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【発明の名称】 地中埋設物探査ツールおよび該ツールを用いた地中埋設物探査方法
【発明者】 【氏名】山内 安博
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】高見沢 和俊
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【氏名】金子 亮一
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号 日本電信電話株式会社内

【要約】 【課題】地中に埋設されている地中埋設物に向かって迅速かつ効率的に地中を進行して地中埋設物を適確に探査し得る地中埋設物探査ツールおよび該ツールを用いた地中埋設物探査方法を提供する。

【解決手段】地中埋設物探査ツール1は地中に突き刺さる矢尻部3aを有する探査棒3を覆うようにガイドパイプ5が設けられ、このガイドパイプに対してスライド移動し得るようにスライド押圧手段7が設けられるとともに、ガイドパイプ7の先端近傍に取り付けられた環状ガイド部材9で支線ロッド73または支線アンカ77の案内板77aを囲むように収容して保持しながらスライド押圧手段7の押動によるガイドパイプ5の押圧を介して探査棒3をその先端の矢尻部3aから地中奥へ押圧する場合に環状ガイド部材9が探査棒3を支線ロッド73または案内板77aに沿って地中奥へ案内する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地上に設けられている構造物を支持すべく一端が構造物に取り付けられ、他端が地中に延出し、地中内において地中埋設物である固定用支持物に取り付けられる支持手段が地中内において固定用支持物に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを探査する地中埋設物探査ツールであって、地中に延出している前記支持手段に沿って地中に突き刺さって地中奥に進入し得るように尖った先端を有する探査棒と、この探査棒の先端の先端部に続く長手軸を覆うように設けられ、先端が探査棒の先端部の後端の鍔部に当接し得るように構成されている筒状のガイドパイプと、このガイドパイプに対してその長手方向にスライド移動し得るように設けられ、ガイドパイプの長手方向に沿って探査棒の先端方向に向かって移動するように押動された場合、ガイドパイプを探査棒の先端方向に押圧し、この押圧で探査棒をその先端の先端部から地中奥へ進入させるように構成されているスライド押圧手段と、前記探査棒の先端部に近接した前記ガイドパイプの先端近傍においてガイドパイプに取り付けられる環状ガイド部材であって、前記支持手段の探査に当たっては支持手段を当該環状ガイド部材で囲むように環状ガイド部材内に収容して保持し、これによりスライド押圧手段の押動によるガイドパイプの押圧を介して探査棒をその先端の先端部から地中奥へ押圧する場合に探査棒を支持手段に沿って地中奥へ案内する環状ガイド部材とを有することを特徴とする地中埋設物探査ツール。
【請求項2】 前記探査棒は、前記ガイドパイプおよびスライド押圧手段を貫通して上方に延出して、押込み機械装置が取り付けられる延出部であって、この延出部に押込み機械装置を取り付けた場合、探査棒をその先端の先端部から地中奥に押し込めるような押込み力を押込み機械装置から作用させることができる延出部を有することを特徴とする請求項1記載の地中埋設物探査ツール。
【請求項3】 前記環状ガイド部材は、前記支持手段の形状に合わせて支持手段を囲んで収容し得るように対応可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の地中埋設物探査ツール。
【請求項4】 前記探査棒の先端の先端部が地中に押し込められた場合の該先端部の深度を表す深度目盛りを有することを特徴とする請求項1記載の地中埋設物探査ツール。
【請求項5】 地上に設けられている構造物を支持すべく一端が構造物に取り付けられ、他端が地中に延出し、地中内において地中埋設物である固定用支持物に取り付けられる支持手段が地中内において固定用支持物に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地中埋設物探査ツールを用いて探査する地中埋設物探査方法であって、地中に延出している前記支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部の地中との境界部の側近の地中に対して前記地中埋設物探査ツールの探査棒の先端の先端部を前記ガイドパイプが支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部に対してほぼ平行となるように突き立て、このほぼ平行となったガイドパイプに取り付けられている前記環状ガイド部材内に前記支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部を囲むように環状ガイド部材内に収容して保持し、前記スライド押圧手段をガイドパイプの長手方向に沿って往復移動させる動作においてスライド押圧手段を探査棒の先端方向に向かって移動させるように押動した場合、スライド押圧手段がガイドパイプを探査棒の先端方向に向かって押圧し、この押圧で探査棒をその先端の先端部から地中奥に進入させ、この探査棒が地中奥に進入する過程において探査棒の先端の先端部が地中において固定用支持物と衝突したことによる衝撃を受けたことを探査棒の振動から感得して固定用支持物を検出することを特徴とする地中埋設物探査方法。
【請求項6】 前記探査棒の先端の先端部の固定用支持物との衝突時点の該先端部の深度を前記深度目盛りから読み取ることにより、固定用支持物の埋設深度を推定することを特徴とする請求項5記載の地中埋設物探査方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地上に設けられている例えば電柱などの構造物を支線ロッドなどの支持手段を介して支持している例えば支線アンカや支線ブロックなどの固定用支持物である地中埋設物を探査する地中埋設物探査ツールおよび該ツールを用いた地中埋設物探査方法に関し、更に詳しくは、地上に設けられている構造物を支持すべく一端が構造物に取り付けられ、他端が地中に延出し、地中内において固定用支持物に取り付けられる支持手段が地中内において固定用支持物に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを探査する地中埋設物探査ツールおよび該ツールを用いた地中埋設物探査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地上に設けられている構造物である電柱は、例えば図7または図8に示すように、電柱71の上方に支線ロッド73の一端を取り付け、この支線ロッド73の他端を地中75に埋設された支線アンカ77または支線ブロック79に取り付けることにより堅固に固定されている。なお、支線アンカ77は、案内板77a、抵抗板77b、および安定板77cから構成され、また支線ブロック79は、コンクリートから構成されている。
【0003】電柱71が通信ケーブルなどを適確に支持し、倒れないように堅固に地上に立てられているためには、電柱71を支持している支線ロッド73が取り付けられている支線アンカ77や支線ブロック79が地中75内に所定の深さで埋設されていることが必要である。例えば、支線アンカ77や支線ブロック79の地中75内における埋設深度が適当でなく、例えば浅いと支線ロッド73で電柱71を適確に支持できないことになる。
【0004】従って、支線ロッド73の他端が取り付けられている支線アンカ77や支線ブロック79の地中75内における埋設深度を検査し、この埋設深度が所定の値に適確になっているか否かを調べることが重要である。
【0005】従来、このような支線アンカ77や支線ブロック79の埋設深度を測定する方法として、電磁波の反射を利用する方法や、例えば実用新案登録第3066137号公報に開示されているように探査棒Xの先端に取り付けた樋状または半割円筒状のガイド部3の内面を探査対象物に沿うように押し込み、引っ掛かりの有無を感得することにより埋設深度を知得する方法などがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の方法のうち、電磁波の反射を利用する方法は、探索対象物の形状や、埋設された箇所の土質によっては、検知性能が不確実であり、支線アンカなどを適確に検知することができないことがあるという問題があるとともに、更に電磁波の反射データを解析するには高度な技術や熟練を有し、誰でもがすぐにできるというものではないという問題もある。
【0007】一方、前記実用新案登録に開示されている方法は、ガイド部3が樋状または半割円筒状に形成されているため、探索対象物に向かう所望の進路から外れやすく、探索対象物に向かって地中を適確に進行させて探索することが困難であるという問題がある。
【0008】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、地中に埋設されている地中埋設物に向かって迅速かつ効率的に地中を進行して地中埋設物を適確に探査し得る地中埋設物探査ツールおよび該ツールを用いた地中埋設物探査方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、地上に設けられている構造物を支持すべく一端が構造物に取り付けられ、他端が地中に延出し、地中内において地中埋設物である固定用支持物に取り付けられる支持手段が地中内において固定用支持物に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを探査する地中埋設物探査ツールであって、地中に延出している前記支持手段に沿って地中に突き刺さって地中奥に進入し得るように尖った先端を有する探査棒と、この探査棒の先端の先端部に続く長手軸を覆うように設けられ、先端が探査棒の先端部の後端の鍔部に当接し得るように構成されている筒状のガイドパイプと、このガイドパイプに対してその長手方向にスライド移動し得るように設けられ、ガイドパイプの長手方向に沿って探査棒の先端方向に向かって移動するように押動された場合、ガイドパイプを探査棒の先端方向に押圧し、この押圧で探査棒をその先端の先端部から地中奥へ進入させるように構成されているスライド押圧手段と、前記探査棒の先端部に近接した前記ガイドパイプの先端近傍においてガイドパイプに取り付けられる環状ガイド部材であって、前記支持手段の探査に当たっては支持手段を当該環状ガイド部材で囲むように環状ガイド部材内に収容して保持し、これによりスライド押圧手段の押動によるガイドパイプの押圧を介して探査棒をその先端の先端部から地中奥へ押圧する場合に探査棒を支持手段に沿って地中奥へ案内する環状ガイド部材とを有することを要旨とする。
【0010】請求項1記載の本発明にあっては、地中埋設物探査ツールは地中に突き刺さる先端部を有する探査棒の長手軸を覆うようにガイドパイプが設けられ、このガイドパイプに対してスライド移動し得るようにスライド押圧手段が設けられるとともに、ガイドパイプの先端近傍には環状ガイド部材が取り付けられ、この環状ガイド部材で支持部材を囲むように収容して保持しながらスライド押圧手段の押動によるガイドパイプの押圧を介して探査棒をその先端の先端部から地中奥へ押圧する場合に環状ガイド部材が探査棒を支持手段に沿って地中奥へ案内するように構成されているため、この地中埋設物探査ツールで地中埋設物を探査した場合には地中埋設物探査ツールが地中埋設物に向かう所望の進路から外れることがなく、地中埋設物に向かって地中を適確に進行することができ、地中埋設物を迅速かつ効率的に検出することができ、ひいては地中埋設物が所定の深さで適確に取り付けられているか否かを判定することができる。
【0011】また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記探査棒が、前記ガイドパイプおよびスライド押圧手段を貫通して上方に延出して、押込み機械装置が取り付けられる延出部であって、この延出部に押込み機械装置を取り付けた場合、探査棒をその先端の先端部から地中奥に押し込めるような押込み力を押込み機械装置から作用させることができる延出部を有することを要旨とする。
【0012】請求項2記載の本発明にあっては、押込み機械装置を用いることにより、探査棒をその先端の先端部から地中奥に押し込めるような押込み力を作用させることができるため、例えば地盤が強固であるような場合でも、探査棒を地中に容易に打ち込みながら地中埋設物を適確に探査することができる。
【0013】更に、請求項3記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記環状ガイド部材が、前記支持手段の形状に合わせて対応可能に構成されていることを要旨とする。
【0014】請求項3記載の本発明にあっては、環状ガイド部材が支持手段の形状に合わせて支持手段を囲んで収容し得るように対応可能に例えば、複数のネジ穴、あるいは長穴のネジ穴により調整可能に、あるいは着脱可能に構成されているため、地中埋設物に取り付けられている支持手段が単なる支線ロッドや支線ワイヤのようなものである場合は勿論のこと、支線アンカのようにロッドやワイヤに比べると複雑で少し大きめの構造であってもネジ穴を変更し、あるいは長穴をスライドさせ、さらには、アタッチメントを交換することにより、容易に収容することができる。
【0015】請求項4記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記探査棒の先端の先端部が地中に押し込められた場合の該先端部の深度を表す深度目盛りを有することを要旨とする。
【0016】請求項4記載の本発明にあっては、先端部の深度を表す深度目盛りが設けられているので、地中埋設物探査ツールで地中埋設部を検出した場合の先端部の深度をその深度目盛りから読み取ることにより、地中埋設物の埋設深度を容易に測定することができる。
【0017】また、請求項5記載の本発明は、地上に設けられている構造物を支持すべく一端が構造物に取り付けられ、他端が地中に延出し、地中内において地中埋設物である固定用支持物に取り付けられる支持手段が地中内において固定用支持物に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地中埋設物探査ツールを用いて探査する地中埋設物探査方法であって、地中に延出している前記支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部の地中との境界部の側近の地中に対して前記地中埋設物探査ツールの探査棒の先端の先端部を前記ガイドパイプが支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部に対してほぼ平行となるように突き立て、このほぼ平行となったガイドパイプに取り付けられている前記環状ガイド部材内に前記支持手段または支持手段に接続されている固定用支持物の一部を囲むように環状ガイド部材内に収容して保持し、前記スライド押圧手段をガイドパイプの長手方向に沿って往復移動させる動作においてスライド押圧手段を探査棒の先端方向に向かって移動させるように押動した場合、スライド押圧手段がガイドパイプを探査棒の先端方向に向かって押圧し、この押圧で探査棒をその先端の先端部から地中奥に進入させ、この探査棒が地中奥に進入する過程において探査棒の先端の先端部が地中において固定用支持物と衝突したことによる衝撃を受けたことを探査棒の振動から感得して固定用支持物を検出することを要旨とする。
【0018】請求項5記載の本発明にあっては、地中埋設物探査ツールのガイドパイプに取り付けられている環状ガイド部材内に支持手段または固定用支持物の一部を囲むように収容保持して案内させながらスライド押圧手段を往復動作させることにより探査棒をその先端の先端部から地中奥に進入させて地中埋設物を探査しているため、地中埋設物探査ツールが地中埋設物に向かう所望の進路から外れることがなく、地中埋設物に向かって地中を適確に進行することができ、地中埋設物を迅速かつ効率的に検出することができ、ひいては地中埋設物が所定の深さで適確に取り付けられているか否かを判定することができる。
【0019】更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記探査棒の先端の先端部の固定用支持物との衝突時点の該先端部の深度を前記深度目盛りから読み取ることにより、固定用支持物の埋設深度を推定することを要旨とする。
【0020】請求項6記載の本発明にあっては、先端部の深度を深度目盛りから読み取ることにより、地中埋設物探査ツールで地中埋設部を検出した場合の地中埋設物の埋設深度を深度目盛りから容易に測定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る地中埋設物探査ツール1を支線アンカ77の案内板77aに取り付けた状態で示している図である。
【0022】図1に示す探査ツール1は、詳しくは、図2に示すように、地中に突き刺さって地中奥に進入する先端部である矢尻部3aが先端に設けられた探査棒3を有する。この探査棒3の矢尻部3aに続く長手軸には該長手軸を覆うように筒状のガイドパイプ5が設けられ、このガイドパイプ5の先端部5aは矢尻部3aの後端の鍔部3bに当たって接触するように、すなわち当接するようになっている。
【0023】矢尻部3aは、矢尻状に尖っているが、ノミ状に直線状(断面は矢尻状)であっても良い。ノミ状の場合、探査範囲を横方向に広げることができる。
【0024】また、ガイドパイプ5の周囲にはガイドパイプ5を部分的に覆い、かつ更にガイドパイプ5の長手方向にスライド移動し得るように筒状のスライド押圧手段7が設けられ、このスライド押圧手段7の後端部、すなわち探査棒3の矢尻部3aから遠い方の後端部の内部には探査棒3に対してスライドし得るように重り7aが取り付けられている。
【0025】そして、スライド押圧手段7がガイドパイプ5の長手方向に沿って探査棒3の矢尻部3aのある先端方向に向かって移動するように押動された場合、スライド押圧手段7の重り7aがガイドパイプ5の後端部5bに当たって、ガイドパイプ5を探査棒3の先端方向に押圧し、この押圧でガイドパイプ5の先端部5aが探査棒3の矢尻部3aの鍔部3bに当たり、これにより探査棒3をその先端の矢尻部3aから地中奥へ進入させるように打ち込むことになる。
【0026】なお、スライド押圧手段7は、本実施形態では、ガイドパイプ5を覆う筒状に形成されるとともに、また重り7aを有しているが、このような構造のものに限定されるものでなく、要はスライド押圧手段7がガイドパイプ5の長手方向に沿って探査棒3の矢尻部3aのある先端方向に向かって移動するように押動された場合に、ガイドパイプ5を探査棒3の先端方向に押圧し、この押圧で探査棒3をその先端の矢尻部3aから地中奥へ進入させるようになっていれば、どのような構造のものでもよいものである。
【0027】探査棒3は、矢尻部3aと逆の後端部がガイドパイプ5およびスライド押圧手段7を貫通して、図では上方に延出している延出部を有しているが、この後端部の延出部にはスライド押圧手段7が抜け落ちないように膨出部3cが設けられている。
【0028】また更に、探査ツール1は、探査棒3の矢尻部3aに近接したガイドパイプ5の先端部5aの近傍においてガイドパイプ5に例えば溶接などで取り付けられた環状ガイド部材9を有する。
【0029】この環状ガイド部材9は、詳しくは、図3(a)に拡大して図示するように、一方がねじ9aで閉じられた中空部または環状部を有するように形成され、例えば図1に示したように探査ツール1を支線ロッド73に取り付ける場合には、支線ロッド73がこの環状ガイド部材9の中空部または環状部内に囲まれるように収容保持され、これにより探査ツール1が支線ロッド73から容易に外れないようになっている。これは、探査ツール1が地中に突き刺さって地中内を進行する場合に、探査ツール1が環状ガイド部材9を介して支線ロッド73によって案内され、支線ロッド73の埋設されている場所から外れないようにしているものである。
【0030】また、環状ガイド部材9は、図3(b)に示すように、ねじ9aが長穴に取り付けられ、ねじ9aを長穴内で移動させることにより、環状ガイド部材9の中空部または環状部の大きさが調整可能になっていて、電柱71をメッセンジャワイヤ81を介して支持している支持手段である支線ロッド73の形状に合わせて、支線ロッド73を囲んで収容し得るようになっている。尚、環状ガイド部材9の形状は、図3に示す断面長方形に限らず円形等であっても良い。
【0031】なお、探査ツール1の例えば探査棒3上などの適当な箇所には、図示しないが、探査棒3の先端の矢尻部3aが地中に押し込められた場合の該矢尻部3aの埋設深度を表す深度目盛りが設けられ、この深度目盛りを見ることにより、矢尻部3aがどの程度の深さまで地中深く進入したかを知ることができるようになっている。
【0032】更に、図2において探査ツール1の上方に冶具21を図示するように、本実施形態においては、探査ツール1の探査棒3をその先端の矢尻部3aから地中奥に押し込めるような押込み力を作用させることができる例えば油圧等を用いた押込み機械装置である冶具21を探査棒3のガイドパイプ5およびスライド押圧手段7を貫通した上方の膨出部3cの設けられている延出部またはこの延出部の近辺または関連する例えばガイドパイプ5やスライド押圧手段7などに備えることができるようになっている。
【0033】この冶具21は、ハンドル21aおよび接続部21bを有し、この接続部21bを例えば探査ツール1の探査棒3やガイドパイプ5またはスライド押圧手段7などの適当な部分、または探査ツール1のスライド押圧手段7を貫通して上方に延出した延出部などに取り付け、ハンドル21aを図2において点線で示す位置と実線で示す位置の間で操作することにより、探査棒3をその先端の矢尻部3aから地中奥に押し込めるような押込み力を作用させることができるようになっている。
【0034】なお、冶具21は、人力によるスライド押圧手段7の操作のみでは、探査棒3を地中奥に突き進ませることが困難な、例えば強固な地盤などの場合に使用することにより、油圧などの力で探査棒3を地中奥に容易に突き進ませることができるものである。
【0035】次に、以上のように構成される地中埋設物探査ツール1を用いた地中埋設物探査方法について説明する。
【0036】まず、図1および図4を参照して、支線アンカ77を探査する場合について説明する。すなわち、支線アンカ77は、図1に示すように、一端が電柱71に取り付けられている支持手段である支線ロッド73の地中75に延出している他端に案内板77aが取り付けられているが、本実施形態では、図2に示した地中埋設物探査ツール1を用いて、支線ロッド73が地中内において支線アンカ77に所定の深さで適確に取り付けられているか否かを探査する。
【0037】そのために、まず探査ツール1は、地中に延出している支線ロッド73が支線アンカ77の案内板77aに取り付けられている近辺の地面を図1に示すように少し掘り下げて、支線ロッド73に接続されている支線アンカ77の一部である案内板77aの先端が例えば15cm〜30cm程度露出するまで周囲の地面を掘削し、支線ロッド73または案内板77aの地中との境界部の側近の地中に探査ツール1の探査棒3の先端の矢尻部3aをガイドパイプ5が支線ロッド73または案内板77aに対してほぼ平行となるように突き立てる。
【0038】なお、このような地面の掘削や案内板77aの露出は、支線アンカ77の案内板77aが支線ロッド73に対してほぼ真っ直ぐに、すなわち支線ロッド73の延出方向とほぼ同じ方向に埋設されているものであるため、必ずしも必要なものでなく、地中に延出している支線ロッド73の地中との境界部の側近の地中に直接、すなわち地面を掘削したり、案内板77aを露出させることなく、探査ツール1の探査棒3の先端の矢尻部3aをガイドパイプ5が支線ロッド73に対してほぼ平行となるように突き立ててもよいものである。このようにすることにより、地面の掘削などの作業が不要となり、作業の迅速化および効率化を図ることができるが、現場の状況のよって本実施形態のように地面を掘削して、案内板77aを露出させてもよいものである。
【0039】次に、このように支線ロッド73または案内板77aに対してほぼ平行にされたガイドパイプ5に取り付けられている環状ガイド部材9内に支線ロッド73または案内板77aを囲むように環状ガイド部材9内に収容して保持する。
【0040】それから、探査ツール1のスライド押圧手段7をガイドパイプ5の長手方向に沿って往復動作させると、この往復動作においてスライド押圧手段7を探査棒3の先端方向に向かって移動させるように重り7aの重力を用いて押動した場合、スライド押圧手段7がその重り7aの重力によりガイドパイプ5を探査棒3の先端方向に向かって押圧し、この押圧で探査棒3をその先端の矢尻部3aから、環状ガイド部材9を介して支線ロッド73または案内板77aに沿うように案内しながら、地中奥に進入させるように打ち込む。
【0041】この打ち込み動作を繰り返すことにより、探査棒3は支線ロッド73または案内板77aに沿って案内されながら矢尻部3aから地中奥にどんどん進入していくことになるが、このように探査棒3の矢尻部3aが地中奥へ進入していくと、図4に示すように、探査棒3の矢尻部3aは地中において地中埋設物である支線アンカ77の抵抗板77bまたは安定板77cと衝突することになるが、この衝突による衝撃は探査棒3の振動として、更には支線ロッド73の振動としても伝達されてくるため、この探査棒3や支線ロッド73の振動を感得することにより、地中埋設物の固定用支持物である支線アンカ77がこの位置に埋設されていること、すなわち支線アンカ77の抵抗板77bまたは安定板77cがこの位置に埋設されていることを適確に検出することができる。
【0042】そこで、この位置において、探査ツール1に形成されている深度目盛りを読み取ることにより、支線アンカ77である固定用支持物の埋設深度を推定することができ、この埋設深度から支線アンカ77が適切な深さに埋設されているか否かを判定することができる。
【0043】なお、上記打ち込み動作では、探査ツール1は、支線ロッド73または支線アンカ77の案内板77aを囲んで収容している環状ガイド部材9または探査棒3の矢尻部3aを支点として図4においてA−Bで示すように遥動し得る構造となっているため、打ち込み動作が多少目標からずれていたとしても、地中埋設物の固定用支持物である支線アンカ77の案内板77aに向かって適確に打ち込み動作が行われるようになっている。
【0044】次に、図5および図6を参照して、地中埋設物の固定用支持物が支線アンカ77の代わりに支線ブロック79である場合について説明する。
【0045】支線ブロック79は、図5に示すように、コンクリートなどで形成されたものであって、このコンクリート製の支線ブロック79に支線ロッド73が直接取り付けられているものであるため、図1で示した支線アンカ77のように途中で案内板77aが介入することがない。
【0046】まず探査ツール1は、地中に延出している支線ロッド73の近辺の地面を図1の支線アンカ77の場合と同様に少し掘り下げて、支線ロッド73が地中から例えば15cm程度露出するまで周囲の地面を掘削し、支線ロッド73の地中との境界部の側近の地中に探査ツール1の探査棒3の先端の矢尻部3aをガイドパイプ5が支線ロッド73に対してほぼ平行となるように突き立てる。
【0047】なお、このような地面の掘削が必ずしも必要なものでないことは図1での説明と同じである。
【0048】次に、このように支線ロッド73に対してほぼ平行にされたガイドパイプ5に取り付けられている環状ガイド部材9内に支線ロッド73を囲むように環状ガイド部材9内に収容して保持する。
【0049】それから、探査ツール1のスライド押圧手段7をガイドパイプ5の長手方向に沿って往復動作させると、この往復動作においてスライド押圧手段7を探査棒3の先端方向に向かって移動させるように重り7aの重力を用いて押動した場合、スライド押圧手段7がその重り7aの重力によりガイドパイプ5を探査棒3の先端方向に向かって押圧し、この押圧で探査棒3をその先端の矢尻部3aから、環状ガイド部材9を介して支線ロッド73に沿うように案内しながら、地中奥に進入させるように打ち込む。
【0050】この打ち込み動作を繰り返すことにより、探査棒3は支線ロッド73に沿って案内されながら矢尻部3aから地中奥にどんどん進入していくことになるが、このように探査棒3の矢尻部3aが地中奥へ進入していくと、図6に示すように、探査棒3の矢尻部3aは地中において地中埋設物である支線ブロック79と衝突することになるが、この衝突による衝撃は探査棒3の振動として、更には支線ロッド73の振動としても伝達されてくるため、この探査棒3や支線ロッド73の振動を感得することにより、地中埋設物の固定用支持物である支線ブロック79がこの位置に埋設されていることを適確に検出することができる。
【0051】そこで、この位置において、探査ツール1に形成されている深度目盛りを読み取ることにより、支線ブロック79の埋設深度を推定することができ、この埋設深度から支線ブロック79が適切な深さに埋設されているか否かを判定することができる。
【0052】なお、上記打ち込み動作では、探査ツール1は、支線ロッド73を囲んで収容している環状ガイド部材9または探査棒3の矢尻部3aを支点として遥動し得る構造となっていて、打ち込み動作が多少目標からずれていたとしても、地中埋設物である支線ブロック79に向かって適確に打ち込み動作が行われることは前記実施形態と同じである。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、地中埋設物探査ツールは地中に突き刺さる矢尻部を有する探査棒を覆うようガイドパイプが設けられ、このガイドパイプに対してスライド移動し得るようにスライド押圧手段が設けられるとともに、ガイドパイプの先端近傍に取り付けられた環状ガイド部材で支持部材を囲むように収容して保持しながらスライド押圧手段の押動によるガイドパイプの押圧を介して探査棒をその先端の矢尻部から地中奥へ押圧する場合に環状ガイド部材が探査棒を支持手段に沿って地中奥へ案内するように構成されているので、地中埋設物の探査において地中埋設物探査ツールが地中埋設物に向かう所望の進路から外れることがなく、地中埋設物に向かって地中を適確に進行することができ、地中埋設物を迅速かつ効率的に検出することができ、ひいては地中埋設物が所定の深さで確実に取り付けられているか否かを適確に判定することができる。
【0054】また、本発明によれば、押込み機械装置を用いることにより、探査棒をその先端の矢尻部から地中奥に押し込めるような押込み力を作用させることができるので、例えば地盤が強固であるような場合でも、探査棒を地中に容易に打ち込みながら地中埋設物を適確に探査することができる。
【0055】更に、本発明によれば、環状ガイド部材が支持手段の形状に合わせて支持手段を囲んで収容し得るように調整可能に構成されているので、地中埋設物に取り付けられている支持手段が単なる支線ロッドや支線ワイヤのような単純なものである場合は勿論のこと、支線アンカのようにロッドやワイヤに比べると複雑で少し大きめの構造であっても容易に収容することができる。
【0056】本発明によれば、矢尻部の深度を表す深度目盛りが設けられているので、地中埋設物探査ツールで地中埋設部を検出した場合の矢尻部の深度をその深度目盛りから読み取ることにより、地中埋設物の埋設深度を容易に測定することができる。
【0057】また、本発明によれば、地中埋設物探査ツールのガイドパイプに設けられている環状ガイド部材内に支持手段または固定用支持物の一部を囲むように収容保持して案内させながらスライド押圧手段を往復動作させることにより探査棒をその先端の矢尻部から地中奥に進入させて地中埋設物を探査することができるので、地中埋設物探査ツールが地中埋設物に向かう所望の進路から外れることがなく、地中埋設物に向かって地中を適確に進行することができ、地中埋設物を迅速かつ効率的に検出することができ、ひいては地中埋設物が所定の深さで確実に取り付けられているか否かを適確に判定することができる。
【出願人】 【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目3番1号
【出願日】 平成14年1月30日(2002.1.30)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外1名)
【公開番号】 特開2003−222681(P2003−222681A)
【公開日】 平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願番号】 特願2002−22504(P2002−22504)