| 【発明の名称】 |
体積ホログラムの波長シフト組成物、並びに体積ホログラム積層体、及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】利根 哲也 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】撮影波長より10nm以下の再生波長へシフトさせる体積ホログラムの波長シフト組成物、並びに体積ホログラム積層体、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダを含む体積ホログラムの波長シフト組成物、該波長シフト層と体積ホログラム層を積層状態のまま、所定の時間、所定の温度で加熱することで、再生波長がシフトされた基材/波長シフト層/体積ホログラム層/接着層/剥離シートからなる体積ホログラム積層体、体積ホログラムラベル、体積ホログラム転写箔、及びその製造方法を特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 体積ホログラムの再生波長を、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせる波長シフト組成物において、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなることを特徴とする体積ホログラムの波長シフト組成物。 【請求項2】 上記熱可塑性の有機微粒子の平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ、軟化温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラムの波長シフト組成物。 【請求項3】 体積ホログラムの再生波長を、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせる波長シフト方法において、(a)予め、波長シフト用基材の一方の面へ、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダを含む波長シフト組成物のからなる短波長シフト層を形成する工程、(b)ホログラム形成用感光材料へ、レーザ光を用いて干渉縞を記録し、体積ホログラム層15とする工程、(c)該体積ホログラム層へ、短波長シフト層を積層する工程、(d)該積層状態のまま、所定の時間、所定の温度で加熱することで、体積ホログラムの再生波長を短波長側へシフトする工程、からなることを特徴とする体積ホログラム積層体の製造方法。 【請求項4】 上記加熱温度及び加熱時間を制御することで、シフト後の再生波長を調整することを特徴とする請求項3に記載の体積ホログラム積層体の製造方法。 【請求項5】 基材/必要に応じてプライマ層/波長シフト層/体積ホログラム層/接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなる短波長シフト層と積層した後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。 【請求項6】 基材/必要に応じてプライマ層/体積ホログラム層/波長シフト層/接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなる短波長シフト層と積層した後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。 【請求項7】 プライマ層が接着剤又は粘着剤成分からなることを特徴とする請求項5〜6のいずれかに記載の体積ホログラム積層体。 【請求項8】 基材/波長シフト層/体積ホログラム層/接着剤又は粘着剤成分からなる接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなる短波長シフト層と積層した後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトしたことを特徴とする体積ホログラム積層体。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、体積ホログラムに関し、さらに詳しくは、体積ホログラムの再生波長を撮影波長より短波長とする波長シフト用組成物、並びに波長がシフトされて複製が困難な体積ホログラム積層体、及びその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来技術】ホログラフィーは、ある表面における光波の振幅と位相の両方を記録する技術である。この技術によって作製されたホログラムは、1点から見た映像しかとらえていない通常の写真に比べて、異なる角度から見た立体像を再生することが可能である。また、ホログラムの製造は、複雑で高価な設備と、高度な製造技術が必要であり、製造装置も複雑でかつ高価であるために、ホログラム自身の偽造、変造は一般的に困難で、この偽造の困難性で、この偽造の困難性を利用し、証明書、証券などの偽造防止手段としての使用が試みられている。 【0003】しかしながら、体積ホログラムは、該ホログラムを原版として、複製用の感光材料を重ね密着させて、感光材料側よりレーザ光を照射すれば複製が可能であり、そのため、特開平6−13803号公報では、体積ホログラム層の少なくとも一方の面に偏光制御層を設けることにより、偽造防止体積ホログラム積層体とできることが提案されているが、偏光制御層はその存在を確認されやすいこと、また、レーザ光の偏光方向と偏光制御層の偏光方向を調整する必要があるという問題がある。 【0004】ところが、体積ホログラムの再生波長を変化(シフトという)させれば、上記の方法で複製できなくすることができる。即ち、シフト後の波長を発するレーザ光源が存在しない波長へシフトさせればよい。該波長としては、長波長側、短波長側のいずれの側へでもシフトさせればよい。従来、該波長は長波長へシフトさせることが多く、例えば、特開平5−204288号公報では、ホログラム層をモノマーを含有する拡散要素と接触させて、該モノマーをホログラム層へ移行、膨潤させて、体積位相反射の応答波長を長波長へ変化させる方法が、記載されている。しかしながら、モノマーの移行量がホログラム層組成物の配合や分散度合、及び移行時の温度の影響を大きく受けて、膨潤度合(長波長へのシフト度合)が安定せず再現性が乏しいという問題点がある。また、該波長は短波長へシフトさせる場合は、例えば、T.J.CvetovichはApplications of Holography,Proc.SPIE,523,pp 47−51,1985に、最初の露光に先だってトリエタノールアミンで膨潤させた後に乾燥、収縮させて、体積位相反射の応答波長を短波長へ変化させる方法が、公開されている。しかしながら、湿式で膨潤させ、収縮させる量を信頼性をもって制御するのは難しいので、再現性をもってホログラムを作製することは困難であるという欠点がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダから短波長シフト層と積層し加熱した後に、電離放射線を照射して定着させることで、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせる体積ホログラムの波長シフト組成物、並びに体積ホログラム積層体、及びその製造方法を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係わる体積ホログラムの波長シフト組成物は、体積ホログラムの再生波長を、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせる波長シフト組成物において、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなるようにしたものである。本発明によれば、再生波長が撮影波長と比較して短波長側へシフトして、複製することが困難な体積ホログラムが提供される。請求項2の発明に係わる体積ホログラムの波長シフト組成物は、上記熱可塑性の有機微粒子の平均粒子径が0.5〜10μmで、かつ、軟化温度が60℃以上であるようにしたものである。本発明によれば、上記波長シフトのシフト量を加熱温度及び加熱時間で制御することで、再生波長の異なる体積ホログラムが提供される。請求項3の発明に係わる体積ホログラム積層体の製造方法は、(a)予め、波長シフト用基材の一方の面へ、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダを含む波長シフト組成物のからなる短波長シフト層を形成する工程、(b)ホログラム形成用感光材料へ、レーザ光を用いて干渉縞を記録し、体積ホログラム層15とする工程、(c)該体積ホログラム層へ、短波長シフト層を積層する工程、(d)該積層状態のまま、所定の時間、所定の温度で加熱することで、体積ホログラムの再生波長を短波長側へシフトする工程、からなるように、また、請求項4の発明では、上記加熱温度及び加熱時間を制御することで、シフト後の再生波長を調整するようにしたものである。本発明によれば、複雑な工程を経なければならない波長シフトを、別個に作製した3つのフィルムを組み合わせることで、容易に波長シフトでき、また、その波長シフト量は加熱温度及び加熱時間を制御することができる体積ホログラム積層体の製造方法が提供される。請求項5の発明に係わる体積ホログラム積層体は、基材/必要に応じてプライマ層/波長シフト層/体積ホログラム層/接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダから短波長シフト層と積層した後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせるように、また、請求項6の発明では、基材/必要に応じてプライマ層/体積ホログラム層/波長シフト層/接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダから短波長シフト層と積層し後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせるように、さらにまた、請求項7では、プライマ層が接着層又は粘着層であるようにしたものである。本発明によれば、再生波長がシフトされた体積ホログラム積層体、体積ホログラムラベル、体積ホログラム転写箔が提供される。請求項8の発明に係わる体積ホログラム積層体は、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/接着剤又は粘着剤成分からなる接着層/必要に応じて剥離シートが、順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層の再生波長が、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダからなる短波長シフト層と積層した後に、加熱し、撮影波長と比較して短波長側へシフトさせるようにしたものである。本発明によれば、再生波長がシフトされ、かつ、波長シフト層が保護層を兼ねて耐久性のよい体積ホログラム積層体、体積ホログラムラベル、体積ホログラム転写箔が提供される。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明は、体積ホログラム層の低分子物質が、体積ホログラム層と波長シフト層とを接触させた状態で加熱すると、波長シフト層へ移行することで、再生波長が短波長側へシフトし、かつ、そのシフト量が加熱する温度、時間とに相関するものであることを突き止め、本発明を完成するに至った。本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の1実施例を示す体積ホログラム積層体の断面図である。図2は、本発明の他の実施例を示す体積ホログラム積層体の断面図である。 (積層体、及びラベル)図1は、基材101K、必要に応じてプライマ層11、波長シフト層13、体積ホログラム層15、接着層17、剥離シート103Hが順次積層された本発明の体積ホログラム積層体である。波長シフト層13と体積ホログラム層15とは、後述するように隣接していればよく、逆にしても同様の効果が得られるので、図2は、基材101K、必要に応じてプライマ層11、体積ホログラム層15、波長シフト層13、接着層17、剥離シート103Hの構成で順次積層された本発明の体積ホログラム積層体である。いずれの体積ホログラム積層体は、そのまま用いても良いが、ラベル、転写箔として用いても良い。剥離シート103Hを剥離して、接着層17を露出させて、種々の物品へラベルとして貼着すればよい。また、転写箔の場合は加熱スタンパなどで加圧して転写すればよい。該接着層17は、粘着剤でも熱接着剤でもよく、ラベルの場合には粘着剤を用い圧着し、転写箔の場合には熱接着剤を用いて熱圧着すればよい。 【0008】(波長シフト方法)該体積ホログラム積層体の波長シフト法は、(a)予め、波長シフト用基材の一方の面へ、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダを含む波長シフト組成物のからなる短波長シフト層を形成する工程、(b)ホログラム形成用感光材料へ、レーザ光を用いて干渉縞を記録し、体積ホログラム層15とする工程、(c)該体積ホログラム層へ、短波長シフト層を積層する工程、(d)該積層状態のまま、所定の時間、所定の温度で加熱することで、体積ホログラムの再生波長を短波長側へシフトする工程からなり、さらに、必要に応じて(e)短波長側へシフトされ体積ホログラム層へ、電離放射線を照射して定着させる工程からなる。 【0009】図3は、波長シフト工程に用いる第2フィルム、第1フィルム、第3フィルムの断面図である。波長シフト方法について、材料も含めて具体的に説明して行く。 (第2フィルム)まず、図3(A)に図示する基材101K、必要に応じてプライマ層11、波長シフト層13、必要に応じて剥離シート101Hからなる第2フィルムを作製する。剥離シートは、複数が使用されるのでまとめて後述する。 (基材)基材101Kの材料としては、用途に応じて種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト・ポリブチレンテレフタレ−ト・ポリエチレンナフタレ−ト・ポリエチレンテレフタレート‐イソフタレート共重合体・テレフタル酸‐シクロヘキサンジメタノール‐エチレングリコール共重合体・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6・ナイロン66・ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン・ポリプロピレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート・ポリメタアクリレート・ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレ−ト・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン・ポリフェニレンエ−テル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリアラミド・ポリエーテルケトン・ポリエーテルニトリル・ポリエーテルエーテルケトン・ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリスチレン・高衝撃ポリスチレン・AS樹脂・ABS樹脂などのスチレン系樹脂、セロファン・セルローストリアセテート・セルロースダイアセテート・ニトロセルロースなどのセルロース系フィルム、などがある。 【0010】該基材フィルムは、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該基材フィルムは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材フィルムの厚さは、通常、2.5〜800μm程度が適用できるが、4〜250μmが好適で、6〜100μmが最適である。これ以上の厚さでは、強度が過剰であり、コストも高くなる。これ以下では、強度、及び耐久性不足である。該基材フィルムは、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用し、通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが好適に使用される。該基材フィルムは、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマ(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤などや、ポリアミドやアクリル酸誘導体などが適用できる。 【0011】(プライマ層)プライマー層11は、必要に応じて設ければよく、波長シフト層13との接着性を向上させるために、例えば、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、エポキシ樹脂などが適用できる。 【0012】これらの樹脂を、適宜溶剤に溶解または分散して塗布液とし、これを基材101Kに公知のコーティング法で塗布し乾燥してプライマ層11とする。また、樹脂にモノマー、オリゴマー、プレポリマーなどと、反応開始剤、硬化剤、架橋剤などを適宜組み合わせたり、あるいは、主剤と硬化剤とを組み合わせて、塗布し乾燥して、乾燥または乾燥した後のエージング処理によって反応させて、形成しても良い。該プライマー層11の厚さは、0.05〜10μm程度、好ましくは0.1〜5μmである。 【0013】(波長シフト層)波長シフト層13としては、少なくとも熱可塑性の有機微粒子とバインダを含む波長シフト組成物のからなる。熱可塑性の有機微粒子としては、例えばポリエチレン(低密度・線状)・ポリプロピレン・ポリブテン1などのオレフィン系樹脂、エチレン‐プロピレン共重合体・エチレン‐ブテン共重合体などのオレフィン系共重合樹脂、エチレン‐酢酸ビニル共重合体(EVA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸エチル共重合体(EEA)・エチレン‐アクリル酸共重合体(EAA)・エチレン‐アクリル酸メチル共重合体(EMA)・エチレン‐メタクリル酸共重合体(EMAA)・エチレン‐メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などのオレフィンと他のモノマーとの共重合樹脂、エチレン‐不飽和酸共重合体を金属架橋したアイオノマー、ポリエチレン若しくはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸・メタクリル酸・マレイン酸・無水マレイン酸・フマ−ル酸・イタコン酸などの不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、またはエチレン‐プロピレン共重合体ゴム・エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンゴム・エチレン‐ブタジエン共重合体などのオレフィンを主成分とする弾性共重合体など適用できる。これらは、単独または2種以上の、混合体(ブレンド)として用いても良い。好ましくは、ポリエチレンワックス、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、オレフィンと他のモノマーとの共重合体である。さらに、着色剤、顔料、体質顔料、充填剤、滑剤、可塑剤、界面活性剤、増量剤などの添加剤を加えても良い。 【0014】これらの熱可塑性有機物質を微粒子形状とし、その平均粒子径は、0.1〜30μm程度、好ましくは0.5〜10μmである。この範囲未満では加熱による軟化が早すぎてシフト量の制御が難しく、この範囲以上では、軟化に時間がかかり、また、表面平滑性を失うことにより、積層時に体積ホログラムの画像を乱す恐れがある。さらに、熱可塑性の有機微粒子の軟化温度が60〜200℃、好ましくは70〜170℃である。この範囲以下では常温や置かれた環境温度で軟化が起きて、波長が逐次シフトして終点までいってしまうために制御できない。また、波長のシフトがランダムに起きて画像が乱れてしまう。この範囲以上では、軟化に時間がかかること、及び、ホログラム材料自身に変性、軟化が起こって画像を乱す可能性がある。 【0015】バインダとしては、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹脂としては、軟化温度が200℃以下、平均分子量が10000〜300000、重合度が約50〜2000程度のものでより好ましくは200〜800程度である。例えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ナイロン−シリコン系樹脂、ニトロセルロース−ポリアミド樹脂、ポリフッカビニル、塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、メチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アセチルセルロース等)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エステル共重合体、アミノ樹脂、ポリアミド樹脂など各種の合成ゴム系の熱可塑性樹脂およびこれらの混合物等が使用される。 【0016】これらの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂は、主たる官能基以外に官能基としてカルボン酸(COOM)、スルフィン酸、スルフェン酸、スルホン酸(SO3M)、燐酸(PO(OM)(OM))、ホスホン酸、硫酸(OSO3M)、およびこれらのエステル基等の酸性基(MはH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベタイン型等の両性類基、アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基等、また、水酸基、アルコキシル基、チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン基(F、Cl、Br、I)、シリル基、シロキサン基、エポキシ基、イソシアネート基、シアノ基、ニトリル基、オキソ基、アクリル基、フォスフィン基を通常1種以上6種以内含み、各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6eq〜1×10-2eq含むことが好ましい。 【0017】以上のような官能基を有する樹脂には、有機微粒子の軟化に影響ない範囲で、硬化剤(架橋剤)で硬化させても良い。該硬化剤(架橋剤)としてのポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4・4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1・5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート類、当該イソシアネート類とポリアルコールとの生成物、イソシアネート類の縮合によって生成した2〜10量体のポリイソシアネート、ポリイソシアネートとポリウレタンとの生成物で末端官能基がイソシアネートであるもの等を使用することができる。これらポリイソシアネート類の平均分子量は100〜20000のものが好適である。これらを単独若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若しくはそれ以上の組み合わせによって使用することができる。 【0018】また、硬化反応を促進する目的で、水酸基(ブタンジオール、ヘキサンジオール、分子量が1000〜10000のポリウレタン、水等)、アミノ基(モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等)を有する化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等の触媒を併用することもできる。これらの水酸基やアミノ基を有する化合物は多官能であることが望ましい。これらポリイソシアネートは、バインダー樹脂とポリイソシアネートの総量100質量部あたり2〜70質量部で使用することが好ましく、より好ましくは5〜50質量部である。その他、波長シフト層には、添加剤として、例えば、分散剤、潤滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防黴剤、着色剤等を加えらてもよい。 【0019】以上のように、バインダと、有機微粒子と、必要に応じて添加剤をインキ化した後に、公知のコーティング法で塗布して、乾燥し、必要に応じて、温度30℃〜70℃で適宜エージングして、波長シフト層13を形成すれば良い。インキ化の分散調製の方法は、特に限定はなく、通常の混練・分散機、例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ペブルミル、トロンミル、ツェグバリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、デスパー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレンダー、デスパーザー、ホモジナイザー、単軸スクリュー押し出し機および超音波分散機などが適用できる。デスパー、サンドグラインダー、ボールミルが好適である。また、分散・混練は、これらの分散・混練機を複数備え、連続的に処理を行っても良い。また、熱硬化性樹脂を用いる場合では、樹脂主剤と硬化剤とを塗布直前に溶媒へ分散または溶解して用いれば良い。 【0020】コーティング法としては、例えば、ロールコート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、キスコート、コンマコート、ロッドコ−ト、ブレードコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ナイフコート、スクイズコート、エアードクターコート、エアナイフコート、ダイコート、リップコート、カーテンコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、キャストコート、などが適用できる。波長シフト層13を厚みとしては、乾燥後で0.5〜10μm程度、好ましくは、1〜5μmである。この範囲未満では所要のシフトを実施するに不充分であり、この範囲以上では、量的に過剰となってコストがかかる。 【0021】(第1フィルム)、図3(B)に図示する基材102K、必要に応じてプライマ層11、体積ホログラム層15、剥離シート102Hからなる第1フィルムを作製する。基材102K、該基材102K塗布面への易接着処理、及び必要に応じて添加する添加剤は、それぞれ基材101Kと同様なものが適用できる。(プライマ層)プライマー層11は、必要に応じて設ければよく、体積ホログラム15との接着性を向上させる【0022】(体積ホログラム層)一般に、ホログラム形成用材料としては、銀塩材料、重クロム酸ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、光架橋性樹脂等の公知の体積ホログラム記録材料があげられるが、本発明の体積ホログラム層15とするホログラム形成用感光材料としては、生産の効率上、次の(1)、(2)の感光材料が好適である。 (1)バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素からなる感光材料。 (2)カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系からなる感光材料。 【0023】(1)の感光材料におけるバインダー樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸エステル又はその部分加水分解物、ポリ酢酸ビニル又はその加水分解物、また、アクリル酸、アクリル酸エステルなどの共重合可能なモノマー群の少なくとも1つを重合性分とする共重合体など、又はそれらの混合物が用いられ、また、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリビニルアルコール、又はポリビニルアルコールの部分アセタール化物であるポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等、またはそれらの混合物があげられる。記録されたホログラムを安定化するために、加熱してモノマーを移動させる工程がある。このためには、バインダ樹脂は、ガラス転移温度が比較的低く、モノマー移動が容易に移動できるものが好ましい。 【0024】光重合可能な化合物としては、後述するような、1分子中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する光重合、光架橋可能なモノマー、オリゴマー、プレポリマー、及び、それらの混合物が適用でき、例えば、不飽和カルボン酸、及びその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド結合物があげられる。 【0025】不飽和カルボン酸のモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などがあり、また、脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレートなどがある。 【0026】メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどがある。イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネートなどがある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレエート、トリエチレングリコールジマレエート、ペンタエリスリトールジマレエート、ソルビトールテトラマレエート等がある。 【0027】ハロゲン化不飽和カルボン酸としては、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルアクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレート等がある。また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミト、1,6−ヘキサメチレンビスアクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。 【0028】開始剤系における光重合開始剤としては、1,3−ジ(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、N−フェニルグリシン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)s−トリアジン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、また、イミダゾール二量体類等が例示される。光重合開始剤は、記録されたホログラムの安定化の観点から、ホログラム記録後に分解処理されるのが好ましい。例えば、有機過酸化物系にあっては、紫外線照射することにより、容易に分解されるので好ましい。 【0029】増感色素としては、350〜600nmに吸収光を有するチオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン染料、ローダミン染料、チオピリリウム塩系色素、ピリリウムイオン系色素、ジフェニルヨードニウムイオン系色素等が例示される。なお、350nm以下、または600nm以上の波長領域に、吸収光を有する増感色素があってもい。 【0030】バインダ樹脂、光重合可能な化合物、光重合開始剤及び増感色素とからなる、体積ホログラム形成用材料の配合比は次のとおりである。光重合可能な化合物はバインダー樹脂100重量部に対して10重量部〜1000重量部、好ましくは10重量部〜100重量部の割合で使用される。光重合開始剤はバインダー樹脂100重量部に対して1重量部〜10重量部、好ましくは5重量部〜10重量部の割合で使用される。増感色素はバインダー樹脂100重量部に対して0.01重量部〜1重量部、好ましくは0.01重量部〜0.5重量部の割合で使用される。その他、体積ホログラム形成用材料の成分としては、例えば、可塑剤、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び各種の非イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤があげられる。 【0031】(1)の感光材料は、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、キシレン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、酢酸エチルイソプロパノールなどの単独または混合溶剤を使用し、固形分15%〜25%程度の塗布液とする。該塗布液を使用し、支持体フィルムが枚葉(1枚毎のシート)の状態で塗布するのであれば、バーコート、スピンコート、又はディッピング等により、支持体フィルムがロール状の長尺の状態で塗布するのであれば、グラビアコート、ロールコート、ダイコート、又はコンマコート等により塗布し、乾燥及び/又は必要に応じて硬化させる。このようにして得られる体積ホログラム形成用材料の厚みは、0.1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmであり、必要に応じて保護フィルムが貼着する。該保護フィルムとしては、厚さ10μm〜100μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルムなどの透明性が高く、平滑性が高い樹脂フィルムをゴムローラー等で貼り合わせるとよい。また、感光性材料として、例えば、デュポン社製の市販品「オムニデックス801」などを使用してもよい。 【0032】(1)の感光材料は、2光束のレーザ光を使用して記録する。該レーザ光としては、例えば、可視領域であるアルゴンレーザにおける514.5nm、488nm、457.9nmの波長光、また、クリプトンレーザにおける647.1nm、568.2nm、520.8nmの波長光、さらに、クリプトンレーザ(1.5W)における337.5nm、350.7nm、356.4nmの波長光、また、アルゴンレーザ(40mW)における351.1nm、368.8nmの波長光、またネオンレーザ(50mW)における332.4nmの波長光、カドミウムレーザ(15mW)における325.0nmの波長光などが適用できる。 【0033】このうちの一波長を取り出して、光重合開始剤を励起可能とする波長を使用して干渉縞を記録するか、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、保護フィルムを剥がしてから、体積ホログラム形成用材料に直接、体積ホログラムの原版を密着し、体積ホログラム形成用材料の支持体フィルム側からレーザを入射し、原版からの反射光と入射した光の干渉縞を記録し、体積ホログラムの情報を記録される単色ホログラム、カラーホログラムである。その後、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光源から、0.1〜10,000mJ/cm2、好ましくは、10〜1,000mJ/cm2、の紫外線照射により光重合開始剤を分解する工程、及び加熱処理、例えば、120℃で120分の加熱により、光重合可能な化合物を拡散移動させる工程を順次経て、安定な体積ホログラムとする。 【0034】次に、(2)の体積ホログラム記録用感光材料は、室温で液状であるカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定の波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定の波長の光に対しては低感光性であり、別の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系からなる。 【0035】この感光材料は、支持体上に塗布された後に、光ラジカル重合開始剤系が感光するレーザ光などの光を照射し、次いで、光カチオン重合開始剤系が感光する上記レーザ光とは別の波長の光を照射することによって、ホログラム記録される。レーザ光などの光を照射(以下、第1露光という)によって、ラジカル重合性化合物を重合させた後に、カチオン重合性化合物は、その次に行う全面露光(以下、後露光という)によって、組成物中の化合物を重合させた後に、光カチオン重合開始剤系を分解させて発生するブレンステッド酸あるいはルイス酸によってカチオン重合するものである。 【0036】カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物の重合が終始比較的低粘度の組成物中で行われるように、室温で液状のものが用いられる。該カチオン重合性化合物としては、ジグリセロールジエーテル、ペンタエリスリトールポリジグリシジルエーテル、1,4‐ビス(2,3‐エポキシプロポキシ‐フルオロイソプロピル)シクロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、1,6‐ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどがある。 【0037】また、ラジカル重合性化合物としては、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、ラジカル重合性化合物の平均屈折率は、上記カチオン重合性化合物のそれよりも大きく、好ましくは0.02大きいとよく、小さいと屈折率変調が不十分となり好ましくない。ラジカル重合性化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、2‐ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2‐フェノキシエチルアクリレート、2,3‐ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β‐アクリロキシエチルハイドロゲンフタレートなどがある。 【0038】光ラジカル重合開始剤系は、ホログラム作製のための第1露光によって、活性ラジカルを生成し、該活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させる開始剤系であればよく、また、一般に光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物や酸発生化合物を組み合わせて用いてもよい。ラジカル重合開始剤系における増感剤は、可視レーザ光を吸収するために色素のような有色化合物が用いられる場合が多いが、無色透明ホログラムとする場合にはシアニン系色素が好ましい。シアニン系色素は一般に光によって分解しやすいため、本発明における後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することにより、ホログラム中の色素が分解されて、可視域に吸収を持たなくなり、無色透明なホログラムが得られる。 【0039】シアニン系色素の具体例としては、アンヒドロ−3,3’−ジカルボキシメチル−9−エチル−2,2’−チアカルボシアニンベタイン、アンヒドロ−3−カルボキシメチル−3’,9’−ジエチル−2,2’チアカルボシアニンベタイン、3,3’,9−トリエチル−2,2’−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,9−ジエチル−3’−カルボキシメチル−2,2’−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、 3,3’,9−トリエチル−2,2’−(4,5,4’,5’−ジベンゾ)チアカルボシアニン・ヨウ素塩、2−[3−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)−1−プロペニル]−6−[2−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリデン)エチリデンイミノ]−3−エチル−1,3,5−チアジアゾリウム・ヨウ素塩、2−[[3−アリル−4−オキソ−5−(3−n−プロピル−5,6−ジメチル−2−ヘンゾチアゾリリデン)−エチリデン−2−チアゾリニリデン]メチル]3−エチル−4,5−ジフェニルチアゾリニウム・ヨウ素塩、1,1’,3,3,3’,3’−ヘキサメチル−2,2’−インドトリカルボシアニン・ヨウ素塩、3,3’−ジエチル−2,2’−チアトリカルボシアニン・過塩素酸塩、アンヒドロ−1−エチル−4−メトキシ−3’−カルボキシメチル−5’−クロロ−2,2’−キノチアシアニンベタイン、アンヒドロ−5,5’−ジフェニル−9−エチル−3,3’−ジスルホプロピルオキサカルボシアニンヒドロキシド・トリエチルアミン塩などが挙げられ、これらの1種以上を使用してよい。 【0040】シアニン系色素と組み合わせて用いてもよい活性ラジカル発生化合物としては、ジアリールヨードニウム塩類、あるいは2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類が挙げられる。高い感光性が必要なときは、ジアリールヨードニウム塩類の使用が特に好ましい。上記ジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4’−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4’−ジメトキシジフェニルヨードニウム、4,4’−ジターシャリーブチルジフェニルヨードニウム、3,3’−ジニトロジフェニルヨードニウムなどのクロリド、ブロミド、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメタンスルホン酸塩、9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホン酸塩などが例示される。又2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが例示される。 【0041】光カチオン重合性開始剤系は、第1露光に対しては低感光性で、第1露光とは異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤系とするとよく、第1露光の間はカチオン重合性化合物を重合させないものが特に好ましい。光カチオン重合開始剤系としては、例えば、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、鉄アレン錯体類などがある。ジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては、光ラジカル重合開始剤系で示したルヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロアンチモネートなどがある。トリアリールスルホニウム塩類で、で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4‐ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウムなどがある。 【0042】感光性組成物には、必要に応じてバインダ樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色料、などを併用してもよい。バインダ樹脂は、ホログラム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、レーザ光などの光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。バインダ樹脂は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性化合物と相溶性のよいものであればよく、例えば、塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニルなどがある。バインダ樹脂は、その側鎖又は主鎖にカチオン重合性基などの反応性を有していてもよい。 【0043】感光性組成物の組成において、組成物全質量に対してカチオン重合性化合物は2〜70質量%、好ましくは10〜50質量%、ラジカル重合性化合物は30〜90質量%、好ましくは40〜70質量%、光ラジカル重合開始剤系は0.3〜8質量%、好ましくは1〜5質量%、光カチオン重合開始剤系は0.3〜8質量%、好ましくは1〜5質量%程度である。感光性組成物は、必須成分及び任意成分をそのまま、もしくは必要に応じて、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、トルエンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、メタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロフルムなどのハロゲン系溶媒と配合して、冷暗所にて、例えば、高速攪拌機を使用して混合して調整する。 【0044】感光性組成物からなる記録層は、上記感光性組成物を(1)の感光材料と同様な塗布法で塗布し乾燥して形成することができる。塗布量は、適宜選択されるが、例えば、乾燥後の膜厚が1〜50μmである。 【0045】(2)の感光材料による記録層は、通常のホログラフィー露光装置によって、例えば、波長300〜1200nmのレーザ光を使用して、ラジカル重合性化合物を重合させて、その内部に干渉縞が記録される。この段階で、記録された干渉縞による回折光が得られホログラムが形成されるが、未反応のまま残っているカチオン重合性化合物を更に重合させるために、後露光として光カチオン重合開始剤系の感光する波長200〜700nmの光を全面照射して、ホログラムを形成するとよい。なお、後露光の前に熱や赤外線で処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半値幅などを変化させることもできる。 【0046】(ホログラム撮影)(b)ホログラム形成用感光材料へ、レーザ光を用いて干渉縞を記録し、体積ホログラム層15とする工程、該工程は感光材料の説明で述べてきた公知の体積ホログラム撮影方法が適用できる。 【0047】図4は、波長シフトの状況を説明する模式的な断面図である。 (c)該体積ホログラム層15へ、短波長シフト層13を積層する工程、図4(A)は、まず、第1フィルムのホログラム形成層に所定のホログラム画像を記録(露光)した後に、剥離シート102Hを剥離除去して、次いで、第2フィルムの剥離シート101Hを剥離除去して、ホログラム層15と波長シフト層13とを対向するように積層する。 【0048】(波長シフト)(d)該積層状態のまま、所定の時間、所定の温度で加熱することで、体積ホログラムの再生波長を短波長側へシフトする工程、本発明の再生波長を短波長へシフトさせる工程として、加熱工程を適用する。波長シフト材料中には熱可塑性の有機微粒子を含んでおり、該有機微粒子の軟化点(TM)前後若しくはそれ以上の温度で加熱することにより、該波長シフト材料の見かけ上の粘度が低下する。このため、比較的移動し拡散しやすいモノマーなどの低分子量物質の残存している未定着の体積ホログラム材料に該波長シフト材料が隣接して積層してあると、軟化点以下の雰囲気では該波長シフト材料の粘性が大きく、体積ホログラム層中の低分子量物質が波長シフト材料へ移動、拡散しない。しかし、軟化点(TM)前後若しくはそれ以上の温度に加熱すると、波長シフト材料の粘性が低下し、体積ホログラム中の低分子量物質が波長シフト材料中に移動、拡散する。一部の低分子量物質を失った体積ホログラム層15は、図4(B)のように収縮し、これによって干渉縞の間隔が狭くなるため再生波長が短波長にシフトする。 【0049】(シフト量の制御)以上のようなメカニズムで波長シフトが起こるため、体積ホログラム層15の低分子量物質の波長シフト材料中への移行量が少ない場合、体積ホログラム層15の収縮が小さく、波長のシフト量は小さい。一方、低分子量物質の移行量が多い場合、体積ホログラム層15の収縮が大きく、波長のシフト量は大きくなる。低分子量物質の移行量は、低分子量物質の移行速度(拡散速度:加熱温度≧TM)と移行時間(拡散時間:加熱時間)の積となることから、加熱温度と、加熱時間の制御を行うことにより、低分子量物質の移行量を調整することが可能であり、その結果、波長シフト量を制御することができる。本発明による波長シフトは、撮影に用いた撮影波長より短波長側にシフトすればよく、また、好ましくは撮影に用いた撮影波長より10nm以上、さらに好ましくは15nm以上短波長側にシフトさせることである。このようにすることで、撮影に用いたレーザ光源をもってしても、複製は極めて困難で、偽造防止に役立つ。 【0050】(定着)さらに、必要に応じて、(e)短波長側へシフトされた体積ホログラム層15へ、電離放射線を照射して定着させる工程を行う。該工程は、体積ホログラム層15の再生波長が、所定の波長へシフトしたところで、電離放射線を照射して定着させて固定させる。電離放射線としては電磁波が有する量子エネルギーで区分する場合もあるが、本明細書では、すべての紫外線(UV‐A、UV‐B、UV‐C)、可視光線、ガンマー線、X線、電子線を包含するものと定義する。従って、電離放射線としては、紫外線(UV)、可視光線、ガンマー線、X線、または電子線などが適用できるが、紫外線、電子線が好適であり、装置の安全性や取扱い性などから紫外線が最適である。紫外線照射に用いる紫外線(UV)ランプは、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプが適用でき、紫外線の波長は200〜400nm程度で、組成物に応じて波長を選択すれば良い。その照射量は、組成物の材質や量と、UVランプの出力と、加工速度に応じて照射すれば良い。 【0051】(第3フィルム)図3(C)に図示する必要に応じて剥離シート103HH、接着層17、剥離シート103Hからなる第3フィルムを作製する。 (接着層)接着層17に用いる接着剤としては、加熱によって軟化または溶融して接着する熱接着型接着剤、加圧によって接着する粘着型接着剤などが適用できる。粘着型接着剤としては、天然ゴム系、再生ゴム系、クロロプレンゴム系、ニトリルゴム系、スチレン・ブタジエンゴム系、熱可塑性エラストマー系などのエラストマー系接着剤がある。粘着型接着剤を用いる接着層17の形成は、上記の樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコートなどのコーティング方法で乾燥後の厚さが10〜100μm程度になるように塗布し、乾燥して、接着層17を形成させる。 【0052】熱接着型接着剤としては、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン‐(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン‐(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系・メタクリル系などの(メタ)アクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、メラミン‐アルキッド樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニールエーテル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂などが適用できる。これらの樹脂を、単独または複数を組み合せて使用でき、必要に応じて、適宜添加剤を加えても良い。 【0053】上記の樹脂を溶媒へ分散または溶解して、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコートなどのコーティング方法で乾燥後の厚さが2〜50μm程度になるように塗布し、乾燥および/または硬化させて、接着層17を形成させる。 【0054】該第3フィルムの剥離シート103HHを剥離して、さらに、先に波長シフトさせた図4(B)に図示する体積ホログラム層15に積層された剥離シート102Hを剥離除去して、露出したホログラム層15と接着層17とを対向するように加熱下(たとえば、100〜180℃)で積層する。このようにして、基材101K、必要に応じてプライマ層11、波長シフト層13、体積ホログラム層15、接着層17、剥離シート103Hが順次積層された本発明の体積ホログラム積層体がえられる。剥離シート103Hを剥離して接着層17を露出させ、接着層17が粘着剤の場合はラベルとして使用できる。また、接着層17が熱接着剤の場合は感熱ラベルとして、被転写体へ加熱加圧すれば貼着することができる。 【0055】(剥離シート)剥離シート101H、102H、103H、及び、剥離シート102HH、103HHは、当業者が、所謂セパ紙(セパレート紙、剥離シートとも呼ばれる)と呼ぶ、上質紙・コート紙・含浸紙・プラスチックフィルムなどの基材の片面に離型層を有している。本発明に使用する剥離シートの基材としては、平滑性からポリエチレンテレフテレートなどのプラスチックフィルムが好適である。該プラスチックフィルムの厚さは、特に制限はないが、通常、6〜250μm程度、12〜100μm程度が好適である。この範囲未満であると、薄くて機械的強度が不足し、切断したり、シワが発生したりする。一方、この範囲以上では、強度が過剰でありコストもかかる。 【0056】(離型層)該離型層としては、離型性を有する材料であれば、特に限定されないが、例えば、シリコーン樹脂、有機樹脂変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アミノアルキド樹脂、ポリエステル樹脂などがある。これらの樹脂は、エマルジョン型、溶剤型又は無溶剤型のいずれもが使用できる。 (剥離シートの離型層の厚さ)該離型層の厚さは、特に制限はないが、通常、0.01〜3μm程度、0.05〜1μmが好適である。この厚みが0.01μm未満であると、基材フィルムの被覆が十分でなく、剥離不良が発生する。一方、厚みが3μmより厚いと、未反応物や低分子のシリコーンの絶対量が増え、低分子シリコーンの移行やブロッキングの原因となる。離形層の剥離力は、粘着剤テープに対し、1〜2000mN/cm程度、さらに100〜1000mN/cmであることが好ましい。離形層の剥離力が1mN/cm未満の場合は、粘着シートや被粘着材との剥離力が弱く、剥がれたり部分的に浮いたりする。また、2000mN/cmより大きい場合は、離形層の剥離力が強く、剥離しにくい。安定した離形性や加工性の点で、ポリジメチルシロキサンを主成分とする付加及び/又は重縮合型の剥離シート用硬化型シリコーン樹脂が好ましい。 【0057】(剥離シートの離型層の形成)離形層は、離形層成分を分散および/または溶解した塗液を、基材フィルムの片面に塗布し、加熱乾燥および/または硬化させて形成する。該塗液の塗布方法としては、公知で任意の塗布法が適用でき、例えば、ロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、コンマコート、バーコート、ワイヤーバーコート、ロッドコ−ト、キスコート、ナイフコート、ダイコート、フローコート、ディップコート、スプレーコートなどである。また、離形層は、必要に応じて、基材フィルムの少なくとも片面の、全面または一部に形成すれば良い。 【0058】また、第3フィルムは、剥離シート103HH、接着層17、剥離シート103Hからなり、両側が剥離層からなっている。前述したように、第3フィルムから一方の剥離シートを剥がす際に、両側の剥離シートの剥離力が同じでは、一方のみがスムースに剥がれない。このために剥離シート103HHと剥離シート103Hとの剥離力に差を付けておく。 【0059】図2に図示する他の実施例を示す体積ホログラム積層体は、第2フィルムと第1フィルムの順を入れ換えるだけでよく、体積ホログラム層15と波長シフト層13とは隣接しているので、同様の効果が得られる。 【0060】 【実施例】(実施例1)まず、第2フィルム、第1フィルム、第3フィルムのそれぞれフィルムを、独立の工程によって別々に作製して準備する。 (第2フィルムの作製)第2フィルムは厚さ50μmのルミラーT60(東レ社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム商品名)上に、下記組成の波長シフト層を乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布し乾燥した。 組成・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量35000) 97質量部 ・ポリエチレンワックス(分子量10000、平均粒径5μm)3質量部 ・メチルエチルケトン 200質量部 ・トルエン 200質量部【0061】(第1フィルムの作製)第1フィルムは、厚さ50μmのルミラーT60(東レ社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム商品名)上に、下記組成の感光性材料を乾燥後の膜厚が10μmになるように塗布し、厚さ38μmのSP−PET(トーセロ社製、表面離型処理PETフィルム、剥離シート商品名)を積層(ラミネート)した。 ・組成 ・ポリメチルメタクリレート系樹脂(分子量200,000) 500質量部 ・3,9‐ジエチル‐3’‐カルボキシルメチル‐2,2’‐チアカルボキシアニン沃素塩 5質量部 ・ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート 60質量部 ・2,2’‐ビス[4‐(アクリロキシジエトキシ)フェニル]プロパン 800質量部 ・ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル 800質量部【0062】(第3フィルムの作製)第3フィルムは、厚さ50μmのSP−PET軽剥離タイプ(トーセロ社製、表面離型処理PETフィルム、剥離シート商品名)上に、下記組成の粘着剤を乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し乾燥して、厚さ50μmのSP−PET(トーセロ社製、表面離型処理PETフィルム、剥離シート商品名)をラミネートした。 組成・ニッセツPE118 (日本カーバイド社製、アクリル系粘着剤商品名)100質量部 ・メチルエチルケトン 40質量部 ・酢酸エチル 15質量部 ・ニッセツCK101 (日本カーバイド社製、イソシアネート架橋剤商品名)2質量部【0063】次に、ホログラムを記録し、波長シフト層を積層する。まず、第1フィルムへ、波長532nmのレーザ光を用いてリップマンホログラムを撮影し記録した。次いで、該第1フィルムの剥離シートを剥がして露出した体積ホログラム層面へ、第2フィルムの剥離シートを剥がして露出した波長シフト層面を重ねて、80℃の熱ロール間を通過させて積層して、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体とした。該積層体を加熱し、波長がシフトした後に定着させる。130℃の雰囲気下で、5分間維持した後に、高圧水銀灯で、2500mJ/cm2の紫外線を照射して定着した。定着後に、体積ホログラム層面の剥離シートを剥がして露出した体積ホログラム層へ、第3フィルムの軽剥離力の剥離シートを剥がして露出した接着層面を重ねて、50℃の熱ロール間を通過させて積層して、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/接着層/剥離シートからなる本発明の体積ホログラム積層体を得た。得られた体積ホログラム積層体の、体積ホログラムの再生波長は502nmであった。また、該体積ホログラムの画像に乱れはなく、再生波長のみが短波長へシフトされることができた。 【0064】(実施例2〜9)第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表1」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜9の体積ホログラム積層体を得た。 【0065】 【表1】
【0066】(比較例1〜3)第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表1」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の体積ホログラム積層体を得た。また、第2フィルムを使用せず、第1フィルムの基材/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表1」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2〜3の体積ホログラム積層体を得た。 【0067】(実施例10)第2フィルムを下記のように作製し、かつ、第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表2」に示すの雰囲気温度、及び維持時間としたた以外は、実施例1と同様にして、実施例10の体積ホログラム積層体を得た。 (第2フィルム)第2フィルムは厚さ50μmのルミラーT60(東レ社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム商品名)上に、下記組成の波長シフト層を乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布し乾燥した。 組成・ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量35000) 97質量部 ・ポリエチレンワックス(分子量10000、平均粒径2μm)3質量部 ・メチルエチルケトン 200質量部 ・トルエン 200質量部【0068】 【表2】
【0069】(実施例11〜18)第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表2」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例10と同様にして、実施例11〜18体積ホログラム積層体を得た。 【0070】(比較例4〜6)第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表2」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例10と同様にして、比較例4の体積ホログラム積層体を得た。また、第2フィルムを使用せず、第1フィルムの基材/体積ホログラム層/剥離シートの積層体を、「表2」に示すの雰囲気温度、及び維持時間とした以外は、実施例10と同様にして、比較例5〜6の体積ホログラム積層体を得た。 【0071】(実施例19〜22)(比較例7〜10) 第2フィルムの波長シフト層中の有機微粒子としてポリエチレンワックスの軟化温度、及び平均粒径、並びに第1及び第2フィルムを積層して得られた、基材/波長シフト層/体積ホログラム層/剥離シートの積層体の雰囲気温度、及び維持時間を、「表3」に示すとした以外は、実施例1と同様にして、実施例19〜22、比較例7〜10の体積ホログラム積層体を得た。 【0072】 【表3】
【0073】(結果)実施例、及び比較例で得られた体積ホログラムの再生波長、及び画像の乱れで評価し、表1〜3に記載した。体積ホログラムの画像の乱れは目視で観察して、著しい変化のないものを合格とし、○印で示した。実施例のいずれもの再生波長は、撮影波長より10nm以下の波長へシフトされていた。また、シフト後の体積ホログラム画像の乱れは、目視では認められなかった。比較例では、波長はシフトされないか、画像が乱れていた。 【0074】 【発明の効果】実施例のいずれもの再生波長は、撮影波長より10nm以下の波長へシフトされている。また、シフトする温度、時間でシフト後の波長が変わっており、シフト条件によって波長を制御することができる。さらに、シフト後の体積ホログラム画像の乱れは、目視では認められず、再生波長のみがシフトされている。 【0075】本発明のシフト後の体積ホログラムを原版として、複製用の感光材料を重ね密着させて、感光材料側より波長532nmレーザ光を照射したが、複製することができなかった。即ち、市場に出回っている体積ホログラム積層体を用いて、偽造することはできないので、偽造防止の用途に適用するができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002897 【氏名又は名称】大日本印刷株式会社 【住所又は居所】東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号
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| 【出願日】 |
平成14年4月23日(2002.4.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100111659 【弁理士】 【氏名又は名称】金山 聡
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| 【公開番号】 |
特開2003−316240(P2003−316240A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月7日(2003.11.7) |
| 【出願番号】 |
特願2002−121292(P2002−121292) |
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