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【発明の名称】 誤送防止電子メール・システム
【発明者】 【氏名】板垣 賢一
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番1号 富士通株式会社内

【要約】 【課題】電子メールの誤送防止を行う。

【解決手段】メーラプログラム31は、電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを付加する処理、キーワードが付加されたアドレスを含む電子メールデータを、メール送信サーバ11に送信する処理を実行する。メール送信サーバ11は、メールデータを宛先アドレスのドメイン名に対応するメール受信サーバ5に送信する。メール受信サーバ5は、受信したメールの宛先アドレスに宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されている場合当該キーワードを抽出する処理、上記キーワードが、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードであるか判断する処理、上記キーワードが確認用キーワードである場合には宛先アドレスのための記憶領域51にメールデータを格納する処理を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを付加し、記憶装置に格納するキーワード付加ステップと、前記キーワードが付加されたアドレスを含む電子メールのデータを、電子メール送信サーバに送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】前記キーワード付加ステップが、電子メールの宛先として指定されたアドレスのユーザ名部分に、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを少なくとも前記アドレスのユーザ名部分との区切りコードと共に付加し、記憶装置に格納するステップ、であることを特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】前記アドレスに対応して記憶装置に予め登録されていた前記キーワードを読み出すステップをさらにコンピュータに実行させるための請求項1記載のプログラム。
【請求項4】受信したメールの宛先アドレスに、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されている場合、当該キーワードを抽出し、記憶装置に格納するキーワード抽出ステップと、抽出された前記キーワードが、前記宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードであるか判断する判断ステップと、前記キーワードが前記確認用キーワードである場合には、前記宛先アドレスのための記憶領域に前記メールのデータを格納するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】前記キーワードが前記確認用キーワードである場合には、前記宛先ユーザにより指定された受信確認メッセージを送信元に送信するステップをさらにコンピュータに実行させるための請求項4記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電子メールの送受信技術に関し、より詳しくは電子メールの誤送防止技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、誤ったメール・アドレスを指定して電子メールを送信してしまった場合、当該メール・アドレス自体が存在しなければ、エラー通知が送信側ユーザ宛に送信されるようになっている。一方、偶然にも誤ったメール・アドレスが存在する場合には、誤ったメール・アドレス宛に電子メールは送信されてしまう。この場合、通常の処理と同一の処理が実施されるため、何らのエラー通知もなされない。従って、送信側ユーザから見ると、意図した宛先に送信されたのではないのにもかかわらず、見かけ上は正しく送信されたがごとく見えてしまう。
【0003】誤送対策としては、電子メールの内容を暗号化して送信するという方法もあるが、誤送先で復号できないだけであって、根本的な対策ではない。また、送信側ユーザは、上で述べたのと同様に誤送を認識できない。
【0004】また、宛先ユーザが受信した際に受信確認メッセージの送信を催促する指定を送信時に付加する機能もあるが、誤送防止は不可能で、受信確認メッセージが届くので送信側ユーザが気付く可能性はあるが、確実ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の技術では、電子メールの誤送の防止が十分にできなかった。
【0006】従って、本発明の目的は、電子メールの誤送防止を行うための新規な技術を提供することである。
【0007】また、本発明の他の目的は、例え誤送されてしまった場合であっても電子メールの送信側ユーザが認識できるようにするための技術を提供することである。
【0008】本発明のさらに他の目的は、従来の電子メール送受信方式も維持したまま、電子メールの誤送防止を可能にする新規な技術を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子メール送信処理方法は、電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを付加し、記憶装置に格納するキーワード付加ステップと、キーワードが付加されたアドレスを含む電子メールのデータを、電子メール送信サーバに送信するステップとを含む。
【0010】このようにすることにより、電子メール受信サーバでは電子メール・アドレスの一致不一致だけでなくキーワードの確認も行うようになるので、万一送信側ユーザが誤った電子メール・アドレスを指定していて且つ偶然当該誤った電子メール・アドレスが存在していても、キーワードにより誤送を判定することができるようになる。
【0011】さらに、上で述べたキーワード付加ステップを、電子メールの宛先として指定されたアドレスのユーザ名部分(例えばxxx@yyy.ne.jpというメール・アドレスの場合にはxxxの部分)に、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを少なくとも上記アドレスのユーザ名部分との区切りコード(例えば他に意味が定められていない禁止コード)と共に付加し、記憶装置に格納するステップとすることも可能である。
【0012】このようにすれば電子メール受信サーバにおいてキーワードの抽出が容易になる。なお、例えば区切り文字に他に意味が定められていない禁止文字を用いている場合には、誤送先の電子メール受信サーバが本発明の方式を採用していなくとも、宛先アドレスにエラーが生じていることになるので、その点でエラー通知を返信することができる。
【0013】また、上記アドレスに対応して記憶装置に予め登録されていたキーワードを読み出すステップをさらに含むような構成であってもよい。すなわち、例えばアドレス帳に予めキーワードを登録しておき、それを読み出すような構成である。
【0014】これに対して本発明に係る電子メールの受信処理方法は、受信したメールの宛先アドレスに、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されている場合、当該キーワードを抽出し、記憶装置に格納するキーワード抽出ステップと、抽出されたキーワードが、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードであるか判断する判断ステップと、上記キーワードが確認用キーワードである場合には、宛先アドレスのための記憶領域にメールのデータを格納するステップとを含む。
【0015】このようにすれば、例えば宛先アドレスが偶然一致していてもキーワードをさらに確認用キーワードと一致するか判断するので、誤送を防止することができるようになる。なお、キーワードが付加されていると判断されない場合には従来どおりの処理を実施すれば、特別な問題は生じ得ない。
【0016】さらに、上記キーワードが確認用キーワードである場合には、宛先ユーザにより指定された受信確認メッセージを送信元に送信するステップをさらに含むような構成も可能である。このようにすれば、偶然にも誤送先の宛先アドレス及びキーワードが一致してしまった場合でも、宛先ユーザにより指定された固有の受信確認メッセージが送信されるので、送信側ユーザは意図しない受信確認メッセージにて誤送に気付くことができる。
【0017】なお、上述の方法はプログラムにて実施することができ、このプログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークなどを介して配布される場合もある。尚、中間的な処理結果はメモリに一時保管される。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】図1に本発明の一実施の形態に係るシステム概要図を示す。例えばパーソナル・コンピュータであってメーラ・プログラム31がインストールされているユーザ端末3は、公衆回線網7を介して、例えばインターネット・サービス・プロバイダ(Internet Service Provider:ISP)に設けられた接続サーバ9に接続する。ここでは、ユーザ端末3は一台しか示されていないが、多くのユーザ端末3が公衆回線網7を介して接続サーバ9に接続する。接続サーバ9は、ユーザ端末3のインターネット1への接続を管理するサーバであって、ISPに設けられたメール送信サーバ11に接続されている。メール送信サーバ11は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)に従ってメールのデータを送信するサーバであって、従来と何ら変わりがないのでこれ以上述べない。接続サーバ9及びメール送信サーバ11はインターネット1に接続している。なお、接続サーバ9及びメール送信サーバ11が一台でその全ての機能を実施する場合もあれば、各サーバが何台も用意されて所定の機能を実現するように構成される場合もある。
【0020】インターネット1には、メール受信サーバ5とメール受信サーバB(13)とが接続されている。ここでは1台ずつしか示していないが、数は任意である。このメール受信サーバ5及びメール受信サーバB(13)もSMTPやPOP(Post Office Protocol)に従ってメールのデータを送受信するが、ここでは受信する場合を説明する。なお、メール受信サーバB(13)は本実施の形態に対応していないメール受信サーバである。メール受信サーバ5は、当該サーバが管理しているユーザのためのメール・ボックス51と予めユーザが設定した確認用キーワードを格納したキーワードDB53とを管理している。一方、従来どおりのメール受信サーバB(13)は、当該サーバが管理しているユーザのためのメール・ボックス131を管理している。
【0021】従来の方式で送信側ユーザがユーザ端末3を操作して電子メールを送信する場合、メーラ・プログラム31に宛先アドレスを指定し、メール本文などを入力して、送信を指示する。そうすると、メーラ・プログラム31は、メール・データをメール送信サーバ11に送信する。メール送信サーバ11は、メーラ・プログラム31からメール・データを受信すると、宛先アドレスのドメイン名からメール受信サーバ5を特定し、当該メール受信サーバ5にメール・データを送信する。もし、ドメイン名が間違っていて、指定されたドメイン名に対応するメール受信サーバ5が存在していない場合には、メール送信サーバ11が送信元宛にエラー通知を送信する。メール受信サーバ5は、メール・データを受信すると宛先アドレスのユーザ名を検査し、当該メール受信サーバ5が管理しているユーザ宛のものであるか、すなわち宛先アドレスのための記憶領域であるメール・ボックスが存在しているかを判断する。もし、メール・ボックス51に宛先アドレスのための領域が存在しない場合には、送信側ユーザ宛にエラー通知を送信する。一方、メール・ボックス51に宛先アドレスのための領域が存在している場合には、メール・ボックス51の宛先アドレスのための領域にメール・データを保存する。
【0022】次に本実施の形態に係る方式にて送信側ユーザがユーザ端末3を操作して電子メールを送信する場合について説明する。前提として、自らが利用するメール受信サーバ5が本実施の形態に係る方式を採用している場合には、確認用キーワードを決定し、電子メール・アドレスと対で確認用キーワードを公開する。すなわち、自分に電子メールを送ってきそうな人には電子メール・アドレスと確認用キーワードとを知らせておく。また、本実施の形態に係る方式に従って電子メールを正常に受信した場合にメール受信サーバ5が送付元に送信する固有のメッセージについても決定する。例えば固有のメッセージには、名前や所属などで自分を特定できるようにしておく。そして、確認用キーワード及び固有のメッセージを、電子メール・アドレス又は電子メール・アドレスのユーザ名に対応して、メール受信サーバ5が管理するキーワードDB53に登録しておく。
【0023】このような前提の下、図2乃至図10を用いて処理の内容を説明する。まず、メーラ・プログラム31に新機能を追加した場合の処理について説明する。送信側ユーザは電子メールを送信する場合、メーラ・プログラム31を起動させる。そして、宛先アドレス及びメール本文などをメーラ・プログラム31に入力する。もし、メーラ・プログラム31が備えるアドレス帳にキーワードが登録されていない場合には、送信ボタンをクリックする前に、メーラ・プログラム31のウインドウに設けられたキーワード入力ボタンをクリックする。メーラ・プログラム31は、キーワード入力ボタンの押下に応答して、キーワード入力ウインドウを表示する(図2:ステップS1)。ユーザは、このキーワード入力ウインドウに設けられたキーワード入力欄に、宛先ユーザが指定したキーワードを入力する。メーラ・プログラム31は、ユーザによるキーワード入力を受け付けて、当該キーワードを記憶装置に保存する(ステップS3)。
【0024】もし、アドレス帳にキーワードが登録されていない場合に、キーワード入力ボタンをクリックする前に送信ボタンをクリックしてしまうと、従来の方式で電子メールは送信されてしまう。
【0025】次に、送信側ユーザが送信ボタンをクリックした場合の処理を図3乃至図5を用いて説明する。送信側ユーザが送信ボタンをクリックすると、メーラ・プログラム31は、送信ボタンの押下を受け付け(ステップS5)、キーワードが入力済みであるか判断する(ステップS7)。もし、図2で示したようにキーワードが入力済みであれば、入力されたキーワードを記憶装置から読み出し(ステップS9)、ステップS15に移行する。一方、キーワードが入力済みではない場合、アドレス帳にキーワードが登録済みであるか判断する(ステップS11)。もし、アドレス帳にキーワードが登録済みではない場合にはステップS17に移行する。この場合には、従来のメール送信処理が実施されることになる。アドレス帳にキーワードが登録済みである場合には、アドレス帳からキーワードを読み出す(ステップS13)。
【0026】図4に本実施の形態においてアドレス帳に格納されるデータの一例を示す。この例では、表示名(宛先の欄において、電子メール・アドレスの前に表示される名前(例えばtaro<taro@xyz.ne.jp>と表示される。))、名前、メール・アドレス、キーワード、ニックネーム、電話番号、FAX番号などである。
【0027】そして、ステップS9の後又はステップS13に続いて、送信先メール・アドレスのユーザ名部分にキーワードを付加して、記憶装置に格納する(ステップS15)。この処理を図5を用いて説明する。例えば元の宛先アドレスがtaro@xyz.ne.jpであり、この宛先アドレスのキーワードがblueskyであるとする。図5に示すように、メール・データは、メールヘッダとメール本体とで構成されており、ステップS15を実施する前には、メールヘッダの宛先には、taro@xyz.ne.jpが含まれる。なお、宛先には、To:の場合や、Cc:及びBcc:の場合もあるが、本実施の形態ではこれらを区別しない。ステップS15では、キーワードblueskyの両側に非文字の区切りコード(制御コード)を付加して、宛先アドレスのユーザ名部分に付加する。通常メールヘッダの宛先アドレスは、ASCIIコードの0x21から0x7Eの範囲(但し、;や:など使用不可の文字もある)の文字で構成されるので、区切りコードはこの範囲外のコードを用いる。例えば0xf1(左側:■で表す)及び0xf2(右側:□で表す)である。このように非文字の区切りコードを付加すると、誤って本実施の形態の方式を採用していないメール受信サーバB(13)に送信されると、すぐさまメールアドレスが適切でないことを判別することができ、エラーメッセージを送付元に返信することができるようになる。従って、ステップS15の処理を実施すると、宛先アドレスとしては、図5に示すように、taro■bluesky□@xyz.ne.jpに変形される。なお、図5において各文字の下に示されているのは、コード番号である。
【0028】図5は一例であって、左側の区切りコードだけでもよい。右側は@にて区切られているためである。また、何らかのキーを用いてキーワードを変換するようにしても良い。また、区切りコードを付加せずに、キーワードを識別可能な所定の範囲のコードに変換するような構成であってもよい。なお、区切りコードとしては、他に意味を有しない、メールアドレスについての禁止コードであればよい。その他、キーワードが宛先アドレスから識別可能な態様で挿入/付加されていれば良い。
【0029】ドメイン名の部分にキーワードを付加するような構成も可能であるが、メール送信サーバ5の処理を変更しなければならない。すなわち、メール送信サーバ5は、メール・データを受信した場合、キーワードを除去した形でドメイン名を識別し、当該ドメイン名に対応するメール受信サーバに接続しなければならない。
【0030】図3の説明に戻ると、ステップS15の後にメーラ・プログラム31は、当該メールのデータをメール送信サーバ11に送信する(ステップS17)。この後、メール送信サーバ11は、宛先アドレスのドメイン名からメール受信サーバ5を特定し、メール受信サーバ5に接続し、メールのデータを送信する。上で述べたようにユーザ名部分にキーワードを付加する場合にはメール送信サーバ11の処理は、従来と変わらない。
【0031】図2及び図3の処理は、メーラ・プログラム31を、本実施の形態に従って処理するように構成された新規なメーラ・プログラムとした場合の処理である。しかし、必ずしもメーラ・プログラム31が図2及び図3のような処理を実施せずともよい。その場合には、従来のメーラ・プログラムを用い、さらに補助プログラム33をインストールして、この補助プログラム33に処理を行わせる。なお、補助プログラム33は、メール・アドレスと対応するキーワードが登録されたアドレス帳を保持している。
【0032】図6に補助プログラム33の処理を示す。まず、ユーザが送信ボタンをクリックしてメーラ・プログラム31が送信メール・データを出力すると、補助プログラム33は当該送信メール・データを受け取る(ステップS21)。そして、送信メール・データのメールヘッダに含まれる宛先アドレスを抽出し、アドレス帳に当該宛先アドレスに対応するキーワードが登録済みか判断する(ステップS23)。このアドレス帳は、例えば図7に示すようなものであって、メール・アドレスに対応してキーワードが格納されている。
【0033】もし、アドレス帳に宛先アドレスに対応するキーワードが登録されていれば、当該アドレス帳からキーワードを読み出し(ステップS25)、ステップS27に移行する。もし、アドレス帳に宛先アドレスに対応するキーワードが登録されていなければ、キーワード入力を促す表示をユーザ端末3の表示装置に行う(ステップS31)。この段階にて、キーワード入力欄にキーワードの入力がなされれば、入力されたキーワードを保持する(ステップS35)。もし、キーワードの入力がキャンセルされた場合には、ステップS29に移行する。すなわち、従来どおりのメール送信処理が実施される。
【0034】ステップS35又はステップS25の後に、送信メールの宛先アドレスのユーザ名に、入力された又はアドレス帳から読み出したキーワードを付加し、記憶装置に格納する(ステップS27)。これは図3のステップS15と同じ処理である。そして、補助プログラム33は、メール送信サーバ11に送信メール・データを送信する(ステップS29)。これ応答して、メール送信サーバ11は、送信メール・データのメールヘッダに含まれる宛先アドレスのドメイン名を特定し、当該ドメイン名に対応するメール受信サーバ5に接続し、送信メール・データを送信する。
【0035】このようにすれば、現在流通しているメーラ・プログラムをそのまま利用しつづけても、補助プログラム33により本実施の形態の目的を達成することができる。
【0036】次に図8を用いてメール受信サーバ5の処理について説明する。メール送信サーバ11からメール・データを受信すると(ステップS41)、当該メールのメールヘッダに含まれる宛先アドレスのユーザ名部分を検査する(ステップS43)。ここでは、キーワードを抽出できるかを検査する。例えば図5に示したように非文字の区切りコードを付加した形でキーワードがユーザ名に付加されている場合には、非文字の区切りコードが存在しているかを検査すればよい。もし、非文字の区切りコードが存在している場合には、キーワードを抽出し、記憶装置に格納する。なお、図5に示した以外の方法でキーワードが付加されている場合には、その方法に従ってキーワードを抽出する必要がある。
【0037】そして、メール受信サーバ5は、キーワードが検出されたか否か判断する(ステップS45)。もし、キーワードが検出されなかった場合には、従来と同じ処理を実施する。すなわち、ユーザ名に対応するメールボックス(メールボックス51内の記憶領域)が存在しているか確認する(ステップS57)。もし、ユーザ名に対応するメールボックスが存在しなかった場合には、エラーであるから送信元宛に不達通知メールを送信する(ステップS61)。そして処理を終了する。また、ユーザ名に対応するメールボックスが存在する場合には、当該ユーザ名に対応するメールボックス51内の記憶領域にメール・データを記憶する(ステップS59)。そして処理を終了する。
【0038】一方、キーワードを宛先アドレスのユーザ名部分において検出した場合には(ステップS45:Yesルート)、ユーザ名部分のキーワード以外の部分(例えばtaro■bluesky□@xyz.ne.jpの場合には、■bluesky□を除去したtaro)を用いてキーワードDB53を検索する(ステップS47)。キーワードDB53に格納されたデータの一例を図9に示す。図9の例では、ユーザ名と、確認用キーワードと、メッセージとが格納される。メッセージは、宛先アドレスから抽出したキーワードが、キーワードDB53に格納された確認用キーワードと一致した場合に、送信元宛に送信されるものである。
【0039】そしてメール受信サーバ5は、宛先アドレスのユーザ名部分のキーワード以外の部分によりキーワードDB53において確認用キーワードが見出されたか、見出された場合には当該確認用キーワードと宛先アドレスから抽出されたキーワードとが一致するか判断する(ステップS49)。もし、キーワードDB53において確認用キーワードが見出されなかった場合、又は確認用キーワードと抽出されたキーワードが不一致な場合には、送信元宛に不達通知メールを送信する(ステップS55)。そして処理を終了する。
【0040】一方、確認用キーワードが見出され且つ当該確認用キーワードと抽出されたキーワードが一致する場合には、ユーザ名のキーワード以外の部分で特定されるメールボックス(メールボックス51の記憶領域)に受信したメール・データを格納する(ステップS51)。そして、キーワードDB53に格納されたユーザ名に対応するメッセージを含む受信通知メールを生成し、送信元宛に送信する(ステップS53)。これにより、偶然にメール・アドレス及びキーワードが一致してしまったが誤送である場合、送信側ユーザは受信通知メールを受信し、その中に含まれる受信者固有のメッセージを読めば、送信側ユーザが誤送に気付く場合もある。例えば図9の例では名前が「山田太朗」となっており、「山田太郎」と違うため、気付く場合もある。
【0041】一方、間違って本実施の形態に係る処理(図8)を実施できない従来のメール受信サーバB(13)に、本実施の形態に係る処理を施されたメールが送信された場合には図10のような処理を実施する。すなわち、メール受信サーバB(13)は、メール送信サーバ11からメール・データを受信すると(ステップS65)、宛先アドレスのユーザ名を検査する。そうすると、図5のようなユーザ名であれば、メール・アドレスとしては使用できない区切りコードが使用されているので、宛先アドレスのユーザ名部分にエラーを発見する(ステップS67)。従って、送信元宛に不達通知メールを送信する(ステップS69)。
【0042】以上のような処理を実施することにより、間違ったメール・アドレスが偶然存在していても、キーワードが不一致であれば誤送を防ぐことができる。また、メール受信サーバが本実施の形態に係る処理を実施できないような従来のメール受信サーバに誤送してしまった場合には、エラー通知が送付元に送信されるので、送信側ユーザが誤送に気付くことができる。
【0043】さらに、メーラ・プログラム31は従来のままでもよく、さらに本実施の形態に係る処理を実施するメーラ・プログラム31であってもキーワードを付加しないでメールを送信することもできる。また、メール受信サーバ5においても、従来のように宛先アドレスにキーワードが付加されていなくとも、従来どおりに処理することができる。また、メール受信サーバ5のキーワードDB53に確認用キーワードを登録せず、且つ当該確認用キーワードを公開しなければ、メール受信サーバ5では従来どおりの処理がなされる。従って、従来のメール送受信インターフェースは維持されている。
【0044】最後に、本実施の形態の方式が例えばユーザ名に単純にキーワードを組み入れる場合(以下、第2の方式と呼ぶ。)とを比較し、本実施の形態の方式の方が誤送の可能性が低くなっていることを確認する。
【0045】例えば本実施の形態に係る方式においてはtaro@xyz.ne.jpでキーワードblueskyを指定するものとする。また、第2の方式においては、例えばtaro.bluesky@xyz.ne.jpをメールアドレスとする。
【0046】ここで、ユーザ名を誤って本実施の形態に係る方式においてはtarou@xyz.ne.jpを指定してしまい、第2の方式においてはtarou.bluesky@xyz.ne.jpを指定してしまったものとする。この場合、誤送されるのは、本実施の形態に係る方式においてはtarou@xyz.ne.jpが存在していて且つこのアドレスに対してキーワードblueskyが指定されている場合である。第2の方式において誤送されるのは、単純にtarou.bluesky@xyz.ne.jpが存在している場合である。本実施の形態に係る方式においては、tarou@xyz.ne.jpに対するキーワードは唯一であるのに対し、第2の方式ではtarou.〜@xyz.ne.jpというアドレスは多数存在し得る。従って本実施の形態に係る方式のほうが誤送率が低い。
【0047】また、ドメイン名を誤って本実施の形態に係る方式においてはtaro@xy2.ne.jpを指定しまい、第2の方式においてtaro.bluesky@xy2.ne.jpを指定してしまったものとする。この場合、誤送されるのは、本実施の形態に係る方式においては、ドメイン名(xy2.ne.jp)が使用されていて、且つドメイン名に対応するメール受信サーバが本実施の形態に従うメール受信サーバであり、且つ同じユーザ名(taro)が存在していて、且つそのキーワードがblueskyである場合である。第2の方式において誤送されるのは、ドメイン名(xy2.ne.jp)が存在しており且つ同じユーザ名(taro.bluesky)が存在している場合である。ドメイン名が存在している確率は同じであるが、本実施の形態に係る方式においてはメール受信サーバが本実施の形態に従うメール受信サーバでなければ誤送されないのに対し、第2の方式では誤送される可能性がある。また、メール受信サーバが本実施の形態に従うメール受信サーバである場合であっても、本実施の形態に係る方式ではtaro@xy2.ne.jpに対するキーワードは唯一であるのに対し、第2の方式では、tarou.〜@xyz.ne.jpというアドレスは多数存在し得る。従って本実施の形態に係る方式のほうが誤送率が低い。
【0048】さらに、キーワード又はキーワードに相当する部分を間違って、本実施の形態に係る方式においてはtaro@xyz.ne.jpに対してキーワードbulueskyを指定しまい、第2の方式においてはtaro.buluesky@xyz.ne.jpを指定してしまった場合を考える。この場合、本実施の形態に係る方式においては誤送は生じ得ない。第2の方式においては、taro.buluesky@xyz.ne.jpが実際に存在している場合には誤送される。従って本実施の形態に係る方式のほうが誤送率が低い。
【0049】以上のように本実施の形態は相対的に誤送率が低くなる。
【0050】以上本発明の一実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、補助プログラム33も送信時に送信側ユーザにキーワードの入力を求めるような構成を示したが、補助プログラム33では予めアドレス帳に登録されている場合にのみキーワードを付加するようにすることも可能である。反対に、補助プログラム33ではアドレス帳を保持せず、送信の都度にキーワードの入力を求め、入力された場合にのみキーワードを付加するような構成であってもよい。図9にはキーワードDB53に確認用キーワード及びメッセージを両方格納するような構成を示したが、別のDBなどで格納するような構成であってもよい。
【0051】(付記1)電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを付加し、記憶装置に格納するキーワード付加ステップと、前記キーワードが付加されたアドレスを含む電子メールのデータを、電子メール送信サーバに送信するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0052】(付記2)前記キーワード付加ステップが、電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを前記アドレスと分離可能な態様で付加し、記憶装置に格納するステップ、であることを特徴とする付記1記載のプログラム。
【0053】(付記3)前記キーワード付加ステップが、電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを前記アドレスとの区切りコードと共に付加し、記憶装置に格納するステップ、であることを特徴とする付記1記載のプログラム。
【0054】(付記4)前記キーワード付加ステップが、電子メールの宛先として指定されたアドレスのユーザ名部分に、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを少なくとも前記アドレスのユーザ名部分との区切りコードと共に付加し、記憶装置に格納するステップ、であることを特徴とする付記1記載のプログラム。
【0055】(付記5)前記区切りコードが、他の意味が定められていない禁止コードであることを特徴とする付記4記載のプログラム。
【0056】(付記6)前記アドレスに対応して記憶装置に予め登録されていた前記キーワードを読み出すステップをさらにコンピュータに実行させるための付記1記載のプログラム。
【0057】(付記7)受信したメールの宛先アドレスに、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されている場合、当該キーワードを抽出し、記憶装置に格納するキーワード抽出ステップと、抽出された前記キーワードが、前記宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードであるか判断する判断ステップと、前記キーワードが前記確認用キーワードである場合には、前記宛先アドレスのための記憶領域に前記メールのデータを格納するステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0058】(付記8)前記キーワード抽出ステップが、受信したメールの宛先アドレス中に所定のコードを検出した場合に、前記宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されていると判断するステップを含むことを特徴とする付記7記載のプログラム。
【0059】(付記9)前記判断ステップにおいて、前記宛先アドレスのユーザ名部分のうち前記キーワードが除去されたものに対応する確認用キーワードを登録確認キーワード格納部において検索し、抽出された前記キーワードと比較することを特徴とする付記7記載のプログラム。
【0060】(付記10)前記キーワードが前記確認用キーワードである場合には、前記宛先ユーザにより指定された受信確認メッセージを送信元に送信するステップをさらにコンピュータに実行させるための付記7記載のプログラム。
【0061】(付記11)電子メールの宛先として指定されたアドレスに、当該電子メールの宛先ユーザにより予め設定された確認用キーワードとして指定されたキーワードを付加し、記憶装置に格納するキーワード付加手段と、前記キーワードが付加されたアドレスを含む電子メールのデータを、電子メール送信サーバに送信する手段と、を有するコンピュータ。
【0062】(付記12)受信したメール・データの宛先アドレスに、宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードとして指定されたキーワードが付加されている場合、当該キーワードを抽出し、記憶装置に格納するキーワード抽出手段と、抽出された前記キーワードが、前記宛先ユーザが予め設定した確認用キーワードであるか判断する判断手段と、前記キーワードが前記確認用キーワードである場合には、前記宛先アドレスのための記憶領域に前記メール・データを格納する手段と、を有するコンピュータ。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、電子メールの誤送防止を行うための新規な技術を提供することができた。
【0064】また、例え誤送されてしまった場合であっても電子メールの送信側ユーザが認識できるようになる。
【0065】さらに、従来の電子メール送受信方式も維持したまま、電子メールの誤送防止を可能にすることもできる。
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【住所又は居所】神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番1号
【出願日】 平成13年11月5日(2001.11.5)
【代理人】 【識別番号】100103528
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 一男
【公開番号】 特開2003−141033(P2003−141033A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−339492(P2001−339492)