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【発明の名称】 ペダルユニットのシール構造
【発明者】 【氏名】松井 則行
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1 日野自動車株式会社内

【要約】 【課題】シール部材の材料の歩留りをよくすることができると共に、シール溝に対するシール部材の貼り付け作業を容易且つ確実に行うことができ、シール性向上を図り得るペダルユニットのシール構造を提供する。

【解決手段】シール部材14を細長い紐状の弾性体で形成すると共に、シール溝12の周方向所要箇所に、シール部材14の一端部と他端部とがその幅方向にラップして隣接配置可能となるよう幅広としたラップ溝部1を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周縁部にシール溝が形成されたペダルブラケットにペダル類及びその関連部品を取り付けると共に、前記シール溝にシール部材を貼り付け、該ペダルブラケットをダッシュパネルの開口部に嵌め込むよう構成したペダルユニットのシール構造において、シール部材を細長い紐状の弾性体で形成すると共に、シール溝の周方向所要箇所に、シール部材の一端部と他端部とがその幅方向にラップして隣接配置可能となるよう幅広としたラップ溝部を形成したことを特徴とするペダルユニットのシール構造。
【請求項2】 シール部材を、裏面に粘着面が形成された断面矩形状のスポンジシールとした請求項1記載のペダルユニットのシール構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペダルユニットのシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の製造においては、組立ラインでの組立作業の容易化や作業工数の減少を図るために、複数の関連部品をユニット化して一つのアッセンブリとしてまとめることが行われており、例えば、ヨーロッパ等では、ペダルブラケットにブレーキペダルやクラッチペダル等のペダル類やその関連部品を取り付けてペダルユニットを構成し、該ペダルユニットをダッシュパネルに対し組み付けるようにすることが既に実施されている。
【0003】図4及び図5は従来のペダルユニットの一例を示すものであって、該ペダルユニット11は、外周縁部にシール溝12が形成されたペダルブラケット13にペダル類及びその関連部品を取り付けると共に、前記シール溝12にシール部材14を貼り付け、該ペダルブラケット13を、室外側Aに対し室内側Bを区画するダッシュパネル15の運転席側に開口された開口部16に嵌め込むようにしてなる構成を有している。ここに図示している例では、特に図4に示す如く、ペダル類としてのブレーキペダル17と、該ブレーキペダル17の踏込みにより作動する関連部品としてのブレーキバルブ18と、ペダル類としてのクラッチペダル19と、該クラッチペダル19の踏込みにより作動する関連部品としてのクラッチマスタシリンダ20とが取り付けられている。
【0004】ここで、前記ペダルユニット11のペダルブラケット13は、正面形状が略矩形状(図4参照)を成し且つその外周縁部分を略平坦な締結用フランジ部として複数のボルト孔21が穿設され、該各ボルト孔21より内側に位置するよう前記シール溝12が凹設されており、又、前記ペダルブラケット13の上側部分には、三つの軸支部22,23,24が突設され、該各軸支部22,23,24に掛け渡される支軸25に対して回動自在に嵌装された左右のボス26,27に対し前記ブレーキペダル17及びクラッチペダル19の基端が夫々一体に取り付けられている。
【0005】更に、前記ペダルブラケット13における右側部分には、図5に示す如き側面形状が室外側Aから室内側Bに向け三角形状に張り出すバルブ収容部28が形成され、該バルブ収容部28に対し室外側Aから前記ブレーキバルブ18が取り付けられ、前記バルブ収容部28の上側の斜面に穿設された孔29から前記ブレーキバルブ18の上端部分と作動ロッド30とが室内側Bに突出され、該作動ロッド30の先端部が前記ボス26から突設されたレバー31の先端部に連結されており、又、前記ペダルブラケット13における左側部分には、前記バルブ収容部28より若干小さく側面形状が室外側Aから室内側Bに向け三角形状に張り出すシリンダ収容部32が形成され、該シリンダ収容部32に対し室外側Aから前記クラッチマスタシリンダ20が取り付けられ、前記シリンダ収容部32の上側の斜面に穿設された孔33から前記クラッチマスタシリンダ20の上端部分とプッシュロッド34とが室内側Bに突出され、該プッシュロッド34の先端部が前記クラッチペダル19の基端部に連結されている。
【0006】そして、このように構成されたペダルユニット11は、図4に示される如く、シール溝12にシール部材14を貼り付けた状態で、図5に示される如く、室外側Aに対し室内側Bを区画するダッシュパネル15の運転席側に開口された開口部16に対し室外側Aから嵌め込まれ、ボルト・ナット35を締め付けることにより、固定されるようになっている。
【0007】ところで、従来においては、前記シール部材14としては、図6に示される如く、裏面に粘着面が形成されたスポンジシール等の弾性体の板36を、シール溝12の形状に略合致させた型で打ち抜くことにより、無端の枠状に形成したものが用いられており、シール溝12に対するシール部材14の貼り付け時には、粘着面を覆う剥離紙(図示せず)を剥がした後、シール溝12に沿ってシール部材14を貼り付けるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如く、裏面に粘着面が形成されたスポンジシール等の弾性体の板36を型で打ち抜いて無端の枠状に形成したものをシール部材14として用いるのでは、打ち抜かれた以外の弾性体の板36の大部分がほとんど無駄になり、歩留りが悪いという欠点を有していた。
【0009】又、無端の枠状に形成したシール部材14では、シール溝12に対する貼り付け作業もやりにくく、万一、貼り付けがうまく行かなかった場合には、シール性が確保できなくなる虞があるため、作業をやり直したりしなければならなかった。
【0010】本発明は、斯かる実情に鑑み、シール部材の材料の歩留りをよくすることができると共に、シール溝に対するシール部材の貼り付け作業を容易且つ確実に行うことができ、シール性向上を図り得るペダルユニットのシール構造を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、外周縁部にシール溝が形成されたペダルブラケットにペダル類及びその関連部品を取り付けると共に、前記シール溝にシール部材を貼り付け、該ペダルブラケットをダッシュパネルの開口部に嵌め込むよう構成したペダルユニットのシール構造において、シール部材を細長い紐状の弾性体で形成すると共に、シール溝の周方向所要箇所に、シール部材の一端部と他端部とがその幅方向にラップして隣接配置可能となるよう幅広としたラップ溝部を形成したことを特徴とするペダルユニットのシール構造にかかるものである。
【0012】上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0013】シール部材を細長い紐状の弾性体で形成すると、従来のように弾性体の板を型で打ち抜いて無端の枠状に形成するのに比べ、材料の歩留りがよくなると共に、型も不要となり、設備費並びに材料費の削減にもつながる一方、シール部材をその一端側からシール溝に沿って順次貼り付けていくことが可能となるため、シール溝に対するシール部材の貼り付け作業もやりやすく、しかも、シール部材の一端部と他端部とをラップ溝部でラップさせて隣接配置させることが可能となり、シール部材の長さにおける多少の誤差は許容されるため、シール部材の長さをシール溝の長さより多少長めにしておけば、シール部材が短すぎてその一端と他端とが当接しなくなるようなことは避けられ、又、逆に、シール部材が長すぎてその他端部を切断したりする必要もなく、シール性が阻害される心配もない。
【0014】前記ペダルユニットのシール構造においては、シール部材を、裏面に粘着面が形成された断面矩形状のスポンジシールとすることができ、このようにすると、前記ペダルユニットは整備等のためにダッシュパネルから取り外され、整備等が完了した後、再びダッシュパネルに取り付けられることがあるが、こうした脱着の繰り返しにも対応可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0016】図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4〜図6と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4〜図6に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1〜図3に示す如く、シール部材14を細長い紐状の弾性体で形成すると共に、シール溝12の周方向所要箇所に、シール部材14の一端部と他端部とがその幅方向にラップして隣接配置可能となるよう幅広としたラップ溝部1を形成した点にある。
【0017】本図示例の場合、前記シール部材14は、図3に示す如く、裏面に粘着面が形成された断面矩形状のスポンジシールとしてある。
【0018】次に、上記図示例の作動を説明する。
【0019】シール部材14を細長い紐状の弾性体で形成すると、従来のように弾性体の板36(図6参照)を型で打ち抜いて無端の枠状に形成するのに比べ、材料の歩留りがよくなると共に、型も不要となり、設備費並びに材料費の削減にもつながる一方、シール部材14をその一端側からシール溝12に沿って順次貼り付けていくことが可能となるため、シール溝12に対するシール部材14の貼り付け作業もやりやすく、しかも、シール部材14の一端部と他端部とをラップ溝部1でラップさせて隣接配置させることが可能となり、シール部材14の長さにおける多少の誤差は許容されるため、シール部材14の長さをシール溝12の長さより多少長めにしておけば、シール部材14が短すぎてその一端と他端とが当接しなくなるようなことは避けられ、又、逆に、シール部材14が長すぎてその他端部を切断したりする必要もなく、シール性が阻害される心配もない。
【0020】又、前記ペダルユニット11は整備等のためにダッシュパネル15から取り外され、整備等が完了した後、再びダッシュパネル15に取り付けられることがあるが、本図示例においては、シール部材14を、裏面に粘着面が形成された断面矩形状のスポンジシールとしてあるため、こうした脱着の繰り返しにも対応可能となる。
【0021】こうして、シール部材14の材料の歩留りをよくすることができると共に、シール溝12に対するシール部材14の貼り付け作業を容易且つ確実に行うことができ、シール性向上を図り得、更に、ペダルユニット11のダッシュパネル15に対する脱着の繰り返しにも対応し得る。
【0022】尚、本発明のペダルユニットのシール構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0023】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の請求項1記載のペダルユニットのシール構造によれば、シール部材の材料の歩留りをよくすることができると共に、シール溝に対するシール部材の貼り付け作業を容易且つ確実に行うことができ、シール性向上を図り得るという優れた効果を奏し得、又、本発明の請求項2記載のペダルユニットのシール構造によれば、上記効果に加え更に、ペダルユニットのダッシュパネルに対する脱着の繰り返しにも対応し得るという優れた効果を奏し得る。
【出願人】 【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
【住所又は居所】東京都日野市日野台3丁目1番地1
【出願日】 平成13年8月23日(2001.8.23)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光 (外1名)
【公開番号】 特開2003−67068(P2003−67068A)
【公開日】 平成15年3月7日(2003.3.7)
【出願番号】 特願2001−253340(P2001−253340)