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【発明の名称】 モノレバー操作装置
【発明者】 【氏名】本谷 真芳
【住所又は居所】栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松製作所小山工場内

【氏名】堀 秀司
【住所又は居所】栃木県小山市横倉新田400 株式会社小松製作所小山工場内

【要約】 【課題】ピストンストロークが外部より微調整できることにより最高駆動信号を精度よく出力でき、かつ、分解および再組立工数が不要となり出力調整工数を低減できるモノレバー操作装置を提供する。

【解決手段】モノレバー操作装置は、2次元方向に傾動自在なモノレバー(61)と、モノレバーの傾動に伴ってピストン(62)を押圧するディスクプレートと、ピストンの押圧された変位量により前後左右方向成分にそれぞれの二つの駆動信号を出力する駆動信号生成手段(Hd)と、駆動信号発生本体部(63)を取着し、モノレバー(61)の傾動を受止めるためにディスクプレートの当接面が当接するストッパー(69a)を有する取付プレート(66)とを備え、回動により、ストッパー(69a)と当接するときのモノレバー(61)の最大傾動量を変更し、駆動信号生成手段(Hd)より出力する最高駆動信号を可変とする当接面を有するディスクプレートからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも前後方向および左右方向に合わせた2次元の任意方向に傾動自在なモノレバー(61)と、モノレバー(61)に取着され、モノレバー(61)の傾動に伴ってピストン(62)を押圧するディスクプレートと、ピストンの押圧された変位量により前後方向成分および左右方向成分にそれぞれの二つの駆動信号を出力する駆動信号発生本体部(63)に収納された駆動信号生成手段(Hd)と、駆動信号発生本体部(63)を取着するとともに、モノレバー(61)の傾動を受止めるためにディスクプレートの当接面が当接するストッパー(69a)を備えたモノレバー操作装置(1)であって、回動することにより、ストッパー(69a)と当接するときのモノレバー(61)の最大傾動量を変更し、駆動信号生成手段(Hd)より出力する最高駆動信号を可変とする当接面を有するディスクプレートからなることを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項2】 請求項1記載のモノレバー操作装置において、前記ディスクプレート(13)の当接面は、各ピストン(62)の長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して、当接面の高さが連続して変化しており、ディスクプレート(13)の回動により、モノレバー(61)の最大傾動量を変化させて、最高駆動信号を可変としたことを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項3】 請求項1記載のモノレバー操作装置において、前記ディスクプレートの当接面は、ピストン(62)の本数に対して整数倍で、かつ、各ピストン(62)の長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して異なる高さを有し、回動によりモノレバー(61)の最大傾動量を段階的に変更することを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項4】 請求項1あるいは請求項3記載のモノレバー操作装置において、前記ディスクプレートの当接面は、4つのピストン(62)に当接する十文字形状に形成され、かつ、各ピストン(62)の長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して異なる高さを有し、回動によりモノレバー(61)の最大傾動量を段階的に変更することを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項5】 ディスクプレートを非回転にて上下に移動させ、ディスクプレートとピストン(62)とのスキマを調整する調整手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4記載のいずれかのモノレバー操作装置。
【請求項6】 請求項5記載のモノレバー操作装置において、前記調整手段は、外径部(21b)がディスクプレートに挿入されるとともに、内径部(21a)がモノレバーに螺合し、ディスクプレートとピストン(62)とのスキマを調整するリテーナ(21)と、リテーナ(21)を回動するとともに、ディスクプレート(13)を押圧してリテーナ(21)に固定する継手(25)とからなることを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項7】 請求項5記載のモノレバー操作装置において、前記調整手段は、外径部(31b)がディスクプレートに、また、内径部(31a)がモノレバー(61)に螺合し、ディスクプレートとピストン(62)とのスキマを調整するリテーナ(31)と、リテーナ(31)を回動するとともに、ディスクプレートを押圧してリテーナ(31)に固定する継手(25)とからなることを特徴とするモノレバー操作装置。
【請求項8】 請求項5記載のモノレバー操作装置において、前記調整手段は、外径部(41b)がディスクプレートに挿入されるとともに、モノレバー(61)を傾動自在に支持する自在継手(41)と、ディスクプレートと自在継手との間に挿入され、ディスクプレートとピストン(62)とのスキマを調整するシム(43)と、前記自在継手(41)に螺合するとともに、ディスクプレート及びシム(43)を押圧して自在継手に固定する第1継手(49)とからなることを特徴とするモノレバー操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モノレバー操作装置に係り、特に、最大駆動信号が微調整でき、最大駆動信号を精度よく出力できるモノレバー操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】単一の操作レバー(以下、モノレバーという)の傾動操作により、操作信号を発生してこの操作信号に基づいて2つの油圧アクチュエータを駆動制御する操作レバー装置に関する発明は既に公知となっている。例えば、特開平9−89515号公報には、モノレバーが傾動操作されることによって、4つのピストン毎にその変位を電気信号として出力する電気式の操作レバー装置が開示されている。この電気操作レバー装置から出力される電気信号に基づいて2つの油圧アクチュエータを駆動制御することができる。
【0003】また、実公平7−49167号公報には、図13に示すように油圧信号を出力する油圧式操作レバー装置60が開示されている。同公報によれば、油圧式操作レバー装置60は、モノレバー61の前後左右方向の傾動により押圧される4つのピストン62を有する油圧本体部63が設けられており、押圧されたピストン62のそれぞれの変位量(ピストンストローク)に応じた油圧信号を出力し、その油圧信号に基づいて2つの油圧アクチュエータを駆動制御することができる。
【0004】油圧本体部63は、ピストン62である、4つのピストン62a、62b、62c、62d(図2に示す)がモノレバー61に取着されたディスクプレート64に当接するよう円周上に均等位置に配設されている。この4つのピストン62a、62b、62c、62dは、モノレバー61の傾動方向および傾動量に応じてディスクプレート64により押し込まれて変位する。この変位により、それぞれピストン62a、62b、62c、62dの変位量に対応した大きさの油圧信号を発生する油圧本体部63の油圧発生手段Hdが設けられている。この油圧発生手段Hdは、それぞれピストン62a、62b、62c、62dの変位量が最大のとき、即ち、モノレバー61の操作ストロークが100%のときに最大油圧信号が出力されている。このモノレバー61の最大操作ストロークは、後述するストッパー用突起部であるストッパー69aにより規制されている。なお、上記の油圧本体部63は駆動信号発生本体部であり、油圧発生手段Hdは駆動信号生成手段である。
【0005】モノレバー61は、自在継手65を介して油圧本体部63の弁本体63aに取付けられている。油圧本体部63は取付プレート66に取付プレート用ボルト67(図2及び図9に示す)によって取付けられている。モノレバー61は、継手68を介して自在継手65に接続されるとともに、自在継手65にはディスクプレート64が螺合にて取着されている。モノレバー61は、継手68および自在継手65により一体化されて油圧本体部63の弁本体63aに取付けられている。
【0006】取付プレート66には、リング状のストッパー用突起69が設けられるとともに、ストッパー用突起69にはディスクプレート64に当接してモノレバー61の最大傾動角度θ、即ちモノレバー61の最大操作ストロークを規制する高さLsの円弧状のストッパー69aが設けられている。取付プレート66とディスクプレート64との間には、ピストン62を覆うブーツ70が配設されている。このモノレバー61がストッパー69aに当接し、その操作ストロークが100%(最大傾動角度θ)のときに、ディスクプレート64が各ピストン62を押圧して、図14に示すように、油圧発生手段Hdは設定された点(イ)で示す所定の最大油圧信号Pmaxが出力するようにされている。この設定された最大油圧信号は、操作ストロークに対して所定の規格範囲が設けられており、ばね71の荷重とシム73の厚さによって規格範囲内に入るように調整されている。仮に、測定された油圧が点(ロ)のごとく低いときにはシム73を追加してばね71の荷重を増して出力油圧信号を増加し、反対に、油圧が点(ハ)のように高いときにはシム73を抜いてばね71の荷重を低減し出力油圧信号を低くし、規格範囲内に入るようにしている。
【0007】前記のごとく形成された操作レバー装置は、近年では、その操作性の向上及び小型化に伴って、小型から大型の油圧ショベル及びブルドーサ等多くの建設機械、あるいは、ラフテレンクレーン及びフォークリフト等の産業車両に用いられるようになってきた。このため、例えば、ブルドーザ、ドーサショベル、ホイールローダ、およびフォークリフト等では油圧駆動装置の前後進および速度の制御に用いられるようになってきている。このとき、図14に示すように、操作ストロークに対して設定された最大油圧信号(最高駆動信号)の出力圧力は、従来の点線で示す規格範囲Wsに対して実線で示す高精度の規格範囲Wo(従来の約1/2以下)に入るような操作レバー装置の提供が望まれている。このために現状では非常に精度の高いばね及び、他の関連する部品を使用することにより要望に対処している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記構成において、実公平7−49167号公報では、測定された最高油圧信号が規格範囲に入っていないときにはシムの厚さを変更して対応しているが、このためには、継手、自在継手、取付プレート、取付プレート用ボルト、ピストン等を取り外して分解し、シムを挿入あるいは取外して規格範囲に入るようにした後、再度、組立、出荷検査をおこなっている。出荷検査で規格範囲外の時には、同様に再度、分解、組立、出荷検査をおこなっている。これに伴って、従来の操作レバー装置では、高精度の規格範囲Wo内に入れるためには多大な組立、出荷工数がかかるという問題が生じてきている。ただし、高精度の規格範囲が要求される部所は特定の作業方向に限定される場合も多く、4つの出力ポートのうち、1つのポートのみを高精度規格に管理したい場合も多い。
【0009】また、モノレバー装置は、外観形状を大きくすること無く、図15に示すように従来の点線(ニ)で示すモノレバー傾動角度θとファインコントロール域Saよりも実線(ホ)に示すモノレバー傾動角度θmとファインコントロール域Sbが大きく出来るとともに、ファインコントロール性能が向上し、かつ、最大操作ストローク時にアクチュエータを駆動する高精度の最高駆動信号が出力される調整工数の少ない安価なモノレバー装置の提供が望まれている。
【0010】本発明は上記の問題点に着目してなされたもので、モノレバー操作装置に係り、特に、ピストンストロークが外部より微調整できることにより最高駆動信号を精度よく出力でき、かつ、分解および再組立工数が不要となり出力信号の調整工数を低減できるモノレバー操作装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記目的を達成するために、本発明に係るモノレバー操作装置の第1発明は、少なくとも前後方向および左右方向に合わせた2次元の任意方向に傾動自在なモノレバーと、モノレバーに取着され、モノレバーの傾動に伴ってピストンを押圧するディスクプレートと、ピストンの押圧された変位量により前後方向成分および左右方向成分にそれぞれの二つの駆動信号を出力する駆動信号発生本体部に収納された駆動信号生成手段と、駆動信号発生本体部を取着するとともに、モノレバーの傾動を受止めるためにディスクプレートの当接面が当接するストッパーを備えたモノレバー操作装置であって、回動することにより、ストッパーと当接するときのモノレバーの最大傾動量を変更し、駆動信号生成手段より出力する最高駆動信号を可変とする当接面を有するディスクプレートからなる構成としている。この場合において、前記ディスクプレートの当接面は、各ピストンの長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して、当接面の高さが連続して変化しており、ディスクプレートの回動により、モノレバーの最大傾動量を変化させて、最高駆動信号を可変としている。また、前記ディスクプレートの当接面は、ピストンの本数に対して整数倍で、かつ、各ピストンの長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して異なる高さを有し、回動によりモノレバーの最大傾動量を段階的に変更するようにすると良い。また、前記ディスクプレートの当接面は、4つのピストンに当接する十文字形状に形成され、かつ、各ピストンの長手方向の軸線Psに直交する平面Vsに対して異なる高さを有し、回動によりモノレバーの最大傾動量を段階的に変更するようにすると良い。また、ディスクプレートを非回転にて上下に移動させ、ディスクプレートとピストンとのスキマを調整する調整手段を有するようにすると良い。また、前記調整手段は、外径部がディスクプレートに挿入されるとともに、内径部がモノレバーに螺合し、ディスクプレートとピストンとのスキマを調整するリテーナと、リテーナを回動するとともに、ディスクプレートを押圧してリテーナに固定する継手とからなるようにすると良い。又は、前記調整手段は、外径部がディスクプレートに、また、内径部がモノレバーに螺合し、ディスクプレートとピストンとのスキマを調整するリテーナと、リテーナを回動するとともに、ディスクプレートを押圧してリテーナに固定する継手とからなるようにしても良い。又は、前記調整手段は、外径部がディスクプレートに挿入されるとともに、モノレバーを傾動自在に支持する自在継手と、ディスクプレートと自在継手との間に挿入され、ディスクプレートとピストンとのスキマを調整するシムと、前記自在継手に螺合するとともに、ディスクプレート及びシムを押圧して自在継手に固定するナットとからなるようにしても良い。
【0012】上記構成によれば、モノレバー操作装置は、モノレバーの操作時に傾動してストッパーに当接するディスクプレートの平面を傾斜面あるいは異なる高さを付けて、ピストンに対してディスクプレートを回動させることによりピストンを押圧する位置を変更し、ピストンの変位量を可変とすることが出来る。このディスクプレートの回動が外部より行なわれることにより、ピストンの最大ストローク量を外部から変更させることができ、最高駆動信号を容易に可変にして出力することができる。このように駆動信号生成手段からの最高駆動信号が外部より変更することが出来るため、分解、再組立の必要がなくなり、出力する最高駆動信号の調整工数の低減を図ることができる。
【0013】また、ストッパーに当接するディスクプレートの平面が傾斜面とされることにより連続的に最大ピストンストローク量を可変とすることが出来るので駆動信号の出力の微調整が可能になり、非常に高い精度の制御された最高駆動信号が得られる。また、ディスクプレートは、十文字形状にすることにより、操作ストロークを大きく出来るとともに、ファインコントロール域が広く出来、かつ、その十文字形状のピストン押圧面に異なる高さを設けることで、前記と同様に、ピストンの変位量を可変とすることが出来て高精度に制御された最高駆動信号が得られる。これにより、分解、再組立の必要がなくなり、出力する最高駆動信号の調整工数の低減を図ることができる。
【0014】また、調整手段により、傾動時にストッパーに当接するディスクプレート部分を非回転にて上下に移動させて、ディスクプレートとピストンとのスキマを調整できるようにしているため、レバー中立時のガタ量は従来どおり調整可能である。即ち、ディスクプレートとピストンとの中立時のスキマ調整は、従来ではディスクプレート全体を回転することにより行っているが、本案の調整手段ではリテーナを回転することによりピストンに当接するディスクプレート部分を非回転としてディスクプレートとピストンとのスキマの調整が行える。このため、組立時、調整には小型のリテーナを回転すれば良く、従来に比べて調整が容易になっている。又は、本案の調整手段では、シムが自在継手とディスクプレートとの間に挿入されるため、ディスクプレートのみを着脱することによりシム厚さが調整できるので中立時のスキマ調整を容易に行える。
【0015】前記ディスクプレートが4個のピストンを押圧する十文字に形成されており、ディスクプレートの干渉部が除去されているため、ストッパー用突起部の高さを低くしてもディスクプレートの干渉がなくなり操作ストロークを大きくすることが出来る。即ち、平面視でディスクプレートは、従来の円形形状から取付プレート用ボルト部分を円弧形状に除去しているため、一番条件の悪い斜め方向に操作しても干渉することがなくなり、ディスクプレートの高さ位置及びピストンの長さを従来のままに保つことが出来る。したがって、大型化することなく、従来のモノレバー操作装置に対して互換性を有して用いることができる。
【0016】上記のごとく、ディスクプレートは、ストッパーに当接する当接面の高さを連続的に変化させあるいは異なる高さを付けたため、ディスクプレートを回動させることによりモノレバーの最大傾動時のピストンの変位量を外部より微調整にて可変とすることが出来、出荷検査時でも高い精度の制御された最高駆動信号が得られるとともに、調整工数の低減を図ることができる。また、ディスクプレートは、調整手段により非回転にて上下に移動できるため、ディスクプレートとピストンとの相対位置が一定している箇所で中立時のスキマ調整を行うことが可能となり、組立時の調整が容易になっている。
【0017】また、ディスクプレートは、十文字でピストン位置に合わせた箇所が突出し、他の箇所が削除されて形成されているためモノレバーの傾動角度を大きくしても、ディスクプレートは他の部品に干渉することがなくなり、操作ストロークを大きく出来て、ファインコントロール性を向上することができる。また、ディスクプレートは、ストッパーと当接する箇所が異なる高さの平面を設けて形成されており、外部よりディスクプレートを回動することにより、十文字のディスクプレートとストッパーとの当接位置が変更できるので、最高駆動信号の調整工数を低減することができるとともに、高精度に制御された最高駆動信号が得られる。このモノレバー操作装置は外観形状を大きくすること無く操作ストローク、ファインコントロール性、高精度の最高駆動信号が得られ、かつ、現状と互換性を持って製作することができ、出荷後の車両を容易に改良することが可能になっている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るモノレバー装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下では、従来技術の実施形態と同一部品には同一符号を付している。先ず、第1実施形態のモノレバー装置について、図1から図5を用いて説明する。図1は第1実施形態である油圧式モノレバー装置1の側面断面図、図2は図1の平面外観図、図3は第1実施形態の調整手段の平面図、図4は調整手段の側面断面図、図5は第1実施形態のディスクプレートの当接面側の平面図である。
【0019】図1、図2において、油圧式モノレバー装置1は、前後左右方向に傾動可能なモノレバー部3および、モノレバー部3の傾動によって、4つのピストン毎にその変位を駆動信号である油圧信号として出力する油圧本体部63とからなっている。モノレバー部3はモノレバー61が継手25により弁本体63aに取着された自在継手65に接続され、モノレバー61は自在継手65により前後方向および左右方向に傾動自在に支持されている。モノレバー部3は、図1に示すように油圧本体部63を取り付ける取付プレート66に設けられた自在継手用孔66aを貫通して油圧本体部63の弁本体63aに取付けられている。取付プレート66には、リング状のストッパー用突起69が設けられるとともに、ストッパー用突起69にはディスクプレート13に当接してモノレバー61の最大傾動角度θ、即ちモノレバー61の最大操作ストロークを規制する高さLsの円弧状のストッパー69aが設けられている。モノレバー部3は、モノレバー61に付設されたディスクプレート13が図2に示すように、ピストン62である、4つのピストン62a、62b、62c、62dの外方に配設されているストッパー用突起部であるストッパー69aに当接してモノレバー61の最大傾動角度θが規制されている。
【0020】このピストン62a、62b、62c、62dは、モノレバー部3のモノレバー61の傾動方向および傾動量に応じてディスクプレート13により押し込まれて変位し、この変位により油圧本体部63には、それぞれピストン62a、62b、62c、62dの変位量(ピストンストローク量)に対応した大きさの油圧信号を発生する油圧発生手段Hdが設けられている。即ち、油圧発生手段Hdは、モノレバー61の前後方向および左右方向の傾動方向および傾動量に応じてピストン62a、62b、62c、62dが押し込められた変位量に対応する大きさの油圧信号を発生している。この油圧信号は、モノレバー61が最大傾転角度θのとき、各ピストン62は最大に押圧されて油圧発生手段Hdから最大の変位量に対応する最高油圧信号が発生される。
【0021】この最高油圧信号は後述するディスクプレート13の形状によって微調整可能にされており、微調整時には調整手段11によりディスクプレート13が回動して高精度の最高油圧信号が最高駆動信号として出力されるように構成されている。モノレバー部3には、図1に示すようにモノレバー61の中立時に、ディスクプレート13が油圧本体部63に枢密に挿入された4つのピストン62a、62b、62c、62dの先端(上端)に対し所定のスキマを設けて取付けられている。この所定のスキマは中立時に調整を行っている。(以下では、簡略化して中立時のスキマ調整という)
このディスクプレート13は、図3、図4に示すようにモノレバー61の下端部に後述する調整手段11を介して取着されるとともに、図5に示すように円板形状で、ストッパー69aに当接する当接面15が後述するように円周方向で傾斜しており、出力する最高油圧信号が調整可能にされている。
【0022】ディスクプレート13は調整手段11を介して取着されることにより、調整手段11が上下方向に移動するとディスクプレート13が回転することなく非回転で上下に移動し、ディスクプレート13とピストン62との相対位置が一定している箇所で組立時に中立時のスキマ調整を行うことが可能となっている。そして、ディスクプレート13は、出荷検査時に最高油圧信号が規格範囲内に入っていない場合に、ディスクプレート13の上部の六角ナット部13bを回動することで、ストッパー69aとディスクプレート13とが当接することで定まる、最大ピストンストローク量を可変とすることができ、最高油圧信号を規格範囲内に入れることができるようにしている。上記の調整手段11を設けることにより、モノレバー部3はディスクプレート13が従来の円盤形状でも、又は後述する十文字形状でもピストン62との相対位置が一定している箇所で、中立時のスキマを容易に調整することができる。また、出荷検査後でも分解することなく外部より最高油圧信号が規格範囲内に入るように微調整を行なうことができる。
【0023】次に、出力する最高油圧信号を調整可能にしている第1実施形態のディスクプレート13について、図4、図5を用いて説明する。図4、図5において、第1実施形態では、円板形状のディスクプレート13は、ストッパー69aに当接する当接面15の高さが連続的に変化しており、各ピストン62の長手方向の軸線Psに直交する平面Vs(以下、直交平面Vsという)に対して最大傾転角度θのときにストッパー69aが当接する半径Raの円周上の面が傾斜して設けられている。例えば、図5に示すように、ストッパー69aが当接する半径Raの円周上において、ピストン62a、62cに相対する位置である前後方向線上(Y軸線上)の位置は直交平面Vsからの垂直方向の高さを基準高さ(±0mmである。)とすると、左右方向線上(X軸線上)の右側のピストン62bに相対する位置では直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さより−0.3mmと低く、かつ、左側のピストン62dに相対する位置では直交平面Vsからの垂直方向の高さ寸法Vd(図4に示す)が基準高さより+0.3mmと高く形成されている。
【0024】即ち、ストッパー69aに当接する当接面15は、前後方向のY軸線を中心として右側のピストン62bに相対する位置で低く、かつ、左側のピストン62dに相対する位置で高く形成されており、左右方向のX軸線に沿って円周上で傾斜面が設けられている。この傾斜した当接面15は、前後方向線上(Y軸線上)のピストン62a、62cに相対する位置から直交する右側のピストン62bに相対する位置に向けて順次低くなっていき、直交する位置にあるピストン62bに相対する位置でピストン62a、62cに相対する位置から−0.3mmと最低となり、また反対に、前後方向線上(Y軸線上)のピストン62a、62cに相対する位置から直交する左側のピストン62dに相対する位置に向けて順次高くなっていき、直交する位置にあるピストン62dに相対する位置でピストン62a、62cに相対する位置から+0.3mmで最高になるように形成されている。
【0025】この傾斜した当接面15は、ディスクプレート13を加工時に斜めに取り付けることにより、あるいは偏芯して取り付けることにより容易に加工できる。また、ディスクプレート13の外周面で目視できる箇所に出力する油圧信号が高くなる方向、あるいは、低くなる方向が判別できる記号を付設すると良い。この記号は、例えば、円周方向に矢印→と高くなる方ではHiを、低くなる方ではLo等の判別記号を付設すると容易に判別できる。上記より右側のピストン62bは−0.3mmだけ余分に押圧されたピストンストローク量が得られ、ばね71の荷重が増してその分だけ高い油圧信号が、また、左側のピストン62dは+0.3mmだけ少ない押圧されたピストンストローク量が得られ、ばね71の荷重が低減してその分だけ低い油圧信号が出力されるようになっている。
【0026】上記のように構成されているため、例えば、高精度が要求されている前後方向の前側ピストン62aが出荷検査時に規格範囲内に入っていない場合には、その規格範囲外の状況に応じてディスクプレート13を左右の円周方向のいずれかに回転させて規格範囲内に入るように外部より微調整を行なうことができる。仮に、前側ピストン62aの測定圧力値が規格範囲よりも低い場合にはディスクプレート13を右側のピストン62b側に、また、測定圧力値が高い場合にはディスクプレート13を左側のピストン62d側に向けて回転させることにより規格範囲内に入れることができる。このディスクプレート13は後述する調整手段11により外部から微調整時に回動することが可能となっているため、従来のように分解、再組立をする必要がなくなっており、高精度の最高油圧信号が出力される。
【0027】次に、第2実施形態の第1ディスクプレート13Aについて図6を用いて説明する。第1ディスクプレート13Aは後述する第1調整手段11A、第2調整手段11Bにも装着することが出来る。図6は第2実施形態の第1ディスクプレート13Aの当接面側の平面図である。図6に示すように、第2実施形態では、円板形状のディスクプレートである第1ディスクプレート13Aは、ストッパー69aに当接する当接面である第1当接面15Aが、例えば、円周上に12箇所設けられており、第1ディスクプレート13Aを回動することにより最高油圧信号が3段階で出力できるように調整可能にしている。図6において、前後方向線上(Y軸線上)のピストン62a、62cに相対する位置での第1当接面15Aの直交平面Vsからの垂直方向の高さ、及び左右方向線上(X軸線上)のピストン62b、62dに相対する位置での第1当接面15Aの直交平面Vsからの垂直方向の高さを基準高さとしている。(±0mmである。)その右側に位置するストッパー当接位置Riでは、当接面15Aの直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さから−0.3mmと低く、かつ、左側に位置するストッパー当接位置Reでは、直交平面Vsからの高さが基準高さに対して+0.3mmと高く形成されている。
【0028】即ち、ストッパー69aへの第1当接面15Aは、前後方向線上及び左右方向線上では同じ高さとし、それを中心として右側のストッパー当接位置Riで低く、かつ、左側のストッパー当接位置Reで高く形成されている。これにより、左右円周方向に回動することにより、右側のストッパー当接位置Riは−0.3mmだけ余分に押圧されたピストンストローク量が得られ、その分だけ高い油圧信号が、また、左側のストッパー当接位置Reは+0.3mmだけ少なく押圧されたピストンストローク量が得られ、その分だけ低い油圧信号が出力されるようになっている。第1当接面15Aは、前後方向線上と左側ストッパー当接位置Reとの間の点線で示す中間位置、および、前後方向線上と右側ストッパー当接位置Riとの点線で示す中間位置で直交平面Vsに対して高さを変更して段差を設けるようにしている。また、左右方向線上と左側ストッパー当接位置Re、および、前後方向線上と右側ストッパー当接位置Riも同様に構成している。また、隣り合う左側ストッパー当接位置Reと右側ストッパー当接位置Riとの点線で示す中間位置で直交平面Vsに対して高さを変更して段差を設けるようにしている。又は、第1実施形態のディスクプレート13と同様に、左右方向線上あるいは前後方向線上を挟んで左側ストッパー当接位置Reから右側ストッパー当接位置Riまでを連続した傾斜面としても良い。また、必要に応じて、右側のストッパー当接位置Riで低く、かつ、左側のストッパー当接位置Reで高く形成される部分を前記のように4ヶ所ではなく、1ヶ所設けても良いし、2ヶ所設けても良いし、3ヶ所設けても良い。
【0029】第1ディスクプレート13Aの外周面で目視できる箇所には、各ピストン62が当接する位置を示すとともに、出力する油圧信号が高くなるストッパー当接位置Ri、及び、出力する油圧信号が低くなるストッパー当接位置Reを判別できる記号(例えば、判別記号)を付設すると良い。上記のように構成されているため、例えば、前後方向の前側ピストン62aが出荷検査時に測定圧力値が規格範囲内に達していない場合には、第1ディスクプレート13Aを回動させて規格範囲内に入るように微調整可能となっている。仮に、前側ピストン62aの測定圧力値が低い場合には第1ディスクプレート13Aを右側のピストン62b側に、また、測定圧力値が高い場合には第1ディスクプレート13Aを左側のピストン62d側に向けて回動させることにより規格範囲内に入れることができる。この第1ディスクプレート13Aは後述する調整手段11により外部より回動することが可能となっているため、従来のように分解、再組立をする必要がなくなっており、高精度の最高油圧信号が出力される。
【0030】次に、第3実施形態の第2ディスクプレート13Bについて図7、図8を用いて説明する。第1ディスクプレート13Aは後述する第1調整手段11A、第2調整手段11Bにも装着することが出来る。図7、図8に示すように、第3実施形態では、ディスクプレートである第2ディスクプレート13Bは、ストッパー69aに当接する第2当接面15Bが、例えば、十文字形状に形成されている。図7において、前後方向線上(Y軸線上)のピストン62a、62cに相対する位置での当接面である第2当接面15Bの直交平面Vsからの垂直方向の高さを基準高さとしている。(±0mmである。)左右方向(X軸線方向)の右側のピストン62bに相対する位置での当接面である第2当接面15Bの直交平面Vsからの垂直方向の高さは基準高さに対して−0.3mmと低く、かつ、左側のピストン62dに相対する位置での当接面である第2当接面15Bの直交平面Vsからの垂直方向の高さは基準高さに対して+0.3mmと高く形成されている。これにより、右側のピストン62bは−0.3mmだけ余分に押圧されたピストンストローク量が得られ、その分だけ高い油圧信号が、また、左側のピストン62dは+0.3mmだけ少なく押圧されたピストンストローク量が得られ、その分だけ低い油圧信号が出力されるようになっている。
【0031】上記のように構成されているため、例えば、前後方向の前側ピストン62aが出荷検査時に測定圧力値が規格範囲内に入っていない場合には、その規格範囲外の状況に応じて、別の第2当接15Bが位置するように、十文字の第2ディスクプレート13Bを左右の円周方向のいずれかに回動させて規格範囲内に入るように微調整可能にされている。仮に、前側ピストン62aの測定圧力値が低い場合には第2ディスクプレート13Bを右側のピストン62b側に、また、測定圧力値が高い場合には第2ディスクプレート13Bを左側のピストン62d側に向けて回動させることにより規格範囲内に入れることができる。この第2ディスクプレート13Bは後述する調整手段11により外部から回動することが可能となっているため、従来のように分解、再組立をする必要がなくなっており、高精度の最高油圧信号が出力される。
【0032】なお、上記において、十文字形状の第2ディスクプレート13Bが用いられているため、次のような利点が得られる。図9は第3実施形態の第1油圧式モノレバー装置1Eの平面図である。図9において、第2ディスクプレート13Bは、十文字形状に形成されており、第2ディスクプレート13Bが当接する取付プレート66には、図13に示すごとく取付プレート66の上面に設けたストッパ用突起部69aの高さLsを低くした高さLtの第1ストッパー用突起部19が設けられている。高さLtが低くなったストッパ用突起部19は、図15の実線(ホ)で示すごとくモノレバー61の最大傾動角度θm(操作ストローク)が大きくなるように規制し、ファインコントロール域Sbを広くしている。
【0033】十文字形状の第2ディスクプレート13Bは、図7、図9に示すように、モノレバー61の前後方向(例えば、Y軸線方向)と左右方向(例えば、X軸線方向)の傾動方向および傾動量に応じて十文字形状の突出箇所Kaがそれぞれピストン62a、62b、62c、62dを押し込んでいる。突出箇所Kaは、ほぼ台形形状で円盤より突出している。ディスクプレート13は、突出箇所Kaの間にある図9に示す取付プレート用ボルト67等の他部品に干渉する箇所が除去されているため、図13に示すように、ストッパー用突起部19の高さLtを低くしてもディスクプレート13の干渉がなくなり、従来の高さLsの最大傾動角度θを更に大きい最大傾動角度θmにすることが出来る。
【0034】このために、図15の実線(ホ)に示すごとく操作ストローク(最大傾動角度θm)を大きくし、かつ、ファインコントロール域Sbを広くすることが出来るとともに、高精度の最高油圧信号が出力されることが要望される油圧式モノレバー装置1を提供することが出来る。このように、ストッパー用突起部19の高さLtが低くされてもディスクプレート13の干渉がなくなり操作ストロークを大きくすることが出来て、ファインコントロール域Sbを広くすることができ、ファインコントロール性能が向上する。油圧式モノレバー装置1は、ストッパー用突起部19の高さLtを低くすることによりディスクプレート13の高さ位置及びピストン62の長さを従来のままに保つことが出来るため、大型化することなく、従来のモノレバー操作装置60に対して互換性を有して用いることができる。
【0035】次に、第4実施形態の第3ディスクプレート13Cについて図10を用いて説明する。第3ディスクプレート13Cは後述する第1調整手段11A、第2調整手段11Bにも装着することが出来る。図10は第4実施形態の第3ディスクプレート13Cの当接面側の平面図である。図10に示すように、第4実施形態では、円板形状のディスクプレートである第3ディスクプレート13Cは、ストッパー69aに当接する当接面である第3当接面15Cには、円周上に1箇所、高さが連続して変化する部分である、ストローク調整部15CTが設けられており、第3ディスクプレート13Cを回動することにより最高油圧信号を調整する必要のあるピストンの最大ストロークを調整可能にしている。図10に示すように、ストッパー69aが当接する半径Raの円周上において、例えば、ストローク調整部15CTの中央部である、前後方向線上(Y軸線上)の前進側のピストン62cに相対する位置での第3当接面15Cの直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さから−0.3mmと低く形成され、中央部の両側の所定の範囲は中央から端部に向かって徐々に高さを高くして、ストローク調整部15CTの両端部は直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さとなるようにしている。(±0mmである。)つまり、図10の斜線部で示したストローク調整部15CTのY軸線上での直交平面Vsからの垂直方向の高さが最も低く、そこから時計周り方向のα範囲は連続して高さが変化し、直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さとなり、その反対側の反時計周り方向のβ範囲も同様に連続して高さが変化し、直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さとなっている。従って、第3当接面15Cの斜線部で示した所定の範囲であるストローク調整部15CT以外は直交平面Vsからの垂直方向の高さが基準高さとなっている。
【0036】これにより、第3ディスクプレート13Cを左右円周方向に回動することにより、直交平面Vsからの垂直方向の高さが−0.3mmの位置で最大のピストンストローク量が得られ、0mmの位置までの範囲はそれよりピストンストローク量を少なくできるので、調整を必要とするピストンの最大ストローク量を微調整できる。また、第3ディスクプレート13Cをこのようにすることで、円周上に1個所ストローク調整部15CTを設けるだけで良いので、第3ディスクプレート13Cの加工が簡単になる。
【0037】前記の各ディスクプレートは、前記のごとく以下に記述する各種の調整手段により回転可能に支持されており、組立時の中立時のスキマ調整には非回転により後述するリテーナ21とともに上下し、出荷時の微調整にはリテーナ21により回動して出力する油圧信号が微調整できるようにされている。また、取付プレート66に設けられたストッパー69aは取付プレート66とは別体として構成しても良い。
【0038】次に、油圧式モノレバー装置1の調整手段11について図3、図4を用いて説明する。図3、図4において、モノレバー部3には、前記のように調整手段11が設けられている。調整手段11は自在継手65にリテーナ21の内径部21aがねじ23により螺合している。リテーナ21の外径部21bは、ディスクプレート13の内径部13aに枢密で回転可能に挿入されている。リテーナ21の下部には中空円板形状の支持部21dが一体で設けられており、ディスクプレート13を保持している。
【0039】また、リテーナ21の上部には、小径の六角ナット部21eが設けられており、六角ナット部21eは継手25の下方に設けられた六角ナット穴25aに挿入される。リテーナ21は、六角ナット部21eを回転することにより、自在継手65に対してねじ23により上下方向に移動する。また、リテーナ21は、継手25の回転を六角ナット穴25a及び六角ナット部21eを介して受けて回転し、自在継手65に対してねじ23により上下方向に移動する。継手25は、円筒の下端部25bがディスクプレート13に当接するとともに、その上側に六角ナット穴25aが設けられており、六角ナット穴25aには六角ナット部21eが挿入されている。継手25は、六角ナット25dが回転されると、継手25の六角ナット穴25a及びリテーナ21の六角ナット部21eを介してリテーナ21を回転し、自在継手65のねじ23に対してリテーナ21を上下方向に移動している。
【0040】上記において、リテーナ21が回転しても、ディスクプレート13は内径部13aでリテーナ21に対して回転自在にされているので、ディスクプレート13は回転することなくリテーナ21の上下の移動に伴って一緒に上下に移動する。これにより、ディスクプレート13は回転せず非回転により上下に移動し、ディスクプレート13とピストン62との相対位置が一定している箇所で、ピストン62との間の中立時のスキマ調整を行うことが可能となっている。継手25は、中立時のスキマ調整が行われると、その下端部25bとリテーナ21の支持部21dとでディスクプレート13を所定の位置で固定している。継手25は、外周に六角ナット25dが設けられるとともに、外周面にブーツ70が挿入される環状凹部溝25eが設けられている。
【0041】組立時には、自在継手65が油圧本体部63の弁本体63aに取り付けられる。ディスクプレート13は、高精度の最高油圧信号が出力されるピストン62に相対する位置に合わせて、ディスクプレート13の当接面15の直交平面Vsからの高さが±0mmの所を例えば前後方向線上(Y軸線上)と一致するように配設される。例えば、前進方向の速度が高精度の最高油圧信号を出力されることが求められているときには、前進側のピストン62aに相対する位置に±0mmの所を合わせて配設される。
【0042】次に、リテーナ21が六角ナット部21eを回転されることにより自在継手65に対してねじ23により上下方向に移動し、4つのピストン62a、62b、62c、62dの先端に接触するようにディスクプレート13の所定位置が決められて設置される。このとき、継手25が自在継手65のねじ23に螺合されるとともに、その下端部25bがディスクプレート13に当接される。更に、ディスクプレート13は、継手25の六角ナット25dが回転されることにより、継手25の六角ナット穴25a及びリテーナ21の六角ナット部21eを介してリテーナ21を回転し、自在継手65のねじ23に対してリテーナ21を上下方向に移動し、中立時のスキマ調整の微調整が行われるとともに、リテーナ21と継手25により固定され、出荷検査前の組立てが終了する。
【0043】上記構成において、次に出荷検査について説明する。図1、図2では、モノレバー61が傾動せずに真ん中に位置し、油圧発生手段Hdから油圧が発生しない中立位置Mnにある状態が示されている。例えば、図1に示すようにモノレバー61は前後あるいは左右方向に傾動操作され、ストッパー69aに当接させて最大傾動角度θに傾動する。このとき、高精度の最高油圧信号が要求されている前進側のピストン62aで所定の規格範囲に入っているか、否かが判定される。所定の規格範囲内に入っている場合に、ディスクプレート13は継手25を増し締めすることにより、その下端部25bとリテーナ21の支持部21dとで固定する。自在継手65にモノレバー61を接続するとともに、ブーツ70が係止される継手25の環状凹部溝25eに挿入されて出荷検査後の組立てが終了し出荷される。
【0044】仮に、所定の規格範囲内に入っていない場合には、その出力信号の高低により、ディスクプレート13の上部の六角ナット部13bを回動することでディスクプレート13を所定の方向に回動する。例えば、規格範囲より低い場合に、ディスクプレート13は外周に付けられた判別記号Hiにしたがって、例えば、右側に回動されてピストン62aを不足分だけ余分に押圧する。これによりピストン62aは更に大きい最大ピストンストローク量が得られるので、規格範囲内に入るまで回動する。また、反対に規格範囲内より高い場合に、ディスクプレート13は外周に付けられた判別記号Loにしたがって、例えば、左側に回動して規格範囲内に入れる。規格範囲内に入ったら、前記と同様に、継手25を回転しディスクプレート13を固定するとともに、ブーツ70を装着して出荷される。これにより、油圧式モノレバー装置1は、外部よりディスクプレート13を回動することにより、分解、再組立を必要せずに、必要な箇所が高精度の最高駆動信号が容易に得られる。
【0045】次に、第1調整手段11Aについて、図11を用いて説明する。図11は第1油圧式モノレバー装置1Aの第1調整手段11Aを示す側面断面図である。なお、以下では、従来例および第1実施形態と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
【0046】前記調整手段11では、リテーナ21の外径部21bがディスクプレート13に挿入され、内径部21aが自在継手65に螺合し、リテーナ21の回転によりディスクプレート13が非回転で上下してピストン62との中立時のスキマ調整をおこなっている。これに対して、第1調整手段11Aでは、第1リテーナ31の内径部31aが自在継手65に螺合するとともに、外径部31bが円板形状の第1ディスクプレート13Aに螺合しており、前記調整手段11と同様に第1リテーナ31の回転により第1ディスクプレート13Aが非回転で上下してピストン62との中立時のスキマ調整をおこなっている。
【0047】第1調整手段11Aは、例えば、自在継手65と第1リテーナ31の内径部31aのねじ33がピッチP1.5の右ねじにより螺合し、また、第1リテーナ31の外径部31bのねじ34がピッチP3.0の左ねじにより螺合している。第1調整手段11Aは、逆ねじを用いることにより、第1リテーナ31が回転されたとき、両ねじにより第1ディスクプレート13Aを非回転としながら上下してピストン62との中立時のスキマ調整をおこなっている。
【0048】例えば、第1リテーナ31の回転により、自在継手65に対して第1リテーナ31が右ねじ33のピッチP1.5で下降する場合に、第1ディスクプレート13Aは第1リテーナ31に対して左ねじ34のピッチP3.0により下降する。第1リテーナ31の回転により、第1ディスクプレート13Aは両ピッチの加算によって下降し、ピストン62との中立時のスキマ調整を小さくするように調整している。
【0049】反対に、第1リテーナ31が自在継手65に対して上昇する場合に、第1ディスクプレート13Aも上昇し、この結果として第1リテーナ31は前記と反対の回転により、ピストン62との中立時のスキマ調整を大きくするように調整している。このとき、前記調整手段11と同様に、第1リテーナ31の回転により、第1ディスクプレート13Aは非回転により上下する。第1リテーナ31の回転は、前記調整手段11と同様に、継手25の回転により、六角ナット穴25a及び六角ナット部21eを介して受けて回転している。これにより、第1ディスクプレート13Aを非回転により上下に移動し、第1ディスクプレート13Aとピストン62との相対位置が一定している箇所で、組立時に中立時のスキマ調整の微調整を行うことが可能となっている。
【0050】組立後には、前記調整手段11と同様に出荷検査が行なわれ、第1油圧式モノレバー装置1Aは、外部より第1ディスクプレート13Aを回動することにより、必要な箇所が高精度の最高駆動信号が容易に得られる。なお、上記実施形態では、右ねじと左ねじを用いて形成したが、これに囚われることなく、両方を右ねじあるいは左ねじのいずれを用いても良い。この場合には、ねじのピッチは異ならせておき、ピッチ差により第1ディスクプレート13Aを非回転により上下に移動し、第1ディスクプレート13Aとピストン62との相対位置が一定している箇所で中立時のスキマ調整を行うことが可能となっている。
【0051】次に、第2調整手段11Bについて、図12を用いて説明する。図12は第2油圧式モノレバー装置1Bの第2調整手段11Bを示す側面断面図である。なお、以下では、従来例および前記実施形態と同一部品には同一符号を付して説明は省略する。
【0052】前記調整手段11、および前記第1調整手段11Aでは、少なくともリテーナ21、31の内径部21a、31aが自在継手65に螺合し、リテーナ21、31の回転によりディスクプレート13、13Aが非回転で上下してピストン62との中立時のスキマ調整をおこなっている。これに対して、第2調整手段11Bでは、モノレバー部3の自在継手41の一方側(図示の上側)に鍔41aを有するインロー部41bが形成されており、その上側にモノレバー61に接続するねじ41cが切削されている。自在継手41のインロー部41bには、第2ディスクプレート13Bの内径部13eが回転可能に枢密に挿入されている。
【0053】自在継手41の鍔41aと第2ディスクプレート13Bの下面13fとの間にはシム43が挿入されており、シム43の厚さにより第2ディスクプレート13Bの高さを調整している。このシム43の厚さを調整することにより、第2ディスクプレート13Bは回転することなく非回転で上下に移動が可能となってピストン62との中立時のスキマ調整がおこなわれる。したがって、第2ディスクプレート13Bとピストン62との相対位置が一定している箇所で中立時のスキマ調整を行うことが可能となっている。 このとき、シム43の厚さの調整は第2ディスクプレート13Bを着脱するだけで行えるため調整作業が容易にできる。
【0054】シム43の厚さの調整が終了したら第1継手49が自在継手41のねじ41cに螺合されて第2ディスクプレート13B及びシム43を押圧して第1継手49と自在継手41の鍔41aとで固定する。組立後には、前記調整手段11と同様な出荷検査が行なわれ、第2油圧式モノレバー装置1Bは、外部より第2ディスクプレート13Bを回動することにより、必要な箇所が高精度の最高駆動信号である最高油圧信号が容易に得られる。この後に、自在継手41には、第1継手49を介してモノレバー61が接続されるとともに、ブーツ70が係止される第1継手49の環状凹部溝49aに挿入されて出荷検査が終了する。
【0055】上記実施形態では、油圧式モノレバー装置1で説明したが、特開平9−89515号公報のように単一の操作レバーが傾動操作されることによって、4つのピストン毎にその変位を電気信号として出力する電気式の操作レバー装置にも用いることができる。
【出願人】 【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
【住所又は居所】東京都港区赤坂二丁目3番6号
【出願日】 平成13年8月27日(2001.8.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−67069(P2003−67069A)
【公開日】 平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願番号】 特願2001−256979(P2001−256979)