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【発明の名称】 水処理プラント制御システム
【発明者】 【氏名】片 山 恭 介
【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内

【氏名】山 中 理
【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内

【氏名】長 岩 明 弘
【住所又は居所】東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝府中事業所内

【氏名】初 鹿 行 雄
【住所又は居所】大阪府大阪市北区大淀中1丁目1番30号 株式会社東芝関西支社内

【要約】 【課題】被処理水の水処理を行う水処理プラントの運転を適切かつ安定に制御して、信頼性の高い水処理プラントの運転を可能とする水処理プラント制御システムを提供する。

【解決手段】水処理プラント制御システム1は、水処理プラント2と、水処理プラント2の有する複数の水処理装置3を制御する下位レベル制御系4と、下位レベル制御系4の有する複数の下位レベル制御装置5を制御する上位レベル制御系6とを備えている。各下位レベル制御装置5は、1入力1出力のフィードバック制御方式によって水処理装置3を制御している。上位レベル制御系6は上位レベル制御装置8、10、11とを有し、上位レベル制御系6にはデータベース9および運転状態報知手段12が接続されている。水処理プラント2と上位レベル制御系6との間には計測装置7が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】少なくとも1つの水処理装置を有する水処理プラントと、水処理装置の運転を制御する下位レベル制御装置を有する下位レベル制御系と、下位レベル制御装置の制御量である下位レベル制御値を演算して各下位レベル制御装置を制御する上位レベル制御装置を有する上位レベル制御系と、水処理プラントで水処理された現在の被処理水の状態データを計測し、上位レベル制御系の上位レベル制御装置に計測した状態データを送る計測装置と、上位レベル制御装置とアクセス自在に設けられ、過去の被処理水の状態データおよび過去の下位レベル制御値を含む過去のプラント運転情報を保持するデータベースと、を備え、上位レベル制御系の上位レベル制御装置は、計測装置から送られてくる現在の被処理水の状態データと、上位レベル制御装置から下位レベル制御装置に送られる現在の下位レベル制御値と、データベースに保持されている過去のプラント運転情報と、を統計的に処理して、現在および過去の水処理プラントの運転状態を示す統計データを作成する統計データ作成機能と、統計データに基づいて現在の水処理プラントの運転状態を識別する運転状態識別機能と、統計データと運転状態識別機能により識別された現在の水処理プラントの運転状態とに基づいて、新たな下位レベル制御値を演算する制御量演算機能と、を有することを特徴とする水処理プラント制御システム。
【請求項2】上位レベル制御系の統計データ作成機能は、現在の被処理水の状態データと現在の下位レベル制御値とからなる現在の水処理プラントの運転状態、およびデータベースに保持されている水処理プラントの過去のプラント運転情報、を、計測データ空間で表したプラント運転データを作成するプラント運転データ作成機能と、プラント運転データに主成分分析を行って、計測データ空間よりも次元数の少ない主成分データ空間で表される統計データを作成する主成分データ作成機能と、を有することを特徴とする請求項1記載の水処理プラント制御システム。
【請求項3】上位レベル制御系の運転状態識別機能は、統計データに対してファジィ・c−means・クラスタリングを行って、現在の水処理プラントの運転状態が、各プラント状態要素に対してどの程度帰属しているかを表す状態帰属度を求めることにより、現在の水処理プラントの運転状態を識別することを特徴とする請求項2に記載の水処理プラント制御システム。
【請求項4】上位レベル制御系の運転状態識別機能は、メンバシップ関数を用いて、現在の水処理プラントの運転状態の状態帰属度を求めることを特徴とする請求項3記載の水処理プラント制御システム。
【請求項5】上位レベル制御系の制御量演算機能は、運転状態識別機能で求められた現在の水処理プラントの運転状態に関する各プラント状態要素への状態帰属度に基づいて重み付けをして、新たな下位レベル制御値を演算することを特徴とする請求項3または4のうちいずれか1項に記載の水処理プラント制御システム。
【請求項6】上位レベル制御系の運転状態識別機能は、主成分データ空間で表される統計データに対応するサンプルと、主成分データ空間で表される各プラント状態要素に対応するクラスタの重心と、の関係を求めて、現在の水処理プラントの運転状態の状態帰属度を求めており、上位レベル制御系の制御量演算機能は、運転状態識別機能において求められた主成分データ空間で表されるクラスタの重心を計測データ空間に線形変換して再変換運転状態データを求め、この再変換運転状態データに基づいて上位レベル制御装置による下位レベル制御装置の制御量を演算することを特徴とする請求項5に記載の水処理プラント制御システム。
【請求項7】上位レベル制御系の運転データ加工機能は、プラント運転データを主成分変換行列を用いて統計データを作成し、上位レベル制御系の制御量演算機能は、主成分変換行列の転置行列を用いて、主成分データ空間で表されるクラスタの重心を計測データ空間に線形変換して再変換運転状態データを求めることを特徴とする請求項6記載の水処理プラント制御システム。
【請求項8】下位レベル制御系の下位レベル制御装置は、各水処理プラントの運転を1入力1出力のフィードバック制御方式によって制御することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の水処理プラント制御システム。
【請求項9】各水処理プラントの現在の運転状態を運転員に知らせる運転状態報知手段をさらに備え、運転状態報知手段は、上位レベル制御系の統計データ作成機能、運転状態識別機能、および制御量演算機能のうち少なくともいずれか一つの機能に基づいて、現在の水処理プラント制御システムの状態を運転員に知らせることを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の水処理プラント制御システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被処理水の水処理を行う水処理プラントを制御する水処理プラント制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、下水や上水等の被処理水は、嫌気処理プロセス、無酸素処理プロセス、好気(AO)処理プロセス等の様々な処理プロセスを経て、浄化等の水処理が行われている。このとき、信頼性の高いプロセス制御によって各水処理プロセスを行うためには、各処理プロセスを実行する水処理プラントの入出力関係を物理化学的あるいは統計的に数理モデル化して、計測信号や操作出力の選定、安定性の解析、水処理プラントの制御装置に対するパラメータの決定等を適切に実行させることができる水処理プラント制御システムを設計することが求められている。
【0003】しかしながら、各処理プロセスでは複雑な処理が必要とされ、例えば、下水中の有機物を標準活性汚泥法を用いて除去する処理プロセスをプロセス制御によって行う場合には、被制御量である有機物量(BODやCOD等)をプロセスモデリングに基づいて直接制御することは非常に複雑となるため難しい。また、水処理プラント制御システムに用いられる計測機器の性能面からも、このような直接制御を行うことは非常に難しいので、実際にこのような制御方法が用いられることは稀であった。
【0004】このため、水処理プラント制御システムは、各水処理プラントで行われる曝気槽への酸素供給や汚泥返送等といった部分プロセス(サブプロセス)に対して、PID制御に代表される1入力1出力のフィードバック制御を行う制御系を採用して、DO(溶存酸素濃度)制御やMLSS(混合液浮遊物質濃度)制御等を行うことにより有機物量(BODやCOD等)を間接的に制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、下水や上水等の被処理水の水処理には非常に複雑な処理プロセスが必要とされ、各処理プロセスでは、様々な生物学的要因や化学的要因が複雑に絡まり合って水処理に影響を及ぼしている。
【0006】このため、水処理プラント制御システムは、被処理水の状態計測量や水処理プラント制御システムを構成する各装置の操作量といった複数の変量を考慮する必要があるため本質的に多入力多出力制御となる。また、各処理プロセスにおいて、どの変量がどの程度影響を与えるのかということを特定して水処理プロセスを制御する必要がある。
【0007】しかしながら、各変量が各処理プロセスに与える影響を正確に特定することは非常に難しく、無駄のない高精度な水処理プラント制御システムのモデルを構築することは極めて困難である。
【0008】また、水処理プラント制御システムの運転は、運転員の経験に基づいて行われていたり、初期運転時から同一の運転内容で行われていたりする場合もある。このような水処理プラント制御システムでは、気象状況が変化したり被処理水の流入量負荷が変動した場合に十分に対応することができず、水処理プラントで水処理された被処理水の水質が劣化する場合もある。
【0009】また、最近では、水質環境基準の厳格化、湖沼等の閉鎖性水域における富栄養化の防止、処理水の再利用化等の要請が高まっており、例えば下水処理においては、従来から行われている活性汚泥法による有機物の除去に加えて、いわゆる高度下水処理技術を利用することにより被処理水中の窒素やリンを除去することも強く求められている。このため、このような高度下水処理技術を利用した複雑な処理プロセスを実行することができる水処理プラント制御システムが求められている。
【0010】このような高度下水処理技術を応用した水処理プロセスに関して、最近、生物学的かつ物理化学的な理論モデルである活性汚泥モデルNO.1〜3(ASM1〜3)がIWA(International Water Association)により提案され、高度下水処理技術を応用した処理プロセスを採用する水処理プラント制御システムの制御系設計の指針が示された。
【0011】しかしながら、このASM1〜3は、十数個の変量と、数十個のパラメータを含んでいること等から、実際の処理プロセスへの合わせ込みとそれに基づく水処理プラント制御システムの設計が、相当に複雑で困難なものとなる。
【0012】一方、このような複雑な処理プロセスをブラックボックス化して、各処理プロセスにおける入出力データ等に関する統計情報からモデルを構築するというプロセスモデリングを利用したアプローチ方法も考えられる。しかしながら、このようなアプローチ方法を採用する場合であっても、処理プロセスの複雑さは、実際に処理プロセスを制御する際に注目する変数の選定やモデルの検証を困難にしてしまうことがある。また、プロセスモデリングを利用したアプローチ方法を用いて水処理プラント制御システムを構築した場合には、各処理プロセスに対する入出力データ等の統計情報が線形かつ定常なモデルで与えられることが一般的である。これに対し、実際の処理プロセスに対する入出力情報等の統計情報は必ずしも線形かつ定常なものではなく、例えば、大規模降雨時等のように通常と異なる運転状態の際には、各処理プロセスに対する入出力データ等の統計情報は非線形で非定常なものとなる。このため、実際の被処理水に適合した処理プロセスを実行させることが難しい。
【0013】本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、被処理水の水処理を行う水処理プラントの運転を適切かつ安定に制御して、信頼性の高い水処理プラントの運転を可能とする水処理プラント制御システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1つの水処理装置を有する水処理プラントと、水処理装置の運転を制御する下位レベル制御装置を有する下位レベル制御系と、下位レベル制御装置の制御量である下位レベル制御値を演算して各下位レベル制御装置を制御する上位レベル制御装置を有する上位レベル制御系と、水処理プラントで水処理された現在の被処理水の状態データを計測し、上位レベル制御系の上位レベル制御装置に計測した状態データを送る計測装置と、上位レベル制御装置とアクセス自在に設けられ、過去の被処理水の状態データおよび過去の下位レベル制御値を含む過去のプラント運転情報を保持するデータベースと、を備え、上位レベル制御系の上位レベル制御装置は、計測装置から送られてくる現在の被処理水の状態データと、上位レベル制御装置から下位レベル制御装置に送られる現在の下位レベル制御値と、データベースに保持されている過去のプラント運転情報と、を統計的に処理して、現在および過去の水処理プラントの運転状態を示す統計データを作成する統計データ作成機能と、統計データに基づいて現在の水処理プラントの運転状態を識別する運転状態識別機能と、統計データと運転状態識別機能により識別された現在の水処理プラントの運転状態とに基づいて、新たな下位レベル制御値を演算する制御量演算機能と、を有することを特徴とする水処理プラント制御システムである。
【0015】本発明によれば、上位レベル制御系において、現在の被処理水の状態データと現在の下位レベル制御値と過去のプラント運転情報とを統計的に処理した統計データを考慮して下位レベル制御装置を制御しており、下位レベル制御系において、水処理プラントの水処理装置を制御している。
【0016】好ましくは、上位レベル制御系の統計データ作成機能は、現在の被処理水の状態データと現在の下位レベル制御値とからなる現在の水処理プラントの運転状態、およびデータベースに保持されている水処理プラントの過去のプラント運転情報、を、計測データ空間で表したプラント運転データを作成するプラント運転データ作成機能と、プラント運転データに主成分分析を行って、計測データ空間よりも次元数の少ない主成分データ空間で表される統計データを作成する主成分データ作成機能と、を有する。
【0017】好ましくは、上位レベル制御系の運転状態識別機能は、統計データに対してファジィ・c−means・クラスタリングを行って、現在の水処理プラントの運転状態が、各プラント状態要素に対してどの程度帰属しているかを表す状態帰属度を求めることにより、現在の水処理プラントの運転状態を識別する。
【0018】好ましくは、上位レベル制御系の運転状態識別機能は、メンバシップ関数を用いて、現在の水処理プラントの運転状態の状態帰属度を求める。
【0019】好ましくは、上位レベル制御系の制御量演算機能は、運転状態識別機能で求められた現在の水処理プラントの運転状態に関する各プラント状態要素への状態帰属度に基づいて重み付けをして、新たな下位レベル制御値を演算する。
【0020】好ましくは、上位レベル制御系の運転状態識別機能は、主成分データ空間で表される統計データに対応するサンプルと、主成分データ空間で表される各プラント状態要素に対応するクラスタの重心と、の関係を求めて、現在の水処理プラントの運転状態の状態帰属度を求めており、上位レベル制御系の制御量演算機能は、運転状態識別機能において求められた主成分データ空間で表されるクラスタの重心を計測データ空間に線形変換して再変換運転状態データを求め、この再変換運転状態データに基づいて上位レベル制御装置による下位レベル制御装置の制御量を演算する。
【0021】好ましくは、上位レベル制御系の運転データ加工機能は、プラント運転データを主成分変換行列を用いて統計データを作成し、上位レベル制御系の制御量演算機能は、主成分変換行列の転置行列を用いて、主成分データ空間で表されるクラスタの重心を計測データ空間に線形変換して再変換運転状態データを求める。
【0022】好ましくは、下位レベル制御系の下位レベル制御装置は、各水処理プラントの運転を1入力1出力のフィードバック制御方式によって制御する。
【0023】好ましくは、各水処理プラントの現在の運転状態を運転員に知らせる運転状態報知手段をさらに備え、運転状態報知手段は、上位レベル制御系の統計データ作成機能、運転状態識別機能、および制御量演算機能のうち少なくともいずれか一つの機能に基づいて、現在の水処理プラント制御システムの状態を運転員に知らせる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0025】図1乃至図4は、本発明による水処理プラント制御システムの一実施の形態を示す図である。このうち、図1は本発明の水処理プラント制御システム全体を示す構成図であり、図2は水処理プラント制御システムの上位レベル制御系における各機能を示す機能ブロック図およびデータフローを示す図である。また、図3は上位レベル制御系で行われるファジィ・c−means・クラスタリングの概念図であり、図4は下位レベル制御装置を制御する下位レベル制御値の演算の流れ図である。
【0026】以下、嫌気・無酸素・好気的手段によって下水を浄化する高度下水処理を行う水処理プラントを有する水処理プラント制御システムについて説明するが、水処理プラントで行われる処理プロセスは高度下水処理に限定されるものではなく、様々な水処理を行う各種の処理プロセスに応用することができる。また、下水の他に上水等の他の被処理水の水処理の場合にも同様に適用することができる。
【0027】まず、本発明の水処理プラント制御システムの全体の構成について概説する。
【0028】図1に示すように、水処理プラント制御システム1は、嫌気・無酸素・好気的手段によって高度下水処理を行う水処理プラント2と、水処理プラント2の有する複数の水処理装置3を制御する下位レベル制御系4と、下位レベル制御系4の有する複数の下位レベル制御装置5をオンラインによって制御する上位レベル制御系6とを備えている。
【0029】水処理プラント2の有する各水処理装置3は、水処理プラント2で行われる高度下水処理プロセスのサブプロセスを行うものであって、各サブプロセスは、例えば曝気風量、汚泥返送率、余剰汚泥引抜量、汚水流量等の1入力1出力方式もしくは小数個の入出力を有するものである。
【0030】下位レベル制御系4の有する各下位レベル制御装置5は、水処理プラント2の各水処理装置3に対して1対1の関係で割り当てられており、それぞれ、PID制御方法によって対応する水処理装置3を直接制御している。なお、PID制御方法は、1入力1出力のフィードバック制御方式を採用している。
【0031】水処理プラント2と上位レベル制御系6との間には計測装置7が設けられており、計測装置7は、水処理プラント2で高度下水処理が施された下水の状態データを計測し、この計測した状態データを上位レベル制御系6へ送るようになっている。なお、状態データは、例えば、化学的酸素要求量(COD)、生物学酸素要求量(BOD)、アンモニア濃度(NH)、リン酸濃度(PO)、混合液浮遊物質濃度(MLSS)、溶存酸素濃度(DO)、pH、酸化還元電位(ORP)、といった下水の各種状態を示す様々なデータが考えられる。このため、下水に関するこれらの状態データを計測する計測装置7の設置台数は、1台に限定されるものではなく複数台設置される場合もある。
【0032】上位レベル制御系6は、計測装置7から送られてくる状態データを受け入れる入力装置8と、計測装置7から送られてくる下水の状態データを入力装置8を介して受け入れる演算装置10と、演算装置10で演算した下位レベル制御値を下位レベル制御系4の各下位レベル制御装置5に送る出力装置11と、を有している。なお、入力装置8と演算装置10と出力装置11とにより、上位レベル制御装置が構成されている。
【0033】また、上位レベル制御系の演算装置10には、過去のプラント運転情報を保持するデータベース9が接続され、演算装置10は、データベース9に保持された過去のプラント運転情報にアクセス自在に設けられている。データベース9に保持された過去のプラント運転情報は、過去の水処理プラント2の運転の際における、下位レベル制御装置5に送られた下位レベル制御値と水処理プラント2での高度下水処理を経た下水の被制御量を含む状態データとから構成されるl項目の運転データ要素を時系列毎に収集したものである。なお、計測装置7が計測した現在の下水の状態データおよび各下位レベル制御装置5に現在送られている下位レベル制御値は、データベース9に記憶されるようになっている。
【0034】演算装置10は、データベース9に保持されている過去のプラント運転情報と、計測装置7から送られてくる現在の下水の状態データおよび上位レベル制御系6から各下位レベル制御装置5に現在送られている下位レベル制御値を含む現在のプラント運転情報とに基づいて、後述の演算プロセスを実行することにより、各下位レベル制御装置5に送られる新たな下位レベル制御値を演算するようになっている。演算装置10で演算された新たな下位レベル制御値は、出力装置11を介して各下位レベル制御装置5に送られる。なお、このような演算装置10には、汎用計算機やマイクロコンピュータを利用することができる。
【0035】また、上位レベル制御系6の演算装置10には表示装置12(運転状態報知手段)が接続されており、この表示装置12は、演算装置10において新たな下位レベル制御値を求める際の一連の演算プロセス(統計データ作成機能、運転状態識別機能、制御量演算機能)に基づいて、現在の下水の状態データや現在の下位レベル制御値や新たな下位レベル制御値といった水処理プラント制御システム1に関する様々な運転情報を、水処理プラント制御システム1の運転員に知らせることができるようになっている。
【0036】次に、図2乃至図4を用いて、上位レベル制御系6の演算装置10が行う下位レベル制御値の演算プロセスについて詳説する。
【0037】演算装置10では、現在および過去のプラント運転情報から新たな下位レベル制御値を演算しており、具体的には以下のようにして演算している。
【0038】すなわち、図2に示すように、演算装置10は、まず、データベース9に時系列毎に保持された過去の被処理水の状態データおよび下位レベル制御値からなるプラント運転情報と、計測装置7から送られてくる現在の下水の状態データおよび上位レベル制御系6から各下位レベル制御装置5に現在送られている下位レベル制御値から求められる現在のプラント運転情報とを統計的に処理して、現在および過去の水処理プラント2の運転の状態を示すプラント運転データを作成する(S1、S2)(プラント運転データ作成機能)。
【0039】このプラント運転データは、状態データや下位レベル制御値といったl項目のプラント運転データ要素からなるプラント運転データ情報が時系列毎に収集されて形成されており、具体的には、データベース9に保持されているk−1個の過去のプラント運転データ情報と1個の現在のプラント運転データ情報とから構成される計k個のプラント運転データ情報を有している。
【0040】次に、演算装置10は、l項目のプラント運転データ要素、k個のプラント運転データ情報からなるプラント運転データに対して主成分分析を行い、l項目よりも少ないn項目(l>n)の主成分データ要素、k個の主成分情報からなる統計データに加工する(S3、S4)(主成分データ作成機能)。
【0041】これにより、プラント運転データは、プラント運転データ要素に比べて項目数が少ないn項目の主成分データ要素からなる統計データに加工されることとなり、l次元の計測データ空間で表されていたプラント運転データから、n次元の主成分データ空間で表される統計データが作成される。このように、統計データは、プラント運転データに比べて小次元数で表すことができるので、その後の演算処理の負荷が低減される。以下、演算装置10が行う主成分分析についてさらに詳述する。
【0042】主成分分析とは、多変量解析の一手法であり、多変量データの有する情報を小数個の総合的特性値に要約するものである。本発明では、主成分分析によってl次元のプラント運転データがn次元の統計データに加工されることとなる(l>n)。
【0043】すなわち、演算装置10は、まず、l項目のプラント運転データ要素に関するk個のプラント運転データ情報を有するプラント運転データを、k*lの行列Xで表す。これにより、行列Xの行ベクトルx(i=1,・・・,k)は、時系列毎のプラント運転データ情報を表すこととなり、例えば、xは現在のプラント運転データ情報を表しており、xは現在からq−1ステップ前の過去のプラント運転データ情報を表している(1≦q≦k)また、x=[xi,1,・・・,xi,s,・・・,xi,l](s≦l)において、xi,1,・・・,xi,、は、下位レベル制御系4の各下位レベル制御装置5を制御する下位レベル制御値を表している。
【0044】次に、k*lの行列Xは、l*nの行列A(主成分変換行列)を用いて以下の式(1)のようにしてk*nの行列Yに線形写像される。
【0045】Y=XA (1)
この時、行列Aは、プラント運転データの相関行列に関する固有ベクトルa(j=1,・・・,l)のうち、a,・・・,a、を列ベクトルとして並べたものと定義する。なお、各固有ベクトルa(j=1,・・・,l)に対応する固有値λ(j=1,・・・,l)は、λ≧λ≧・・・≧λ≧・・・≧λ、となっているものとする。
【0046】演算装置10は、上述の式(1)によってk*nの行列Yを得ることにより、l項目のプラント運転データ要素についてk個のプラント運転データ情報を有するプラント運転データを、n項目(l>n)の主成分データ要素についてk個の主成分情報を有する統計データに加工する。
【0047】なお、プラント運転データを統計データに加工する際に生じる情報損失量は、以下の式(2)で表される累積寄与率pで評価され、p≧0.8となるように主成分データ要素の次数nを選択することが好ましい。
【0048】
【数1】

次に、演算装置10は、図2に示すように、統計データに対してファジィ・c−means・クラスタリングを行って、現在の水処理プラント2の運転状態が、予め想定されている各プラント状態要素に対してどの程度帰属しているかを表す状態帰属度を求める(S5、S6)。ここでプラント状態要素とは、水処理プラント2の運転に影響を及ぼす様々な外部環境を示すものである。例えば、通常の晴天時というプラント状態要素(C)、通常の雨天時というプラント状態要素(C)、大雨時というプラント状態要素(C)、初期降雨時の高SS負荷状態というプラント状態要素(C)、長時間降雨の際の汚水の希釈状態というプラント状態要素等、様々なプラント状態要素が考えられる。以下、統計データに対して行われるファジィ・c−means・クラスタリングについて詳述する。
【0049】一般に、ファジィ・c−means・クラスタリングとは、複数のサンプルを似たもの同士の集合(クラスタ)に分類するクラスタリングという分類手法の一種を意味する。本発明において、サンプルは、統計データから導き出される現在および過去の各時における水処理プラント2の運転状態に対応し、クラスタはプラント状態要素に対応する。また、図3の概念図に示されるように、ファジィ・c−means・クラスタリングにおける各クラスタは互いに排他的な関係を有するものではなく、1つのサンプルが複数個(c個)のクラスタに属することを許容しており、サンプルの各クラスタへの帰属の程度(状態帰属度)はメンバシップ関数を用いて表すことができる。なお、このメンバシップ関数は、通常、非線形的なものとなる。
【0050】この時、サンプルy(i=1,・・・,k)に関するクラスタC(j=1,・・・,c)への帰属の程度を表すメンバシップ関数μi,j(0≦μi,j≦1)は、重み付き偏差平方和J(c,m)の最小化問題として求められる以下の式(3)のように定式化することができる。
【0051】
【数2】

ここで、式(3)におけるm(m>1)は一種のパラメータであり、mが1に近づく程、クラスタリングとして排他的な側面が強くなり、各クラスタは相互に排他的な存在となる。他方、mが大きくなるほどファジィ・クラスタリングとしての側面が強くなり、各クラスタ相互間の排他性は弱まる。
【0052】式(3)において、di,jは、図3におけるサンプルy(i=1,・・・,k)と各クラスタの重心v(j=1,・・・,c)との距離関係を意味しており、以下の式(4)で定義することができる。また、クラスタの重心v(j=1,・・・,c)は以下の式(5)で定義することができる。
【0053】
【数3】

また、帰属度の正規化のために付加した以下に示す式(6)という条件の下で、式(3)を局所的に最小化するための必要条件は式(7)で与えられる。
【0054】
【数4】

従って、式(3)で表される最小化問題を式(4)〜(7)を用いた繰り返し法等を利用して解くことにより、メンバシップ関数μi,j(0≦μi,j≦1)を適切に求めることができる。
【0055】上述のようにして、演算装置10は、統計データに対してファジィ・c−means・クラスタリングを行い、現在および過去の各時における水処理プラント2の運転状態(サンプル)が、各プラント状態要素(クラスタ)C、C、・・・、Cに、どの程度帰属しているかを示すメンバシップ関数μi,j(0≦μi,j≦1)を求めることができ、特に現在の水処理プラント2の運転状態の各プラント状態要素への帰属度はμ=[μ1,1,・・・,μ1,c]で表すことができる。これにより、現在の水処理プラント2の運転状態の扱いがさらに容易となる。
【0056】次に、演算装置10は、図2に示すように、現在の水処理プラント2の運転状態の各プラント状態要素への帰属度を示すメンバシップ関数μに基づいて、下位レベル制御系4の各下位レベル制御装置5を制御するための下位レベル制御値を演算する(S7、S8)。以下、メンバシップ関数μに基づいて下位レベル制御値を演算する方法について詳述する。
【0057】すなわち、図4に示すように、演算装置10は、まず、以下の式(8)に示すように、n個の各主成分データ要素について前述のファジィ・c−means・クラスタリングを行う際に求めたクラスタの重心v(j=1,・・・,c)を行ベクトルとして並べたc*nの行列Vと、式(1)で用いた行列Aの転置行列であるn*lの行列A’とによって、c*lの行列Zを求める(T1、T2)。
【0058】Z=VA’ (8)
行列Zは、n次元の主成分データ空間で表されている行列Vをl次元の計測データ空間で表したものである。このようにして得られた行列Zは、主成分データ空間で表される統計データを示す行列Yを計測データ空間で表したものと、近似的にみなすことができる(再変換運転状態データ)。
【0059】ところで、式(8)によって得られた行列Zの行ベクトルz=[zj,1,・・・・・,zj,l](1≦j≦c)のうち下位レベル制御値に関する要素を抽出した抽出運転データ情報s=[zj,1,・・・・・,zj,s](s<l)は、対応するプラント状態要素において各下位レベル制御装置5に与えるべき下位レベル制御値とみなすことができる(T3)。
【0060】この時、演算装置10は、以下の式(9)に示すように、上述の各プラント状態要素におけるそれぞれの抽出運転データ情報s(1≦j≦c)を行ベクトルとして並べたc*sの行列S(抽出運転データ)に対して、現在の水処理プラント2の運転状態の各プラント状態要素への帰属度を表すメンバシップ関数μによって重み付けしたsを求めて、このsを各下位レベル制御装置5に与える新たな下位レベル制御値とすることができる(T4)。
【0061】
【数5】

このようにして求められた下位レベル制御装置5に与える新たな下位レベル制御値を示すsは、過去および現在のプラント運転情報から統計的に決定されることとなる。
【0062】なお、式(8)によって求められる行列Zは、厳密な意味では、主成分データ空間で表されている行列Yを計測データ空間に逆写像したものではない。すなわち、厳密な意味で行列Yを計測データ空間に逆写像した行列Xは、以下の式(10)で示され、行列Yを、行列A’と主成分打ち切りの際に生じる誤差を示す行列Eとによって逆変換したもので表すことができる。
【0063】X=YA’+E (10)
しかしながら、計測データ空間上のデータz’を主成分分析するとクラスタの重心v(j=1,・・・,c)を表す主成分データ空間上のデータとなるデータz’の存在を仮定した場合には、式(8)により得られる行列Zをこの元データと便宜上見なすこととしている。
【0064】上述のように、演算装置10は、過去および現在のプラント運転情報(状態データ、下位レベル制御値)とに基づいて、上述の一連の演算プロセスを実行することにより、各下位レベル制御装置5に送られる新たな下位レベル制御値を演算するようになっている。なお、図2に示すS1〜S4によって運転データ加工機能が構成され、S5〜S6によって運転状態識別機能が構成され、S7〜S9によって制御量演算機能が構成されることとなる。
【0065】次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0066】本発明による作用の概略は、上位レベル制御系6において、水処理プラント2の運転を制御する際の基本となる情報である過去および現在のプラント運転情報を演算しやすいように加工した後、現在の水処理プラント2の運転状態を自動的に識別し、これに基づいて下位レベル制御系4の下位レベル制御装置5を制御する下位レベル制御値を演算する。そして、下位レベル制御系4において、上位レベル制御系6からの下位レベル制御値に基づいて水処理プラント2の各水処理装置3を安定に制御し、各水処理装置3において高度下水処理のサブプロセスを確実に実行させる。
【0067】以下、本発明の作用について詳述する。
【0068】図1に示すように、水処理プラント2において高度下水処理された現在の下水は、計測装置7によって状態データが計測される。計測装置7により計測された現在の下水の状態データは、計測装置7から、上位レベル制御系6の入力装置8を介して演算装置10に送られる。
【0069】演算装置10は、データベース9に保持された過去のプラント運転情報と、計測装置7から送られてきた現在の下水の状態データと、演算装置10から出力装置11を介して各下位レベル制御装置5に現在送られている下位レベル制御値と、に基づいて、各下位レベル制御装置5に送る新たな下位レベル制御値を演算する。
【0070】この時、演算装置10では、図2乃至図4に示すように、上述した主成分分析およびファジィ・c−means・クラスタリングが用いた一連の演算プロセスが利用されて、各下位レベル制御装置5に送る新たな下位レベル制御値が演算されている(S1〜S9)。
【0071】すなわち、データベース9に保持された過去のプラント運転情報と、計測装置7から送られてきた現在の下水の状態データと、演算装置10から出力装置11を介して各下位レベル制御装置5に現在送られている下位レベル制御値とが、統計処理されてプラント運転データが作成される(S1、S2)。そして、プラント運転データに対して主成分分析を行うことにより統計データを作成して(S3、S4)、この統計データに対してファジィ・cーmeans・クラスタリングを行うことにより現在の水処理プラント2の運転状態を複数のプラント状態要素への状態帰属度を示すメンバシップ関数μを求める(S5、S6)。そして、各プラント状態要素への帰属度を示すメンバシップ関数μに基づいて、下位レベル制御系4の下位レベル制御装置5を制御するための下位レベル制御値を演算する(S7、S8)。
【0072】このようにして、演算装置10で演算された各下位レベル制御装置5に送られる新たな下位レベル制御値は、出力装置11を介して下位レベル制御系4の各下位レベル制御装置5に送られる(S9)。
【0073】また、この間、表示装置12では、演算装置10における一連の演算プロセスに基づいて、現在の水処理プラント2の運転状態や新たな下位レベル制御値といった水処理プラント制御システム1に関する様々な運転情報が示される。これにより、水処理プラント制御システム1の運転員は、水処理プラント制御システム1に関する様々な運転情報を容易にリアルタイムで知ることができ、異常発生時においても迅速に対応することができる。
【0074】各下位レベル制御装置5は、演算装置10から送られてきた下位レベル制御値に基づいて、水処理プラント2の各水処理装置3のうち対応する水処理装置3をPID制御方法により直接制御する。
【0075】このとき、下水に高度下水処理を施すためには、有機物の除去、脱窒、脱リンといった複雑な浄化処理プロセスが必要とされる。しかし、これらの浄化処理プロセスに対して直接的な指標となるCOD、BOD、窒素量、およびリン量を被制御量として、各水処理装置3を制御することは非常に難しい。このため、下位レベル制御装置5がPID制御方法により水処理装置3を制御する際には、各水処理装置3で行われる各サブプロセスの被制御量を予め設定されている値に追従させるようにして制御する。
【0076】このようにして、水処理プラント制御システム1は水処理プラント2を適切に運転制御して、水処理プラント2は下水の性状に適合した高度下水処理を行う。
【0077】以上説明したように本実施の形態によれば、現在のプラント運転情報とデータベース9に保持された過去のプラント運転情報とから、統計的に作成された入出力モデル(プラント運転データ、統計データ)に基づいて、水処理プラント2の各水処理装置3の運転は制御される。これにより、下水の高度下水処理を簡潔かつ迅速に行うとともに、信頼性の高い高度下水処理を行うことができる。特に、統計的に作成された入出力モデルを採用しているので、ASM1〜3のような理論モデルに比べて、水処理プラント2の制御に伴うパラメータの合わせ込み等の手間が低減され、水処理プラント制御システム1の構成を簡潔なものとすることができる。
【0078】また、水処理プラント2を制御する制御系を上位レベル制御系6と下位レベル制御系4とに分けて、上位レベル制御系6では過去および現在のプラント運転情報に基づいて統計的な複雑な演算を行うとともに、下位レベル制御系4では安定した実績のある1入力1出力のフィードバック制御方式を採るPID制御方法によって水処理プラント2の各水処理装置3を制御している。これにより、水処理プラント2における高度下水処理は、現在の下水の性状に十分に適合させることができるとともに、安定した高度下水処理を可能とすることができる。
【0079】特に、下位レベル制御装置5の制御量である下位レベル制御値は、上位レベル制御系6において、過去および現在のプラント運転情報に基づいた統計的な演算によって決定されている。このため、水処理プラント2では、下水の性状に迅速かつ柔軟に適応した高度下水処理が可能となっており、例えば、降雨の増減等といった非定常な気象状況の変化が生じた場合でも、水処理プラント2は下水に対して適切な高度下水処理を行うことができる。
【0080】また、下位レベル制御系4では、1入力1出力のフィードバック制御方法を用いたPID制御方法を採用することにより、データベース9における過去のプラント運転情報の蓄積量が不十分で統計的な入出力モデルを十分に構築することができない場合や、水処理プラント2の初期運転時において現在のプラント運転情報を十分に計測することができない場合であっても、水処理プラント2を安定に運転することができる。
【0081】なお、水処理プラント2の水処理装置3の制御方法はPID制御方法に限定されるものではなく、PID制御方法と同様に1入力1出力のフィードバック制御方式を採る制御方法であれば、本実施の形態における場合と同様の作用効果を期待することができる。
【0082】さらに、上位レベル制御系6で行われる過去および現在のプラント運転情報に基づいた統計的な演算は、主成分分析を用いることにより、水処理プラント2に関する情報の情報損失量を必要十分な範囲内で抑えた上で、扱う情報の項目数を減らして、演算負荷を低減させることができる。また、主成分分析によって、水処理プラント2の運転に影響を及ぼす統計データの抽出作業は自動的に行われることとなるため、運転員がこのような統計データの抽出作業を行う必要がなく、手続の簡素化が図られる。
【0083】また、水処理プラント2の運転は、様々な外的要因が複合的に組み合わさって影響されている。このため、現在の水処理プラント2の運転状態を識別する際に、現在の水処理プラント2の運転状態がどのような運転状態に属しているかということを決定論的(真か偽か)によって特定の運転状態に分類する手法では、様々な外的要因が複合的に組み合わさって水処理プラント2の運転状態に影響している場合に十分に対応することができない。しかしながら、現在の水処理プラント2の運転状態を、ファジィ・c−means・クラスタリングによって識別してファジィ測度を用いて表現することにより、様々な外的要因が複合的に組み合わさって水処理プラント2の運転状態に影響を及ぼしている場合でも柔軟に対応することができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、水処理プラントの運転は上位レベル制御系と下位レベル制御系とが役割を分担して制御しており、上位レベル制御系において、現在および過去のプラント運転情報を考慮して下位レベル制御系を制御しており、下位レベル制御系において、水処理プラントの水処理装置を制御している。これにより、実際の被処理水の性状に柔軟に対応した適切な水処理プラントの運転が可能となり、安定かつ信頼性の高い水処理プラントの運転の制御を行うことができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成13年11月7日(2001.11.7)
【代理人】 【識別番号】100075812
【弁理士】
【氏名又は名称】吉武 賢次 (外5名)
【公開番号】 特開2003−140712(P2003−140712A)
【公開日】 平成15年5月16日(2003.5.16)
【出願番号】 特願2001−341817(P2001−341817)