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【発明の名称】 光重合性組成物、感光性平版印刷版及び印刷版の製版方法
【発明者】 【氏名】岡本 英明
【住所又は居所】神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内

【氏名】野口 元美
【住所又は居所】神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社内

【要約】 【課題】感度及び堅牢性に優れた光重合性組成物及び感光性平版印刷版を提供する。

【解決手段】エチレン性単量体及び光重合開始系を含有する光重合性組成物に於いて、エチレン性単量体として一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物(C)を含有し、かつ該光重合性組成物上に、酸素遮断を目的とした層を設けないことをを特徴とする光重合性組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】エチレン性単量体及び光重合開始系を含有する光重合性組成物に於いて、エチレン性単量体として一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物(C)を含有し、かつ該光重合性組成物上に、酸素遮断を目的とした層を設けないことを特徴とする光重合性組成物。
【請求項2】ウレタン系化合物(C)が、下記一般式(I)で表されるものである請求項1又は2に記載の光重合性組成物。
【化1】

〔式(I)中、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数を表わし、Raはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ又はアリーレンオキシ由来のくり返し単位を有し、Rbはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ、アリーレンオキシを表し、Rcは独立にC1〜20のアルキレン、アリーレン基を表わし、Rdは水素またはC1〜20の有機残基またはアルカリ金属基であり、かつ少なくとも(メタ)アクリル基を1〜10個有する有機残基を表わし、Ra,Rb,Rc,Rdはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい。〕
【請求項3】ウレタン系化合物(C)が、(A)一分子中に4つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、(B)一分子中に1つ以上の水酸基と2つ以上の付加重合可能な二重結合を有する化合物とを反応させて得られるものである請求項1〜2のいずれかに記載の光重合性組成物。
【請求項4】得られたウレタン系化合物(C)の平均分子量Mwが、6000以上30万以下であることを特徴とする請求項1〜3に記載の光重合性組成物。
【請求項5】得られたウレタン系化合物(C)の平均分子量Mwが、1万以上20万以下であることを特徴とする請求項1〜4に記載の光重合性組成物。
【請求項6】一分子中に4つ以上のイソシアネート基を含有する化合物(A)の分子量が500以上であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の光重合性組成物。
【請求項7】光重合性開始系が、赤外領域に吸収のある増感剤を含有することを特徴とする請求項1乃至6に記載の光重合組成物。
【請求項8】光重合開始系が、可視光領域に吸収のある増感剤を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光重合性組成物。
【請求項9】高分子結合材を含有する請求項1〜8のいずれかに記載の光重合性組成物。
【請求項10】支持体上に、請求項1〜9のいずれかに記載の光重合性組成物からなる層を有する感光性平版印刷版。
【請求項11】レーザー走査露光用である請求項10に記載の感光性平版印刷版。
【請求項12】増感剤が、シアニン系色素である請求項7に記載の光重合性組成物。
【請求項13】シアニン系色素が、ポリメチン鎖上に複素環を有するものである請求項10に記載の光重合性組成物。
【請求項14】光重合開始系が有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化合物を含有する請求項1〜13に記載の光重合性組成物。
【請求項15】原子団[N−CH2]を少なくとも有するアミン化合物を含有する請求項1〜14のいずれかに記載の光重合性組成物。
【請求項16】感光層中に更に、25℃におけるpKbが7以下であるアミン化合物を含有する請求項1〜15のいずれかに記載の感光性平版印刷版。
【請求項17】請求項1〜16に記載の感光性平版印刷版を、レーザー光により画像露光して画像様に該感光層を光硬化させた後、光重合性組成物からなる層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する方法であって、画像露光の後にアルカリ現像液で現像して感光層の未露光部分を支持体から除去することを特徴とする印刷版の製版方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物に関するものであり、更に、感光性平版印刷版、配線板用銅エッチングレジスト、グラビア用銅エッチングレジスト、ドライフィルム、カラーフィルター、及びプラズマディスプレイ用顔料分散レジストなど各種のパターン形成材料に使用可能で高感度な光重合性組成物及び感光性平版印刷版及び印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光重合系を利用した画像形成方法は多数知られている。例えば、付加重合可能なエチレン性二重結合を含む化合物と光重合開始剤、さらに所望により有機高分子結合材などを含有する光重合性組成物からなる光重合性組成物層を支持体上に設けた感光材料に、所望画像を露光して露光部分を重合硬化させ、未露光部分を溶解除去することにより硬化レリーフ画像を形成する方法が少なくとも一方が透明である二枚の支持体間に光重合性組成物の層を設けた感光材料に、透明支持体側より露光し光による接着強度の変化を起こさせ、支持体を剥離することにより画像を形成する方法、その他光重合性組成物層の光によるトナー付着性の変化を利用した画像作成方法などがある。
【0003】かかる光重合性組成物の光重合開始系として種々のものが知られており、例えば、チタノセン類と増感剤の組み合わせ(例えば、特開平4−219756号各公報等)、ピロメテン錯体増感剤とラジカル発生剤の系(特開平4−241338、特開平7−5685、特開平7−225474号等)等は、比較的高感度なものとして知られている。しかしながら上記の光重合性組成物は、いずれも感度の点で更なる改善が望まれており、例えば低出力のアルゴンレーザーやFD−YAGレーザーにより高速度に画像記録する場合には、更に高感度の組成物とする必要がある。
【0004】一方、光重合性組成物の重合性成分として、種々のアクリレート化合物を使用することが知られており、水酸基含有化合物と(メタ)アクリル酸のエステルであるアクリレート化合物や、ジイソシアネート化合物と水酸基及びアクリレート基含有化合物とを反応させたウレタン系アクリレート化合物が知られている(例えば、特開平11−271969号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうした光重合性組成物は、露光時には酸素を遮断して行うことが実際上は必要であった。なぜならば、酸素は露光による重合反応を著しく阻害し、充分な画像形成が不可能になるからである。そのため、露光時に光重合性組成物の環境を真空化したり、光重合性組成物表面に酸素遮断を目的とする膜を塗設する事が必要であった。この酸素遮断の必要性は、特にレーザー走査露光には特に欠かせないものであった。なぜなら、この用途に用いられる光重合性組成物は特に走査時間を短縮するために高感度を必要とするからである。しかしながら、一方で酸素遮断を目的に酸素遮断層を新たに設けることは製造上の工程が一つ増えるという煩雑さ、更に現像処理などの工程がその分複雑になるという欠点があった。また、露光時に環境を真空化する場合もその待ち時間と設備を新たに設ける必要があり、これは望ましいものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者の検討によれば、ウレタン系化合物として特定の化合物、即ち、(C)一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物、更に具体的には、【0007】
【化2】

【0008】〔式(I)中、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数を表わし、Raはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ又はアリーレンオキシ由来のくり返し単位を有し、Rbはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ、アリーレンオキシを表し、Rcは独立にC1〜20のアルキレン、アリーレン基を表わし、Rdは水素またはC1〜20の有機残基またはアルカリ金属基であり、かつ少なくとも(メタ)アクリル基を1〜10個有する有機残基を表わし、Ra,Rb,Rc,Rdはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい。〕を用いることにより、驚くべきことに従来は必要であった酸素遮断層を用いない場合においても充分に硬化した画像を形成することを見いだし、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、エチレン性単量体及び光重合開始系を含有する光重合性組成物に於いて、エチレン性単量体として一分子中に4つ以上のウレタン結合と4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物(C)を含有し、かつ該光重合性組成物上に新たに酸素遮断を目的とした層を設けないことを特徴とする光重合性組成物に存する。本発明の他の要旨は、支持体上に該光重合性組成物からなる層を有する感光性平版印刷版に存する。また、本発明の他の要旨は、感光性平版印刷版を、レーザー光により画像露光して画像様に該感光層を光硬化させた後、光重合性組成物からなる層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する方法であって、画像露光の後にアルカリ現像液で現像して感光層の未露光部分を支持体から除去することを特徴とする印刷版の製版方法に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の光重合性組成物における付加重合可能なエチレン性二重結合含有化合物(以下「エチレン性単量体」と略す)とは、光重合性組成物が活性光線の照射を受けた場合、第二の必須成分である光重合開始系の作用により付加重合し、硬化するようなエチレン性二重結合を有する単量体である。なお、本発明における単量体の意味するところは、皮膜形成能を有する高分子結合材に相対する概念であって、従って、狭義の単量体以外にも二量体、三量体、オリゴマーをも包含するものである。
【0010】本発明の光重合性組成物は、エチレン性単量体として、(C)一分子中に4つ以上のウレタン結合[−NH−(C=O)−O−]及び4つ以上の付加重合可能な二重結合を有するウレタン系化合物を含有することが特徴であり、更に具体的には以下の構造を有する化合物である。
【0011】
【化3】

【0012】〔式(I)中、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数を表わし、Raはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ又はアリーレンオキシ由来のくり返し単位を有し、Rbはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ、アリーレンオキシを表し、Rcは独立にC1〜20のアルキレン、アリーレン基を表わし、Rdは水素またはC1〜20の有機残基またはアルカリ金属基であり、かつ少なくとも(メタ)アクリル基を1〜10個有する有機残基を表わし、Ra,Rb,Rc,Rdはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい。〕該ウレタン化合物の製造方法としては特に限定されないが、イソシアネート基と水酸基の付加反応によってウレタン結合を容易に形成できるので、好ましくは、(A)一分子中に4つ以上のイソシアネート基を有する化合物と、(B)一分子中に1つ以上の水酸基と2つ以上の付加重合可能な二重結合を有する化合物とを反応させて得られる。化合物(A)の、一分子中に4つ以上のイソシアネート基を含有する化合物としては、例えば、アルコール性水酸基を2つ以上有する化合物(以下、多価アルコール類と称する)とイソシアネート基を2つ以上有する化合物との反応により4つ以上のイソシアネート基が導入された化合物が挙げられる。
【0013】具体的には、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の一分子中に4つ以上のアルコール性水酸基を含有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物;エチレングリコール等の一分子中に2つ以上のアルコール性水酸基を含有する化合物に、旭化成株式会社製のデュラネート24A−100、22A−75PX,21S−75E,18H−70B等のビウレットタイプ;P−301−75E、E−402ー90T、E−405−80T等のアダクトタイプ等の一分子中にイソシアネート基を少なくとも3つ以上含有する化合物を反応させてえられた化合物などが挙げられる。
【0014】また、イソシアネートエチルメタクリレートを単独もしくは他の成分と被膜形成能のない範囲で共重合させて一分子中に平均4つ以上のイソシアネート基を含する化合物を得ることもできる。化合物(A)の具体的例としては、例えばデュラネートME20−100(旭化成工業株式会社製 商品名)などがある。化合物(A)中のイソシアネート基の数は、好ましくは、6以上、特に好ましくは7以上である。イソシアネート基が4未満では、感度の点で劣ることとなる。上限は特に限定されないが、大きすぎると合成が困難なため、好ましくは20以下である。イソシアネート基の数は、多価アルコール類の水酸基数と、イソシアネート基を2以上有する化合物の種類及び配合比により調整する事ができる。
【0015】また、化合物(A)は製膜形成能が無いものが好ましい、具体的には常温、常圧で液体もしくは、粉体かつ被膜形成能のないものが好ましい。化合物(A)の分子量は、通常500以上で、好ましくは1000以上であり、50000以下、好ましくは10000以下である。この範囲をはずれると感度が低下する怖れがある。又、化合物(A)は、その構造中にイソシアヌレート骨格やを有さないのが感度と現像性の点で好ましい。
【0016】化合物(B)の、一分子中に1つ以上の水酸基と2つ以上の付加重合可能な二重結合を含有する化合物としては、例えば、多価アルコールの如きアルコール性水酸基を複数有する化合物と、カルボキシル基及び(メタ)アクリロイル基を含有する化合物とのエステル化反応で得られた化合物であって、アルコール性水酸基を1以上有する化合物、即ち、アルコール性水酸基が少なくとも1ヶ残るような割合で上記カルボキシル基含有化合物を反応させた反応物があげられる。より具体的には、アクリル酸3モルとペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸2モルとペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸5モルとジペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物、アクリル酸4モルとジペンタエリスリトール1モルを反応させた化合物等の多価アルコール類とアクリル酸とのエステルであって1以上のアルコール性水酸基を有する水酸基含有多官能アクリレート化合物が挙げられ、具体的な化合物としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどがある。これらの化合物は単独でも混合物で用いても良い。
【0017】又、成分(B)の化合物の他の例としては、グリシジルメチルエーテル等のエポキシ基を含有する化合物と、少なくとも1つ以上のカルボキシル基かつ少なくとも1つ以上の付加重合可能な二重結合を有する化合物との反応物;あるいは少なくとも1つ以上のエポキシ基と少なくとも1つ以上の付加重合可能な二重結合を同時に有する化合物と、少なくとも1つ以上のカルボキシル基を含有する化合物との反応物;または少なくとも1つ以上のカルボキシル基かつ少なくとも1つ以上の付加重合可能な二重結合を有する化合物と、少なくとも1つ以上のエポキシ基かつ少なくとも1つ以上の付加重合可能な二重結合を有する化合物との反応物;も挙げられる。例えば、グリシジルメタクリレートと(メタ)アクリル酸の反応物などがこの例として挙げられる)。
【0018】化合物(B)としては、中でも、付加重合可能な二重結合を3つ以上有するのが感度の点で好ましい。化合物(A)と化合物(B)の反応、即ち、化合物(A)のイソシアネート基と化合物(B)の水酸基との反応によりウレタン系化合物(C)を得る反応は既知の方法に準じて行うことが出来る。具体的には、化合物(A)のイソシアネート基と、化合物(B)の水酸基を1/10〜10の割合で反応させることにより行われ、例えば、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒に両者を希釈した後に10〜150度Cで、5分〜30時間程度加熱する方法;もしくはジラウリン酸n−ブチルスズなどの触媒を触媒量添加する方法;最初に適当な有機溶媒に化合物(B)を希釈し、これに後から化合物(A)を順次滴下する方法;またはこの逆の方法等が挙げられる。
【0019】また、ウレタン系化合物(C)を製造する際に、光重合性組成物の各種性能を制御する目的で、一部には付加重合可能な二重結合を導入しなくても良い。例えば二重結合以外の官能基を導入しても良い。例えば、一分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物(D)を、化合物(B)と併用して、化合物(A)と反応させることにより、一分子内に4つ以上のウレタン結合と、付加重合可能な二重結合及びカルボキシル基を有する化合物を得ることが出来る。更に具体的には、一分子内に4つのイソシアネート基を有する化合物(A1)と、一分子内に1つの水酸基と2つの付加重合可能な二重結合を有する化合物(B1)と、一分子内に1つの水酸基と1つのカルボキシル基を有する化合物(D1)とを、A1:B1:D1のモル比が1:3:1で反応を行うと、一分子内に4つのウレタン結合を有し、平均的に6つの二重結合及び1つのカルボキシル基を有する化合物(C1)を製造することが出来る。
【0020】化合物(B)と併用して化合物(A)と反応させることができる化合物(D)(一分子内に水酸基とカルボキシル基を有する化合物)としては、具体的には例えば2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシデカン酸、3−ヒドロキシオクタン酸、8−ヒドロキシオクタン酸等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸が好ましく、なかでも、カルボン酸のα位に水酸基を有する炭素数4〜20のカルボン酸が好ましい。ウレタン系化合物(C)の分子量は、好ましくは6000以上300000以下である。6000以下では、光重合性組成物からなる層(未硬化膜)の堅牢性の点で劣る傾向があり、300000以上では合成・入手のしやすさの点で不利である。分子量は、化合物(A)及び(B)の種類及びエステル化率の調整や、反応条件のコントロールにより行うことができる。
【0021】特に、本ウレタン系化合物(C)を得る際には一部その分子中の二重結合が開裂して分子内、もしくは他の分子同士で一部架橋して平均分子量が1万以上、更には2万以上であることが特に望ましい。分子量が架橋により増大していると何故酸素遮断層なしでの画像形成に有利なのかは定かではないが、あらかじめ架橋した構造が酸素による架橋・重合反応の阻害を補償する働きがあるものと推察される。ウレタン系化合物(C)は、光重合性組成物の感度の点で付加重合可能な二重結合を4つ以上有するが、6つ以上有するのが好ましく、8つ以上有するのが更に好ましい。ウレタン化合物(C)としては、【0022】
【化4】

【0023】〔式(I)中、xは4〜20の整数、yは0〜15の整数、zは1〜15の整数を表わし、Raはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ又はアリーレンオキシ由来のくり返し単位を有し、Rbはアルキレン、アリーレン、アルキレンオキシ、アリーレンオキシを表し、Rcは独立にC1〜20のアルキレン、アリーレン基を表わし、Rdは水素またはC1〜20の有機残基またはアルカリ金属基であり、かつ少なくとも(メタ)アクリル基を1〜10個有する有機残基を表わし、Ra,Rb,Rc,Rdはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい。〕
【0024】式中Raとしては、アルキレンオキシ基やアリーレンオキシ基のくり返し単位が特に好ましい。アルキレンオキシ基としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、プロピレントリオール等のアルキレンオキシ残基が、Raのくり返し単位に用いられるアリーレンオキシ基としては、ピロガロール、1,3,5−ベンゼントリオール等のフェノキシ残基が挙げられる。xは4〜15の整数、yは1〜10の整数、zは1〜10の整数を表わし、Ra及びRcは独立C1〜5のアルキレン基を表わし、Rdは(メタ)アクリル基を1〜7個有する有機残基を表わすものが好ましい。さらに好ましくは、Raが【0025】
【化5】

【0026】(但し、kが2〜10)であり、Rb,Rcが独立に−C24−、−CH2C(CH3)−、又は、−C36−、−C24O−、−CH2C(CH3)O−であり、Rdが【0027】
【化6】

【0028】である。エチレン性単量体中のウレタン系化合物(C)の割合は、通常5〜100重量%、好ましくは、10〜100重量%である。又、ウレタン系化合物(C)は、単独でも混合物で用いても良い。特に、ウレタン系化合物の原料が混合物の場合、ウレタン化合物(C)は、反応物を混合物で使用することとなる。
【0029】上記ウレタン系化合物以外のエチレン性単量体としては、一分子中にエチレン性二重結合を一個有する化合物及び、一分子中にエチレン性二重結合を二個以上有する多官能エチレン性単量体が挙げられ、前者としては、具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、アクリロニトリル、スチレン、エチレン性不飽和結合を一個有するカルボン酸化合物と多(単)価アルコールのモノエステル等が挙げられる。ウレタン系以外のエチレン性単量体を併用する場合、1分子中にエチレン性不飽和結合を二個以上有する多官能エチレン性単量体を使用することが望ましい。かかる多官能エチレン性単量体の例としては、例えば脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステル;脂肪族ポリヒドロキシ化合物、芳香族ポリヒドロキシ化合物等の多価ヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸とのエステル化反応により得られるエステルなどが挙げられる。
【0030】前記脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルは限定されないが、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスルトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートグリセロールアクリレート等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル、これら例示化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたメタクリル酸エステル、同様にイタコネートに代えたイタコン酸エステル、クロネートに代えたクロトン酸エステルもしくはマレエートに代えたマレイン酸エステル等が挙げられる。
【0031】芳香族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルとしては、ハイドロキノンジアクリレート、ハイドロキノンジメタクリレート、レゾルシンジアクリレート、レゾルシンジメタクリレート、ピロガロールトリアクリレート等の芳香族ポリヒドロキシ化合物のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル等が挙げられる。不飽和カルボン酸及び多価カルボン酸ならびに多価ヒドロキシ化合物のエステル化反応により得られるエステルとしては必ずしも単一物ではないが代表的な具体例を挙げれば、アクリル酸、フタル酸、及びエチレングリコールの縮合物、アクリル酸、マレイン酸、及びジエチレングリコールの縮合物、メタクリル酸、テレフタル酸及びペンタエリスリトールの縮合物、アクリル酸、アジピン酸、ブタンジオール及びグリセリンの縮合物等がある。
【0032】その他、本発明に用いられる多官能エチレン性単量体の例としては、トリレンジイソシアネートとヒドロキシエチルアクリレートとの付加反応物の様なウレタンアクリレート類;ジエポキシ化合物とヒドロキシエチルアクリレートとの付加反応物のようなエポキシアクリレート類;エチレンビスアクリルアミド等のアクリルアミド類;フタル酸ジアリル等のアリルエステル類;ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物等が有用である。本発明においてウレタン系化合物(C)と併用するエチレン性単量体としては、少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有するリン酸エステル化合物が特に好ましい。特に限定はされないが、具体的には例えば下記一般式(II)、(III)で示される化合物が挙げられる。
【0033】
【化7】

【0034】(一般式(II)、(III)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、nは1〜25の整数を示し、mは1〜3の整数を示す。)一般式(II)、(III)で表される化合物の内、nが1〜10であるものが耐刷力及び非画線部の抜け性を改善する点で好ましい。一般式(II)、(III)で表される化合物の内、特に好ましい化合物の具体例としては、メタアクリルオキシエチルフォスフェート、ビス(メタアクリルオキシエチル)フォスフェート、メタアクリルオキシエチレングリコールフォスフェート等が挙げられる。本発明で使用するリン酸エステル化合物は単独でも、複数の化合物の混合物でも良い。ウレタン系化合物(C)以外のエチレン性単量体の含有量は、エチレン性単量体中0〜95重量%、好ましくは0〜90重量%である。
【0035】次に光重合性組成物として用いる場合に使用する光重合開始系について説明する。光重合開始系は、通常ラジカル発生剤と増感剤から構成され、必要により重合加速剤を含む。ラジカル発生剤としては、前記エチレン性単量体の重合を開始させうるものは全て使用できる。このうち、光励起された増感剤と何らかの作用を及ぼしあうことにより活性ラジカルを生成するラジカル発生剤としては、例えば、チタノセン類、ヘキサアリールビイミダゾール類、有機硼素アニオン(ボーレート)類、ハロゲン化炭化水素誘導体(ハロメチル基含有化合物)、ジアリールヨオードニウム塩、有機過酸化物等を挙げることができる。
【0036】チタノセン類としては、例えば特開昭59−152396号、特開昭61−151197号各公報に記載されている各種チタノセン類から適宜選んで用いることができる。更に具体的には、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジシクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イル等のジシクロペンタジエニル基を有するチタノセン化合物を挙げることができる。これらは、二種以上を併用して用いても良い。
【0037】ヘキサアリールビイミダゾール類としては、例えば、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロルナフチル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’5,5’−テトラ(p−クロルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロル−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロルフェニル)−4,4’5,5’−テトラ(o,p−ジブロムフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロムフェニル)−4,4’5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロルフェニル)−4,4’5,5’−テトラ(o,p−ジクロルフェニル)ビイミダゾール類等のベンゼン環上にハロゲン置換基を有するヘキサアリールビイミダゾール類が好ましい。
【0038】こららのヘキサアリールビイミダゾール類は、必要に応じ、多種のビイミダゾールと併用して使用することもできる。ビイミダゾール類は例えばBull.Chem.Soc.Japan.33,565(1960)及びJ.Org.Chem.36[16]2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
【0039】有機硼素アニオンとしては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特許第2764769号等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech'98.Proceeding April 19-22,1998,Chicago”等に記載のものが挙げられるが、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0040】
【化8】

【0041】〔式(IV)中、R2、R3、R4、及びR5は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。〕
【0042】ここで、式(IV)中のR2、R3、R4、及びR5がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。中でも、R2〜R4が独立にハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基であり、R5が炭素数1〜6のアルキル基であるのが好ましい。
【0043】これらの有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0044】又、対カチオンとしては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましく、特に炭素数1〜6のアルキル基のテトラアルキルアンモニウムカチオンが好ましい。
【0045】ハロメチル基含有化合物としては、モノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン化合物が好ましく、下記一般式(V)で表されるものが特に好ましい。
【0046】
【化9】

【0047】〔式(V)中、Xはハロゲン原子を示し、Wは置換基を有していてもよいアリール基又は複素環基を示し、R6は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又はアリール基を示し、rは0〜2の整数である。〕
【0048】これらのs−トリアジン化合物としては、具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中でも、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が経時安定性に優れ好ましい。
【0049】これらラジカル発生剤は、露光波長により適宜選択して用いることが出来るが、例えば、露光波長が350〜650nmの範囲では、チタノセン類及び/又はヘキサアリールビイミダゾール類を用いるのが、感度、保存性、塗膜の基盤への密着性等が特に良好で好ましい。また、露光波長が、650〜1300nmの場合には、有機硼素アニオン及び/又はハロメチル基含有化合物を用いるのが、感度、保存性、塗膜の基盤への密着性等が特に良好で好ましい。次に、光重合開始剤の内の増感剤について説明する。本発明における増感剤とは、前述の活性剤と共存した場合、光線照射により、効果的に活性ラジカルを発生しうる化合物を意味している。
【0050】代表的な増感剤の例としては、例えば、米国特許第3,479,185号明細書に開示されているロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーンの様なトリフェニルメタン系ロイコ色素、エリスロシンやエオシンYのような光還元性染料、米国特許第3,549,367号明細書、米国特許第3,652,275号明細書等に開示されているミヒラーズケトンやアミノスチリルケトンの様なアミノフェニルケトン類、米国特許第3,844,790号明細書に示されるβ−ジケトン類、米国特許第4,162,162号明細書に見られるインダノン類、特開昭52−112681号公報に示されるケトクマリン類、特開昭59−56403号公報で開示されているアミノスチレン誘導体やアミノフェニルブタジエン誘導体、米国特許第4,594,310号明細書に見られるアミノフェニル複素環類、米国特許第4,966,830号明細書に示されるジュロリジン複素環類、特開平5−241338号公報に示されるピロメテン系色素、その他シアニン色素、ジアルキルベンゼン系化合物等が挙げられる。
【0051】これら増感剤は露光波長により適宜選択して用いることができるが、露光波長が390〜430nmであれば、ジアルキルベンゼン系化合物が好ましく、露光波長が400〜650nmであれば、ケトクマリン類及びピロメテン系色素が好ましく、露光波長が650〜1300nmであればシアニン色素が好ましい。
【0052】ジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、ジアルキルアミノベンゼン構造を有し、任意の置換基を有していてよいが、中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に芳香族複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物、及びこれらの化合物のジアルキルアミノ基を構成するアルキル基が互いに結合して、及び/又は該アルキル基がベンゼン環上のアミノ基の結合する炭素原子に隣接する炭素原子と結合して含窒素複素環構造を形成した構造の化合物が好ましい。尚、上記において、ジアルキルアミノ基を構成するアミノ基は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜6が好ましい。
【0053】中でも好ましいジアルキルアミノベンゼン化合物は、下記一般式(VI)及び(VII)で示される。
【0054】
【化10】

【0055】(式(VI)中、R7〜R10は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基を、R11〜R14は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を示すが、R7とR8、R9とR10、R7とR11、R8とR12、R9とR13、R10とR14は、それぞれ独立に結合して環を形成していてもよい。)
【0056】
【化11】

【0057】(式(VII)中、R15、R16はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基を、R17及びR18は独立して水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を、Qは、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチン基、又は−N(R19)−を示し、R19は水素原子又は、炭素1〜6のアルキル基を示す。但しR15とR16、R15とR17又はR16とR18がそれぞれ独立に結合して環を形成してもよい。)尚、ジアルキルメチレンのアルキル基の炭素数は1〜6、好ましくは1である。式(VI)及び(VII)においてR7〜R18のいずれかが結合して環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、特に6員環が好ましい。式(VI)で示される化合物としては、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン及び下記構造の化合物が挙げられる。
【0058】
【化12】

【0059】又、前記一般式(V)で表わされる化合物としては、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)1,3,4−オキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンズイミダゾール及び下記構造の化合物が挙げられる。
【0060】
【化13】

【0061】シアニン色素は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n鎖で結合された構造を基本構造とするものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とする広義の所謂シアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、シアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チアピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、インドール系色素及びベンゾチアゾール系色素が好ましい。インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(VIII)で表されるものが好ましい。
【0062】
【化14】

【0063】〔式(VIII)中、Y1及びY2は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R20及びR21は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1置換基を有していても良いペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示す。該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環、シクロアルケノン環、シクロアルケンジオン環、又はシクロアルケンチオン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa- は対アニオンを示す。〕
【0064】ここで、式(VIII)中のR20及びR21がアルキル基であるときの炭素数は、通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は、通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1における置換基としては、直接又はエーテルもしくはチオエーテル結合を介した芳香族環あるいは複素環、アルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。これらのうち、直接又はエーテルもしくはチオエーテル結合を介した複素環をL1上に有するシアニン色素が好ましい。
【0065】更に、本発明で用いる光重合開始系には必要に応じて、重合加速剤として、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、N−フェニルグリシン及びその誘導体、N,N−ジアルキル安息香酸アルキルエステル等の水素供与性化合物を加えることによって更に光重合開始能力を高めることができる。このうち特に好ましいのは、N−フェニルグリシンやその誘導体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール等のメルカプト基を有する化合物や、N,N−ジアルキル安息香酸アルキルエステルである。
【0066】本発明の光重合性組成物は、一般に被膜形成能を有する高分子結合材を含有するのが好ましい。高分子結合材の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等の単独もしくは共重合体、その他、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、またはポリビニルブチラール等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の置換されていてもよい(メタ)アクリル酸エステルの少なくとも一種と(メタ)アクリル酸を共重合成分として含有する分子内にカルボキシル基を含有する共重合体(以下、「カルボキシル基含有共重合体」と称する)が好ましい。なお、本明細書において、(メタ)アクリルはメタクリル若しくはアクリルを意味する。
【0067】カルボキシル基含有高分子結合材の好ましい酸価の値は10〜250KOH・mg/gであり、好ましいポリスチレン換算重量平均分子量(以下Mwと略す)は1万から200万である。これらの高分子結合材は、側鎖に不飽和結合を有する事が望ましく、前記の如きカルボキシル基含有共重合体にエポキシ基と不飽和基を併せ有する化合物を反応させた樹脂が挙げられる。エポキシ基と不飽和基を併せ有する化合物としては、例えば、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマール酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0068】中でも、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートが好ましく、さらに、好ましくは3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートである。以上挙げたカルボキシル基と側鎖二重結合を併せ有する樹脂の好ましい分子量はMwで10000〜1000000、好ましくは、20000〜500000の範囲である。さらに、側鎖二重結合は主鎖モノマーユニット100に対して1〜50、好ましくは5〜40ユニット導入されているものが好ましい。以上、本発明の光重合性組成物の主要構成成分について詳述してきたが、それ等の好適な使用比率は、エチレン性単量体100重量部に対して光重合開始剤の内増感剤が好ましくは0.01〜20重量部、特に好ましいのは0.05〜10重量部、ラジカル活性剤が好ましくは0.1〜80重量部、特に好ましいのは0.5〜60重量部、重合加速剤が好ましくは0.1〜80部、特に好ましいのは0.5〜60重量部、また高分子結合材が、好ましくは10〜400重量部、特に好ましくは20〜200重量部の範囲である。
【0069】本発明の光重合性組成物には、感度を向上させる目的で、感光層中に25℃におけるpKb(解離定数)が7以下のアミン化合物、または、原始団[N−CH2]を有するアミン化合物を含有することが好ましい。更に好ましくは、感光層中に25℃におけるpKbが7以下であり、且つ分子内に原子団[N−CH2]を有するアミン化合物である。該アミンとしては、上記の条件を満たす限り脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、該アミン中の炭化水素基は置換基を有していてもよい。又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよい。但し、pKbの点から実質的には、置換基を有していてもよい炭化水素基を有する脂肪族アミンから選択される。アミンのpKbは、好ましくは5以下である。また、pKbの下限は好ましくは3以上である。また、アミンは分子内に原子団[CH2−N−CH2]を有するものが更に好ましい。
【0070】好ましいアミン化合物としては、置換基を有していてもよい炭化水素基を有する脂肪族アミンが挙げられ、具体的にはブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミンンベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン、トリエタノールアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。
【0071】本発明の光重合性組成物は前記の各必須成分の他に、その目的に応じて更に他の物質を含有することができる。例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤;有機又は無機の染顔料からなる着色剤;ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤、三級アミンやチオールのような感度特性改善剤、その他色素前駆体等の添加剤も加えることができる。また、本発明の光重合性組成物は、塗布性改良剤として界面活性剤を含有することが出来る。その中でも特に好ましいのはフッ素系界面活性剤である。
【0072】以上述べた添加剤の好ましい添加量は、エチレン性単量体100重量部に対して熱重合防止剤2重量部以下、着色剤20重量部以下、可塑剤40重量部以下、色素前駆体30重量部以下、界面活性剤10重量部以下の範囲である。以上述べた光重合性組成物は、適当な溶媒で希釈して、支持体上に塗布・乾燥し感光層として形成される。 溶媒としては特に限定されないが、例えばメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プルピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、4−ヒドロキシー2−ブタノン、メチルジグリコール、水又はこれらの混合物などが用いられる。本発明においては、酸素遮断を目的としないのであれば更にその上に例えば膜や層などを設けることもできる。特にその内容は限定されないが、例えば該光重合性組成物を傷などから保護するための保護膜や、滑りを良くするための滑層、マット付着などがその一例として挙げられる。
【0073】本発明において支持体としては特にこだわらないが、プラスチックのフィルムや各種金属が採用できるが、アルミニウム板(アルミニウム合金板も含む)が特に好ましく、その厚さは通常0.01〜10mm程度、好ましくは0.05〜1mm程度である。この支持体は、表面を粗面化処理した後、デスマット処理を施し、更に陽極酸化処理を実施する。この他必要に応じて脱脂処理、封孔処理、下引き処理などを施しても良い。通常粗面化処理の前に脱脂処理が行われるが、脱脂処理は、溶剤を用いてふき取り、浸積または蒸気洗浄する方法、アルカリ水溶液を用いて浸積、又は噴霧した後酸水溶液で中和する方法、界面活性剤を用いて浸積、又は噴霧する方法などの常法に従ってなされる。粗面化処理(砂目立て処理)は、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、ホーニング研磨法、バフ研磨法などの機械的処理方法、あるいは、電解エッチング法、化学エッチング法等の常法により、JIS B0601に規定される平均粗さRaが0.1〜1.5μm程度、好ましくは0.2〜1.0μm程度となるようになされる。この中でも特に塩酸や硝酸による電解エッチングが好ましい。
【0074】又デスマット処理は、硫酸、硝酸、塩酸、燐酸、クロム酸等の酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタ珪酸ナトリウム、燐酸ナトリウム、ピロ燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、アルミン酸ナトリウム等のアルカリの水溶液を用いて浸積、又は噴霧する等の常法に従ってなされる。尚特に限定されないがデスマット処理の程度として、粗面化処理工程直後の反射濃度をA、陽極酸化処理工程後の反射濃度をBとした場合、A−B≦0.1とすることが望ましい。このデスマット処理は、粗面化処理によって生じた支持体表面のスマットを取り除くために行われるものであるが、実はこのスマットは支持体と感光層との接着性に大きく関わっている。反射濃度の測定は、反射濃度計を用い、フィルターを使用しないビジュアルモードにて実施される。本発明の条件となるデスマット処理は、用いるアルカリ水溶液や、粗面化処理の状態にもよるが、例えば濃度0.1〜4重量%で液温5〜30℃程度のNaOH水溶液に1〜10秒程度浸積するなどの条件が挙げられる。
【0075】こうして得られたアルミニウム板は、通常、陽極酸化処理されるが、特に好ましくは、硫酸を含む電解液で処理する方法が挙げられる。硫酸を含む電解液で陽極酸化する方法は、従来公知の方法、例えば特開昭58−213894号公報に記載の方法等に準じて行われる。具体的には、例えば硫酸5〜50重量%、好ましくは15〜30%が用いられ、温度は5〜50℃程度、好ましくは15〜35℃であり、電流密度1〜60A/dm2 で5秒〜60秒間程度で行なわれる。これにより形成される酸化被膜量は、1〜100mg/dm2、特に10〜50mg/dm2であるのが好ましい。また、更に必要に応じて珪酸ソーダ処理等の珪酸アルカリや熱水による処理、その他カチオン性4級アンモニウム基を有する樹脂やポリビニルホスホン酸やカルボキシメチルセルロース等の水性高分子化合物を含有する水溶液への浸漬等による表面処理を行うことができる。
【0076】感光性組成物の塗布方法としては、ディップコート、コーティングロッド、スピナーコート、スプレーコート、ロールコート等の周知の方法により塗布することが可能である。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として0.5〜100g/m2の範囲が好ましく、例えば平版印刷版では0.5〜5g/m2が好ましい。尚、乾燥温度としては例えば30〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度で5秒から60分程度、好ましくは10秒から30分程度である。本発明の組成物に適用し得る露光光源としては、特に限定されないが例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、ヘリウムカドミウムレーザー、バイオレットレーザー、ブルーレーザー、アルゴンイオンレーザー、FD−YAGレーザー、半導体赤外レーザー、YAGレーザー、ヘリウムネオンレーザーらが特に好適に使用し得る。特に、本発明の感光性平版印刷版は、レーザ走査露光用に適しているため、レーザーを光源とするのが有利であり、例えば窒化インジウムガリウム半導体レーザーの410nm付近、アルゴンイオンレーザーの488nm付近、FD−YAGレーザーの532nm付近、半導体レーザーの780nm付近、半導体レーザーの830nm付近、YAGレーザーの1064nm付近の各波長を発振するレーザーが具体的に挙げられる。
【0077】本発明の画像形成方法は、かかるレーザー露光機にて画像形成材料を画像様露光行った後、界面活性剤とアルカリを含有する水溶液および、又は有機溶剤を用いて現像すれば支持体上に画像を形成することができる。現像液には、更に有機溶剤、緩衝剤、染料または顔料を含有することができる。適当なアルカリ剤としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等の無機アルカリ剤、及びトリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン類などの有機アミン化合物などが挙げられ、これらは単独もしくは組み合わせて使用できる。界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン界面活性像液のpHは通常9〜14である。また、有機溶剤としては例えば、イソプロピルアルコー剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤が使用可能である。アルカリ現、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等を必要により含有させることが可能である。
【0078】現像方法としては特に限定されないが、現像液に浸積揺動する方法や物理的にブラシなどで現像液で溶解しかかった非画像部を除去する方法や、現像液をスプレー状に吹き付けて非画線部を除く方法などが挙げられる。現像時間は、上記現像方法に応じて未露光部が十分に除去できる時間を選定すればよく5秒〜10分の範囲から適宜選ばれる。また長い期間を通じて同じ現像性能を保持するために、現像液とは別に現像補充液を別途用いるのが一般的である。現像補充液には、基本的に現像液と同じく適当なアルカリ剤や界面活性剤を、必要に応じて現像液比少ないかもしくは同じ、またはそれ以上に含有していても良い。現像補充液に含まれるアルカリ剤や界面活性剤などの量は特に限定されないが、現像液に含まれている量に対して、0.1倍〜50倍の範囲内であるのが一般的である。好ましくは0.5倍〜30倍である。また、現像液も現像補充液も輸送の簡便化の意味から、実使用時の数倍に濃縮しても良い。濃縮の割合は通常1.1倍〜50倍、より好ましくは2倍から30倍である。現像後は、特に印刷版に置いて必要に応じてアラビアガムなどの親水化処理などを適宜行っても良い。
【0079】更にまた、感光性平版印刷版の支持体として、支持体が親水化処理されたものであって、ガムテープによる剥離強度測定方法で求めたガムテープの該親水化処理された支持体からの剥離強度が500g/cm以下である場合には、アルカリ現像液を用いず、印刷機上で現像する製版方法を採用することが出来る。この製版方法は具体的には、感光性平版印刷版の感光層を、画像露光して画像様に該感光層を光硬化させた後、感光層の未露光部分を支持体から除去して光硬化感光性画像を形成する方法であって、画像露光後の光重合性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、該光重合性平版印刷版の感光層上に湿し水と印刷インクを供給してブランケットローラーのローラー表面に該インクを転写する際に、該インクと共に前記未露光部をインクの粘着性を利用してブランケットローラーのローラー表面に転写することにより、該未露光部分を支持体から除去することを特徴とするものである。
【0080】本発明は、上記現像処理後に全面露光を行なうことによって更にその画像強度を増進させることが出来る。全面後露光の光源としては特に限定されはしないが例えば、カーボンアーク、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、低圧水銀灯、DeepUVランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、エキシマーUVランプなどが挙げられる。これらの光源から発せられる光はフィルターなどによって波長制限して用いる場合もあり得る。好ましくは、後露光の光源が半値幅30nm以下の輝線を有することが望ましい。好ましい光源の具体例としては、エキシマーUVランプや水銀灯やメタルハライドランプが好ましく、特に好ましくはエキシマーUVランプや高圧水銀灯、低圧水銀灯が挙げられる。
【0081】特に限定されないが、全面露光時の版面到達露光強度(単位時間当たりの露光量)が5mW/cm2以上である場合が好ましい。光強度が5mWより低いと、たとえ総露光量が同一であったとしても、かかる効果が不十分となる場合がある。後露光時の版面到達露光強度を5mW/cm2以上にする方法は特に限定されないが、一つには露光光源のランプ出力(W)を上げる方法がある。例えば、単純にランプ出力を大きくする方法や、棒状タイプのランプの場合は単位長さ辺りの出力(W/cm)を大きくする方法がある。もう一つには例えば、単純に露光光源を画像形成材料に接近させる方法がある。この方法で有れば露光光源のランプ出力が比較的弱い場合でも、容易に画像形成材料に届く光強度を上げることが可能になる。特に限定されないが、好ましい光強度は5mW/cm2〜1W/cm2以下、より好ましくは10mW/cm2〜500mW/cm2である。また、各種光源の点灯方式としては例えば通常の定常光ランプ、フラッシュ照射タイプ、瞬時点灯タイプなどが挙げられる。後露光の波長としては200〜1100nmの波長の光が使用できる。
【0082】後露光の方法としては、画像を停止させた状態で行っても、画像を処理方向に連続的に搬送している状態で行ったも良い。また、その露光量は特に限定されるものではなく、大きいほど効果が期待できるが、画像形成工程の合理化という意味から10mJ/cm2 以上、好ましくは50mJ/cm2 以上、10J/cm2 以下、好ましくは8J/cm2 以下が望ましい。後露光時の画像形成材料の温度が40℃〜300℃に加熱もしくは保持することは、他に不都合が生じない限り、画像の強度を向上させる点で特に有効である。その条件や方法は特に限定されないが、ホットプレートやドライヤーなどの温風、セラミックヒーターや強力な光源等の輻射熱等が挙げられる。特に好ましくは、後露光に利用する光源の輻射熱を利用することが簡便で好ましい。尚、高温になりすぎると支持体が変形するなどの不具合が生じるので適当な温度範囲に収まるように、冷却装置やIR輻射熱を低減するコールドミラーやIRカットフィルターを適宜使用することも望ましい。また本発明は、上記現像処理後に全面後加熱処理を行なうことによって更にその画像強度を増進させることも出来る。
【0083】加熱の方法としては、特に限定されないがIRセラミックヒーターの放射熱による方法、オーブンによる方法、ホットプレートによる方法、加熱ローラーによる方法などが挙げられる。また先に挙げた後露光光源からの輻射熱の利用も同様に挙げられる。後加熱は、版を停止させた状態で行っても、版を処理方向に連続的に搬送している状態で行っても良い。加熱の温度は、好ましくは版面で80℃〜300℃程度、特に好ましくは100℃〜250℃程度が好ましい。加熱時間も特に限定はされないが、1秒〜15分程度特に好ましくは1秒〜10分程度が挙げられる。更に場合によっては必要に応じて、本願発明に記載の処理方法に加えてレーザー露光直後、(現像前)に加熱工程を加えることも、場合によって画像の強度を向上させる点で有効である。この場合もその条件や方法は特に限定されないが画像形成材料を50〜300℃でホットプレートやドライヤーなどの温風、セラミックヒーターや強力な光源等のの輻射熱等が挙げられる。加熱時には、画像を停止させた状態でも画像を処理方向に連続して搬送している状態で行っても良い。
【0084】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
合成例1<化合物(A)と化合物(B)の反応によるウレタン系化合物−1の合成>四つ口フラスコに、酢酸エチル100ml、ジラウリン酸n−ブチルスズ180mg,パラメトキシフェノール60mg、A−9530(新中村化学社製:一つの水酸基と5つの付加重合可能な二重結合を含有するジペンタエリスリトールペンタアクリレートを主成分とする化合物。分子量は約530(理論値)。)38.6gを、順次添加した。これに、A−9530の水酸基モル量に対してイソシアネート基が0.9倍になるようにME20−100(旭化成株式会社製:一分子中に平均9つのイソシアネート基含有。分子量は約5000程度)を攪拌しながら滴下した。滴下終了後、70度に加熱してIRでイソシアネートのピークが消失するまで反応を行った。反応物は、少なくとも9つ以上のウレタン結合と理論上は45個の二重結合を有する化合物を含有し、この反応物を「ウレタン系化合物−1」とする。(重量平均分子量は約10000。)
【0085】合成例2<化合物(A)と化合物(B)の反応によるウレタン系化合物−2の合成>合成例1において、酢酸エチルを90ml、A−9530を、NK701A(新中村化学社製:グリシジルメタクリレートとアクリル酸の反応生成物で、一つの水酸基と2つの二重結合を持つ。理論分子量214。)9.4gに変更し、更に、ME20−100をNK701Aの水酸基モル量に対してイソシアネート基が0.9倍になるように変更した以外合成例1と同様にして反応を行った。反応物は少なくとも9つ以上のウレタン結合と理論上は18個の二重結合を有する化合物を含有し、この反応物を「ウレタン系化合物−2」(重量平均分子量は約7000)とする。
【0086】合成例3<化合物(A)と化合物(B)の反応によるウレタン系化合物−3の合成>四つ口フラスコに、シクロヘキサノン150ml、ジラウリン酸n−ブチルスズ180mg、パラメトキシフェノール60mg、A−9530(新中村化学社製:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートを主成分とする化合物)34.7gおよび2ーヒドロキシ−n−オクタノイック酸0.35g(分子量:160)を順次添加した。以下、合成例1と同様に、総水酸基モル量に対してイソシアネート基が0.9倍になるようにME20−100を用い、反応を行った。 反応物は、少なくとも9つ以上のウレタン結合と理論上はほぼ35〜40個の二重結合を有する化合物を含有し、この反応物を「ウレタン系化合物−3」と(重量平均分子量は約9400)する。
【0087】合成例4<ウレタン系化合物−1の分子量増大品>、合成スケールを400Lの大釜に変更した以外は、仕込み比などは合成例−1と全く同様に反応を行った。得られた反応物は、少なくとも9つ以上のウレタン結合と理論上は45個の二重結合を有する化合物を含有し、この反応物を「ウレタン系化合物−4」とした。(重量平均分子量は約70000)
合成例5<高分子結合剤−1の合成>メチルメタクリレート/メタアクリル酸=80/20mol%(仕込み比)の共重合体、Mw=7万(以下「高分子結合材−1」と略す。)を合成した。この結合材−1のメタアクリル酸成分全体の5割にA−200(ダイセル化学社製。脂環式エポキシ基かつアクリロイル基含有化合物。)を反応させ、重量平均分子量約80000の高分子結合材−1を得た。
【0088】合成例5<高分子結合剤−2の合成>ビニルメタクリレート/アクリロニトリル/アリルグリシジルエーテルメタクリレート/メタクリル酸=40/15/30/15mol%(仕込み比)の共重合体、重量平均分子量約100万(以下「高分子結合材−2」と略す。)を合成した。
<アルミニウム支持体の製造>支持体−1厚さ0.2mmのアルミニウム板を、3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを18.0g/l塩酸浴中で25℃、80A/dm2の電流密度で15秒電解エッチングし、その後50℃の1%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行い、次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和した。水洗後30%硫酸浴中で30℃、10A/dm2の条件で16秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して平版印刷版用アルミニウム板(以下「支持体−1」と略す。)を得た。形成された陽極酸化皮膜は2.1g/m2である。
【0089】上記支持体−1上に、下記の光重合性組成物塗布液−1を調製し、この塗布液をバーコーターを用いて乾燥膜厚2g/m2となるように塗布して乾燥し、感光性平版印刷版を作製した。尚、比較例4の場合だけは光重合性組成物膜上に酸素遮断を目的としてポリビニルアルコール/ポリビニルピロリドン(重量比7:3)の混合水溶液をバーコートを用いて乾燥膜厚が3g/m2となるように塗布した。
【0090】
【表1】
(光重合性組成物塗布液−1)
高分子結合材 表−1記載の種類と重量部エチレン性単量体 表−1記載の種類と重量部増感材−A 2.4 重量部ラジカル発生剤−A 15 重量部S-381(旭硝子 フッ素系界面活性剤) 0.3 重量部エマルゲン104P (花王社製界面活性剤) 2 重量部フタロシアニン顔料(P.B. 15:6) 10 重量部Disperbyk 161(ビックケミー社製) 5 重量部トリベンジルアミン 10 重量部上記全固形分を、塗布溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコールを重量比で10:50:40)を用いて8.5重量%に調整した。表−1中のエチレン性単量体は以下の通りである。
【0091】
【化15】

【0092】PM−2メタアクリロキシエチルフォスフェート及びビス(メタアクリロキシエチル)
フォスフェートの混合物(日本化薬株式会社製)
SP4060S特殊オルトクレゾールノボラックタイプ(ウレタン結合は含有せず;昭和高分子株式会社製)
DPHAジペンタエリスリトールヘキサアクリレート【0093】
【化16】

【0094】ラジカル発生剤−A2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;5部得られた感光性平版印刷版について下記の項目について評価した。結果を表−1に示す。
<感度評価>感光性平版印刷版上にステップタブレット(コニカ社製)を添付した状態で、クレオ社製近赤外露光装置(トレンドセッター3224−T:発振波長830nm)を用いて各種露光量により画像露光した。次に、A珪酸ナトリウム3重量%及びアニオン性界面活性剤(花王株式会社製ペレックスNBL)5重量%を含む水溶液に、28℃で30秒間浸漬することにより現像を行った。現像後、得られる最高ステップ段数を読みとりその段数を感度評価の指標とした。尚、比較例4の場合だけは同様に露光後に、あらかじめ酸素遮断層を水洗してから同様のアルカリ現像処理を行った。
<画像形成度評価>上記露光・現像処理によって得られた画像を風乾後、指で擦ってその画像強度を確認した。その結果、全く画像がやられないものを○、画像が擦れて一部取れたり無くなったりするものを×とした。
【0095】
【表2】

【出願人】 【識別番号】000005968
【氏名又は名称】三菱化学株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番2号
【出願日】 平成13年10月18日(2001.10.18)
【代理人】 【識別番号】100103997
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 曉司
【公開番号】 特開2003−122002(P2003−122002A)
【公開日】 平成15年4月25日(2003.4.25)
【出願番号】 特願2001−320761(P2001−320761)