| 【発明の名称】 |
混流生産ラインの生産方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】福永 文昭 【住所又は居所】大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハツ工業株式会社内
【氏名】犬飼 富士夫 【住所又は居所】大阪府池田市ダイハツ町1番1号 ダイハツ工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】工数大の製品に不足が偏る事態をなくし、生産ラインの負荷の平準化を維持して円滑な生産を実現すること。
【解決手段】大量生産品たる第1の製品と、少量生産品たる第2の製品を、それぞれの要求出荷数量に対応させて定期的に出荷するため混流状態で連続生産する混流生産ラインの生産方法である。過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める第1及び第2の製品の最大数量を各々の最低在庫数量として保持し、通常は第1の製品のみを生産する。第2の製品が最低在庫数量から1ロット以上出荷された直後に当該出荷ロット数をロット単位で補充すべく第1の製品に割込みをかけて第2の製品を生産する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大量生産品たる第1の製品と、少量生産品たる第2の製品を、それぞれの要求出荷数量に対応させて定期的に出荷するため混流状態で連続生産する混流生産ラインの生産方法において、過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める前記第1及び第2の製品の最大数量を各々の最低在庫数量として保持し、通常は前記第1の製品のみを生産し、前記第2の製品が最低在庫数量から1ロット以上出荷された直後に当該出荷ロット数をロット単位で補充すべく前記第1の製品に割込みをかけて前記第2の製品を生産するようにしたことを特徴とする混流生産ラインの生産方法。 【請求項2】 前記第1の製品と第2の製品に複数種類の製品が含まれ、第1の製品が月間生産数量で上位から合計して90%以上を占める製品であり、残りが前記第2の製品であることを特徴とする請求項1記載の混流生産ラインの生産方法。 【請求項3】 メインラインと、メインラインに下流端が接続された複数のサブラインを使用して、大量生産品たる第1の製品と、少量生産品たる第2の製品を、それぞれの要求出荷数量に対応させて定期的に出荷するため混流状態で連続生産する混流生産ラインの生産方法において、過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める前記第1及び第2の製品の最大数量を各々の最低在庫数量として保持し、前記メインライン及びサブラインにおいて通常は前記第1の製品のみを生産し、前記第2の製品が最低在庫数量から1ロット以上出荷された直後に当該出荷ロット数をロット単位で補充すべく前記メインライン及びサブラインにおいて前記第1の製品に割込みをかけて前記第2の製品を生産するようにしたことを特徴とする混流生産ラインの生産方法。 【請求項4】 前記第1の製品と第2の製品に複数種類の製品が含まれ、第1の製品が月間生産数量で上位から合計して90%以上を占める製品であり、残りが前記第2の製品であることを特徴とする請求項1記載の混流生産ラインの生産方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、大量生産品たる第1の製品と少量生産品たる第2の製品を、混流生産ラインにより混流状態で連続生産する場合の生産方法に係り、特に第2の製品が最低在庫数量から1ロット以上不足した直後に第1の製品に割込みをかけて第2の製品をロット単位で後補充生産するようにした生産方法に関する。 【0002】 【従来の技術とその課題】多品種混流生産ラインは製品の売れ筋に柔軟に対応するための生産体制であるが、この多品種混流生産と在庫を最小にするための一般的手法である後補充生産とを如何に調和させるかが現在問題となっている。すなわち、出荷先(又は顧客)が要求する製品を必要時に必要数だけ生産し出荷することが後補充生産の考え方の基礎であるが、出荷先の要求数量がバラバラであるため工数大の製品に要求が偏ることがあり、その場合は生産の遅れが発生したりラインストップとなったりする。このため、所謂生産比逆数方式にて工数に逆比例する形で生産量を設定し、生産ラインの負荷をできるだけ均等にして生産したり、在庫の積み増しにより生産遅れの影響をできるだけ少なくするなどで対応しているのが現状である。 【0003】このような生産方法ではラインに流す製品の種類をある程度パターン化して繰返すことになるが、在庫から出荷される製品の種類と量は日ごと或いは時間ごとに常に変動するため、滞りない出荷を維持するためには在庫量をリアルタイムで適正管理することが重要である。従来の在庫量管理は、過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める製品の最大数量を最低在庫数量とし、この最低在庫数量に近付くと不足製品の仕掛をかけていた。 【0004】しかし、この場合でも工数大の製品に不足が偏ることがあるので、ラインに流す製品パターンをいろいろと工夫してはいるが、必ずしも良好な結果が得られていないのが実情である。 【0005】本発明の目的は、工数大の製品に不足が偏る事態をなくし、生産ラインの負荷の平準化を維持して円滑な生産を実現することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため本発明の生産方法は、大量生産品たる第1の製品と、少量生産品たる第2の製品を、それぞれの要求出荷数量に対応させて定期的に出荷するため混流状態で連続生産する混流生産ラインの生産方法において、過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める前記第1及び第2の製品の最大数量を各々の最低在庫数量として保持し、通常は前記第1の製品のみを生産し、前記第2の製品が最低在庫数量から1ロット以上出荷された直後に当該出荷ロット数をロット単位で補充すべく前記第1の製品に割込みをかけて前記第2の製品を生産するようにした。 【0007】本発明は、大量生産品と少量生産品の出荷頻度を比べた場合に少量生産品の出荷頻度が極端に低いという経験的事実に基づいている。すなわち、少量生産品はリードタイムに余裕があるから在庫量を少なくしても後補充生産で充分間に合うし、後補充のための割込みの間隔も極端に短くする必要がないから、工数大の製品を後補充生産する場合でも生産ラインの負荷変動が少なく、生産遅れやラインストップの心配がないのである。 【0008】本発明はロット単位で後補充生産するが、「ロット単位」としたのは生産ラインの負荷変動を必要最小限にするためである。1ロットの数量は部品の種類によって変わることがあり、例えば1個、2個、4個、6個、8個などである。 【0009】本発明でいう大量生産品(第1の製品)は、請求項2に記載のように、月間生産数量で上位から合計して90%以上を占める複数種類の製品の集合を想定している。そして残りが少量生産品(第2の製品)である。このような比率の場合が少なくとも車両用部品については本発明による最も効率的な生産を行える。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図に基づいて説明する。図1に示すように、本発明では少量生産品たる第2の製品D、Eの最低在庫数量がある限り、大量生産品たる第1の製品A、B、Cのみを月別生産計画に従って比率生産し、第2の製品D、Eのいずれかが最低在庫数量から1ロット以上不足した時に、当該不足製品を不足ロット数だけ第1の製品に割込ませて後補充生産する。ここで大量生産品とは、図2のヒストグラムで示すように、生産台数が上位であってその合計が月間生産台数の約95%に相当する車両用部品をいい、少量生産品とは生産台数が低位の残り約5%に相当する車両用部品のことをいう。「95%」、「5%」の値は絶対的なものではなく、製品の種類によって場合によっては「90%」、「10%」にもなり得る。 【0011】第1の製品A、B、Cと第2の製品D、Eの最低在庫数量は、両製品の過去の比較的長期間にわたる毎回の出荷数量中に占める第1及び第2の製品の最大数量X,Yを基準として、これら最大数量X,Yよりも多い、(1+a)X,(1+b)Yを各々の最低在庫数量とするのが望ましい。a,bは在庫の余裕度を表す余裕係数であって、いずれも0.05〜0.1程度の正数とされ、これにより統計上の最大値を不測に越える出荷要求に対応する。 【0012】図1は混流生産ラインの中央制御装置内で行われる作動をフロー図にしたものであって、ステップS1は、第2の製品D,Eが出荷されたか否かを判定する。出荷ヤードにはどの製品がどれだけ出荷されたかを検出するセンサが配設されており、このセンサからの信号に基づき第2の製品D,Eの出荷有無を判定する。第2の製品D,Eの出荷が無ければステップS3で第1の製品A,B,Cのみを月別生産計画に従って比率生産する(図3参照)。ステップS1で第2の製品D又はEの出荷があったと判定された場合、ステップS2で第2の製品D,Eの最低在庫数量がチェックされ、在庫数量が足りていると判定されればステップS3に進む。また、ステップS2で第2の製品D又はEの最低在庫数量が不足していると判定された場合、ステップS4で第2の製品D又はEの在庫不足数量が1ロット以上か否かが判定され、不足数量が1ロット以下であればステップS3に進み、1ロット以上であればステップS5に進む。ステップS5は、第2の製品D又はEを不足ロット数だけ第1の製品A,B,Cに割込ませて後補充生産する(図3の割込み生産時参照)。この際、第1の製品A,B,Cの仕掛が1サイクルの途中であっても、第2の製品D又はEを強制的に割込ませる。これによって第2の製品D又はEのリードタイムを最短にする。以上のステップS1〜S5のループが繰返されて第1の製品A,B,Cと第2の製品D,Eが生産される。 【0013】図3は混流生産ラインに流すエンジンや変速機などの部品A、B、C…の種類(型式)を示し、「通常生産時」は第2の製品の最低在庫数量が足りている時の生産パターンであり、「割込み生産時」は第2の製品(この場合はD)が最低在庫数量を1ロット(4個)だけ不足した時の生産パターンである。図2のヒストグラムで、部品A、B、Cの生産数量の比率が5:4:3であるとすると、通常生産時のこれら部品の仕掛パターンの1サイクルは、例えば、ABCABCAABCABとする(A:B:C=5:4:3)。このパターンは、効率的な生産のために、これら部品に使用する小部品の使用速度(部品の出現率)が極力一定となるように決める。 【0014】いま、部品A、B、Cの順で混流生産ラインに流したところで部品Dが出荷されて部品Dが1ロット(例えば4基)不足した情報が図外の混流生産ラインの中央制御装置に入ったとする。中央制御装置は部品Dを後補充生産してその在庫不足を解消すべく、直ちに部品A、B、Cの次に部品Dを連続4基分ラインに流す指示を出す。これにより、部品Dは在庫不足に陥ってから最短のリードタイムで在庫不足が解消され、来るべき次の出荷に備えることができる。現実問題として、毎日毎時の如く頻繁に出荷される第1の製品に比べて第2の製品の出荷頻度は非常に少なく、多くてもせいぜい日に1〜2度であり、出荷ゼロの日も珍しくない。このような状況では第2の製品を第1の製品と対等に混流生産ラインに流すのは生産効率上無駄であり、本発明のように後補充生産にて対応する方がよい。 【0015】第1の製品と第2の製品を仕切る月間生産数量については、本発明の場合は約95%と約5%にしたが、この仕切り値は製品のリードタイム、出荷頻度、最低在庫数量の余裕係数などを総合的に検討して弾力的に設定する必要がある。例えば第1の製品の仕切り値を95%→80%のように低い方にシフトすると、第2の製品の仕切り値が上昇して出荷頻度がある程度高い部品を後補充生産することになり、リードタイムとの関係で出荷ストップとなる可能性があるからである。 【0016】次に、本発明で使用する生産ラインの概略を図4を参照して説明する。同図で1はメイン(アッセンブリ)ライン、2〜4はサブ(アッセンブリ)ラインである。メインライン1では前述した図3のパターンで部品が流れる。一方、サブライン2〜4ではメインライン1を流れる部品に組付ける小部品を組立て、サブライン2〜4の下流端において完成した1つの小部品を組付けに備えて待機させておく。メインライン1で後補充生産の仕掛が開始されると同時に、サブライン2〜4でも当該後補充用部品用の小部品の仕掛に着手する。すなわち、メインライン1とサブライン2〜4の双方で後補充生産を同時に開始するのである。この場合、後補充生産の部品がメインライン1をロット単位である程度連続して流れることになるが、メインライン1のリードタイム(例えば45分)に比べてサブライン2〜4のリードタイムは格段に短く(例えば5分)、メインライン1で後補充部品が連続してもサブライン2〜4の生産が間に合わなくなるおそれはない。 【0017】以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば前記実施形態では車両用部品の生産方法を例示したが、本発明は車両用部品以外の大量生産品たる第1の製品と少量生産品たる第2の製品の混流生産ライン一般に対しても適用可能である。 【0018】 【発明の効果】本発明は前述の如く、少量生産品の出荷頻度が大量生産品に比べて極端に低いという経験的事実に着目して、通常は大量生産品(第1の製品)のみを生産し、少量生産品(第2の製品)が最低在庫数量から1ロット以上出荷された直後に当該出荷ロット数をロット単位で補充すべく第1の製品に割込みをかけて第2の製品を生産するようにしたから、■少量生産品のリードタイムを最短にして最少在庫量のもとでの後補充生産を容易にする。■出荷頻度に比べてリードタイムに余裕があるから数ロットを後補充生産する場合でも割込みを分散させることが可能であり、工数大の製品を後補充生産する場合の生産ラインの負荷変動を小さくして生産遅れやラインストップの可能性を解消することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002967 【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社 【住所又は居所】大阪府池田市ダイハツ町1番1号
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| 【出願日】 |
平成13年10月29日(2001.10.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064584 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 省吾 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−140720(P2003−140720A) |
| 【公開日】 |
平成15年5月16日(2003.5.16) |
| 【出願番号】 |
特願2001−331210(P2001−331210) |
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