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【発明の名称】 情報処理装置及び情報処理装置の制御方法
【発明者】 【氏名】安井 啓介
【住所又は居所】東京都青梅市末広町2丁目9番地 株式会社東芝青梅工場内

【要約】 【課題】情報処理装置の入力装置について、操作性の良い入力環境を提供する。

【解決手段】ペン12を用いてユーザが画面表示上のウインドウ枠23の領域から入力を行う。この入力の始点の位置と、始点から終点までの入力軌跡をペン拡張機能解析部106が解析し、ペン拡張機能データベース107を参照して、ウインドウ操作に関する処理をペン拡張機能処理部108及びウインドウ管理部104が実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 データ表示を行う表示装置と、表示装置上に配置される入力装置と、入力の始点を認識する認識手段と、前記入力の始点から入力の終点までの入力パターンを記憶する記憶手段と、前記認識手段の認識した始点の位置に対応するデータ処理の対象について、前記記憶手段が記憶した入力パターンに応じて、前記データ表示の処理を行う処理装置とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】 前記表示装置はウインドウの表示を行い、前記データ処理の対象はこのウインドウであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】 前記始点の位置が前記ウインドウの枠部分の場合、前記処理装置はこの枠部分を含むウインドウの処理を行うことを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】 前記表示装置は、アイコンの表示を行い、前記データ処理の対象はこのアイコンであることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項5】 前記始点の位置が前記アイコンの表示される領域近傍である場合、前記処理装置は、前記アイコンの削除を行う処理を実行することを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】 表示装置と、この表示装置に重畳するように配された入力装置を有する情報処理装置の制御方法であって、前記表示装置にデータ表示を行う表示ステップと、前記入力装置からの入力を受信する受信ステップと、前記受信した入力の始点を認識する認識ステップと、前記認識ステップにおいて認識した入力の始点から入力の終点までの入力パターンを記憶する記憶ステップと、前記認識ステップで認識した入力の始点の位置に対応するデータ処理の対象について、前記記憶手段が記憶した入力パターンに応じて、前記データ表示の処理を行う処理ステップとを具備することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項7】 前記表示ステップはウインドウの表示を行い、前記処理ステップにおけるデータ処理の対象はこのウインドウであることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項8】 前記始点の位置が前記ウインドウの枠部分の場合、前記処理ステップにおいて、この枠部分を含むウインドウの処理を行うことを特徴とする請求項7記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項9】 前記表示ステップは、前記表示装置に対してアイコンの表示を行い、前記処理ステップにおけるデータ処理の対象はこのアイコンであることを特徴とする請求項6記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項10】 前記始点の位置が前記アイコンの表示される領域近傍である場合、前記処理ステップで行うデータの処理は、前記アイコンの削除を行う処理であることを特徴とする請求項9記載の情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、情報処理装置の入力操作に係わり、特に、ペン入力方式を利用携帯型情報処理装置の入力操作に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のPDA(Personal Digital Assistant)に代表される携帯型情報処理装置の普及は著しい。このような携帯型の情報処理装置において、ユーザからのデータやコマンドの入力手段として従来、ペン入力方式が用いられている。これは、情報処理装置が有する液晶ディスプレイなどの表示装置にタッチスクリーンを重ねて配置し、所定のペン等の操作によりユーザが入力を行うというものである。表示装置の画面上をユーザが操作することにより、直感的で使いやすいユーザインタフェースを提供することができる。
【0003】携帯型の情報処理装置は、先に述べた通り、表示装置を具備している。情報処理装置上で実行されたプログラムはこの表示装置の画面上にウインドウ(窓)を表示する。更に、プログラムは情報の表示や、各種入力装置からの入力イベントに対する処理を行う。
【0004】プログラムの中にはこのウインドウに対する制御を処理するプログラムがあり、このようなプログラムはウインドウマネージャと呼ばれる。従来、ウインドウマネージャはユーザからの入力装置としてマウスを使用することを想定していた。しかし、タッチスクリーンのようなペン入力を使用した情報処理装置においてはマウスよりも位置を指定する精度が劣ることが多いので、マウスの使用を想定したプログラムマネージャでは誤操作する可能性がある。
【0005】特にPDAのような小型の画面上では、ペンで所定のポイントを指示しにくい。例えば、画面上で「ウインドウの最大化」、「ウインドウを閉じる」といったボタンを表示し、このボタンをペンで触れるようにして、ウインドウ操作を行うようにした場合を考える。この場合、ボタンに的確にペンを触れさせなければ、ユーザが望む操作を行うことができないばかりか、ユーザの望まない操作を行ってしまうことになる。すなわち、ウインドウを最大化して見やすくしようと望んだユーザに対して、ウインドウを閉じる処理を実行してしまう、といった不具合が起こり得る。
【0006】更に、タッチスクリーンによるペン入力では、スクリーンを触っているか触っていないかの2つの状態しかないため、スクリーン上のウインドウの操作を指定する手段が少なく、効率的なウインドウ操作を行えないという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような、マウスを使用しない状態においても、操作性が良く、誤操作する可能性の低い情報処理装置及び情報処理装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、データ表示を行う表示装置と、表示装置上に配置される入力装置と、入力の始点を認識する認識手段と、前記入力の始点から入力の終点までの入力パターンを記憶する記憶手段と、前記認識手段の認識した始点の位置に対応するデータ処理の対象について、前記記憶手段が記憶した入力パターンに応じて、前記データ表示の処理を行う処理装置とを有することを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、操作性が良く、誤操作する可能性の低い情報処理装置を提供することが可能となる。
【0010】また、この発明は、表示装置と、この表示装置に重畳するように配された入力装置を有する情報処理装置の制御方法であって、前記表示装置にデータ表示を行う表示ステップと、前記入力装置からの入力を受信する受信ステップと、前記受信した入力の始点を認識する認識ステップと、前記認識ステップにおいて認識した入力の始点から入力の終点までの入力パターンを記憶する記憶ステップと、前記認識ステップで認識した入力の始点の位置に対応するデータ処理の対象について、前記記憶手段が記憶した入力パターンに応じて、前記データ表示の処理を行う処理ステップとを具備することを特徴とする。
【0011】このような構成によれば、操作性が良く、誤操作する可能性の低い情報処理装置の制御方法を提供することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態について以下の通り説明する。図1は本発明の実施形態の一つである携帯型情報処理装置の入力や表示処理を行う部分の構成を示すブロック図である。この情報処理装置においては、タッチスクリーンを用いたペン入力を想定している。
【0013】情報処理装置1は、ウインドウ表示を行う表示装置10と、この表示装置に重なるようにして配されている入力装置11を有している。ユーザは表示装置10に表示されている各種のアイコンなどをペン12で指示することができる。入力装置11はこのペン12による指示を入力として後述する入力イベント取得部101へと送信する。
【0014】入力イベント取得部101はこの情報処理装置に対する入力を検知し、入力イベントとしてシステムの処理を開始する部分である。入力イベント解析部102は、この入力イベント取得部101が取得した入力イベントを解析する部分である。イベント処理部103は、入力イベント解析部102が解析した結果をもとに、入力イベントに応じた処理を実行する実行部である。ウインドウ管理部104はイベント処理部103の処理や後述するペン拡張機能処理部108の処理に応じて、情報処理装置の画面におけるウインドウ表示について管理を行う部分である。従来のウインドウマネージャが対応する。スクリーン表示部105は、このウインドウ管理部104が管理するウインドウの情報を画面に表示する部分である。
【0015】ペン拡張機能解析部106は、入力イベント解析部102の解析結果により、所定の拡張機能の実行が指示されたかどうかを解析する部分である。ペン拡張機能データベース107は、拡張機能の内容や、その内容を指示する入力パターンとを関連付けて格納するデータベースであり、ペン拡張機能解析部106が所定の拡張機能の実行が指示されたかどうかを解析するために参照するものである。ペン拡張機能処理部108は、先述のペン拡張機能解析部106による解析結果と、ペン拡張機能データベース107の格納内容に応じてペン入力による拡張機能の実行処理を行う部分である。
【0016】図2の画面表示の例と、図3のフローチャート図とを参照して、本発明の一実施形態である情報処理装置におけるペン入力での動作について以下の通り説明する。図2はこの情報処理装置1の表示装置10に表示される画面の例である。表示装置10の画面上にはウインドウ21やアイコン27などが表示されている。ウインドウ21はその上部に枠の部分(タイトルバー)23を有している。ユーザはペン12(図示せず)で画面上のウインドウ21の枠の部分23を指示(タップ)し、ここから入力装置11からペン12を離さぬよう一筆書きで線24のような形を描くようにペン12を動かした後、ペン12を入力装置11から離す(リリースする)。ここで点25は線24の始点であり、点26はユーザが一筆書きで描く線24の終点である。
【0017】情報処理装置1はこのような、一筆書きの線24の形状に対応するペン拡張機能の処理(例えば、ウインドウ操作のうち、当該ウインドウの最大化等)を予め保持している。ユーザが入力した一筆書きの線24を認識して、この形状に対応するウインドウ操作の処理を行う、というものである。
【0018】図3はこの情報処理装置1の一連の動作について示すフローチャート図である。まず、ユーザがペン12で入力装置11をタップすることで、入力のタップイベントが発生し、入力イベント取得部101がこのイベントを取得する(ステップS301)。ここで、入力イベント解析部102が、入力が開始された開始点が画面表示上の特定領域に含まれているかどうかを解析する(ステップS302)。本実施形態において、この特定領域とは、図2における枠(タイトルバー)23である。
【0019】入力イベント解析部102が、開始点が特定領域に含まれていないと判別した場合、情報処理装置1は今回の入力はペン拡張機能に関する特別のものではないと判別し、通常のペンによる入力処理と同様の処理を行う(ステップS302の「領域外」からステップS303)。この処理はイベント処理部103が実行する。この通常の処理として、例えばウインドウ枠内のアプリケーションプログラムの操作等が挙げられる。
【0020】入力イベント解析部102が、開始点が特定領域に含まれていると判別した場合、情報処理装置1はペン拡張機能に関するものであると判別し、引き続きペン12が入力装置11からリリースされるまでのその時々の座標情報を一筆書きによる入力データとして取得する(ステップS302の「領域内」からステップS304)。この取得は入力イベント取得部101が中心に行う。
【0021】入力イベント取得部101が取得したタップイベントからリリースイベントまでの一筆書きの軌跡を入力イベント解析部がジェスチャデータとして記憶する(ステップS305)。続いてペン拡張機能解析部106がペン拡張機能データベース107から一筆書きのジェスチャデータと対応する機能を読み出す(ステップS306)。ペン拡張機能データベース107は一筆書きパターンをあらわすデータとそのパターンに応じて実行する機能を登録している。ここで機能としては、ウインドウのサイズ変更、ウインドウの移動、ウインドウの最大化、ウインドウの最小化、ウインドウを閉じる、ウインドウを元に戻す、といった機能を含む。
【0022】ペン拡張機能解析部106はペン拡張機能データベース107から読み出したデータと一筆書きのジェスチャデータとを照合し、一致するものがあるかどうかを判別する(ステップS307)。ここで一致するものがない場合情報処理装置1はこの入力に対する特定の処理は行わず(ステップS307の「一致しない」からステップS309)、タップイベントにより始まった入力に関する一連の処理を終了する。
【0023】一致するものがあった場合、ペン拡張機能解析部106は、一致したジェスチャデータに対応する拡張機能について、ペン拡張機能処理部108に通知し、ペン拡張機能処理部108はこの通知に従って処理を行う。この拡張機能がウインドウ管理に関するものである場合、ペン拡張機能処理部108はウインドウ管理部104へ指示を発し、ウインドウ管理部104はこの指示に従ったウインドウ操作の処理を行う。この処理を受けてスクリーン表示部105が表示装置10に対してウインドウに関する表示を行う(ステップS307の「一致」からステップS308)。これでタップイベントにより始まった入力に関する一連の処理を終了する。
【0024】このように、ウインドウ21の枠の部分23という所定の領域から開始される一筆書きの所定のパターンに応じたウインドウ操作を行うことで、誤操作を防ぐことができ、使い勝手の良いユーザインタフェースを提供することができる。
【0025】一筆書きのパターンとして図2に示すようなループ型の軌跡の他にも、図4に示すように、ウインドウ21の枠(タイトルバー)23から表示装置10の四隅へと向かうようなパターン(41、42、43、44)を用いることも可能である。これら一つ一つのパターンに所定のコマンドを割り当てることで、単純な動きで的確な操作を行うことが可能となる。
【0026】ループ型の軌跡でバリエーションをつけにくい場合、上述したような単純な直線でもベクトル量として認識がしやすい形状を採用することで、誤操作の少ないユーザインタフェースを提供することができる。
【0027】また、図5に示すように、ユーザが所定の一筆書き動作と拡張機能やコマンドとを対にして登録し、情報処理装置の入力についてカスタマイズすることも可能である。このようにすると、特定のコマンドを頻繁に使用するユーザがそのコマンドをユーザの書きやすい一筆書きの入力と結びつけて登録することが可能となり、特に使い勝手が良い。
【0028】以上、第一の実施形態について説明を行ったが、本発明は第一の実施形態におけるウインドウ操作以外にも適用することが可能である。本発明の第二の実施形態はこの操作をアイコンの削除に適用した例である。情報処理装置1の構成を図1に示す。第二の実施形態における情報処理装置1の構成は第一の実施形態と共通のため、説明を省略する。図6は第二の実施形態に係わる情報処理装置1の表示装置10に表示される画面の例を示す図である。
【0029】図6は表示装置10が表示する画面上のアイコン30について、このアイコン30の上又は近傍にある始点32から終点33までの一筆書き31の入力を行った状態を示す。第二の実施形態では、アイコン30の上又は近傍が第一の実施形態におけるウインドウの枠(タイトルバー)23に相当する。このアイコン30の上又は近傍を特定領域として取り扱い、その領域に始点を含む一筆書きのパターンが所定の拡張機能を指示するようなものである場合、その拡張機能の処理を行う。アイコン30に関するこの拡張機能としては、例えば対象となるアイコンの削除等が挙げられる。
【0030】また、この他にも従来のペン入力では指示が困難であった、マウスの右クリックに相当する機能を一筆書きのパターンに割り当てることも可能であり、利便性が向上する。
【0031】なお、上記の実施形態の説明では、携帯型の情報処理装置を中心に説明を行ったが、その他の情報処理装置についても、手書きなどでの入力が可能なものに対して適用することが可能である。また、実施形態において説明したウインドウ制御に限らず、他の各種コマンドについて同様の操作を行うことが可能である。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、操作性が良く、誤操作する可能性の低い情報処理装置及び情報処理装置の制御方法を提供することことが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【代理人】 【識別番号】100083161
【弁理士】
【氏名又は名称】外川 英明
【公開番号】 特開2003−140791(P2003−140791A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−333912(P2001−333912)