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【発明の名称】 センサ
【発明者】 【氏名】山本 文人
【住所又は居所】高知県香美郡香我美町下分684番地1 株式会社ミネルバ内

【氏名】右田 実雄
【住所又は居所】高知県香美郡香我美町下分684番地1 株式会社ミネルバ内

【氏名】小松 章夫
【住所又は居所】高知県香美郡香我美町下分684番地1 株式会社ミネルバ内

【要約】 【課題】高周波電磁界に対する被検出体の影響を検出することにより、被検出体が有する静電的、電磁的特性に注目して、非接触で被検出体の含有水分、溶融物濃度等を測定することができるセンサの提供。

【解決手段】高周波電源により駆動される励磁コイルを、磁束ループを形成する磁性体のコア本体に巻回し、この励磁コイルと励磁コンデンサとで共振回路を形成し、励磁コイルと電磁的、静電的に結合する前記コア本体に巻回された検出コイルと検出側コンデンサからなる共振回路に誘起される電圧が、前記コア本体の磁気ギャップを備えた検出端近傍で、被検出体の静電的、電磁的に影響を受け変化することから被検出体の含有水分、溶融物濃度等を測定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1のコア部に巻回され高周波電源で駆動される励磁コイルと、この励磁コイルと共に共振回路を形成する励磁コンデンサと、前記第1のコア部と平行に離間して設けられる第2のコア部と、前記第1のコア部と前記第2のコア部との一端部側に位置する又は通過する被検出体を透過する電磁界によって電圧を誘起する、前記第2のコア部に巻回された検出コイルと、この検出コイルと共に共振回路を形成する検出側コンデンサとを備えたことを特徴とするセンサ。
【請求項2】 請求項1に記載のセンサであって、さらに前記第1のコア部と前記第2のコア部との一端部側に、これらコア部の軸と直交する軸方向を有して、その内部に気体又は液体を充満させ又は通過させる管状体を配置したことを特徴とするセンサ。
【請求項3】 第1のコア部に巻回され高周波電源で駆動される励磁コイルと、この励磁コイルと共に共振回路を形成する励磁コンデンサと、前記第1のコア部の端部に間隙を介して、その端部が対向配置される第2のコア部と、前記間隙に位置する又は通過する被検出体を透過する電磁界によって電圧を誘起する、前記第2のコア部に巻回された検出コイルと、この検出コイルと共に共振回路を形成する検出側コンデンサとを備えたことを特徴とするセンサ。
【請求項4】 請求項3に記載のセンサであって、さらに前記間隙に、これらコア部の軸と直交する軸方向を有して、その内部に気体又は液体を充満させ又は通過させる管状体を配置したことを特徴とするセンサ。
【請求項5】 前記第1のコア部および/または前記第2のコア部は磁性体からなることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のセンサ。
【請求項6】 前記励磁コイルと励磁コンデンサの共振周波数と、検出コイルと検出側コンデンサの共振周波数とが等しいことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波電磁界を用い、非接触で被検出体が含んでいる水分や溶融物を測定し、あるいは液体の流量を測定するセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、被検出体(たとえば固形物、粉状物等または気体)が含有する水分(たとえば、紙、肥料等または空気等が含有する水分等)や、液体に溶融した溶融物の濃度(たとえば塩水の塩分濃度)を測定する場合、被検出体からサンプルを採取して測定することが多い。
【0003】たとえば、固形物、粉状物が含有する水分測定では、被検出体のサンプルを加熱乾燥で脱水し、この脱水過程で減少する被検出体の重量を測定することにより、被検出体が含有する水分を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固形物、粉状物等が含有する水分の測定を、被検出体のサンプルを加熱乾燥し脱水して測定すると、被検出体の含有する水分をリアルタイムに測定することができないという問題がある。さらに、肥料等では、サンプル採取時や加熱乾燥時に悪臭が周囲に発散してしまうといった衛生上の問題が生じることがある。
【0005】同様に、液体に溶融している溶融物の濃度や、気体が含有している水分の測定を被検出体のサンプル採取により行う場合も、リアルタイムで測定できない等の問題が生じる。本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、被検出体が高周波電磁界に晒されたときの特性(静電的さらには電磁的特性)に注目し、被検出体が含有する水分や、液体に溶融する溶融物が、高周波電磁界に与える影響を検出することにより、サンプル採取を行わず且つサンプルにセンサを接触することなく種々の被検出体が含んでいる水分や、液体の溶融物濃度をリアルタイムに測定することができ、さらに液体ではその流量も測定できるセンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明によれば、請求項1では、第1のコア部に巻回され高周波電源で駆動される励磁コイルと、この励磁コイルと共に共振回路を形成する励磁コンデンサと、前記第1のコア部と平行に離間して設けられる第2のコア部と、前記第1のコア部と前記第2のコア部との一端部側に位置する又は通過する被検出体を透過する電磁界によって電圧を誘起する、前記第2のコア部に巻回された検出コイルと、この検出コイルと共に共振回路を形成する検出側コンデンサとを備えたセンサが提供される。
【0007】請求項3では、第1のコア部に巻回され高周波電源で駆動される励磁コイルと、この励磁コイルと共に共振回路を形成する励磁コンデンサと、前記第1のコア部の端部に間隙を介して、その端部が対向配置される第2のコア部と、前記第1のコア部と前記第2のコア部との間隙に位置する又は通過する被検出体を透過する電磁界によって電圧を誘起する、前記第2のコア部に巻回された検出コイルと、この検出コイルと共に共振回路を形成する検出側コンデンサとを備えたセンサが提供される。
【0008】このように構成されるセンサであれば、励磁コイルを駆動する高周波電源により、励磁コイルと励磁コンデンサとからなる共振回路に共振電流が流れて第1のコア部に被検出体を透過する磁束が発生し、この磁束の一部は、第2のコア部を透過して検出コイルと検出側コンデンサとからなる共振回路に高周波電流を誘起し、検出コイルの両端に電磁結合による高周波電圧を発生させる。
【0009】また、励磁コイルに流れる高周波電流はこの励磁コイルの両端に高周波電圧を発生させ、この高周波電圧は、浮遊静電容量で検出コイルに静電結合されて検出コイルの両端に静電結合による高周波電圧を発生させる。したがって、第1のコア部と第2のコア部との近傍(請求項1)または第1のコア部と第2のコア部との間隙(請求項3)を通過する被検出体の誘電率により静電結合である浮遊静電容量が影響を受け、検出コイルの両端に発生する高周波電圧が変化する。また、被検出体の誘電体損失により、さらに被検出体が導電性を有している場合には渦電流損失により、励磁コイルから検出コイルに伝達されるエネルギーが減少する。
【0010】ここで上記被検出体の誘電率、誘電体損失、導電率は、上記被検出体に含まれる水分によって変化するので、検出コイルに発生する高周波電圧から被検出体に含まれる水分を測定できる。また、請求項1に記載のセンサであって、さらに、前記第1のコア部と前記第2のコア部との前記一端部側に、これらコア部の軸と直交する軸方向を有して、その内部に気体又は液体を充満させ又は通過させる管状体を配置したセンサであれば(請求項2)、あるいは、請求項3に記載のセンサであって、さらに前記第1のコア部と前記第2のコア部との間隙に、これらコア部の軸と直交する軸方向を有して、その内部に気体又は液体を充満させ又は通過させる管状体を配置したセンサであれば(請求項4)、被検出体が気体の場合、その気体に含まれる水分によって、該気体の誘電率、誘電体損失、導電率が変化するので、検出コイルに発生する高周波電圧から、気体に含まれる水分を測定できる。また、同様に、被検出体が液体の場合、該液体の溶融物濃度により、被検出体の誘電率、誘電体損失、導電率が変化するので、液体の溶融物の濃度を測定できる。
【0011】また、請求項2、4のセンサでは、管状体の内部を通過する被検出体が液体であれば、励磁コイルが発生した磁束を横切る該液体に、該液体の導電率と流速に依存した電流が流れる。この電流は、励磁コイルから検出コイルへの磁気的結合に影響を与えて、検出コイルに発生する高周波電圧を低下させる。したがって、検出コイルの検出に発生する高周波電圧から該液体の流速を測定することができ、流速と管状体の断面積で決まる該液体の流量を測定することができる。
【0012】請求項5では、第1のコア部および/または第2のコア部が磁性体であるので、励磁コイルは第1のコア部に磁束密度の高い磁束を発生させることができ、第2のコア部には、磁束密度の高い磁束が透過し、検出コイルにより高い高周波電圧を誘起することができ、センサの感度を向上することができる。請求項6では、励磁コンデンサと励磁コイルとの共振周波数と、検出側コンデンサと検出コイルとの共振周波数とが等しい。したがって、高周波電源の周波数を上記共振周波数と同一周波数とすれば、被検出体が上記それぞれの共振周波数に浮遊静電容量による静電的影響を与えて、それぞれの共振周波数を変化させ、検出コイルが検出する高周波電圧が大きく変化することになるので、センサの感度を向上することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るセンサを説明する。図1は、本発明に係るセンサの第1の実施形態における概略構成を示す図である。図1に示すように、センサ1は第1のコア部10、第2のコア部11、第1のコア部10に巻回された励磁コイル12および第2のコア部11に巻回された検出コイル13を主体に構成される。ここで、第1のコア部10と第2のコア部11はそれぞれ略同一長の円柱体の磁性体からなり、それぞれの中心軸は平行に配置され、両コア部10,11の両端面はそれぞれ略同一平面上に配置されている。
【0014】そして、励磁コイル12に接続された励磁側コンデンサ14は励磁コイル12と共に励磁側共振回路T1を形成し、一方、検出コイル13に接続された検出側コンデンサ15は検出コイル13と共に検出側共振回路T2を形成している。なお、励磁側コンデンサ14は、励磁コイル12が有する、あるいは励磁コイル12と他の構成要素(たとえば検出コイル13)との間に存在する浮遊静電容量を含んでおり、検出側コンデンサ15も同様である。
【0015】上記センサ1では、高周波電源16から、励磁コイル12の両端12a、12bに、高周波電圧(周波数fo)が印加される。センサ1が有する検出コイル13の両端13a、13bは、信号処理回路17の信号入力端子17a、17bに接続されている。両コア部10、11の上方で、これらコア部10、11に近接した位置では、被検出体50が、たとえばベルトコンベアの搬送ベルト20に載置されて移動する。
【0016】図2は、信号処理回路17の概略構成を示す図である。図2中の18は整流回路であり、検出コイル13から検出される高周波電圧を整流して直流電圧を出力する。図2中の19はアンプであり、整流回路18の直流電圧出力を増幅して信号処理回路17の出力端子17cに出力する。以下にセンサ1の作用を、図1〜5を用いて説明する。
【0017】図1に示すように、センサ1の近傍に、被検出体が存在しない場合には、高周波電源16の周波数foに共振した励磁側共振回路T1に共振電流が流れ、この共振電流によって、第1のコア部10には、磁束30が発生すると共に、この磁束30は第1のコア部10から放射されて、磁束30の一部磁束30aが第2のコア部11を透過する。かくして、第1のコア部10と第2のコア部11は磁気的に結合する。そうすると、やはり高周波電源16の周波数foに共振した検出側共振回路T2にも共振電流が流れ、検出コイル13の両端13aと13bとの間には高周波電圧が発生する。
【0018】また、励磁コイル12の両端12a、12bにも共振電流で高周波電圧が発生し、この高周波電圧は、励磁側共振回路T1と検出側共振回路T2との間に存在する浮遊静電容量からなるコンデンサ41、42によって検出コイル13に伝達され、検出コイル13の両端13a、13bに高周波電圧を発生させる。かくして、励磁コイル12が発生する電磁界を検出コイル13が検出する場合において、搬送ベルト20に被検出体50が載置されていないときには、両共振回路T1,T2が高周波電源16の周波数foに共振しており、検出コイル13の両端13a、13bに生じる高周波電圧(以下、「検出電圧」)は最も高くなる。
【0019】図3(a)は、励磁側共振回路T1と検出側共振回路T2が周波数foに共振した場合の検出コイル13の検出電圧を示すものであり、高周波電源16の周波数foで最も検出電圧が高くなる(em(Vp−p))。なお図3は横軸が周波数で、縦軸が検出コイル13の検出電圧(Vp−p)である。次に、センサ1で、固形物若しくは粉状物又は固形物と粉状物の混合物が含有する水分を測定する場合について説明する。
【0020】図4に示すように、被検出体50が搬送ベルト20に載置され移動していると、被検出体50は両コア部10,11の上方、且つ近接した位置にある。この場合、浮遊静電容量からなるコンデンサ41、42が形成される空間に、被検出体50が位置するので、被検出体50の誘電率(空気の誘電率に比し誘電率が高い)に依存して、上記コンデンサ41、42の静電容量が増加する。したがって、図3(b)で実線に示すように、励磁側共振回路T1,検出側共振回路T2ともに、共振周波数がたとえばf1まで低下する。そうすると高周波電源16による検出コイル13の検出電圧はe1(Vp−p)となって、被検出体が存在しない場合(em(Vp−p))に比べて低下する。
【0021】ここで、被検出体50の誘電率は被検出体50が含んでいる水分に依存するので、上記検出コイル13の検出電圧低下(em−e1)は被検出体50が含んでいる水分に依存することになる。また、被検出体50の誘電体損失も、被検出体50が含んでいる水分に依存する。ここで、被検出体50には、第1のコア部10と第2のコア部11とを磁気結合している前述の一部磁束30aが透過している。したがって、一部磁束30aが透過することにより被検出体50の内部で生じる電磁界によって、被検出体50の誘電体損失が被検出体50の含有水分に依存して変化する。さらに、被検出体50が絶縁物ではなく、導電性を有している場合には、一部磁束30aによって、被検出体50の内部に渦電流が発生し、この渦電流と被検出体50の電気抵抗によって渦電流損を生じる。ここで、被検出体50の電気抵抗は被検出体50が含んでいる水分に依存し、したがって、渦電流損も被検出体50が含んでいる水分に依存する。
【0022】上記誘電体損失と渦電流損とは、一部磁束30aによって、第1のコア部10から第2のコア部11へ伝達されるエネルギーの損失を生じ、検出コイル13の検出電圧を低下させる。具体的には、図3(c)に示すように、検出コイル13の検出電圧は、被検出体50が含有する水分に依存して、e2(Vp−p)まで低下する。そうすると、検出コイル13の検出電圧は、前記検出コイル13の検出電圧低下(em−e1)と共に、図3(d)に示すようにe3(Vp−p)まで低下する。
【0023】かくして、被検出体50が含んでいる水分、たとえば水分の質量(%)と、上記検出コイル13の検出電圧低下の関係(em−e3)を予め測定しておけば、検出コイル13の検出電圧低下から被検出体50が含んでいる水分の質量(%)をリアルタイムに求めることができる。すなわち、検出コイル13の検出電圧は、前述のように、信号処理回路17によって、直流電圧へと整流・増幅されるので、信号処理回路17の出力端子をアナログ・ディジタル変換機能を有するマイクロプロセッサ等で処理することにより、たとえば、被検出体50が含んでいる水分の質量(%)の測定値を表示することもできる。
【0024】したがって、紙や肥料等、固形物、粉状物又は固形物と粉状物の混合物の乾燥工程において、粉状物又は固形物等が含有する水分をリアルタイムに測定することができる。なお、被検出体によっては、導電性を有しないため渦電流損を生じない場合でも、誘電体損失は生じるので、上記の測定に支障はない。また、搬送ベルト20は、磁束30が被検出体50に透過するのを妨げない材料からなることが好ましい。
【0025】次に、センサ1で気体の湿度又は気体が含む水分を測定する場合を説明する。この場合、図5に示すように、センサ1の上方、且つセンサ1に近接した位置に、両コア部10、11の中心軸と略直交する方向に、その中心軸を有するパイプ21を配置し、パイプ21の内部に被検出体50である気体を充満又は流入させる。
【0026】ここで、気体である被検出体50の誘電率、誘電体損失は、該気体に含まれる水分に依存する。したがって、該気体に含まれる水分によって、図4の場合と同様に、励磁側共振回路T1,検出側共振回路T2の共振周波数低下と、励磁側共振回路T1から検出側共振回路T2へ伝達されるエネルギーの損失とを生じるので、たとえば、被検出体50の湿度(%)または被検出体に含まれる水分の質量(%)と、上記検出コイル13の検出電圧低下の関係(em−e3)を予め測定しておけば、検出コイル13の検出電圧低下から、被検出体50の気体の湿度(たとえば空気の湿度(%))、または被検出体50に含まれる水分の質量(%)を測定できる。
【0027】次に、センサ1で液体に溶融している溶融物の濃度を測定する場合について説明する。この場合も、図5に示すように、パイプ21の内部に液体である被検出体50を流入させる。ここで、上記液体である被検出体50の誘電率、誘電体損失は、該液体の溶融物濃度に依存する。したがって、図4の場合と同様に、上記被検出体50により、励磁側共振回路T1,検出側共振回路T2の共振周波数低下および励磁側共振回路T1から検出側共振回路T2へ伝達されるエネルギーの損失が生じるので、該液体の溶融物濃度と、上記検出コイル13の検出電圧低下の関係(em−e3)を予め測定しておけば、検出コイル13の検出電圧低下から被検出体50である液体の溶融物濃度(たとえば塩水の塩分濃度(たとえば質量(%)))をリアルタイムに求めることができる。
【0028】なお、パイプ21は、磁束30が被検出体50に透過するのを妨げない材料からなることが好ましい。次に、センサ1で液体の流量を測定する場合について説明する。この場合も、図5において、パイプ21の内部に液体である被検出体50を流入させる。そうすると、被検出体50は、第1のコア部10が生じる一部磁束30aを、該液体の流速で横切ることになる。ここで被検出体50が有する導電率によって、被検出体50は、一部磁束30aを横切る導体として作用し、被検出体50の導電率と流速とに依存した電流が流れる。この電流はさらなる新たな磁束を発生するので、第1のコア部10と第2のコア部11とを磁気的に結合する一部磁束30aに影響を与え、第1のコア部10と第2のコア部11との磁気的結合を変化させる。そうすると、第1のコア部10から第2のコア部11へ伝達される磁気エネルギーが減少し、図3(c)のように、検出コイル13の検出電圧が低下する。
【0029】上記、第1のコア部10と第2のコア部11との磁気的結合の変化は、被検出体50の流速(たとえば、m/秒)に依存しており、したがって、流速とパイプ21の断面積との関係から、被検出体50の流量(たとえば、立方m/秒)を測定できる。ここで、予め、被検出体50の流量と検出コイル13の検出電圧低下を測定しておけば、検出コイル13の検出電圧低下から、被検出体50の流量をリアルタイムに測定できる。
【0030】次に、図6を用いて、本発明に係るセンサの第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。図6に示すように、センサ2は第1のコア部10、第2のコア部11、励磁コイル12および検出コイル13を主体に構成される。ここで、第1のコア部10と第2のコア部11はそれぞれ略同一長の円柱体をなし、それぞれの中心軸が一致して、第1のコア部の端部が第2のコア部の端部に間隙を介して配置されている。
【0031】上記間隙では、第1のコア部10の上方、且つ第1のコア部10に近接した位置で、被検出体50が、たとえばベルトコンベアの搬送ベルト20に載置されて移動し、被検出体50が上記間隙を通過できるようになっている。図6に示すように、搬送ベルト20に被検出体50が載置されていない場合、高周波電源16(周波数fo)で駆動される周波数foに共振した励磁側共振回路T1には、共振電流が流れ、第1のコア部10には、磁束30が発生すると共に、この磁束30の一部磁束30aが第2のコア部11を透過する。かくして、第1のコア部10と第2のコア部11は磁気的に結合し、foに共振した検出側共振回路T2の検出コイル13の両端には高周波電圧が発生する。
【0032】また、励磁コイル12の両端12a、12bに発生した高周波電圧は、浮遊静電容量からなるコンデンサ41、42によって検出コイル13に伝達され、検出コイル13の両端13a、13bに高周波電圧を発生させる。かくして、励磁コイル12が発生する電磁界を検出コイル13が検出する場合、搬送ベルト20に被検出体50が載置されていないときには、検出コイル13の両端13a、13bに生じる検出電圧が最も高くなる(em(Vp−p))。
【0033】次に、センサ2で固形物若しくは粉状物、又は固形物と粉状物の混合物が含有する水分の測定について説明する。ここで、図7に示すように、搬送ベルト20に被検出体50が載置され移動していると、被検出体50は両コア部10,11の間の隙部を搬送される。そうすると、浮遊静電容量からなるコンデンサ41、42が形成され空間に、被検出体50が位置する。また、一部磁束30aが、第1のコア部10から被検出体50を透過して、さらに第2のコア部11へと透過する。
【0034】したがって、前記センサ1と同様に、被検出体50の誘電率によって、上記コンデンサ41、42の静電容量が増加する。また被検出体50の誘電体損失が生じ、さらに被検出体50が絶縁物ではなく導電性を有している場合には、渦電流損も生じる。かくして、センサ2でも、センサ1と同様に、検出コイル13の検出電圧が、図3(d)に示すようにe3(Vp−p)まで低下し、センサ1と同様に、たとえば、被検出体50が含んでいる水分の質量(%)をリアルタイムに求めることができる。
【0035】次に、センサ2で気体の湿度の測定する場合を説明する。この場合も、図8に示すように、両コア部10,11の間隙に、両コア部10、11の中心軸と略直交する方向に、その中心軸を有するパイプ21を配置し、パイプ21の内部に被検出体50である気体を流入させる。そうすると、センサ1と同様に、該気体に含まれる水分によって、励磁側共振回路T1,検出側共振回路T2の共振周波数低下と、励磁側共振回路T1から検出側共振回路T2へ伝達されるエネルギーの損失とを生じるので、検出コイル13の検出電圧低下から、被検出体50の気体の湿度(%)、または被検出体50に含まれている水分の質量(%)を測定できる。
【0036】次に、センサ2で液体に溶融している溶融物の濃度の測定について説明する。この場合も、図8に示すように、パイプ21の内部に溶融物を含んだ液体である被検出体50を流入させる。そうすると、センサ1と同様に、該気体に含まれる水分によって、励磁側共振回路T1,検出側共振回路T2の共振周波数低下と、励磁側共振回路T1から検出側共振回路T2へ伝達されるエネルギーの損失とを生じるので、検出コイル13の検出電圧低下から被検出体50の溶融物濃度(たとえば質量(%))をリアルタイムに求めることができる。
【0037】次に、センサ2で液体の流量を測定する場合について説明する。この場合も、図8に示すように、パイプ21の内部に溶融物を含んだ液体である被検出体50を流入させる。そうすると、センサ1と同様に、該液体が、第1のコア部10と第2のコア部11との磁気的結合に寄与する一部磁束30aを横切ることにより電流が発生し、この電流が一部磁束30aに影響を与え、検出コイル13の検出電圧が低下する。かくして、検出コイル13の検出電圧低下から、被検出体50である該液体の流量をリアルタイムに測定できる。
【0038】なお、第1および第2に実施形態共に、被検出体を、搬送ベルトに載置してセンサの近傍を搬送することとして説明したが、搬送ベルトの変わりに、被検出体を搬送せず載置するだけの手段であってもよいし、また、被検出体の重量を測定する秤をセンサと共に用いてもよい。また、被検出体は、固形物、粉状物若しくはこれらの混合物、又は気体であっても、上記のように、センサの検出コイルの出力電圧の低下から含有水分や溶融物濃度が測定できるものならば、紙、肥料、空気に限定されるものではない。
【0039】さらに、上述のセンサでは、測定に適した高周波電源の周波数を選択する。上記実施形態においては、たとえば10kHz〜50MHzの範囲で周波数を選択している。以上、本発明にかかるセンサは、上記実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で、各種変形して実施することができる。
【0040】
【発明の効果】以上、本発明のセンサによれば、被検出体が高周波電磁界に晒されたときの特性(静電的さらには電磁的特性)に注目し、被検出体が含有する水分や、液体に溶融する溶融物が、高周波電磁界に与える影響を検出することにより、サンプル採取を行わず且つサンプルにセンサを接触することなく種々の被検出体が含んでいる水分や、液体の溶融物濃度をリアルタイムに測定でき、さらに液体ではその流量も測定できるという効果を発揮する。
【出願人】 【識別番号】391051832
【氏名又は名称】株式会社ミネルバ
【住所又は居所】高知県香美郡香我美町下分684番地1
【出願日】 平成13年12月27日(2001.12.27)
【代理人】 【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
【公開番号】 特開2003−194960(P2003−194960A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−397755(P2001−397755)