トップ :: G 物理学 :: G06 計算;計数




【発明の名称】 半導体集積回路
【発明者】 【氏名】谷津 常彦
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内

【要約】 【課題】超音波溶着が可能なRC発振器を用いながら、低消費電流での時間測定(ウエイクアップ動作)を可能とする。

【解決手段】定電流源10はマイクロコンピュータの外部接続端子11を介して外付けのコンデンサ12に接続されている。定電流源10とコンデンサ12の接続点は比較器13の非反転入力端子(+)に接続されている。比較器13の反転入力端子(−)には基準電圧源14の基準電圧VBが印加されている。定電流源10とコンデンサ12の接続点はディスチャージ用のNチャネル型MOSトランジスタ15に接続されている。マイクロコンピュータのスタンバイ時には、RC発振回路を停止させると共に、比較器13からの判定信号に応じて時間測定を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 動作クロックを作成するためのRC発振器を備えた半導体集積回路において、定電流源と、該定電流源によって充電されるコンデンサと、基準電圧を発生する基準電圧源と、該コンデンサの端子電圧と前記基準電圧とを比較し、該端子電圧が基準電圧に達すると判定信号を出力する比較器と、スタンバイ信号に応じて前記コンデンサの電荷を抜くディスチャージ用トランジスタと、を備え、スタンバイ信号に応じて前記RC発振器の動作を停止させると共に、前記比較器が出力する判定信号に応じて時間測定を行うことを特徴とする半導体集積回路。
【請求項2】 前記比較器が出力する判定信号を検出し、検出パルスを出力する検出回路と、該検出パルスのパルス数を計数するカウンタ回路と、を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路。
【請求項3】 前記検出回路は前記判定信号が印加された奇数段のインバータから成る遅延回路と、該遅延回路の出力と前記判定信号が印加されたゲート回路とから成ることを特徴とする請求項2に記載の半導体集積回路。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時間測定機能を有する半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のマイクロコンピュータにおいては、スタンバイ時の時間測定を行うためにいわゆるウエイクアップ動作を行っていた。この時間測定のための発振信号源としては、消費電流が5μA程度と少ない水晶発振子が用いるのが一般的である。
【0003】すなわち、スタンバイ時にはマイクロコンピュータの動作を停止させ、水晶発振子と水晶発振子からの発振信号を分周する分周器のみを動作させる。そして、その分周器の出力に応じて、所定時間が経過するとマイクロコンピュータをウエイクアップ(再起動)させ、スタンバイ状態に入っていた時間をCPUの演算処理により算出する。これにより、マイクロコンピュータの低消費電流化と高精度の時間測定を同時に実現していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、水晶発振子はマイクロコンピュータに外付けするために、マイクロコンピュータが実装されるプリント基板上にはんだ付けする必要がある。しかしながら、水晶発振子は超音波溶着を行うことができないという問題があった。この超音波溶着は、はんだを超音波で溶かすという工程を含むために、水晶発振子の特性が劣化するおそれがあるためである。
【0005】一方、超音波溶着が可能なRC発振器を用いると、消費電流が100μA程度と大きいために、マイクロコンピュータのウエイクアップ動作に用いることはできない。
【0006】そこで、超音波溶着が可能なRC発振器を用いながら、マイクロコンピュータのウエイクアップ動作を可能としたシステムが求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した従来技術の課題に鑑みて為されたものであり、動作クロックを作成するためのRC発振器を備えた半導体集積回路において、定電流源と、該定電流源によって充電されるコンデンサと、基準電圧を発生する基準電圧源と、該コンデンサの端子電圧と前記基準電圧とを比較し、該端子電圧が基準電圧に達すると判定信号を出力する比較器と、スタンバイ信号に応じて前記コンデンサの電荷を抜くディスチャージ用トランジスタと、を備え、スタンバイ信号に応じて前記RC発振器の動作を停止させると共に、前記比較器が出力する判定信号に応じて時間測定を行うことを特徴とする。
【0008】係る構成によれば、定電流源の電流によりコンデンサを充電しているので、コンデンサの端子電圧を、比較器を用いてレベル判定することにより、所定の時間測定を行うことができる。このとき、定電流源の電流は例えば1μA程度に抑え、RC発振器を停止することにより低消費電流を実現している。すなわち、超音波溶着が可能なRC発振器を用いつつ、低消費電流での時間測定(ウエイクアップ動作)が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、本発明の半導体集積回路に内蔵される時間測定回路を示す。また、図2に本発明の半導体集積回路に内蔵されるRC発振回路を示す。以下では、半導体集積回路は一例としてマイクロコンピュータであるとする。
【0010】図1において、定電流源10はマイクロコンピュータの外部接続端子11を介して外付けのコンデンサ12に接続されている。定電流源10とコンデンサ12の接続点は比較器13の非反転入力端子(+)に接続されている。また、比較器13の反転入力端子(−)には基準電圧源14の基準電圧VBが印加されている。また、定電流源10とコンデンサ12の接続点はディスチャージ用のNチャネル型MOSトランジスタ15に接続されている。
【0011】図2において、20はナンド回路であって、一方の入力端子にはマイクロコンピュータの外部接続端子21が接続され、他方の入力端子にはスタンバイ信号*STBYが入力されている。ナンド回路20の出力は偶数段のインバータを介してマイクロコンピュータの外部接続端子22に接続されている。外部接続端子21と外部接続端子22との間には、抵抗値Rを有する抵抗23が接続され、外部接続端子21には抵抗値C2を有するコンデンサ24が接続されている。
【0012】スタンバイ時にはスタンバイ信号*STBYはロウレベルとなり発振が停止する。マイクロコンピュータの動作時にはスタンバイ信号*STBYはハイレベルとなり、抵抗値Rと容量値C2で定まる時定数で発振動作が行われ、その発振信号に基づいて動作クロックが作成される。マイクロコンピュータはこの動作クロックに基づいてプログラム動作を実行する。
【0013】また、外付けの抵抗23及びコンデンサ24は超音波溶着により、マイクロコンピュータが実装されたプリント基板上にはんだ付けが可能である。
【0014】次に、上述した構成のマイクロコンピュータの動作シーケンスについて説明する。
■マイクロコンピュータがスタンバイ状態に入ると、RC発振回路の動作が停止する。(スタンバイ信号*STBYはロウレベルとなる)すると同時に、ディスチャージ用のNチャネル型MOSトランジスタ15のゲート信号DCHGがハイレベルとなり、Nチャネル型MOSトランジスタ15がオンし、コンデンサC1の電荷を抜く。
■その後、Nチャネル型MOSトランジスタ15をオフする。スタンバイ状態においては定電流源10のみ動作している。コンデンサ12は、定電流源10からの電流(例えば1μA)により充電され、その端子電圧(=比較器13の非反転入力端子(+)の電圧)が上昇する。
■コンデンサの端子電圧が基準電圧VBに達すると、比較器13は判定信号(ハイレベル)を出力する。この判定信号はウエイクアップ信号と呼ばれるものであり、この信号に基づいてマイクロコンピュータのスタンバイ状態を解除する。すると、RC発振回路は再び動作を開始し、マイクロコンピュータはRC発振回路からの発振信号から作成される動作クロックに基づいて動作を開始する。
【0015】そして、マイクロコンピュータ内のレジスタ(初期値はゼロにリセットされているものとする)の値をインクリメントする。
■その後、再びスタンバイ状態に入り、ゲート信号DCHGをハイレベルに設定し、ディスチャージ用のNチャネル型MOSトランジスタ15をオンさせ、コンデンサ12の電荷を抜く。
■以上のステップを繰り返すことにより、最終的にスタンバイ状態から抜け出したときの上記レジスタの値を読み出すことにより、スタンバイ状態に入っている時間をカウントする。
【0016】次に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係る時間測定回路を示す。第1の実施形態では、比較器13からの判定信号(ウエイクアップ信号)に基づいて、マイクロコンピュータを再起動し、ソフト的に時間測定をしていた。
【0017】本実施形態では、比較器13の出力に、さらに比較13が出力する判定信号を検出し、検出パルスを出力する検出回路19と、検出パルスのパルス数を計数するカウンタ回路18(例えばTFFで構成されている)を設け、ハード的に時間測定する機能を付加した。検出回路19は判定信号が印加された奇数段のインバータから成る遅延回路16と、遅延回路16の出力と判定信号が印加されたアンド回路17とから構成されている。
【0018】前述したようにスタンバイ状態において、コンデンサ12の端子電圧が上昇し、基準電圧VBに達すると、比較器13の出力がハイレベルに立ち上がる。検出回路19は、この比較器13の判定信号を検出して、検出パルスを作成する。カウンタ回路18はこの検出パルスの数をカウントする。
【0019】次に、上述した第2の実施形態のマイクロコンピュータの動作シーケンスについて説明する。
■マイクロコンピュータがスタンバイ状態に入ると、RC発振回路(図2)の動作が停止する。(スタンバイ信号*STBYはロウレベルとなる)すると同時に、ディスチャージ用のNチャネル型MOSトランジスタ15のゲート信号DCHGがハイレベルとなり、Nチャネル型MOSトランジスタ15がオンし、コンデンサC2の電荷を抜く。
■その後、Nチャネル型MOSトランジスタ15をオフする。スタンバイ状態においては定電流源10のみ動作している。コンデンサ12は、定電流源10からの電流(例えば1μA)により充電され、その端子電圧(=比較器13の非反転入力端子(+)の電圧)が上昇する。
■コンデンサ12の端子電圧が基準電圧VBに達すると、比較器13は判定信号(ハイレベル)を出力する。この判定信号はウエイクアップ信号と呼ばれるものであり、比較器13の出力がハイレベルに立ち上がる。
■検出回路19は、この比較器13の判定信号を検出して、検出パルスを作成する。
■カウンタ回路18はこの検出パルスの数をカウントする。
■以上のステップを繰り返すことにより、最終的にスタンバイ状態から抜け出したときの上記カウンタの値を読み出すことにより、スタンバイ状態に入っている時間をカウントする。
【0020】このように、本実施形態によれば、全てハード的に時間計測を行っているので、第1の実施形態のように途中でRC発振回路を動作させる必要がないため、より低消費電力化が可能である。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、超音波溶着が可能なRC発振器を用いながら、低消費電流での時間測定(ウエイクアップ動作)が可能となる。特に、ローエンド向けのバッテリー・マネイジメント・システムを構築する上で効果的である。
【出願人】 【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
【住所又は居所】大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
【出願日】 平成13年8月22日(2001.8.22)
【代理人】 【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
【公開番号】 特開2003−67076(P2003−67076A)
【公開日】 平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願番号】 特願2001−251792(P2001−251792)