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【発明の名称】 地震波形データ収集装置および地震観測システム
【発明者】 【氏名】飯森 敬明
【住所又は居所】東京都中野区中央2丁目48番5号中野平和ビル 株式会社高見沢サイバネティックス内

【氏名】篠原 芳紀
【住所又は居所】長野県南佐久郡臼田町大字下越132番地5 株式会社高見沢メックス内

【要約】 【課題】様々な場所に設置された観測端末から地震波形データを収集できるシステムを提供する。

【解決手段】地震が発生すると、観測端末2は、その地震の波形データおよび加速度データを取得する。地震波形データ収集装置30は、ユーザからの指示に応答して、または所定の時刻に到達すると自動的に、観測端末2に加速度データを要求する。観測端末2は、この要求に応答して、加速度データを地震波形データ収集装置へ送信する。地震波形データ収集装置30は、その加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、加速度データが収集条件を満たすと判断すると、地震波形データを観測端末2に要求する。観測端末2は、この要求に応答して、波形データを地震波形データ収集装置30へ送信する。地震波形データ収集装置30は、その波形データを受信して記憶する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地震観測システムで使用するための地震波形データ収集装置であって、前記地震観測システムは、地震計測器を各々が有する一以上の観測端末を備えており、前記観測端末は、地震が発生すると、その地震の波形データおよび加速度データを取得し、ユーザからの指示に応答して、または所定の時刻に到達すると自動的に、前記観測端末に地震の加速度データを要求し、前記観測端末から前記加速度データを受信し、前記加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、前記加速度データに対応する地震の波形データを前記観測端末に要求し、前記観測端末から前記波形データを受信して記憶する、地震波形データ収集装置。
【請求項2】 前記収集条件は、加速度データが基準値以上であること、または加速度データが基準値未満であることであり、前記基準値をユーザが設定できる、請求項1記載の地震波形データ収集装置。
【請求項3】 地震波形データを受信する時間帯が設定されている請求項1記載の地震波形データ収集装置であって、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記時間帯に前記収集指示情報の有無を確認し、前記収集指示情報があることを確認した場合は、前記収集指示情報が対応づけられている全ての前記加速度データについて、それらの加速度データに対応する地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項1または2記載の地震波形データ収集装置。
【請求項4】 前記観測端末からの波形データの送信の中断を検出すると、その波形データの送信を前記観測端末に対して繰り返し要求する、請求項1〜3のいずれかに記載の地震波形データ収集装置。
【請求項5】 前記地震観測システムは、前記地震波形データ収集装置とネットワークを介して接続された一以上の端末装置を更に備えており、前記一以上の端末装置で共通に使用可能なフォーマットを有する共通地震データを、前記観測端末から受信した前記波形データを用いて作成し、前記共通地震データを記憶する、請求項1〜4のいずれかに記載の地震波形データ収集装置。
【請求項6】 前記地震観測システムは、前記地震波形データ収集装置と通信可能な震源情報管理装置を更に備え、前記震源情報管理装置は、震源情報を所有しており、所定のデータ作成時刻になると、前記震源情報管理装置に震源情報を要求し、前記震源情報管理装置から震源情報を受信し、受信した震源情報と前記波形データとを用いて前記共通地震データを作成する、請求項5記載の地震波形データ収集装置。
【請求項7】 地震計測器を各々が有する一以上の観測端末と、前記観測端末の各々と通信可能な地震波形データ収集装置と、を備える地震観測システムであって、地震が発生すると、前記観測端末が、その地震の波形データおよび加速度データを取得し、前記地震波形データ収集装置は、ユーザからの指示に応答して、または所定の時刻に到達すると自動的に、前記観測端末に前記加速度データを要求し、前記観測端末は、この要求に応答して前記加速度データを前記地震波形データ収集装置に送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記観測端末から前記加速度データを受信し、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、前記加速度データに対応する地震の波形データを前記観測端末に要求し、前記観測端末は、この要求に応答して前記波形データを前記地震波形データ収集装置に送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記波形データを受信して記憶する、地震観測システム。
【請求項8】 前記収集条件は、加速度データが基準値以上であること、または加速度データが基準値未満であることであり、前記基準値をユーザが設定できる、請求項7記載の地震観測システム。
【請求項9】 地震波形データを受信する時間帯が設定されている請求項7または8記載の地震観測システムであって、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記時間帯に前記収集指示情報の有無を確認し、前記収集指示情報があることを確認した場合は、前記収集指示情報が対応づけられている全ての前記加速度データについて、それらの加速度データに対応する地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項7または8記載の地震観測システム。
【請求項10】 前記観測端末は、前記地震波形データ収集装置への前記波形データの送信中に地震を検知すると、前記地震を計測するとともに、前記波形データの送信を中断し、前記地震波形データ収集装置は、前記観測端末からの前記波形データの送信の中断を検出すると、その波形データの送信を前記観測端末に対して繰り返し要求し、前記観測端末は、前記地震の計測が終了した後、前記要求に応答して前記波形データを前記地震波形データ収集装置へ再び送信する、請求項7〜9のいずれか記載の地震観測システム。
【請求項11】 前記地震波形データ収集装置にネットワークを介して接続された一以上の端末装置を更に備える請求項7〜10のいずれかに記載の地震観測システムであって、前記地震波形データ収集装置は、前記一以上の端末装置で共通に使用可能なフォーマットを有する共通地震データを、前記観測端末から受信した前記波形データを用いて作成し、前記地震波形データ収集装置は、前記共通地震データを記憶し、前記端末装置の各々は、前記共通地震データにアクセスできる、請求項7〜10のいずれかに記載の地震観測システム。
【請求項12】 前記地震波形データ収集装置と通信可能な震源情報管理装置を更に備える請求項11記載の地震観測システムであって、前記震源情報管理装置は、震源情報を所有しており、前記地震波形データ収集装置は、所定のデータ作成時刻になると、前記震源情報管理装置に震源情報を要求し、前記震源情報管理装置は、この要求に応答して震源情報を前記地震波形データ収集装置に送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記震源情報管理装置から震源情報を受信し、前記地震波形データ収集装置は、この震源情報と前記波形データとを用いて前記共通地震データを作成する、請求項11記載の地震観測システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震観測に関するものであり、特に、地震観測用のネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、様々な地方自治体で地震観測システムが整備されている。これは、地震発生時の初動体制の確立を目的としている。この地震観測システムは、地震が発生したときにネットワークを利用して震度情報を収集および配信する。地方自治体の各市町村には、観測端末が設置される。観測端末は、地震計測器を備えているので、地震加速度や震度階(震度)のデータを取得できる。地震の地方自治体の本部には、送受信装置が設置される。観測端末は、指定震度以上の地震を計測すると、その地震の震度データを通信回線を介して送受信装置に送信する。送受信装置は、受信した震度データを様々な外部施設(例えば、地震被害早期評価システムや消防庁)へ配信する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の地震観測システムの改良を目的とする。具体的には、震度データのみならず地震波形データも収集できる地震観測システムと、このシステムで使用する地震波形データ収集装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る地震波形データ収集装置は、地震観測システムで使用される。この地震観測システムは、地震計測器を各々が有する一以上の観測端末を備えている。各観測端末は、地震が発生すると、その地震の波形データおよび加速度データを取得する。本発明の地震波形データ収集装置は、ユーザからの指示に応答して、または所定の時刻に到達すると自動的に、観測端末に地震の加速度データを要求する。その後、観測端末から加速度データを受信し、加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断する。加速度データが収集条件を満たすと判断したときには、加速度データに対応する地震の波形データを観測端末に要求する。その後、観測端末から波形データを受信して記憶する。
【0005】また、本発明の地震波形データ収集装置は、入力手段を備えていてもよい。この場合、ユーザが入力手段を操作することで、観測端末への加速度データの要求を本発明の地震波形データ収集装置に指示できる。また、ユーザが入力手段を操作することで、上記の収集条件や、波形データの収集時間帯を設定できるようになっていてもよい。
【0006】本発明に係る地震観測システムは、一以上の観測端末と、各観測端末と通信可能な地震波形データ収集装置とを備えている。各観測端末は、地震計測器を有している。地震が発生すると、観測端末は、その地震の波形データおよび加速度データを取得する。地震波形データ収集装置は、ユーザからの指示に応答して、または所定の時刻に到達すると自動的に、観測端末に加速度データを要求する。観測端末は、この要求に応答して、加速度データを地震波形データ収集装置へ送信する。地震波形データ収集装置は、観測端末から加速度データを受信し、加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断する。地震波形データ収集装置は、加速度データが収集条件を満たすと判断したときに、加速度データに対応する地震の波形データを観測端末に要求する。観測端末は、この要求に応答して波形データを地震波形データ収集装置に送信する。地震波形データ収集装置は、波形データを受信して記憶する。
【0007】
【発明の実施の形態】添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0008】本実施形態の地震観測システムは、既存の震度情報ネットワークシステムを利用して構築されている。既存の震度情報ネットワークシステムは、地震発生時の初動体制の確立を目的とするため、地震波形データの収集は行わない。しかし、大学など、地震・噴火予知研究を行っている施設(以下、「研究施設」とする)では、震度データだけでなく波形データも研究資料として必要となる。そこで、本実施形態では、震度情報ネットワークシステムに地震波形データ収集装置を追加することで、地震波形データの収集が可能な地震観測システムを構築する。
【0009】図1は、本実施形態の地震観測システム1の構成を示している。地震観測システム1は、主として、複数の観測端末2、通信回線網3、送受信装置4、震源情報管理装置5、および研究施設6から構成される。観測端末2は、地震を計測し、種々の地震情報を取得する。送受信装置4は、通信回線3を介して観測端末2と通信を行い、震度に関する情報を受信する。送受信装置4は、この震度情報を外部の施設に配信できる。震源情報管理装置5は、通信回線網3を介して観測端末2と通信を行い、地震情報を取得して震源を特定する。研究施設6は、通信回線網3を介して観測端末2と通信を行い、地震波形データを収集する。本実施形態では、通信回線網3として多重回線網を使用している。ただし、この回線網に限定されるわけではない。
【0010】観測端末2は、一つの地方自治体の様々な市町村に設置される。観測端末2は、計測震度計であり、地震動を計測する計測部10と、計測部10が取得した計測データを処理する処理部11から構成されている。観測端末2は、例えば地震計室に設置される。処理部11は、外部機器との通信用インタフェースを備えている。したがって、処理部11は、通信回線網3を介して、送受信装置4、震源情報管理装置5、および研究施設6と通信を行うことができる。
【0011】送受信装置4は、既存の震度情報ネットワークシステムで用いられているものである。送受信装置4は、通信回線網3を介して、観測端末2から地震加速度データや震度データを受信し、これらのデータを様々な外部施設に配信する。送受信装置4は、たとえば、震度に関する情報を集中管理する中央施設に設けられる。
【0012】送受信装置4は、一つのコンピュータであり、通信部21、制御処理部22、および記憶部23を備えている。通信部21は、制御処理部22の制御のもとで、観測端末2および外部施設(図示せず)と通信を行う。通信部21には、通信回線網3への接続用のモデムが設けられている。送受信装置4は、このモデムを用いて、観測端末2から地震の加速度データや震度データを受信できる。しかし、送受信装置4は、地震波形データは受信しない。通信部21には、外部施設との接続用のLANアダプタも設けられている。送受信装置4は、このLANアダプタと図示しないルータ等を用いて、外部施設と通信することができる。制御処理部22は、送受信装置4の全体動作を制御するとともに、通信部21で受信したデータを処理する。記憶部23は、制御処理部22の制御のもとで、データを保存する。
【0013】震源情報管理装置5は、地震の震源情報を一元化して管理する。これは、例えば、気象庁に設置される。震源情報管理装置5は、通信回線網3を介して観測端末2と通信を行い、地震データを収集する。震源情報管理装置5は、地震データを用いて演算を行い、震源を特定する。震源情報管理装置5は、こうして得られた震源情報を記憶する。
【0014】研究施設6は、地震波形データ収集装置30と、これに接続された一つ以上の端末装置40を備えている。地震波形データ収集装置30は、通信回線網3を介して、観測端末2および震源情報管理装置5と通信できる。地震波形データ収集装置30は、観測端末2から地震波形データを収集し、地震波形データの2次利用を可能にする。また、地震波形データ収集装置30は、通信回線網3を介して、震源情報管理装置5から震源情報を受信する。地震波形データ収集装置60は、こうして受信した様々な地震情報を用いて共通地震データを作成する。共通地震データは、各端末装置40で共通に使用可能なフォーマットを有している。研究者は、端末装置40を操作することで共通地震データにアクセスできる。また、共通地震データを地震波形データ収集装置30から端末装置40へダウンロードすることもできる。
【0015】地震波形データ収集装置30は、モデムユニット31、操作部32、表示部33、LAN接続部34、および制御ユニット35から構成されている。地震波形データ収集装置30は、制御プログラムがインストールされたコンピュータシステムであってもよい。
【0016】モデムユニット31は、通信回線網3を介して、観測端末2および震源情報管理装置5と通信を行う。具体的には、震度情報や地震波形データの要求信号を観測端末2に送信し、観測端末2から震度情報や地震波形データを受信する。また、震源情報の要求信号を震源情報管理装置5に送信し、震源情報管理装置5から震源情報を受信する。
【0017】操作部32は、地震波形データ収集装置30を操作するための入力装置である。ユーザは、操作部32を操作することにより、地震波形データ収集装置30へ操作指示やデータを入力できる。操作部32には、キーボードとマウスが設けられている。
【0018】表示部33は、地震波形データ収集装置30の設定情報や動作状況を表示する。表示部33は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0019】LAN接続部34は、地震波形データ収集装置30と端末装置40とをローカルエリアネットワーク(LAN)により接続する。LAN接続部34は、LANアダプタから構成されている。このLANアダプタは、LANケーブルを介して、図示しないスイッチングハブに接続される。このスイッチングハブには、端末装置40が備えるLANアダプタも、LANケーブルを介して接続される。これにより、地震波形データ収集装置30と端末装置40とがLAN接続される。
【0020】制御ユニット35は、地震波形データ収集装置30の全体動作を制御する。また、制御ユニット35は、観測端末2および震源情報管理装置5から送信される地震データを処理する。制御ユニット35は、CPU(中央処理制御装置)および記憶装置を備える一つのコンピュータである。記憶装置には、制御プログラムがインストールされている。制御ユニット35は、この制御プログラムにしたがって動作する。制御ユニット35は、モデムユニット31、操作部32、表示部33、およびLAN接続部34の各々とのインタフェースも備えている。
【0021】図2は、制御ユニット35の機能ブロック図である。制御ユニット35は、設定制御手段71、対観測端末手段72、記憶管理手段73、データ変換手段74、およびメイン制御手段75としての機能を有する。これらの各手段は、CPUおよび記憶装置によって具体化される。
【0022】設定制御手段71は、ユーザが操作部32を介して入力する設定情報を処理し、表示部33での表示に反映させる。対観測端末手段72は、モデムユニット31の動作を制御し、それによって観測端末2との通信を制御する。対観測端末手段72は、観測端末2から震度情報および地震波形データを収集する。記憶管理手段73は、様々な地震情報(地震波形データを含む)や管理情報を記憶する。また、記憶管理手段73は、これらの情報の登録、検索、更新を行う。データ変換手段74は、モデムユニット31の動作を制御し、それによって震源情報管理装置5との通信を制御する。データ変換手段74は、震源情報管理装置5から震源情報を収集する。データ変換手段74は、震度情報、地震波形データおよび震源情報を用いて共通地震データを作成する。また、データ変換手段74は、LAN接続部34の動作を制御し、それによって端末装置40との通信を制御する。データ変換手段74は、LANを介して端末装置40に共通地震データを送信できる。メイン制御手段75は、地震情報の演算処理や、地震情報を用いた判断を行う。
【0023】以下では、図3〜図11を参照しながら、地震観測システム1の動作を詳細に説明する。ここで、図3〜図7は、地震観測システム1における様々な処理の流れを示すフローチャートである。図8〜図11は、地震波形データ収集装置の表示部33に表示される画面を示している。
【0024】まず、図3について説明する。図3は、観測端末2、震源情報管理装置5および地震波形データ収集装置30がそれぞれ実行する処理の流れを示している。
【0025】各観測端末2は、地震の発生を待機する(ステップS102およびS104)。地震が発生すると(ステップS104:YESルート)、計測部10が地震を測定し、計測データを取得する(ステップS106)。この計測データには、地震波形データが含まれる。次に、処理部11は、計測データを処理し、震度情報を抽出する(ステップS108)。ここでいう震度情報は、既存の震度情報ネットワークシステムで配信されるものと同様であり、地震発生時刻、地震加速度、および震度階(震度)を含んでいる。地震波形データおよび抽出された震度情報は、処理部11内の記憶装置に格納される(ステップS110)。また、図3には示されないが、送受信装置4および震源情報管理装置5への震度情報の送信や、地震波形データの印刷も行われる。地震情報を記憶した後、観測端末2の処理部11は、地震波形データ収集装置30から震度要求情報を受信したか否かを判断する(ステップS112)。
【0026】震源情報管理装置5も、地震の発生を待機する(ステップS202およびS204)。地震が発生すると(ステップS204:YESルート)、震源情報管理装置5は、震源特定処理を実行する(ステップS206)。この処理において、震源情報管理装置5は、一以上の観測端末2から震度情報を受信し、その震度情報を演算処理して震源を特定する。震源情報管理装置5は、特定された震源の情報を震度情報に対応づけて記憶する。この後、震源情報管理装置5は、地震波形データ収集装置30から震源要求情報を受信したか否かを判断する(ステップS208)。
【0027】以下では、観測端末2によるステップS112以降の処理、および震源情報管理装置5によるステップS208以降の処理について説明する前に、地震波形データ収集装置30が実行する処理について説明する。
【0028】まず、地震波形データ収集装置30は、制御ユニット35の制御のもとで、その表示部33に基本画面を表示する(ステップS302)。図8は、基本画面の一例を示している。基本画面には、波形データの収集状況、地震波形データ収集装置30の動作状況、波形データの収集時間帯や収集条件などが表示される。
【0029】基本画面の左側には、収集状況欄102が設けられている。後述するように、収集状況欄102には、波形データの収集状況を表す文字情報が表示される。
【0030】基本画面の右側上部には、日時表示領域104および動作状況欄106が設けられている。日時表示領域104には、現在の日付と時刻が表示される。動作状況欄106には、地震波形データ収集装置30の動作状況を示す文字情報(例えば、「システム作動中」、「波形データ収集中…」)が表示される。
【0031】基本画面の右側下部には、設定値欄108、震度情報取得ボタン109およびシステム停止ボタン110が設けられている。以下では、これらの表示オブジェクトについて順次に説明する。
【0032】設定値欄108には、地震波形データの収集開始時刻、収集終了時刻、および収集加速度レベルが表示される。これらの値は、ユーザが設定できる。後述するように、地震波形データ収集装置30は、収集開始時刻になると、「収集加速度レベル」条件を満たす地震の波形データを収集し、収集終了時刻になると、波形データの収集を止める。設定値欄108の下部には、設定値変更ボタン112が設けられている。操作部32の操作により設定変更ボタン112が押されると、設定値変更画面が表示される。
【0033】図9は、設定値変更画面を示している。ユーザは、設定値変更画面を介して、波形データの収集開始時刻、収集時間、および収集加速度レベルを設定できる。設定値変更画面には、収集時間設定欄202および収集レベル設定欄204が設けられている。収集時間設定欄202には、収集開始時刻および収集時間を記入する欄202a、202bがそれぞれ設けられている。これらの欄には、操作部32を操作することで数値を記入できる。収集レベル設定欄204には、波形データを収集するかどうかの基準値となる加速度を記入する欄204aと、収集する加速度の範囲を設定するためのチェック欄204b、204cおよび204dが設けられている。加速度記入欄204aには、操作部32を操作することで数値を記入できる。また、操作部32を操作することで、いずれかのチェック欄204b、204cまたは204dにチェックを入れることができる。加速度を記入し、「全て」、「以上」および「未満」のいずれかのチェック欄をチェックすれば、地震波形データを収集する条件(すなわち、図8の「収集加速度レベル」)が決まる。設定値変更画面の下部には、設定ボタン208および戻るボタン210が設けられている。操作部32の操作により設定ボタン208が押されると、設定変更画面に表示されている内容に設定値が更新される。また、表示部33に表示される画面が、設定値変更画面から基本画面に変わる。このとき、基本画面に表示される設定値も更新される。一方、操作部32の操作により戻るボタン210が押されると、設定値を更新することなく、基本画面に表示が戻る。
【0034】図8を再び参照する。震度情報取得ボタン109は、観測端末2から震度情報を手動で収集するための操作ボタンである。操作部32の操作により設定ボタン109が押されると、震度情報収集画面が表示部33に表示される。
【0035】図10は、震度情報収集画面の一例を示している。ユーザは、震度情報収集画面を介して、所望の観測端末2から震度情報を手動で収集できる。震度情報収集画面には、端末表示ウィンドウ302、全選択/解除ボタン304、収集開始ボタン306、および戻るボタン308が設けられている。端末表示ウィンドウ302には、各観測端末2が設置されている市町村名が列挙される。ユーザは、操作部32を操作して、所望の市町村名を選択できる。全選択/解除ボタン304が押されると、全ての市町村名が選択され、全選択/解除ボタン304がもう一度押されると、全ての選択が解除される。収集開始ボタン306が押されると、選択された市町村に設置された観測端末2から震度情報の収集が開始される。戻るボタン308が押されると、表示部33に表示される画面が、震度情報収集画面から基本画面に変わる。
【0036】図8を再び参照する。システム停止ボタン110は、波形データの収集を停止するための操作ボタンである。システム停止ボタン110が押されると、地震波形データ収集装置30は、それ以降、波形データを収集しなくなる。波形データの収集中にシステム停止ボタン110が押された場合は、地震波形データ収集装置30は、現在の波形データの収集を完了した後、以降の波形データの収集を停止する。システム停止ボタン110がもう一度押されると、地震波形データ収集装置30は、再び波形データを収集するようになる。
【0037】図3を再び参照する。基本画面を表示した後、地震波形データ収集装置30は、震度情報処理を行う(ステップS304)。図4は、震度情報処理の詳細を示すフローチャートである。以下では、図4を参照しながら、震度情報処理について説明する。
【0038】震度情報処理では、地震波形データ収集装置30は、条件が満たされると、観測端末2から震度情報を収集する。震度情報の収集は、手動によって行われる場合と、自動的に行われる場合がある。
【0039】まず、震度情報が手動収集される場合(ステップS402:YESルート)について説明する。この場合、地震波形データ収集装置30は、ユーザからの指示にしたがって、収集先の観測端末2を設定する(ステップS403)。この設定は、図10の震度情報収集画面を介して行われる。ユーザが収集先の観測端末2を選択してから収集開始ボタン306を押すと、選択された観測端末2からの震度情報の収集が開始される。このとき、対観測端末手段72は、モデムユニット31を制御して、観測端末2へ震度要求情報を送信させる(ステップS408)。
【0040】図3を再び参照する。観測端末2の処理部11は、震度要求情報を受信すると(ステップS112:YESルート)、未送信の震度情報の有無を確認し、未送信の震度情報があれば、それを地震波形データ収集装置へ送信する(ステップS114)。このとき、観測端末2は、端末の識別情報も一緒に送信する。この端末識別情報は、各観測端末2にあらかじめ割り当てられた識別番号(ID)であってもよいし、観測端末2の所在地情報であってもよい。
【0041】図4を再び参照する。モデムユニット31は、観測端末2から震度情報を受信する(ステップS410)。この震度情報は、記憶管理手段73に記憶される(ステップS412)。震度情報とともに観測端末2から送信される端末識別情報も、記憶管理手段73に記憶される。このとき、震度情報および端末識別情報は、相互に対応づけられ、一つのデータセットとされる。
【0042】次いで、メイン制御手段75は、受信した震度情報があらかじめ設定された収集条件を満足するか否かを判断する(ステップS414)。後述するように、地震波形データ収集装置30は、震度情報を取得した地震の波形データをすべて無条件に収集するのではなく、所定の条件を満たす地震についてだけ波形データを収集する。この収集条件は、地震加速度に基づいて定められる。本実施形態における収集条件は、上述した「収集加速度レベル」であり、ユーザが設定できる。
【0043】図9に示されるように、収集条件は3通りに設定できる。第1に、震度情報に含まれる加速度データが、設定された加速度値以上であること、第2に、震度情報に含まれる加速度データが、設定された加速度値未満であること、第3に、震度情報を取得した全ての地震について波形データを収集する、である。なお、本実施形態で使用される「加速度値」は、3成分の合成加速度である。
【0044】震度情報が収集条件を満たすと判断されると(ステップS414のYESルート)、記憶管理手段73は、その震度情報に対応づけて収集指示情報を記憶する(ステップS416)。この収集指示情報は、地震の波形データを収集すべきことを制御ユニット35の各手段に通知するデータである。後述するように、制御ユニット35は、震度情報に収集指示情報が対応づけられている地震についてだけ波形データを収集する。収集指示情報は、例えば、震度情報および端末識別情報のデータセットに付された、特定状態のフラグであってもよい。つまり、データセットを記憶する際にフラグを付し、収集条件が満たされたら、そのフラグの状態を初期状態から変更する(例えば、フラグをオンにする)ことで、収集指示情報を記憶してもよい。この場合の収集指示情報は、初期状態から変更された状態のフラグ(例えば、オン状態のフラグ)である。
【0045】収集指示情報の記憶(ステップS416)が完了し、あるいは収集条件を満たさないと判断されると(ステップS414:NOルート)、震度情報処理は終了する。
【0046】次に、震度情報が自動収集される場合について説明する。震度情報が手動で収集されない場合(ステップS402:NOルート)、メイン制御手段75は、震度情報を自動収集するか否かを判断する(ステップS404)。震度情報の自動収集は、あらかじめ設定された日数ごとに実行される。震度情報の収集日時を示すデータは、記憶管理手段73に記憶されている。メイン制御手段75は、記憶管理手段73に記憶されている現在日時の情報と収集日時情報にアクセスし、現在の日時が収集日時に到達したか否かを判断する。メイン制御手段75は、現在の日時が収集日時に到達したと判断すると、震度情報の収集を開始する。このとき、対観測端末手段72は、モデムユニット31を制御して、観測端末2へ震度要求情報を送信させる(ステップS408)。この後、ステップS410以降の処理が実行される。これらの処理は上述した通りなので、説明を省略する。一方、現在の日時が収集日時に到達していないと判断されると(ステップS404:NOルート)、震度情報処理は終了する。
【0047】再び図3を参照する。震度情報処理(ステップS304)が終了すると、地震波形データ収集装置30は、現在の時刻が所定の収集時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS306)。ここで、「収集時間帯」とは、基本画面(図8)の設定値欄108に表示される収集開始時刻から収集終了時刻までの時間帯である。メイン制御手段75は、記憶管理手段73に記憶されている現在時刻情報、収集開始時刻情報、および収集時間情報にアクセスし、ステップS306の判断を行う。
【0048】現在時刻が収集時間帯に含まれると判断された場合(ステップS306:YESルート)、地震波形データ収集装置30は、波形データ収集処理を実行する(ステップS308)。図5は、波形データ収集処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図5を参照しながら、波形データ収集処理について詳細に説明する。
【0049】まず、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106に「波形データ収集中…」の文字を表示させる(ステップS502)。次に、メイン制御手段75は、記憶管理手段73における収集指示情報の有無を確認する(ステップS504)。記憶管理手段73に収集指示情報が記憶されていない場合は(ステップS504:NOルート)、地震波形データの収集は行われない。この場合、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106の文字を「波形データ収集中…」から「システム作動中」に変更する(ステップS516)。一方、記憶管理手段73に収集指示情報が記憶されている場合(ステップS504:YESルート)、対観測端末手段72は、モデムユニット31を制御して、観測端末2へ波形要求情報を送信させる(ステップS506)。要求先の観測端末2は、収集指示情報に対応づけられた端末識別情報によって特定される。波形要求情報は、地震を特定する情報(例えば、地震発生時刻)を含んでいる。地震波形データ収集装置30は、このようにして観測端末2に対して地震波形データを要求する。
【0050】ここで、図3を再び参照する。観測端末2は、波形要求情報を受信すると(ステップS116:YESルート)、波形要求情報によって特定される地震の波形データを地震波形データ収集装置30に送信する(ステップS118)。波形データの送信が終わると、ステップS102に処理が戻る。波形要求情報を受信しなかった場合(ステップS116:NOルート)も、ステップS102に処理が戻る。
【0051】再び図5を参照する。観測端末2から送信された波形データは、モデムユニット31が受信する(ステップS508)。設定制御手段71は、波形データの受信状況に応じて、基本画面の収集状況欄102に収集状況を通知する文字を表示する(ステップS510)。
【0052】図11は、波形データ収集処理中に表示される基本画面の一例を示している。この図に示されるように、波形データの受信が始まると、設定制御手段71は、収集状況欄102に「波形データ収集開始」の文字を表示する。併せて、受信を開始した日時および観測端末2の設置場所(例えば、市町村名)も表示される。設置場所の情報は、観測端末2が波形データとともに送信する。波形データの受信が終了すると、設定制御手段71は、収集状況欄102に「波形データ収集完了」の文字を表示する。併せて、受信を完了した日時および観測端末2の設定場所も表示される。
【0053】データ変換手段74は、受信した波形データを所定のフォーマットに変換する(ステップS511)。これは、後述する共通地震データの作成に必要な処理である。フォーマット変換された波形データは、全ての端末装置40が共通に利用できる。
【0054】フォーマット変換後の波形データは、記憶管理手段73に記憶される(ステップS512)。このとき、波形データは、同じ地震の震度情報および端末識別情報に対応づけて記憶される。また、その震度情報および端末識別情報に対応づけて、収集済み情報が記憶管理手段73に記憶される。収集済み情報は、例えば、特定状態のフラグであってもよい。一つの地震の波形データファイルは、その地震の観測地点(観測端末2の設置場所)および観測時刻(地震発生時刻)をインデックスとして管理される。
【0055】次に、メイン制御手段75は、全ての収集指示情報を処理したか否かを判断する(ステップS514)。メイン制御手段75は、収集指示情報を伴う震度情報であって収集済み情報が付されていない震度情報の有無を確認する。このような震度情報が残っている場合は、未処理の収集指示情報があると判断される(ステップS514:NOルート)。この場合、メイン制御手段76は、現在の時刻が収集時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS515)。現在時刻が収集時間帯に含まれると判断されると(ステップS515:YESルート)、ステップS506に処理が戻り、別の収集指示情報に関して、ステップS506からステップS514に至るまでの処理が実行される。このように、収集時間帯の間は、全ての収集指示情報が処理されるまで、波形データの収集が繰り返される。収集指示情報を伴う震度情報の全てに収集済み情報が付されている場合は、全ての収集指示情報が処理されたと判断される(ステップS514:NOルート)。この場合、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106の文字「波形データ収集中…」を「システム作動中」に変更する(ステップS516)。これにより、波形データ収集処理が完了する。ステップS515で現在時刻が収集時間帯に含まれていないと判断された場合(ステップS515:NOルート)も、「システム作動中」の文字が表示され(ステップS516)、波形データ収集処理が完了する。この場合、未処理の収集指示情報は、次回の収集時間帯に処理される。
【0056】本実施形態では、波形データの収集中に地震が発生すると、波形データ収集処理が中断されることがある。観測端末2の処理部11が波形データを送信しているときに、同じ観測端末2の計測部10が地震動を検出すると、観測端末2は、波形データの送信を中断し、地震情報の取得・処理・記憶を行う(ステップS106〜S110)。これにより、観測端末2は、波形データの送信中に地震が発生した場合にも、その地震を計測しそこなうことはない。
【0057】具体的には、波形データの送信中に計測部10が地震動を検出すると、処理部11は、波形データの送信を強制的に停止する。これは、送受信装置4へ震度情報を送信して、地震の発生を速報できるようにするためである。
【0058】地震波形データ収集装置30は、波形データの受信の中断を検出すると、割込み処理を実行する。図6は、この割込み処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図6を参照しながら、この割込み処理について説明する。
【0059】観測端末2からモデムユニット31への波形データの送信が中断されたことを対観測端末手段72が検出すると、設定制御手段71は、基本画面の収集状況欄102に「回線断」の文字を表示する(ステップS602)。この文字は、観測端末2の設置場所を示す文字(市町村名など)の右側に表示される。これにより、波形データの受信の中断がユーザに通知される。
【0060】次に、地震波形データ収集装置30は、波形データの送信を中断した観測端末2から再び波形データを受信するまで、その観測端末2に対して波形要求情報を所定の時間間隔で繰り返し送信する(ステップS604〜S612)。以下では、この処理について詳細に説明する。
【0061】まず、対観測端末手段72は、モデムユニット31を制御して、観測端末2へ波形要求情報を送信させる(ステップS604)。次いで、メイン制御手段75は、現在の時刻が収集時間帯に含まれているか否かを判断する(ステップS606)。現在時刻が収集時間帯に含まれていないと判断されると(ステップS606:NOルート)、波形データ収集処理のステップS516(図5)に処理が進む。基本画面の動作状況欄106に「システム作動中」の文字が表示され、波形データ収集処理が完了する。この場合、中断された波形データの受信は、次回の収集時間帯に繰り越される。
【0062】一方、現在時刻が収集時間帯に含まれていると判断されると(ステップS606:YESルート)、対観測端末手段72は、モデムユニット31が観測端末2から波形データを受信しているか否かを確認する(ステップS608)。観測端末2は、地震情報の取得・処理・記憶の完了から所定時間が経過した以降に波形要求情報を地震波形データ収集装置30から受信すると、その波形要求情報によって特定される地震の波形データを地震波形データ収集装置30へ再び送信する。モデムユニット31が波形データを受信している場合(ステップS608:YESルート)、その受信が継続される一方で、設定制御手段71は基本画面の収集状況欄102に、「波形データ収集開始」の文字を表示する(ステップS610)。これにより、波形データの受信が再開されるとともに、その再開がユーザに通知される。
【0063】モデムユニット31が波形データを受信していない場合(ステップS608:NOルート)、メイン制御手段75は、波形要求情報の送信回数が所定のリトライ回数に達したか否かを判断する(ステップS612)。リトライ回数に達していないと判断された場合(ステップS612:NOルート)は、観測端末2へ波形要求情報が再び送信される。一方、送信回数がリトライ回数に達したと判断されると(ステップS612:YESルート)、波形データ収集処理のステップS514(図5)に処理が進む。この場合は、いったん波形データの再受信をあきらめる。中断された波形データの受信は、次回の収集時間帯に繰り越される。
【0064】このように、地震波形データ収集装置30は、波形データを再び受信するか、送信回数がリトライ回数に達するまで、波形要求情報の送信を繰り返す。ただし、波形要求情報の繰返し送信は、収集時間帯の間に限られる。
【0065】再び図3を参照する。波形データ収集処理(ステップS308)が完了すると、地震波形データ収集装置30は、現在時刻が所定のデータ加工日時に到達したか否かを判断する(ステップS310)。この判断は、ステップS306において現在時刻が収集時間帯に含まれないと判断されたときにも行われる。データ加工日時は、所定の日数おきにあらかじめ設定されている。データ加工日時の情報は、記憶管理手段73に記憶されている。メイン制御手段75は、記憶管理手段73に記憶されている現在時刻情報およびデータ加工日時情報にアクセスし、ステップS310の判断を行う。
【0066】現在時刻がデータ加工日時に到達したと判断されると(ステップS310:YESルート)、地震波形データ収集装置30は、共通地震データ処理を実行する(ステップS312)。共通地震データ処理では、震源情報管理装置5から震源情報が収集され、この震源情報と、すでに収集済みの震度情報および波形データとを含む共通地震データが作成される。図7は、共通地震データ処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図7を参照しながら共通地震データ処理について詳細に説明する。
【0067】まず、地震波形データ収集装置30は、震源情報管理装置5へ震源要求情報を送信する(ステップS702)。震源要求情報は、波形データを取得した各地震を特定する情報(例えば、地震発生時刻)を含んでいる。データ変換手段74は、モデムユニット31を制御して、震源情報管理装置5へ震源要求情報を送信させる。
【0068】ここで、図3を再び参照する。震源情報管理装置5は、震源要求情報を受信すると(ステップS208:YESルート)、震源要求情報によって特定される各地震の震源情報を地震波形データ収集装置30へ送信する(ステップS210)。震源情報の送信が終了すると、ステップS202に処理が戻る。震源要求情報を受信しなかった場合(ステップS208:NOルート)も、ステップS202に処理が戻る。
【0069】図7を再び参照する。震源情報管理装置5からの震源情報は、モデムユニット31が受信し、データ変換手段74へ送られる(ステップS704)。次に、データ変換手段74は、受信した震源情報と、記憶管理手段73に記憶されている震度情報および波形データとを用いて、共通地震データを作成する(ステップS706)。共通地震データは、全ての端末装置40で共通して利用可能なフォーマットを有する。共通地震データは、地震発生時刻、震度情報、震源情報、および地震波形データを含んでいる。作成された共通地震データは、記憶管理手段73に記憶される(ステップS708)。
【0070】各端末装置40は、LANを介して共通地震データにアクセスできる。したがって、各端末装置40は、波形データを含む様々な地震情報を利用して地震を研究できる。端末装置40は、地震波形データ収集装置30から共通地震データをダウンロードすることも可能である。端末装置40による地震データ要求信号は、LANを介してLAN接続部34に送信される。地震データ要求信号は、LAN接続部34からデータ変換手段74へ送られる。データ変換手段74は、地震データ要求信号に応答して、記憶管理手段73から共通地震データを読み取り、地震データ要求信号を発信した端末装置40へ送信する。こうして、共通地震データの端末装置40へのダウンロードが行われる。
【0071】なお、端末装置40は、共通地震データだけでなく、個々の波形データにも直接アクセスできる。したがって、端末装置40は、共通地震データの作成を待つことなく、波形データを利用できる。
【0072】以下では、本実施形態の地震観測システム1の効果を説明する。
【0073】第1に、様々な場所に設置された観測端末2から地震波形データを収集できる。従来の地震観測システムは、観測端末2が地震波形データを取得しているにもかかわらず、これを収集できなかった。本発明者らは、波形データの収集に伴う困難を克服して、震度情報のみならず波形データの収集が可能な地震観測システムを実現した。
【0074】第2に、地震観測システム1は、構築が比較的容易である。既存の地震観測システムに地震波形データ収集装置30を設置すれば、本実施形態の地震観測システム1を構築できる。
【0075】第3に、様々な研究目的に合致した波形データの収集が可能である。これは、波形データを収集する地震加速度の範囲(上述の「収集加速度レベル」)をユーザが設定できるからである。
【0076】第4に、波形データの収集は、ユーザが設定した時間帯に自動的に実行することもできるし、所望の時刻に手動で実行することもできる。したがって、状況に応じて、波形データ収集を柔軟に行える。
【0077】第5に、観測端末2は、波形データを地震波形データ収集装置30へ送信している途中に地震が発生した場合でも、その地震を計測しそこなうことはない。観測端末2は、波形データの送信中に地震が発生したときは、波形データの送信を中断して、その地震を計測するからである。
【0078】第6に、端末装置40を操作する研究者は、波形データを利用した地震研究を円滑に行える。波形データは、端末装置40で共通に利用可能なフォーマットを有する共通地震データの一部として、地震波形データ収集装置30に記憶される。研究者は、任意の端末を使用して、波形データにアクセスし、研究に利用できる。これにより、波形データを利用した地震研究を複数の研究者によって円滑に進められる。
【0079】第7に、研究者は、波形データとともに震源情報を利用して地震研究を行える。共通地震データには、地震波形データ収集装置30が受信した震源情報も含まれているからである。
【0080】以上、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明してきた。しかし、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば、上記の各処理は、本発明の作用効果を達成できる限り、任意に順序を変えて実行することができる。
【0081】上記の実施形態において、震源情報管理装置5は、観測端末2から取得した震度情報を用いて、震源を特定するための演算を自ら行う。しかし、このような震源情報管理装置5の代わりに、観測端末2やその他の外部機器が取得した震源情報を受信して記憶する震源情報管理装置を使用してもよい。
【0082】上記の実施形態では、地震波形データ収集装置30にLANを介して複数の端末装置40が接続されている。しかし、地震波形データ収集装置30と端末装置40との接続は、LAN以外のネットワークを介してもよい。例えば、一つの地震波形データ収集装置に様々な研究施設内の端末装置をインターネットなどを介して接続してもよい。このようにすれば、地震波形データ収集装置が生成した共通地震データを複数の研究施設間で共有することができる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、様々な場所に設置された観測端末から地震波形データを収集できる。
【出願人】 【識別番号】000143396
【氏名又は名称】株式会社高見沢サイバネティックス
【住所又は居所】東京都中野区中央2丁目48番5号 中野平和ビル
【識別番号】592155991
【氏名又は名称】株式会社高見沢メックス
【住所又は居所】長野県南佐久郡臼田町大字下越132番地5
【出願日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
【公開番号】 特開2003−207577(P2003−207577A)
【公開日】 平成15年7月25日(2003.7.25)
【出願番号】 特願2002−6276(P2002−6276)