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【発明の名称】 ポジ型感光性樹脂組成物、パターンの製造法及び電子部品
【発明者】 【氏名】上田 充

【氏名】佐々田 泰行

【氏名】玉村 亮

【氏名】芝崎 祐二

【氏名】峯岸 知典

【氏名】廣 昌彦

【要約】 【課題】感度、解像度及び耐熱性に優れるポジ型感光性樹脂組成物、前記組成物の使用により、感度、解像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られるパターンの製造法、並びに、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供する。

【解決手段】一般式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式(1)
【化1】

(式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は水素原子又は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基を示す)で表される繰り返し単位を複数有し、R2の少なくとも一部は水素原子であり少なくとも一部は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基であるポリフェニレンオキシド(A)と、光により酸を発生する化合物(B)を含有してなるポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項2】 ポリフェニレンオキシド(A)が、一般式(1)として、一般式(2)
【化2】

(式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は水素原子又は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基を示す)で表される繰り返し単位を有するものである請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項3】 ポリフェニレンオキシド(A)が、さらに、一般式(3)
【化3】

(式中、R3は、各々独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、yは0〜4の整数である)で表される繰り返し単位を有するものである請求項1又は2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、アルカリ水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法。
【請求項5】 請求項4記載の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感度、解像度及び耐熱性に優れたポジ型感光性樹脂組成物、これを用いたパターンの製造法及び電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、耐熱性樹脂、その前駆体などを用いたフォトレジストやその用途としては、例えば、ネガ型フォトレジストとして、ポリイミド前駆体にエステル結合またはイオン結合を介してメタクリロイル基を導入したもの(特開昭49−11541号公報、同50−40922号公報、同54−145794号公報、同56−38038号公報等)、ポリベンゾオキサゾール前駆体を同様に用いたもの(特開平2−60659号公報、1988年高分子学会予稿集p664等)などが提案され、また、ポジ型フォトレジストとして、ポリイミド前駆体にエステル結合を介してo−ニトロベンジル基を導入したもの(J. Macromol. Sci. Chem., A 24,10,1407,1987等)、可溶性ヒドロキシルイミドまたはポリオキサゾール前駆体にナフトキノンジアジド化合物を混合したもの(特公昭64−60630号公報、USP−4395482号明細書等)、ポリイミド前駆体にナフトキノンジアジドを混合したもの(特開昭52−13315号公報等)などが提案されている。
【0003】しかしながら、ネガ型フォトレジストはその機能上解像度に問題があったり、用途によっては製造時の歩留まりの低下を招くなどの問題があった。また、従来のポジ型フォトレジストは、感光剤の吸収波長に伴う問題や耐熱性樹脂またはその前駆体の光線透過率が低いためから感度や解像度が低かったり、ポリマーの構造が限定されるため最終的に得られる被膜の物性が限定され、多目的用途には不向きであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、感度、解像度及び耐熱性に優れるポジ型感光性樹脂組成物を提供するものである。また本発明は、前記組成物の使用により、感度、解像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られるパターンの製造法を提供するものである。また、本発明は、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性の高い電子部品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化4】

(式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は水素原子又は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基を示す)で表される繰り返し単位を複数有し、R2の少なくとも一部は水素原子であり少なくとも一部は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基であるポリフェニレンオキシド(A)と、光により酸を発生する化合物(B)を含有してなるポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【0006】また本発明は、前記ポリフェニレンオキシド(A)が、一般式(1)として、一般式(2)
【化5】

(式中、R1は、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、xは0〜3の整数であり、R2は水素原子又は酸の作用で分解し水素原子に変換し得る一価のアルコキシカルボニル基を示す)で表される繰り返し単位を有するものであるポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【0007】また本発明は、前記ポリフェニレンオキシド(A)が、さらに、一般式(3)
【化6】

(式中、R3は、各々独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜9のアルキル基を示し、複数ある場合は、各々同一でも異なっていてもよく、yは0〜4の整数である)で表される繰り返し単位を有するものであるポジ型感光性樹脂組成物に関する。
【0008】また本発明は、前記のポジ型感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、アルカリ水溶液を用いて現像する工程を含むパターンの製造法に関する。さらに本発明は、前記の製造法により得られるパターンを表面保護膜又は層間絶縁膜として有してなる電子部品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。本発明のポリフェニレンオキシド(A)は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位を有するもので、露光及びその後の加熱工程を経てフェノール性水酸基を発現する。この繰り返し単位を有することにより、本発明の感光性樹脂組成物に良好なアルカリ水溶液可溶性を付与する。保護基を施した水酸基(OR2基)の結合位置に特に制限はないが、合成の容易性などから、前記一般式(2)で示される繰り返し単位のように、エーテル結合に対して、オルト位に結合するものが好ましい。
【0010】本発明のポリフェニレンオキシド(A)は、前記一般式(1)で表される繰り返し単位とともに、前記一般式(3)で表される繰り返し単位を有していてもよい。この場合、一般式(1)で表される繰り返し単位の数をm、一般式(3)で表される繰り返し単位の数をnとすると、その共重合比(m/n)は、10/90以上が好ましく、50/50〜95/5がより好ましい。共重合比m/nが10/90未満であるとアルカリ水溶液での現像性が低下する傾向にある。
【0011】本発明のポリフェニレンオキシド(A)の分子量に特に制限はないが、膜物性等の面で、重量平均分子量で4千〜10万が好ましく、1万〜4万がより好ましい。なお、本発明において分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
【0012】本発明のポリフェニレンオキシド(A)の製造方法に特に制限はなく、種々の方法が使用できるが、たとえば、カテコール又はその誘導体等のフェノール性水酸基を2つ有する化合物を、p−トルエンスルホン酸ピリジン塩(PPTS)等の触媒の存在下で、ジヒドロピラン等の保護化剤と反応させて、片方のフェノール性水酸基にあらかじめ保護基を導入し、ついで、得られた化合物及び必要に応じてその他のフェノール類を原料として、触媒の存在下、重合させてポリフェニレンオキシドを得た後に、脱保護し、改めて水酸基を適切な量だけアルコキシカルボニル基に変換する方法が、水酸基の適切な量をアルコキシカルボニル基に変換することができるので、好ましい方法としてあげられる。この反応の一例を以下に示す。
【0013】
【化7】

(m、n、p及びqは、繰り返し数を示し、得られる共重合体は、各繰り返し単位のランダム共重合体となる。t−Buはターシャリブチル基を意味し、THFはテトラヒドロフランを意味する。)
【0014】本発明において、ポリフェニレンオキシドの原料として用いられる前記フェノール性水酸基を2つ有する化合物としては、カテコール、3−メチルカテコ−ル、3−エチルカテコール、3−プロピルカテコール、3−クロロカテコール、3−ブロモカテコール、3−フルオロカテコール、3−ヨードカテコール、4−メチルカテコール、4−エチルカテコール、3,4−ジメチルカテコール、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノールなどがあげられ、これと併用できるその他のフェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、チモール、カルバクロールなどがあげられる。
【0015】上記一般式(1)にて示される繰り返し単位中のR2において、酸の作用で分解し水素原子に変換しうる一価のアルコキシカルボニル基とは、水素原子に変換しうるものであれば特に制限はない。アルコキシカルボニル基の好ましい炭素数は2〜20で、より好ましくは炭素数2〜10である。
【0016】具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等が典型的な例として例示されるが、これらに限定されるものではない。最も好ましい基はt−ブトキシカルボニル基である。
【0017】R2で示される基のうち、酸の作用で分解し、水素原子に変換しうる一価のアルコキシカルボニル基の水素原子に対する置換率は、1〜95%とすることが高コントラストが得られるという点で好ましく、30〜80%とすることがより好ましい。これよりも置換率が低い場合には、未露光部の膜減りが大きくなる等、悪影響を与える場合があり、置換率が高い場合は、感度が低下する場合や基板からの剥離が生じる恐れがある。
【0018】本発明に使用する光により酸を発生する化合物(B)は、紫外線の如き活性光線の照射によって酸性を呈すると共に、(A)成分であるポリフェニレンオキシド中の保護基R2を脱離させる作用を有する。
【0019】このような光により酸を発生する化合物(B)としては、具体的にはジアリールスルホニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、アリールジアゾニウム塩、芳香族テトラカルボン酸エステル、芳香族スルホン酸エステル、ニトロベンジルエステル、芳香族‐N‐オキシイミドスルフォネート、芳香族スルファミド、ナフトキノンジアジド‐4‐スルホン酸エステルなどが用いられる。このような化合物は必要に応じて2種類以上併用したり、他の増感剤と組合せて使用することができる。なかでも芳香族‐N‐オキシイミドスルフォネートは高感度が期待でき、ジアリールヨードニウム塩は、未露光部に適度な溶解阻止効果が期待できるので好ましい。
【0020】光により酸を発生する化合物(B)のポリフェニレンオキシド(A)への配合量は、ポリフェニレンオキシド(A)100重量部に対して0.1〜100重量部であることが好ましく、0.1〜20重量部であることがより好ましい。配合量が0.1重量部未満であるとパターニング性が不良となる傾向にあり、また、100重量部を超えると被膜の形成性が低下する傾向にある。
【0021】本発明におけるポジ型感光性樹脂組成物には、必要により密着性付与のための有機ケイ素化合物、シランカップリング剤、レベリング剤等の密着性付与剤を添加してもよい。これらの例としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、尿素プロピルトリエトキシシラン、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどがあげられる。密着性付与剤を用いる場合は、ポリフェニレンオキシド(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。
【0022】本発明においてはこれらの成分を溶剤に溶解し、ワニス状にして使用する。溶剤としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコールアセテート、シクロヘサノン、テトラヒドロフラン、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等があり、単独でも混合して用いてもよい。
【0023】本発明のポジ型感光性樹脂組成物を使用し、パターンを製造する方法は、まず該組成物を適当な支持体、例えば、シリコンウエハ、セラミック、アルミ基板等に塗布する。塗布方法としてはスピンナーを用いた回転塗布、スプレーコータを用いた噴霧塗布、浸漬、印刷、ロールコーティング等があげられる。次に、好ましくは60〜120℃でプリベークして塗膜を乾燥後、所望のパターン形状に化学線を照射することができる。化学線としてはX線、電子線、紫外線、可視光線等が使用できるが、200nm〜500nmの波長のものが好ましい。次に好ましくは50〜150℃で加熱を行い、照射部表層部に発生した酸性物質を底部にまで拡散させる一方でアルコキシカルボニル基の分解による脱保護反応を促進させることが好ましい。次に現像して照射部を溶解除去することによりパターンを得ることができる。
【0024】現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩等のアルカリ水溶液、及び、これに水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液を好適に使用することができる。
【0025】現像方法としてはスプレー、パドル、浸漬、超音波等の方式が可能である。次に現像によって形成したパターンをリンスすることができる。リンス液としては蒸留水を使用することができる。次に加熱処理を行い、耐熱性に富む最終パターンを得ることができる。
【0026】本発明の感光性樹脂組成物は、半導体装置や多層配線板等の電子部品に使用することができ、具体的には、半導体装置の表面保護膜や層間絶縁膜、多層配線板の層間絶縁膜等の形成に使用することができる。本発明の半導体装置は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0027】本発明の半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜4が形成される(工程(a))。
【0028】次に塩化ゴム系やフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0029】さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0030】次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱して樹脂膜とする。この樹脂膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1〔テトラヒドロピラニル基を有するポリフェニレンオキシドの合成〕トルエン6.0mlに、3−メチルカテコール4.96gとジヒドロピラン1.81mlを溶解させ、反応系を0〜5℃に保ちながらp−トルエンスルホン酸ピリジン塩0.025gを加えた。数分撹拌後、さらにトルエン2.0mlに溶解させたジヒドロピラン3.62mlをゆっくり滴下した。さらにパラトルエンスルホン酸ピリジン塩0.025gを加え、窒素雰囲気中、室温で1時間撹拌した。反応溶液をエーテル60mlで薄め、0.2%水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した。エーテル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、エーテルを留去した。残った無色のオイル状の物質をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、トルエン)により精製し、2−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−6−メチルフェノールを得た。
【0032】次に、塩化第一銅0.030gにピリジン1.0mlを加え、窒素雰囲気下で撹拌し、銅(II)−ピリジン錯体の溶液を得た。これに2−(テトラヒドロピラン−2−イル)オキシ−6−メチルフェノールと2.6−キシレノールを合わせて6.0ミリモル(モル比75:25)、硫酸ナトリウム及びトルエン5.0mlを加え、室温で2時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をメタノール中に投じ褐色の沈澱物を得た。得られた沈澱物をろ別後テトラヒドロフランに溶解させ、少量の塩酸を加えて脱保護を行なった。さらにこれを塩酸水溶液に投じ、沈殿物をろ過、水洗した。これを再度テトラヒドロフランに溶解させ、ジ−t−ブチルジカルボナートと反応を行なった。反応溶液をメタノール中に投じ沈澱物をろ別後洗浄することで目的のポリフェニレンオキシド共重合体(A−1、一般式(1)においてモル比m:n=85:15、p:q = 70:30、重量平均分子量2万3千)を得た。
【0033】〔ポジ型感光性樹脂組成物の作製〕合成したポリフェニレンオキシド(A−1)100重量部、ジフェニルヨードニウム−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート(B−1)10重量部を2−メトキシエタノール200重量部に溶解した後、0.2μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
【0034】〔特性評価〕この感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、100℃で5分間乾燥し、膜厚約2μmの塗膜を得た。この塗膜にガラスマスクを通して高圧水銀灯からの紫外光線を照射した後、110℃で3分間露光後加熱を行なった。これを2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒間パドル現像することによって露光部を溶解除去し純水でリンスした。その結果、シリコンウエハ上に1μmの抜きパターンが解像しているのが確認できた。このときの感度は16mJ/cm2であった。また、別に感光性ワニスを同様にシリコンウエハ上に塗布し、オーブン中で100℃/30分間、200℃/30分間、350℃/30分間の順序で加熱し、樹脂を硬化させ膜厚を測定し、残膜率を求めた。
【0035】実施例2実施例1における酸発生剤をナフチルイミジルトリフレート(B−2)に替えた以外は実施例1と同様に評価した。
実施例3実施例1における保護基をメトキシカルボニル基に替えた以外は実施例1と同様に評価した。
【0036】比較例1実施例1における酸発生剤(B−1)を添加しないで、実施例1と同様に評価した。
比較例2実施例1における水酸基の保護基を導入しないで、実施例1と同様に評価した。
【0037】比較例3〔ポリフェニレンオキシドの合成〕塩化第一銅0.030gにピリジン1.0mlを加え、窒素雰囲気下で撹拌し、銅(II)−ピリジン錯体の溶液を得た。これに2,6−キシレノールを6.0ミリモル、硫酸ナトリウム及びトルエン5.0mlを加え、室温で2時間反応を行った。反応終了後、反応溶液をメタノール中に投じてポリフェニレンオキシド共重合体(A−2、一般式(1)においてモル比m/n=0/100)を得た。そして実施例1における(A−1)を(A−2)に替えた以外は実施例1と同様に評価した。
【0038】以上の実施例1〜3及び比較例1〜4の評価結果を表1に示す。
【表1】

【0039】
【発明の効果】本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、感度、解像度及び耐熱性に優れる。また本発明のパターンの製造法によれば、前記組成物の使用により、感度、解像度及び耐熱性に優れ、良好な形状のパターンが得られる。また、本発明の電子部品は、良好な形状と特性のパターンを有することにより、信頼性の高いものである。
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成13年10月11日(2001.10.11)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−122008(P2003−122008A)
【公開日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願番号】 特願2001−313376(P2001−313376)