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【発明の名称】 人体検出装置
【発明者】 【氏名】家田 清一
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシン精機 株式会社内

【氏名】村上 裕一
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシン精機 株式会社内

【氏名】虫明 栄司
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシン精機 株式会社内

【要約】 【課題】人体の接近をハウジングの異なる複数の面において高感度にセンシングできる人体検出装置を提供すること。

【解決手段】車両用ドアには、ドアアウタパネル2の後方の開口部3にドアハンドル4が取り付けられている。ドアハンドル4は、その内部に中空部4aを有しており、中空部4aは、送信用アンテナ8及びセンサ電極9が収容された状態で樹脂によりモールドされている。送信用アンテナ8は、略直方体をなしており、ドアハンドル4の内部略中央に位置している。センサ電極9は、第一電極片及び第二電極片によって形成されている。第一電極片及び第二電極片は、ドアハンドル4の車両側(図の下側)端部近傍位置及びドアハンドル4の反車両側(図の上側)端部近傍位置の両側に配設されるようコ字状に折り返して形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジング内にセンサ電極を配設し、同検出部によってハウジングに対する人体近接を検出する人体検出装置において、前記センサ電極は、前記ハウジングの少なくとも異なる二面をそれぞれ検出する検出部をそれぞれの面側に配置したことを特徴とする人体検出装置。
【請求項2】 請求項1に記載の人体検出装置において、前記センサ電極は、その電極をコ字状に折り曲げ形成し、基端側往路部と先端側復路部を形成し、その基端側往路部を一方の検出部として前記ハウジングの一側面に配置し、先端側復路部を他方の検出部として前記ハウジングの他側面に配置するようにしたことを特徴とする人体検出装置。
【請求項3】 請求項1又は2に記載の人体検出装置において、前記ハウジングは、中空部が形成された自動車用ドアハンドルであって、そのドアハンドルの中空部の車両側と反車両側にそれぞれ検出部を配置しその反車両側の検出部に電波放出空間を形成するとともに、前記両検出部間に送信用アンテナを配置したことを特徴とする人体検出装置。
【請求項4】 請求項3に記載の人体検出装置において、前記センサ電極は、二又に分かれて形成された第一電極片と第二電極片とからなり、両電極片が共に同方向にコ字状に折り曲げ形成し、それぞれ各電極片に前記往路部と復路部を形成し前記検出部をそれぞれ形成したことを特徴とする人体検出装置。
【請求項5】 請求項3に記載の人体検出装置において、前記センサ電極は、四角筒体であって、反車両側の面に電波放出空間を形成した検出部としたことを特徴とする人定検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人体検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のドアの開閉を行うドアハンドルは、その内部を中空形状に形成し、その中空部分に人の接近を非検出で検出する非接触センサとなる平行ケーブルを収容した自動車用人体検出センサが特開平10−308149号公報に開示されている。この自動車用人体検出装置は、まず、正規ユーザの接近が認識されると制御信号が送られ、ドアロックの解除が可能な状態となる。次に、その状態で人体検出センサによって開扉のためにハンドルが握られたことが検出されるとドアロックを解除するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平10−308149号公報に示されたものは、ドアハンドル内の中央位置に人体検出センサを収容していた。一般にユーザがドアハンドルを操作する場合にドアハンドルと当接するのはドアハンドルの表面及び裏面である。しかしながら、人体検出センサがドアハンドルの中央に位置するため、人体検出センサはドアハンドルの表面及び裏面から多少離れた位置に配設されていた。従って、従来のドアハンドルにおいてはドアハンドルの表面及び裏面において充分な人体検出効果を発揮できない場合があった。
【0004】また、近年ドアハンドルの内部スペースに、車外との送信を行うアンテナなどが収容される場合においては、ドアハンドルの限られたスペース内に人体検出センサ及びアンテナが収容されることとなる。しかし、この場合人体検出センサが一枚しか用いられてなかったため、ドアハンドルの表面付近に人体検出センサを設けるか、ドアハンドルの裏面に人体検出センサを設けるかのどちらかであった。そのため、人体検出部をドアハンドルの両面において近接する位置に配設することができず、人体を好適な感度でセンシングできるのはドアハンドルの片面に限られるといった問題があった。
【0005】また、意匠及び人が接触する質感の観点から樹脂に装飾用メッキを施したり、金属製のドアハンドルが用いられたりする場合があるが、このような場合には従来の人体検出センサでは、人体の検出能力が不足し、好適に人体を検知できないおそれがあった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は人体の接近をハウジングの異なる複数の面において高感度にセンシングできる人体検出装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、ハウジング内にセンサ電極を配設し、同検出部によってハウジングに対する人体近接を検出する人体検出装置において、前記センサ電極は、前記ハウジングの少なくとも異なる二面をそれぞれ検出する検出部をそれぞれの面側に配置したことを要旨とした。
【0008】従って、請求項1に記載の発明によれば、センサ電極の検出部を異なる二面に配置したので、異なる方向からでも人体を検出することができる。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の人体検出装置において、前記センサ電極は、その電極をコ字状に折り曲げ形成し、基端側往路部と先端側復路部を形成し、その基端側往路部を一方の検出部として前記ハウジングの一側面に配置し、先端側復路部を他方の検出部として前記ハウジングの他側面に配置するようにしたことを要旨とした。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、センサ電極は、単にコ字状に折り曲げ形成しただけで、異なる面を検出する検出部をそれぞれ形成することができる。その結果、センサ電極の部品点数を削減することができる。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の人体検出装置において、前記ハウジングは、中空部が形成された自動車用ドアハンドルであって、そのドアハンドルの中空部の車両側と反車両側にそれぞれ検出部を配置しその反車両側の検出部に電波放出空間を形成するとともに、前記両検出部間に送信用アンテナを配置したことを要旨とした。
【0011】請求項3に記載の発明によれば、ドアハンドルに触れようとする人体を車両側又は反車両側から検出できる。しかも、反車両側の検出部に電波放出空間を形成したので、送信用アンテナから放出される電波は効率よく放射される。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の人体検出装置において、前記センサ電極は、二又に分かれて形成された第一電極片と第二電極片とからなり、両電極片が共に同方向にコ字状に折り曲げ形成し、それぞれ各電極片に前記往路部と復路部を形成し前記検出部をそれぞれ形成したことを要旨とした。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、二又に分かれて形成された第一電極片と第二電極片を、同方向にコ字状に折り曲げ形成しただけで、ドアハンドルを車両側又は反車両側からでも人体を検出できるようにした。従って、センサ電極の部品点数を削減することができる。しかも、二又に分かれて形成されているので、反車両側の検出部には電波放出空間が形成される。その結果、送信用アンテナから放射される電波は効率よく放射される請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の人体検出装置において、前記人体検出部は、直方体の各辺に相当する位置に配設された電極片を互いに連結されて形成されていることを要旨とした。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、センサ電極を四角筒体で形成したことから、ドアハンドルに触れる人体を四方から検出できる。しかも、反車両側の検出部に電波放出空間を形成したので、送信アンテナから放射される電波は効率よく放射される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した車両用ドアハンドルの一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
【0016】図1は、車両のドアの斜視図である。図2は図1におけるA−A線断面図である。図1及び図2に示すように、車両用ドア1には、ドアハンドル4が取り付けられている。ドアハンドル4は、車両用ドア1を形成するドアアウタパネル2の後部に形成された開口部3に装着されている。ドアハンドル4は、図2に示すように、前側にアーム5を備え、後側にキーシリンダケース6とベルクランク体7を備えている。前記ベルクランク体7は、図示しないリンク機構と協働してドアロック装置を構成している。
【0017】車両用ドア1を開ける時には、車両用ドア1のアウタパネル2とドアハンドル4との間に手を入れドアハンドル4を握り、ドアハンドル4の後方をアーム5の先端部を中心として車両外方(図2において反時計方向)に回動させる。ドアハンドル4がアーム5の先端部を中心に回動すると、車両用ドア1は開いた状態となる。逆に車両用ドア1を閉める場合には、車両用ドア1を開いた方向とは逆方向に車両用ドア1を押せば車両用ドア1を閉めることができる。
【0018】ドアハンドル4は、合成樹脂で成形されている。ドアハンドル4は、その内部に中空部4aを有し、その中空部4aには、送信用アンテナ8及び人体検出部としてのセンサ電極9が収容された状態で樹脂によりモールドされている。つまり、中空部4aを備えたドアハンドル4はハウジングを構成し、そのハウジングに送信用アンテナ8及びセンサ電極9が収容される。送信用アンテナ8は、ユーザが携帯する発信機と交信するためのアンテナである。センサ電極9は、ユーザが車両用ドア1を開けようとしてドアハンドル4を握る動作(手の接近)による静電容量の変化によってユーザの近接状態の検知を行っている。すなわち、ユーザがドアハンドル4に近接しているか否かを検出するセンサである。
【0019】図3は、前記中空部4aにモールドされたセンサ電極9の斜視図を示す。センサ電極9は、基部9aから二つに分岐して形成された一対の板状の第一電極片11と第二電極片12を備えている。第一電極片11と第二電極片12は、一定の間隔を保ちながら延出形成されているとともに、同じ方向に前記延出部分と所定の間隔を保つように折り返し形成されている。そして、第一電極片11と第二電極片12において、基部9aから離間する方向に延びた部分を往路部11a,12a、その往路部11a,12aの先端から直角に屈曲した部分を折り返し部11b,12bとしている。又、第一電極片11と第二電極片12において、その折り返し部11b,12bから直角に屈曲し前記基部9aの方向に延びた部分を復路部11c,12cとしている。
【0020】本実施形態では、往路部11a,12aと復路部11c,12cの長さは、ほぼ同じ長さに設定されている。従って、復路部11c,12cの先端部は、往路部11a,12aの基端部と相対向する位置にある。そして、本実施形態では、往路部11a,12aが車両側に位置し、復路部11c,12cが反車両側に位置するように、センサ電極9が中空部4aに配置されモールドされるようになっている。このように配置構成することによって、第一及び第二電極片11,12の往路部11a,12aにおいて、ユーザがドアハンドル4の内側、すなわち、車両側の面をまさに触れようとした時、その手を検知する。又、第一及び第二電極片11,12の復路部11c,12cにおいて、ユーザがドアハンドル4の外側、すなわち、反車両側の面をまさに触れようとした時、その手を検知する。
【0021】また、往路部11a,12aと復路部11c,12cとを角部とし、これら往路部11a,12aと復路部11c,12cで囲まれた空間には、前記送信用アンテナ8が配置される。従って、送信用アンテナ8は、反車両側から、ドアハンドル4を見たとき、復路部11c,12cの間に位置するようになっている。その結果、送信用アンテナ8は、復路部11c,12cの間から同送信用アンテナ8から発信される電波が放射されることになる。そして、送信用アンテナ8は、センサ電極9と電気的に絶縁された状態で、センサ電極9とともに中空部4aに配置されモールドされるようになっている。
【0022】以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、第一及び第二電極片11,12を備えたセンサ電極9の往路部11a,12aを車両側に配置し、復路部11c,12cを反車両側に配置した。従って、ユーザがドアハンドル4を外側又は内側のどの方向から触れようとしても、確実に検知することができる。
【0023】(2)本実施形態では、センサ電極9の往路部11a,12aと復路部11c,12cを角部とし、これら往路部11a,12aと復路部11c,12cで囲まれた空間に送信用アンテナ8を配置した。そして、反車両側から、ドアハンドル4を見たとき、復路部11c,12cの間に位置するように送信用アンテナ8を配置した。従って、送信用アンテナ8から送信される電波の大部分をドアハンドル4の外部に伝播させることができる。その結果、送信する信号が低出力ですむため送信用アンテナ8を小型化することができる。
【0024】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
○上記実施形態では、人体検出装置が収容されるハウジングを車両用ドアハンドルに具体化して説明したが、それに限定されずハウジングをその他のもので具体化してもよい。
【0025】○上記実施形態では、センサ電極9は、第一及び第二電極片11,12を二又状に分岐させ、その第一及び第二電極片11,12を折り返し形成して往路部11a,12aと復路部11c,12cを形成した。そして、往路部11a,12aでドアハンドル4の内側の検知を、復路部11c,12cでドアハンドル4の外側の検知を行った。これを、往路部11a,12aと復路部11c,12cの配置を、往路部11aがドアハンドル4の外側、復路部11c,12cがドアハンドル4の内側にして実施してもよい。
【0026】この場合、復路部11c,12cにてドアハンドル4の内側の検知を、往路部11a,12aにてドアハンドル4の外側を検知することができる。
○図4に示すように、往路部11a,12aだけの第一及び第二電極片11,12の分岐したセンサ電極9に対して、同一形状の往路部21a,22aを備えただけの第三及び第四電極片21,22を設ける。そして、第三及び第四電極片21,22を第一及び第二電極片11,12に対して相対向するように一定の間隔を保持して電気的に接続したセンサ電極24を使って実施してもよい。
【0027】この場合にも、第一及び第二電極片11,12にてドアハンドル4の内側の検知を、第三及び第四電極片21,22にてドアハンドル4の外側の検知をすることができる。しかも、第一及び第二電極片11,12と第三及び第四電極片21,22の間に、送信用アンテナ8を配置すれば、送信用アンテナ8から送信される電波の大部分をドアハンドル4の外部に伝播させることができる。
【0028】○図5に示すように、十二本の電極片31を直方体の各辺に相当するように互いに連結してなるセンサ電極32を使って実施してもよい。この場合にも、ドアハンドル4の外側及び内側の検知をすることができる。しかも、センサ電極32は十二本の電極片31が直方体の形状になっているので、ドアハンドル4の上側及び下側についても人が触れたかどうかを正確に検知をすることができる。又、十二本の電極片31で囲まれる空間内に、送信用アンテナ8を配置すれば、送信用アンテナ8から送信される電波の大部分をドアハンドル4の外部に伝播させることができる。
【0029】○図6に示すように、長四角枠形状の電極片35の基端側と先端側に、同電極片35より短い長四角枠形状の電極片36,37を相対向するように一定の間隔を保持して電気的に接続したセンサ電極37を使って実施してもよい。この場合にも、ドアハンドル4の内側及び外側の検知を検知することができる。又、電極片36,37と電極片35の間に、送信用アンテナ8を配置すれば、送信用アンテナ8から送信される電波の大部分をドアハンドル4の外部に伝播させることができる。
【0030】○図7に示すように、四角筒状のセンサ電極38を使って実施してもよい。この場合にも、ドアハンドル4の外側及び内側についても人が近接したかどうかを正確に検知をすることができる。また、筒内に送信用アンテナ8を配置する場合には、図7に示すように、ドアハンドル4の外側の面に向く面を網目状に形成して電波の放出面38aを形成してもよい。又、放出面38aは、送信用アンテナ8からの電波が外に放射されればよく、例えば、多数の貫通孔を施して電波放出面38aを形成してもよい。又、電波放出面38aは、一箇所の面に限定されず、その他の面に形成して実施してもよい。
【0031】○図8に示すように、一対の板状の電極片39,40を一定間隔隔て平行に配置したセンサ電極41を使って実施してもよい。この場合にも、一方の電極片39を反車両側及び他方の電極片40を車両側に配置することにより、ドアハンドル4の外側及び内側についても人が触れたかどうかを正確に検知することができる。また、電極片39,40間に、送信用アンテナ8を配置する場合には、図8に示すように、反車両側に配置される電極片39の面を網目状に形成して電波放出面39aを形成してもよい。又、放出面39aは、送信用アンテナ8からの電波が外に放射されればよく、例えば、多数の貫通孔を施して電波放出面39を形成してもよい。
【0032】又、図9に示すように、送信用アンテナ8の反車両側と車両側にそれぞれ前記板状の電極片39,40を配置するとともに、さらに、送信用アンテナ8の上側と下側にそれぞれ板状の電極片42,43を配置して実施してもよい。この場合、ドアハンドル4の外側、内側、上側及び下側のいずれの方向についてもユーザの検知をすることができる。
【0033】○上記実施形態では、第一電極片11と第二電極片12で囲まれた空間に送信用アンテナ8が配置されたが、これに限定されない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば人体の接近を高感度にセンシングできる人体検出装置を提供することができる。
【出願人】 【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
【住所又は居所】愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地
【出願日】 平成13年12月26日(2001.12.26)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣 (外1名)
【公開番号】 特開2003−194959(P2003−194959A)
【公開日】 平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願番号】 特願2001−394461(P2001−394461)