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【発明の名称】 表面電位制御装置及び画像形成装置
【発明者】 【氏名】浦野 高志
【住所又は居所】東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティーディーケイ株式会社内

【要約】 【課題】被測定体の電位を所定値に保つことができる表面電位制御装置を提供する。

【解決手段】表面電位センサ1は、電位検知電極11と、距離検知電極12とを含む。電位検知電極11は、被測定体40との距離に対応する距離成分と、被測定体40の電位に対応する電位成分とを含む電位距離信号s1を出力する。距離検知電極12は、被測定体40との距離に対応する距離信号s2を出力する。信号処理部20は、距離信号s2を用いて、電位距離信号s1から距離成分を除去し、被測定体40の電位Vsに対応する電位信号を生成し、電位信号に対応する制御信号c1を帯電装置81に入力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯電装置と、表面電位検出センサと、信号処理部とを含む表面電位制御装置であって、前記帯電装置は、入力された制御信号に対応する電気量を被測定体に与える装置であり、前記表面電位検出センサは、電位検知電極と、距離検知電極とを含み、前記電位検知電極は、前記被測定体に容量結合する電極であり、前記被測定体との距離に対応する距離成分と、前記被測定体の電位に対応する電位成分とを含む電位距離信号を出力し、前記距離検知電極は、前記被測定体に容量結合する電極であり、前記被測定体との距離に対応する距離信号を出力し、前記信号処理部は、前記電位距離信号と前記距離信号とが入力され、前記距離信号を用いて、前記電位距離信号から前記距離成分を除去し、前記被測定体の電位に対応する電位信号を生成し、前記電位信号に対応する制御信号を前記帯電装置に入力する表面電位制御装置。
【請求項2】 請求項1に記載された表面電位制御装置であって、前記帯電装置は、帯電器と、高圧発生部とを含み、前記高圧発生部は、前記制御信号に応じた高電圧を出力し、前記帯電器は、前記高電圧が入力され、前記高電圧に対応した電気量を被測定体に与える表面電位制御装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載された表面電位制御装置であって、前記信号処理部は、デジタル処理部を含み、前記デジタル処理部は、入力された信号をデジタル処理する表面電位制御装置。
【請求項4】 請求項3に記載された表面電位制御装置であって、前記信号処理部は、更に、アナログ処理部を含み、前記アナログ処理部は、電位検出部と、距離検出部とを含み、前記電位検出部は、前記電位距離信号をアナログ処理して出力し、前記距離検出部は、前記距離信号をアナログ処理して出力し、前記デジタル処理部は、前記距離検出部から出力された信号を基準電圧信号で除算して、基準位置からの変位に対応する変位信号を生成し、前記電位検出部から出力された信号を前記変位信号で除算して、前記電位信号を生成する表面電位制御装置。
【請求項5】 請求項4に記載された表面電位制御装置であって、前記電位検出部は、前記被測定体の電位に対応する成分と、前記変位信号に比例する成分とが乗算された電位変位信号を出力し、前記距離検出部は、信号発生器と、非反転増幅回路と、第2の増幅器と、第2の整流平滑回路と、減算回路と、第2のレベルシフト回路とを含み、前記信号発生器は、一定の周波数の信号を出力し、前記非反転増幅回路は、前記信号発生器から入力された信号を前記距離信号に基づく増幅率で増幅して出力し、前記第2の増幅器は、前記非反転増幅回路から入力された信号を交流増幅して出力し、前記第2の整流平滑回路は、前記第2の増幅器から入力された信号を整流平滑して出力し、前記減算回路は、前記第2の整流平滑回路から入力された信号から前記信号発生器から入力された信号を減算して出力し、前記第2のレベルシフト回路は、前記減算回路から入力された信号のレベルを調整して出力し、前記デジタル処理部は、前記第2のレベルシフト回路から入力された信号を基準電圧信号で除算して、前記変位信号を生成する表面電位制御装置。
【請求項6】 請求項5に記載された表面電位制御装置であって、前記電位検出部は、インピーダンス変換回路と、第1の増幅器と、第1の整流平滑回路と、第1のレベルシフト回路と、変調信号発生回路と、メカニカルチョッパとを含み、前記変調信号発生回路は、一定の周波数の信号を出力し、前記メカニカルチョッパは、前記変調信号発生回路から入力された信号の周波数で、前記被測定体と前記電位検知電極との間の静電容量を変化させ、前記インピーダンス変換回路は、前記電位距離信号を電圧信号に変換して出力し、前記第1の増幅器は、前記インピーダンス変換回路から入力された信号をAC増幅して出力し、前記第1の整流平滑回路は、前記第1の増幅器から入力されたAC信号をDC信号に変換して出力し、前記第1のレベルシフト回路は、前記第1の整流平滑回路から入力された信号のDCレベルを調整して、前記電位変位信号を出力する表面電位制御装置。
【請求項7】 請求項5に記載された表面電位制御装置であって、前記電位検出部は、インピーダンス変換回路と、第1の増幅器と、第1の整流平滑回路と、第1のレベルシフト回路と、変調信号発生回路と、シールドケースと、静止電極と、インピーダンス発生器とを含み、前記シールドケースは、検知窓を含み、前記電位検知電極と、前記インピーダンス変換回路と、前記第1の増幅器と、前記第1の整流平滑回路と、前記第1のレベルシフト回路と、前記変調信号発生回路と、前記インピーダンス発生器と前記静止電極とを覆っており、前記検知窓は、前記静止電極と前記被測定体との間に設けられ、前記静止電極は、前記被測定体と前記電位検知電極との間に配置され、前記変調信号発生回路は、一定の周波数の信号を出力し、前記インピーダンス発生器は、前記変調信号発生回路から入力された信号の周波数で、前記静止電極のインピーダンスを変化させ、前記インピーダンス変換回路は、前記電位距離信号を電圧信号に変換して出力し、前記第1の増幅器は、前記インピーダンス変換回路から入力された信号をAC増幅して出力し、前記第1の整流平滑回路は、前記第1の増幅器から入力されたAC信号をDC信号に変換して出力し、前記第1のレベルシフト回路は、前記第1の整流平滑回路から入力された信号のDCレベルを調整して、前記電位変位信号を出力する表面電位制御装置。
【請求項8】 請求項1乃至7の何れかに記載された表面電位制御装置であって、前記電位検知電極と前記被測定体との距離、及び、前記距離検知電極と前記被測定体との距離が同一である表面電位制御装置。
【請求項9】 表面電位制御装置と、被測定体を含む画像形成装置であって、前記表面電位制御装置は、請求項1乃至8の何れかに記載されたものでなり、前記被測定体は、感光体ドラムである画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面電位制御装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザビームプリンタやファクシミリ等の画像形成装置は、表面電位制御装置を含む。表面電位制御装置は、被測定体である感光ドラムの表面電位を制御する手段として用いられる。
【0003】表面電位制御装置は、検知電極と感光ドラムとの間の電界を、例えば、音叉で機械的に断続することにより、感光ドラムの表面電位に対応した交流信号を生成し、この交流信号を処理することにより、感光ドラムの表面電位を検出する。そして、検出した結果に基づいて感光ドラムの表面電位を制御する。
【0004】このような表面電位制御装置は、検知電極と感光ドラムとの距離が変動すると、表面電位の検出値に誤差が生じる。このため、検知電極を高い精度で基準位置に取付け、検知電極と感光ドラムとの距離が所定の値になるようにする必要があり、組立の困難性を招く。しかも、基準位置からの検知電極のずれを、長期にわたってゼロに維持することは、実際的に不可能であることを考えると、事実上、検出誤差を回避することができない。そして、表面電位の検出値に誤差が生じた場合には、適切なフィードバック制御が可能な表面電位制御装置を構成することができないという問題がある。
【0005】検知電極と感光ドラムとの間の距離変動に伴う検出誤差を回避する手段として、特公平3−6467号公報は、検知電極に高電圧をフィードバックすることにより、検知電極と感光ドラムとの距離が変動した場合でも、表面電位の検出値に誤差が生じないようにした表面電位制御装置を開示している。
【0006】しかし、この表面電位制御装置は、高電圧をフィードバックする必要があるため、回路構成が複雑になるとともに、大型で高価な高耐電圧部品が必要になるという問題がある。
【0007】また、米国特許第4797620号明細書は、音叉の機械的振動の振幅を小さくすることにより、検知電極と感光ドラムとの距離が変動した場合でも、表面電位の検出値に誤差が生じないようにした表面電位制御装置を開示している。
【0008】しかし、この表面電位制御装置では、音叉の機械的振動の振幅を小さくしているので、検出感度が低くなり、S/N比を大きくすることができないという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、被測定体との距離が変動した場合であっても、被測定体の電位を正確に検出することができる表面電位制御装置を提供することである。
【0010】本発明のもう一つの課題は、被測定体の電位を高い感度で検出できる表面電位制御装置を提供することである。
【0011】本発明の更にもう一つの課題は、適切なフィードバック制御を加え、被測定体の電位を所定値に保つことができる表面電位制御装置を提供することである。
【0012】本発明の更にもう一つの課題は、簡単な回路構成を持つ表面電位制御装置を提供することである。
【0013】本発明の更にもう一つの課題は、小型で、軽量な表面電位制御装置を提供することである。
【0014】本発明の更にもう一つの課題は、高耐圧部品を使用しない安価な表面電位制御装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するため、本発明に係る表面電位制御装置は、帯電装置と、表面電位検出センサと、信号処理部とを含む。前記帯電装置は、入力された制御信号に対応する電気量を被測定体に与える装置である。
【0016】前記表面電位検出センサは、電位検知電極と、距離検知電極とを含む。前記電位検知電極は、前記被測定体に容量結合する電極であり、前記被測定体との距離に対応する距離成分と、前記被測定体の電位に対応する電位成分とを含む電位距離信号を出力する。
【0017】前記距離検知電極は、前記被測定体に容量結合する電極であり、前記被測定体との距離に対応する距離信号を出力する。
【0018】前記信号処理部は、前記電位距離信号と前記距離信号とが入力され、前記距離信号を用いて、前記電位距離信号から前記距離成分を除去し、前記被測定体の電位に対応する電位信号を生成し、前記電位信号に対応する制御信号を前記帯電装置に入力する。
【0019】本発明に係る表面電位制御装置は、電位検知電極と距離検知電極とを含む。電位検知電極からは、被測定体との距離に対応する距離成分と被測定体の電位に対応する電位成分とを含む電位距離信号が出力される。距離検知電極からは、被測定体との距離に対応する距離信号が出力される。このため、表面電位制御装置と前記被測定体との距離が変動した場合であっても、距離信号を用いて、電位距離信号から距離成分を除去し、被測定体の電位に対応する信号を生成できるので、被測定体の電位を距離依存性を有することなく正確に検出することができる。
【0020】また、本発明に係る表面電位制御装置は、電位信号に対応する制御信号を帯電装置に入力しているので、被測定体の電位に基づいて帯電装置を制御することができる。このため、被測定体の周囲の環境が変化して、被測定体の電位が変動した場合であっても、適切なフィードバック制御を加え、被測定体の電位を所定値に保つことができる。
【0021】また、本発明に係る表面電位制御装置は、被測定体の電位を正確に検出することができるので、適切なフィードバック制御を加え、被測定体の電位を所定値に保つことができる。
【0022】しかも、上記構成によれば、高電圧をフィードバックする必要がなくなるので、回路構成が簡単になるとともに、大型で高価な高耐電圧部品、例えば,高圧発生用トランス、整流用の高耐圧ダイオード、整流用の高耐圧コンデンサ、DC/DCコンバータ用高耐圧トランスが不要になる。このため、本発明に係る表面電位制御装置は、小型で安価な低耐圧部品、例えば、耐圧が数十V程度の表面実装型部品を用いた簡単な回路で構成することができ、表面電位制御装置が小型、軽量になり、安価になる。
【0023】また、本発明に係る表面電位制御装置は、前記電位検知電極と前記被測定体との間の容量を大きな振幅で振動させることができるので、検出感度が高くなり、S/N比が大きくなる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る表面電位制御装置を用いた画像形成装置の構成を概略的に示す図である。図2は図1の部分拡大図である。本発明に係る画像形成装置は、例えば、複写機、レーザビームプリンタやファクシミリ等である。
【0025】図1、図2において、本実施例に係る画像形成装置は、PPC(PlainPaper Copy)法による複写機であり、本発明に係る表面電位制御装置を含む。被測定体40は、例えば、感光体ドラムである。被測定体40の表面は被測定面Sであり、被測定体40の表面電位はVsである。
【0026】本実施例に係る表面電位制御装置10は、表面電位検出センサ1と、温度検出センサTh1と、信号処理部20と、帯電装置81とを含む。
【0027】表面電位検出センサ1は、電位検知電極11と、距離検知電極12と、第1のシールドケース13と、第2のシールドケース14と、絶縁体400とを含む。第1のシールドケース13は、第1の検知窓15を含む。第2のシールドケース14は、第2の検知窓16を含む。
【0028】電位検知電極11は、被測定面Sに容量結合する電極であり、被測定面Sの表面電位Vsを、非接触状態で測定すべく、被測定面Sと対向して配置されている。この電位検知電極11は、第1のシールドケース13の内部に収納され、第1の検知窓15に対応して設けられている。
【0029】距離検知電極12は、被測定面Sに容量結合する電極であり、被測定面Sとの距離を、非接触状態で測定すべく、被測定面Sと対向して配置されている。この距離検知電極12は、第2のシールドケース14の内部に収納され、第2の検知窓16に対応して設けられている。
【0030】第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14は、絶縁体400により、互いに電気的に絶縁され、かつ、機械的に結合されている。
【0031】そして、電位検知電極11は、被測定面Sとの距離に対応する距離成分と、被測定面Sの電位Vsに対応する電位成分とを含む電位距離信号s1を出力する。距離検知電極12は、被測定面Sとの距離に対応する距離信号s2を出力する。
【0032】温度検出センサTh1は、例えば、サーミスタであり、被測定面Sに対向して配置されている。温度検出センサTh1は、被測定面Sの温度に対応する温度信号tmp1を出力する。
【0033】信号処理部20は、電位距離信号s1と距離信号s2とが入力され、距離信号s2を用いて、電位距離信号s1から距離成分を除去し、被測定面Sの電位Vsに対応する電位信号を生成する。また、温度信号tmp1が入力される。そして、電位信号及び温度信号tmp1に対応する制御信号c1を帯電装置81に入力する。この信号処理部20は、例えば、その一部または全部をコンピュータで構成してもよいし、受動回路素子、能動回路素子を用いた専用回路で構成してもよい。
【0034】帯電装置81は、入力された制御信号c1に対応する電気量を被測定面Sに与える装置であり、帯電器811と、高圧発生部812とを含む。帯電器811は、例えば、直径50〜100μmのタングステンワイヤをAl等の金属でシールドした構造のコロトロンや、メッシュ状に配置したグリッド電極にバイアス電圧を印加する構造のスコトロン等である。高圧発生部812は、例えば、PWM制御高圧電源等である。
【0035】高圧発生部812は、制御信号c1に応じたパルス幅で動作し、制御信号c1に応じた高電圧を出力する。帯電器812は、被測定面Sに対向して配置され、高圧発生部812から出力された高電圧に対応した電気量をコロナ放電により、被測定面Sに与える。
【0036】露光器821は、被測定面Sに光を照射して、被測定面Sの画像部以外の部分の電荷を除去する。これにより、画像部に電荷を残した、いわゆる静電潜像が形成される。この静電潜像は不可視像である。
【0037】現像器822は、画像部の電荷と逆極性に帯電した着色した粒子(以下、トナーと称す)を静電潜像に付着させて、トナー像を形成する。トナー像は可視像である。
【0038】転写器824は、トナー像に記録紙823を重ね合わせ、記録紙823の裏側からトナーと逆極性の電荷を与え、静電力によりトナー像を記録紙823に転写する。記録紙823はF1方向に送られる。定着器825は、記録紙823に熱と圧力を加える。これにより、トナー像が永久像として記録紙823に定着する。
【0039】除電器826は、光を照射して、被測定面Sに残った帯電電荷を除去する。クリーナ827は、被測定面Sに残ったトナーを除去する。
【0040】本実施例に係る表面電位制御装置は、電位検知電極11からは、電位検知電極11と被測定面Sとの距離に対応する距離成分と、被測定面Sの電位Vsに対応する電位成分とを含む電位距離信号s1が出力される。距離検知電極12からは、距離検知電極12と被測定面Sとの距離に対応する距離信号s2が出力される。
【0041】信号処理部20は、表面電位検出センサ1から電位距離信号s1と距離信号s2とが入力される。信号処理部20は、距離信号s2を用いて、電位距離信号s1から距離成分を除去し、被測定面Sの電位Vsに対応する電位信号を生成する。
【0042】したがって、電位検知電極11と被測定面Sとの距離が変動した場合であっても、距離信号s2を用いて、電位距離信号s1から距離成分を除去し、被測定面Sの電位Vsに対応する電位信号を生成できるので、被測定面Sの電位Vsを距離依存性を有することなく正確に検出することができる。
【0043】また、本発明に係る表面電位制御装置は、電位信号に対応する制御信号c1を帯電装置81に入力しているので、被測定面Sの電位Vsに基づいて帯電装置81を制御することができる。このため、被測定面Sの周囲の環境が変化して、被測定面Sの電位Vsが変動した場合であっても、適切なフィードバック制御を加え、被測定面Sの電位Vsを所定値に保つことができる。そして、被測定面Sの電位Vsを所定値に保つことにより、複写機の画像品質を安定させることができる。
【0044】また、本発明に係る表面電位制御装置は、被測定面Sの電位Vsを正確に検出することができるので、適切なフィードバック制御を加え、被測定面Sの電位Vsを所定値に保つことができる。
【0045】また、本発明に係る表面電位制御装置は、温度信号tmp1に対応する制御信号c1を帯電装置81に入力しているので、被測定面Sの温度に基づいて帯電装置81を制御することができる。このため、被測定面Sの周囲の環境が変化して、被測定面Sの温度が変動した場合であっても、適切なフィードバック制御を加え、被測定面Sの電位Vsを所定値に保つことができる。
【0046】しかも、上記構成によれば、高電圧をフィードバックする必要がなくなるので、回路構成が簡単になるとともに、大型で高価な高耐電圧部品、例えば,高圧発生用トランス、整流用の高耐圧ダイオード、整流用の高耐圧コンデンサ、DC/DCコンバータ用高耐圧トランスが不要になる。このため、本実施例に係る表面電位制御装置は、小型で安価な低耐圧部品、例えば、耐圧が数十V程度の表面実装型部品を用いた簡単な回路で構成することができ、表面電位制御装置が小型、軽量になり、安価になる。
【0047】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、電位検知電極11と被測定面Sとの間の容量を大きな振幅で振動させることができるので、検出感度が高くなり、S/N比が大きくなる。
【0048】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、電位検知電極11が収納された第1のシールドケース13と、距離検知電極12が収納された第2のシールドケース14とを機械的に結合してあるので、距離検知電極12と被測定面Sとの相対距離が電位検知電極11と被測定面Sとの相対距離と同時に変化する。したがって、距離検知電極12で得られた距離信号s2と、電位検知電極11で得られた電位距離信号s1の距離成分とは同じ距離を示すことになる。このため、電位距離信号s1の距離成分を距離信号s2によって除去し、被測定面Sの電位Vsを距離依存性を有することなく正確に検出することができる。
【0049】また、本発明に係る表面電位制御装置は、第1のシールドケース13と第2のシールドケース14とが電気的に絶縁されているので、第1のシールドケース13と第2のシールドケース14とを別々の電位に接地することができる。このため、第1のシールドケース13に収納された電位検知電極11と、第2のシールドケース14に収納された距離検知電極12との相互干渉を回避し、被測定面Sの電位Vsを正確に検出することができる。
【0050】また、本発明に係る表面電位制御装置は、電位検知電極11が第1のシールドケース13に収納され、距離検知電極12が第2のシールドケース14に収納されているので、電位検知電極11及び距離検知電極12がノイズの影響を受けにくくなり、S/N比が大きくなる。
【0051】また、本実施例に係る表面電位制御装置において、第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14は、金属平板で構成してもよいし、高周波の電波が進入しない程度に細かい金属メッシュで構成してもよい。また、電位検知電極11及び距離検知電極12の形状は任意であり、板状、線状、円形状、矩形状など、多様な態様を採用し得る。更に、電位検知電極11及び距離検知電極12の構造についても、それが、所定の要求特性を満たすものである限り、特に限定はない。例えば、電位検知電極11は、チョッパ型のものであってもよいし、電子回路的手法により結合容量を変化させるものであってもよい。更に、被測定面Sは、一般には、感光体ドラムの表面であるが、帯電した絶縁フィルム等の表面であることもある。帯電した絶縁フィルムの電位を測定する場合には、接触状態で用い得る。また、被測定面Sの周囲の湿度等に対応する信号を信号処理部20に入力し、湿度等の情報に基づく制御を行ってもよい。また、表面電位検出センサ1及び信号処理部20は、別々に構成してもよいし、信号処理部20の一部又は全部を表面電位検出センサ1の内部に設けてもよい。
【0052】図3は図1に示した表面電位制御装置の一部の構成を更に具体的に示すブロック図、図4は図3に示した表面電位制御装置の一部の構成を更に具体的に示すブロック図、図5は図4に示した表面電位制御装置の一部の構成を更に具体的に示す回路図である。
【0053】図3、図4において、信号処理部20は、アナログ処理部202と、切換器203と、A/D変換器204と、デジタル処理部205と、D/A変換器208とを含む。
【0054】アナログ処理部202は、受動回路素子、能動回路素子を用いて構成した専用回路からなる。デジタル処理部205は、例えば、コンピュータからなり、入力された信号をデジタル処理する。
【0055】図4において、アナログ処理部202は、電位検出部21と、距離検出部24とを含む。電位検出部21は、インピーダンス変換回路211と、第1の増幅器212と、第1の整流平滑回路213と、第1のレベルシフト回路214と、変調信号発生回路215と、メカニカルチョッパ216とを含む。距離検出部24は、信号発生器221と、非反転増幅回路222と、第2の増幅器223と、第2の整流平滑回路224と、減算回路225と、第2のレベルシフト回路226とを含む。
【0056】図5に示す信号発生器221は、オペアンプA1と、抵抗R1、R2と、信号源VGとを含む。信号源VGの一端は接地電位である第1基準電位GND1に接地されている。オペアンプA1は、非反転入力端子が接地されている。オペアンプA1の反転入力端子は、抵抗R1を介して信号源VGの他端に接続されるとともに、抵抗R2を介して出力端子に接続されている。オペアンプA1の出力端子は、信号発生器221の出力端子となる。
【0057】非反転増幅回路222は、オペアンプA2と、抵抗R3とを含む。オペアンプA2の反転入力端子は、距離検知電極12に接続されるとともに、抵抗R3を介して出力端子に接続されている。オペアンプA2の非反転入力端子は信号発生器221の出力端子に接続されている。オペアンプA2の出力端子は、非反転増幅回路222の出力端子となる。
【0058】回路を構成する電子部品であるインピーダンス変換回路211、第1の増幅器212、第1の整流平滑回路213、第1のレベルシフト回路214、変調信号発生回路215、信号発生器221、非反転増幅回路222、第2の増幅器223、第2の整流平滑回路224、減算回路225、第2のレベルシフト回路226は、回路基板19の片面に搭載されている。
【0059】そして、インピーダンス変換回路211、第1の増幅器212、第1の整流平滑回路213、第1のレベルシフト回路214、変調信号発生回路215、信号発生器221、第2の整流平滑回路224、減算回路225、第2のレベルシフト回路226は、第1のシールドケース13に収納され、非反転増幅回路222、第2の増幅器223は、第2のシールドケース14に収納されている。
【0060】本実施例においては、被測定面Sは直流高圧電源VDCに接続され、被測定面Sの表面電位Vsは、第1基準電位GND1に対して、例えば、0Vから−1000Vまで変化する。
【0061】電位検知電極11と被測定面Sとの距離はL1であり、その静電容量がC1となる。距離検知電極12と被測定面Sとの距離L2は、距離L1と同じ値に設定されており、その静電容量がC2となる。
【0062】図6、図7は、図4に示した表面電位制御装置10の動作波形図である。以下、図3、図4、図6、図7を参照して、表面電位制御装置10の動作を説明する。まず、表面電位制御装置10の静電容量C2は、誘電率をε0とし、実効面積をS2とすると、C2=ε0*S2/L2となる。ここで、距離検知電極12と被測定面Sとの間には空気のみが存在するので、誘電率ε0は一定であり、実効面積S2も一定である。そのため、静電容量C2は、距離L2の変化のみに依存し、静電容量C2は、距離L2の逆数に比例する。静電容量C2が距離L2の変化に依存して変化するので、距離検知電極12から出力される信号は、被測定面Sとの距離L2に対応する距離信号s2となる。
【0063】信号発生器221は、信号源VGから入力された信号を、オペアンプA1で反転増幅し、信号s21を出力する。信号s21を図6(a)に示す。信号s21は、周期と振幅が一定のAC信号であり、例えば、周波数が10kHzの正弦波とすることができる。
【0064】非反転増幅回路222は、信号発生器221から入力された信号s21を増幅して出力する。信号s21の周波数をfとすると、距離検知電極12と被測定面Sとの間のインピーダンスXcは、Xc=1/(2πf*C2)
となり、非反転増幅回路222の増幅率は(Xc+R3)/Xcとなる。この非反転増幅回路222の出力端子から出力される電圧Voutは、信号s21の振幅をVmとすると、Vout={(Xc+R3)/Xc}*Vmと表せる。
【0065】信号s21の振幅Vm、周波数fは一定であるから、Vout={(Xc+R3)/Xc}*Vm =(1+R3/Xc)*Vm =(1+R3*2πf*C2)*Vm =(1+R3*2πf*ε0*S2/L2)*Vmとなり、電圧Voutは、距離L2の変化のみに依存して変化するAC信号となる。
【0066】第2の増幅器223、第2の整流平滑回路224、減算回路225、第2のシールドケース14は、信号s21と同じ電位の第2基準電位GND2に接地されている。第2の増幅器223は、非反転増幅回路222から入力されたAC信号を交流増幅して信号s22を出力する。信号s22を図6(b)に示す。
【0067】第2の整流平滑回路224は、信号s22を整流平滑して信号s23を出力する。信号s23を図6(c)に示す。この第2の整流平滑回路224は、第2基準電位GND2に接地されているため、第2基準電位GND2を基準にして、信号s22を整流し、平滑する。
【0068】減算回路225は、信号s23から信号s21を減算して出力する。この減算回路225から出力される信号は、直流の信号となる。
【0069】第2のレベルシフト回路226は、減算回路225から入力された信号のレベルを調整して、信号Vbを切換器203に出力する。信号Vbを図6(d)に示す。
【0070】第2のレベルシフト回路226は、可変抵抗を用いてゲインを調整可能にした非反転増幅回路等を用いて構成してもよい。場合によっては、省略することも可能である。
【0071】一方、第1のシールドケース13は、接地電位である第1基準電位GND1に接地されている。電位検出部21の変調信号発生回路215は、一定の周波数の信号、例えば、700Hzの信号を出力する。メカニカルチョッパ216は、変調信号発生回路215から入力された信号の周波数で、被測定面Sと電位検知電極11との間に挿入される。メカニカルチョッパ216が挿入されると、被測定面Sと電位検知電極11との間の誘電率がΔε0だけ変化し、静電容量C1がΔC1だけ変化する。
【0072】電位検知電極11に発生する電荷ΔQは、実効面積をS1とし、被測定面Sと電位検知電極11との間の電位差をV1とすると、ΔQ=(Δε0S1/L1)*V1=ΔC1*V1と表せる。したがって、電位検知電極11に誘起される変調電流iは、i=ΔQ/Δt=(Δε0S1/L1)*V1/Δt=ΔC1*V1/Δtと表せる。変調電流iは、電位検知電極11と被測定面Sとの距離に対応する距離成分L1と、被測定面の電位に対応する電位成分V1とを含む。そして、電位検知電極11は、変調電流iを電位距離信号s1として出力する。
【0073】インピーダンス変換回路211は、電位検知電極11から入力された電位距離信号s1を電圧信号に変換すると同時に、ハイ・インピーダンスをロー・インピーダンスに変換し、扱い易い信号にして出力する。
【0074】第1の増幅器212は、インピーダンス変換回路211から入力された信号をAC増幅して信号s11を出力する。信号s11を図7(a)に示す。信号s11は、変調信号発生回路215から出力される信号と同一の周波数、例えば、700Hzの略正弦波信号となる。
【0075】第1の整流平滑回路213は、信号s11をDC信号に変換して、被測定面Sの電位Vsに対応する成分と変位信号に比例する成分とが乗算された信号を出力する。
【0076】第1のレベルシフト回路214は、第1の整流平滑回路213から入力された信号のDCレベルを調整して、電位変位信号Vaを切換器203に出力する。電位変位信号Vaを図7(b)に示す。
【0077】第1のレベルシフト回路214は、第2のレベルシフト回路226と同様の非反転増幅回路を用いて構成することができる。場合によっては、省略することも可能である。
【0078】温度検出センサTh1は、被測定面Sの温度に対応する温度信号tmp1を切換器203に出力する。切換器203は、切換手段sw1、sw2、sw3を含み、切換手段sw1を介して電位変位信号VaをA/D変換器204に入力し、切換手段sw2を介して信号VbをA/D変換器204に入力し、切換手段sw3を介して温度信号tmp1をA/D変換器204に入力する。
【0079】図8は、デジタル処理を示すフロチャート図である。以下、図3、図8を参照して、デジタル処理部205における処理動作を説明する。
【0080】初期設定では、デジタル処理部205のROMに基準電圧Vrefを記憶させる。この基準電圧Vrefは、距離検知電極12が基準位置にあるとき、レベルシフト回路226から出力される信号と同じ値である。切換手段sw1、sw2、sw3はOFFにする。そして、所定の時間間隔、例えば、20msで以下の処理を繰り返す。
【0081】まず、切換手段sw1をONにして、アナログの電位変位信号VaをA/D変換器204に入力し、デジタルの電位変位信号Vaをデジタル処理部205のRAMに記憶させる。
【0082】次に、切換手段sw1をOFF、切換手段sw2をONにして、アナログの信号VbをA/D変換器204に入力し、デジタルの信号Vbをデジタル処理部205のRAMに記憶させる。
【0083】次に、切換手段sw2をOFF、切換手段sw3をONにして、アナログの温度信号tmp1をA/D変換器204に入力し、デジタルの温度信号tmp1をデジタル処理部205のRAMに記憶させる。そして、切換手段sw3をOFFにする。
【0084】デジタル処理部205においては、信号Vbを基準電圧Vref信号で除算して、変位信号Vcを生成する。この変位信号Vcは、基準位置からの変位に対応する信号となる。
【0085】そして、電位変位信号Vaから変位信号Vcを除算して、電位信号を生成する。この電位信号は、被測定面Sの表面電位Vsに対応する信号となる。
【0086】そして、電位信号、温度信号tmp1に対応する制御信号c1を生成する。D/A変換器208は、デジタルの制御信号c1をアナログの制御信号c1に変換して帯電装置81に出力する。
【0087】次に、表面電位制御装置10と被測定面Sとの距離が変動した場合に、電位検知電極11と被測定面Sとの距離L1に対応する距離成分を除去して出力する方法について説明する。図9に、被測定面Sの表面電位Vsと信号Vbとの関係を示し、図10に、被測定面Sの表面電位Vsと電位変位信号Vaとの関係を示す。
【0088】図9、図10に示すように、信号Vbは表面電位Vsには依存せず、距離L2に依存する。電位変位信号Vaは、表面電位Vsに比例し、かつ、距離L1に依存する。
【0089】本実施例においては、被測定面Sと電位検知電極11との距離L1が、被測定面Sと距離検知電極12との距離L2と同一であるため、距離L1(=L2)が変化したとき静電容量C1、C2は同じ割合だけ変化する。そのため、距離L1が変動したときの信号Vbの変化量は、電位変位信号Vaの変化量に比例する。
【0090】したがって、距離L1=x1、x2であるとき、電位変位信号Va=Va(x1)、Va(x2)、信号Vb=Vb(x1)、Vb(x2)とすると、Va(x1)/Va(x2)=Vb(x1)/Vb(x2)
と表せる。ここで、x1を基準位置、Vb(x1)を基準電圧(Vref)と定めれば、Va(x1)=Va(x2)/(Vb(x2)/Vref)
=Va(x2)/Vcとなる。
【0091】表面電位制御装置10においては、距離L1が基準位置(x1)から変動したx2にあるとき、Va(x2)、Vb(x2)が検出される。したがって、Va(x2)、Vb(x2)を上式に代入すれば、被測定面Sの電位Vsを距離依存性を有することなく正確に検出することができる。
【0092】このように表面電位制御装置10の信号処理部20は、電位変位信号Vaから変位信号Vc=Vb/Vrefを除算することにより、電位検知電極11と被測定面Sとの距離L1に対応する成分を除去することができ、被測定面Sの表面電位Vsに対応する電位信号を生成することができる。
【0093】図11に、表面電位Vsの検出結果を示す。図11は、基準位置(x1)を3mmとし、距離L1が基準位置から変動した場合の表面電位Vsの検出結果を示す図である。図11において、本実施例に係る表面電位制御装置10により検出した電位信号を実線で示し、従来の高圧フィードバック型の電位検出装置により検出した結果を一点鎖線で示す。
【0094】図11に示すように、本発明に係る表面電位制御装置10は、被測定面Sと電位検知電極11との距離L1が変動した場合であっても、被測定面Sの電位Vsを距離依存性を有することなく正確に検出することができる。
【0095】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、信号処理部20の一部がデジタル処理部205を含むので、その分だけ受動回路素子や能動回路素子を減らすことができる。このため、表面電位制御装置の小型化と、低コスト化を図ることができる。
【0096】特に、複写機、レーザビームプリンタやファクシミリ等に内蔵されているRAM及びROMを使用して、デジタル処理部205を構成した場合には、大幅な小型化と、低コスト化を図ることができる。
【0097】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、デジタル処理部205を含むので、デジタル処理部205のRAMを書き換えるだけで、表面電位制御装置の設定を変更することができるので、汎用性のある表面電位制御装置を構成することができる。
【0098】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、インピーダンスが高い部分である電位検知電極11、インピーダンス変換回路211、第1の増幅器212が第1のシールドケース13に収納され、インピーダンスが高い部分である距離検知電極12、非反転増幅回路222、第2の増幅器223が第2のシールドケース14に収納され、第1のシールドケース13が第1基準電位GND1に接地され、第2のシールドケース14が第2基準電位GND2に接地されている。このため、インピーダンスが高い部分がノイズの影響を受けにくくなるので、S/N比が大きくなる。
【0099】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、回路基板19の片面にのみ電子部品が搭載され、回路パターンが形成されている。このため、回路基板19を第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14に配置する際に、第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14と、回路基板19の他面との間を絶縁する必要がなくなるので、製造が容易になる。
【0100】また、本発明に係る表面電位制御装置において、インピーダンスが低い部分である第1の整流平滑回路213、第1のレベルシフト回路214、変調信号発生回路215、信号発生器221、第2の整流平滑回路224、減算回路225、第2のレベルシフト回路226は、第1のシールドケース13に収納されていなくてもよく、第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14の外部に設けてもよい。
【0101】また、本発明に係る表面電位制御装置において、距離検知電極12と被測定面Sとの距離L2は、電位検知電極11と被測定面Sとの距離L1と異なった値でもよい。但し、実施例に示したように、これらの距離が同じ値である場合には、信号処理が容易になる。
【0102】図12は、本発明に係る表面電位制御装置の別の実施例を示すブロック図である。図12においては、図4に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。
【0103】図12に示す表面電位制御装置のアナログ処理部202は、電位検出部31と、距離検出部24とを含む。電位検出部31は、インピーダンス変換回路211と、第1の増幅器212と、第1の整流平滑回路213と、第1のレベルシフト回路214と、変調信号発生回路215と、静止電極317と、インピーダンス発生器318とを含む。被測定面Sと電位検知電極11とは、静止電極317を介して対向し、静電容量C1を構成しているインピーダンス発生器318と静止電極317とは、第1のシールドケース13に収納されている。静止電極317は、導電性材料、例えば、金属材料により構成することができる。
【0104】インピーダンス発生器318の一端は静止電極317に電気的に接続されており、他端は第1のシールドケース13に電気的に接続されている。
【0105】変調信号発生回路215は、一定の周波数の信号、例えば、700Hzの信号を出力する。
【0106】インピーダンス発生器318は、変調信号発生回路215から入力された信号の周波数で、静止電極317のインピーダンスを周期的に変化させる。この静止電極317のインピーダンスは、例えば、周波数700Hzの正弦波状に変化する。
【0107】静止電極317のインピーダンスが変化すると、静電容量C1が変化し、電位検知電極11から電位距離信号s1が出力される。この動作は、基本的には、図1〜図11を参照して説明した表面電位制御装置の動作と異なることはない。
【0108】図13は図2に示した表面電位制御装置の更に具体的な実施例を示す分解斜視図、図14は図13に示した表面電位制御装置の断面図、図15は図13に示した表面電位制御装置の一部の構成を更に具体的に示す斜視図である。
【0109】図13、図14において、信号処理部20は、表面電位検出センサ1の内部に設けられている。表面電位検出センサ1は、電位検知電極11と、距離検知電極12と、第1のシールドケース13と、第2のシールドケース14と、回路基板19と、絶縁体400とを含む。信号処理部20は、回路を構成する電子部品(図示せず)と、図15に示すメカニカルチョッパ216とを含む。メカニカルチョッパ216は、音叉部を構成すべく、対向して配置された2つの脚に貼付けられた圧電素子217、218を含む。
【0110】第1のシールドケース13は、金属平板で構成された第1の上蓋131と、第1の下蓋132とからなり、第1の検知窓15と、第1の切欠き17とを含む。第2のシールドケース14は、金属平板で構成された第2の上蓋141と第2の下蓋142とからなり、第2の検知窓16と、第2の切欠き18とを含む。回路基板19は、1枚の基板でなる。この回路基板19は、第1の基板部191と、第2の基板部192と、連結部193とを含み、連結部193が第1の基板部191と第2の基板部192とを連結している。
【0111】第1の検知窓15は、第1のシールドケース13の側面134に形成され、第2の検知窓16は、第2のシールドケース14の側面144に形成され、第1の検知窓15及び第2の検知窓16は、同一面側に形成されている。電位検知電極11は、第1の検知窓15に対応して設けられ、距離検知電極12は、第2の検知窓16に対応して設けられている。メカニカルチョッパ216は、電位検知電極11と第1の検知窓15との間に設けられている。
【0112】第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14は、絶縁体400を介して、第1のシールドケース13の側面133と、第2のシールドケース14の側面143とが対向するように配置されている。第1の切欠き17は、側面133における側面134から遠い側に設けられている。第2の切欠き18は側面143における側面144から遠い側に設けられている。
【0113】回路基板19は、片面にのみ、回路を構成する電子部品が搭載され、回路パターンが形成されている。回路基板19は、第1の切欠き17と第2の切欠き18とをまたいで設けられ、第1の下蓋132の開口面には、第1の基板部191が配置されている。第2の下蓋142の開口面には、第2の基板部192が配置されている。連結部193は、第1の切欠き17と第2の切欠き18とに対応して配置されている。
【0114】第1のシールドケース13は、第1の上蓋131の開口面と第1の下蓋132の開口面とが向合うように重合わされている。第2のシールドケース14は、第2の上蓋141の開口面と第2の下蓋142の開口面とが向合うように重合わされている。電位検知電極11、メカニカルチョッパ216及び第1の基板部191は、第1のシールドケース13の内部に収納され、距離検知電極12及び第2の基板部192は、第2のシールドケース14の内部に収納されている。
【0115】本実施例に係る表面電位制御装置は、回路基板19が第1のシールドケース13と第2のシールドケース14との間隔を保持しているので、両者を電気的に絶縁しつつ、機械的に結合することができる。
【0116】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、側面133と側面143との間に絶縁体400が設けられているので、外部から与えられた応力により回路基板19が撓んだ場合でも、第1のシールドケース13と第2のシールドケース14とが接触することがなく、両者の絶縁を確実に保つことができる。
【0117】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、切欠き17、18が設けられているので、第1のシールドケース13及び第2のシールドケース14を回路基板19に、容易に位置決めすることができる。
【0118】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、切欠き17、18が検知窓15、16から遠い部分に設けられているので、ノイズの影響を受けにくくなり、S/N比が大きくなる。
【0119】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、回路基板19の連結部193を小さくすることにより、切欠き17、18を小さくすることができる。このため、切欠き17、18から電波が進入しにくくなるので、ノイズの影響を受けにくくなり、S/N比が大きくなる。
【0120】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、回路を構成する電子部品が同一の回路基板に搭載されているので、回路基板に電子部品を搭載する作業が容易になる。
【0121】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、回路を構成する電子部品が同一の回路基板に搭載されているので、回路パターンによる配線が可能となり、コネクタや、ワイヤを用いる必要がなくなる。このため、部品点数を減らすことができ、低コスト化を図ることができる。また、コネクタや、ワイヤを用いる必要がなくなるので、線路から生じるノイズを低減することができ、S/N比が大きくなる。
【0122】また、実施例に示すように、電位検知電極11と距離検知電極12との距離は、小さくすることが好ましい。電位検知電極11と距離検知電極12との距離が小さい場合には、電位検知電極11と被測定面Sとの間の相対距離と、距離検知電極12と被測定面Sとの間の相対距離との差が小さくなるので、検出精度が高くなる。
【0123】図16は、本発明に係る表面電位制御装置の更に別の実施例を示す部分断面拡大図であり、距離検知電極と第2のシールドケースとを拡大した図である。図16においては、図1〜図15に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。
【0124】図16に示す表面電位制御装置は、図1〜図15に示した構成に加えて、誘電体510を含む。誘電体510は、第2のシールドケース14の内側及び外側から第2の検知窓16を塞いで設けられている。距離検知電極12は、誘電体510の表面に形成され、誘電体510と一体化されている。誘電体510は、有機系、無機系、複合系のいずれであってもよい。
【0125】本実施例に係る表面電位制御装置は、誘電体510が第2の検知窓16を塞いでいるので、第2のシールドケース14の内部を塵や湿度等から保護することができる。
【0126】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、距離検知電極12と被測定面Sとの間に誘電体510が設けられている。このため、距離検知電極12と被測定面Sとの間の誘電率が大きくなり、検出精度が向上する。
【0127】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、第2の検知窓16に備えられた誘電体510の表面に距離検知電極12を形成しているので、距離検知電極12の取付けが容易になる。
【0128】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、第2の検知窓16に備えられた誘電体510の表面に距離検知電極12を形成しているので、距離検知電極12の取付け精度にばらつきが生じにくくなり、検出精度が向上する。
【0129】図17は、本発明に係る表面電位制御装置の更に別の実施例を示す部分断面拡大図であり、距離検知電極と第2のシールドケースとを拡大した図である。図17においては、図16に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。
【0130】図17に示す表面電位制御装置は、図16に示した誘電体510に替えて誘電体520を含む。誘電体520は、第2のシールドケース14の内側から検知窓16を塞いで設けられている。そして、距離検知電極12は、誘電体520の表面に形成され、誘電体520と一体化されている。
【0131】本実施例に係る表面電位制御装置は、図16に示した表面電位制御装置と同様の構成を有するため、同様の作用効果を奏することができる。
【0132】図18は本発明に係る表面電位制御装置の更に別の実施例を示す分解斜視図である。図19は、図18に示した表面電位制御装置の断面図である。
【0133】図18、及び図19において、図1〜図15に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。図18、図19に示す表面電位制御装置は、図1〜図15に示した構成に加えて、絶縁基板60とねじ70と金属部材80とを含む。図18においては、図示の都合上、第1の上蓋131を省略してある。
【0134】絶縁基板60は、剛性の高い基板であり、一方面にエンボス61が形成されている。第1の下蓋132、第2の下蓋142には、エンボス61に対応する穴が形成されている。回路基板19には、ねじ70に対応する穴が形成されている。
【0135】そして、本実施例に係る表面電位制御装置は、第1の下蓋132、第2の下蓋142に形成された穴とエンボス61とが対応するように、第1の下蓋132及び第2の下蓋142が絶縁基板60に搭載され、接着剤等で固定されている。回路基板19は、エンボス61の上に搭載され、エンボス61にはめ込まれたねじ70で固定される。
【0136】メカニカルチョッパ216は、金属部材80を介して第1の下蓋132に固定され、第1の下蓋132と電気的に接続される。そして、第1の下蓋132及び第2の下蓋142に、第1の上蓋131及び第2の上蓋141が重合わされる。
【0137】本実施例に係る表面電位制御装置は、回路基板19がエンボス61を介して第1の下蓋132及び第2の下蓋142に搭載されているので、回路基板19の両面に回路を構成する電子部品を搭載し、回路パターンを形成することができる。
【0138】また、本実施例に係る表面電位制御装置は、絶縁基板60が剛性を有するため、外部から応力が加えられた場合であっても、表面電位制御装置が撓むことがない。
【0139】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)被測定体との距離が変動した場合であっても、被測定体の電位を正確に検出することができる表面電位制御装置を提供することができる。
(b)被測定体の電位を高い感度で検出できる表面電位制御装置を提供することができる。
(c)適切なフィードバック制御を加え、被測定体の電位を所定値に保つことができる。
(d)簡単な回路構成を持つ表面電位制御装置を提供することができる。
(e)小型で、軽量な表面電位制御装置を提供することができる。
(f)高耐圧部品を使用しない安価な表面電位制御装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000003067
【氏名又は名称】ティーディーケイ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋1丁目13番1号
【出願日】 平成13年7月11日(2001.7.11)
【代理人】 【識別番号】100081606
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 美次郎
【公開番号】 特開2003−29504(P2003−29504A)
【公開日】 平成15年1月31日(2003.1.31)
【出願番号】 特願2001−211420(P2001−211420)