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【発明の名称】 直接触式タッチパネル装置
【発明者】 【氏名】長岡 誠
【住所又は居所】埼玉県草加市吉町4−1−8 ぺんてる株式会社草加工場内

【要約】 【課題】センサーパネルの構造がシンプルな一層の導電膜によるタッチパネルであって、表面の耐摩耗性を高め、導電層の劣化を防止し、高耐久性のタッチパネルを得る。

【解決手段】指または導電物とセンサーパネル面の導電膜が電気的に直接接触する構造であって、指または導電物が接触するセンサーパネル表面は、導電体上に非絶縁性の樹脂膜を形成する事により、電気的性能を損なわずに、耐摩耗性を向上させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 指または導電物が直接電気的に接触するタッチパネル装置であって、指または導電物が接触するセンサーパネル表面は、導電体上にフッ素樹脂よりなる樹脂膜が0.01μm〜10μmの膜厚で形成されていることを特徴とする直接触式タッチパネル装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指、導電物のパネルへのタッチ状態を検出するタッチパネル装置に関し、特に指または導電物が、直接接触するセンサーパネルの導電面に接触する直接触式タッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】二層の導電体が押圧点で互いに導通する構造のパネルを使用したもの、光によるアレイの一部を指で遮断する構造のパネルを使用したもの、あるいは一層の導電体を使用したシンプルな構造のものが知られている。
【0003】導電体として一層の導電膜を使用したものとして、本願出願人による出願である特願平10−321508号に示した直接触式タッチパネルを提案している。本方式は、構造がシンプルであることと同時に、入力シフト現象が無く、耐ノイズ性、電気的安全性、高耐久性の面でも他の方式に比べ優れているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した直接触式タッチパネルは、他の方式に比べ優れているとはいえ、表面に酸化錫、酸化インジウム等の導電膜が露出しており、指や導電性ペン等で表面を摺動するため、長期的には、摩耗による劣化を防ぐことはできなかった。従来耐摩耗性を得るための手段として、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の樹脂膜を表面に形成することは知られているが、これらの樹脂は絶縁性であり、指とセンサーパネルとの導通が得られなくなるため、本発明の直接触式タッチパネルへは、採用できなかった。
【0005】本発明における課題は、直接触式タッチパネルの利点を損なわずに、表面の耐摩耗性を向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解決するためになしたもので、指または導電物が直接電気的に接触するタッチパネル装置であって、指または導電物が接触するセンサーパネル表面は、導電体上にフッ素よりなる樹脂膜が0.01μm〜10μmの膜厚で形成されている直接触式タッチパネル装置を要旨とするものである。
【0007】
【作用】本発明による直接触式タッチパネルの断面模式図を図1に、表面模式図を図2に示す。指や導電性ペンが接触する面は、フッ素樹脂被膜となっているため、酸化錫膜のようなセラミックス材料に比べ、潤滑性に優れ、摩耗しにくくなる。また摩耗が発生した段階においても、摩耗するのは樹脂部分であり、下部の導電面を劣化させることはなく、高耐久性を実現できる。
【0008】フッ素樹脂は一般に絶縁性の高い材料として知られているが、この絶縁性はフッ素樹脂の厚さに比例し、薄膜にすると絶縁性が消失することが知られている。本発明者の実験によると、フッ素樹脂の膜厚を0.01μm〜10μmの間にすると、指とセンサーパネル表面との導通性が得られる事がわかった。
【0009】
【実施例】以下、実施例、比較例によって本発明をさらに詳細に説明する。図1において、基材1は、ガラス、あるいはアクリル、ポリエチレン樹脂などの透明な材料が用いられる。この基材1の表面の全面には、酸化錫(SnO2)、酸化インジウム(In2O3)等の導電性透明膜3が真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、スプレー法といった任意の方法で形成される。
【0010】基材1と導電膜3との間には、防眩処理層2を設けてもよい。タッチパネルや液晶,CRT等の装置では、蛍光灯や、日光等の反射により表示画面が見づらくなるといった現象があり、これを防ぐための防眩処理として、基材表面を粗くしたり、最表面にフィルムを貼ったりする方法が知られているが、本実施例においては、最表面が導電性である必要があるため、基材1の表面を化学処理で粗くする方法にて、基材1と導電膜3との間に防眩処理層2を設けた。
【0011】本実施例においては、防眩処理層2の上に酸化錫膜をスプレー法によりガラス防眩処理面上に成膜した。面抵抗値が約1kΩ/□(単位面積当たりの抵抗値)になるように成膜した。酸化錫膜のスプレー法は、他の導電性材料よりも安価で、且つ約1kΩ/□の面抵抗値を得られやすい点で利点がある。
【0012】さらに導電膜3の上に非絶縁性の樹脂膜4が形成される。成膜方法及び樹脂膜の材料、厚さは任意のものが使われるが、薄膜であることが重要であり、成膜方法は例えばテ゛ィッヒ゜ンク゛法を用いる事により、容易に樹脂薄膜を得ることができる。フッ素樹脂としては、四フッ化レジン(テフロン(登録商標))、三フッ化レジン(トリフロン)、フッ化ビニルおよびビニリデン、フッ素ゴム(Kel F−エラストマー、フッ化アクリルゴム)、フルオロシランが挙げられる。本実施例ではフッ素樹脂としてフルオロシランよりなるテフロンクリアコートTC20(米国デュポン社製)を使用した。
【0013】樹脂膜4はセンサーパネル表面の必要な部分にのみ設ければよく、本実施例では図2に示された周囲電極5の部分をのぞく全面に成膜した。周囲電極5は指等で接触された座標検出を行うための電極であり、4隅に設けられた接続端子6より、座標検出回路に接続される。
【0014】周囲電極5は導電性透明膜3に比較し、低抵抗である必要があり、本実施例では、銀カーボンペーストにより、各編の両端間が50〜150Ωになるように形成した。この周囲電極5の形状は、本実施例では単純な直線状としたが、各種の形状が提案されており、任意の形状が使用できる。
【0015】周囲電極5の4隅の部分には、接続端子6が設けられており、引き出し線(図示せず)が接続される。引き出し線を接続する方法は、例えば銅ペーストを接続端子6として周囲電極5の上に設ければ半田付けにて引き出し線を接続できる。
【0016】またタッチパネルを例えばCRTや液晶表示装置等の表示画面上に搭載するときには、不要電磁放射を受けなくするために、センサーパネル裏面にシールド板7を設けることも有効である。
【0017】実施例1厚さ1.1mmのガラス板1上に、面抵抗値が1kΩ/□の酸化錫膜を形成した後、テフロンクリアコートを厚さ0.01μm〜10μmになるように形成し、周囲電極5、接続端子6を設け、座標検出回路と接続することにより、直接触式タッチパネルを得た。本タッチパネルの耐摩耗性を評価するために、強制摩耗試験を行い、導電膜の面抵抗値の変化と座標検出の測定を行った。
【0018】実施例2実施例1においてテフロンクリアコートに厚さを0.06μmにしたこと以外は、実施例1と同様になした。
【0019】比較例1実施例1においてテフロンクリアコート層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様になした。
【0020】比較例2実施例1において、テフロンクリアコート層の代わりに、シリコン樹脂を10μmの厚さで形成したこと以外は実施例1と同様になした。
【0021】評価の結果と試験条件を表1に示す。
【0022】
【表1】

【0023】摩耗試験条件径20mmのセーム皮を荷重250gでセンサーパネル面に押し当て、25mmの長さを往復(2往復/秒)運動させた。
面抵抗値の測定摩耗部分の面抵抗値を四探針法(三菱化学■製ロレスタ・MP)にて測定し、摩耗前後の値を比較した。
座標検出精度摩耗部分の検出座標を行い、摩耗前後の座標値を比較した。
【0024】
【発明の効果】本発明によるタッチパネルは、導電膜の上に非絶縁性の樹脂膜を設けたため、電気的性能を損なうことなく、耐摩耗性が向上し、充分な耐久性が得られた。
【出願人】 【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町7番2号
【出願日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−140833(P2003−140833A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−334951(P2001−334951)