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【発明の名称】 製品の発注、製造装置および発注製品の表示装置
【発明者】 【氏名】宍戸 裕一郎
【住所又は居所】大阪府枚方市上野3−1−1 株式会社小松製作所大阪工場内

【氏名】村田 敏光
【住所又は居所】石川県小松市符津町ツ23 株式会社小松製作所粟津工場内

【氏名】加納 伸也
【住所又は居所】大阪府枚方市上野3−1−1 株式会社小松製作所大阪工場内

【氏名】高井 慶一
【住所又は居所】大阪府枚方市上野3−1−1 株式会社小松製作所大阪工場内

【要約】 【課題】建設機械の部品などの標準製品に対して諸元値を変更した製品を発注するに際して、その諸元値変更製品の全体像を3次元的に顧客側の表示画面上で確認できるようにする。

【解決手段】顧客側の端末装置70で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、顧客側の表示画面104の画像表示部200に、諸元値変更製品の3次元モデルが表示される。このため建設機械の部品などの標準製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注するに際して、その諸元値変更製品の全体像を3次元的に顧客側の表示画面上で確認することができるようになり、発注時点における顧客が想定する製品のイメージと実際に納品される製品との間でずれが生じることがなくなり、発注意思決定を迅速を行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 発注製品の表示装置において、標準の製品の諸元値を変更して標準製品に対して異なる諸元値変更製品を発注するに際して、前記諸元値の変更内容を示す諸元値変更データを入力するデータ入力部と、3次元モデルを表示する表示部とを備えた端末装置を、製品の顧客側に設け、前記諸元値変更データが与えられると、この諸元値変更データに基づいて、標準製品の3次元モデルから、諸元値変更製品の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部を、製品の製造メーカ側に設け、前記端末装置と、前記3次元モデル生成部とを通信手段によって通信可能に接続し、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータを、前記通信手段を介して前記3次元モデル生成部に送信して、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータを、前記通信手段を介して前記端末装置に送信して、諸元値変更製品の3次元モデルを前記表示部で表示させることを特徴とする発注製品の表示装置。
【請求項2】 製品の発注、製造装置において、標準の製品の諸元値を変更して標準製品に対して異なる諸元値変更製品を発注し発注内容に応じて諸元値変更製品を製造するに際して、前記諸元値の変更内容を示す諸元値変更データを入力するデータ入力部を備えた端末装置を、製品の顧客側に設け、前記諸元値変更データが与えられると、この諸元値変更データに基づいて、標準製品の3次元モデルを変形して、諸元値変更製品の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、3次元モデルのデータが与えられると、この3次元モデルのデータに基づいて、製品を製造する製造部とを、製品の製造メーカ側に設け、前記端末装置と、前記3次元モデル生成部とを第1の通信手段によって通信可能に接続するとともに、前記3次元モデル生成部と前記製造部とを第2の通信手段によって接続し、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータを、前記第1の通信手段を介して前記3次元モデル生成部に送信して、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータを、前記第2の通信手段を介して前記製造部に送信して、諸元値変更製品を製造することを特徴とする製品の発注、製造装置。
【請求項3】 製品の見積もり額を表示する見積もり額表示部を、前記端末装置に更に備え、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータに基づいて、諸元値変更製品の見積もり額を演算する見積もり額演算部を設け、前記見積もり額演算部で演算された見積もり額を、前記端末装置の見積もり額表示部に表示させることを特徴とする請求項1記載の発注製品の表示装置または請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項4】 諸元値変更製品の発注が確定したことを示す発注確定データを入力する発注確定データ入力部を、前記端末装置に更に備え、前記発注確定データ入力部に発注確定データが入力されるまでは、現在の諸元値変更内容に対応した見積もり額の途中経過を、前記端末装置の見積もり額表示部に表示させることを特徴とする請求項3記載の発注製品の表示装置または請求項3記載の製品の発注、製造装置。
【請求項5】 前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品の製造に必要な製造用図面を作成し、この作成した製造用図に基づいて諸元値変更製品を製造することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項6】 制御用プログラムにしたがって作動し製品を機械加工する加工機械を、前記製造部に備え、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータの中から、前記制御用プログラムを記述するために必要な制御プログラム用データを抽出し、この制御プログラム用データに基づいて制御プログラムを作成し、この制御プログラムにしたがって前記加工機械を作動させ諸元値変更製品を機械加工することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項7】 制御用プログラムにしたがって作動し製品を溶接する溶接ロボットを、前記製造部に備え、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータの中から、前記制御用プログラムを記述するために必要な制御プログラム用データを抽出し、この制御プログラム用データに基づいて制御プログラムを作成し、この制御プログラムにしたがって前記溶接ロボットを作動させ諸元値変更製品を溶接し製造することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項8】 前記製造部は、治具を用いて製品を製造するものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する治具の手配に必要な治具用図面を作成し、この作成した治具用図面に基づいて治具を手配しこの治具を用いて諸元値変更製品を製造することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項9】 前記製造部は、検査指示書にしたがい製造した製品を検査するものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する検査指示書を作成し、この作成した検査指示書を用いて諸元値変更製品を検査することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項10】 前記製造部は、工程設計書にしたがい製品を製造する工程が構築されるものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する工程設計書を作成し、この作成した工程設計書を用いて諸元値変更製品の製造工程を構築することを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【請求項11】 前記製造部は、作業指示書にしたがい製品を製造する作業が進められるものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する作業指示書を作成し、この作成した作業指示書を用いて諸元値変更製品を製造する作業をすすめることを特徴とする請求項2記載の製品の発注、製造装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業機械を構成する部品などの製品(市場で売買される部品、コンポーネント、完成品などを含む)に適用され、標準の製品の諸元値を変更して標準製品に対して異なる諸元値変更製品を発注し、発注内容に応じて諸元値変更製品を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】建設機械は、要求される作業内容、作業場所、作業能力などに応じて、標準の部品に対する諸元値変更の自由度が、自動車を構成する部品に比較して極めて大きい。
【0003】すなわち標準部品であるブーム、アーム、バケットなどのアタッチメント、エアコンディショナなどのオプション、エンジン、油圧ポンプなどのコンポーネントは、それぞれ標準部品とは異なる諸元値に変更することが可能である。
【0004】建設機械では、顧客の要求に応じて、標準部品とは異なる諸元値に変更される。そして標準部品とは異なる諸元値変更部品が顧客に納入される。
【0005】しかし、従来、バケットを例にとると、顧客は、セールスマニュアル、カタログ等の書類上で、予め用意された標準のバケットしか、その写真を確認することができなかった。標準部品に対して寸法を変更したり、オプション(爪など)を追加したりなどして諸元値を変更したバケットを発注しようとしても、その諸元値を変更したバケットを事前に確認することができないため、顧客のイメージとは異なる製品が納入されてしまうことがあった。
【0006】ここにインターネットを利用して顧客のコンピュータの画面上で、オーダーメイドの衣服を発注するという発注システムが公知になっている。
【0007】しかしこの衣服発注システムでは、予め用意された衣服の生地の種類など、部分的なものは画面上で確認することはできるものの、完成品の全体像を画面上で確認することができない。このため発注時点における顧客が想定する製品のイメージと実際に納品される製品との間でずれが生じることがあった。
【0008】本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、建設機械の部品などの標準製品に対して諸元値を変更した製品を発注するに際して、その諸元値変更製品の全体像を3次元的に顧客側の表示画面上で確認できるようにすることを第1の解決課題とするものである。
【0009】また従来、顧客が製品を発注してから製造にとりかかるまでの流れは以下のとおりである。
【0010】まず顧客は、予め用意された見積もり表から、標準品に対して諸元値を変更した製品の価格の見積もりを知る。しかし、見積もり表に該当するものがない場合には別途見積もりとなり、見積もり結果が顧客の元に届くまでに時間を要することになる。見積もりの結果、顧客が納得すれば契約が成立し、メーカの工場に、諸元値変更内容を示すデータが送られる。メーカの工場では、諸元値変更データに応じて製品の図面を3次元CADを用いて作成し、作成した図面に基づき製品を製造する。
【0011】しかし、上記一連の流れにおいて、価格を実際に見積もる作業や、諸元値変更内容を示すデータを3次元CADシステムに入力する作業は、人手によるため怠惰やミスを招きやすく、製造した製品が顧客の元に納入されるまでに時間を要し、製造コストも増大することになっていた。
【0012】本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、建設機械の部品などの標準の製品に対して諸元値を変更した製品を発注してから直ちに製造にとりかかることができるようにして、納期短縮、製造コスト低減を図ることを第2の解決課題とするものである。
【0013】なお従来の一般技術的水準を示す文献として特公平11−110451号公報に記載されたものがある。
【0014】この公報には、顧客側で設計を行いその設計図面をプロバイダに送り、プロバイダは工場に顧客の設計図面を送って見積もりを依頼し、工場は見積もり結果を顧客に返送し、顧客が納得すれば契約が成立して、製造にとりかかるという発明が記載されている。
【0015】この公報記載の発明においても、見積もり作業や図面の送付等が人手によるため、顧客が製品を発注してから顧客の手元に納入されるまでに時間がかかるという従来の問題点は解決されていない。
【0016】
【課題を解決するための手段および効果】第1発明は、第1の解決課題を達成するために、発注製品の表示装置において、標準の製品の諸元値を変更して標準製品に対して異なる諸元値変更製品を発注するに際して、前記諸元値の変更内容を示す諸元値変更データを入力するデータ入力部と、3次元モデルを表示する表示部とを備えた端末装置を、製品の顧客側に設け、前記諸元値変更データが与えられると、この諸元値変更データに基づいて、標準製品の3次元モデルから、諸元値変更製品の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部を、製品の製造メーカ側に設け、前記端末装置と、前記3次元モデル生成部とを通信手段によって通信可能に接続し、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータを、前記通信手段を介して前記3次元モデル生成部に送信して、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータを、前記通信手段を介して前記端末装置に送信して、諸元値変更製品の3次元モデルを前記表示部で表示させることを特徴とする。
【0017】第1発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、顧客側の表示画面104の画像表示部200に、諸元値変更製品の3次元モデルが表示される。このため建設機械の部品などの標準製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注するに際して、その諸元値変更製品の全体像を3次元的に顧客側の表示画面上で確認することができるようになり、発注時点における顧客が想定する製品のイメージと実際に納品される製品との間でずれが生じることがなくなり、発注意思決定を迅速を行うことができる。
【0018】第2発明は、第2の解決課題を達成するために、製品の発注、製造装置において、標準の製品の諸元値を変更して標準製品に対して異なる諸元値変更製品を発注し発注内容に応じて諸元値変更製品を製造するに際して、前記諸元値の変更内容を示す諸元値変更データを入力するデータ入力部を備えた端末装置を、製品の顧客側に設け、前記諸元値変更データが与えられると、この諸元値変更データに基づいて、標準製品の3次元モデルを変形して、諸元値変更製品の3次元モデルを生成する3次元モデル生成部と、3次元モデルのデータが与えられると、この3次元モデルのデータに基づいて、製品を製造する製造部とを、製品の製造メーカ側に設け、前記端末装置と、前記3次元モデル生成部とを第1の通信手段によって通信可能に接続するとともに、前記3次元モデル生成部と前記製造部とを第2の通信手段によって接続し、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータを、前記第1の通信手段を介して前記3次元モデル生成部に送信して、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータを、前記第2の通信手段を介して前記製造部に送信して、諸元値変更製品を製造することを特徴とする。
【0019】第2発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成される。この3次元モデルのデータは製造部である工場50、55、60の端末装置51、56、61(図2)に送信されて、送信されてきた3次元モデルのデータに基づき諸元値変更製品が製造される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに製造にとりかかることができるようになり、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0020】第3発明は、第1発明または第2発明において、製品の見積もり額を表示する見積もり額表示部を、前記端末装置に更に備え、前記端末装置のデータ入力部に入力されたデータに基づいて、諸元値変更製品の見積もり額を演算する見積もり額演算部を設け、前記見積もり額演算部で演算された見積もり額を、前記端末装置の見積もり額表示部に表示させることを特徴とする。
【0021】第3発明によれば、図17に示すように、顧客側の表示画面109の見積もり額表示部(矢印109b)に、諸元値変更製品の見積もり額が表示される。
【0022】第4発明は、第3発明において、諸元値変更製品の発注が確定したことを示す発注確定データを入力する発注確定データ入力部を、前記端末装置に更に備え、前記発注確定データ入力部に発注確定データが入力されるまでは、現在の諸元値変更内容に対応した見積もり額の途中経過を、前記端末装置の見積もり額表示部に表示させることを特徴とする。
【0023】第4発明によれば、図14に示すように、顧客が発注を確定するまでの途中経過の見積もり額が、顧客側の端末装置70の表示画面107の見積もり額表示部(矢印107d)に表示される。このように顧客が発注を確定するまでの途中経過の見積もり金額を顧客側端末装置70の表示画面上に表示しているので、顧客が製品発注の意思決定するまでの便宜を図ることができる。
【0024】第5発明は、第2発明において、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品の製造に必要な製造用図面を作成し、この作成した製造用図に基づいて諸元値変更製品を製造することを特徴とする。
【0025】第5発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成され、図22(b)に示すように、3次元モデルのデータに基づき図面が作成される。図面は製造部である工場50、55、60の端末装置51、56、61(図2)に送信されて、送信されてきた図面に基づき諸元値変更製品が製造される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに図面が作成され、その図面に基づき製造にとりかかることができるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0026】第6発明は、第2発明において、制御用プログラムにしたがって作動し製品を機械加工する加工機械を、前記製造部に備え、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータの中から、前記制御用プログラムを記述するために必要な制御プログラム用データを抽出し、この制御プログラム用データに基づいて制御プログラムを作成し、この制御プログラムにしたがって前記加工機械を作動させ諸元値変更製品を機械加工することを特徴とする。
【0027】第6発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成され、図24に示すように、3次元モデルのデータの中から加工機械の制御プログラム用データが抽出される。そして図25に示すように、制御プログラム用データに基づき制御プログラムが作成され、製造部である工場55、60の端末装置56、61(図2)に送信される。そして、送信されてきた制御プログラムにしたがって加工機械が作動して諸元値変更製品が機械加工される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから、直ちに機械加工用の制御プログラムが作成され、その制御プログラムにしたがい機械加工することができるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0028】第7発明は、第2発明において、制御用プログラムにしたがって作動し製品を溶接する溶接ロボットを、前記製造部に備え、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータの中から、前記制御用プログラムを記述するために必要な制御プログラム用データを抽出し、この制御プログラム用データに基づいて制御プログラムを作成し、この制御プログラムにしたがって前記溶接ロボットを作動させ諸元値変更製品を溶接し製造することを特徴とする。
【0029】第7発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成され、図27に示すように、3次元モデルのデータの中から溶接ロボットの制御プログラム用データが抽出される。そして図28に示すように、制御プログラム用データに基づき制御プログラムが作成され、製造部である工場55、60の端末装置56、61(図2)に送信される。そして、送信されてきた制御プログラムにしたがって溶接ロボットが作動して諸元値変更製品が溶接される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから、直ちに溶接用の制御プログラムが作成され、その制御プログラムにしたがい溶接にとりかかることができるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0030】第8発明は、第2発明において、前記製造部は、治具を用いて製品を製造するものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する治具の手配に必要な治具用図面を作成し、この作成した治具用図面に基づいて治具を手配しこの治具を用いて諸元値変更製品を製造することを特徴とする。
【0031】第8発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成される。そして、図29に示すように、3次元モデルのデータに基づき治具用図面が作成される。治具用図面は製造部である工場55、60の端末装置56、61(図2)に送信されて、送信されてきた治具用図面に基づき治具が手配される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに治具が手配され、その治具を用いて製造にとりかかることができるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0032】第9発明は、第2発明において、前記製造部は、検査指示書にしたがい製造した製品を検査するものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する検査指示書を作成し、この作成した検査指示書を用いて諸元値変更製品を検査することを特徴とする。
【0033】第9発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成される。そして、図30に示すように、3次元モデルのデータに基づき検査指示書が作成される。検査指示書は製造部である工場50、55、60の端末装置51、56、61(図2)に送信されて、送信されてきた検査指示書に基づき諸元値変更製品の検査が行われる。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに検査指示書が作成され、その検査指示書を用いて製品の検査が行われるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0034】第10発明は、第2発明において、前記製造部は、工程設計書にしたがい製品を製造する工程が構築されるものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する工程設計書を作成し、この作成した工程設計書を用いて諸元値変更製品の製造工程を構築することを特徴とする。
【0035】第10発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成される。そして、図31に示すように、3次元モデルのデータに基づき工程設計書が作成される。工程設計書は製造部である工場55、60の端末装置56、61(図2)に送信されて、送信されてきた工程設計書に基づき諸元値変更製品の製造工程が構築される。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに工程設計書が作成され、その工程設計書を用いて製品の製造工程が構築されるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0036】第11発明は、第2発明において、前記製造部は、作業指示書にしたがい製品を製造する作業が進められるものであり、前記3次元モデル生成部で諸元値変更製品の3次元モデルを生成し、この生成した3次元モデルのデータに基づいて、諸元値変更製品に対応する作業指示書を作成し、この作成した作業指示書を用いて諸元値変更製品を製造する作業をすすめることを特徴とする。
【0037】第11発明によれば、図9に示すように、顧客側の端末装置70(図2)で製品の諸元値変更データ(本体幅「350mm」)を与えると、諸元値変更データは3次元モデル生成部である3次元CADシステム用端末装置91(図2)に送信され、諸元値変更製品の3次元モデルが生成される。そして、図31に示すように、3次元モデルのデータに基づき作業指示書が作成される。作業指示書は製造部である工場55、60の端末装置56、61(図2)に送信されて、送信されてきた作業指示書に基づき諸元値変更製品を製造する作業がすすめられる。このように建設機械の部品などの標準の製品(本体幅「430mm」)に対して諸元値を変更した製品(本体幅「350mm」)を発注してから直ちに作業指示書が作成され、その作業指示書を用いて製品を製造する作業がすすめられるので、納期が飛躍的に短縮し、製造コストが飛躍的に低減する。
【0038】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明に係る製品の発注、製造装置および発注製品の表示装置の実施の形態について説明する。なお実施形態では、製品として油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダなどの建設機械のバケットを想定している。建設機械のバケットは、顧客の使用目的等に応じて標準製品に対して諸元値を変更した仕様に変更される。ここで諸元値の変更とは、各部寸法の変更やオプション品(強化パネル等)の追加のことである。
【0039】図1は諸元値変更製品を表示画面上に3次元モデルとして表示するとともに、表示画面上で諸元値変更製品を発注する装置構成をブロック図で示している。
【0040】実施形態のコンピュータ7は、ハードディスク等からなる記憶部2と、OS(オペレーティングシステム)等の制御プログラムに従い記憶部2の記憶データに基づいて処理を実行するCPU等からなる主制御部1と、キーボード、マウス等からなり入力操作に応じたデータを主制御部1に入力する入力部4と、CRTまたは液晶等からなり表示画面上に主制御部1の実行結果を表示する表示部5と、プリンタ等からなり主制御部1の実行結果を印刷等して出力する出力部6と、入力部4の入力操作に応じたデータを主制御部1に入力させ、主制御部1の実行結果を表示部5、出力部6に出力する制御を行う入出力制御部3とから構成されている。記憶部2にはWebページ(インターネットの情報画面)を表示するデータ表示ソフトウエアとしてのWebブラウザが記憶されている。
【0041】入力部4が入力操作されると入力操作内容に応じたデータが、入出力制御部3を介して主制御部1に入力される。主制御部1は、入力操作に応じて記憶部2に記憶されたWebブラウザを実行する。主制御部1の実行結果は入出力制御部3を介して表示部5に表示される。また主制御部1の実行結果は入出力制御部3を介して出力部6から出力される。
【0042】このようにして表示部5の表示画面には、後述するように諸元値変更製品が3次元モデルとして表示されるとともに、表示画面上で諸元値変更製品を発注する指示を与えることができる。
【0043】図2は実施形態の発注、製造システムを示している。
【0044】図2に示すように複数の端末装置(コンピュータ)33、34、35、36、37、38、39、51、56、61、70、サーバ装置31は相互に送受信可能にインターネット20、イントラネット21により接続されている。つまり複数のLAN(ローカルエリアネットワーク)がゲートウエイ、ブリッジによって相互に通信自在に接続されている。
【0045】画面構築システム用端末装置33、見積もりシステム用端末装置34、生産検討システム用端末装置35、NC加工データ生成システム用端末装置36、溶接プログラム生成システム用端末装置37、自動検査指示書作成システム用端末装置38、自動工程設計システム用端末装置39は、建設機械(のバケット)のメーカ30の生産技術部門に設けられている。
【0046】端末装置51は建設機械のバケットを構成する材料を製造する材料工場50に設けられている。端末装置56は建設機械のバケットを構成する部品を製造する部品工場55に設けられている。端末装置61は建設機械のバケットの材料、部品を加工してバケットを組み立てる加工工場60に設けられている。
【0047】なお材料工場は工場50以外に工場50′、50″…が存在しているが図面では省略している。同様に部品工場についても工場55以外に工場55′、55″が存在しており、加工工場についても工場60以外に工場60′、60″が存在しているが図面では省略している。
【0048】顧客側端末装置70は建設機械(のバケット)を購入する顧客側に設けられている。図1のコンピュータ7は顧客側端末装置70に相当する。
【0049】3次元CADシステム用端末装置91は建設機械(のバケット)を設計するメーカの設計部門90に設けられており、データベース92を備えている。データベース92には、図3(a)、(b)に示すように製品であるバケットの種類ごとに、諸元値を示すデータが対応づけられて記憶されている。3次元CADシステム用端末装置91は、3次元CADシステムのプログラムを実行させて、データベース92の記憶データに基づいて、製品であるバケットの3次元モデルを生成する。以下製品の3次元モデルを生成するために必要なデータのことを「3Dデータ」という。
【0050】画面構築システム用端末装置33は、3次元CADシステム用端末装置91で生成された3Dデータに基づき、Webページ(画面)を構築し画面内容を更新する。
【0051】サーバ装置31は、Webページ(画面)を要求のあった端末装置に供給するWebサーバである。サーバ装置31は、顧客側端末装置70からの要求に応じたWebページ(画面)の構築、更新を、画面構築システム用端末装置33に依頼し、画面構築システム用端末装置33で構築、更新されたWebページ(画面)を、顧客側端末装置70に提供する。なお実施形態では、画面構築システム用端末装置33、見積もりシステム用端末装置34、生産検討システム用端末装置35、NC加工データ生成システム用端末装置36、溶接プログラム生成システム用端末装置37、自動検査指示書作成システム用端末装置38、自動工程設計システム用端末装置39それぞれを別体の端末装置として構成し、各端末装置ごとにシステムを搭載しているが、これら各端末装置に搭載された個々のシステムを同一の端末装置に搭載してもよい。
【0052】図3(a)、(b)は、3次元CADシステムによって製品の3次元モデルを生成するために必要なデータのテーブル300、301(以下データテーブルという)を示している。データテーブル300、301は、製品の種類ごとに、諸元値を示すデータを対応づけた構成となっている。図3の各諸元値は標準的なバケット(以下標準バケットという)の値を示している。
【0053】たとえば図11(a)に示す標準バケット80の場合、本体幅A、バケット深さBといった寸法の変更、サイドカッタの有無、バケット側面、底面の強化パネルの追加、色の変更、爪(ツース)の形状変更といったオプション品の追加が可能となっている。以下標準バケット(標準製品)に対して諸元値が変更されたバケットのことを「諸元値変更バケット」(諸元値変更製品)という。
【0054】つぎに図1の主制御部1で実行される処理を説明する。以下図11(a)に示すようにバケット80の本体幅Aを変更し、図15(c)に示すように側面強化パネル85、86をオプション品として追加する場合を例にとり説明する。
【0055】顧客側端末装置70つまり図1のコンピュータ7で、Webブラウザが起動されると、Webブラウザを介してサーバ装置31からWebページのデータが読み出されて表示部5の画面上に図4に示す先頭ページ101が表示される。
【0056】先頭ページ101は注文初期画面であり、先頭ページ101上の画像表示部200には、機種「PC60」、型式「7」、種類「標準形状」の標準バケットの全体画像が表示される。この表示画面101では、矢印101a、101b、101cに示すように、変更可能なパラメータが表示される。この実施形態では、変更可能なパラメータは矢印101aに示すように「機種」、「型式」、「種類」である。また矢印101bに示すように「本体幅」の寸法が、また矢印101cに示すように「サイドカッタの有無」が変更可能となっている。なお機種「PC60」の標準バケットの本体幅Aは「650mm」である。
【0057】ここで顧客が表示部5の表示画面上で指示した機種、その機種のバケットの諸元値の変更内容を示す「表」のことを仕様表という。仕様表は図3に示すデータテーブル300、301に相当する。
【0058】つぎに図5のフローチャートを参照して、顧客側端末装置70(コンピュータ7)の表示部5の表示画面上で画面が表示、更新される処理手順を説明する。
【0059】まず顧客側端末装置70からサーバ装置31へのアクセスが開始されると、Webサーバ装置31は、現在顧客側端末装置70で指示されている製品の製品番号(機種「PC60」、型式「7」、種類「標準形状」の標準バケットの製品番号)と、現在顧客側端末装置70で指示されている仕様表(図3に示す標準的な諸元値の内容)を、製品仕様変更情報として、画面構築システム用端末装置33に送信する(ステップ1001)。この結果画面構築システム用端末装置33はサーバ装置31から製品仕様変更情報を受信する(ステップ1004)。
【0060】つぎに画面構築システム用端末装置33は製品番号と仕様表を3次元CADシステム用端末装置91に送信する(ステップ1005)。
【0061】また画面構築システム用端末装置33は製品番号と仕様表を見積もりシステム用端末装置34に送信する(ステップ1006)。
【0062】3次元CADシステム用端末装置91は、画面構築システム用端末装置33から製品番号と仕様表を受信すると、データベース92から、受信した製品番号に対応する標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、仕様表に応じた表示用3Dデータを生成する。設計用3Dデータ、表示用3Dデータの内容については後述する。
【0063】見積もりシステム用端末装置34は、画面構築システム用端末装置33から製品番号と仕様表を受信すると、受信した製品番号に対応する標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された見積もりデータを読み出す。見積もりデータの内容については後述する。
【0064】この結果画面構築システム用端末装置33は3次元CADシステム用端末装置91から表示用3Dデータを受信する(ステップ1007)。また画面構築システム用端末装置33は見積もりシステム用端末装置34から見積もりデータを受信する(ステップ1008)。
【0065】画面構築システム用端末装置33は表示用3Dデータと見積もりデータとに基づきWebページを構築して表示部5の表示画面を更新する。そして更新された表示画面のデータをサーバ装置31に送信する(ステップ1009)。
【0066】サーバ装置31は画面構築システム用端末装置33から表示画面データを受信し(ステップ1002)、サーバ装置31は表示部5の表示画面を更新する。更新内容を示すデータは顧客側端末装置70に送信され表示用ブラウザにより表示部5の表示画面として表示される(ステップ1003)。
【0067】以下顧客側端末装置70の入力部4で表示部5の表示画面を変更する指示が与えられる毎に、上述したステップ1001〜1009の処理が実行され、表示部5の表示画面が指示内容に応じて更新される。
【0068】すなわち図7に示すように、顧客が端末装置70の入力部4(マウス等)を操作して、表示画面102上で矢印102aに示すように、予め用意されたリストの中から機種を選択する指示を与えると、つまり機種を初期画面101の「PC60」から「PC10」に変更する指示を与えると、矢印102bに示すように、機種「PC60」のバケット本体幅「650mm」(図4の表示画面101参照)は、機種「PC10」に応じたバケット本体幅「430mm」へと、表示内容が更新される。
【0069】機種を「PC10」に変更する指示が与えられると、図8に示す表示画面103に更新され、画像表示部200の表示内容が、機種「PC10」に対応する標準バケットの3D画像に変更される。すなわち顧客側端末装置70で機種を「PC10」に変更する指示が与えられると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」の標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、表示用3Dデータを生成する。こうして生成された機種「PC10」の標準バケットの表示用3Dデータに基づいて、顧客側端末装置70の表示画面103上の画像表示部200に矢印103bに示すように機種「PC10」の標準バケットの3次元(3D)画像が表示される。
【0070】また図9に示すように、表示画面104上で矢印104aに示すように、機種「PC10」のバケット本体幅を標準の「430mm」(図7の表示画面102参照)から「350mm」に変更する指示が与えられると、画像表示部200の表示内容が、矢印104bに示すように本体幅「350mm」に対応する諸元値変更バケットの3D画像に変更される。すなわち顧客側端末装置70で本体幅を「350mm」に変更する指示が与えられると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」に対応する標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、指示された仕様である本体幅「350mm」の表示用3Dデータを生成する。この場合図3(b)に示すように、データテーブル301の本体幅は「350mm」に書き換えられ、この変更内容に応じて表示用3Dデータが生成される。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、顧客側端末装置70の表示画面105上の画像表示部200に、機種「PC10」のバケット本体幅が「350mm」に変更された諸元値変更バケットの3D画像が表示される。
【0071】同様に図10に示すように、表示画面105上で矢印105aに示すように、機種「PC10」のバケット本体幅を「650mm」に変更する指示が与えられると、画像表示部200の表示内容が、矢印105bに示すように本体幅「650mm」に対応する諸元値変更バケットの3D画像に変更される。すなわち顧客側端末装置70で本体幅を「650mm」に変更する指示が与えられると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」の標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、指示された仕様である本体幅「650mm」の表示用3Dデータを生成する。この場合図3(b)に示すように、データテーブル301の本体幅は「650mm」に書き換えられ、この変更内容に応じて表示用3Dデータが生成される。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、顧客側端末装置70の表示画面105上の画像表示部200に、機種「PC10」のバケット本体幅が「650mm」に変更された諸元値変更バケットの3D画像が表示される。
【0072】以上のようにして顧客が表示画面上で諸元値を変更する指示を与えると、3次元CADシステムのプログラムが実行されて指示内容に応じた3Dデータが生成され、この3Dデータに基づき、指示内容に応じた諸元値変更バケットが、顧客側の表示画面上に3次元的に表示される。これにより顧客は発注すべき製品の全体像を画面上で確認することができ、発注時点において自己が想定している製品のイメージと納品された製品との間のずれを最小にすることができる。
【0073】図11(a)、(b)は画像表示部200に表示される標準バケット80と諸元値変更バケット80Aを拡大して示している。同図11(a)は本体幅が「430mm」の標準バケット80の全体像を斜視的に示しており、図11(b)は本体幅が「350mm」に変更された諸元値変更バケット80Aの全体像を斜視的に示している。これら図に示すように本体幅が狭くなるに伴いツースアダプタ81の取付ピッチが短くなる。
【0074】また顧客側の表示画面に表示されたバケットは、自由に回転させ、拡大(縮小)させることができる。
【0075】すなわち顧客が端末装置70の入力部4(マウス等)を操作して、画像表示部200の画像を回転、拡大させる指示を与えると、図12に示すように、表示画面105上で矢印105aに示すように、指示内容に応じた回転位置、拡大量のバケットの3D画像に変更される。この場合、3次元CADシステム用端末装置91は、表示用3Dデータを、指示内容に応じた回転位置、拡大量の表示用3Dデータに変形する。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、顧客側端末装置70の表示画面106上の画像表示部200に、回転位置、拡大量が変更されたバケットの3D画像が表示される。これにより顧客は、発注すべき製品の細部を画面上で確認することができる。
【0076】なお上述した説明では、図11(a)に示すようにバケット本体幅Aを顧客側端末装置70で変更可能とする場合を想定して説明したが、その他各部の寸法を変更する場合にも適用することができる。たとえば同図11(a)に示すバケット深さBを顧客側端末装置70で変更可能にしてもよい。
【0077】また顧客は、製品各部の寸法を変更するだけではなくオプション品の追加を顧客側端末装置70の表示画面上で行うことができる。
【0078】すなわち顧客が表示画面を「オプション品選択画面」に更新させる指示を与えると、図14に示すように、表示画面107に更新される。この表示画面107上には、選択可能なオプション品が表示されている。
【0079】そこで、顧客がたとえば画面107上で矢印107aに示すように機種「PC10」のバケットに「側面強化」のオプション品を追加する指示を与えると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」の標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、指示された仕様であるオプション品「側面強化」が追加された表示用3Dデータを生成する。この場合図3(b)に示すように、データテーブル301の「強化パネル」の「側面」は「有り」に書き換えられ、この変更内容に応じて表示用3Dデータが生成される。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、矢印107bに示す画像表示部200の表示内容が、側面強化パネルが追加されたバケットの3D画像に更新される。
【0080】更に顧客がたとえば画面107上で矢印107cに示すように機種「PC10」のバケットに「底面強化」のオプション品を追加する指示を与えると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」の標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、指示された仕様であるオプション品「底面強化」が追加された表示用3Dデータを生成する。この場合図3(b)に示すように、データテーブル301の「強化パネル」の「底面」は「有り」に書き換えられ、この変更内容に応じて表示用3Dデータが生成される。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、矢印107bに示す画像表示部200の表示内容が、底面強化パネルが追加されたバケットの3D画像に更新される。
【0081】図15(a)、(b)、(c)はそれぞれ、標準バケット84と、表示画面107の画像表示部200に表示される諸元値変更バケット84A、84Bを拡大して示している。同図15(a)は強化パネル「無し」の標準バケット84の全体像を斜視的に示しており、図15(b)はオプション品「側面強化」が追加された諸元値変更バケット84Aの全体像を斜視的に示しており、図15(c)はオプション品「底面強化」が更に追加された諸元値変更バケット84Bの全体像を斜視的に示している。これら図に示すようにオプション品「側面強化」が追加されるに伴いバケットの側面に強化パネル85が取り付けられ、更にオプション品「底面強化」が追加されるに伴いバケットの側面および底面に強化パネル86、87が取り付けられる。
【0082】顧客は自己の発注すべき製品の寸法が変更され、オプション品が追加される毎に、そのときどきの製品の価格を顧客側端末装置70の画面上で確認することができる。
【0083】すなわち顧客が画面107上で矢印107aに示すように機種「PC10」のバケットに「側面強化」のオプション品を追加する指示を与えると、見積もりシステム用端末装置34は、機種「PC10」の標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された見積もりデータを読み出す。見積もりデータとは、各部寸法の変更内容、各オプション品の追加内容、納期、納入先に対応づけられた製品(バケット)の見積もり価格のことである。図6は見積もりデータを例示しており、「納期」に応じて製品であるバケットの価格が対応づけられている。図6では製品の価格と輸送料を分けているが、製品の価格の中に輸送料を含めてもよい。
【0084】見積もりシステム用端末装置34は、見積もりデータの中から、現在までに顧客側端末装置70で指示された仕様(寸法変更内容、オプション追加内容、納期、納入先)に対応する見積もりデータを取り出す。つまり現在までに指示された仕様の製品の価格を計算する。現在の見積もりデータは、前述したように見積もりシステム用端末装置34から画面構築システム用端末装置33、サーバ装置31を介して顧客側端末装置70に送信され、顧客側端末装置70の表示画面107上の矢印107dに示す「見積もり金額表示部」に、現在までの諸元値変更内容を合計したバケットの価格、つまり「側面強化」というオプション品を含んだバケットの価格「XXXXX円」が表示される。
【0085】更に顧客が画面107上で矢印107cに示すように機種「PC10」のバケットに「底面強化」のオプション品を追加する指示を与えると、顧客側端末装置70の表示画面107上の矢印107dに示す「見積もり金額表示部」に、現在までの諸元値変更内容を合計したバケットの価格、つまり「側面強化」、「底面強化」というオプション品を含んだバケットの価格「YYYYY円」が表示される。 なお以上の説明ではバケットに強化パネルを追加する場合を想定したが、バケットに、サイドカッタを追加したり、平刃を追加したり、安全フックを追加したり、バケットのツースの種類(形状)を変更したり、サイドカッタ取付穴の穴埋め処理を追加したりする指示に伴い、その指示された諸元値変更内容に応じたバケットが顧客側端末装置70の画面上に3次元的に表示され、その指示された諸元値変更内容のバケットの価格が顧客側端末装置70の画面上に表示される。
【0086】更に顧客は、オプション品追加として、バケットの色、素材等の指定を顧客側端末装置70の表示画面上で行うことができる。
【0087】すなわち図16に示すように、顧客が「オプション品選択画面」108上で矢印108aに示すように機種「PC10」のバケットに「塗装色:バイオレットブルー」のオプション品を追加する指示を与えると、3次元CADシステム用端末装置91は、機種「PC10」に対応する標準バケットのファイルを呼び出す。そしてこの標準バケットのファイルに格納された設計用3Dデータを変形して、指示された仕様であるオプション品「塗装色:バイオレットブルー」が追加された表示用3Dデータを生成する。この場合図3(b)に示すように、データテーブル301の「色」は標準色「パークグリーン」から「バイオレットブルー」に書き換えられ、この変更内容に応じて表示用3Dデータが生成される。こうして生成された表示用3Dデータに基づいて、画像表示部200の表示内容が、色がバイオレットブルーとなったバケットの3D画像に更新される。
【0088】また顧客が「バイオレットブルー」のオプション品を追加する指示を与えるに伴い、見積もりシステム用端末装置34は、塗装色が「バイオレットブルー」のバケットの見積もりデータを取り出し、顧客側端末装置70の表示画面108上の矢印108bに示す「見積もり金額表示部」に、現在までの諸元値変更内容を合計したバケットの価格、つまり「側面強化」、「底面強化」、「バイオレットブルー」というオプション品を含んだバケットの価格「WWWWW円」が表示される。
【0089】以下同様にしてバケットの素材等を変更する指示に伴い、その指示された諸元値変更内容に応じたバケットが顧客側端末装置70の画面上に3次元的に表示され、その指示された諸元値変更内容のバケットの価格が顧客側端末装置70の画面上に表示される。
【0090】最後に顧客は、バケットの納入先、納期の指定を顧客側端末装置70の表示画面上で行うことができる。
【0091】すなわち図17に示すように、顧客が「発注確定画面」109上で矢印109aに示すように機種「PC10」のバケットの「納入先」、「納期」を指定する指示を与えると、見積もりシステム用端末装置34は、指定された「納入先」、「納期」のバケットの見積もりデータを取り出し、顧客側端末装置70の表示画面109上の矢印109bに示す「見積もり金額表示部」に、現在までの諸元値変更内容を合計したバケットの価格、つまり本体幅が「350mm」に変更され、「側面強化」、「底面強化」、「バイオレットブルー」というオプション品を含み、指定された「納期」までに製造し指定された「納入先」まで運送して納品するために必要な最終的なバケットの価格「ZZZZZ円」が表示される。たとえば図6に示すように、顧客が標準的な納期である「7日」よりも早い納期「3日」を指定すると、標準的な納期(7日)の価格「110,000円」よりも高い「125,000円」が、バケットの価格として表示される。
【0092】顧客が「発注確定画面」109上で矢印109aに示す「確定ボタン」を押す操作をすると、製品であるバケットの発注が確定したことを示す確定データが、発注が確定されたバケットの製品番号(PC10の標準バケットの製品番号)、仕様表(機種「PC10」、本体幅「350mm」、「側面強化」、「底面強化」、「バイオレットブルー」)のデータとともに、顧客側端末装置70からサーバ装置31を介して3次元CADシステム用端末装置91に送信される。以下3次元CADシステム用端末装置91では図18に示す処理が実行され、発注が確定された諸元値変更バケットに対応する設計用3Dデータを生成する。
【0093】以上のように本実施形態では、顧客が発注を確定するまでの途中経過の見積もり金額を顧客側端末装置70の表示画面上に表示しているので、顧客が製品発注の意思決定するまでの便宜を図ることができる。
【0094】つぎに、3次元CADシステム用端末装置91は、データベース92から、受信した製品番号(PC10の標準バケットの製品番号)のファイルを呼び出す。このファイルには、PC10の標準バケットの3次元モデルを生成するに必要な設計用3Dデータ(基本設計データ)が格納されている(ステップ2001)。つぎに3次元CADシステム用端末装置91は、受信した仕様表を読み込み(ステップ2002)、仕様表に応じて、図3(b)に示すデータテーブル301の諸元値を書き換える。そして、上述した基本設計データを、諸元値変更内容に応じて変形して、諸元値変更バケットの3次元モデルを生成するに必要な設計用3Dデータを作成する(ステップ2003)。こうして作成された諸元値変更バケットの設計用3Dデータは、データベース92に保存される(ステップ2004)。
【0095】ここで設計用3Dデータと表示用3Dデータの違いについて図13を参照して説明する。図13(a)、(b)はバケットのツースアダプタを例に挙げ、表示用3Dデータに基づく3次元モデル81Aと、設計用3Dデータに基づく3次元モデル81Bをそれぞれ示している。これら図に示すように、設計用3Dデータは、工場50、55、60で製品を製造するために必要な正確なデータであるのに対して、表示用3Dデータは既に説明したように顧客側端末装置70の画面上で顧客が発注すべき製品の外観を確認する目的のみに使用されるデータであるため、設計用3Dデータと比較して情報量が少なくなっている。たとえば設計用3Dデータは、その3次元モデル81Bが角Rの情報を含んでいるのに対して、表示用3データは、その3次元モデル81Aで角Rの情報を省略している。
【0096】本実施形態では表示用3Dデータの情報量を設計用3Dデータに較べて少なくしているので、表示制御に必要なデータベース、メモリの記憶容量を小さく抑えることができる。
【0097】なお本実施形態では表示用3Dデータを用いて、顧客側端末装置70の画面上の画像表示部200に製品の3次元モデルを表示しているが、製造に使用される設計用3Dデータをそのまま用いて同画像表示部200に製品の3次元モデルを表示してもよい。
【0098】つぎに図19に示すように、3次元CADシステム用端末装置91では、データベース92から、諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出す処理が実行され(ステップ3001)、この読み出された設計用3Dデータに基づいて、諸元値変更バケットを材料工場50、部品工場55、加工工場60で製造するために必要な図面を発行する(ステップ3002)。発行された図面は3次元CADシステム用端末装置91から、材料工場50の端末装置51、部品工場55の端末装置56、加工工場60の端末装置61に送信される。これにより顧客の指示したとおりの諸元値変更バケットが、図面に基づき工場50、55、60で製造され、製造された諸元値変更バケットは、顧客が指示した納期までに指示した納入先に納入されることになる。
【0099】以上のように本実施形態によれば、顧客が顧客側端末装置70で製品の発注を指示すると3次元CADシステム用端末装置91で発注内容に応じた図面を発行して、これを工場50、55、60に送信するようにしているので、発注してから直ちに製造にとりかかることができるようになる。このため製品の納期を短縮でき製造コストを低減させることができる。
【0100】以下3次元CADシステム用端末装置91から工場側の端末装置51、56、61に送信されるデータに基づき行われる処理の内容について具体的に説明する。
【0101】図20に示すように、生産検討システム用端末装置91は、3次元CADシステム用端末装置91のデータベース92にアクセスして、設計用3Dデータ、納期、納入先のデータを読み出す。これらデータは、製造を発注する工場を選定するために必要なデータである(ステップ4001)。ここで生産検討システム用端末装置91には、材料工場50、50′、50″…ごとに生産能力、設備、場所等のデータが、また部品工場55、55′、55″…ごとに生産能力、設備、場所等のデータが、加工工場60、60′、60″…ごとに生産能力、設備、場所等のデータが記憶されている。そこで、これら各工場の生産能力、設備、場所等のデータに基づき、諸元値変更バケットの仕様を、指定された納期で、指定された納入先に納品するに最も適合した材料工場50、部品工場55、加工工場60を、製造を依頼する発注先として決定する。決定された発注先の工場名を示すデータは3次元CADシステム用端末装置91に送信される(ステップ4002)。
【0102】つぎに図21に示すように、3次元CADシステム用端末装置91では、データベース92から、諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出す処理が実行される(ステッ4003)。ここでデータベース92には、材料工場50、50′、50″…の各発注先ごとに生産能力、設備等を示す発注先データが、また部品工場55、55′、55″…の各発注先ごとに生産能力、設備等を示す発注先データが、また加工工場60、60′、60″…の各発注先ごとに生産能力、設備等の発注先データが記憶されている。そこでデータベース92から、生産検討システム用端末装置91で決定された発注先の工場(50、55、60)に対応する発注先データを読み出す処理が実行される(ステップ4004)。つぎに発注先工場50、55、60の発注先データと、諸元値変更バケットの設計用3Dデータとを突き合わせて、諸元値変更バケットの材料図、部品図、加工図、組立図を発行する。これは同じ製品を製造する場合であっても工場如何によって、また材料工場、部品工場、加工工場の組み合わせ如何によって、製造工程や使用する設備が異なるため、作成すべき図面内容が異なるためである。たとえば、ある工場では、ツースを部品に取り付けてからバケットを組立るという工程で製造するが、別の工場ではバケットを組み立ててからツースを取り付ける工程で製造する(ステップ4005)。
【0103】図22(b)は、図22(a)に示すバケット84の側板88の部品図を例示している。発行された材料図、部品図、加工図、組立図は、3次元CADシステム用端末装置91から、材料工場50の端末装置51、部品工場55の端末装置56、加工工場60の端末装置61に送信される。これにより顧客の指示したとおりの諸元値変更バケットが、各図面に基づき工場50、55、60で製造され、製造された諸元値変更バケットは、顧客が指示した納期までに指示した納入先に納入されることになる。
【0104】工場55、60では、NC(数値制御)工作機械によって、諸元値変更バケットの材料、部品に穴を開けたり切削研磨する等の加工が行われる。設計用3Dデータは、NC工作機械の制御プログラムの作成に使用される。以下設計用3Dデータに基づきNC工作機械の制御プログラムを作成する手順について説明する。
【0105】図23(a)は、標準バケットを構成する板材(以下基本ワーク)89に穴94(たとえばサイドカッタ取付穴)を開ける加工を施し、板材89の側端96を切削研磨する加工を施す場合のNC工作機械のツール400の動きを示している。
【0106】NC工作機械のツール400は、基本ワーク89上で「穴93の位置からマイナス方向に戻り座標位置P0で穴94を開ける」ように動作し、「側端95の位置からマイナス方向に戻り座標位置P′0で側板96を切削研磨する」ように動作するものとする。したがって図23(b)に示す諸元値変更バケットの板材89A(以下変更ワーク)についても、NC工作機械のツール400は「穴93Aの位置からマイナス方向に戻り座標位置Pnで穴94Aを開ける」ように動作し、「側端95Aの位置からマイナス方向に戻り座標位置P′nで側板96Aを切削研磨する」ように動作する。
【0107】標準バケットの3D設計用データには、予め機械加工の基準となる専用の図形情報(機械加工図形情報)が含まれている。機械加工図形情報は、「開口加工を施すべき穴94の座標位置P0」と「切削研磨加工を施すべき側端96の座標位置P′0」である。同様に諸元値変更バケットの3D設計用データには、上述した機械加工図形情報が継承されている。つまりバケット各部の寸法の変更に連動して機械加工図形情報が「P0」から「Pn」に変更され、また「P′0」から「P′n」に変更されている。
【0108】そこで図24に示すように、3次元CADシステム用端末装置91では、データベース92から、諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出して(ステップ5001)、諸元値変更バケットの機械加工図形情報「開口加工;座標位置Pn」、「切削研磨加工;座標位置P′n」が取り出される。なお機械加工図形情報は、属性データ(「開口加工」、「切削研磨加工」)と座標位置データ(「Pn」、「P′n」) からなる。取り出された機械加工図形情報は、3次元CADシステム用端末装置91からNC加工データ生成システム用端末装置36に送信される(ステップ5002)。
【0109】つぎにNC加工データ生成システム用端末装置36では、NC加工制御プログラムを図25に示す処理手順で生成する。なお以下の説明では標準バケットの機械加工図形情報「開口加工;座標位置P0」、「切削研磨加工;座標位置P′0」、標準バケット用のNC加工制御プログラムは、既にNC加工データ生成システム用端末装置36のメモリに記憶されているものとする。
【0110】図25に示すように、NC加工データ生成システム用端末装置36では、標準バケットの基本ワーク89の機械加工図形情報の3次元座標位置P0を読み込む(ステップ5003)。
【0111】つぎに標準バケットの基本ワーク89の機械加工図形情報の3次元座標位置P0を、NC工作機械上の座標系における座標位置P0mに変換する。変換式はたとえば変換マトリックスをMmとしてP0m=Mm・P0で表される(ステップ5004)。
【0112】つぎに送信されてきた諸元値変更バケットの変更ワーク89Aの機械加工図形情報を一旦メモリに記憶し、その3次元座標位置Pnを読み込む(ステップ5005)。
【0113】つぎに諸元値変更バケットの変更ワーク89Aの機械加工図形情報の3次元座標位置Pnを、NC工作機械上の座標系における座標位置Pnmに変換する。変換式はPnm=Mm・Pnで表される(ステップ5006)。
【0114】つぎにNC工作機械上の座標系に変換された変更ワーク89Aの穴の座標位置Pnmと基本ワーク89の穴の座標位置P0mとの差分PΔを、式PΔ=Pnm−P0mを用いて計算する。図23(a)、(b)に示すように、基本ワーク89上の穴93、94の間隔が「50mm」であり、変更ワーク89A上の穴93A、94Aの間隔が「70mm」であるものとすると、上記差分PΔは「20mm」(=70mm−50mm)となる(ステップ5007)。
【0115】つぎに標準バケット用に作成されたNC加工制御プログラムを読み出し、「開口加工」に相当するプログラム文を探索する、ここで機械加工図形情報の属性データは「開口加工」であるので、この属性データに基づき「開口加工」に相当するプログラム文「Pp0;開口加工 x−50mm」が探索される。このプログラム文は、図23(a)に示すように「穴93の位置xを基準にしてツール400が穴93と穴94の離間距離50mmだけ戻り開口加工をする」という内容である(ステップ5008)。そこで上記プログラム文「Pp0;開口加工 x−50mm」に、差分値PΔ(20mm)を加算して、諸元値変更バケットに適合したプログラム文Ppn(=Pp0+PΔ)を作成する。プログラム文は「Ppn;開口加工 x−70mm」となる(ステップ5009)。
【0116】「切削研磨加工」についても同様にしてプログラム文が作成される。すなわち基本ワーク89の機械加工図形情報の3次元座標位置P′0を読み込み(ステップ5003)、基本ワーク89の機械加工図形情報の3次元座標位置P′0を、NC工作機械上の座標系における座標位置P′0mに変換する(ステップ5004)。つぎに変更ワーク89Aの機械加工図形情報の3次元座標位置P′nを読み込み(ステップ5005)、変更ワーク89Aの機械加工図形情報の3次元座標位置P′nを、NC工作機械上の座標系における座標位置P′nmに変換する(ステップ5006)。つぎにNC工作機械上の座標系に変換された変更ワーク89Aの穴の座標位置P′nmと基本ワーク89の穴の座標位置P′0mとの差分P′Δを計算する。図23(a)、(b)に示すように、基本ワーク89の側端95、96の間隔が「100mm」であり、変更ワーク89Aの側端95A、96Aの間隔が「120mm」であるものとすると、上記差分P′Δは「20mm」(=120mm−100mm)となる(ステップ5007)。つぎに標準バケット用に作成されたNC加工制御プログラムを読み出し、「切削研磨加工」に相当するプログラム文を探索する、ここで機械加工図形情報の属性データは「切削研磨加工」であるので、この属性データに基づき「切削研磨加工」に相当するプログラム文「P′p0;切削研磨加工 y−100mm」が探索される。このプログラム文は、図23(a)に示すように「側端95の位置yを基準にしてツール400が側端95と穴96の離間距離100mmだけ戻り切削研磨加工をする」という内容である(ステップ5008)。そこで上記プログラム文「P′p0;切削研磨加工 y−100mm」に、差分値P′Δ(20mm)を加算して、諸元値変更バケットに適合したプログラム文P′pn(=P′p0+P′Δ)を作成する。プログラム文は「P′pn;切削研磨加工 y−120mm」となる(ステップ5009)。
【0117】つぎに諸元値変更バケットに適合したプログラム文Ppn、P′pnによって、標準バケット用のNC加工制御プログラムを修正し、これを部品工場55の端末装置56、加工工場60の端末装置61に送信する。このた工場55、工場60のNC工作機械は、送信された制御プログラムにしたがい動作して、諸元値変更バケットを加工し組み立てることができる。つまり図23(b)に示すようにプログラム文「Ppn;開口加工 x−70mm」にしたがいNC工作機械のツール400が動作するため、ツール400は、穴93Aの位置xを基準にして距離70mmだけ戻り穴94Aの開口加工を行う。またプログラム文「P′pn;切削研磨加工 y−120mm」にしたがいNC工作機械のツール400が動作するため、ツール400は、側板95Aの位置yを基準にして距離120mmだけ側板96Aの切削研磨加工を行う(ステップ5010)。
【0118】また工場55、60では、溶接ロボットによってバケットの材料、部品を溶接し部品同士を溶接する加工が行われる。設計用3Dデータは、溶接ロボットの制御プログラムの作成に使用される。以下設計用3Dデータに基づき溶接ロボットの制御プログラムを作成する手順について説明する。
【0119】図26(a)は、標準バケットを構成する板材(以下基本ワーク)97上の溶接開始点98から溶接線99に沿って隅肉溶接する加工を施す場合の溶接ロボットのツール(溶接トーチ)410の動きを示している。
【0120】溶接ロボットのツール410は、基本ワーク97上で「溶接開始点98の座標位置P0から溶接を開始し溶接線99に沿って溶接する」ように動作する。したがって図26(b)に示す諸元値変更バケットの板材97A(以下変更ワーク)についても、溶接ロボットのツール410は「溶接開始点98Aの座標位置Pnから溶接を開始し溶接線99Aに沿って溶接する」ように動作する。
【0121】標準バケットの3D設計用データには、予め溶接加工の基準となる専用の図形情報(溶接加工図形情報)が含まれている。溶接加工図形情報は、溶接線の情報、溶接点の情報であり、本実施形態では「溶接線99の溶接開始点98の座標位置P0」に相当する。同様に諸元値変更バケットの3D設計用データには、上述した溶接加工図形情報が継承されている。つまりバケット各部の寸法の変更に連動して溶接加工図形情報が「P0」から「Pn」に変更されている。
【0122】そこで図27に示すように、3次元CADシステム用端末装置91では、データベース92から、諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出して(ステップ6001)、諸元値変更バケットの溶接加工図形情報「溶接開始点;座標位置Pn」が取り出される。なお溶接加工図形情報は、属性データ(「溶接開始点」)と座標位置データ(「Pn」)からなる。取り出された溶接加工図形情報は、3次元CADシステム用端末装置91から溶接プログラム生成システム用端末装置37に送信される(ステップ6002)。
【0123】つぎに溶接プログラム生成システム用端末装置37では、溶接加工の制御プログラムを図28に示す処理手順で生成する。なお以下の説明では標準バケットの溶接加工図形情報「溶接開始点;座標位置P0」、標準バケット用の溶接加工制御プログラムは、既に溶接プログラム生成システム用端末装置37のメモリに記憶されているものとする。
【0124】図28に示すように、溶接プログラム生成システム用端末装置37では、標準バケットの基本ワーク97の溶接加工図形情報の3次元座標位置P0を読み込む(ステップ6003)。
【0125】つぎに標準バケットの基本ワーク97の溶接加工図形情報の3次元座標位置P0を、溶接ロボット上の座標系における座標位置P0mに変換する。変換式はたとえば変換マトリックスをMmとして、P0m=Mm・P0で表される(ステップ6004)。
【0126】つぎに送信されてきた諸元値変更バケットの変更ワーク97Aの溶接加工図形情報を一旦メモリに記憶し、その3次元座標位置Pnを読み込む(ステップ6005)。
【0127】つぎに諸元値変更バケットの変更ワーク97Aの溶接加工図形情報の3次元座標位置Pnを、溶接ロボット上の座標系における座標位置Pnmに変換する。変換式は変換マトリックスをM′mとして、Pnm=M′m・Pnで表される。ここで変更ワーク97Aについての変換マトリックスM′mを、基本ワーク97についての変換マトリックスMmと異ならせているのは、溶接ロボットの姿勢がワークの大きさ、置き方等によって異なるためである(ステップ6006)。
【0128】つぎに溶接ロボット上の座標系に変換された変更ワーク97Aの溶接開始点98Aの座標位置Pnmと基本ワーク97の溶接開始点98の座標位置P0mとの差分PΔを、式PΔ=Pnm−P0mを用いて計算する(ステップ6007)。
【0129】つぎに標準バケット用に作成された溶接加工制御プログラムを読み出し、「溶接開始点」に相当するプログラム文を探索する、ここで溶接加工図形情報の属性データは「溶接開始」であるので、この属性データに基づき「溶接開始」に相当するプログラム文「Pp0;溶接開始 P0m」が探索される。このプログラム文は、図26(a)に示すように「溶接開始点98の溶接ロボット位置P0mから溶接を開始する」という内容である(ステップ6008)。そこで上記プログラム文「Pp0;溶接開始 P0m」に、差分値PΔを加算して、諸元値変更バケットに適合したプログラム文Ppn(=Pp0+PΔ)を作成する。プログラム文は「Ppn;溶接開始 Pnm」となる(ステップ6009)。
【0130】つぎに諸元値変更バケットに適合したプログラム文Ppnによって、標準バケット用の溶接加工制御プログラムを修正し、これを部品工場55の端末装置56、加工工場60の端末装置61に送信する。このため工場55、工場60の溶接ロボットは、送信された制御プログラムにしたがい動作して、諸元値変更バケットを加工し組み立てることができる。つまり図26(b)に示すようにプログラム文「Ppn;溶接開始 Pnm」にしたがい溶接ロボットのツール410が動作するため、ツール410は、溶接開始点98Aから溶接を開始し溶接線99Aに沿って溶接を行う(ステップ6010)。
【0131】工場55、60では、クランパやポジショナなどの治具を用いて諸元値変更バケットが製造される。設計用3Dデータは、治具図および治具段取り図の作成に使用される。以下設計用3Dデータに基づき治具図および治具段取り図を作成する手順について説明する。
【0132】図29に示すように、3次元CADシステム用端末装置91は、データベース92から標準バケットの設計用3Dデータおよび諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出す(ステップ7001)。ここで標準バケットの設計用3Dデータには、標準バケットの製造に用いられる治具の設計用3Dデータが含まれている。そこで、標準バケットの設計用3Dデータから、標準バケット製造用の治具の設計用3Dデータが読み出される(ステップ7002)。バケット各部の寸法が変更されるに応じて、治具各部の寸法も変更する必要がある。そこで、諸元値変更バケットの設計用3Dデータに合わせて、標準バケット製造用治具の設計用3Dデータが変形され、諸元値変更バケット製造用治具の設計用3Dデータが生成される(ステップ7003)。つぎに、諸元値変更バケット製造用治具の設計用3Dデータに基づいて、諸元値変更バケットの製造に用いられる治具の治具図、治具段取り図が作成され、データベース92に保存される(ステップ7004)。
【0133】工場50、55、60では、検査指示書を用いて諸元値変更バケットが検査される。設計用3Dデータは、検査指示書の作成に使用される。以下設計用3Dデータに基づき検査指示書を作成する手順について説明する。
【0134】図30に示すように、自動検査指示書作成システム用端末装置38は、3次元CADシステム用端末装置91のデータベース92にアクセスして、標準バケットの設計用3Dデータおよび諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出す(ステップ8001)。ここで標準バケットの設計用3Dデータには、標準バケットの検査指示書の作成に必要な検査指示データが含まれている。そこで、標準バケットの設計用3Dデータから、標準バケット検査用の検査指示データが読み出される(ステップ8002)。バケット各部の寸法が変更されるに応じて、検査指示内容も変更する必要がある。たとえば、バケットの本体幅が「430mm」から「350mm」に変更されると、バケット本体幅の検査指示内容は、「430±0.5mmに収まっていること」から「350±0.5mmに収まっていること」に変更される。そこで、諸元値変更バケットの設計用3Dデータに合わせて、標準バケット検査用の検査指示データが変形され、諸元値変更バケット検査用の新たな検査指示データが生成される(ステップ8003)。つぎに、諸元値変更バケット検査用の検査指示データに基づいて、諸元値変更バケットの検査に用いられる検査指示書が作成され、所定のデータベースに保存される(ステップ8004)。
【0135】工場55、60では、工程設計書にしたがい諸元値変更バケットを製造する工程が構築され、作業指示書にしたがい諸元値変更バケットを製造する作業が進められる。工程設計書は、製造の各工程に要する工数(作業時間等)を記述したものであり、作業指示書は、製造の各工程で作業者に指示する内容(たとえば板材のすきまに塗布すべきコーキング量、グラインダによる板材のかえりや溶接で生じたスパッタ等の除去作業など)を記述したものである。設計用3Dデータは、工程設計書、作業指示書の作成に使用される。以下設計用3Dデータに基づき工程設計書、作業指示書を作成する手順について説明する。
【0136】図31に示すように、自動工程設計システム用端末装置39は、3次元CADシステム用端末装置91のデータベース92にアクセスして、標準バケットの設計用3Dデータおよび諸元値変更バケットの設計用3Dデータを読み出す(ステップ9001)。ここで標準バケットの設計用3Dデータには、標準バケットの(基本)の工程設計書、作業指示書の作成に必要な工程設計データが含まれている。そこで、標準バケットの設計用3Dデータから、標準バケット用の工程設計データが読み出される(ステップ9002)。バケット各部の寸法が変更されるに応じて、工程設計内容、作業指示内容も変更する必要がある。たとえば、バケットの本体幅が変更されると、バケットを構成する板材の溶接線の長さが変化し、それに応じて溶接作業工程の時間が変化する。またバケットの本体幅が変更されると、それに応じて板材のすきまに塗布すべきコーキング量やグラインダによる板材のかえりや溶接で生じたスパッタ等の除去作業が変化し、作業指示内容が変化する。そこで、諸元値変更バケットの設計用3Dデータに合わせて、標準バケット用の工程設計データが変形され、諸元値変更バケット用に修正された工程設計データが生成される(ステップ9003)。つぎに、諸元値変更バケット用の工程設計データに基づいて、諸元値変更バケットの製造に用いられる工程設計書、作業指示書が作成され、所定のデータベースに保存される(ステップ9004)。
【0137】以上のようにして作成された材料図、検査指示書は材料工場50の端末装置51に送信される。これにより材料工場50では、材料図にしたがい材料を作成する作業が行われる。また材料工場50では、検査指示書にしたがって作成された材料の検査が行われる。材料の検査が終了すると材料工場50は、材料を指定された部品工場55、加工工場60に送付する。
【0138】また以上のようにして作成された部品図、加工図、組立図、NC加工制御プログラム、溶接プログラム、治具図、治具段取り図、検査指示書、工程設計書、作業指示書は、対応する部品工場55の端末装置56、加工工場60の端末装置61に送信される。これにより部品工場55、加工工場60では、加工図、組立図、NC加工制御プログラム、溶接プログラム、治具図、治具段取り図、工程設計書、作業指示書にしたがい部品を作成し加工を行い諸元値変更バケットを組み立てる作業が行われる。また部品工場55、加工工場60では、検査指示書にしたがって作成された部品、組み立てられた諸元値変更バケットの検査が行われる。最終工程を終えた諸元値変更バケットは、加工工場60を出庫し、指定された納入先へ(顧客の元へ)納品される。
【0139】以上のように本実施形態によれば、顧客が標準バケットに対して諸元値を変更してバケットを発注しようとする際に、画面上で諸元値変更バケットの3次元的な全体像を確認することができるので、発注の意思決定を迅速に行うことができ、顧客のイメージとおりのバケットを納入することができる。
【0140】また顧客側の画面上で見積もりが迅速が行われるので、迅速に製造にとりかかることができる。
【0141】また顧客が画面上で発注の意思決定をすると、3次元CADシステムが動作し、設計用3Dデータに基づいてNC加工制御プログラム、溶接プログラム等が自動的に作成され、これらNC加工制御プログラム等に基づいて製造が行われるので、発注から顧客の元に納入されるまでの時間を大幅に短縮することができるとともに、製造コストを低減させることができる。
【0142】なお以上説明した実施形態では、加工機械としてNC加工機械を想定しているが、NC加工機械に限定されることなく任意の加工機械の制御プログラムを作成する場合にも適用することができる。
【0143】また実施形態では、製品として建設機械のバケットを想定しているが、これ以外の部品、コンポーネントたとえばエンジン、油圧ポンプ、トランスミッション、履帯などを製造する場合にも適用することができる。また部品、コンポーネントに限らず建設機械自体を製造する場合にも本発明を適用することができる。さらに建設機械に限定されることなく、一般自動車等の各種輸送用機器を製造する場合にも適用することができ、さらには輸送用機器以外の製品を製造する場合にも適用することができる。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目3番6号
【出願日】 平成13年11月2日(2001.11.2)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久 (外1名)
【公開番号】 特開2003−141179(P2003−141179A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−338028(P2001−338028)