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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】志賀 雄基
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラミタ株式会社内

【氏名】沖 恒生
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 京セラミタ株式会社内

【要約】 【課題】カセットを確実に正規のセット位置にできる画像形成装置を提供する。

【解決手段】用紙収容部8Aは、本体2に固定されたベース82、およびベース84上に配設されたカセット81を有している。カセット81の前面81aには、その左右両側に弾性変形可能に形成された当たり部材85L,85Rが設けられている。また、カセット前面81aに対向するハウジング2の前面22側には、たとえば左右一対の前扉4L,4Rが設けられており、この前扉4L,4Rは、本体2を覆ったり開けたりすることのできる観音開きにされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】本体に対して前後方向にスライドし、前方へ引き出すことができると共に、後方へ押し込むことにより所定の位置にセットされる用紙収容カセットと、本体前面を覆ったり開けたりできるように、前記本体に対して開閉可能に設けられた前扉と、前記用紙収容カセットの前面に備えられ、前記前扉が閉じられたときに前扉に押されて前記所定の位置まで押し込まれていない用紙収容カセットを前記所定の位置にセットさせるための当たり部材とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】前記当たり部材は、弾性変形可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】前記前扉は、観音開きの左右一対の扉からなり、前記当たり部材は、前記カセットの左右両側前面に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関し、特に、スライド式の用紙収容カセットおよび開閉可能な前扉を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、日本工業規格(JIS)のA列0番(以下、「A0」という。)といったサイズの幅広の用紙に画像を形成することができる画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置には、ロール紙を収容可能なロール紙収容カセットや、カット紙を収容可能なカット紙収容カセットが備えられているものがある。
【0003】このような画像形成装置においては、これらカセットが、画像形成装置に対して装置の前方へスライド式に引き出すことができると共に、引き出し位置から後方へスライド式に押し込むことによって、収容可能に設けられている。また、カセットに収容された用紙を送り出すために設けられたギヤがカセットの後方に備えられていて、画像形成装置内では、後方へ押し込まれたカセットから用紙を送り出すために設けられたロール体などを回転駆動させるギヤが備えられている。カセットを引き出し位置から後方へ押し込むと、装置内で、カセットに設けられたギヤが、装置内に配設されたギヤと噛み合うことによって、カセットが正規のセット位置にされる。そして、前扉を閉じた後、画像形成するための用紙が供給できるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ユーザがカセットを押し込んだ時の力が弱いと、装置内のギヤとカセットに設けられたギヤとがうまく噛み合わない場合があり、カセットが正規のセット位置にならない。また、正規のセット位置になったカセットの前面と前扉との間には、通常、多少の隙間があるから、カセットがセット位置になっていなくても前扉を閉じることができる。このとき、ユーザは、カセットが正規のセット位置でないことに気付かず、画像形成のための用紙を供給することができない。
【0005】この発明は、かかる背景の下になされたものであり、その目的は、カセットを確実に正規のセット位置にできる画像形成装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、本体(2)に対して前後方向にスライドし、前方へ引き出すことができると共に、後方へ押し込むことにより所定の位置にセットされる用紙収容カセット(81)と、本体前面(22)を覆ったり開けたりできるように、前記本体に対して開閉可能に設けられた前扉(4L,4R)と、前記用紙収容カセットの前面(81a)に備えられ、前記前扉が閉じられたときに前扉に押されて前記所定の位置まで押し込まれていない用紙収容カセットを前記所定の位置にセットさせるための当たり部材(85;85L,85R)とを設けたことを特徴とする画像形成装置(1)である。
【0007】なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。上記の構成によれば、本体に対して前後方向にスライドし、前方へ引き出すことができると共に、後方へ押し込むことができる用紙収容カセットの前面に当たり部材が設けられている。この当たり部材は、用紙収容カセット前面と前扉との間にある隙間をなくすために設けられている。そのため、用紙収容カセットが所定の位置(用紙を供給することができる位置)にされていない場合に、開閉可能な前扉が閉じられる過程で、前扉は用紙収容カセット前面の当たり部材と接触し、前扉を閉じると共に用紙収容カセットを所定の位置に押し込むことができる。これにより、用紙収容カセットを確実に所定の位置にセットすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0008】カセットは、後方へ押し込まれるとき、前端から後端近傍までスムーズにスライドするか、後端近傍でカセットのギヤが本体側のギヤと当たり、その位置から少し強めの押圧力を加えないと、ギヤ同士が噛合する正規のセット位置に達しない。不慣れなユーザの場合等は、ギヤ同士が当たったときに、カセットがセットされたと勘違いすることがある。この発明は、かかる場合に、前扉を閉じることにより、前扉が当たり部材を介してカセットをもうひと押しし、カセットがセット位置にセットされるようにしたものである。
【0009】請求項2記載の発明は、前記当たり部材は、弾性変形可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置である。上記の構成によれば、当たり部材は、弾性変形可能に形成されている。そのため、前扉が閉じられた状態で当たり部材と前扉とが接触しても、当たり部材は弾性変形されて、当たり部材にかかる力は分散される。したがって、用紙収容カセット前面と前扉との間にある隙間に当たり部材を設けても、前扉が閉じることができなくなるおそれはない。
【0010】請求項3記載の発明は、前記前扉は、観音開きの左右一対の扉(4L,4R)からなり、前記当たり部材は、前記カセットの左右両側前面に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の記載の画像形成装置である。上記の構成によれば、観音開きの左右一対の扉と、カセットの左右両側前面にそれぞれ当たり部材とが設けられている。たとえば、ユーザが、用紙を収容したカセットを本体に対して後方にスライドさせて押し込んで、カセットを所定の位置まで押し込むことができていなければ、観音開きの左右一対の扉が閉じられるとき、各扉は、カセットの左右両側前面に最初に接触する。つまり、各扉が最初にカセットに接触する位置に当たり部材が設けられているから、前扉を閉じる動作によって、前扉とカセットの左右両側前面に設けられた当たり部材とが接触して、確実にカセットを押し込むことができる。これにより、カセットを確実に所定の位置にセットすることが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態にかかる複写機1を図解的に示す外観正面図である。この複写機1は、A0サイズの用紙まで複写できる、いわゆる幅広タイプの複写機1である。複写機1は、その本体2の外形がほぼ矩形をなしており、本体2の上部には、原稿の画像を読取るための画像読取り部3が備えられている。本体2の前面22側には、画像形成後の用紙が排出される排出口11が備えられており、その排出口11の下方には、観音開きの左右一対の前扉4L,4Rが備えられている。前扉4L,4Rの前面には樹脂板14L,14Rが設けられている。前扉4L,4Rが開状態にされると、複写機1本体内部にアクセスすることができるようになっている。
【0012】図2は、この発明の一実施形態にかかる複写機1の構成を示す断面概略図である。この図2において、上述の図1に示された部位と同等の部位には、図1の場合と同一の参照符号を付す。複写機1は、原稿の画像を読み取るための画像読み取り部3の他に、ロール紙やカット紙などの用紙を収容するための用紙収容部8、用紙を搬送するための用紙搬送経路5、読み取られた原稿の画像に基づくトナー像を形成し、そのトナー像を搬送されてくる用紙に転写するための画像形成部6、および用紙に転写されたトナー像を定着するための定着装置7などを備えている。
【0013】画像形成部6は、本体2内の上部に配置されており、図2において、反時計回りに回転駆動される感光体ドラム61を備えている。感光体ドラム61は、その外周面に感光層を有していて、メインチャージャ62の放電によって一様に帯電された後、画像読取り部3で読み取られた原稿の画像に基づいて、LEDプリントヘッド63から照射された光によって露光される。これにより、感光体ドラム61の表面には、いわゆる静電潜像が形成される。
【0014】静電潜像が形成された感光体ドラム61の表面には、現像装置64によってトナーが付着され、トナー像が形成される。このトナー像形成動作に合わせて、用紙収容部8から用紙が搬送される。用紙収容部8は、たとえば上中下3段で用紙が収容できるようにされている。上段の用紙収容部8Aには、たとえばカット紙を収容可能なカット紙収容カセット81が設けられていて、そのカセット81の後方には、カセット81に収容された用紙を送り出すためのギヤ811が設けられている。
【0015】カセット81は、前扉4L,4Rを開けて、本体2に対して前方にスライド式に引き出し、また、引き出し位置からスライド式にセット位置に収容可能にされている。カセット81が引き出し位置から後方にスライド式に収容されると、カセット81後方のギヤ811は、用紙を送り出すために本体2内部に設けられたロール体などを回転駆動させるギヤ812と噛み合う。すなわち、この状態で、カセット81が用紙搬送のための正規のセット位置に収容されたことになる。
【0016】中段の用紙収容部8Bおよび下段の用紙収容部8Cには、たとえば幅広の用紙として供給するロール紙を収容可能で、本体2に対して、カット紙収容カセット81と同様に、前扉4L,4Rを開けて前方にスライド式に引き出し、また、引き出し位置からスライド式にセット位置に収容可能なロール紙収容カセット82,83が設けられている。これらロール紙収容カセット82,83の後方には、それぞれ、カセット82,83に収容された用紙を送り出すためのギヤ821,831が設けられている。カセット82,83が引き出し位置から後方へスライド式に収容されると、カセット82,83後方のギヤ821,831は、それぞれ、用紙を送り出すために本体2内部に設けられたロール体などを回転駆動させるギヤ822,832と噛み合う。すなわち、この状態で、カセット82,83が用紙搬送のための正規のセット位置に収容されたことになる。
【0017】カセット81,82,83にセットされた用紙のうち、選択された用紙が用紙搬送経路5を通って搬送されて、トナー像の形成された感光体ドラム61表面に接し、転写装置65の放電によって、この用紙にトナー像が転写される。トナー像が転写された用紙は、定着装置7へと導かれ、この定着装置7によって定着処理がなされた後、排出ローラ12によって排出口11から本体2外部に排出される。排出された用紙は、前扉4L,4Rおよび樹脂板14L,14Rで形成されたポケット13に収容できるようになっている。
【0018】図3は、カット紙を収容可能な用紙収容部8Aを図解的に示す平面図である。図3(a)は、カセット81が正規のセット位置にされていない場合に前扉4L,4Rを閉じる際の状態を示す図解図であり、図3(b)は、前扉4L,4Rを閉じた後の、前扉4L,4Rおよびカセット81の状態を示す図解図である。ここでは、カット紙を収容可能な用紙収容部8Aを例示して説明する。用紙収容部8Aは、本体2に固定されたベース84、およびベース84上に配設されたカセット81を有している。カセット81の前面81aの左右両側には、当たり部材85L,85Rが設けられている。また、カセット前面81a側には、本体2に取り付けられた観音開きの前扉4L,4Rが配置されている。
【0019】前扉4L,4Rを開いた状態(図3(a)の二点鎖線の状態)では、ユーザは、カセット81を本体2に対して前方にスライド式に引き出すことができ、このとき、カセット81に用紙を収容することができる。また、このカセット81を本体2に対して後方へスライド式に押し込むことによって、カセット81を本体2内の正規のセット位置にすることができる。ユーザが用紙をカセット81に収容した後、カセット81を本体2内に押し込む際の力が弱いと、カセット81後方のギヤ811(図2参照)が、用紙を送り出すために本体2内部に設けられたロール体などを回転駆動させるギヤ812(図2参照)に当たり、このとき、もう少し強めの押圧力をカセット81に加えないために、ギヤ811,812同士とが噛合する正規のセット位置にカセット81がセットされない状態(図3(a)の実線の状態)が生じ得る。
【0020】本願発明においては、カセット前面81aの左右両側には当たり部材85L,85Rが設けられているので、図3(a)において実線で示すように、カセット81が正規のセット位置にされていなくても、ユーザが前扉4L,4Rを閉じることによって、前扉4L,4Rの内面24L,24Rが当たり部材85L,85Rに接触する。そのため、前扉4L,4Rを閉じることによって、カセット81が、本体2に対して、さらに後方にスライド式に押し込まれる。
【0021】これにより、図3(b)に示すように、前扉4L,4Rが完全に閉じられた状態では、カセット81が確実に正規のセット位置にされる。このように、ユーザが前扉4L,4Rを閉めることによって、確実にカセット81を正規のセット位置にすることができるので、カセット81のセット不良をなくすことができる。図4は、当たり部材85L,85Rを示す図解図である。図4(a)は、当たり部材85L,85Rを図解的に示す斜視図であり、図4(b)は、当たり部材85L,85Rを図解的に示す平面図である。なお、以下、当たり部材85L,85Rを総称するときは、「当たり部材85」という。
【0022】当たり部材85は、接触部85aと、接触部85aの両端部に備えられた係着部85bとを有し、たとえば樹脂で一体的に形成されている。接触部85aは、弾性変形可能に、たとえば湾曲形状に形成されていて、前方に凸形状の湾曲凸面85cを有している。係着部85bは、カセット前面81a側に向かって延びるように形成されており、たとえばカセット前面81aに設けられた係着穴81bに係着されることによって、当たり部材85をカセット前面81aに取り付けることができる。カセット前面81aに取り付けられた当たり部材85は、湾曲凸面85cが前扉内面24L,24Rに対向するように設けられる。
【0023】前扉4L,4Rを閉じると、前扉内面24L,24Rが当たり部材85の湾曲凸面85cに接触し、湾曲凸面85cは、図4(b)において破線で示すように変形される。前扉4L,4Rが開けられると、前扉内面24L,24Rと湾曲凸面85cとの接触が解除されて、湾曲凸面85は、図4(b)において実線で示す形状になる。すなわち、前扉4L,4Rが閉じられた状態において、当たり部材85と前扉内面24L,24Rとが接触しても、当たり部材85は弾性変形し、当たり部材85にかかる力が分散される。また、前扉4L,4Rが開けられた状態では、当たり部材85は、もとの弾性変形されていない形状に容易に戻る。
【0024】これにより、弾性変形可能な当たり部材85をカセット前面81aに設けることで、ユーザが前扉4L,4Rを閉じることによって、正規な位置にないカセット81を確実に正規のセット位置にし、カセット81が正規のセット位置にされたことによって、前扉4L,4Rを閉じることができなくなるおそれがない複写機1を提供することができる。以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の実施形態でも適用できる。たとえば、上述の実施形態において、当たり部材85は、カット紙収容カセット81の前面81aに設けられるとしたが、当たり部材85は、ロール紙収容カセット82,83の前面に設けられてもよい。また、上述の実施形態において、当たり部材85は、カセット81の左右両側に設けられるとしたが、当たり部材85は、カセット81の左右両側のうちのいずれか一方側だけに設けられてもよい。
【0025】その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【出願人】 【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号
【出願日】 平成14年4月23日(2002.4.23)
【代理人】 【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作 (外1名)
【公開番号】 特開2003−316231(P2003−316231A)
【公開日】 平成15年11月7日(2003.11.7)
【出願番号】 特願2002−120920(P2002−120920)