示しているが、T字型あるいはL字型に交差する場合についても同様である。
【0027】次に、面積損失を抑制するために配線交差部以外の部分の占有する領域の幅を縮小する方法について(請求項5に対応)、図9の処理フローに基づいて、また図10を参照しながら説明する。図9のステップS51は、図1のステップS12である。すなわち、交差する2つの配線を特定し(図1のS11)、配線交差部とそれ以外の部分とに領域を分割(S51=S12)した後、配線交差部以外の部分の占有する領域の幅を縮小する(S52)。そして、スリット挿入処理を行う(S53)。このスリット挿入処理(S53)は、配線交差部の領域に対して前述のようにスリットを挿入し(図1のS13)、配線交差部以外の領域に対して一般的な手法で分割処理あるいはスリット挿入処理(図1のS14)を行う。
【0028】図10では、元々の配線交差部近傍を示したのが図10(a)であり、ステップS52により配線交差部以外の幅を縮小した図が図10(b)であり、それにステップS53によるスリット挿入処理を行ったものが図10(c)である。なお、図10では、2つの配線が十字型に交差している配線交差部を示しているが、T字型あるいはL字型に交差している配線交差部であっても構わない。
【0029】次に、請求項6の実施の形態について図11および図12を用いて説明する。図11は、請求項6の実施の形態の手順を示すフロー図である。第1の工程S61は、スリットを含む配線(スリット配線)を行う工程である。図12(a)に、第1の工程S61が完了した状態例を示す。図12(a−A)は図12(a)の配線の一部の拡大である。スリットの形状は、これに限られるものではない。また図12(a)のスリット配線は、複数の細配線で構成されていても良い。図12(a−B)に例を示す。図11の第2の工程S62は、一定領域の現在の配線占有率を計算する工程である。一定領域は、全チップでもよい。図11の第3の工程S63は、以降の配線工程で配線占有率エラーが起こることのない様な配線禁止面積を算出する工程である。この配線禁止領域の面積の決定は、たとえば、一定領域中に含まれるべき非配線領域から、既配線中に含まれているスリット領域と、未配線部の最小配線スペーシング領域の和を除いた値を用いることが出来る。図11の第4の工程S64は、第3の工程S63で求められた値に基き配線禁止領域を設定する工程である。配線禁止領域の形状は任意であり、たとえば、スリット配線近傍に設けることができる。配線禁止領域の面積は、第3の工程S63で用いられた前提を満たすものでなければならない。すなわち、仮に第3の工程S63で最小スペーシング領域を非配線領域として用いているとするならば、その部分を含まない形で面積を満たさなければならない。図12(b)に図11の第2、第3の工程S62、S63が行われたのち、第4の工程S64が完了した状態を示す。この後通常配線が行われる。図12(b)では、配線禁止領域が設けられているため、後の配線工程ではこの部分に配線が行われることはない。例を図12(c)に示す。例では通常配線(他信号線の配線)をおこなったが、引き続き本手法を複数回用いても良い。
【0030】次に、請求項7の実施の形態について図13を用いて説明する。図13は、請求項7の実施の形態の手順を示すフロー図である。第1の工程S71は、配線を行う工程である。この工程では、スリット配線は任意のスリット率でスリットを入れた状態で、配線を行う。任意のスリット率は、過去のデータベースや、配線形状に基いて算出されても良い。実際にスリットを入れずに、その情報を配線の特性として保有していても良い。なお、スリット率とは、スリットを入れない状態の配線面積に対するスリット面積の割合をいう。第2の工程S72は、一定領域の現在の配線占有率を計算する工程である。第3の工程S73は、上記の配線占有率に基いてスリット配線のスリット率を変更する配線およびその率を決定する工程である。配線は任意に選んでもよい。第4の工程S74は、第3の工程S73の決定に基き、スリット配線のスリット率を変更する工程である。これにより最終的な配線に対し、配線占有率エラーを起こすことのない範囲内の、任意のスリット率でスリットを設けることが出来る。変更される配線の決定の際、変更可能、不可能もしくは、プライオリティの指定の情報を参照しても良い。これにより、遅延変動を起こしたくない配線の変更を阻止することが出来る。
【0031】次に、請求項8の実施の形態について図14を用いて説明する。図14は、請求項8の実施の実施の形態の手順を示すフロー図である。第1の工程S81は、配線を行う工程である。この工程では、スリット配線は任意のスリット率でスリットを入れた状態で、配線を行う。第2の工程S82は、配線の特性を導き出す工程である。第3の工程S83は、一定領域の現在の配線占有率を計算する工程である。第4の工程S84は、配線の特性に基いて配線に順位づけを行い、配線占有率よりそれらのスリット配線のスリット率を決定する工程である。第5の工程S84は、第4の工程S84の決定に基き、スリット配線のスリット率を変更する工程である。本手法によれば、配線の特性に応じた優先順位づけができるので、ランダムに選択した場合に比べて、より効果的にスリット率を変更することができる。
【0032】次に、請求項9の実施の形態について図15を用いて説明する。図15は、請求項9の実施の形態の手順を示すフロー図である。第1の工程S91は、配線を行う工程である。この工程では、スリット配線は任意のスリット率でスリットを入れた状態で、配線を行う。第2の工程S92は、現在の配線の抵抗値属性を算出する工程である。たとえば、配線の抵抗値をもって、抵抗値属性とする。第3の工程S93は、配線の電流量属性を算出する工程である。電流量算出は、あるテストパタンに対して、電力シミュレーションを行い、配線毎の累積電流量をもって配線の電流量とする。電流量は、最大電流量をもって電流量としても良い。第4の工程S94は、一定領域の現在の配線占有率を計算する工程である。第5の工程S95は、配線の抵抗値属性および電流値属性に基いて配線に順位づけを行い、配線占有率よりそれらのスリット配線のスリット率を決定する工程である。順位づけは、例えば、抵抗値と電流値の積の大きさにより決めることが出来る。第6の工程S96は、第5の工程S95の決定に基き、スリット配線のスリット率を変更する工程である。上記手法により、電力と抵抗値を勘案して配線を選択しているので、電圧降下の大きな配線の抵抗値を優先的に下げることが出来る。なお、ここでは、順位づけ評価関数を抵抗値と電流値の積としたが、これらを用いる任意の関数としてもよい。
【0033】次に、請求項10の実施の形態について図16を用いて説明する。図16は、請求項10の実施の形態の手順を示すフロー図である。第1の工程S101は、配線を行う工程である。この工程では、スリット配線は任意のスリット率でスリットを入れた状態で、配線を行う。第2の工程S102は、現在の配線のタイミング属性を算出する工程である。たとえば、静的タイミング解析を行い、その配線を経由するパスのタイミング余裕度をもってタイミング属性とする。第3の工程S103は、一定領域の現在の配線占有率を計算する工程である。第4の工程S104は、配線のタイミング属性に基いて配線に順位付けを行い、配線占有率よりそれらのスリット配線のスリット率を決定する工程である。第5の工程S105は、第4の工程S104の決定に基き、スリット配線のスリット率を変更する工程である。
【0034】なお、配線の順位付けはタイミング余裕度の大きさによって決めることができる。順位付けはスリット率の変更により、容量、抵抗が変更された後の遅延値に基づいて行なってもよい。変更によりタイミングが改善される場合はその変更を上位に順位付けてもよい。
【0035】上記手法により、配線のタイミング余裕度に応じてスリット率を変更するネットを決定できるので、スリット率の変更によりタイミングエラーが増加する可能性を削減することができる。また、タイミングが改善される方向に修正が行なわれる場合は、当然ながら、タイミングを改善することができる。
【0036】以上実施の形態での各工程の順序は、この順序でも良いし、入れ替わっても最終的に同一の結果となるものは入れ替わっても良い。
【0037】以上でスリット配線と記述した部分は、複数の細線の集合体でもよい。
【0038】上記の各実施の形態は、請求項1〜5の実施の形態と、請求項6の実施の形態と、請求項7〜10の実施の形態の3つの方法に大別できるが、これらの方法を組み合わせて実施することも可能である。例えば、請求項7〜10の実施の形態により占有率エラーが取り除かれた後に、請求項6の実施の形態を実施することができる。このことにより、請求項7〜10の実施の形態によるレイアウト実施後、さらに配線追加を行なってもエラーの発生を防止することができる。また、請求項1〜5の実施の形態を実施後に請求項7〜10の実施の形態を行なうことにより、周囲の状況に応じた配線占有率を設定することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電源配線等の幅広配線の分割を行う場合、配線交差部とそれ以外の部分を分離して配線分割あるいはスリット挿入処理を行うことにより、あるいは、配線占有率に基いた配線禁止領域の設定や配線占有率の調整を行うことにより、配線占有率や配線抵抗を考慮して、面積の無駄がなく最適な形状の配線を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成13年11月1日(2001.11.1)
【代理人】 【識別番号】100076174
【弁理士】
【氏名又は名称】宮井 暎夫
【公開番号】 特開2003−141200(P2003−141200A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−336382(P2001−336382)