| 【発明の名称】 |
導電性現像ローラー |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 淳 【住所又は居所】神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号 バンドー化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】プリンター、ファクシミリ、コピー等の電子写真装置に用いられる導電性現像ローラーに関し、従来の導電性現像ローラーと同等の電気的特性を安定した状態で維持させつつ、架橋反応に要する時間を従来に比べて著しく短縮することを課題とする。
【解決手段】軸体2の外周に、導電弾性層3が設けられた導電性現像ローラーにおいて、前記導電弾性層3を構成する導電弾性材料に、亜鉛系酸化物が添加されていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軸体(2) の外周に、導電弾性層(3) が設けられた導電性現像ローラーにおいて、前記導電弾性層(3) を構成する導電弾性材料に、亜鉛系酸化物が添加されていることを特徴とする導電性現像ローラー。 【請求項2】 亜鉛系酸化物が、酸化亜鉛である請求項1記載の導電性現像ローラー。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する利用分野】本発明は、プリンター、ファクシミリ、コピー等の電子写真装置に用いられる導電性現像ローラーに関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、プリンター、ファクシミリ、コピー等に応用されている電子写真プロセス技術においては、多数のエラストマータイプの導電性現像ローラーが用いられている。 【0003】このような導電性現像ローラーは、軸体の外周に、エラストマーからなる導電弾性層が設けられた構成からなるものであるが、この種の導電性現像ローラーには、電気的特性を安定な状態に制御することが必要とされ、特に半導電性領域の電気的特性を制御することは、設計,生産面において非常に重要なことである。 【0004】このような電気的特性を制御する手法として、一般にイオン導電タイプと電子伝導タイプがある。 【0005】特に後者の電子伝導タイプは、カーボンブラック等の導電性粒子を添加し、その導電性粒子のストラクチャーを形成することにより、エラストマーに導電性が付与されることとなる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、このようなエラストマーを成形するに際しては、重合反応を促進させるために、ジアミン類、環状アミン類等のアミン系触媒や、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)のような有機金属系触媒を数百ppm添加するような手段が採用されている。 【0007】しかし、このようなアミン系触媒や有機金属系触媒のような重合促進剤は、導電性付与のために添加されているカーボンブラックがストラクチャーを形成する前に機能を生じさせ、従って、カーボンブラックがストラクチャーを形成する前に架橋反応が終結することとなっていた。 【0008】よって、カーボンブラックの導電性付与剤としての機能が十分に発揮されず、エラストマーに導電性を付与することが十分にできず、その結果、導電性現像ローラーの電気的特性を安定な状態に制御することができないという問題点が生じていた。 【0009】そして、このようなカーボンブラックの添加によりエラストマーに導電性を付与する手法においては、電気的特性を安定な状態に制御するために、1時間以上という長時間の架橋反応を行うことによって対処されていた。しかし、架橋反応の時間が長くなることは、導電性現像ローラーの生産性の観点等からは、本来好ましいことではない。 【0010】本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、従来の導電性現像ローラーと同等の電気的特性を安定した状態で維持させつつ、架橋反応に要する時間を従来に比べて著しく短縮することを課題とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その課題を解決するための手段は、軸体2の外周に、導電弾性層3が設けられた導電性現像ローラーにおいて、前記導電弾性層3を構成する導電弾性材料に、亜鉛系酸化物が添加されていることである。 【0012】亜鉛系酸化物としては、たとえば酸化亜鉛が用いられる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について説明する。 【0014】一実施形態の現像ローラー9は、ローラー本体1の中心部に、軸体2が設けられた構成からなる。ローラー本体1は、軸体2の外周に設けられた導電弾性層3と、その導電弾性層3の外周に設けられた表面層4からなる。 【0015】軸体としては、本実施形態ではSUSやSUM等の金属を、ニッケル無電解メッキしたものが用いられる。また、導電弾性層3を構成する材料としては、導電性熱硬化性ウレタンエラストマーが用いられる。 【0016】本実施形態の導電性熱硬化性ウレタンエラストマーは、ポリエステルポリオールにカーボンブラックを練り込み、これにトルエンジイソシアネート(TDI)と、加水分解防止剤としてのカルボジイミドを添加し、さらに酸化亜鉛(ZnO)を添加したものが用いられる。 【0017】ポリエステルポリオールは、本実施形態では、ジエチレングリコールとアジピン酸とから得られる。カーボンブラックとしては、ケッチェンブラックEC(商品名:ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を用い、ポリエステルポリオール100 部に対して0.5 部練り込んだ。 【0018】また、トルエンジイソシアネート(TDI)は、好ましくはポリエステルポリオール100 部に対して6〜9部配合される。さらに、カルボジイミド(加水分解防止剤)は、好ましくはポリエステルポリオール100 部に対して0.3 〜1.5 部配合される。 【0019】さらに、表面層4は、本実施形態では、熱可塑性ポリウレタン系の皮膜が用いられる。 【0020】次に、このような導電性現像ローラー9を製造する場合について説明すると、先ず軸体2を構成する金属製シャフトを金型に入れ、その軸体2の外周に導電弾性層3を形成すべく、上記ポリエステルポリオールやトルエンジイソシアネート等のウレタン材料、及び導電性付与剤としてのカーボンブラック等を入れて攪拌し、金型に流し込む。 【0021】次に、金型全体に均一に熱をかけ、架橋反応を生じさせる。そして、架橋反応が終了すれば、金型を冷却した後、成形体を脱型する。このようにして得られた成形体の外径の凹凸、偏心を除去し、その外周に均一厚さの表面層4を形成しうるように、導電弾性層3の外周を研磨する。 【0022】その後、研磨済みの導電弾性層3に表面層4を設けることによって、上記のような現像ローラー9が得られることとなる。 【0023】本実施形態においては、導電弾性層3を構成する材料である導電性熱硬化性ウレタンエラストマーに、酸化亜鉛が添加されているため、架橋反応が終了するまでの時間が著しく短縮されることとなった。酸化亜鉛の添加によって架橋時間が短くなる理由は必ずしも定かではないが、一応、酸化亜鉛がアルカリ性を示し、それがウレタン反応を促進させると推定される。 【0024】上記のような構成からなる導電性現像ローラー9は、図2に示すような現像装置11に組み込まれて使用される。この現像装置11において、5は静電潜像保持体である感光体ドラム、6は現像剤層を形成する手段としての薄層化ブレード、7は現像剤供給ローラ、8は現像剤をそれぞれ示す。 【0025】このような現像装置11において、導電性現像ローラ9が感光体ドラム5に対向して圧接され、この導電性現像ローラ9の感光体ドラムとの圧接位置の反対側には、回転軸10を中心に回転する現像剤供給ローラ7が圧接され、また前記導電性現像ローラ9と感光体ドラム5との圧接位置の回転上流側には、導電性現像ローラ9の外周面に現像剤の薄層を形成する部材である薄層化ブレード6が配置され、さらに枠体に軸受を介して両端を支持された回転軸2の一端には、導電性現像ローラ9を感光体ドラム5より速い周速度で回転させる駆動部材(図示せず)が取り付けられている。 【0026】尚、上記実施形態では、導電弾性層3を構成するウレタンエラストマーに酸化亜鉛(ZnO)を添加したが、酸化亜鉛(ZnO)以外の亜鉛系酸化物を添加することも可能である。 【0027】また、上記実施形態では、導電弾性層3を構成するウレタンエラストマーの材料の1つであるポリエステルポリオールの原料として、ジエチレングリコールとアジピン酸とから得られるものを使用したが、ポリエステルポリオールの原料は該実施形態に限定されるものではない。また、他の種類のポリオール、或いはジオールを用いることも可能である。 【0028】さらに、該実施形態では、イソシアネートとして、トルエンジイソシアネート(TDI)を用いたが、TDI以外のイソシアネート、たとえばジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等を用いることも可能である。 【0029】さらに、上記実施形態では、カーボンブラックとしてケッチェンブラックEC(商品名:ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製)を用いたが、これ以外のカーボンブラックを使用することもむろん可能である。尚、本発明は、導電性付与剤としてカーボンブラックを用いることを主眼とするものであるが、これ以外に、たとえば金属粒子を導電性付与剤として用いることも可能である。 【0030】さらに、加水分解防止剤の種類も、上記実施形態のカルボジイミドに限定されるものではない。 【0031】尚、本発明は、上記のようなウレタンエラストマーを架橋反応で得る際に、酸化亜鉛の添加によって架橋時間が短縮できることを見い出してなされたものであるので、導電弾性層3を構成する材料として、導電性熱硬化性ウレタンエラストマーを用いることを主眼とするものであるが、本発明に用いる導電弾性層3を構成する材料は、ウレタンエラストマーに限定されるものではなく、他の材料、たとえばNBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、シリコンゴム等を用いることも可能である。 【0032】さらに、上記実施形態では、軸体2として、SUSやSUM等の金属を、ニッケル無電解メッキしたものを用いたが、軸体2の材質もこれに限定されるものではなく、剛性が大きく細くて曲がりにくいものであれば、その材質は限定されるものではない。 【0033】尚、このような軸体2は、両端部を軸支したりギヤ等の駆動部材を嵌め込むため、JISハメアイ寸法に応じて高精度に加工して用いられるのが望ましい。また、軸体2は脱脂洗浄し、必要に応じて接着剤を塗布してもよい。 【0034】さらに、上記実施形態では、導電弾性層3の外側に表面層4が設けられていたが、このような表面層4を形成することは本発明に必須の条件ではない。 【0035】 【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 【0036】(実施例1)本実施例の導電性熱硬化性ウレタンエラストマーの組成、配合量は次のとおりである。 成分 配合量(重量部) ポリエステルポリオール 100部カーボンブラック 0.5部カルボジイミド 1部TDI 7.8部【0037】この導電性熱硬化タイプウレタンエラストマーに、500ppmのZnOを添加した。架橋条件として、150 ±5℃の温度で、金型内で15分間架橋を行い、脱型した後、150 ±5℃の温度で、2時間架橋を行った。 【0038】得られたローラーの電気抵抗を測定したところ、0.7〜1.1 ×104Ω・cmであった。 【0039】(実施例2)本実施例の導電性熱硬化性ウレタンエラストマーの組成、配合量は上記実施例1と同じである。 【0040】その導電性熱硬化タイプウレタンエラストマーに、100ppmのZnOを添加した。架橋条件は、実施例1と同様に行った。 【0041】得られたローラーの電気抵抗を測定したところ、0.8 〜1.1 ×104Ω・cmであった。電気抵抗の測定試験は、実施例1と同様にして行った。 【0042】(比較例1)上記実施例1及び2と組成、配合量が同じ導電性熱硬化タイプウレタンエラストマーを用い、ZnOを添加せずに架橋を行ったものを比較例1とした。架橋条件として、150±5℃の温度で、金型内で1時間架橋を行い、脱型した後、150±5℃の温度で、2時間架橋を行った。 【0043】得られたローラーの電気抵抗を、上記実施例と同様の試験で測定したところ、0.9 〜1.1 ×104Ω・cmであった。 【0044】(比較例2)上記実施例1及び2と組成、配合量が同じ導電性熱硬化タイプウレタンエラストマーを用い、ジブチルチンジラウレート(DBTDL)を500ppm添加したものを比較例2とした。架橋条件は、上記比較例1と同様に行った。 【0045】得られたローラーの電気抵抗を測定したところ、上記実施例と同様の試験で測定したところ、103〜106Ω・cm程度であった。 【0046】上記実施例や比較例の結果からも明らかなように、実施例1,2においては、比較例1,2と同程度の電気的特性を得るために、比較例1,2に比べて金型内での架橋反応時間を1/4 以下にすることができた。尚、脱型後の架橋時間は実施例と比較例とで同じであるが、脱型後においてはすでに品質に影響のない状態にまで架橋反応が進行し終わっており、その後は温度のみで架橋反応を続行させているだけである。従って、脱型後の架橋時間が同じであっても、金型内での架橋反応時間が短縮されていることで、上記実施例の効果が明らかに認められるのである。ただし、このことは、酸化亜鉛等の亜鉛系酸化物の添加を、金型内での架橋反応時になすことを本発明において必須条件とするのを意味するものではない。 【0047】 【発明の効果】以上のように、本発明は、軸体の外周に、導電弾性層が設けられた導電性現像ローラーにおいて、前記導電弾性層を構成する導電弾性材料に、亜鉛系酸化物が添加されているものであるため、架橋反応時間を従来に比べて著しく短縮することができた。 【0048】ちなみに、従来では、1時間以上の長時間を要していた架橋反応時間を、本発明によって15分〜20分と、約1/4〜1/3程度に短縮することができた。 【0049】この結果、導電性現像ローラーの生産性を従来に比べて著しく向上させることができた。 【0050】しかも、このように架橋反応時間を短縮できるにもかかわらず、電気的特性は従来と同程度に制御することができた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005061 【氏名又は名称】バンドー化学株式会社 【住所又は居所】兵庫県神戸市兵庫区明和通3丁目2番15号
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| 【出願日】 |
平成14年2月20日(2002.2.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074332 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 昇 (外5名)
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| 【公開番号】 |
特開2003−241505(P2003−241505A) |
| 【公開日】 |
平成15年8月29日(2003.8.29) |
| 【出願番号】 |
特願2002−43272(P2002−43272) |
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