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【発明の名称】 地震波形データ収集装置および地震観測システム
【発明者】 【氏名】飯森 敬明
【住所又は居所】東京都中野区中央2丁目48番5号中野平和ビル 株式会社高見沢サイバネティックス内

【氏名】篠原 芳紀
【住所又は居所】長野県南佐久郡臼田町大字下越132番地5 株式会社高見沢メックス内

【要約】 【課題】様々な場所に設置された観測端末から地震波形データを自動的に収集できるシステムを提供する。

【解決手段】地震が発生すると、観測端末2がその地震の波形データおよび加速度データを取得する。観測端末2は、加速度データを送受信装置20に送信する。送受信装置20は、加速度データを地震波形データ収集装置30に送信する。地震波形データ収集装置30は、受信した加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、加速度データが収集条件を満たすと判断すると、加速度データに対応する地震の波形データを観測端末2に要求する。観測端末2は、この要求に応答して波形データを地震波形データ収集装置30に送信する。地震波形データ収集装置30は、その波形データを受信して記憶する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地震観測システムで使用するための地震波形データ収集装置であって、前記地震観測システムは、地震計測器を各々が有する一以上の観測端末と、前記観測端末の各々が計測した地震の加速度データを受信および送信する送受信装置と、を備えており、前記加速度データを前記送受信装置から受信して記憶し、前記加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、前記加速度データに対応する地震の波形データを前記観測端末に要求し、前記観測端末から前記波形データを受信して記憶する、地震波形データ収集装置。
【請求項2】 前記収集条件は、加速度データが基準値以上であること、または加速度データが基準値未満であることであり、前記基準値をユーザが設定できる、請求項1記載の地震波形データ収集装置。
【請求項3】 地震波形データを受信する時間帯が設定されている請求項1記載の地震波形データ収集装置であって、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記時間帯に前記収集指示情報の有無を確認し、前記収集指示情報があることを確認した場合は、前記収集指示情報が対応づけられている全ての前記加速度データについて、それらの加速度データに対応する地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項1または2記載の地震波形データ収集装置。
【請求項4】 前記観測端末からの波形データの受信中に前記送受信装置から地震の発生を通知されると、前記波形データの受信を中断し、その地震の加速度データを受信して記憶し、その加速度データが前記収集条件を満たすか否かを判断し、その加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記波形データの受信を再開し、前記収集指示情報が対応づけられた加速度データのうち、地震波形データが未収集の地震の加速度データについて、その地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項3記載の地震波形データ収集装置。
【請求項5】 所定のメール配信時刻になると、前記観測端末から受信した波形データを含む電子メールを作成し、前記電子メールを外部の装置に宛てて送信する、請求項1〜4のいずれかに記載の地震波形データ収集装置。
【請求項6】 現在時刻データを所有する請求項1〜5のいずれかに記載の地震波形データ収集装置であって、衛星と通信することにより前記現在時刻データを校正する、請求項1〜5のいずれかに記載の地震波形データ収集装置。
【請求項7】 地震計測器を各々が有する一以上の観測端末と、前記観測端末の各々が計測した地震の加速度データを受信および送信する送受信装置と、前記観測端末の各々および前記送受信装置と通信可能な地震波形データ収集装置と、を備える地震観測システムであって、地震が発生すると、前記観測端末が、その地震の波形データおよび加速度データを取得し、前記観測端末は、前記加速度データを前記送受信装置に送信し、前記送受信装置は、前記加速度データを受信すると、前記加速度データを前記地震波形データ収集装置に送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データを受信して記憶し、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、前記加速度データに対応する地震の波形データを前記観測端末に要求し、前記観測端末は、この要求に応答して前記波形データを前記地震波形データ収集装置に送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記波形データを受信して記憶する、地震観測システム。
【請求項8】 前記収集条件は、加速度データが基準値以上であること、または加速度データが基準値未満であることであり、前記基準値をユーザが設定できる、請求項7記載の地震観測システム。
【請求項9】 地震波形データを受信する時間帯が設定されている請求項7記載の地震観測システムであって、前記地震波形データ収集装置は、前記加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記時間帯に前記収集指示情報の有無を確認し、前記収集指示情報があることを確認した場合は、前記収集指示情報が対応づけられている全ての前記加速度データについて、それらの加速度データに対応する地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項7または8記載の地震観測システム。
【請求項10】 前記送受信装置は、前記観測端末から加速度データを受信すると、その加速度データを送信する前に地震通知信号を前記地震波形データ収集装置へ送信し、前記地震波形データ収集装置は、前記観測端末からの波形データの受信中に前記地震通知信号を受信すると、前記波形データの受信を中断し、前記送受信装置から前記加速度データを受信して記憶し、その加速度データが前記収集条件を満たすか否かを判断し、その加速度データが前記収集条件を満たすと判断したときに、その加速度データに対応づけて収集指示情報を記憶し、前記波形データの受信を再開し、前記収集指示情報が対応づけられた加速度データのうち、地震波形データが未収集の地震の加速度データについて、その地震波形データを前記観測端末に要求する、請求項9記載の地震観測システム。
【請求項11】 前記地震波形データ収集装置と通信可能な地震波形データ受信装置を更に備える請求項7〜10のいずれかに記載の地震観測システムであって、前記地震波形データ収集装置は、所定のメール配信時刻になると、前記観測端末から受信した波形データを含む電子メールを作成し、その電子メールを前記地震波形データ受信装置に宛てて送信する、請求項7〜10のいずれかに記載の地震観測システム。
【請求項12】 前記地震波形データ収集装置は、現在時刻データを所有し、衛星と通信することにより前記現在時刻データを校正する、請求項7〜11のいずれかに記載の地震観測システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震観測に関するものであり、特に、地震観測用のネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、様々な地方自治体で地震観測システムが整備されている。これは、地震発生時の初動体制の確立を目的としている。この地震観測システムは、地震が発生したときにネットワークを利用して震度情報を収集および配信する。地方自治体の各市町村には、観測端末が設置される。観測端末は、地震計測器を備えているので、地震加速度や震度階(震度)のデータを取得できる。地震の地方自治体の本部には、送受信装置が設置される。観測端末は、指定震度以上の地震を計測すると、その地震の震度データを通信回線を介して送受信装置に送信する。送受信装置は、受信した震度データを様々な外部施設(例えば、地震被害早期評価システムや消防庁)へ配信する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の地震観測システムの改良を目的とする。具体的には、震度データのみならず地震波形データも収集できる地震観測システムと、このシステムで使用する地震波形データ収集装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る地震波形データ収集装置は、地震観測システムで使用される。この地震観測システムは、地震計測器を各々が有する一以上の観測端末と、これらの観測端末の各々が計測した地震の加速度データを受信および送信する送受信装置と、を備えている。本発明に係る地震波形データ収集装置は、加速度データを送受信装置から受信して記憶する。この地震波形データ収集装置は、加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断し、加速度データが収集条件を満たすと判断すると、その加速度データに対応する地震の波形データを観測端末に要求する。その後、この地震波形データ収集装置は、観測端末から波形データを受信して記憶する。
【0005】本発明の地震波形データ収集装置は、加速度データとともに、その加速度データを送信した観測端末の識別情報を送受信装置から更に受信し、その識別情報を用いて、波形データを要求すべき観測端末を特定してもよい。
【0006】また、本発明の地震波形データ収集装置は、入力手段を備えていてもよい。この場合、ユーザが入力手段を操作することで、上記の収集条件や、波形データの収集時間帯を設定できるようになっていてもよい。
【0007】本発明に係る地震観測システムは、地震計測器を各々が有する一以上の観測端末と、これらの観測端末の各々が計測した地震の加速度データを受信および送信する送受信装置と、観測端末の各々および送受信装置と通信可能な地震波形データ収集装置と、を備えている。地震が発生すると、観測端末がその地震の波形データおよび加速度データを取得する。観測端末は、その加速度データを送受信装置に送信する。送受信装置は、加速度データを受信すると、その加速度データを地震波形データ収集装置に送信する。地震波形データ収集装置は、加速度データを受信して記憶する。地震波形データ収集装置は、受信した加速度データが所定の収集条件を満たすか否かを判断する。地震波形データ収集装置は、加速度データが収集条件を満たすと判断すると、加速度データに対応する地震の波形データを観測端末に要求する。観測端末は、この要求に応答して波形データを地震波形データ収集装置に送信する。地震波形データ収集装置は、その波形データを受信して記憶する。
【0008】
【発明の実施の形態】添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】本実施形態の地震観測システムは、既存の震度情報ネットワークシステムを利用して構築されている。既存の震度情報ネットワークシステムは、地震発生時の初動体制の確立を目的とするため、地震波形データの自動収集は行わない。しかし、大学など、地震・噴火予知研究を行っている施設(以下、「研究施設」とする)では、震度データだけでなく波形データも研究資料として必要となる。そこで、本実施形態では、震度情報ネットワークシステムに地震波形データ収集装置を追加することで、地震波形データの自動収集が可能な地震観測システムを構築する。
【0010】図1は、本実施形態の地震観測システム1の構成を示している。地震観測システム1は、主として、複数の観測端末2、通信回線網3および4、中央施設5、ならびに研究施設6から構成される。地震観測システム1は、観測端末によって計測された地震の波形データを中央施設5で自動的に収集し、中央施設5から研究施設6へ自動的に配信する。中央施設5は、通信回線網3を介して、観測端末2から波形データを収集する。また、中央施設5は、通信回線網4を介して、研究施設6へ波形データを配信する。本実施形態では、通信回線網3として多重回線網を使用し、通信回線網4として公衆ISDN回線網を使用している。ただし、これらの回線網に限定されるわけではない。地震観測システム1は、震源情報受信装置40も備えている。震源情報受信装置40は、通信回線網4を介して研究施設6と通信を行える。また、図示しないが、震源情報受信装置40は、通信回線網3を介して観測端末2とも通信を行える。震源情報受信装置40は、地震の震源情報を一元化して管理する。これは、例えば、大学の研究室に設置される。
【0011】観測端末2は、一つの地方自治体の様々な市町村に設置される。観測端末2は、計測震度計であり、地震動を計測する計測部10と、計測部10が取得した計測データを処理する処理部11から構成されている。観測端末2は、例えば地震計室に設置される。処理部11は、外部機器との通信用インタフェースを備えている。したがって、処理部11は、通信回線網3を介して中央施設5と通信を行うことができる。
【0012】中央施設5は、送受信装置20と地震波形データ収集装置30を備えている。これらの装置20、30は、それぞれ通信回線網3を介して観測端末2と通信を行うことができる。送受信装置20は、観測端末2から地震加速度データや震度データを受信し、これらのデータを外部機器に送信する。地震波形データ収集装置30は、観測端末2から地震波形データを収集し、地震波形データの2次利用を可能にする。
【0013】送受信装置20は、一つのコンピュータであり、通信部21、制御処理部22、および記憶部23を備えている。通信部21は、制御処理部22の制御のもとで、観測端末2、地震波形データ収集装置30、および外部施設(図示せず)と通信を行う。通信部21には、通信回線網3への接続用のモデムが設けられている。送受信装置20は、このモデムを用いて、観測端末2から地震の加速度データや震度データを受信できる。しかし、送受信装置20は、地震波形データは受信しない。通信部21には、地震波形データ収集装置30や外部施設との接続用のLANアダプタも設けられている。送受信装置20は、このLANアダプタを用いて、地震波形データ収集装置30にLAN接続される。また、送受信装置20は、このLANアダプタと図示しないルータ等を用いて、外部施設と通信することができる。制御処理部22は、送受信装置20の全体動作を制御するとともに、通信部21で受信したデータを処理する。記憶部23は、制御処理部22の制御のもとで、データを保存する。
【0014】地震波形データ収集装置30は、モデムユニット31、中継ユニット32、操作部33、表示部34、バックアップ部35、LAN接続部36、および制御ユニット37から構成されている。地震波形データ収集装置30は、制御プログラムがインストールされたコンピュータシステムであってもよい。
【0015】モデムユニット31は、通信回線網3を介して観測端末2と通信を行う。具体的には、地震波形データの要求信号を観測端末2に送信する。また、観測端末2から地震波形データを受信する。
【0016】中継ユニット32は、GPS50からの時刻校正信号を制御ユニット37へ中継する。中継ユニット32は、GPS受信機、GPSアンテナ、制御ユニットとの接続用のインタフェースを備えている。
【0017】操作部33は、地震波形データ収集装置30を操作するための入力装置である。ユーザは、操作部33を操作することにより、地震波形データ収集装置30へ操作指示やデータを入力できる。操作部33には、キーボードとマウスが設けられている。
【0018】表示部34は、地震波形データ収集装置30の設定情報や動作状況を表示する。表示部34は、例えば、CRTディスプレイや液晶ディスプレイである。
【0019】バックアップ部35は、停電発生時に地震波形データ収集装置30の電力供給を確保する予備電源装置である。バックアップ部35は、UPS(無停電電源装置)から構成される。
【0020】LAN接続部36は、地震波形データ収集装置30と送受信装置20とをローカルエリアネットワーク(LAN)により接続する。LAN接続部36は、LANアダプタから構成されている。このLANアダプタは、LANケーブルを介して、図示しないスイッチングハブに接続される。このスイッチングハブには、送受信装置20の通信部21に含まれるLANアダプタも、LANケーブルを介して接続される。これにより、地震波形データ収集装置30と送受信装置20とがLAN接続される。LAN接続部36は、LANを介して、送受信装置20から地震加速度データや震度データを受け取る。また、LAN接続部36は、送受信装置20との通信障害を検査するために、送受信装置20へ定期的にヘルス電文を送信する。LAN接続部36に接続されたスイッチングハブは、図示しないルータおよびDSUを介して通信回線網4に接続される。したがって、地震波形データ収集装置30は、通信回線網4を介して研究施設6と通信を行うこともできる。
【0021】制御ユニット37は、地震波形データ収集装置30の全体動作を制御するとともに、観測端末2および送受信装置20から送信される様々な地震データを処理する。制御ユニット37は、CPU(中央処理制御装置)および記憶装置を備える一つのコンピュータである。記憶装置には、制御プログラムがインストールされている。制御ユニット37は、この制御プログラムにしたがって動作する。制御ユニット37は、モデムユニット31、中継ユニット32、操作部33、表示部34、バックアップ部35、およびLAN接続部36の各々とのインタフェースも備えている。
【0022】図2は、制御ユニット37の機能ブロック図である。制御ユニット37は、設定制御手段71、対送受信装置手段72、対観測端末手段73、記憶管理手段74,メール作成管理手段75、およびメイン制御手段76としての機能を有する。これらの各手段は、CPUおよび記憶装置によって具体化される。
【0023】設定制御手段71は、ユーザが操作部33を介して入力する設定情報を処理し、表示部34での表示に反映させる。対送受信装置手段72は、LAN接続部36の動作を制御し、それによって送受信装置20との通信を制御する。対観測端末手段73は、モデムユニット31の動作を制御し、それによって観測端末2との通信を制御する。記憶管理手段74は、様々な地震情報や管理情報を記憶する。また、記憶管理手段74は、これらの情報の登録、検索、更新を行う。メール作成管理手段75は、地震情報を添付ファイルとする電子メールを作成し、LAN接続部36を介して、この電子メールを研究施設6へ送信する。メイン制御手段76は、地震情報の演算処理や地震情報を用いた判断を行う。
【0024】再び図1を参照し、研究施設6について説明する。研究施設6は、波形データ受信装置60と、波形データ受信装置に接続された一つ以上の端末装置62を備えている。波形データ受信装置60は、通信回線網4を介して地震波形データ受信装置30と通信できる。また、波形データ受信装置60は、通信回線網4を介して、震源情報受信装置40とも通信できる。
【0025】波形データ受信装置60は、地震波形データ収集装置30から地震情報を電子メールとして受信する。この地震情報には、波形データが含まれている。また、波形データ受信装置60は、震源情報受信装置40から震源情報を受信する。この震源情報は、通信回線網3を介して観測端末2から震源情報受信装置40に送られたものである。波形データ受信装置60は、こうして受信した様々な地震情報を共通地震データに変換する。共通地震データは、各端末装置62で共通に使用可能なフォーマットを有している。この共通地震データは、波形データ受信装置60から端末装置62に送信される。研究者は、端末装置62を操作することで共通地震データにアクセスできる。
【0026】以下では、図3〜図10を参照しながら、地震観測システム1の動作を詳細に説明する。ここで、図3〜図7は、地震観測システム1における様々な処理の流れを示すフローチャートである。図8〜図10は、地震波形データ収集装置の表示部34に表示される画面を示している。
【0027】まず、図3について説明する。図3は、観測端末2、送受信装置20、および地震波形データ収集装置30がそれぞれ実行する処理の流れを示している。
【0028】各観測端末2は、地震の発生を待機する(ステップS102およびS104)。地震が発生すると(ステップS104:YESルート)、計測部10が地震を測定し、計測データを取得する(ステップS106)。この計測データには、地震波形データが含まれる。次に、処理部11は、計測データを処理し、震度情報を抽出する(ステップS108)。ここでいう震度情報は、既存の震度情報ネットワークシステムで配信されるものと同様であり、地震発生時刻、地震加速度、および震度階(震度)を含んでいる。地震波形データおよび抽出された震度情報は、処理部11内の記憶装置に格納される。また、地震波形データは印刷もされる。この後、処理部11は、震度情報を送受信装置20へ送信する(ステップS110)。
【0029】送受信装置20は、観測端末2からの震度情報の受信を待機する(ステップS202およびS204)。通信部21が観測端末2から震度情報を受信すると(ステップS204:YESルート)、制御処理部22はその震度情報を処理する(ステップS206)。具体的には、震度情報を送信した観測端末2の識別情報を取得し、震度情報を観測端末の識別情報とともに記憶部23に格納する。この端末識別情報は、各観測端末にあらかじめ割り当てられた識別番号(ID)であってもよいし、観測端末の所在地情報であってもよい。送受信装置20は、このようにして記憶した震度情報を、外部機器(例えば、関係官庁に設置される震度情報受信装置)からの要求に応答して送信することができる。これは、既存の震度情報ネットワークシステムと同様である。この後、制御処理部22は、受信した震度情報が所定の値以上の震度を示す場合に、その震度情報を地震波形データ収集装置30に送信する(ステップS208)。このとき、その震度情報を送信した観測端末の識別情報も送信される。
【0030】次に、地震波形データ収集装置30が実行する処理について説明する。まず、地震波形データ収集装置30は、制御ユニット37の制御のもとで、その表示部34に基本画面を表示する(ステップS302)。
【0031】図8は、基本画面の一例を示している。基本画面の左側には、収集状況欄102が設けられている。後述するように、収集状況欄102には、波形データの収集状況を表す文字情報が表示される。基本画面の右側上部には、日時表示領域104および動作状況欄106が設けられている。日時表示領域104には、現在の日付と時刻が表示される。動作状況欄106は、地震波形データ収集装置30の動作状況を示す文字情報(例えば、「システム作動中」、「波形データ収集中…」)が表示される。基本画面の右側下部には、設定値欄108およびシステム停止ボタン110が設けられている。設定値欄108には、地震波形データの収集開始時刻、収集終了時刻、および収集加速度レベルが表示される。これらの値は、ユーザが設定できる。後述するように、地震波形データ収集装置30は、収集開始時刻になると、「収集加速度レベル」条件を満たす地震の波形データを収集し、収集終了時刻になると、地震波形データの収集を止める。設定値欄108の下部には、設定値変更ボタン112が設けられている。操作部33の操作により設定変更ボタン112が押されると、設定値変更画面が表示される。
【0032】図9は、設定値変更画面を示している。ユーザは、設定値変更画面を介して、波形データの収集開始時刻、収集時間、および収集加速度レベルを設定できる。設定値変更画面には、収集時間設定欄202および収集レベル設定欄204が設けられている。収集時間設定欄202には、収集開始時刻および収集時間を記入する欄202a、202bがそれぞれ設けられている。これらの欄には、操作部33を操作することで数値を記入できる。収集レベル設定欄204には、波形データを収集するかどうかの基準値となる加速度を記入する欄204aと、収集する加速度の範囲を設定するためのチェック欄204b、204c、および204dが設けられている。加速度記入欄204aには、操作部33を操作することで数値を記入できる。また、操作部33を操作することで、いずれかのチェック欄204b、204c、204dにチェックを入れることができる。加速度を記入し、「全て」、「以上」および「未満」のいずれかをチェック欄をチェックすれば、地震波形データを収集する条件(すなわち、図8の「収集加速度レベル」)が決まる。設定値変更画面の下部には、設定ボタン208および戻るボタン210が設けられている。操作部33の操作により設定ボタン208が押されると、設定変更画面に表示されている内容に設定値が更新される。また、表示部34に表示される画面が、設定値変更画面から基本画面に変わる。このとき、基本画面に表示される設定値も更新される。一方、操作部33の操作により戻るボタン210が押されると、設定値を更新することなく、基本画面に表示が戻る。
【0033】図8を再び参照する。システム停止ボタン110は、波形データの収集を停止するための操作ボタンである。システム停止ボタン110が押されると、地震波形データ収集装置30は、それ以降、波形データを収集しなくなる。波形データの収集中にシステム停止ボタン110が押された場合は、地震波形データ収集装置30は、現在の波形データの収集を完了した後、以降の波形データの収集を停止する。システム停止ボタン110がもう一度押されると、地震波形データ収集装置30は、再び波形データを収集するようになる。
【0034】再び図3を参照する。基本画面を表示した後、地震波形データ収集装置30は、時刻校正処理を行う(ステップS304)。この処理において、制御ユニット37は、現在時刻が所定の校正時刻に到達したか否かを判断する。現在時刻および校正時刻の情報は、記憶管理手段74に記憶されている。校正時刻は、適当な時間間隔であらかじめ設定されている。制御ユニット37は、校正時刻に到達していないと判断すると、時刻校正処理を終了する。一方、校正時刻に到達したと判断すると、制御ユニット37は、GPS50から時刻校正信号を取得するように中継ユニット32に命令を出す。中継ユニット32は、GPS50から時刻校正信号を受信し、制御ユニット37に転送する。制御ユニット37のメイン制御手段76は、この時刻校正信号を用いて現在時刻情報を校正する。このように、地震波形データ収集装置30は、所定の時刻になるとGPS50と通信を行い、自己の所有する現在時刻情報を校正する。
【0035】次に、地震波形データ収集装置30は、送受信装置20から震度情報を受信したか否かを確認する(ステップS306)。具体的には、対送受信装置手段72が、LAN接続部36が震度情報を受信したか否かを調べる。震度情報を受信したことが確認されると(ステップS306:YESルート)、地震波形データ収集装置30は、震度情報処理を実行する(ステップS308)。
【0036】図4は、震度情報処理の流れを示すフローチャートである。地震波形データ収集装置30は、送受信装置20から受信した震度情報を記憶する(ステップS402)。LAN接続部36が送受信装置20から震度情報を受信すると、その震度情報は記憶管理手段74に記憶される。震度情報とともに送受信装置20から送信される端末識別情報も、記憶管理手段74に記憶される。このとき、震度情報および端末識別情報は、相互に対応づけられ、一つのデータセットとされる。
【0037】次いで、メイン制御手段76は、受信した震度情報があらかじめ設定された収集条件を満足するか否かを判断する(ステップS404)。このように、地震波形データ収集装置30は、震度情報を取得した地震の波形データをすべて無条件に収集するのではなく、所定の条件を満たす地震についてだけ波形データを収集する。この収集条件は、地震加速度に基づいて定められる。本実施形態における収集条件は、上述した「収集加速度レベル」であり、ユーザが設定できる。図9に示されるように、収集条件は3通りに設定できる。第1に、震度情報に含まれる加速度データが、設定された加速度値以上であること、第2に、震度情報に含まれる加速度データが、設定された加速度値未満であること、第3に、震度情報を取得した全ての地震について波形データを収集する、である。なお、本実施形態で使用される「加速度値」は、3成分の合成加速度である。
【0038】震度情報が収集条件を満たすと判断されると(ステップS404のYESルート)、記憶管理手段74は、その震度情報に対応づけて収集指示情報を記憶する(ステップS406)。この収集指示情報は、地震の波形データを収集すべきことを制御ユニット37の各手段に通知するデータである。後述するように、制御ユニット37は、震度情報に収集指示情報が対応づけられている地震についてだけ波形データを収集する。収集指示情報は、例えば、震度情報および端末識別情報のデータセットに付された、特定状態のフラグであってもよい。つまり、データセットを記憶する際にフラグを付し、収集条件が満たされたら、そのフラグの状態を初期状態から変更する(例えば、フラグをオンにする)ことで、収集指示情報を記憶してもよい。この場合の収集指示情報は、初期状態から変更された状態のフラグ(例えば、オン状態のフラグ)である。
【0039】収集指示情報の記憶(ステップS406)が完了し、あるいは収集条件を満たさないと判断されると(ステップS404:NOルート)、震度情報処理は終了する。
【0040】再び図3を参照する。震度情報処理(ステップS308)が終了すると、地震波形データ収集装置30は、現在の時刻が所定の収集時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS310)。ここで、「収集時間帯」とは、基本画面(図8)の設定値欄108に表示される収集開始時刻から収集終了時刻までの時間帯である。メイン制御手段76は、記憶管理手段74に記憶されている現在時刻情報、収集開始時刻情報、および収集時間情報にアクセスし、ステップS310の判断を行う。
【0041】現在時刻が収集時間帯に含まれると判断された場合(ステップS310:YESルート)、地震波形データ収集装置30は、波形データ収集処理を実行する(ステップS312)。図5は、波形データ収集処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図5を参照しながら、波形データ収集処理について詳細に説明する。
【0042】まず、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106に「波形データ収集中…」の文字を表示させる(ステップS502)。次に、メイン制御手段76は、記憶管理手段74における収集指示情報の有無を確認する(ステップS504)。記憶管理手段74に収集指示情報が記憶されていない場合(ステップS504:NOルート)は、地震波形データの収集は行われない。この場合、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106の文字を「波形データ収集中…」から「システム作動中」に変更する(ステップS516)。一方、記憶管理手段74に収集指示情報が記憶されている場合(ステップS504:YESルート)、対観測端末手段73は、モデムユニット31を制御して、観測端末2へ要求情報を送信させる(ステップS506)。送信先の観測端末2は、収集指示情報に対応づけられた端末識別情報によって特定される。要求情報は、地震を特定する情報(例えば、地震発生時刻)を含んでいる。地震波形データ収集装置30は、このようにして観測端末2に対して地震波形データを要求する。
【0043】ここで、図3を再び参照する。観測端末2は、要求情報を受信すると(ステップS112:YESルート)、要求情報によって特定される地震の波形データを地震波形データ収集装置30に送信する(ステップS114)。
【0044】再び図5を参照する。観測端末2から送信された波形データは、モデムユニット31が受信する(ステップS508)。設定制御手段71は、波形データの受信状況に応じて、基本画面の収集状況欄102に収集状況を通知する文字を表示する(ステップS510)。
【0045】図10は、地震波形データ収集処理中に表示される基本画面の一例を示している。この図に示されるように、波形データの受信が始まると、設定制御手段71は、収集状況欄102に「波形データ収集開始」の文字を表示する。併せて、受信を開始した日時および観測端末2の設置場所(例えば、市町村名)も表示される。設置場所の情報は、観測端末2が波形データとともに送信する。波形データの受信が終了すると、設定制御手段71は、収集状況欄102に「波形データ収集完了」の文字を表示する。併せて、受信を完了した日時および観測端末2の設定場所も表示される。
【0046】受信した波形データは、記憶管理手段74に記憶される(ステップS512)。このとき、波形データは、同じ地震の震度情報および端末識別情報に対応づけて記憶される。また、その震度情報および端末識別情報に対応づけて、収集済み情報が記憶管理手段74に記憶される。収集済み情報は、例えば、特定状態のフラグであってもよい。
【0047】次に、メイン制御手段76は、全ての収集指示情報を処理したか否かを判断する(ステップS514)。メイン制御手段76は、収集指示情報を伴う震度情報であって収集済み情報が付されていない震度情報の有無を確認する。このような震度情報が残っている場合は、未処理の収集指示情報があると判断される(ステップS514:NOルート)。この場合、メイン制御手段76は、現在の時刻が収集時間帯に含まれるか否かを判断する(ステップS515)。現在時刻が収集時間帯に含まれると判断されると(ステップS515:YESルート)、ステップS506に処理が戻り、別の収集指示情報に関して、ステップS506からステップS514に至るまでの処理が実行される。このように、収集時間帯の間は、全ての収集指示情報が処理されるまで、波形データの収集が繰り返される。収集指示情報を伴う震度情報の全てに収集済み情報が付されている場合は、全ての収集指示情報が処理されたと判断される(ステップS514:YESルート)。この場合、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106の文字「波形データ収集中…」を「システム作動中」に変更する(ステップS516)。これにより、波形データ収集処理が完了する。ステップS515で現在時刻が収集時間帯に含まれていないと判断された場合(ステップS515:NOルート)も、「システム作動中」の文字が表示され(ステップS516)、波形データ収集処理が完了する。この場合、未処理の収集指示情報は、次回の収集時間帯に処理される。
【0048】本実施形態では、波形データ収集処理中に地震が発生した場合、地震波形データ収集装置30は、その地震の震度情報を割込み処理する。割込み処理の終了後、波形データ収集処理が再開される。割込み処理された地震の波形データは、再開された波形データ収集処理中に収集される。これにより、波形データ収集処理中に発生した地震についても、その波形データ収集処理中に波形データを収集できる。
【0049】図6は、波形データ収集処理中に地震が発生したときに実行される割込み処理の流れを示すフローチャートである。波形データ収集処理中に地震が発生すると、地震波形データ収集装置30は、送受信装置20から収集停止命令を受信する(ステップS602)。送受信装置20は、観測端末2から震度情報を受信すると、その震度情報を送信する前に収集停止命令を波形データ収集装置30へ送信する。この収集停止命令には、震度情報の送信開始を波形データ収集装置30へ通知する役割もある。収集停止命令は、対送受信装置手段72によって受信される。地震波形データ収集装置30は、収集停止命令に応答して、波形データ収集処理を中断する(ステップS604)。送受信装置20は、波形データ収集処理の実行中にだけ収集停止命令を送信してもよいし、波形データ収集処理の有無にかかわらず、常に収集停止命令を送信してもよい。いずれの場合も、波形データ収集処理中に収集停止命令が受信されれば、波形データ収集処理が中断される。次いで、設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106に「停止メッセージ受信」の文字を表示する(ステップS606)。これにより、波形データの収集の中断がユーザに通知される。
【0050】LAN接続部36が送受信装置20から震度情報を受信すると(ステップS608)、上述の震度情報処理(図4)と同様の処理が実行される。記憶管理手段74は、送受信装置20からの震度情報および端末識別情報を記憶する(ステップS610)。メイン制御手段76は、受信した震度情報があらかじめ設定された収集条件を満足するか否かを判断する(ステップS612)。震度情報が収集条件を満たすと判断されると、記憶管理手段74は、その震度情報に対応づけて収集指示情報を記憶する(ステップS614)。一方、収集条件を満たさないと判断されると(ステップS612:NOルート)、その震度情報に収集指示情報は付されない。
【0051】地震波形データ収集装置30は、送受信装置20から収集再開命令を受信する(ステップS616)。送受信装置20は、一つの地震に関する震度情報および端末識別情報の送信を完了すると、収集再開命令を地震波形データ収集装置30へ送信する。この収集再開命令には、震度情報の送信終了を波形データ収集装置30へ通知する役割もある。収集再開命令は、対送受信装置手段72によって受信される。
【0052】地震波形データ収集装置30は、収集再開命令に応答して、現在の時刻が収集時間帯に含まれているか否かを判断する(ステップS617)。地震波形データ収集装置30は、現在時刻が収集時間帯に含まれていると判断すると(ステップS617:YESルート)、波形データ収集処理を再開する(ステップS618)。設定制御手段71は、基本画面の動作状況欄106に「再開メッセージ受信」の文字を表示する(ステップS620)。これにより、波形データの収集の再開がユーザに通知される。
【0053】一方、現在時刻が収集時間帯に含まれていないと判断された場合(ステップS617:NOルート)、波形データ収集処理のステップS516(図5)に処理が進む。基本画面の動作状況欄106に「システム作動中」の文字が表示され、波形データ収集処理が完了する。
【0054】送受信装置20は、波形データ収集処理の中断中にだけ収集再開命令を送信してもよいし、中断の有無にかかわらず、収集再開命令を送信してもよい。いずれの場合も、波形データ収集処理の中断中に収集再開命令が受信されれば、ステップS617以降の処理が行われる。
【0055】再び図3を参照する。波形データ収集処理(ステップS312)が完了すると、地震波形データ収集装置30は、現在時刻が所定のメール配信時刻に到達したか否かを判断する(ステップS314)。この判断は、ステップS310において現在時刻が収集時間帯に含まれないと判断されたときにも行われる。メイン制御手段76は、記憶管理手段74に記憶されている現在時刻情報およびメール配信時刻情報にアクセスし、ステップS314の判断を行う。なお、メール配信時刻は、操作部33の操作によりユーザが任意に設定できるようになっていてもよい。
【0056】現在時刻がメール配信時刻に到達したと判断されると(ステップS314:YESルート)、地震波形データ収集装置30は、メール処理を実行する(ステップS316)。図7は、メール処理の流れを示すフローチャートである。以下では、図7を参照しながらメール処理を詳細に説明する。
【0057】まず、地震波形データ収集装置30は、研究施設6へ地震情報を配布するための電子メールを作成する(ステップS702)。電子メールの作成は、メール作成管理手段75が行う。ここでは、2種類のメールが作成される。第1にデータメールであり、第2にヘッダーメールである。
【0058】データメールは、一つの地震に関する情報を通知するメールである。複数の地震に関する情報を送信する場合は、これらの地震の各々についてデータメールが作成される。データメールには、地震情報を圧縮したデータファイルが添付される。このデータファイルには、震度情報(地震発生時刻、地震発生箇所、地震加速度、および震度)と1分間分の波形データとが圧縮される。
【0059】ヘッダーメールは、データメールの送信を通知するメールである。ヘッダーメールは、1回のメール処理につき1通作成される。ヘッダーメールの本文には、送信するデータメールの数とヘッダーメールの送信日時が記述される。
【0060】メール作成管理手段75は、上述の収集済み情報を検索し、波形データを取得した地震を特定する。メール作成管理手段75は、特定された地震に関するデータを記憶管理手段74から読み取ってデータメールを作成する。また、特定された地震の数を計数して、ヘッダーメールを作成する。これらのメールは、記憶管理手段74に記憶される。
【0061】次に、メール作成管理手段75は、研究施設6に宛ててヘッダーメールおよびデータメールを順次に配信する(ステップS704)。これらのメールは、LAN接続部36および通信回線網4を経由して、研究施設6が指定するアドレスに送信される。記憶管理手段74は、送信が完了したメールに対応づけて、送信済み情報を記憶する。送信済み情報の有無により、送信済みのメールと未送信のメールを区別できる。以上により、メール処理は完了する。
【0062】本実施形態では、研究施設6の波形データ受信装置60がメールサーバ(図示せず)を備えている。ヘッダーメールおよびデータメールは、このメールサーバへ送信され、そこに記憶される。
【0063】再び図3を参照する。メール処理(ステップS316)が完了すると、ステップ302に処理が戻る。また、ステップS314で現在時刻がメール配信時刻に到達していないと判断された場合にも、ステップS302に処理が戻る。この後、ステップS302からステップS314に至るまでの処理が繰り返される。
【0064】研究施設6の波形データ受信装置60は、地震波形データ収集装置30からのヘッダーメールおよびデータメールに加えて、震源情報受信装置40から震源情報も受信する。波形データ受信装置60は、受信したデータメールおよび震源情報を用いて共通地震データを生成し、記憶する。共通地震データは、全ての端末装置62で共通して利用可能なフォーマットを有する。共通地震データは、地震発生時刻、震度情報、震源情報、および地震波形データを含んでいる。各端末装置62は、波形データ受信装置60にアクセスして、共通地震データを端末装置62にダウンロードできる。したがって、各端末装置62で波形データを利用した地震研究が可能である。これにより、波形データを利用した地震研究を複数の研究者によって円滑に進められる。
【0065】以下では、本実施形態の地震観測システム1の効果を説明する。
【0066】第1に、様々な場所に設置された観測端末2から自動的に地震波形データを収集できる。従来の地震観測システムは、観測端末2が地震波形データを取得しているにもかかわらず、これを収集できなかった。本発明者らは、波形データの収集に伴う困難を克服して、震度情報のみならず波形データの収集が可能な地震観測システムを実現した。
【0067】第2に、様々な研究目的に合致した波形データの収集が可能である。これは、波形データを収集する地震加速度の範囲(上述の「収集加速度レベル」)をユーザが設定できるからである。
【0068】第3に、回線不具合のリスクが少ない。これは、観測端末2から送受信装置20が一括して震度情報を受信し、送受信装置20による震度情報の送信に応答して地震波形データ収集装置30が波形データを収集するからである。観測端末2と地震波形データ収集装置30を接続する回線(通信回線網3の回線)と、送受信装置20と地震波形データ収集装置30を接続する回線(LANケーブル)は異なる。送受信装置2から地震波形データ収集装置30までは、通信回線網3を使用せず、LANによって震度情報が送信される。このため、地震波形データ収集装置30が震度情報を観測端末2から直接受信する場合と比べて、通信回線網3の利用頻度が少ない。これは、回線不具合のリスクを低減する。
【0069】第4に、波形データの受信中に地震が発生した場合でも、その地震の波形データを収集し損なうことはない。これは、波形データの受信中に地震が発生したときは、波形データの収集を中断して、その地震の波形データを収集するか否かを判断するからである。その地震の加速度が収集条件を満たす場合は、再開された波形データ収集処理において、その地震の波形データが収集される。したがって、波形データの収集が次回に持ち越されることもない。
【0070】第5に、収集した波形データを研究施設6へ自動的に配信できる。したがって、研究施設6は、波形データを利用した地震研究を円滑に行える。
【0071】第6に、研究施設6は、適宜の時間に波形データを取得し、利用することができる。これは、地震波形データ収集装置30が波形データを電子メールで研究施設6に配信するからである。電子メールという広く普及した配信方法を利用するので、研究施設6は、特別な機器を用意することなく、波形データを受け取れる。電子メールの受け取りはいつでも可能なので、研究施設6は、都合の良いスケジュールで波形データを取得できる。
【0072】第7に、地震観測システム1における地震波形データ収集装置30以外の装置の動作への影響を抑えられる。これは、地震波形データを一定の時間帯にのみ収集するように設定できるからである。既存の地震観測システムでは、観測端末2と送受信装置20との間で定期的な通信テストを行っている。本実施形態の地震観測システム1でも、このような通信テストを行うことが可能である。この場合、通信テストの時間帯を避けて地震波形データの収集時間を設定すれば、通信テストを妨げることなく地震波形データを収集できる。
【0073】第8に、地震観測システムとして必要とされる正確な計時管理が可能である。これは、地震波形データ収集装置30がGPS50と通信を行うことにより現在時刻情報を校正するからである。
【0074】以上、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明してきた。しかし、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形を加えることができる。例えば、上記の各処理は、本発明の作用効果を達成できる限り、任意に順序を変えて実行することができる。
【0075】地震波形データ収集装置30は、上記の処理に加えて、次の処理を行ってもよい。すなわち、地震波形データ収集装置30は、LANを介してヘルス電文を送受信装置20へ送信し、送受信装置20から返信される回線確認メールの到達の有無を確認してもよい。これにより、地震波形データ収集装置30および送受信装置20間の通信障害の有無を検査できる。回線確認メールの到達確認は、通常は1日に1回行えば十分である。具体的には、メール作成管理手段75は、所定の時刻になると、LAN接続部36に含まれるメールサーバ内の回線確認メールを検索する。回線確認メールが発見されない場合、設定制御手段71は、表示部34にダイアログボックスを表示し、通信経路の障害を通知する。このような処理を行うことで、地震波形データ収集装置30および送受信装置20間の通信障害を自動的に発見できる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、様々な場所に設置された観測端末から地震波形データを自動的に収集できる。
【出願人】 【識別番号】000143396
【氏名又は名称】株式会社高見沢サイバネティックス
【住所又は居所】東京都中野区中央2丁目48番5号 中野平和ビル
【識別番号】592155991
【氏名又は名称】株式会社高見沢メックス
【住所又は居所】長野県南佐久郡臼田町大字下越132番地5
【出願日】 平成14年1月15日(2002.1.15)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹 (外3名)
【公開番号】 特開2003−207576(P2003−207576A)
【公開日】 平成15年7月25日(2003.7.25)
【出願番号】 特願2002−6270(P2002−6270)