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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】橋本 浩一
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤノン株式会社内

【要約】 【課題】現像同時クリーニング動作を行う画像形成装置において、転写材の種類によって、転写残現像剤である逆極性トナーが転写材に接触転写され、カブリ不良画像が形成される現象を軽減する。

【解決手段】像担持体1の一次帯電を行う帯電装置2、静電潜像を形成する静電潜像形成手段3、トナーを含む現像剤4fを収容し、静電潜像を現像する現像装置4、その現像剤像を転写材Pに転写する転写装置5を具備した画像形成装置において、転写装置5による転写後に像担持体1表面に残留した転写残現像剤を、帯電装置2の帯電部材2Aに回収し、次いで帯電部材2Aに回収した転写残現像剤を像担持体1上に吐出し、次いで像担持体1上に吐出した転写残現像剤を現像装置4にて回収する画像形成装置であって、複数の画像形成モードが切り替え可能であり、画像形成モードに基づいて、現像装置4内に収容された現像剤4fにおけるトナー濃度を変更する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 像担持体と、該像担持体に当接する帯電部材を有し、該帯電部材に帯電バイアスを印加して前記像担持体の帯電を行う帯電装置と、該帯電装置によって帯電された前記像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を収容し、前記像担持体上に形成された前記静電潜像を前記現像剤にて現像して現像剤像を形成する現像装置と、前記像担持体表面の前記現像剤像を転写媒体に転写する転写装置と、を具備する画像形成装置において前記転写装置による転写後に前記像担持体表面に残留した転写残現像剤を、前記帯電装置の前記帯電部材に回収し、次いで前記帯電部材に回収した前記転写残現像剤を前記像担持体上に吐出し、次いで該像担持体上に吐出した前記転写残現像剤を前記現像装置にて回収する画像形成装置であって、複数の画像形成モードが切り替え可能であり、該画像形成モードに基づいて、前記現像装置内に収容される前記現像剤におけるトナー濃度を変更することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】 前記転写装置が、前記転写媒体としての転写材を搬送する転写材担持体と、該転写材担持体を帯電する転写帯電装置と、を有し、前記像担持体表面の前記現像剤像を前記転写材担持体が搬送する転写材に転写することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項3】 前記転写装置が、前記転写媒体としての中間転写体と、該中間転写体を帯電する転写帯電装置と、を有し、前記像担持体表面の前記現像剤像を前記中間転写体に転写し、該中間転写体に転写された前記現像剤像を転写材に転写することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
【請求項4】 前記画像形成モードは、転写材の種類によって、切り替えられることを特徴とする請求項1、2又は3の画像形成装置。
【請求項5】 前記画像形成モードは、前記現像装置が収容する前記現像剤のトナー濃度が所定トナー濃度である場合において、前記像担持体上の前記転写残現像剤が付着しない転写材を使用する第1画像形成モードと、前記像担持体上の転写残現像剤が付着する転写材を使用する第2画像形成モードと、が切り替えられ、前記第1画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を前記所定トナー濃度とし、前記第2画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を、前記所定トナー濃度よりも低くすることを特徴とする請求項4の画像形成装置。
【請求項6】 前記第2画像形成モードを選択したときは、更に、転写材上に画像を形成する前に、前記現像装置によって前記静電潜像を現像し、転写材以外の部材に転写する現像剤像を前記像担持体上に形成して、前記現像装置内のトナーを消費し、前記現像装置内の前記現像剤のトナー濃度を低くすることを特徴とする請求項5の画像形成装置。
【請求項7】 更に、前記画像形成モードに基づいて、プロセス速度を変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項8】 前記画像形成モードは、前記現像装置が有する前記現像剤のトナー濃度が所定トナー濃度である場合において、前記像担持体上の前記転写残現像剤が付着しない転写材を使用する第1画像形成モードと、前記像担持体上の転写残現像剤が付着する転写材を使用する第2画像形成モードと、が切り替えられ、前記第1画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を前記所定トナー濃度とし、前記第2画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を、前記所定トナー濃度よりも低くし、更に、前記第1画像形成モードを選択したときよりも、前記プロセス速度を遅くすることを特徴とする請求項7の画像形成装置。
【請求項9】 前記帯電部材が、磁性粒子と磁性粒子担持体とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項10】 前記像担持体が、電荷注入帯電性であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【請求項11】 前記像担持体が、絶縁性のバインダー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を表面に有する電子写真感光体であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかの項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触帯電方式、クリーナーレスプロセスの転写式画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、像担持体に現像剤像が形成され、転写装置により転写されずに像担持体表面に残留した転写残現像剤の除去を、像担持体にクリーニング装置(クリーナー)を設けずに、転写残現像剤を像担持体に当接する帯電部材に一旦回収させ、その回収現像剤を帯電部材から吐き出させて現像装置にて再回収させる方式の、複写機・プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】近年、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置は小型化が進んできたが、帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の画像形成プロセスの各手段・機器の各々が小型になるだけでは画像形成装置の全体的な小型化には限界があった。
【0004】そこで、像担持体に対向する、ブレード状やブラシ状であるクリーニング装置(クリーナー)を取り外し、像担持体である感光体上の転写残現像剤を、現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し、現像装置に回収・再用する装置構成にした「クリーナーレスプロセス」の画像形成装置が出現している。
【0005】しかし、クリーナーレスプロセスでは、転写残現像剤の上から感光体の帯電動作を行うときに、感光体の電位が不均一になり易い。
【0006】そこで、先ず、こうしたクリーナーレスプロセスを採用した画像形成装置における、像担持体を帯電する帯電装置、特に接触帯電装置について、説明する。
【0007】電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置において、電子写真感光体や静電記録誘電体等の像担持体、その他の被帯電体を所定の極性・電位に帯電処理する帯電装置としては、従来より一般にコロナ帯電装置が使用されてきた。
【0008】コロナ帯電装置は、ここでは感光体に非接触に対向配置して、コロナ帯電装置から放出されるコロナに感光体面をさらして、その感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0009】しかし、近年は、上記の非接触タイプのコロナ帯電装置に比べて、低オゾン・低電力等の利点を有することから、被帯電体としての感光体に電圧(帯電バイアス)を印加した帯電部材(接触帯電部材)を当接させて、その感光体面を所定の極性・電位に帯電させる接触方式の帯電装置つまり接触帯電装置の実用化がなされてきている。
【0010】特に、接触帯電部材として、導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式のローラ帯電装置が、帯電の安定性という点から好ましく用いられている。
【0011】他に、導電性の繊維をブラシ状に形成具備させたもの(ファーブラシ帯電部材、帯電ファーブラシ)、導電性ゴムをブレード状にした導電ゴムブレード(帯電ブレード)等も、接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0012】又、接触帯電部材として、磁性粒子を担持体に磁気拘束させた磁気ブラシ部を具備させた磁気ブラシ帯電部材(帯電磁気ブラシ)を用い、磁気ブラシ部を感光体に接触させる磁気ブラシ帯電方式の磁気ブラシ帯電装置も、帯電の安定性という点から好ましく用いられる。
【0013】磁気ブラシ帯電装置とは、導電性の磁性粒子を、直接にマグネットに、或いはマグネットを内包するスリーブ等の磁性粒子担持体に、磁気的に拘束させて磁気ブラシ部を形成具備させたものであり、停止或いは回転させて磁気ブラシ部を感光体に接触させ、これに電圧を印加することによって感光体の帯電を開始させる。
【0014】又、こうした接触帯電装置の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、コロナ帯電系と電荷注入(直接帯電)系の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現われる。
【0015】コロナ帯電系は、接触帯電部材と感光体との微小間隙に生じるコロナ放電現象による放電生成物で、感光体表面が帯電する系である。コロナ帯電は、接触帯電部材と感光体に一定の放電閾値を有するため、帯電電位より大きな電圧の帯電バイアスを接触帯電部材に印加する必要がある。又、この接触帯電装置のコロナ帯電系のものは、いわゆる非接触タイプのコロナ帯電装置に比べれば、発生量は格段に少ないが放電生成物を生じる。
【0016】電荷注入帯電系は、感光体表面が電荷注入帯電性であり、接触帯電部材から感光体に直接に電荷が注入されて感光体表面が帯電する系である。
【0017】即ち、中抵抗の接触帯電部材が感光体表面に接触して放電現象を介さないで、つまり、放電を基本的に用いないで、感光体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への帯電バイアスの帯電バイアスの印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、感光体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。
【0018】この電荷注入帯電系はイオンの発生を伴わない。しかし電荷注入帯電であるため、接触帯電部材の感光体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで、この電荷注入帯電系は、接触帯電部材がより密に構成し、又、感光体との速度差を多く持ち、より高い頻度で感光体に接触する構成をとる必要がある。
【0019】こうした条件に適した接触帯電部材を用いる帯電装置として、特に磁気ブラシ帯電装置が、安定した帯電を行なうことができる。
【0020】磁気ブラシ帯電装置による電荷注入帯電機構は、後述において、図4を用いて説明するように、抵抗とコンデンサーの直列回路機構と等価であると見ることができる。例えば、感光体の表面に導電性微粒子であるSnO2等を含有する電荷注入層が設けられ、それらがコンデンサーの電極の役割を果たす。ここに導電性の接触帯電部材を当接させ、帯電バイアスを印加することによって、通常のコンデンサー同様に、電極に電荷を注入することができる。理想的な帯電プロセスでは、感光体表面のある点が磁気ブラシと接触している時間(帯電ニップ×感光体の周速)に、こうしたコンデンサーが充電されると考えられ、従って、感光体表面電位が印加電圧とほぼ同値になる。
【0021】こうした帯電機構を用いた電荷注入帯電方式(注入帯電方式)には、導電性の接触部材に帯電バイアスを印加することで、感光体の表面にあるトラップ準位に電荷を注入して感光体の接触帯電を行う方法や、又、感光体としては、通常の有機感光体上に上記のSnO2のような導電性微粒子を分散させた表層(電化注入層)を有するものの他に、アモルファスシリコン感光体などを用いると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分と略同等の帯電電位を被帯電体表面に得ることが可能である(特開平6−3921号公報)。
【0022】注入帯電方式は、環境依存性が少ないだけでなく、放電を用いないため、接触帯電部材に対する印加電圧は感光体電位と同程度で十分であり、又、オゾンを発生しない利点があり、完全なオゾンレス且つ低電力消費型帯電が可能となる。
【0023】次に、こうした帯電装置を用いた像担持体に残留した現像剤を除去するクリーニング動作、特にトナーリサイクルプロセスについて説明する。
【0024】クリーナーレスプロセスでは、転写残現像剤の上から感光体の帯電動作を行うときに、感光体の電位が不均一になり易いが、上記に説明した注入帯電方式の接触帯電装置を用いることで、その問題は解決される。
【0025】注入帯電方式の接触帯電装置、特に磁気ブラシ帯電装置を用いることで、画像形成中は転写残現像剤を上記の導電性接触帯電部材で掻き取ると同時に感光体を帯電し、画像形成以外の時間に、接触帯電部材に蓄積した転写残現像剤を感光体上に吐き出し、そのトナーを現像装置で再び回収することができる。
【0026】よって、転写残現像剤の上から感光体を帯電することがないので、感光体の電位を均一にでき、感光体の次周に前周の画像が出てしまう不良画像、いわゆるゴーストの発生の無いクリーナーレスプロセスを実現することが可能となる。
【0027】これらのブラシ帯電装置は、他に、導電性の繊維をブラシ状に形成具備させたもの(ファーブラシ帯電部材、帯電ファーブラシ等も、接触帯電部材として好ましく用いられているが、これらの導電性の接触帯電部材として、ファーブラシは長期使用、長期放置による毛倒れが生じた場合、帯電性が悪化してしまうのに対し、磁性粒子を用いた磁気ブラシ帯電部材では、そのような現象は起きず、磁性粒子が感光体に接触する密度がファーブラシよりも多いため、安定に且つ均一な帯電を行うことが可能となる。
【0028】又、磁気ブラシの方が表面積が大きく転写残現像剤の保持量も多いため、クリーナーレスプロセスには有利である。
【0029】ところが、上述のクリーナーレスプロセスにおいては、転写残現像剤の帯電極性が感光体の帯電極性と同極の場合、つまり正規極性の場合(ここでは負極とする)は、電荷注入系帯電装置での回収が困難となり、転写残現像剤が帯電装置をすり抜けてしまい、それによるゴーストが発生しがちである。
【0030】これを防止する方法として、感光体周辺において転写装置と帯電装置との間に、つまり、前周の画像の転写残現像剤が搭載されている部分において、転写残現像剤の極性を(ここでは正極へ)反転させる現像剤極性調節部材(以下、「調節部材」と称す。)を設ける方法が知られている。
【0031】この調節部材として、導電性のブラシや弾性体が挙げられ、それらを感光体に当接させ、帯電装置における帯電極性に対して逆極性(正極)の電圧を印加することで、転写残現像剤を逆極性(正極)に逆転させる。例えば、調節部材として導電性ブラシ(調節ブラシ)を用いた場合は、正規極性(負極)の転写残現像剤を一時的に調節ブラシの中に取り込み、逆極性(正極)に帯電してから再び感光体上に出すため、ゴーストの発生を効率良く防ぐことができる。調節ブラシから感光体に吐出した転写残現像剤は、その後注入帯電装置内に取り込まれるが、取り込まれた転写残現像剤中のトナー(回収トナー)は、磁性粒子との摩擦帯電により再び正規極性(負極)に帯電される。
【0032】正規極性(負極性)に帯電された帯電装置内の回収トナーは、帯電バイアスのDC成分値と感光体電位との電位差により、感光体表面に吐き出されていく。
【0033】ここで、帯電バイアスDC成分値と感光体電位間の電位差は、帯電バイアスに重畳している交流のピーク間電圧に依存しており、ピーク間電圧が大きいほど感光体電位における収束性が良くなり、電位差が小さくなる。
【0034】この性質を利用して、画像形成中はピーク間電圧を大きくして画像に影響を出さないようにするため帯電装置内トナーを吐き出さず、紙間や後回転などの非画像形成時にピーク間電圧を小さくして帯電装置内トナーを積極的に吐き出し、帯電装置内トナー量を低く保つことができる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のクリーナーレスプロセスにおいて、回収トナーの帯電量コントロールに最も優れた磁気ブラシ注入帯電においても、帯電装置内の回収トナーの帯電極性を摩擦帯電によりすべて正規極性に保つことは困難であり、若干は逆極性の回収トナーが存在する。
【0036】特に調節部材にて逆極性に帯電した後の転写残現像剤を回収したときは逆極性トナーが存在しやすい。
【0037】この逆極性の回収トナーは、帯電された感光体電位に対して逆極性であるため、帯電電位が収束する画像形成中に電気的な力により感光体表面に付着してしまう。図7の感光体表面電位とトナーの挙動を示す説明図のように、感光体の帯電電位の領域に付着した逆極性のトナーT1は、現像装置において現像バイアスがかけられても感光体方向への力が働くため回収されず、そのまま転写部まで到達してしまう。
【0038】逆極性トナーT1は、転写バイアスと同極性であるため転写材上には現れにくく、再び帯電装置で回収されることが多いが、転写材の表面性(平滑性、付着性)によっては、電気的な力に逆らって、転写材上に逆極性トナーが転写されてしまう(接触転写)。この場合、白地部にトナーが存在するカブリ不良画像が発生する。
【0039】こうした、表面の付着性が高く、カブリが生じやすい転写材としては、ベック平滑度が100秒以上であるようなコート紙が挙げられる。又、熱容量の大きい坪量100〜160g/m2の厚口の紙等を用いる時、定着を性確保するために定着速度を通常時よりも遅くすることに伴い、転写の速度も遅くすると、逆極性トナーがより接触転写しやすくなる。
【0040】逆極性トナーは、転写材に転写されない限り再び帯電装置で回収されるため、画像形成回数(プリント枚数)と共に蓄積する傾向にあり、逆極性トナーを接触転写してしまう転写材を用いたときにカブリが非常に悪くなり、その傾向は画像形成回数とともに強くなる。
【0041】又、帯電装置内の逆極性トナーを無くすため、帯電装置内の磁性粒子とトナーの攪拌を強化する方法もあるが、攪拌手段などにより帯電装置が大型化するためクリーナーレスのメリットである省スペースの実現が困難となる。
【0042】又、現像装置内にもに逆極性トナーが蓄積される。それらは現像剤の帯電性能が高い初期には正規極性に摩擦帯電できるが、長期にわたる使用によりその帯電性能は低下し、現像装置内にも更に逆極性トナーが増える。
【0043】更に、複数のプロセス速度を持つ装置においては、現像装置の駆動もプロセス速度に応じて変化するため、現像装置の駆動が通常よりも遅くなると、現像装置の攪拌能力が低下するので、より逆極性トナーが蓄積されやすい。これを避けるため、現像装置の駆動はプロセス速度に依存させずに、一定にさせると、現像剤の劣化が激しくなり、寿命が短くなってしまう。
【0044】従って、本発明の目的は、像担持体のクリーニング装置を設けないクリーナーレスの画像形成装置であって、転写残現像剤を帯電装置に取り込み、再びそれを像担持体に吐出した後に現像装置に回収する、現像同時クリーニング動作を行う画像形成装置において、転写材の種類によって、帯電装置、現像装置に蓄積した転写残現像剤である、像担持体の帯電極性に対して逆極性に帯電した逆極性トナーが転写材に接触転写され、カブリ不良画像が形成される現象を軽減した画像形成装置を提供することである。
【0045】
【課題を解決するための手段】上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、像担持体と、該像担持体に当接する帯電部材を有し、該帯電部材に帯電バイアスを印加して前記像担持体の帯電を行う帯電装置と、該帯電装置によって帯電された前記像担持体に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤を収容し、前記像担持体上に形成された前記静電潜像を前記現像剤にて現像して現像剤像を形成する現像装置と、前記像担持体表面の前記現像剤像を転写媒体に転写する転写装置と、を具備する画像形成装置において前記転写装置による転写後に前記像担持体表面に残留した転写残現像剤を、前記帯電装置の前記帯電部材に回収し、次いで前記帯電部材に回収した前記転写残現像剤を前記像担持体上に吐出し、次いで該像担持体上に吐出した前記転写残現像剤を前記現像装置にて回収する画像形成装置であって、複数の画像形成モードが切り替え可能であり、該画像形成モードに基づいて、前記現像装置内に収容される前記現像剤におけるトナー濃度を変更することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【0046】本発明の一実施態様によると、前記画像形成モードは、転写材の種類によって、切り替えられ、その時に、前記画像形成モードは、前記現像装置が収容する前記現像剤のトナー濃度が所定トナー濃度である場合において、前記像担持体上の前記転写残現像剤が付着しない転写材を使用する第1画像形成モードと、前記像担持体上の転写残現像剤が付着する転写材を使用する第2画像形成モードと、が切り替えられ、前記第1画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を前記所定トナー濃度とし、前記第2画像形成モードを選択したときは、前記現像装置が有する前記現像剤におけるトナー濃度を、前記所定トナー濃度よりも低くする。
【0047】本発明の他の実施態様によると、前記第2画像形成モードを選択したときは、更に、転写材上に画像を形成する前に、前記現像装置によって前記静電潜像を現像し、転写材以外の部材に転写する現像剤像を前記像担持体上に形成して、前記現像装置内のトナーを消費し、前記現像装置内の前記現像剤のトナー濃度を低くする。
【0048】本発明の他の態様によると、前記帯電部材が、磁性粒子と磁性粒子担持体とを有すことが好ましく、前記像担持体が、電荷注入帯電性であり、更に、前記像担持体が、絶縁性のバインダー中に導電性微粒子を分散させた電荷注入層を表面に有する電子写真感光体であることが好ましい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0050】実施例1先ず、本発明に係る画像形成装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の本実施例の概略構成図を示す。本実施例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用、電荷注入帯電方式、クリーナーレスプロセスのレーザービームプリンターである。
【0051】像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体である、本実施例のドラム状の感光体(感光ドラム)1は、後に詳しく説明するように、負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体(有機光導電性感光体)であり、矢示の時計方向Aに150mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
【0052】感光ドラム1の面を所定の極性・電位に一様に帯電処理する帯電装置としては、本実施例では、接触帯電装置である磁気ブラシ帯電装置2が設けられ、回転する感光ドラム1の面は、磁気ブラシ帯電装置2により、直接に電荷が注入され、ほぼ−700vに電荷注入帯電方式で、一様に帯電処理される。
【0053】尚、本明細書においては、この帯電装置2による、画像形成時における静電潜像形成前の感光ドラム1に対する帯電を、他の装置による非画像形成時の残留現像剤に対する帯電と区別するため、「一次帯電」と称す。
【0054】静電潜像形成手段である画像情報露光手段(露光装置)としては、本実施例では、レーザービームスキャナー3が設けられる。このレーザービームスキャナー3は、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレンズ等を有し、CCD等の光電変換素子を有する原稿読み取り装置、電気計算機、ワードプロセッサー等の不図示のホスト装置から入力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調されたレーザー光Lを射出して、回転感光ドラム1の一様帯電処理面をレーザー光走査露光する。このレーザー光走査露光により、回転感光ドラム1の周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0055】現像剤4fとしては、本実施例では、転写残現像剤となって感光ドラム1に残留するトナーが少なくなるように重合法で作成した高離型性球形トナー(トナー)と、磁性キャリア(キャリア)と、を混合した二成分現像剤を収容した二成分接触現像方式の現像装置4を備えている。そして、この現像装置4によって、回転感光ドラム1面に形成された静電潜像を現像剤像(トナー像)として反転現像させている。
【0056】感光ドラム1の下側には、転写装置5が配置されており、本実施例では、転写装置5は転写ベルトタイプであり、無端状の転写材担持体である転写ベルト(例えば、膜厚75μmのポリイミドのベルト)5aが、駆動ローラ5bと従動ローラ5c間に懸回張設されていて、感光ドラム1の回転方向に順方向に感光ドラム1の回転速度とほぼ同じ周速度で回動される。転写ベルト5aの内側に配設した、転写帯電装置を構成する導電性ブレード5dが、転写ベルト5aの上行側ベルト部分を感光ドラム1の下面部分に加圧して転写部位としての転写ニップ部tを形成している。導電性ブレード5dは、転写バイアス印加電源E5と共に転写帯電装置を構成している。
【0057】給紙カセット6に、紙等の転写材Pを積載収納しておき、給紙ローラ7の駆動により給紙カセット6内に積載収納された転写材Pが1枚分離給しされ、搬送ローラ8等を備えたシートパス9を通って所定の制御タイミングにて回転感光ドラム1と転写装置5の転写ベルト5aとの間の転写ニップ部tに給送される。
【0058】転写ニップ部tに給送された転写材Pは、回転感光ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送され、その間、導電性ブレード5dに転写バイアス印加電源E5から所定の転写バイアスが印加されて、転写材Pの裏面から現像剤中のトナーと逆極性の帯電がなされる。これにより、転写ニップ部tを通る転写材Pの表面側に回転感光ドラム1面側のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0059】転写ニップ部tを通って、トナー像の転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1面から順次に分離されて、シートパス10を通って定着装置(例えば熱ローラ定着装置)11に導入されて、トナー像の定着処理を受けてプリントアウトされる。
【0060】又、本実施例のプリンタは、クリーナーレスプロセスを採用したものであるので、転写ニップ部tで転写材Pに転写されずに回転感光ドラム1の表面に残った転写残現像剤を除去する専用のクリーニング装置(クリーナー)は配置していない。
【0061】転写残現像剤は、後述するように、引き続く感光ドラム1の回転で磁気ブラシ他電方式を用いた帯電装置(磁気ブラシ帯電装置)2の位置に至り、図3に示す感光ドラム1に接触している接触帯電部材としての磁気ブラシ2Aの磁気ブラシ部2cに一時的に回収され、その回収トナーが再び感光ドラム1面に吐き出されて、最終的に現像装置4に回収され、感光ドラム1は繰り返して画像形成に供される。
【0062】ここで、転写装置5と磁気ブラシ帯電装置2との間において、感光ドラム1に当接させ、ACバイアスか、静電潜像形成前の一次帯電時と逆極性のDCバイアス、又は、一次帯電と逆極性のDCバイアスにACバイアスを重畳したバイアスを印加した調節部材である導電性ブラシ12が設けられる。導電性ブラシ12は、磁気ブラシ帯電装置2による一次帯電直前の感光ドラム1の表面電位をならすと同時に、転写残現像剤を除電、もしくは感光ドラム1の一次帯電と逆極性(ここでは正極性)に帯電して、磁気ブラシ帯電装置2Aによる磁気ブラシ部での回収を容易にする。
【0063】ここで、上記構成のプリンタが立ち上がって、ここでは複数枚の転写材P上に画像形成して、動作を終了する工程について説明する。
【0064】こうした上記プリンタの画像形成動作は、転写材Pに画像を形成する画像形成時と、転写材Pに画像を形成する前後の画像形成装置の動作を行う非画像形成時にわたって行われ、又、画像形成時及び非画像形成時において感光ドラム1の転写残現像剤を回収して現像装置4に回収するクリーニング動作が行われるが、それらを図2に、(a)〜(f)の動作シーケンスにて示す。
【0065】(a)前多回転工程:プリンタの始動動作期間(起動動作期間、ウォーミング期間)として、メイン電源スイッチ−オンにより、装置のメインモーターを駆動させて、感光ドラム1を回転駆動させ、所定のプロセス機器の準備動作を実行させる。
【0066】(b)前回転工程:プリント前動作を実行させる期間として、この前回転工程は前多回転工程中にプリント信号が入力したときには、前多回転工程に引き続いて実行される。
【0067】プリント信号の入力がないときには、前多回転工程の終了後に、メインモーターの駆動が一旦停止されて、感光ドラム1の回転駆動が停止され、プリンタはプリント信号が入力されるまでスタンバイ(待機)状態に保たれる。プリント信号が入力されると、こうした前回転工程が実行される。
【0068】(c)印字工程(画像形成工程、画像形成工程):所定の前回転工程が終了すると、引き続いて回転感光ドラム1に対する上記に説明した、帯電・露光・現像等の画像形成プロセスが実行され、回転感光ドラム1面に形成されたトナー像の転写材Pへの転写、定着装置によるトナー像の定着処理がなされて、トナー像が形成された転写材Pである画像形成物がプリントアウトされる。連続印字(連続プリント)モードの場合は、上記の印字工程が、(d)紙間工程を挟んで所定の設定プリント枚数分繰り返して実行される。
【0069】(d)紙間工程:連続印字モードにおいて、ある転写材Pの後端部が転写ニップ部tを通過した後、次の転写材Pの先端部が転写ニップ部tに到達するまでの間の、転写ニップ部tにおける転写材Pの非通紙状態期間である。
【0070】この期間に、転写ニップtを通過した回転感光ドラム1の領域、つまり転写残現像剤が搭載された領域が、導電性ブラシ12によってならされ、帯電ニップ部nにて帯電装置2に回収された後に、帯電ニップ部nを通過する間に、AC成分のピーク間電圧が小さい方が転写残現像剤をよく吐き出すので、本実施例では、一次帯電バイアスのAC成分の印加を停止させ、磁気ブラシ帯電部材2Aで一時的に回収した転写残現像剤を回転感光ドラム1面に吐き出す。
【0071】(e)後回転工程:最後の転写材Pの印字工程が終了した後も、暫くの間、メインモータの駆動を継続させて、感光ドラム1を回転駆動させ、所定の後動作を実行させる期間である。
【0072】この期間においても、(d)紙間工程と同様に、帯電バイアスのAC成分の印加を停止させることで、磁気ブラシ帯電部材2Aで一時的に回収した転写残現像剤を回転感光ドラム1面に吐き出す。
【0073】(f)スタンバイ:所定の後回転工程が終了すると、メインモータの駆動が停止され、感光ドラム1の回転駆動が停止され、プリンタは次のプリントスタート信号が入力するまでスタンバイ状態に保たれる。
【0074】こうした、(a)前多回転工程から、(f)スタンバイ工程に至るまでにおいては、1枚だけのプリントの場合、そのプリント終了後、プリンタは(e)後回転工程を経て、(f)スタンバイ状態になる。(f)スタンバイ状態において、プリントスタート信号を入力すると、プリンターは(b)前回転工程に移行する。
【0075】(c)印字工程時が画像形成時であり、(a)前多回転工程、(b)前回転工程、(d)紙間工程、(e)後回転工程が非画像形成時(非画像形成時)である。
【0076】以上に説明したように、本発明の画像形成装置は、感光ドラム1のクリーナーを設けないクリーナーレスプロセスにおける感光ドラム1のクリーニングにおいて、転写残現像剤を、磁気ブラシ帯電装置である帯電装置2にて回収した後に、非画像形成時に再び感光ドラム1上に吐き出して、感光ドラム1の回転に従って、現像装置4の位置に送られて現像装置4内に回収して、現像同時クリーニングによって除去回収し、感光ドラム1をクリーニングするプロセスである。
【0077】ここで、このプリンタにおける感光ドラム1のクリーニング動作を行う帯電装置2、現像装置4の各々の構成について詳しく説明する。
【0078】磁気ブラシ帯電装置2について、図3〜図5を用いて説明する。
【0079】図3は、磁気ブラシ帯電装置2の拡大横断面図である。本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分けて磁気ブラシ帯電部材(磁気ブラシ)2A、該磁気ブラシ2Aと導電性磁性粒子(帯電キャリア)2dを収容させた帯電容器(ハウジング)2B、磁気ブラシ2Aに対する帯電バイアス印加電源E2等から構成される。
【0080】磁気ブラシ2Aは、本実施例では、スリーブ回転タイプであり、ローラ状の磁石(マグネットロール)2aと、このマグネットロール2aに外嵌させた、磁性粒子担持体である導電性の非磁性ステンレス製スリーブ(帯電スリーブ)2bと、帯電スリーブ2bの外周面に、スリーブ2b内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束させて形成保持させた磁性粒子2dの磁気ブラシ部2cと、にて構成される。
【0081】マグネットロール2aは、非回転の固定部材であり、スリーブ2bは、このマグネットロール2aの外回りを、矢印Bの方向に不図示の駆動系により所定の周速度、本実施例では225mm/sec.の周速で回転駆動される。
【0082】又、帯電スリーブ2bは、感光ドラム1に対して、不図示のスペーサーコロ等の手段で、500μm程度の隙間を保たせて配設してある。
【0083】又、非磁性ステンレス製の磁気ブラシ層厚規制ブレード(規制ブレード)2eが帯電容器2Bに取り付けられ、帯電スリーブ2b表面とのギャップが900μmになるように配置されている。
【0084】帯電容器2B内の磁性粒子2dは、その一部が磁性粒子担持体である帯電スリーブ2b外周面に帯電スリーブ2b内部のマグネットロール2aの磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部2cとして保持される。そして、磁気ブラシ部2cは帯電スリーブ2bの回転駆動に伴い回転する。このとき磁気ブラシ部2cの層厚は、規制ブレード2eにより均一厚さに規制させられる。
【0085】そして、磁気ブラシ部2cの規制層厚(900μm)は、帯電スリーブ2bと感光ドラム1との対向隙間部の間隔(500μm)より大きいので、磁気ブラシ部2cは帯電スリーブ2bと感光ドラム1との対向部において、感光ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成して接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部nである。
【0086】従って、回転感光ドラム1は帯電ニップ部nにおいて、磁気ブラシ2Aの帯電スリーブ2bの回転に伴い、回転する磁性粒子2で構成されるブラシ部2cによって摺擦される。この場合、帯電ニップ部nにおいて、感光ドラム1の移動方向Aと磁気ブラシ2cの移動方向Bは逆方向となり、相対移動速度は速くなる。帯電スリーブ2bと規制ブレード2eには電源E2から所定の帯電バイアス(一次帯電バイアス)が印加される。
【0087】而して、感光ドラム1が回転駆動され、磁気ブラシ帯電装置2Aの帯電スリーブ2bが回転駆動され、電源E2から所定の一次帯電バイアスが印加されることで、回転感光ドラム1の周面が、本実施例の場合は注入帯電方式で、所定の極性及び電位に一様に接触帯電処理される。
【0088】言い換えると、帯電ニップ部nにおける、磁気ブラシ2Aの磁気ブラシ部2cによる感光ドラム1面の摺擦と、磁気ブラシ2Aへの帯電バイアスの印加により、磁気ブラシ部2cを構成している帯電用磁性粒子2dから電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光ドラム1面が所定の極性(ここでは負極)及び電位に一様に接触帯電される。
【0089】スリーブ2b内に固定配置されているマグネットロール2cは、水平面とスリーブ2bの感光ドラム1に対する最近接位置cを通る磁気ブラシ2Aの法線面との角度θを、感光ドラム1回転方向A上流側20°〜下流側10°の範囲に入るようにすることが望ましく、上流側15°〜0°であれば更によい。
【0090】それより下流だと、現像主極(ここではN極)位置に磁性粒子2dが引きつけられ、帯電ニップ部nの感光ドラム1回転方向A下流側に磁性粒子2dの滞留が発生しやすくなり、又、上流すぎると、帯電ニップnを通過した磁性粒子2dの搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすくなる。
【0091】ここで述べている帯電ニップ部nは、帯電時に磁性ブラシ部2cの磁性粒子が感光ドラム1と接触している領域全域を示す。又、帯電ニップ部nにマグネット2cの磁極が位置しない場合は、磁性粒子2dに働くスリーブ2bへの拘束力が弱くなり、磁性粒子が感光ドラム1に付着しやすくなるのは明らかである。よって、本実施例では、マグネットロール2aにおける、スリーブ2b回転方向Bで水平面より下流側10°の位置、つまり感光ドラム1回転方向A上流側である最近接点cの近辺に約900Gの磁極である現像磁極(ここではN極)を配置した。
【0092】電源E2によってスリーブ2bと規制ブレード2eに印加させる一次帯電バイアスとして、本実施例では、DC成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いている。
【0093】こうして、感光ドラム1は、詳しくは後に説明するように、その表面に電荷注入層1f(図9)を具備させたものであるから、こうした帯電装置2により、電荷注入帯電により感光ドラム1の一次帯電処理がなされる。
【0094】即ち、感光体の表面にSnO2等を含有する電荷注入層が設けられ、それらがコンデンサーの電極の役割を果たす。ここに導電性の接触帯電部材を当接させ、電圧を印加することによって、通常のコンデンサー同様に、電極に電荷を注入することができる。よって、感光ドラム1面が帯電バイアスDC+ACのDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ2bは回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にある。
【0095】詳しく説明すると、磁気ブラシ帯電装置2Aによる感光ドラム1の電荷注入帯電の構造は、図4に示す等価回路に示すような、抵抗RとコンデンサーCの直列回路の構造とみなすことができる。このような回路の場合、抵抗値をr、感光ドラム1の静電容量をCp、印加電圧をV0、帯電時間(感光ドラム1表面のある点が帯電ニップ部nを通過する時間)をT0とすると、感光ドラム1の表面電位Vdは式(1)で表わされる。
【0096】
Vd = V0 (1−exp(T0/(Cp・r))) ・・・式(1)
【0097】帯電バイアスDC+ACにおいて、DC成分は必要とされる感光ドラム1の表面電位と同値、本実施例では−700vとした。
【0098】本実施例における構成の画像形成装置においては、画像形成時(画像形成時)におけるAC成分は、そのピーク間電圧Vppは、100v以上2000v以下の間で、特に、300v以上1200v以下が好ましい。ピーク間電圧Vppがそれ以下では、帯電均一性、電位の立ち上がり向上の効果が薄く、それ以上では、磁性粒子2dの滞留や感光ドラム1への付着が悪化する。
【0099】周波数は、100Hz以上5000Hz以下の間で、特に、500Hz以上2000Hz以下が好ましい。それ以下では、磁性粒子2dの感光ドラム1への付着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果が得られにくくなる。ACの波形は矩形波、三角波、sin波などがよい。本実施例では、ピーク間電圧Vppは700vとした。
【0100】磁気ブラシ部2cを構成させる磁性粒子2dは、本実施例では、焼結した強磁性体(フェライト)を還元処理をしたものを用いたが、他に樹脂と強磁性体粉を混練して粒子状に成形したもの、若しくは、これに抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、表面処理を行ったものも同様に用いることができる。
【0101】磁気ブラシ部2cの磁性粒子2dは、感光ドラム1表面のトラップ準位に電荷を良好に注入する役割と、感光ドラム1上に生じたピンホール等の欠陥に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる磁気ブラシ帯電部材2A及び感光ドラム1の通電破壊を防止する役割を兼ね備えていなければならない。
【0102】従って、磁気ブラシ2Aの電気抵抗値は、1×104Ω〜1×109Ωであることが好ましく、特には、1×104Ω〜1×107Ωであることが好ましい。磁気ブラシ2Aの電気抵抗値が、1×104Ω未満では、ピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、1×109Ωを超えると、良好な電荷の注入がしにくくなる傾向にある。
【0103】又、抵抗値を上記範囲内に制御するためには、磁性粒子2dの体積抵抗値は1×104Ω・cm〜1×109Ω・cmであることが望ましく、特には、1×104Ω・cm〜1×107Ω・cmであることがより好ましい。
【0104】本実施例で用いた磁気ブラシ2Aの電気抵抗値は、1×106Ω・cmであり、帯電バイアスのDC成分として−700vを印加することで、感光ドラム1の表面電位も、−700vとなった。
【0105】磁性粒子2dの体積抵抗値は、図5に示す回路で測定した。即ち、セル25に磁性体粒子2dを充填し、該充填磁性体粒子2dに接するように主電極17及び上部電極18を配し、該電極17、18間に定電圧電源22から電圧を印加し、そのときに流れる電流を、電流計20にて測定することにより求めた。
【0106】図5に示す回路では、ガイドリング24に固定されたセル25内の磁性粒子2dは、絶縁物19で塞がれ、電圧計21が並列に配線されている。
【0107】その測定条件は、23℃、65%の環境で、充填磁性粒子2dのセルとの接触面積S=2cm2、厚みd=1mm、上部電極18の荷重10kg、印加電圧100Vである。
【0108】磁性粒子2dの平均粒径及び粒度分布測定におけるピークは、5〜100μmの範囲にあることが、粒子表面の汚染による帯電劣化防止、及び、磁性粒子の感光ドラム1表面への付着防止の観点から好ましい。磁性粒子2dの平均粒径は、水平方向最大弦長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をとる。
【0109】感光ドラム1上の転写残現像剤は、転写時の剥離放電などにより、極性が正規極性(負)のものと逆極性(正)のものとが混在している。
【0110】本実施例のプリンタは、クリーナーレスプリンタであるから、転写材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1に残留した、この極性が混在した転写残現像剤は、調節部材である導電性ブラシ12にて正極性(逆極性)に帯電され、以上に説明した磁気ブラシ接触帯電装置である帯電装置2に取り込みやすくした後に、感光ドラム1の帯電ニップ部nに持ち運ばれて、帯電装置2の磁気ブラシ2Aのブラシ部2cに混入して一時的に回収される。
【0111】この転写残現像剤が、この転写残現像剤の磁気ブラシ2Aの磁気ブラシ部2cへの取り込みは、上記のように、磁気ブラシ2AにAC成分を印加することで、磁気ブラシ2Aと感光ドラム1間の振動電界効果によって、より効果的に行わせることができる。
【0112】そして、磁気ブラシ部2c内に取り込まれた転写残現像剤の大半は、一次帯電時に、正規極性(負極性)に摩擦帯電されて、非画像形成時には、帯電バイアスのAC成分の印加を停止して、感光ドラム1上に吐き出される。極性が揃えられて、感光ドラム1上に吐き出された転写残現像剤は図1に示す現像部mに至って、現像装置4の現像4bにより現像時のカブリ取り電界によって、現像同時クリーニングで回収される。
【0113】この転写残現像剤の現像同時回収は、回転方向の画像領域が、感光ドラム1の周長よりも長い場合には、その他の帯電、露光、現像、転写といった画像形成工程と同時進行で行われる。
【0114】これにより転写残現像剤は現像装置4内に回収されて次工程以後も用いられるため、廃トナーをなくすことができる。又、スペースの面での利点も大きく、画像形成装置の大幅な小型化が可能となる。
【0115】ここで、通常、転写残現像剤に含まれたトナーは電気抵抗が比較的高い。磁気ブラシ2Aの磁気ブラシ部2cに、そのような電気抵抗の高いトナー粒子が混入することは、磁気ブラシ部2cの電気抵抗を上昇させて、帯電能を低下させる因子である。従って、混入トナー量が比較的多い場合は、磁気ブラシ部2cに混入したトナー粒子を減らすために、E2から印加される一次帯電バイアスのうちACバイアスを止める時間を長くして、非画像形成時に大量のトナーを吐き出すことで、良好な帯電を維持する。
【0116】ここで、磁気ブラシ部2cから感光ドラム1へ吐き出されたトナーは極めて均一な散布状態にあり、又、その量も少量であるため、次の像露光過程に実施対的に悪影響を及ぼすことはない。又、転写残現像剤パターンに起因するゴースト像の発生もない。
【0117】帯電装置2によって感光体ドラム1上に吐出された転写残現像剤は、感光ドラム1の回転に従って、現像同時クリーニングによって、現像装置4に回収され、現像装置4内で攪拌され、新たな静電潜像の現像に共され、リサイクルされる。
【0118】又、現像装置4において、ここで用いられる静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次の(1)〜(4)の4種類に大別される。
【0119】(1)非磁性トナーについてはブレード等でスリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によってコーティングして搬送し感光体に対して非接触状態で現像する方法(一成分非接触現像)。
【0120】(2)上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体に対して接触状態で現像する方法(一成分接触現像)。
【0121】(3)トナー粒子に磁性のキャリアを混合したものを二成分現像剤として用いて、磁気力によって搬送し、感光体に対して接触状態で現像する方法(二成分接触現像)。
【0122】(4)上記の二成分現像剤を非接触状態にして現像する方法(二成分非接触現像)。
【0123】この(1)〜(4)に記載された現像法のうち、画像の高画質化や高安定性の面から、(3)の二成分接触現像法が多く用いられている。
【0124】そして、図6は、こうした二成分接触現像法を用いた、本実施例の現像装置4の拡大横断面図である。本実施例における現像装置4は、重合法で作成した高離型性球形非磁性トナー(トナー)と磁性キャリア(現像用磁性粒子、現像キャリア)を混合したものを現像剤4fとして用い、該現像剤4fを現像剤担持体(現像部材)4bに磁気力によって、磁気ブラシ層4f’とし保持させて現像部mに搬送し、感光ドラム1面に接触させて、静電潜像をトナー像として現像する二成分磁気ブラシ接触現像方式の反転現像装置4である。
【0125】現像装置4は、現像容器4a、現像剤担持体としての現像スリーブ4b、この現像スリーブ4b内に固定配置された磁界発生手段としての磁石(マグネットローラ)4c、現像スリーブ4b表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制ブレード4d、現像剤攪拌搬送スクリュー4e、現像剤容器4a内に収容した二成分現像剤4fで構成され、上記のように非磁性トナーTと現像キャリアを混合したものである。
【0126】現像スリーブ4bは、少なくとも、現像時においては、感光ドラム1に対し、最近接距離(隙間)が約500μmになるように配置され、現像スリーブ4bの外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層4f’が感光ドラム1の面に接触するように設定されている。この現像剤磁気ブラシ薄層4f’と感光ドラム1の接触ニップ部mが現像領域(現像部)である。
【0127】現像スリーブ4bは、内部の固定磁石4cの外回りを矢印の反時計方向に所定の回転速度で駆動され、現像容器4a内において、スリーブ4b外面に固定磁石4cの磁力により、現像剤4fの磁気ブラシ4f’が形成される。その現像剤磁気ブラシ4f’はスリーブ4bの回転と共に搬送され、規制ブレード4dにより層厚規制を受けて、所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層4f’として現像容器4a外に持ち出されて現像部mへ搬送されて、感光ドラム1面に接触し、引き続くスリーブ4bの回転で、再び現像容器4a内に戻し回収される。
【0128】現像スリーブ4b上の現像剤磁気ブラシ薄層4f’における現像剤は、感光ドラム1面に接した時に、感光ドラム1上の静電潜像である露光部の対向部に存在するトナーTは感光ドラム1に移動して、静電潜像を現像するが、それ以外の非露光部に対向するものは、現像容器4aに戻される。この時に、帯電装置2より感光ドラム1に吐き出された転写残現像剤も一緒に現像容器4aに回収される。
【0129】現像スリーブ4bには、現像バイアス印加電源E4によりDC成分とAC成分を重畳した所定の現像バイアスが印加される。本実施例での現像特性は、感光ドラム1の帯電電位(−700v)と現像バイアスのDC成分値の差が200v以下であるとカブリが生じ、350v以上であると現像キャリアの感光ドラム1への付着が生じたので、現像バイアスのDC成分は−400vとした。
【0130】現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度(現像キャリアとの混合割合)は、トナーが静電潜像の現像に消費されて逐次消費されていくので、低くなっていく。
【0131】現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度は不図示の検知手段により検知されて、所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーTの補給がなされて、現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を常に所定の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0132】ここで、現像剤4fに含まれたトナーTとして重合法で作成した高離型性球形トナーを用いることで、転写残現像剤の発生量を少なくすることができるし、又、磁気ブラシ帯電装置2から吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させることができる。
【0133】二成分接触現像方式の現像装置4を用いることでも、磁気ブラシ帯電装置2から吐き出されたトナーの現像装置4への回収性を向上させている。
【0134】ここで、帯電装置2に一時的に回収された逆極性(正極)のトナーの大半は磁性粒子2dとの摩擦帯電により正規極性(負極)に帯電するものの、一部は逆極性のまま帯電装置2のAC電圧により感光ドラム1表面に付着する。
【0135】図7に示すように、帯電装置2にて帯電された感光ドラム1上の正規極性トナーは、露光を受けた部分のトナーT4は、現像装置4内のトナーTと同様に感光ドラム1の方へ、露光を受けてない部分のトナーT5は現像装置4の方に回収される。それに対して、感光ドラム1上の逆極性トナーは、現像装置4に到達すると、画像露光を受けてない領域では逆極性トナーT1は感光ドラム1表面に付着し、露光を受けた領域の逆極性トナーT2は現像装置4に回収されてしまう。
【0136】現像装置4に回収された逆極性トナーT2は現像装置4内で攪拌されて正規極性に帯電されるが、長期にわたる使用により現像剤の帯電能が低下していると、逆極性のまま現像装置4内に蓄積する。
【0137】その逆極性トナーT3は、感光ドラム1の帯電電位の領域に再び付着して転写部まで到達する。転写バイアスは逆極性トナーT3と同じ極性であるため通常は転写されにくいが、コート紙など表面の平滑性の良い紙に対しては接触による吸着力により転写バイアスの電界に逆らって紙に転写されてしまい、白地部であるべき場所にトナーが付着してカブリ画像となった。
【0138】例えば、上記のコート紙を用いた実験では、コート紙は厚紙(209g/m2)であり、熱容量が大きく定着で十分な熱を加えるため、プロセス速度は通常の1/2(150÷2=75mm/sec.)で行っている。この条件では、現像の駆動速度も1/2にしているため現像剤の攪拌能力も低下しており、逆極性トナーの蓄積が多くカブリが発生しやすくなっている。
【0139】この状態で、現像剤4f中のトナー濃度を変化させた時のカブリ濃度の測定を行った。その結果を図8に示す。現像剤4f中のトナー濃度の減少に伴い、カブリ反射濃度も減少している。この原因として、2つの現象が考えられる。
【0140】その一つとしては、全トナー量が少なくなると同時に逆極性トナー絶対量も減るためカブリが軽減することによるものである。
【0141】もう一つの原因としては、現像キャリアに対するトナー量が減る為、トナーがキャリアに接触する確率が増加する。そのため、逆極性トナーも正規極性に帯電される可能性が高まり、逆極性トナーが少なくなり、カブリが軽減されることが挙げられる。
【0142】この結果から、本発明の特徴部分として、本実施例では、通常の画像形成モードと、転写材Pとして、カブリが発生しやすい紙を選択した場合の画像形成モードを設け、該画像形成モードを選択したときは、現像剤中のトナー濃度の制御値を変更した。
【0143】本実施例では、ホストコンピュータやコントロールパネル等の操作部から、ユーザが転写材の種類についての情報に基づいて所定の画像形成モードを選択し、転写材が普通紙である通常の第1画像形成モードでは、現像装置4内のトナー濃度が、通常の所定トナー濃度、ここでは8%wt.となるようにトナー補給を制御しているのに対し、厚紙等のカブリが発生しやすい紙を選択した第2画像形成モードでは、通常よりも低いトナー濃度である、7%wt.に制御するようにした。
【0144】その結果、逆極性トナーが蓄積しやすいプロセス速度低下時において、カブリ反射濃度を約0.25%減少させることができた。
【0145】つまり、このように、転写残現像剤を帯電装置2の帯電ブラシ2Aに一旦回収させ、その転写残現像剤を帯電ブラシ2Aから吐き出させて、現像装置4にて再回収させる方式の画像形成装置において、画像形成モードの種類により、現像剤中のトナー濃度を変化させることが、本発明の特徴部分である。
【0146】そして、本実施例では、その画像形成モードを転写材の種類とした。ここでは、転写材として普通紙、つまりトナー濃度が所定の通常濃度でも、転写残現像剤が転写されない転写材を使う通常の第1画像形成モードと、所定の通常濃度では転写残現像剤が付着しやすい、ベック平滑度が100秒以上であるようなコート紙や、定着速度を遅くする必要がある坪量の大きな、つまり秤量が100〜160g/m2である厚口紙等のカブリの生じやすい転写材を使用する第2画像形成モードとが切り替えられる。
【0147】又、現像装置4の現像容器4a内の現像剤4fのトナー濃度を不図示の検知手段により検知して、所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部4gから現像容器4a内の現像剤4fにトナーの補給がなされる。
【0148】そこで、現像剤中のトナー濃度の制御は、上記に説明したように、本実施例では、カブリが発生しやすい転写材が選択されて、トナー濃度を変更するときは、不図示の制御部にて、トナー濃度の制御値となる、現像剤4fの許容下限濃度を低下させて、トナーTの消費に従って、現像装置4内の現像剤のトナー濃度を低くするようにした。
【0149】又、第2画像形成モードにおいて、トナー濃度を下げることで逆極性トナーの絶対量が減少するため、カブリが良化するが、ここで、プロセス速度に伴い現像の駆動速度が低下して現像剤攪拌能力が低下した場合には、その効果は更に有効となる。よって、第2画像形成モードにて、第1画像形成モードにおけるプロセス速度よりもプロセス速度を低下させる方法においても有効である。
【0150】ここで、本実施例の感光ドラム1は、前述したように負帯電性・電荷注入性のOPC感光体であり、図9に層構成を示した部分断面図を示したように、外径30mmのアルミニウム製のドラム基体1a上に第1〜第5の機能層1b〜1fを下から順に設けたものである。
【0151】第1層:下引き層1bであり、アルミニウムドラム基体の欠陥などをならすため、又レーザー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設けられている、厚さ約20μmの導電層である。
【0152】第2層:正電荷注入防止層1cであり、アルミニウムドラム基体1aから注入された正電荷が感光ドラム1表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって、体積抵抗106Ω・cm程度に、抵抗調整された厚さ約1μmの中抵抗層である。
【0153】第3層:電荷発生層1dであり、ジスアゾ系の顔料を樹脂に分散した、厚さ約0.3μmの層であり、レーザー露光を受けることによって、正負の電荷対を発生する。
【0154】第4層:電荷輸送層1cであり、ポリカーボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型半導体である。従って、感光ドラム1表面に帯電された負電荷はこの層1cを移動することはできず、電荷発生層1dで発生した正電荷のみを感光ドラム1表面に輸送することができる。
【0155】第5層:電荷注入層1fであり、バインダーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導電化)した、粒径0.03μmの酸化錫SnO2の超微粒子である導電性微粒子を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料を約3μm塗工した塗工層である。この電化注入層1fの電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条件である、1×1010〜1×1014Ω・cmである必要がある。本実施例では、表面抵抗が1×1011Ω・cmの感光ドラム1を用いた。
【0156】以上の構成により、省スペース化のためにクリーナーを備えずに、帯電装置及び現像装置を用いて、現像同時クリーニングを実践する画像形成装置においても、転写残現像剤中の感光体に対して逆極性であるトナーが帯電装置及び現像装置に蓄積して転写材に付着するのを軽減した画像形成装置が実現できる。
【0157】ここで、本実施例では、画像のカブリは、特定の種類の転写材において発生したため、画像形成モードを転写材の種類で設定したが、特にカブリが生じやすい転写材としては、ベック平滑度が100秒以上であるようなコート紙、定着速度を遅くする必要がある坪量の大きな、つまり秤量が100〜160g/m2である厚口紙が挙げられる。
【0158】又、同じ種類の転写材であっても、湿度や温度等の環境によって、画像のカブリが生じることも考えられるので、そうした環境等によって、画像形成モードを設定しても良い。
【0159】尚、画像のカブリは、特に感光体から転写材に直接画像を転写する場合に多く生じるので、ここでは、転写媒体である転写材を転写ベルトに担持して、転写材に直接画像を形成する構成の画像形成装置について説明したが、転写材担持体はベルト状でなくドラム状でもよく、又、カラー画像形成装置等に広く実用されている、感光体からトナー像をベルト状やドラム状の転写媒体である中間転写体に一度転写してから、一括して中間転写体から転写材に転写する中間転写方式の画像形成装置においても、本発明は適用できる。
【0160】実施例2実施例1においては、トナー濃度の調節をトナー補給を開始するトナー許容下限濃度を低くすることによって行っていたため、カブリが発生し易い紙を選択して、制御トナー濃度を低くしてから、数枚画像形成して現像剤中のトナーを消費しないと、実際の現像装置4内のトナー濃度が下がらず、カブリが軽減しない。
【0161】そこで、本実施例では、カブリが発生し易い紙を選択した最初の画像形成の前に、現像装置4内の現像剤を使用して感光ドラム1上に転写材に転写しないトナー像を形成し、現像剤中のトナーを消費して、目標のトナー濃度に下げてから画像形成を行った。
【0162】本実施例は、実施例1にて図1に示したプリンタと同様の構成のプリンタであり、現像剤の総量が200g、普通紙を用いる第1画像形成モードの通常のトナー濃度が8%wt.である。カブリが生じやすい紙を用いる第2画像形成モードにおいて、このトナー濃度を7%wt.に下げる為には、200g×(0.08−0.07)=2gのトナーを現像しなければならない。
【0163】感光ドラム1の周速が150mm/sec、現像幅が300mm、感光ドラム1上に現像したトナー像の単位面積当りの重量が0.5mg/cm2であるため、画像形成前に感光ドラム1を一次帯電し、露光装置3により9秒間ベタ露光したあと現像装置4にて現像動作を行った。
【0164】感光ドラム1に現像されたトナーは転写ベルト5a上に転写し、不図示の転写ベルトクリーナーで回収したが、帯電装置2のトナー保持能力に余裕がある場合は、帯電装置2で一時回収した後、感光ドラム1に吐き出して現像装置4で再回収してもよい。
【0165】従って、カブリが発生しやすい転写材を選択して、現像装置4のトナー濃度が所定の濃度に低下するまで、トナー濃度が高い現像剤によって作成された画像は、全て転写ベルト5aに転写され、転写材に転写されることはない。
【0166】以上の結果、カブリが発生し易い転写材を選択して最初の画像形成においても、カブリを軽減させることができた。従って、転写材である紙の無駄がなくなり、低コスト化や作業性の上昇が達成された。
【0167】この操作で低下したトナー濃度を、通常のモードに戻した時、最初の画像形成前にトナーを補給することで、元のトナー濃度にすることが可能である。
【0168】又、現像剤中のトナー濃度を下げることで、画像の濃度が下がってしまうが、一次帯電電位、現像バイアス等の調整や現像スリーブの回転速度、感光体の回転速度、つまりプロセス速度を調整することで、ほぼ同等な画像を画像形成することが可能である。
【0169】尚、以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0170】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像形成装置は、トナーを含む現像剤にて転写材上に画像を形成する画像形成装置において、転写装置による転写後に像担持体表面に残留した転写残現像剤を、帯電装置の帯電部材に回収し、次いで帯電部材に回収した転写残現像剤を像担持体上に吐き出し、次いで像担持体上に吐出した転写残現像剤を現像装置にて回収する画像形成装置であって、複数の画像形成モードが切り替え可能であり、画像形成モードに基づいて、現像装置内に収容された現像剤におけるトナー濃度を変更することを特徴とする画像形成装置であるので、現像装置に蓄積した像担持体に対して逆極性トナーが接触転写してカブリとなってしまう転写材を用いるときも、現像剤中のトナー濃度を低下させ摩擦帯電能を上げることにより、像担持体に対して逆極性トナーを正規極性に帯電してカブリを防止でき、安定した良好な画像形成を継続して行うことができた。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【住所又は居所】東京都大田区下丸子3丁目30番2号
【出願日】 平成14年2月15日(2002.2.15)
【代理人】 【識別番号】100075638
【弁理士】
【氏名又は名称】倉橋 暎
【公開番号】 特開2003−241511(P2003−241511A)
【公開日】 平成15年8月29日(2003.8.29)
【出願番号】 特願2002−38813(P2002−38813)