| 【発明の名称】 |
車両用電子機器 |
| 【発明者】 |
【氏名】木村 幹裕 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
【氏名】柳沢 章裕 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内
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| 【要約】 |
【課題】複数のマイコンのリセットを適正に制御し、所望の制御性能を実現すること。
【解決手段】電子機器10は、最低作動電圧の異なる2つのマイコン(第1マイコン11及び第2マイコン12)を有する。電源IC14には2つの定電圧回路15,16が設けられており、各々動作電圧V1,V2を生成する。定電圧回路16には2つのリセット発生回路17,18が接続されており、これらリセット発生回路17,18は動作電圧V2を監視してV2低下時に各マイコン11,12に対してリセット信号を出力する。リセット発生回路17,18には、各マイコン11,12の最低作動電圧に応じたリセット電圧が各々設定されている。また、第1マイコン11は、リセット発生回路18から第2マイコン12へのリセット信号をモニタし、リセット発生時にはそのリセット情報に応じた別処理に移行する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】最低作動電圧の異なる複数のマイクロコンピュータと、電源電圧を監視し該電源電圧が所定のリセット電圧まで低下した時にマイクロコンピュータに対してリセット信号を出力する低電圧リセット回路とを備える車両用電子機器において、前記低電圧リセット回路は、最低作動電圧が異なるマイクロコンピュータ毎に複数のリセット電圧を持つと共に該マイクロコンピュータ毎にリセット信号を出力することを特徴とする車両用電子機器。 【請求項2】前記複数のマイクロコンピュータのうち最低作動電圧の低いマイクロコンピュータが最低作動電圧の高いマイクロコンピュータへのリセット信号をモニタし、最低作動電圧の高いマイクロコンピュータがリセット状態となる時、アクティブ状態の他のマイクロコンピュータが別処理に移行する請求項1記載の車両用電子機器。 【請求項3】最低作動電圧の高いマイクロコンピュータがリセット状態となる時、リセット状態のマイクロコンピュータ側の動作を補うべくアクティブ状態の他のマイクロコンピュータがリセット保証の制御を実施する請求項2記載の車両用電子機器。 【請求項4】前記複数のマイクロコンピュータ間で通信を行い、マイクロコンピュータ間の通信データから通信異常判定を実施する車両用電子機器において、最低作動電圧の高いマイクロコンピュータがリセット状態となる時、アクティブ状態の他のマイクロコンピュータは該当するマイクロコンピュータ間の通信異常判定を禁止する請求項2又は3記載の車両用電子機器。 【請求項5】最低作動電圧の高いマイクロコンピュータの制御出力に対する動作を、最低作動電圧の低いマイクロコンピュータが監視する車両用電子機器において、最低作動電圧の高いマイクロコンピュータがリセット状態となる時、アクティブ状態の他のマイクロコンピュータは被監視側のマイクロコンピュータに対する監視処理を禁止する請求項2乃至4の何れかに記載の車両用電子機器。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、複数のマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)を有する車両用電子機器に係り、特にそのリセット制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年では、バッテリ消費の低減等を図るべくマイコンの動作電圧を低下させることが検討されており、一つの車両用電子機器(ECU)で動作電圧の異なるマイコンが混在することが考えられる。この場合、動作電圧の異なるマイコンでは自ずと最低作動電圧が相違し、一つの電子機器で最低作動電圧の異なる複数のマイコンが使用されることとなる。こうした車両用電子機器のリセット制御方法として、電源電圧の低下時に最低作動電圧が最も高いマイコンのしきい値で全てのマイコンにリセットをかける方法がある。 【0003】例えば、図4に示す構成では、電子機器30はマイコン31,32とリセット発生回路33とを有し、一例としてマイコン31の動作電圧が3.3V、マイコン32の動作電圧が5Vである。この場合、マイコン31の最低作動電圧はマイコン32の最低作動電圧よりも低い電圧となる。リセット発生回路33は、電源電圧(詳細には、図示しない定電圧回路の5V出力)をモニタしその電源電圧が所定のリセット電圧まで低下した時にリセット信号をマイコン31,32に対して出力する。この場合、リセット電圧は、最低作動電圧が高い方のマイコン32を基準に設定されており、電圧低下時には全てのマイコン31,32が同時にリセットされるようになっている。 【0004】上記構成によれば、電源電圧が低下した時に最低作動電圧の高い方のマイコン32が異常になり、それに起因して電子機器30が誤作動するという不具合が防止される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来技術では、電子機器30のリセット電圧がマイコン32の最低作動電圧に依存し、リセット発生の電圧レベルが高くなる。そのため、例えばエンジン始動時に電源電圧が一時的に低下する場合、各マイコン31,32にリセットがかかりやすくなる。この場合、最低作動電圧が低い方のマイコン31も同時にリセットされるため、電子機器30としての性能が損なわれるという問題が生じる。 【0006】本発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、複数のマイコンのリセットを適正に制御し、所望の制御性能を実現することができる車両用電子機器を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用電子機器では、最低作動電圧の異なる複数のマイコンを有する。そして、低電圧リセット回路は、電源電圧を監視し該電源電圧が所定のリセット電圧まで低下した時にマイコンに対してリセット信号を出力する。また特に、低電圧リセット回路は、最低作動電圧の異なるマイコン毎に複数のリセット電圧を持つと共に該マイコン毎にリセット信号を出力する。 【0008】本構成によれば、例えばエンジン始動時に電源電圧が一時的に低下する場合、全てのマイコンが同時にリセットされるのではなく、マイコン毎に設定されたリセット電圧に応じて個別にマイコンがリセットされる。この場合、最低作動電圧の高いマイコンに依存することなく、個々のマイコンの性能が実現できる。その結果、複数のマイコンのリセットを適正に制御し、所望の制御性能を実現することができる。 【0009】また、請求項2に記載の発明では、複数のマイコンのうち最低作動電圧の低いマイコンが最低作動電圧の高いマイコンへのリセット信号をモニタし、最低作動電圧の高いマイコンがリセット状態となる時、アクティブ状態の他のマイコンが別処理に移行する。この場合、何れかのマイコンが先にリセットされたことを他のマイコンが検知でき、そのリセット情報に応じた別処理に移行できる。故に、アクティブ状態のマイコンとリセット状態のマイコンとが混在する場合にも電子機器が適正に動作する。 【0010】最低作動電圧の高いマイコンがリセット状態となる時、以下の請求項3〜5の処理が実施されると良い。すなわち、・請求項3に記載の発明では、リセット状態のマイコン側の動作を補うべくアクティブ状態の他のマイコンがリセット保証の制御を実施する。 ・請求項4に記載の発明では、アクティブ状態の他のマイコンは該当するマイコン間の通信異常判定を禁止する。 ・請求項5に記載の発明では、アクティブ状態の他のマイコンは被監視側のマイコンに対する監視処理を禁止する。 【0011】請求項3によれば、リセット状態のマイコン側の動作を保証しつつ、アクティブ状態のマイコンで制御を継続することができる。そのため、電子機器として低電圧域での動作が保証される。リセット保証の制御としては、例えばフェイルセーフ処理が実施される。 【0012】マイコン間で通信を行う場合に、一方がリセット状態になると通信が正しく実施できない。この場合、請求項4によれば、誤った通信異常判定が防止できる。また、マイコン同士で制御出力の動作を監視する場合、被監視側のマイコン(最低作動電圧の高いマイコン)がリセット状態になると、当該マイコンの制御出力が正常時とは異なる。この場合、請求項5によれば、制御出力異常の誤判定が防止できる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態における車両用電子機器の構成を示すブロック図である。 【0014】図1において、電子機器10は各種の制御対象を制御するものであり、最低作動電圧の異なる2つのマイコン(第1マイコン11及び第2マイコン12)を有する。第1マイコン11及び第2マイコン12は通信ライン13を介して相互に通信可能に接続されている。例えば、電子機器10は自動車用エンジンECUであり、第1マイコン11は燃料噴射制御や点火時期制御を実施するマイコン、第2マイコン12は電子スロットル制御を実施するマイコンである。この場合、例えば第1マイコン11の動作電圧は3.3V、第2マイコン12の動作電圧は5Vであり、そのことから第1マイコン11の最低作動電圧は第2マイコン12の最低作動電圧よりも低くなっている。 【0015】電源IC14には2つの定電圧回路15,16が設けられており、これら定電圧回路15,16には各々にバッテリ電圧が供給される。定電圧回路15は第1マイコン11を駆動するための動作電圧V1(=3.3V)を生成し、定電圧回路16は第2マイコン12を駆動するための動作電圧V2(=5V)を生成する。 【0016】また、動作電圧V2(=5V)を生成するための定電圧回路16には、「低電圧リセット回路」として2つのリセット発生回路17,18が接続されており、これらリセット発生回路17,18は動作電圧V2を監視してV2低下時に各マイコン11,12に対してリセット信号を出力する。この場合、リセット発生回路17は第1マイコン11のリセット端子にリセット信号を出力し、リセット発生回路18は第2マイコン12のリセット端子にリセット信号を出力する。因みに、リセット発生回路17,18による動作電圧V2の監視が、各マイコン11,12の電源電圧を監視することとなる。 【0017】ここで、リセット発生回路17には、第1マイコン11の最低作動電圧に応じたリセット電圧(しきい値電圧)Vth1が設定され、リセット発生回路18には、第2マイコン12の最低作動電圧に応じたリセット電圧(しきい値電圧)Vth2が設定されている。Vth2>Vth1であり、動作電圧V2の低下時には、第1マイコン11よりも先に第2マイコン12がリセットされるようになっている。なお、リセット電圧Vth1,Vth2は、各マイコン11,12の最低作動電圧よりも僅かに高い電圧に設定される。 【0018】また、第1マイコン11は、リセット発生回路18から第2マイコン12へのリセット信号をモニタする。なお電源IC14において、各リセット発生回路17,18に定電圧回路15,16の出力(V1,V2)を各自入力し、リセット発生回路17が動作電圧V1をモニタし、リセット発生回路18が動作電圧V2をモニタする構成であっても良い。 【0019】次に、各マイコン11,12におけるリセット制御の概要を説明する。図2は、第1マイコン11により実施されるリセット監視処理を示すフローチャートである。この処理は、所定の時間周期(例えば4msec周期)で第1マイコン11により実施される。 【0020】図2において、先ずステップ101では、第2マイコン12がリセット状態にあるか否かを判別する。第2マイコン12がリセット状態でなければステップ102に進み、通常通り燃料噴射制御及び点火制御を実施する旨指令し、その後本処理を終了する。 【0021】また、第2マイコン12がリセット状態であれば別の処理モードに移行する。すなわち、ステップ103では、第2マイコン12側の動作を補うべく所定のフェイルセーフ処理を実施する。具体的には、電子スロットル制御に関するフェイルセーフ処理として、車両の退避走行(リンプホーム)を実現すべく、一部の気筒の燃料噴射を休止させる減筒制御や点火時期を遅角させる点火遅角制御等を実施する。またその他に、第2マイコン12のリセット時にエンジン回転数の低下によりエンストが生じないよう、燃料噴射量や点火時期を補正する構成であっても良い。 【0022】その後、ステップ104では、第2マイコン12との通信異常判定を禁止する。すなわち、第1マイコン11は通信ライン13を介しての通信データ(第2マイコン11からの受信データ)に基づき通信異常判定を実施するが、第2マイコン12がリセット状態になるとそれが原因で通信が正しく実施できない。そこで、通信異常判定を禁止する。 【0023】また、ステップ105では、第2マイコン12に関連する制御出力異常判定を禁止する。すなわち、第1マイコン11では、第2マイコン12による電子スロットル制御の状態を監視しており、例えば第2マイコン12による制御出力と実際のスロットルアクチュエータの動作状態とが一致するかどうかにより制御出力異常判定を実施する。この場合、第2マイコン12がリセット状態になると、当該マイコン12の制御出力が正常時とは異なる。そこで、制御出力異常判定を禁止する。 【0024】図3は、動作電圧低下時におけるリセット制御の様子を示すタイムチャートである。図3において、動作電圧V2がリセット電圧Vth2まで低下すると(タイミングt1)、リセット発生回路18により第2マイコン12がリセットされる。このとき、第1マイコン11では、第2マイコン12がリセットされた旨確認される。 【0025】また、動作電圧V2がリセット電圧Vth1まで更に低下すると(タイミングt2)、リセット発生回路17により第1マイコン11がリセットされる。この場合、タイミングt1〜t2の期間では、第1マイコン11がアクティブ状態、第2マイコン12がリセット状態となり、前述したフェイルセーフ処理等が実施される(図2のステップ103〜105)。すなわち、第1マイコン11において第2マイコン12が停止していることを前提とした別処理が実施され、電子機器10としての制御動作が継続される。 【0026】例えば、エンジン始動時にバッテリ電圧の変動により動作電圧V2が一時的に低下する場合には、動作電圧V2がリセット電圧Vth2に達した時、第2マイコン12だけがリセットされる。また、バッテリ劣化等による動作電圧V2の低下時にも先ずはじめに第2マイコン12だけがリセットされる。かかる場合、全てのマイコンが同時にリセットされるのではないため、低電圧域での制御動作が改善される。 【0027】以上詳述した本実施の形態によれば、以下に示す効果が得られる。 (イ)マイコン11,12毎に設定されたリセット電圧により各マイコン11,12が個別にリセットされるので、最低作動電圧の高いマイコン(本実施の形態では第2マイコン12)に依存することなく、個々のマイコンの性能が実現できる。その結果、各マイコン11,12のリセットを適正に制御し、所望の制御性能を実現することができる。 【0028】(ロ)第2マイコン12がリセット状態となる時、それを第1マイコン11が検知して別処理に移行するので、アクティブ状態のマイコンとリセット状態のマイコンとが混在する場合にも電子機器10が適正に動作する。 【0029】(ハ)第2マイコン12がリセット状態となる時、リセット保証の制御(フェイルセーフ処理)を実施するので、電子機器10として低電圧域での動作が保証される。 【0030】(ニ)第2マイコン12がリセット状態となる時、第1及び第2マイコン11,12間の通信異常判定が禁止されるので、第1マイコン11による誤った通信異常判定が防止できる。 【0031】(ホ)第2マイコン12がリセット状態となる時、第2マイコン12に対する監視処理が禁止されるので、第1マイコン11による制御出力異常の誤判定が防止できる。 【0032】なお本発明は、上記以外に次の形態にて具体化できる。上記図1の構成では、2つのリセット発生回路17,18にて低電圧リセット回路を構成したが、これを変更しても良い。例えば、リセット発生回路を1つ設け、その回路で2つのリセット電圧(しきい値電圧)を持つ構成や、リセット電圧を2段に切り替える構成であっても良い。リセット電圧を切り替える場合、初めに第2マイコン12の最低作動電圧に対応するリセット電圧Vth2を設定しておき、そのリセット電圧Vth2で第2マイコン12がリセットされた後、第1マイコン11の最低作動電圧に対応するリセット電圧Vth1に切り替える。但し、第2マイコン12のリセット状態はリセット電圧切り替え後も保持すると良い。 【0033】上記実施の形態では、2つのマイコンを有する車両用電子機器に本発明を具体化したが、3つ以上のマイコンを有する電子機器にも適用できる。例えば、最低作動電圧が異なる3つのマイコンを備える場合、各マイコンに応じた3つのリセット電圧を設定し、マイコン毎にリセット信号を出力すると良い。またこの場合、最低作動電圧が最も低いマイコンが、他の2つのマイコンのリセット信号をモニタすると良い。或いは、最低作動電圧が最も高いマイコンのリセット信号を2番目に高いマイコンがモニタすると共に、最低作動電圧が2番目に高いマイコンのリセット信号を最低作動電圧が最も低いマイコンがモニタする構成としても良い。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004260 【氏名又は名称】株式会社デンソー 【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成13年12月27日(2001.12.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−195901(P2003−195901A) |
| 【公開日】 |
平成15年7月11日(2003.7.11) |
| 【出願番号】 |
特願2001−398202(P2001−398202) |
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