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【発明の名称】 製品の製造履歴情報記録装置及び部品の製造履歴情報記録装置
【発明者】 【氏名】大林 治彦
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会社デンソー内

【要約】 【課題】製品の製造履歴情報を簡単な方法で容易に取得可能にする。

【解決手段】本発明の製品の製造履歴情報記録装置は、製品1を製造する過程において、組立、調整、測定、検査等の工程で発生した製造履歴情報を2次元コード3に変換し、この変換した2次元コード3を印刷したもの4を製品1に添付するまたは貼り付けるように構成したものである。この構成の場合、製品1に添付または貼り付けられた2次元コード3を2次元コード読取装置で読み取るだけで、製品1の製造履歴情報を取得することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 製品を製造する過程において、組立、調整、測定、検査等の工程で発生した製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを印刷したものを前記製品に添付するまたは貼り付けるように構成したことを特徴とする製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項2】 製造者の名称等を記載する銘板に、前記2次元コードを印刷したものを貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項3】 前記製品に着脱可能な蓋が設けられている構成の場合、前記製品のうちの前記蓋で覆われた部位に、前記2次元コードを印刷したものを貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項4】 前記2次元コードを印刷したものを前記製品に添付するにあたっては、前記製品に添付された取扱説明書または保証書に、前記2次元コードを印刷または前記2次元コードを印刷したものを貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項5】 前記製品を構成する部品を製造する過程において発生した部品の製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを前記部品に記載するように構成すると共に、前記製品の製造履歴情報に、前記部品の製造履歴情報を加えるように構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項6】 前記製品の製造履歴情報には、前記製品を製造したときの気候情報が含まれていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項7】 前記製品の製造履歴情報には、暗号化された情報が含まれていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の製品の製造履歴情報記録装置。
【請求項8】 製品を構成する部品を製造する過程で発生した部品の製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを前記部品に記載するように構成したことを特徴とする部品の製造履歴情報記録装置。
【請求項9】 前記部品の製造履歴情報には、前記部品を製造したときの気候情報が含まれていることを特徴とする請求項8記載の部品の製造履歴情報記録装置。
【請求項10】 前記部品の製造履歴情報には、暗号化された情報が含まれていることを特徴とする請求項8または9記載の部品の製造履歴情報記録装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品や部品を製造する過程において発生した製造履歴情報を記録する製品の製造履歴情報記録装置及び部品の製造履歴情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば電気機器等の製品には、銘板が取り付けられており、この銘板には、製造会社の名称や製品の名称や品番(シリアルナンバー)等が印刷されている。一方、製品を製造する過程において発生した製造履歴情報、例えば製品を調整したときの調整データや、製品を検査したときに得られた検査データ等は、製造工場等に設置されたホストコンピュータに格納(記録)されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、ユーザーに販売された製品が故障したような場合、サービスマンがその故障した製品を修理することになる。ここで、故障した製品の製造履歴情報を知る必要が生じた場合には、製品の銘板に印刷されているシリアルナンバー(品番)をキーにして上記ホストコンピュータに問い合わせれば、故障した製品の製造履歴情報を取得することができる。
【0004】しかし、上記構成の場合、製造履歴情報を取得するためには、ホストコンピュータに接続された専用の端末を使用しなければならず、該端末が設置されている事業所等へ上記製造履歴情報の取得を依頼する必要があり、かなり面倒であった。また、ホストコンピュータに格納されている製造履歴情報は、製品のシリアルナンバーで管理されているだけであるから、製造履歴情報と製品との対応付けが確実且つ十分であるとは言えなかった。更に、ホストコンピュータに格納(記録)されている製造履歴情報が実際に問い合わせられて取得される機会は、かなり少なかったので、記録されている製造履歴情報の内容もあまり十分であるとはいえなかった。
【0005】そこで、本発明の目的は、製品の製造履歴情報を簡単な方法で容易に取得することができる製品の製造履歴情報記録装置及び部品の製造履歴情報記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれば、製品を製造する過程で発生した製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを印刷したものを製品に添付するまたは貼り付けるように構成したので、製品に添付または貼り付けられた2次元コードを2次元コード読取装置で読み取るだけで、製品の製造履歴情報を取得することができる。従って、製品の製造履歴情報の取得が簡単且つ容易となる。
【0007】上記構成の場合、前記2次元コードを印刷したものを製品に貼り付けるにあたっては、請求項2の発明のように、銘板に前記2次元コードを印刷したものを貼り付けたり、請求項3の発明のように、製品のうちの蓋で覆われた部位に2次元コードを印刷したものを貼り付けたりする構成が好ましい。
【0008】また、前記2次元コードを印刷したものを製品に添付するにあたっては、請求項4の発明のように、前記製品に添付された取扱説明書または保証書に、前記2次元コードを印刷または前記2次元コードを印刷したものを貼り付けることが好ましい構成である。
【0009】請求項5の発明においては、前記製品を構成する部品を製造する過程において発生した部品の製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを前記部品に記載するように構成すると共に、前記製品の製造履歴情報に、前記部品の製造履歴情報を加えるように構成した。この構成によれば、従来は取得することがかなり困難であった部品の製造履歴情報を、容易に取得することが可能となる。
【0010】請求項6の発明によれば、前記製品の製造履歴情報に、前記製品を製造したときの気候情報を含ませるように構成したので、製品を製造したときの気候情報が容易にわかるようになり、製品の故障原因の追及に役に立つ。
【0011】請求項7の発明によれば、前記製品の製造履歴情報に、暗号化された情報を含ませるように構成したので、一般のユーザーに対して秘密にしておきたい情報については暗号化することで対処可能となる。
【0012】請求項8の発明によれば、製品を構成する部品を製造する過程で発生した部品の製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを前記部品に記載するように構成したので、部品の製造履歴情報を簡単且つ容易に取得することができる。
【0013】請求項9の発明によれば、前記部品の製造履歴情報に、前記部品を製造したときの気候情報を含ませるように構成したので、部品を製造したときの気候情報が容易にわかるようになり、製品の故障原因の追及に役に立つ。
【0014】請求項10の発明によれば、前記部品の製造履歴情報に、暗号化された情報を含ませるように構成したので、一般のユーザーに対して秘密にしておきたい部品の製造履歴情報については暗号化することで対処可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を2次元コード読取装置の製造履歴情報記録装置に適用した第1の実施例について、図1及び図2を参照しながら説明する。まず、図1は、2次元コード読取装置(例えばQRコード読取装置)1の裏面側を示す図である。この2次元コード読取装置1の裏面には、蓋2が着脱可能に設けられており、この蓋2で覆われた部分1aの内部には、例えば電池(図示しない)が着脱可能に収容されている。
【0016】また、2次元コード読取装置1の表面側には、ディスプレイや各種の操作キーなどが配設されている。そして、2次元コード読取装置1の図1中の上端面部には、読み取り対象の2次元コードに対向させる読取口部(図示しない)が設けられている。
【0017】さて、2次元コード読取装置1のうちの蓋2で覆われた部分1a、即ち、上記電池を取り外した部分1aの底面部には、例えばQRコードからなる2次元コード3が印刷されたシール4が貼り付けられている。上記2次元コード3は、上記2次元コード読取装置(製品)1を製造する過程において、組立、調整、測定、検査等の工程で発生した製造履歴情報を2次元コードに変換したものである。
【0018】上記製造履歴情報には、図2に示すように、例えば、製造会社の名称、商品名、品番(シリアルナンバー)、消費電流、製造時の天候と気温、製品を構成する主要材料の名称などの情報が含まれている。このうちの、消費電流は、製品を調整(または測定)する工程で発生する情報であり、調整(測定)データと呼ばれる情報の1つである。尚、製品に取り付けられている銘板には、通常、消費電流の代わりに定格電流が記載されている。
【0019】また、製造時の天候と気温の情報は、上記2次元コード読取装置(製品)1を製造したときの気候情報の具体的例である。更に、製品を構成する主要材料の名称(この場合、PCやABS等)は、主要材料の情報の具体的例である。尚、製造履歴情報としては、上記した各具体例に限られるものではなく、他の情報を加えるように構成しても良い。
【0020】一方、本実施例においては、工場の製造ラインにおいて、上記2次元コード読取装置1を製造するときに、例えば、組立、調整、測定、検査等の工程で発生した製造履歴情報は、工場に設置されたデータベース(例えば製造ライン制御用のコンピュータ)に蓄積されて管理されるように構成されている。この場合、2次元コード読取装置1とその製造履歴情報とは、例えば品番をキーにして1対1で対応するように管理されている。
【0021】そして、工場の製造ラインの最終工程において、上記データベースにLAN等を介して接続されたパソコン等を用いて、上記データベースから2次元コード読取装置1に対応する製造履歴情報を読み出すと共に、この読み出した製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードをシール4に印刷するようにしている。更に、この印刷したシール4を上記2次元コード読取装置1の蓋2で覆われた部位1aに貼り付けるようにしている。尚、シール4への印刷及びシール4を貼り付ける作業は、2次元コード読取装置1の出荷時に行うように構成しても良い。
【0022】このような構成の本実施例によれば、2次元コード読取装置(製品)1を製造する過程で発生した製造履歴情報を2次元コードに変換し、この変換した2次元コードを印刷したシール4を上記2次元コード読取装置1に貼り付けるように構成したので、サービスマンやユーザー等は、上記シール4の2次元コード3を2次元コード読取装置で読み取ることによって、2次元コード読取装置1(製品)の製造履歴情報をオフラインで取得することができる。従って、2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報の取得が簡単且つ容易となる。
【0023】即ち、上記実施例によれば、不具合等で製品の返品があったようなときに、2次元コード読取装置を所持しておれば、誰でも自由に製品(2次元コード読取装置)1を製造する過程で発生した製造履歴情報を瞬時に取得することができる。このため、その製品1の現時点の性能(例えば消費電流等)と製造時の性能とを容易に比較することができる。従って、上記製品1の性能の劣化なども簡単にわかる。
【0024】また、上記実施例では、2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報に、2次元コード読取装置1を製造したときの気候情報を含ませるように構成したので、2次元コード読取装置1を製造したときの気候情報が容易にわかるようになり、2次元コード読取装置1の故障原因の追及に役に立つ。
【0025】尚、上記実施例においては、製造履歴情報の2次元コード3を印刷したシール4を2次元コード読取装置(製品)1に貼り付けるように構成したが、これに限られるものではなく、製造履歴情報の2次元コード3を2次元コード読取装置(製品)1に直接印刷するように構成しても良い。
【0026】図3及び図4は、本発明の第2の実施例を示す図である。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。この第2の実施例では、図3及び図4に示すように、製造者の名称等を記載する銘板(ネームプレート)5に、製造履歴情報の2次元コード3を印刷したシール4を貼り付けた。尚、銘板5には、2次元コード3の他に、商品名、製造会社の名称、品番等が記載されている。
【0027】上述した以外の第2の実施例の構成は、第1の実施例と同じ構成となっている。従って、第2の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0028】尚、上記第2の実施例では、銘板5に製造履歴情報の2次元コード3を印刷したシール4を貼り付ける構成としたが、これに代えて、銘板5に製造履歴情報の2次元コード3を直接印刷する構成としても良い。
【0029】図5は、本発明の第3の実施例を示す図である。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。この第3の実施例では、2次元コード読取装置(製品)1に添付された取扱説明書6に、製造履歴情報の2次元コード3を印刷したシール4を貼り付けるように構成した。この場合、シール4を貼り付ける場所は、取扱説明書6のどこでも良く、表紙でも良いし、中の頁でも良い。
【0030】尚、製造履歴情報の2次元コード3を印刷したシール4を貼り付ける代わりに、製造履歴情報の2次元コード3を取扱説明書6に直接印刷するように構成しても良い。
【0031】そして、上述した以外の第3の実施例の構成は、第1の実施例と同じ構成となっている。従って、第3の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。
【0032】また、上記第3の実施例では、取扱説明書6に製造履歴情報の2次元コード3を記載するように構成したが、これに代えて、2次元コード読取装置(製品)1に添付された保証書(図示しない)に製造履歴情報の2次元コード3を記載するように構成しても良い。この構成の場合も、上記第3の実施例とほぼ同様な作用効果を得ることができる。
【0033】図6は、本発明の第4の実施例を示す図である。尚、第1の実施例と同一部分には同一符号を付している。この第4の実施例では、2次元コード読取装置(製品)1を構成する部品(例えばプリント配線基板)7、8を製造する過程において発生した部品7、8の製造履歴情報を2次元コード9、10に変換し、この変換した2次元コード9、10を部品7、8に記載するように構成した。
【0034】この構成の場合、部品7、8の製造履歴情報の2次元コード9、10を部品7、8に記載するにあたっては、2次元コード9、10をシール11、12に印刷してから、このシール11、12を部品7、8に貼り付けるように構成しても良いし、また、2次元コード9、10を部品7、8に直接印刷しても良い。
【0035】そして、2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報に対して、上記部品7、8の各製造履歴情報を加えるように構成した。具体的には、部品7、8を組み付けて2次元コード読取装置(製品)1を組み立てるときに、部品7、8に記載されている2次元コード9、10を2次元コード読取装置(図示しない)によって読み取り、この読み取った部品7、8の製造履歴情報を、上記組み立て中の2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報に加える。この場合、各部品7、8の製造履歴情報を全て加えても良いし、一部分だけ抽出して加えるように構成しても良い。
【0036】続いて、部品7、8の製造履歴情報を加えた2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報を2次元コード3に変換し、この変換した2次元コード3をシール4に印刷し、このシール4を2次元コード読取装置(製品)1に貼り付けるように構成すれば良い。また、上記シール4を2次元コード読取装置(製品)1の銘板5や取扱説明書6や保証書等に貼り付けるように構成しても良い。
【0037】尚、上述した以外の第4の実施例の構成は、第1の実施例と同じ構成となっている。従って、第4の実施例においても、第1の実施例とほぼ同じ作用効果を得ることができる。特に、第4の実施例では、2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報(2次元コード3)に、部品7、8の製造履歴情報(2次元コード9、10)を加えるように構成したので、従来は取得することがかなり困難であった部品7、8の製造履歴情報を、容易に取得することが可能となる。
【0038】また、上記各実施例において、2次元コード読取装置(製品)1の製造履歴情報に、暗号化された情報を含ませるように構成しても良い。このように構成すると、一般のユーザーや通常のサービスマン等に対して秘密にしておきたい情報については、暗号化することにより、秘密にすることが可能となる。
【0039】尚、上記各実施例では、2次元コード読取装置1に適用したが、これに限られるものではなく、PDAや携帯電話機等の電気製品に適用しても良く、工場の製造ライン等で製造履歴情報が取得可能な製品であれば、どのような製品に適用しても良い。
【出願人】 【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
【住所又は居所】愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地
【出願日】 平成13年10月30日(2001.10.30)
【代理人】 【識別番号】100071135
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 強
【公開番号】 特開2003−140726(P2003−140726A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−332673(P2001−332673)