| 【発明の名称】 |
画像形成装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 昭紀 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】特殊紙の画像形成生産性の向上及び最初の画像形成時間の短縮を図る画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送部に構成されて各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットを複数有することで、搬送部における先に搬送されるシートと次に搬送されるシートの間隔を短くして定着部に送出することが可能となり、よって定着速度を落とすようなシートの場合においても、高い画像形成生産性を得ることが可能となる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】像担持体上の現像剤像をシートに転写する転写部と、該転写部からシートを搬送する搬送部と、該搬送部で搬送されたシートの転写された現像剤像を定着する定着部と、を備えた画像形成装置において、前記定着部は様々なシートの種類に対応した複数の定着速度を有し、前記搬送部は各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットを複数有し、前記転写部の転写速度と定着速度がほぼ等しいときの前記定着部における連続するシートの間隔に対して、転写速度よりも定着速度を低下させた場合の前記定着部における連続するシートの間隔が狭いことを特徴とする画像形成装置。 【請求項2】前記搬送部のシート搬送ユニットは2個であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 【請求項3】前記搬送部は装置上通紙可能な最大長さのシートよりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。 【請求項4】定着速度が転写速度に対して遅い場合の、前記搬送部に構成された複数のシート搬送ユニットのシート搬送速度は、そのシートに対応した定着速度にほぼ等しい第1の搬送速度と、転写速度とほぼ等しい第2の搬送速度と、の2速であり、前記定着部に近いシート搬送ユニットの搬送速度が、常にその上流側のシート搬送ユニットの搬送速度と等しいか遅い速度であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像形成装置。 【請求項5】前記搬送部内の複数のシート搬送ユニットのうち、前記定着部に1番近い最下流のシート搬送ユニットの開始点から終了点までの距離をL2、該最下流のシート搬送ユニットの終了点から前記定着部までの距離をL3、更に転写速度をV1、V1よりも遅く設定した定着速度の中で最も速い速度をV2とした場合に、前記最下流のシート搬送ユニットの搬送距離L2は、L2≒{(V1−V2)/V2}×L3で表されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。 【請求項6】前記搬送部に構成された複数の各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットは同じユニットで構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。 【請求項7】転写速度は定着速度にかかわらず、常に1種類の速度であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置に関するものであり、画像の転写部から定着部までシートを搬送するシート搬送ユニットを有する構成に適用し、特にシートの坪量や表面状態或いは出力画像の状態によって定着速度を複数有する場合に用いるものである。 【0002】 【従来の技術】複写機などの画像形成装置において、特に近年厚紙やコート紙等の様々なマテリアルのシートへの対応が市場から求められており、また多くの製品が対応をしつつある状況である。 【0003】一般的に厚紙やそれ以上の超厚紙と呼ばれる坪量が300g/m2クラスの紙などに対して画像を転写し定着する場合は、普通紙以上に定着時の熱量を要する。 【0004】またコート紙等の坪量が大きい場合は厚紙と同様に普通紙以上の熱量を必要とするし、近年特に要求の多い画像の光沢度を通常よりも上げる場合などにおいても、普通紙以上の熱量を定着時に必要とする。 【0005】このため、これらのシートを定着する場合は、定着速度を普通紙の場合に対して遅くすることで、定着部を通過する時間を長く得ることで熱量を多くシートに付与することで対応することが多い。 【0006】定着速度を遅くする場合には、画像をシートへ転写する転写速度は普通紙の場合と同じ速度で定着速度のみ減速する方法と、転写速度ごと定着速度と同じに減速する方法があり、それぞれの方法にて数多く製品化が成されている。 【0007】また一部であるが、定着速度を減速させることはせずに、定着部を通過する紙の間隔を普通紙の場合に対して広くすることで、定着部の熱量を蓄え、回復させることで厚紙などに対応する製品もある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】転写速度は普通紙の場合と同じ速度で、定着速度のみ減速する複写機の例を図8に示す。 【0009】図8(a)は像担持体としての感光ドラム(画像形成部)を4箇所有し、転写ベルト150上にシートとしての記録材(用紙)を吸着させ、各転写部を搬送するものであり、記録材は第4番目の画像形成部101における感光ドラム上の画像を転写部105にて転写させられた後、搬送部160にて搬送され、定着部を構成する定着器109にて記録材上の現像剤としてのトナーを熱定着される。 【0010】詳しい動作を以下に示す。図8(b)に示すように、まず用紙S1は4番目の画像形成部101にて画像転写中であり、この時転写ベルト150及び搬送部160の用紙S1の搬送速度は当然の如く転写速度と等しいV1である。 【0011】次に図8(c)の様に、用紙S1が全て搬送部160に移動すると、搬送部160は定着速度まで減速し、搬送部160及び定着部の用紙搬送速度(=用紙移動速度)はV2になる。 【0012】そのまま用紙S1は速度V2(<V1)にて定着され(図8(d))、用紙後端が搬送部160を抜けた後、搬送部160の搬送速度はV1に増速され、次の用紙S2の搬送に備える(図8(e))。 【0013】この制御の場合、画像形成部における用紙の間隔は、用紙サイズに制御の余裕分及び用紙位置のバラツキを見込んだ値と速度切り替えに要する時間分が加わってしまう。 【0014】通常の複写機などの画像形成部における用紙の間隔(以下、紙間とも言う)は、およそ50〜100mm程度あるが、図8(a)に示す複写機で、用紙サイズをA3とした場合、搬送方向420mmであるため、+α分と合わせて、少なくとも450mm程度になってしまい、定着部における用紙紙間についても、速度V1で前の紙を追いかけるが、V1とV2の速度差にもよるが200〜300mmまでしか縮めることができない。 【0015】つまり、定着速度が遅くなる分に加えて、用紙紙間が広がることも合わせて生産性を落とす結果となってしまうわけである。 【0016】次に転写速度ごと定着速度と同じに減速する方法についてであるが、この場合は画像の転写部の速度も定着速度と等しい値で用紙を搬送する必要がある。 【0017】特に第1の画像形成部から転写部までの距離が非常に長い中間転写方式の複写機などの場合、定着速度つまり普通紙の場合より遅い速度で駆動される範囲が長くなるため、用紙の最初の画像形成時間、すなわちファーストコピー時間(Fcot)が非常に長くなってしまう。 【0018】更に転写部に留まらず、感光ドラムまでも転写速度及び定着速度にて駆動する必要があるため、その分の時間が更に増えることに加えて、画像の潜像から現像までの間に潜像が拡散してしまったり、感光ドラム駆動系の振動の影響が増加するなどして、画像の劣化が発生してしまったりする問題点もある。 【0019】また、定着速度を変えずに、定着部を通過する紙の間隔を普通紙の場合に対して広くすることで、定着部の熱量を蓄え、回復させる方式の場合は、用紙通過時の定着器或いは定着ローラの温度低下が減速する場合に比べて大きく、これにより用紙の先端と後端で定着性が異なり、画像の光沢などが先後端で異なるなどの画像の問題が発生してしまう問題点もある。 【0020】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、特殊紙の画像形成生産性の向上及び最初の画像形成時間の短縮を図る画像形成装置を提供することにある。 【0021】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、像担持体上の現像剤像をシートに転写する転写部と、該転写部からシートを搬送する搬送部と、該搬送部で搬送されたシートの転写された現像剤像を定着する定着部と、を備えた画像形成装置において、前記定着部は様々なシートの種類に対応した複数の定着速度を有し、前記搬送部は各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットを複数有し、前記転写部の転写速度と定着速度がほぼ等しいときの前記定着部における連続するシートの間隔に対して、転写速度よりも定着速度を低下させた場合の前記定着部における連続するシートの間隔が狭いことを特徴とする。 【0022】前記搬送部のシート搬送ユニットは2個であることが好適である。 【0023】前記搬送部は装置上通紙可能な最大長さのシートよりも長いことが好適である。 【0024】定着速度が転写速度に対して遅い場合の、前記搬送部に構成された複数のシート搬送ユニットのシート搬送速度は、そのシートに対応した定着速度にほぼ等しい第1の搬送速度と、転写速度とほぼ等しい第2の搬送速度と、の2速であり、前記定着部に近いシート搬送ユニットの搬送速度が、常にその上流側のシート搬送ユニットの搬送速度と等しいか遅い速度であることが好適である。 【0025】前記搬送部内の複数のシート搬送ユニットのうち、前記定着部に1番近い最下流のシート搬送ユニットの開始点から終了点までの距離をL2、該最下流のシート搬送ユニットの終了点から前記定着部までの距離をL3、更に転写速度をV1、V1よりも遅く設定した定着速度の中で最も速い速度をV2とした場合に、前記最下流のシート搬送ユニットの搬送距離L2は、L2≒{(V1−V2)/V2}×L3で表されることが好適である。 【0026】前記搬送部に構成された複数の各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットは同じユニットで構成されることが好適である。 【0027】転写速度は定着速度にかかわらず、常に1種類の速度であることが好適である。 【0028】本発明によると、搬送部に構成されて各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットを複数有することで、先に搬送されるシートが各シート搬送ユニットを通過する時間を短くでき、この結果定着時の遅い側の速度から転写速度に戻すタイミングを、シート搬送ユニットが1つの場合に比べて増やした分早くすることができる。 【0029】このため、先に搬送されるシートと次に搬送されるシートの間隔を短くしてシート搬送ユニットに送出することが可能となり、よって定着速度を落とすようなシートにおいても、画像形成生産性を落とすことが無い。 【0030】また、転写速度と、これよりも遅く設定した定着速度の中で最も速い速度との比に対して、搬送部の各シート搬送ユニットの配置を最適化することが可能となり、この結果、転写部におけるシートの紙間に対して定着部の紙間を更に小さくすることが可能となる。 【0031】このため、転写速度まで定着速度に落とす構成に比べても、シート間隔が小さくなるので、画像形成生産性を上げることが可能となる。 【0032】また、転写速度は普通紙の場合と同じにできることから、厚紙モード時等の画像形成装置の最初の画像形成時間も定着部の速度減少分だけで済み、更に感光ドラム周りにおける画像劣化要因も定着部における画像劣化要因も無いため、非常に良好な画像を得ることができる様になる。 【0033】よって、厚紙及びコート紙等に対しても、非常に高生産性で高画質な画像形成装置を提供することが可能となる。 【0034】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 【0035】(第1の実施の形態)図1〜図5を参照して、第1の実施の形態について説明する。 【0036】以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。図1には第1の実施の形態に係るフルカラー画像形成装置の概略断面図を示す。 【0037】図1の装置は、上部にデジタルカラー画像リーダ部及びトナー収納部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部を有し、4つの感光ドラム及び中間転写構成を有する複写機である。 【0038】リーダ部において、原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33によりフルカラーCCDセンサー34に集光しカラー色分解画像信号を得る。 【0039】カラー色分解画像信号は(図示しない)増幅回路を経て、(図示しない)ビデオ処理ユニットにて処理を施され画像メモリー(図示しない)を介してプリンタ部に送出される。 【0040】プリンタ部においては、作像部は図中右よりイエロー(y),マゼンタ(m),シアン(c),ブラック(Bk)の各色の画像形成部(作像ステーション)に分けられている。 【0041】各ステーション毎の4つの感光ドラム1y,1m,1c,1Bkは図中の矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラム1y,1m,1c,1Bkの周りには前露光ランプ、コロナ帯電器2y,2m,2c,2Bk、レーザー露光光学系(スキャナユニット)3y,3m,3c,3Bk、電位センサー、それぞれの色毎の現像器24y,24m,24c,24Bk、感光ドラム上光量検知手段、転写装置、クリーニング器6y,6m,6c,6Bkを配置する。 【0042】レーザー露光光学系3y,3m,3c,3Bkにおいてリーダ部からの画像信号は、(図示しない)レーザー出力部にて各色毎(各ステーション毎)の光信号に変換され、光信号に変換されたレーザー光がポリゴンミラーで反射され、レンズ及び折り返しミラーを通ってそれぞれの感光ドラム1y,1m,1c,1Bkの面に投影される。 【0043】プリンタ部での画像形成時には、感光ドラム1y,1m,1c,1Bkを矢印方向に回転させ、前露光ランプで除電した後の感光ドラム1y,1m,1c,1Bkをコロナ帯電器2y,2m,2c,2Bkにより一様に帯電させて、各分解色毎に光像Eを照射し、潜像を形成する。 【0044】次に現像器24y,24m,24c,24Bkを動作させて、感光ドラム1y,1m,1c,1Bk上の潜像を現像し、感光ドラム1y,1m,1c,1Bk上に樹脂と顔料を基体とした現像剤としてのトナーの画像を形成する。 【0045】現像器24y,24m,24c,24Bk内のトナーはリーダ部右側に配置された各色毎のトナー収納部(ホッパー)4y,4m,4c,4Bk,から現像器24y,24m,24c,24Bk内のトナー比率(或いはトナー量)を一定に保つ様に所望のタイミングにて随時補給される。 【0046】感光ドラム1y,1m,1c,1Bk上に形成されたトナー像は、各ステーションの1次転写部において像担持体としての中間転写ベルト5に転写され、そしてこの中間転写ベルト5上で各ステーションにおいて形成された、感光ドラム1y,1m,1c,1Bk上のトナー像が4色全て重ねられる。 【0047】中間転写ベルト5は、駆動ローラ5aによって駆動され、また駆動ローラ5aの対向には、各ステーション毎の画像の位置ズレ及び濃度の検知を行うセンサー50が配置されており、随時各画像形成部に画像濃度,トナー補給量,画像書き込みタイミング,及び画像書き込み開始位置等に対してフィードバックする制御を行っている。 【0048】一方、シートとしての記録材は各収納部71,72,73から各々の給紙手段81,82,83によって1枚ずつ搬送され、レジストローラ91にて斜行を補正し、所望のタイミングにて中間転写ベルト5上のトナー像を記録材に転写する転写部としての2次転写部5bに搬送される。 【0049】2次転写部5bにて記録材上にトナー像が転写され、記録材は搬送部のシート搬送ユニットとしての搬送ユニット60,61を通り、熱ローラ定着器9にてトナー像を定着され、排紙トレー10に排紙される。 【0050】他方、2次転写後の中間転写ベルト5は、転写残トナーを転写クリーナ部14にてクリーニングし、再び各画像形成部(各ステーション)の一次転写工程に供する。 【0051】また、記録材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を記録材が通過後、すぐにフラッパ19を駆動し、記録材を搬送縦パス21aを経て反転パス21bに一端導いた後、反転ローラ51の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送パス21cへと送られる。 【0052】その後、両面搬送ローラ52,53,54を通過し、両面搬送ローラ55にて斜行補正とタイミング取りを行い、所望のタイミングにてレジストローラ91へと搬送され、再び上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を転写する。 【0053】ここで、搬送ユニット60,61と2次転写部5b、定着器9の速度制御及び用紙の移動について詳しく説明する。 【0054】本複写機は画像形成速度及び画像転写速度(中間転写ベルト移動速度)は200mm/secであり、また厚紙及びコート紙等は定着速度を減少させる制御を行うものである。 【0055】そして、定着速度は速い方から普通紙用の200mm/sec(1/1速),100mm/sec(1/2速),66.6mm/sec(1/3速),50mm/sec(1/4速),33.3mm/sec(1/6速),25mm/sec(1/8速)と紙種と紙の坪量に応じて6種類有し、それぞれの場合に応じて最適な設定が成されている。 【0056】課題の点において説明したように、前紙(先に搬送されるシート)が搬送部を抜けた後、搬送部の速度を上げて次紙(次に搬送されるシート)の搬送を行う構成の場合、画像形成生産性を最大に上げるためには定着部の紙間を最小にする必要があり、そのためには次紙をどれだけ前紙に近づけることができるかが課題となる。 【0057】そのため、画像形成生産性において不利となるのは前紙の定着速度が速く、次紙が追いつき難いときであることが容易に想像できる。 【0058】よって、本実施の形態の複写機においては、定着速度100mm/sec時においても最大限の生産性が挙げられるように搬送部を構成する。 【0059】つまり、前紙が定着時に100mm/secで搬送されているところに、次紙が搬送部によって200mm/secで送られるため、この速度差にて紙間距離が縮まればよいのである。 【0060】実際に紙間距離を縮める様子を図2に示す。図2(a)は第1の実施の形態の複写機(図1)の搬送部の詳細図である。 【0061】まず、図2(b)に示す様に、画像の2次転写部5b,搬送ユニット60,搬送ユニット61が速度V1(200mm/sec)で用紙を搬送するように駆動されており、定着器9のみ速度V2(100mm/sec)で用紙を搬送するように駆動されている。 【0062】用紙S1の先端が定着器9の入り口に差し掛かると、用紙をV1からV2で搬送するように各搬送ユニット60,61の駆動を切り替え、定着器9内に用紙を送り込む(図2(c))。 【0063】このタイミングは定着前センサー601によって決められるが、センサーを使用せずタイマーによる制御を行っても良い。 【0064】この時、本実施の形態の複写機においては、使用する用紙の最大長さよりも、2次転写部5bから定着器9までの距離(L1+L2+L3)を長く構成しているため、2次転写部5b並びに転写ベルト5,画像形成部は全て200mm/sec或いはこの速度に対応した速度でのみ駆動を行えば良いように構成されている。 【0065】これは、従来例の課題でも説明したように、画像形成部の速度を複数有することで、画像が劣化することや駆動ユニットが複雑化することを避けるためである。 【0066】その後、次紙S2が2次転写部5bを通過して搬送ユニット60に差し掛かるときには、搬送ユニット60のみ速度V1に切り替えられる(図2(d))。 【0067】この様に速度切り替え動作を行うと、前紙S1が搬送ユニット61を抜けた後でないと、次紙S2を搬送ユニット61に送り込むことができないことが分かる。 【0068】つまり、搬送ユニット61の搬送長さL2だけ、この時点では紙間距離が開くことになり(図2(e))、この距離を前紙S1の後端が搬送ユニット61を抜けてから定着器9を抜けるまでの距離(L3)の間に最小に縮めればよいわけである。 【0069】更に、実際には定着部の紙間距離は0では無く、ある程度の距離は必要とされる。 【0070】そしてこの数値は、定着後のセンサー92が紙間距離を検出可能であることと、自動両面コピーモード時に、排紙トレー10側への搬送と搬送縦パス21a側への搬送をフラッパ19にて切り替え可能であるということが条件となる。 【0071】このために必要とされる紙間距離をP1mm(図2(f))とすると、実際のところは紙間をP1にまで縮めれば良いことになる。 【0072】簡単にまとめると、前紙S1がV2の速度で(L3+P1)進む時間と、次紙S2がV1の速度でL2,更にV2の速度でL3進む時間と、が等しくなれば良い訳である。 【0073】これにより速度V1から速度V2に変わるポイントを搬送ユニット61出口に設けた場合(1)は、(L3+P1)/V2=L2/V1+L3/V2 ・・・(1)aという関係式が成り立つ。 【0074】また、速度V1からV2に変わるポイントを定着器9入り口に設けた場合(2)は、(L3+P1)/V2=(L2+L3)/V1 ・・・(2)aという関係式が成り立つ。 【0075】これらの式をL2とL3及びP1の距離の関係についてまとめると、(1)aより、L2=(V1/V2)×P1 ・・・(1)bとなる。 【0076】同じく、(2)aより、L2=(V1/V2)×P1+{(V1−V2)/V2}×L3 ・・・(2)bとなる。 【0077】実際の速度変更点は(1)から(2)のどこかになることから、搬送ユニット61の搬送距離L2は、(V1/V2)×P1≦L2≦(V1/V2)×P1+{(V1−V2)/V2}×L3 ・・・(3) であれば良く、速度変更点に応じて最適な距離を設ければ良いということになる。 【0078】また、これよりも遅い定着速度の場合は、前紙S1に次紙S2が更に追いつき易くなることから、更に余裕をもって同等の紙間を実現できることは言うまでもない。 【0079】また、定着部の紙間距離に左右されること無く、複写機として最大の画像形成生産性を得るためには、上記式のうちP1を0として考えれば良いが、速度切り替えポイントを搬送ユニット61出口直後に設けた場合の紙間距離は全く縮まらず、結果として速度切り替えポイントを定着器9入り口近傍に設けることが必要になる。 【0080】定着器9の極近傍にて速度切り替えを行う場合は、L2={(V1−V2)/V2}×L3 ・・・(4) で表される。 【0081】この(4)式の場合に、定着部の紙間距離にかかわらず最大の画像形成生産性を得ることが可能な構成とすることができる。 【0082】実際に本実施の形態の複写機を例にあげると、まず、搬送ユニット60と搬送ユニット61は全く同じユニットを使用しており、搬送長さL2はそれぞれ150mmであり、2次転写部5bから搬送ユニット60終了部までの距離L1は250mm、更に搬送ユニット61終了から定着器9入り口までの距離L3は100mmである(図3参照)。 【0083】これらの数値は、先に説明した様に、本複写機の対応する最大紙長さが19inch(=482.6mm)であることから定着前の搬送部の長をそれ以上の500mmとしたことと、次に最小対応用紙である葉書サイズ140mmを安定して搬送する目的から構成されている。 【0084】また、定着部における紙間についてであるが、本複写機においてはフラッパ19の切り替え時間の方がセンサー92の検出能力よりも条件的に厳しく、切り替え時、紙間距離30mmを必要とする構成となっており、定着部の紙間P1は30mmと設定してある。 【0085】以上の数値と、先に説明したV1=200mm/sec,V2=100mm/secを合わせると、(3)式より、60≦150≦160と成立する範囲にいることが分かり、定着部の紙間距離30mmが可能であることが分かる。 【0086】実際の定着部の紙間は速度切り替え時間を0,切り替えポイントを定着ローラ部とすると25mmとなるが、この5mm分は各動作や位置の変動に対する余裕分とする。 【0087】また(4)式に対して等号は成立しないが、これは定着部の紙間距離を0にまでは詰めることが出来ないことを表している。 【0088】しかしながら、本実施の形態の複写機においては、実際は他の要因で定着部の紙間を0にすることはできないので問題は無い。 【0089】図4にこのときの用紙の移動を表すダイアグラムを示す。 【0090】定着部の紙間距離は30mmとして、前述の余裕分は速度切り替えポイントを上流に5mm移す分と搬送ユニット61の速度切り替え時間を25msec設ける分にして盛り込んである。 【0091】また、搬送ユニット60の駆動速度及び搬送ユニット61の駆動速度を併記してある。 【0092】図4より各搬送ユニット60,61及び駆動部の速度切り替え動作及が成立し、定着部紙間の30mmが実現されていることがダイアグラムからも証明できる。 【0093】さらに(4)式を成り立たせるためには、定着速度V2にもよるが、L3とL2の長さを同じ値に近づけることで可能となることが分かる。 【0094】これを実現させるためには、搬送部の搬送ユニットの数を増やすこと、若しくは搬送長さの異なるユニットを用いること等で対応可能となる為、必要に応じて本(4)式から定着前の搬送部の構成を決めればよい。 【0095】次に図5を用いて、本実施の形態の複写機の各定着速度における画像形成生産性及び最短のFcotを、従来例で挙げた、定着前の搬送部の搬送ユニットを1つ持つタイプ(Type1)と、画像転写速度或いは画像形成速度まで定着速度に減速した場合(Type2)と比較することとする。 【0096】生産性及びFcotについては用紙はスモールサイズ(A4或いはLTR)のときの値とする。 【0097】Type1の場合は、搬送部上の前紙が抜けてから次紙を送る点が生産性のポイントであり、またFcotについては搬送部で減速するまで高速で用紙を搬送でき、画像形成速度も速いため定着速度の影響をあまり受けない点がポイントである。 【0098】またType1の搬送部は長さ300mm(本実施の形態(Type3)の2個分)とする。 【0099】またType2については、生産性については画像転写部或いは画像形成部の紙間距離がそのまま適用され、Fcotについては画像書き込み開始から定着速度にする必要があることから、定着速度によって、特に速度の遅いときほど大きな影響を受けることがポイントである。 【0100】尚、本複写機の画像形成部(中間転写ベルト5上)の紙間距離は、84mmである。 【0101】これは転写ベルト5上の紙間にて、画像濃度及びトナー補給精度向上のためのマークを画くことと、各ステーションの色ズレを検出して補正する為のマークを画く必要があり、これらのマークを画くために読み取りセンサー50の能力と合わせてある程度の距離が必要なことと、更にレジストローラ91における用紙の斜行取り及びタイミング合わせ等にも紙間の距離を必要としており、こちらにおいても紙間距離を必要とするためである。 【0102】実際、本実施の形態の複写機においては、前者の方が80mm程度の紙間距離を必要とし、後者の方は50mm程度の紙間距離があれば制御可能であるため、紙間距離は制御のばらつき及び余裕分を含めて84mmとしている。 【0103】この値を比較する複写機においても適用してグラフにまとめたものを図5にまとめる。図5を見ても明らかなように、生産性については定着部にて紙間を最小に出来る本実施の形態であるType3が最も優れ、Fcotについては定着前まで100%の速度で搬送可能であるType2とType3が優れている結果であることがわかる。つまり、生産性、Fcotの双方で本実施の形態の優位性が証明されたわけである。 【0104】また本実施の形態においては同じ搬送ユニットを2個使用しているが、これは1つの搬送ユニットで構成する場合よりも、ユニットの規模が小さいため型代等が少なくて済む、駆動負荷が小さくて済むことから速度切り替え時間が短くて済む、搬送ベルト張力が安定する、等のメリットも有る。 【0105】更に搬送ユニットの配置を横に並列するのではなく、若干角度を付けて配置することで、本体サイズ(幅方向)を小さくすることも可能となる。 【0106】また同じ搬送ユニットとすることで本体内の配置の自由度が増える他、結果的に搬送部全体としてトータルではコストダウンとなっている。 【0107】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。本構成の複写機は第1の実施の形態の様に中間転写方式ではなく、直接像担持体としての感光ドラム1Bk等の4ステーションから紙にトナーを転写する構成のものである。 【0108】リーダ部等他の構成部材については第1の実施の形態の複写機と構成及び機能共に同じものであり、記録材である紙は転写ベルト5に静電吸着された状態で4つの画像形成部下を通りトナーを転写され搬送されてくる。 【0109】ここで、第1の実施の形態と同じ様に定着前の搬送部を構成するためには、第1の実施の形態におけるL1のみ、第4ステーションの転写部、つまり最後の転写ポイント5Bkを通過した所から始まるのではなく、転写ベルト5から紙が分離される所から始まる点だけ考慮すればあとは同じで良い。 【0110】これは転写ベルト5の速度切り替えを行う場合、各画像形成部中の感光ドラム1y,1m,1c,1Bkと転写ベルト5が接しているため、感光ドラム1y,1m,1c,1Bkの回転速度まで変える必要があるか、感光ドラム1y,1m,1c,1Bkと転写ベルト5を離間させる必要が有り、駆動系等の構成が複雑になるなどするからであり、更に転写ベルト5の速度を変えるため、次紙を転写ベルト5に吸着させる場合、紙の搬送速度が元に戻るのを待たなければならず、この分紙間が開いてしまう問題点もあるためである。 【0111】図7に定着前の搬送部の詳細図を記すが、先に述べた転写分離部SpからL1が始まることを除けば第1の実施の形態と全く同じであり、配置を同じとすることで第1の実施の形態と同様の効果が得られる。 【0112】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、搬送部に構成されて各々独立に速度制御を行うことが可能であるシート搬送ユニットを複数有することで、搬送部における先に搬送されるシートと次に搬送されるシートの間隔を短くして定着部に送出することが可能となり、よって定着速度を落とすようなシートの場合においても、高い画像形成生産性を得ることが可能となる。 【0113】更に転写速度と、これよりも遅く設定した定着速度の中で最も速い速度との比に対して、定着前の搬送部の各シート搬送ユニットの配置を最適化することが可能となり、この結果、画像形成部におけるシートの紙間に対して定着部の紙間を更に小さくすることが可能となり、転写速度まで定着速度に落とす構成に比べても、紙間が小さくなるので、最大限の画像形成生産性を得ることができる。 【0114】また、転写速度は普通紙の場合と同じにできることから、厚紙モード時等の画像形成装置の最初の画像形成時間も定着部の速度減少分だけで済み、更に感光ドラム周りにおける画像劣化要因も定着部における画像劣化要因も無いため、非常に良好な画像を得ることができる様になる。 【0115】よって、厚紙及びコート紙等に対しても、非常に高生産性で高画質な画像形成装置を提供することが可能となる。 【0116】また、搬送部を複数のシート搬送ユニットに分割することで、搬送部の配置の自由度の向上、コスト及び投資の削減、本体サイズの縮小なども可能となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社 【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
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| 【出願日】 |
平成14年4月26日(2002.4.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085006 【弁理士】 【氏名又は名称】世良 和信 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−316230(P2003−316230A) |
| 【公開日】 |
平成15年11月7日(2003.11.7) |
| 【出願番号】 |
特願2002−127195(P2002−127195) |
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