| 【発明の名称】 |
多面複製原版の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】船田 洋 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】原版を多面付けして作製してた場合であっても、単位原版の同士の段差を極力少なくすることを可能とする。
【解決手段】ガラス基材11上にホログラムの樹脂層13を形成して、原版10Aを作製する原版作製工程S1と、原版作製工程S1で作製した原版10Aを所定の単位寸法に切断して、単位原版10Bを作製する単位原版作製工程S2と、単位原版作製工程S2で作製した各単位原版10Bの厚みを測定する厚み測定工程S3と、厚み測定工程S3で測定した各単位原版10B−nを、その厚み順に配列して多面原版10cを作製する多面原版作製工程S4と、多面原版作製工程S4で作製した多面原版を版として、多面複製版20を作製する多面複製版作製工程S5とを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 基材上に光学可変パターンを形成して、原版を作製する原版作製工程と、前記原版作製工程で作製した前記原版を所定の単位寸法に切断して、単位原版を作製する単位原版作製工程と、前記単位原版作製工程で作製した前記各単位原版の厚みを測定する厚み測定工程と、前記厚み測定工程で測定した前記各単位原版を、その厚み順に配列して多面原版を作製する多面原版作製工程と、前記多面原版作製工程で作製した多面原版を版として、多面複製版を作製する多面複製版作製工程と、を備えることを特徴とする多面複製版の製造方法。 【請求項2】 請求項1に記載の多面複製版の製造方法において、前記原版作製工程では、前記基板が0.5〜1.5mmのもの使用し、前記多面原版作製工程では、前記単位複製版の前記各単位原版の隣合う同士の厚み段差が10μm以内とすることを特徴とする多面複製原版の製造方法。 【請求項3】 請求項1に記載の多面複製版の製造方法において、前記多面原版作製工程は、前記厚み測定工程で測定した前記各単位原版を、真空吸着板の上で吸着しながら配列することを特徴とする多面複製原版の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホログラムや回折格子等の光学可変パターンが形成された所定寸法の原版を、複数並べた多面複製原版を製造する多面複製原版の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、ホログラムの複製方法としては、特公平6−85103号、特公平6−85104号、特公平7−104600号などに開示されている。図6は、ホログラム複製装置の一例を示す図、図7は、図6の装置の転写装置付近を示す拡大図である。ホログラム複製装置10には、ベッド13に固定された一対の本体フレーム12に給紙装置20、転写装置30、照射装置50、巻取装置60が順次配設されている。 【0003】給紙装置20は、本体フレーム12に固定されたコロ23に回転自在に支持されたシャフト22を備え、このシャフト22には、ホログラム形成フイルム1の巻取ロール21が装着され、その先端は、パウダーブレーキ(不図示)に連結されている。 【0004】転写装置30は、本体フレーム12の中央部に固定された軸受に軸32が回転自在に支持されたエンボスローラー31と、一対のアーム42に回転自在に支持された押付けローラー40と、加圧機構38とを備えている。加圧機構38は、一対のアーム42とエアシリンダ45からなり、エアシリンダ45のピストンロッド46の先端には、アタッチメント47が装着され、アタッチメント47は、アーム42の中央下部にピン48を介して回転自在に支持され、エアシリンダ45は、本体フレーム12に固定されたピン49に回転自在に支持されている。一対のアーム42は、ロッド44によって固定連結され、本体フレーム12に固定されたピン43に回転自在に支持されている。 【0005】従って、エアシリンダ45のピストンロッド46の作動によりアーム42がピン43を支点として回転し、押付けローラー40がエンボスローラー31に押付けられる。押付けローラー40には、加熱装置(不図示)が装備され、押付けローラー40の表面を加熱するようになっている。 【0006】エンボスローラー31は、図7に示すように、その周表面にホログラム原版4が設けられたものであり、樹脂版をホログラム原版としてシリンダの周表面に貼りつけたものが使用される。エンボスローラー31の軸32の駆動側先端には、不図示の駆動手段に連結されている。エンボスローラー31は、冷却装置(不図示)装備され、ローラー表面を冷却するようになっている。 【0007】照射装置50は、距離を隔てて本体フレーム12に回転自在に支持された巻付けローラー51と対向する位置に、支持部材(不図示)を介して、本体フレーム12に固定され、巻付けローラー51に巻付けられたホログラム形成フイルム1に紫外線または電子線を照射するようになっている。 【0008】巻取装置60は、本体フレーム12に固定されたコロ63に回転自在に支持されたシャフト62と、不図示のパウダークラッチからなり、このシャフト62には、ホログラム形成フイルム1が巻取けられるようになっている。 【0009】また、エンボスローラー31と給紙装置20との間には、本体フレーム12に回転自在に支持されたガイドローラ71、72が設けられ、エンボスローラー31と巻付けローラー51との間であって、エンボスローラー31の近傍には、ガイドローラー73が設けられている。 【0010】次に、上述したホログラム複製装置10の動作を説明する。まず、給紙装置20より繰り出されたホログラム形成用フイルム1は、ガイドローラー71、72を介してエンボスローラー31に案内される。このとき、バウダーブレーキによりホログラム形成用フイルム1は、適正なテンションに調整されている。 【0011】次いで、エアシリンダ45の作動により、押付けローラー40によって、フイルム1がエンボスローラー31に一定圧で押付けられる。押付けローラー40の表面は、加熱されているため、樹脂層3が軟化し、図7に示すように、ホログラム原版4の凹凸が樹脂層3に転写され、樹脂層3がホログラム原版4に密着した状態でエンボスローラー31が駆動モータにより回転し、ガイドローラー73の近傍でホログラム原版4より凹凸の形成された樹脂層3が剥離される。 【0012】このとき、エンボスローラー31の表面は、冷却されているため軟化状態にある樹脂層3はある程度固まり、ホログラム原版4より剥離されても転写時の凹凸形状をくずずことなく、次の巻付けローラー51に案内される。巻付けローラー51に巻付けられたフイルム1に、照射装置50より紫外線または電子線が照射され、凹凸の形成された樹脂層3が硬化する。ここで、巻付けローラー51は、冷却されているため、紫外線または電子線の照射によりフイルム1が発熱して熱収縮するのを防止することができる。 【0013】この後、フイルム1は、駆動モータ14に連結されたシャフト62に巻取られる。このとき、バウダークラッチによりフイルム1は、適正なテンションに調整されているため、しわ等が発生せずに巻取られる。 【0014】上述した従来のホログラム複製装置では、ホログラム原版4の凹凸が樹脂層3に転写される。ホログラムの原版(最初に作製する複製版の元となる原版であり、以下、原版という)は、一般的にはレーザー光を用いて作製するために、寸法が300×300mm程度以上のものをつくるには、製造装置とコストの面から、困難であった。つまり、最初のホログラム原版は、レーザー光の2光束で撮影する。即ち、レーザーの参照光と物体光との干渉縞、又は、2つのレーザー光束の干渉によってできる干渉縞を、フォトレジスト等に記録する。このとき、原版を大きくするためには、レーザー光束をレンズで発散させるなどの技術が一般的であるが、レーザー光束を大きく広げると、レーザー光束の中央部と周辺部との光強度の差が、そのままフォトレジストに記録されることになり、作製したホログラム原版は、中央部と周辺部とで輝度が異なる、又は、輝度ムラが発生するといった不具合が発生する。また、近年、計算機により干渉縞パターンをシュミレートし、フォトレジスト等の版材にダイレクトに描画する手法が開発されている。しかし、この手法でも、原版が大きくなると計算が極めて繁雑になり、作製の時間、コストが著しく増大し、現実的ではない。 【0015】このため、ホログラム原版4は、所定寸法の原版(単位原版)を複数作製して、それをマトリスク状並べてものを多面原版として、さらに、多面原版を版として、樹脂製の複製原版(以下、多面複製原版という)を作製するという工程がふまれていた。 【0016】従来の多面複製原版の製造方法では、多面原版は、表面に樹脂製のホログラムの微細エンボスが形成されたガラス基板を、紫外線(UV)硬化性の光学接着剤(ガラスと屈折率を合わせたもの)を用いて、ベース盤に1片づつ並べて、最後にUVを当て硬化させて、多面原版を作製しにていた。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来の多面複製原版の製造方法では、ガラス基板は、厚みが区々(数十〜100μm)であり、ホログラムの微細エンボスの深さが、約0.1μmであることから、ガラス基板に段差ができてしまうと、次工程で作製する樹脂製の多面複製原版に段差ができてしまい、段差で圧力の変動が生じたり、気泡が入ってしまい、複製された形成用フイルム1のパターンに欠けができてしまう、という問題があった。 【0018】また、ガラス基板を、ベース盤に光学接着剤で接着してしまうと、上述した段差があったり、損傷があっても、外せないという問題があった。 【0019】本発明の課題は、原版を多面付けして作製してた場合であっても、単位原版の同士の段差を極力少なくすることができる多面複製原版の製造方法を提供することである。 【0020】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決するために、請求項1の発明は、基材上に光学可変パターンを形成して、原版を作製する原版作製工程と、前記原版作製工程で作製した前記原版を所定の単位寸法に切断して、単位原版を作製する単位原版作製工程と、前記単位原版作製工程で作製した前記各単位原版の厚みを測定する厚み測定工程と、前記厚み測定工程で測定した前記各単位原版を、その厚み順に配列して多面原版を作製する多面原版作製工程と、前記多面原版作製工程で作製した多面原版を版として、多面複製版を作製する多面複製版作製工程と、を備えることを特徴とする多面複製版の製造方法である。 【0021】請求項2の発明は、請求項1に記載の多面複製版の製造方法において、前記原版作製工程では、前記基板が0.5〜1.5mmのもの使用し、前記多面原版作製工程では、前記単位複製版の前記各単位原版の隣合う同士の厚み段差が10μm以内とすること、を特徴とする多面複製原版の製造方法である。 【0022】請求項3の発明は、請求項1に記載の多面複製版の製造方法において、前記多面原版作製工程は、前記厚み測定工程で測定した前記各単位原版を、真空吸着板の上で吸着しながら配列すること、を特徴とする多面複製原版の製造方法である。 【0023】 【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しくに説明する。図1は、本発明による多面複製原版の製造方法の実施形態を示す工程図、図2〜図4は、本実施形態に係る多面複製原版の製造方法の厚み測定工程を説明する図、図5は、配列工程を説明する図である【0024】本実施形態に係る多面複製原版の製造方法は、原版作製工程S1と、単位原版作製工程S2と、厚み測定工程S3と、多面原版作製工程S4と、多面複製版作製工程S5等とを備えている。 【0025】原版作製工程S1は、ガラス基板11上にプライマー12を塗布し[図1(a)]、そのプライマー12の上に、UV硬化樹脂13のホログラムパターン(光学可変パターン)を形成して、原版10Aを作製する工程である。 【0026】単位原版作製工程S2は、図1(c)に示すように、原版作製工程S1で作製した原版10Aを所定の単位寸法にダイサー(東京精密製の切断装置)で高精度に切断して、ガラスタイル状の単位原版10Bを作製する工程である。 【0027】厚み測定工程S3は、図1(c)に示すように、単位原版作製工程S2で作製した各単位原版10Bの厚みtを、レーザー変位計(例えば、株式会社キーエンス製のレーザーフォーカス変位計LT−8100)33等を用いて測定する工程である。この実施形態では、図2,図3に示すように、No.1〜No.56までの56枚の単位原版10Bを厚みを測定した。厚み測定は、図4に示すように、各単位原版10Bの右上、右下、中央、左上、左下の5カ所で行い、それらの平均値を算出した。 【0028】多面原版作製工程S4は、図1(d)に示すように、厚み測定工程S3で測定した各単位原版10Bを、その厚み順(図2,図3の表の裏から順、つまり、No.27,No.24,No.19,・・・,No.56の順)に、真空吸着板31上に配列して多面原版10Cを作製する工程である。各単位原版10Bの配列は、図5(a)に示すように、厚みの薄い順t1,t2,t3,・・・t8と幅方向に1行ならべ、次の行に進むように並べた。また、単位原版10Bは、真空吸着板31上に配列するので、単位原版10Bに損傷があった場合などには、簡単に取り外しができるので、従来の接着してしまう方法と比べると、作業がしやすい。 【0029】ここで、原版作製工程S1において、ガラス基板が0.5〜1.5mmのもの使用した場合には、この多面原版作製工程S4では、単位複製版の各単位原版10Bの隣合う同士の厚み段差が10μm以内とすることが好ましい。10μmを超えると、複製時に段差によって気泡が発生したり、段差分のバリが発生して版の平滑性を阻害するからである。 【0030】多面複製版作製工程S5は、図1(e)に示すように、多面原版作製工程S4で真空吸着板31上に配列した多面原版10Cに、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレートを主成分とするアクリル系UV硬化樹脂又はメタクリレート系UV硬化樹脂などのUV硬化樹脂22(例えば、ザ・インテック株式会社製のUV SEL クリア−OPニス)を塗布して、厚み約100μmの易接着PETなどのベースフィルム21をローラー32でラミネートして、紫外線を照射して硬化させた後に、剥離することにより、多面複製版20を作製する工程である。 【0031】多面複製版20は、図1(f)に示すように、ベースフィルム21上に、ホログラムの微細エンボスが形成され、段差の少ない樹脂層22Aを有するものであった。従って、この多面複製版20を、図7で説明したエンボスローラー31に、ホログラム原版4の代わりに使用すれば、貼り付けて、ホログラム形成フィルムを作製したところ、気泡が入ったり、複製されたホログラム形成用フイルム1のパターンに欠けができことはなかった。 【0032】以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。 (1) 各単位原版10Bの配列は、図5(b)に示すように、厚みの薄い順t1,t2,t3,・・・と、角部から斜めに並べるようにしてもよい。 【0033】(2)ホログラムの微細エンボスパターンの例で説明したが、光回折パターンや2〜10μmの微細凹凸のある砂目などOVD(optical variable device)と呼ばれる光学可変パターンを全て含むものである。 【0034】 【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によれば、原版を多面付けして作製してた場合であっても、単位原版の同士の段差を極力少なくすることができ、複製物に気泡が入ったり、光学可変パターンに欠けがでことをなくすことができる、という効果がある。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
|
| 【出願日】 |
平成14年4月23日(2002.4.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100092576 【弁理士】 【氏名又は名称】鎌田 久男
|
| 【公開番号】 |
特開2003−316241(P2003−316241A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月7日(2003.11.7) |
| 【出願番号】 |
特願2002−120065(P2002−120065) |
|