トップ :: G 物理学 :: G01 測定;試験

【発明の名称】 障害物検出装置付き搬送用走行体
【発明者】 【氏名】渡邉 治宏
【住所又は居所】愛知県小牧市小牧原新田1500 株式会社ダイフク小牧事業所内

【要約】 【課題】走行方向前方で高い位置にある障害物も確実に検出することが出来る障害物検出器を取り付けた搬送用走行体を提供すること。

【解決手段】走行方向前方の障害物検出エリア3内の障害物を検出することが出来且つ障害物検出エリア3の先端までの障害物検出距離Lが変更可能な障害物検出器1を取り付けた搬送用走行体2であって、前記障害物検出器1を所定範囲内で上下に首振り運動させて障害物検出エリア17の先端での高さHを拡大させる上下首振り用駆動手段が設けられ、障害物検出エリア17の先端が横側方から見て略垂直になるように、前記障害物検出器1の仰角が大きくなるのに伴って当該障害物検出器1の障害物検出距離Lを増大させるコントローラーが設けられた構成。
【特許請求の範囲】
【請求項1】走行方向前方の障害物検出エリア内の障害物を検出することが出来且つ障害物検出エリア先端までの障害物検出距離が変更可能な障害物検出器を取り付けた搬送用走行体であって、前記障害物検出器を所定範囲内で上下に首振り運動させて障害物検出エリアの先端での高さを拡大させる上下首振り用駆動手段が設けられ、障害物検出エリアの先端が横側方から見て略垂直になるように、前記障害物検出器の仰角が大きくなるのに伴って当該障害物検出器の障害物検出距離を増大させるコントローラーが設けられた、障害物検出装置付き搬送用走行体。
【請求項2】障害物検出器の現在仰角を複数段階に分けて出力する現在仰角出力手段が併設され、前記コントローラーは、前記現在仰角出力手段からの現在仰角信号に対応して障害物検出器の障害物検出距離を段階的に切り換えるように構成された、請求項1に記載の障害物検出装置付き搬送用走行体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行方向前方の障害物検出エリア内の障害物を検出することが出来る障害物検出器を取り付けた搬送用走行体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走行方向前方の障害物検出エリア内の障害物を検出することが出来る障害物検出器としては、投光器と受光器とが並設された反射型光電センサーが一般的であり、障害物検出エリアに左右水平方向の巾を確保するために、図1Aに示すように、当該障害物検出器1からの照射光線を左右水平方向に一定角度範囲DL−DR内で自動往復走査させるように構成されたものが使用されている。しかして、このような障害物検出器1を搬送用走行体2の走行方向前端に取り付けて、走行方向前方の一定距離L範囲で且つ一定巾DL−DR範囲の障害物検出エリア3に入り込んだ障害物を自動的に検出出来るように構成し、その障害物検出信号に基づいて、例えば搬送用走行体2の自動減速や自動停止等の自動走行制御を行わせることが知られているが、前記障害物検出エリア3の先端での高さは、照射光線の光芒直径に相当する高さhしかない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、図1Cに示すように、搬送用走行体2の前方障害物検出エリア3の横側方位置に荷4を体の前で支持する歩行者5が立っているような場合、その歩行者5が支持する荷4と搬送用走行体2との間の距離が障害物検出器1の障害物検出距離L以内であっても、当該荷4が障害物検出エリア3の上方にあるときは、障害物検出器1は当該荷4を障害物として検出しないので、搬送用走行体2が背の高い荷6を積載しているとき、この搬送用走行体2上の荷6と歩行者5が支持する荷4とがぶつかり合う恐れが生じる。
【0004】上記のような問題点を解消するためには、障害物検出エリアの高さが異なる複数個の障害物検出器を配設することが考えられるが、照射光線を自動往復走査し得る高価な障害物検出器を複数個使用するために搬送用走行体の大幅なコストアップにつながり、実用的ではない。そこで、一つの障害物検出器を上下方向に自動首振り運動させることが考えられたが、この場合、図1Bに示すように、障害物検出器1を上下方向に自動首振り運動させることによって確保される障害物検出エリア7の先端での高さが必要な高さHとなるように構成するためには、障害物検出距離LをL+d1に大きくしなければならず、障害物検出器1が水平前方に向いているときの本来の水平方向障害物検出距離がL+d1と大きくなり、搬送用走行体2から前方に距離L以上に離れているために本来なら障害物として検出しない、例えば直前の搬送用走行体等を障害物として検出してしまい、所期通りの走行制御が行えなくなる。
【0005】又、この逆に、障害物検出距離Lをそのままにして障害物検出器1を上下方向に自動首振り運動させると、障害物検出エリア7の先端での高さが必要高さHより大巾に低い高さH’となってしまうだけでなく、障害物検出エリア7の上端での水平方向障害物検出距離がL−d2と大巾に短くなり、図1Cに示すような状況のとき、荷4を障害物として検出する時期が大巾に遅れて所期通りの安全性が確保出来ない。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような従来の問題点を解消し得る障害物検出器付き搬送用走行体を提供することを目的とするものであって、その手段を後述する実施形態の参照符号を付して示すと、走行方向前方の障害物検出エリア3内の障害物を検出することが出来且つ障害物検出エリア3の先端までの障害物検出距離Lが変更可能な障害物検出器1を取り付けた搬送用走行体2であって、前記障害物検出器1を所定範囲内で上下に首振り運動させて障害物検出エリア17の先端での高さHを拡大させる上下首振り用駆動手段9が設けられ、障害物検出エリア17の先端が横側方から見て略垂直になるように、前記障害物検出器1の仰角が大きくなるのに伴って当該障害物検出器1の障害物検出距離Lを増大させるコントローラー15が設けられた構成となっている。
【0007】上記構成の本発明を実施するについて、障害物検出器1の現在仰角を複数段階に分けて出力する現在仰角出力手段14を併用し、前記コントローラー15は、前記現在仰角出力手段14からの現在仰角信号に対応して障害物検出器1の障害物検出距離Lを段階的に切り換えるように構成することが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適実施形態を添付図に基づいて説明すると、図3に示すように、前記障害物検出器1は左右水平支軸8の周りに上下揺動自在に軸支され、この障害物検出器1を一定角度範囲θ0−θ7内で上下に連続自動首振り運動させるための駆動手段9が併設されている。図示された駆動手段9は、モーター10によって連続回転駆動されるクランクアーム11、前記支軸8を介して障害物検出器1と連動連結されたアーム12、及び両アーム11,12を互いに連動連結するリンク13とから構成されたもので、クランクアーム11の連続回転により、アーム12及び支軸8を介して障害物検出器1が略水平前方に向く最小仰角θ0から斜め前方上方に向く最大仰角θ7までの範囲で上下に往復首振り運動するように構成したものである。
【0009】勿論、駆動手段9としてはこのクランク駆動方式のものに限定されるのではなく、一定角度範囲で正逆回転駆動出来るモーターを前記支軸8に直結するか又は適当な伝動手段を介して連動連結するものや、ラックピニオンギヤ方式のもの等、如何なる方式のものでも良い。
【0010】14は、障害物検出器1の現在仰角を複数段階に分けて出力する現在仰角出力手段であって、例えば前記クランクアーム11の軸(モーター9の出力軸)11aや障害物検出器1の支軸8に連動するエンコーダー15が利用され、障害物検出器1の現在仰角が、前記障害物検出器1の最小仰角θ0から最大仰角θ7までの上下首振り角度範囲を等分割(図示例では7分割)した設定角度に達する毎に現在仰角信号θ0〜θ7を出力するように構成されている。
【0011】15はコントローラーであって、前記現在仰角出力手段14から出力される現在仰角信号θ0〜θ7に基づき、7段階の各現在仰角信号θ0〜θ7毎に設定されている障害物検出距離L1〜L7に障害物検出器1の障害物検出距離を自動的に切り換えるものである。
【0012】前記駆動手段9の働きで障害物検出器1は、最小仰角θ0から最大仰角θ7までの間で上下に連続首振り運動するので、当該障害物検出器1から照射される光線は、図2の右半分に示すように、一定巾DL−DR範囲内で左右水平方向に往復走査されながら最小仰角θ0から上方へ又は最大仰角θ7から下方に照射角度が連続的に変化せしめられる。しかして、前記コントローラー15は、現在仰角出力手段14から出力される現在仰角信号θ0〜θ7に基づき、障害物検出器1が仰角θ0〜θ1にあるときは障害物検出器1の障害物検出距離をL1にし、以下、仰角θ1〜θ2のときは障害物検出距離をL2、仰角θ2〜θ3のときは障害物検出距離をL3、仰角θ3〜θ4のときは障害物検出距離をL4、仰角θ4〜θ5のときは障害物検出距離をL5、仰角θ5〜θ6のときは障害物検出距離をL6、仰角θ6〜θ7のときは障害物検出距離をL7、というように障害物検出器1の障害物検出距離を7段階に切り換える。ここで、各障害物検出距離L1〜L7は、図2の左半分に示すように、障害物検出器1の仰角が大きくなるに従って増大し、その増大の程度は、各仰角θ0〜θ7に於ける障害物検出エリアの先端の位置(各仰角θ0〜θ7の向きに障害物検出距離L1〜L7だけ離れた位置)が横側方から見て略垂直な仮想線16付近に位置するように、換言すれば各仰角θ0〜θ7に於ける障害物検出エリアの先端までの水平距離が、最小仰角θ0のときの障害物検出距離L1と略等しくなるように、設定されている。
【0013】上記構成によれば、図1Bに示すように、駆動手段9により最小仰角θ0から最大仰角θ7までの間で上下に連続首振り運動せしめられる障害物検出器1の障害物検出エリア17(障害物検出器1の本来の障害物検出エリア3と、この障害物検出器1を障害物検出距離Lのままで上下に連続首振り運動せしめたときの障害物検出エリア7とを含む)は、その先端が横側方から見て略垂直になる、略直角三角形状となり、その障害物検出エリア17の先端では、その高さHの全域にわたって搬送用走行体2からの水平方向の障害物検出距離が略一定値Lとなる。従って、図1Cに示すように、前方水平方向に向けて固定された障害物検出器1の障害物検出エリア3では検出することが出来なくとも、正面から見て高さHの前記障害物検出エリア17の範囲内に位置する障害物(荷4)は、これが搬送用走行体2からの前方水平方向の障害物検出距離L内に入ったとき、確実に検出することが出来、例えば搬送用走行体2に積載の荷6との衝突を避けるように自動停止させる等の所期通りの制御が行える。
【0014】尚、上記実施形態では、連続的に上下首振り運動する障害物検出器1の障害物検出距離切り換え角度(仰角)を複数段(7段階)に分けて、障害物検出器1の障害物検出距離Lを当該障害物検出器1の仰角に応じて段階的に切り換えるように構成したが、障害物検出器1の障害物検出距離Lを当該障害物検出器1の仰角に対応させて連続的に変化させるように構成しても良い。又、障害物検出器1を各仰角で一定時間停止させて段階的に仰角を変化させるように、上下首振り用駆動手段を構成することも出来る。又、搬送用走行体として、床面上を自走する台車形式のものを図示したが、他の如何なる形式の搬送用走行体であっても良い。
【0015】
【発明の効果】本発明の障害物検出器付き搬送用走行体は以上のように実施し且つ使用することができるものであって、係る本発明の搬送用走行体によれば、一つの障害物検出器を使用するものでありながら当該障害物検出器を上下に首振り運動させて障害物検出エリアの先端での高さを拡大させるようにしたので、高い位置にある障害物も検出させることが出来るのであるが、このとき、障害物検出エリアの先端が横側方から見て略垂直になるように、換言すれば、搬送用走行体からの水平方向の障害物検出距離が高さ方向に関して略同一になるように、前記障害物検出器の仰角が大きくなるのに伴って当該障害物検出器の障害物検出距離を増大させるようにしたので、障害物検出距離が同一の複数の障害物検出器を水平前方向きに上下複数段に配設した場合のように、所定高さ範囲内であれば高さに関係なく搬送用走行体から一定水平距離内にある障害物を確実に検出させることが出来、高さが高くなるほど障害物検出距離が短くなったり、高さが低くなるほど障害物検出距離が大きくなる等の不都合無く、障害物検出に伴う所期通りの制御を行わせることが出来るに至ったのである。
【0016】尚、請求項2に記載の構成によれば、障害物検出器の障害物検出距離を当該障害物検出器の仰角に対応させて連続的に変化させるように構成する場合よりも実施が容易であり、例えば、上記実施形態の場合、現在仰角出力手段14から出力される現在仰角信号θ0〜θ7として3ビットの2進信号を出力させ、この3ビットの2進信号により障害物検出距離を7段階に切り換えることが出来る。
【出願人】 【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
【住所又は居所】大阪府大阪市西淀川区御幣島3丁目2番11号
【出願日】 平成14年2月1日(2002.2.1)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−227879(P2003−227879A)
【公開日】 平成15年8月15日(2003.8.15)
【出願番号】 特願2002−24926(P2002−24926)