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【発明の名称】 震源装置
【発明者】 【氏名】相澤 隆生
【住所又は居所】東京都江東区亀戸1丁目8番9号 サンコーコンサルタント株式会社内

【氏名】葛 民
【住所又は居所】東京都江東区亀戸1丁目8番9号 サンコーコンサルタント株式会社内

【氏名】金森 潤
【住所又は居所】東京都江東区亀戸1丁目8番9号 サンコーコンサルタント株式会社内

【氏名】伊東 俊一郎
【住所又は居所】東京都江東区亀戸1丁目8番9号 サンコーコンサルタント株式会社内

【要約】 【課題】均一なエネルギを容易に発生させ、測定記録の品質を格段と向上させ得る震源装置を提供することを課題とする。

【解決手段】地表面G上に所定の荷重で設置される起振部材1の対向する面1Aを、それぞれ同一線上にて打撃することにより地震動を発生させる震源装置において、起振部材1の対向する面1Aを打撃するための一対の打撃手段12A、12Bと、一対の打撃手段12A、12B同士を、それぞれ連結するように設けられた付勢手段17と、一対の打撃手段12A、12Bを、それぞれ付勢手段17による付勢方向とは逆方向に同一量移動させる移動手段14とを設けるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地表面に設置される起振部材と、該起振部材の2つの面をそれぞれ同一直線上にて相反する方向に打撃するべく変位可能に支持された一対の打撃手段と、該一対の打撃手段を連結しそれぞれ同じ大きさの力で打撃方向に付勢する付勢手段と、上記一対の打撃手段をそれぞれ上記付勢手段に抗して上記打撃方向とは逆方向に同一量ずつ移動させる移動手段とを具えることを特徴とする震源装置。
【請求項2】 上記一対の打撃手段は、上記地表面上に設置された支持体にそれぞれ揺動可能に軸支され、一端には上記移動手段と掛合する第1の掛合部が設けられ、上記一端とは支点を挟んで離間する他端には上記起振部材を打撃する打撃部が設けられ、上記移動手段には、上記第1の掛合部と係脱自在に掛合し掛合状態を保ったままで変位することにより上記打撃部を上記打撃方向とは逆方向に揺動させる第2の掛合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の震源装置。
【請求項3】 上記移動手段が、上記第1の掛合部と上記第2の掛合部との掛合状態を同時に解除することを特徴とする請求項2に記載の震源装置。
【請求項4】 上記付勢手段が、上記一対の打撃手段を内側に配して各打撃手段に相反する方向の付勢力を付与する輪状の弾性体であることを特徴とする請求項2または3に記載の震源装置。
【請求項5】 上記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の震源装置。
【請求項6】 上記支持体が、上記起振部材に、該起振部材に発生する振動を吸収して上記支持体への振動の伝達を抑制する振動抑制手段を介して連結されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の震源装置。
【請求項7】 上記一対の打撃手段に、上記付勢手段を保持して脱落を防止する脱落防止手段が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の震源装置。
【請求項8】 上記脱落防止手段が、上記付勢手段を摺動自在に保持していることを特徴とする請求項7に記載の震源装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に伝わる波動の伝搬速度の測定を行う際に用いられる震源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物や構造物を設計する際には耐震を考慮した設計が不可欠となっている。そこで、建設箇所における地盤固有の波動の伝搬速度を測定して地震動を予測し、この地震動に耐えるような設計を建築物や構造物に施すといったことが行われている。このとき、単一のボーリング孔を利用して弾性波速度の深さ方向の分布を求める手法を、一般的に速度検層と呼んでいる。
【0003】この波動の速度検層を行う場合、その弾性波動である実体波として、P波(縦波)およびS波(横波)があり、それぞれ物質中を伝わる速度は、P波速度およびS波速度と呼ばれている。因みに、P波は、プライマリ波の略語であり、S波は、セカンダリ波の略語である。
【0004】なお、これら波動の速度検層においては、特に、S波の測定が用いられるようになってきており、S波の測定は、P波の測定も合わせて行う場合があるので、PS検層とも呼ばれている。
【0005】ここでは、上記のような速度検層を行う装置として代表的な、ダウンホール方式の検層装置について説明する。このダウンホール方式は、図4に示すように、地表面G付近に設置された起振源AによってP波あるいはS波の波動を発生させ、地盤を伝搬してきた波動を、地盤にあけたボーリング孔H内に設置した受振器Bで検出し、これを増幅して収録するものである。
【0006】なお、起振源Aにて振動を発生させる方法として、P波を発生させる場合は、打撃手段であるハンマ等により地表面を打撃する地表面打撃法、S波を発生させる場合には、地表面上に所定荷重で載置された起振部材である板材等の対向する面をハンマ等により水平打撃する板たたき法を用いることが多い。
【0007】この板たたき法は、主に、陸上でボーリング孔H近傍に震源を設置できる場合に適用されるが、稀に水中でもダイバによる板たたき法を実施することがある。また、P波のみを測定する場合は、受振器Bに、図示省略する単成分多連式のジオフォンまたはハイドロフォンを用い、ボーリング孔H中に吊り下げて測定することもある。
【0008】ところで、近年、速度検層においては、深度の深い(例えば100〔m〕〜1000〔m〕程度)探査を行うことが、ますます重要な技術的課題となってきている。しかしながら、従来の手法による速度検層において、深度100〔m〕を越える測定の場合、人力による起振では、板材(起振部材)をたたくエネルギが小さいため、信号波形が微弱となる問題があり、測定記録の品質を低下させる問題があった。
【0009】かかる課題を解決する手法の一つとして、従来、P波の測定では火薬や重水落下による震源を用い、S波の測定ではS大砲や機械式震源等を板材(起振部材)上に載せ、強力な振動を発生させる震源を用いることが提案・実行されていたものの、このような火薬やS大砲等を用いた震源は、安全性の面において未だ不十分な問題があり、近年、使用が控えられるようになっている。
【0010】また、これ以外の他の方法として、図5に示すようなハンマ等の自由落下による震源が提案・実行されていた。この手法によると、まず地表面Gに載置された起振部材である木材等の板材1に所定の荷重(板材1と地表面Gとの摩擦が大きくなり、板材1が容易に動き難くなる程度)の重量物等のおもし2を載せた状態で、この板材1をまたぐようにまたは近傍にやぐら3を設置し、このやぐら3に取り付けられる振り子状のハンマ3Aの自由落下によって、板材1の対向する面の同一線上を水平打撃してS波を発生させる。
【0011】このとき、このハンマ3Aは、板材1の対向する面の同一線上において、それぞれ同じ高さまで持ち上げられた後、自由落下させられる。
【0012】そして、このS波をボーリング孔H内に設置された受振器4によって検出する。このとき、この受振器4は、加圧装置5から加圧ホース6を介して加圧されることにより、ボーリング孔壁HAに固定される孔壁圧着式の3成分(上下動成分および水平動2成分)受振器であり、ボーリング孔H内を図示しないウインチ等を介在して、増幅器7と電気的・物理的に接続されるケーブル8によって順次移動して測定を繰り返す。このようにして、検出した測定結果を増幅器7にて増幅して収録する。因みに図中9は、増幅器7の電源である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような自由落下による板たたき法では、板材1をたたくエネルギが、人力によるハンマ打撃の震源に比べて大きくなるものの、S大砲等の強力な振動を発生させる震源に比べて格段と小さくなり、発生するS波の周波数が深度の深い速度検層に必要なS波の周波数よりも低くなることから、測定する波動の解像度(品質)が低くなる未だ不十分な問題があった。
【0014】また、自由落下による板たたき法では、板材1をたたくエネルギを、対向する面それぞれにおいて均一にすることが困難である問題や、たたく際の反力によってやぐら3側が動く場合があり、このような場合に雑振動が発生し、それに起因して測定記録の品質を低下させる問題があった。
【0015】本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたもので、均一なエネルギを容易に発生させ、測定記録の品質を格段と向上させ得る震源装置を実現することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するため本発明においては、以下の手段を採用した。すなわち、請求項1に記載の震源装置は、地表面に設置される起振部材と、該起振部材の2つの面をそれぞれ同一直線上にて相反する方向に打撃するべく変位可能に支持された一対の打撃手段と、該一対の打撃手段を連結しそれぞれ同じ大きさの力で打撃方向に付勢する付勢手段と、上記一対の打撃手段をそれぞれ上記付勢手段に抗して上記打撃方向とは逆方向に同一量ずつ移動させる移動手段とを具えることを特徴としている。
【0017】この震源装置においては、移動手段によって一対の打撃手段をそれぞれ同一量移動させると、各打撃手段には付勢手段によってそれぞれ均等のエネルギが与えられる。ある時点で移動手段による打撃手段への働きかけを解除すると、一対の打撃手段は、起振部材の2つの面をそれぞれ同一直線上にて相反する方向にそれぞれ均等のエネルギで打撃する。かくして、安定した弾性波を検出することができ、測定記録の品質を格段と向上させることができる。
【0018】請求項2に記載の震源装置は、請求項1に記載の震源装置において、上記一対の打撃手段が、上記地表面上に設置された支持体にそれぞれ揺動可能に軸支され、一端には上記移動手段と掛合する第1の掛合部が設けられ、上記一端とは支点を挟んで離間する他端には上記起振部材を打撃する打撃部が設けられ、上記移動手段には、上記第1の掛合部と係脱自在に掛合し掛合状態を保ったままで変位することにより上記打撃部を上記打撃方向とは逆方向に揺動させる第2の掛合部が設けられていることを特徴としている。
【0019】この震源装置においては、移動手段の第2の掛合部が打撃手段の第1の掛合部と掛合し、その掛合状態を保ったままで変位することにより、打撃手段の打撃部が揺動する。かくして、簡単な構造で打撃手段を容易に移動させることができる。
【0020】請求項3に記載の震源装置は、請求項2に記載の震源装置において、上記移動手段が、上記第1の掛合部と上記第2の掛合部との掛合状態を同時に解除することを特徴としている。
【0021】この震源装置においては、打撃手段の打撃部を揺動させた移動手段が、第1の掛合部と第2の掛合部との掛合状態を同時に解除することにより、打撃手段が打撃方向に同時に揺動する。かくして、簡単な構造で打撃手段を機能させることができる。
【0022】請求項4に記載の震源装置は、請求項2または3に記載の震源装置において、上記付勢手段が、上記一対の打撃手段を内側に配して各打撃手段に相反する方向の付勢力を付与する輪状の弾性体であることを特徴としている。
【0023】この震源装置においては、付勢手段に輪状の弾性体を用いることにより、簡単な構造で一対の打撃手段を連結しそれぞれ同じ大きさの力で打撃方向に付勢することができる。
【0024】請求項5に記載の震源装置は、請求項1、2、3または4に記載の震源装置において、上記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えることを特徴としている。
【0025】この震源装置においては、付勢手段の付勢力を調整することにより、打撃手段によって起振部材を打撃する際のエネルギを所望の大きさに設定することができる。
【0026】請求項6に記載の震源装置は、請求項1、2、3、4または5に記載の震源装置において、上記支持体が、上記起振部材に、該起振部材に発生する振動を吸収して上記支持体への振動の伝達を抑制する振動抑制手段を介して連結されていることを特徴としている。
【0027】この震源装置においては、打撃手段の作用により起振部材に発生した振動が、振動抑制手段により支持体への伝達を抑制されることにより、支持体に設けられた各部の耐久性を向上させることができる。また、起振部材が支持体から縁切りされるので、打撃手段によって与えられるエネルギが支持体に吸収されにくくなるので、安定した振動を発生させることができる。
【0028】請求項7に記載の震源装置は、請求項1、2、3、4、5または6に記載の震源装置において、上記一対の打撃手段に、上記付勢手段を保持して脱落を防止する脱落防止手段が設けられていることを特徴としている。
【0029】この震源装置においては、打撃手段が移動手段によって移動される際、付勢手段と打撃手段との位置関係が変化しても、付勢手段が打撃手段から脱落するのを未然に防止することができ、付勢手段の付勢力を打撃手段に確実に伝えることができる。
【0030】請求項8に記載の震源装置は、請求項7に記載の震源装置において、上記脱落防止手段が、上記付勢手段を摺動自在に保持していることを特徴としている。
【0031】この震源装置によれば、打撃手段が移動手段によって移動される際、付勢手段が脱落防止手段を摺動することにより、この付勢手段が脱落防止手段によって不要に規制されることを未然に回避することができ、付勢手段をスムーズに機能させることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明における一実施の形態について詳述する。
【0033】図1は、本発明による震源装置の一実施の形態を示す概略斜視図である。図1において、1は起振部材として木材等からなる板材を示し、その上に震源装置の筐体(支持体)10が、エニダイン株式会社製ワイヤロープ防振器(振動抑制手段)Eを介して設置されている。この筐体10には、図示しない荷重部材として、例えばフォークリフトやホイルローダといった自走式重機原動車等が設置されており、これによって板材1と地表面Gとの密着性を保持するようになされている。
【0034】因みにワイヤロープ防振器Eは、螺旋状に巻回したワイヤロープを弾性体として2つの部材間に介在させ、両部材を連結してはいながらも一方の部材に生じた振動を他方の部材へは伝達させないようにした装置である。本震源装置には、一方の部材を板材1に、他方の部材を筐体10に固定して板材1と筐体10との間にワイヤロープ防振器Eを介在させている。このような構造のワイヤロープ防振器Eを採用すると、筐体10が板材1上から脱落するのを防止しながら、板材1を打撃する際に筐体10をスムーズにずらすことが可能となる。従来、ワイヤロープ防振器Eにあたる部分にはころやゴム材等を用いていたが、板材1と筐体10との間に静止摩擦力が大きく作用するため、板材1の自由な振動が妨げられて雑振動が発生する等の問題があった。ワイヤロープ防振器Eを採用すれば、板材1の雑振動を防止して安定した弾性波を発生することができる。
【0035】筐体10は、上部に軸11が設けられ、打撃手段としての振り子12A、12Bの一端側に近い1点を、それぞれ回動自在に軸支している。また、この振り子12A、12Bは、他端側に板材1を打撃するための打撃部13A、13Bを有している。
【0036】この振り子12A、12Bの一端側には、当該振り子12A、12Bを一端側に近い支点を中心に移動させる(以下、これを振り上げると称する)ための第1の掛合部15A、15Bが設けられている。この第1の掛合部15A、15Bは、上部がフック状に突出しており、この突出部分から下部方向にかけてくぼんで行く傾斜面を有している。
【0037】また、筐体10には、その一端側に第2の掛合部16を伸縮自在に備えた移動手段としての油圧シリンダ14が、その他端側を回動自在に設けられている。
【0038】さらに、各振り子12A、12Bには、付勢手段として輪状の弾性体である例えばゴム材17が、各振り子12A、12Bの外周を通って装置全体に巻き付くように繞設されており、これにより各振り子12A、12Bは、それぞれ連結されるように付勢されている。
【0039】また、このゴム材17は、筐体10のほぼ中央に設けられた、付勢力調整手段である付勢力調整部18に巻き取られることによって、張力、すなわち付勢力を調整され、各振り子12A、12Bを振り下ろす際の打撃部13A、13Bが板材1を打撃するエネルギを調整し得るようになされている。
【0040】さらに、このゴム材17は、各振り子12A、12Bの外周面側に設けられる脱落防止手段である脱落防止部19A、19Bによって、所定位置に摺動自在に保持されている。
【0041】この脱落防止部19A、19Bは、例えば各振り子12A、12Bの長手方向における上部側から下部側にかけてくぼんで行く傾斜面を有するベース部19AA、19BAと、このベース部部19AA、19BA上に設けられたループ部19AB、19BBとからなり、これらベース部19AA、19BAと、ループ部19AB、19BBとの間を、ゴム材17が摺動し得るようになされている。
【0042】そしてゴム材17は、各振り子12A、12Bが振り上げられた際に、その外周面において脱落するのを未然に防止し、これら各振り子12A、12Bとの位置関係が変化しても、ゴム材17の付勢力を各振り子12A、12Bに確実に伝えることができるとともに、脱落防止部19A、19Bを摺動することにより、このゴム材17が脱落防止部19A、19Bによって不要に引っ張られることを未然に回避して、スムーズに伸縮させることができる。
【0043】さて、ここで、このような構成の震源装置において、各振り子12A、12Bを振る際の様子を、要部拡大図である図2(A)、図2(B)および図3を用いて説明する。
【0044】まず、図2(A)に示すように、油圧シリンダ14の第2の掛合部16を伸ばし(伸長し)、振り子12Aの第1の掛合部15Aの下部側に当接させた後、第2の掛合部16を伸ばし続けながら、この傾斜部を沿って登らせる。
【0045】次に、図2(B)に示すように、油圧シリンダ14の第2の掛合部16が第1の掛合部15Aの突出部分まで到達すると、油圧シリンダ14は、その自重によって第1の掛合部15Aに第2の掛合部16を掛合させる。この後、図3に示すように、油圧シリンダ14が第2の掛合部16を縮める(短縮させる)ことにより、振り子12Aを一端側を中心に振り上げることができる。
【0046】さらに、図示省略するが、油圧シリンダ14が第2の掛合部16を縮めていくと、第2の掛合部16と第1の掛合部15Aとの掛合が解除されることによって、振り子12Aが振り下ろされる。
【0047】このとき、振り子12Aと12Bとが、それぞれ同一のゴム材17(図1参照)によって連結して付勢されていることにより、それぞれ振り下ろされる際のエネルギを均一にすることができる。また、これら振り子12Aと12Bとが、筐体10の軸11によって同一線上に回動自在に支持されていることから、これら振り子12Aと12Bとを振り下ろした際に、打撃部13A、13Bによって、板材1の対向する面1Aを、それぞれ同一線上にて打撃することができる。
【0048】このようにして、この震源装置では、筐体10に振り子12A、12Bを回動自在に設けるとともに、これら振り子12A、12Bを、それぞれゴム材17によって連結して付勢し、各振り子12A、12Bに設けた第1の掛合部15A、15Bを油圧シリンダ14の第2の掛合部16によって掛合することにより、これら振り子12A、12Bを互いに均一なエネルギで振り下ろし、板材1を打撃するエネルギを、それぞれ均一にすることができるため、安定した弾性波を検出することができ、かくして、測定記録の品質を格段と向上させることができる。
【0049】なお、上述した本実施の形態においては、付勢手段であるゴム材17として、ゴム材を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、各振り子12A、12Bをそれぞれ互いに引き付け合う方向に一体に付勢するものであれば、ゴム材17として、例えばばね等を適用するようにしてもよい。
【0050】また、上述した本実施の形態においては、起振部材として木材等からなる板材1を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、地表面上に設置され、当該地表面G上と面接触し得るものであれば、起振部材としては、この他種々の形状・大きさのものを広く適用することができる。
【0051】さらに、上述した本実施の形態においては、荷重部材としてフォークリフト等の原動車などを用い、筐体10を介在して板材1に荷重をかけるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、起振部材としての板材1を所定の荷重で地表面G上に押し付けるものであれば、この他例えば、所定の荷重を有する起振部材を適用するようにしてもよい。
【0052】さらに、上述した本実施の形態においては、移動手段として油圧シリンダ14を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、一対の打撃手段をそれぞれ同一分量分、移動させることができるものであれば、移動手段としては、この他種々のものを広く適用することができる。また、本発明の震源装置は、以上のように作動させることにより、地表探査にも使用することが可能である。
【0053】
【発明の効果】上述のように本発明の請求項1に記載の震源装置によれば、地表面に設置される起振部材と、該起振部材の2つの面をそれぞれ同一直線上にて相反する方向に打撃するべく変位可能に支持された一対の打撃手段と、該一対の打撃手段を連結しそれぞれ同じ大きさの力で打撃方向に付勢する付勢手段と、上記一対の打撃手段をそれぞれ上記付勢手段に抗して上記打撃方向とは逆方向に同一量ずつ移動させる移動手段とを具えることを特徴とし、移動手段によって一対の打撃手段をそれぞれ同一量移動させると、各打撃手段には付勢手段によってそれぞれ均等のエネルギが与えられる。ある時点で移動手段による打撃手段への働きかけを解除すると、一対の打撃手段は、起振部材の2つの面をそれぞれ同一直線上にて相反する方向にそれぞれ均等のエネルギで打撃する。かくして、安定した弾性波を発生することができ、測定記録の品質を格段と向上させることができる。
【0054】請求項2に記載の震源装置によれば、上記一対の打撃手段が、上記地表面上に設置された支持体にそれぞれ揺動可能に軸支され、一端には上記移動手段と掛合する第1の掛合部が設けられ、上記一端とは支点を挟んで離間する他端には上記起振部材を打撃する打撃部が設けられ、上記移動手段には、上記第1の掛合部と係脱自在に掛合し掛合状態を保ったままで変位することにより上記打撃部を上記打撃方向とは逆方向に揺動させる第2の掛合部が設けられていることを特徴とし、移動手段の第2の掛合部が打撃手段の第1の掛合部と掛合し、その掛合状態を保ったままで変位することにより、打撃手段の打撃部が揺動する。かくして、簡単な構造で打撃手段を容易に移動させることができる。
【0055】請求項3に記載の震源装置によれば、上記移動手段が、上記第1の掛合部と上記第2の掛合部との掛合状態を同時に解除することを特徴とし、打撃手段の打撃部を揺動させた移動手段が、第1の掛合部と第2の掛合部との掛合状態を同時に解除することにより、打撃手段が打撃方向に同時に揺動する。かくして、簡単な構造で打撃手段を機能させることができる。
【0056】請求項4に記載の震源装置によれば、上記付勢手段が、上記一対の打撃手段を内側に配して各打撃手段に相反する方向の付勢力を付与する輪状の弾性体であることを特徴とし、付勢手段に輪状の弾性体を用いることにより、簡単な構造で一対の打撃手段を連結しそれぞれ同じ大きさの力で打撃方向に付勢することができる。
【0057】請求項5に記載の震源装置によれば、上記付勢手段の付勢力を調整する付勢力調整手段を備えることを特徴とし、付勢手段の付勢力を調整することにより、打撃手段によって起振部材を打撃する際のエネルギを所望の大きさに設定することができる。
【0058】請求項6に記載の震源装置によれば、上記支持体が、上記起振部材に、該起振部材に発生する振動を吸収して上記支持体への振動の伝達を抑制する振動抑制手段を介して連結されていることを特徴としは、打撃手段の作用により起振部材に発生した振動が、振動抑制手段により支持体への伝達を抑制されることにより、支持体に設けられた各部の耐久性を向上させることができる。また、起振部材が支持体から縁切りされるので、打撃手段によって与えられるエネルギが支持体に吸収されにくくなるので、安定した振動を発生させることができる。
【0059】請求項7に記載の震源装置によれば、上記一対の打撃手段に、上記付勢手段を保持して脱落を防止する脱落防止手段が設けられていることを特徴とし、打撃手段が移動手段によって移動される際、付勢手段と打撃手段との位置関係が変化しても、付勢手段が打撃手段から脱落するのを未然に防止することができ、付勢手段の付勢力を打撃手段に確実に伝えることができる。
【0060】請求項8に記載の震源装置によれば、上記脱落防止手段が、上記付勢手段を摺動自在に保持していることを特徴とし、打撃手段が移動手段によって移動される際、付勢手段が脱落防止手段を摺動することにより、この付勢手段が脱落防止手段によって不要に規制されることを未然に回避することができ、付勢手段をスムーズに機能させることができる。
【出願人】 【識別番号】597024522
【氏名又は名称】サンコーコンサルタント株式会社
【住所又は居所】東京都江東区亀戸1丁目8番9号
【出願日】 平成14年2月6日(2002.2.6)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外6名)
【公開番号】 特開2003−232864(P2003−232864A)
【公開日】 平成15年8月22日(2003.8.22)
【出願番号】 特願2002−29730(P2002−29730)