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【発明の名称】 様々な選択基準に従って地下層における地震イベントを検出し自動的に分類するための方法
【発明者】 【氏名】ジャン−フランソワ テロン

【氏名】ジャン−ピエール デフランドル

【氏名】クリスチャン グルファル

【要約】 【課題】開発中の地下層に結合された地震受信機によって検出された地震イベントまたは微震イベントの記録を、様々な選択基準に従って自動的に分類するための方法及び装置を提供する。

【解決手段】少なくとも1つの記録された地震トレース上で、検出間隔(Pld)中に、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対する所与のしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出し、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択し、この間隔内で検出された信号が、純粋に地震イベントまたは微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、この記録間隔(Ple)の信号を所定の分類ラベルと共に記憶することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地下層に結合された地震受信機(R1〜Rn)によって検出された地震信号または音響信号に対応する記録された地震トレース上で検出されたイベントを、該イベントが、純粋に地震または微震によるものであるか、それとも何らかの理由で、外部環境または地層開発活動または監視活動に関する人為的な原因に依存するものであるかに応じて、様々な基準に従って自動的に分類し、分析のための地震トレースの有意の部分を選択するための方法において、検出間隔(Pld)中の少なくとも1つの記録された地震トレース上で、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対する所与のしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出することと、少なくとも前記地震トレース上で、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択することと、該グローバル記録間隔(Ple)内で検出された前記地震信号が、純粋に地震イベントまたは微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、前記グローバル記録間隔(Ple)の前記地震信号を所定の分類ラベルと共に記憶することとを含むことを特徴とする、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項2】 単一の記録された地震トレース(Tn)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用することと、いくつかの地震トレース上の対応するグローバル記録間隔を記憶することとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項3】 前記対応する検出間隔(Pld)が所定の時間間隔(Plg)に含まれる場合に、同じ選択関数を適用することによって、所与の数p(p≧2)の異なる記録された地震トレース(Tn、Tp)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用することと、少なくとも前記p個の記録された地震トレース上のイベントをカバーするのに十分な所要時間のグローバル記録間隔を記憶することとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項4】 前記対応する検出間隔(Pld)が所定の時間間隔(Plg)に含まれる場合に、同じ選択関数を適用することによって、所与の数p(p≧2)の異なる記録された地震トレース(Tn、Tp)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用することと、数pよりも多い数N個の記録された地震トレース上のイベントをカバーするのに十分な所要時間のグローバル記録間隔を記憶することとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項5】 人為的な原因のために地震信号が得られることによって前記p個の記録された地震トレースのうちの1つが生成されたときに、イベントが検出された他の地震トレースを、取り消される地震トレースの範疇に分類し、このような地震トレースを記憶することを含むことを特徴とする、請求項3に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項6】 前記検出時間が所定の時間間隔(Pli)よりも長い地震トレースを禁止することと、後で、所定の再活動化間隔(Plr)中に前記選択関数(E、A)の値が第2のしきい値よりも小さくなった場合にこのような地震トレースを再有効化することとを含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項7】 坑井の周りの地層に結合された地震検出器または音響検出器により前記地下層を通じて得られた地震トレースが使用されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項8】 基準ライブラリのすべての基準から選択されたいくつかの選択基準が使用されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項9】 記録される地震トレースは、地震源から放出された地震信号の、地中での放出に応答して前記地下層から送り返された地震信号であり、前記地震源によって引き起こされたものではない地震イベントのみを選択するように、いくつかの地震トレース上で禁止基準が使用されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の、地下層における地震イベントを検出し自動的に分類する方法。
【請求項10】 地下層に結合された地震受信機(Rk)によって検出された地震信号に対応する記録された地震トレース上で検出されたイベントを、該イベントが、純粋に微震によるものであるか、それとも何らかの理由で、外部環境あるいは地層開発活動または監視活動に関する人為的な原因に依存するものであるかに応じて、様々な基準に従って自動的に分類し、分析のための地震トレースの有意の部分を選択するためのデータ処理装置において、検出間隔(Pld)中の少なくとも1つの記録された地震トレース上で、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対する所与のしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出する手段と、少なくとも前記地震トレース上で、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択する手段と、該グローバル記録間隔(Ple)内で検出された前記地震信号が、純粋に微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、前記グローバル記録間隔(Ple)の前記地震信号を所定の分類ラベルと共に記憶する手段とを有することを特徴とするデータ処理装置。
【請求項11】 前記地下層に結合された複数の地震受信機(Rk)と、前記様々な地震受信機によって検出された地震信号を記録するための表面収集装置(6)と、地下層に結合された地震受信機によって検出された地震信号に対応する記録された地震トレース上で検出されたイベントを、そのイベントが、純粋に微震によるものであるか、それとも何らかの理由で、外部環境あるいは地層開発活動または監視活動に関する人為的な原因に依存するものであるかに応じて、様々な基準に従って自動的に分類し、分析のための地震トレースの有意の部分を選択するように、記録された地震信号を処理する装置(7)とを有する、地下層の地震監視を行うための装置において、検出間隔(Pld)中の少なくとも1つの記録された地震トレース上で、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対する所与のしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出する手段と、少なくとも前記地震トレース上で、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択する手段と、該グローバル記録間隔(Ple)内で検出された前記地震信号が、純粋に微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、前記グローバル記録間隔(Ple)の前記地震信号を所定の分類ラベルと共に記憶する手段とを有することを特徴とする、地下層の地震監視を行うための装置。
【請求項12】 前記地震受信機は、地層を通じて少なくとも1つの坑井の中に分散された、ハンドロホンまたはジオホンまたは加速度計であることを特徴とする、請求項10に記載のデータ処理装置。
【請求項13】 前記地震受信機は、液体またはセメント、機械的な結合手段または磁化によって地層に結合していることを特徴とする、請求項11に記載の地下層の地震監視を行うための装置。
【請求項14】 前記地震受信機と記録装置である表面収集装置(6)とを接続する少なくとも1つの伝送ケーブルを有することを特徴とする、請求項11または請求項13に記載の地下層の地震監視を行うための装置。
【請求項15】 光ファイバに基づく技術を使用するデータ受信および/または送信手段を有することを特徴とする、請求項11から請求項14の何れか1項に記載の装置。
【請求項16】 前記地震源によって引き起こされたものではない地震イベントのみを選択するか、または記録装置である表面収集装置(6)の飽和を防止するように、いくつかの記録された地震トレースを禁止する手段を有することを特徴とする、請求項10から請求項15の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、開発中の地下層に結合された地震受信機によって検出された地震イベントまたは微震イベントの記録を、様々な選択基準に従って自動的に分類するための方法に関する。
【0002】本発明による方法は、特に、概して流体を抽出するかまたは流体を注入するのに用いられる貯留層帯域を監視するために適用される。
【0003】
【従来の技術】貯留層帯域であるか、それとも空洞であるかにかかわらず、ある地下帯域の各地点を見付けることは、貯留層から1つまたは2つ以上の坑井を通して抽出された流体を生成するか、それともその帯域に流体を注入するかとは無関係に、その帯域を開発するうえで非常に重要である。
【0004】たとえば、開発中の炭化水素貯留層または地熱帯域の変化を監視することが可能である。特に、再生が重要である場合、媒体の圧力および温度とはかなり異なる圧力および温度の流体を注入することによって岩石から油を洗い落とすことが望ましい。結果として起こる応力の変動によって媒体が破砕し、貯留層の内部の流体の循環が変化する恐れがあり、このような破砕を適切に見付けることが重要である。
【0005】地下貯留層を、流体を貯蔵するのに用いることも公知である。これはたとえば、液相貯留層または気相貯留層であり、このような貯留層から取り出されるかまたはこのような貯留層に注入された液体または気体の流量の顕著な変動によって誘発されるある種の微震活動を観測することができる。
【0006】使用される貯留層は、環境を重視しますます厳しくなる汚染防止規制に従うために監視する必要のある、廃棄物を貯蔵するのに用いられる貯留層帯域または空洞であってもよい。地下貯留層は、程度の差こそあれ多量の固体粒子を含む掘削流体を注入し、規制によって禁じられている、使用済みのこのような流体の掘削現場への廃棄を行うのに用いることができる。
【0007】注入される流体の温度は概して、流体が注入される深さでの媒体の温度とかなり異なり、流体を大量に注入した場合、熱応力が生じ、破砕が起こり、したがって、ある種の地震活動が起こる。このような泥の注入圧力によって応力が生じ、媒体に程度の差こそあれ大きな変化が起こることもある。
【0008】圧力または温度の影響によって誘発される地震活動によって、たとえば、割れ目が形成されたり、既存の割れ目に応力が生じたりする可能性がある。このため、媒体中の流体の流路が変化するか、または貯留層からの流体の逃げ道が形成され、封じ込め破壊が起こり、周りの帯域、特に、検出するのが重要な、飲水の供給に用いられる帯水層が汚染される可能性がある。
【0009】注入作業または貯蔵による局地的な温度上昇により、封じ込めを行う層が破砕されるのを防止するように、核廃棄物を貯蔵するのに用いられる貯留層を監視することも非常に重要である。
【0010】受動地震監視とも呼ばれる微震監視の場合、開発者の最終的な目標は、坑井または現場の生産性を保存するために開発規定における現場の機械的応答を考慮できるようにデータを従来の作業データ(圧力、流量、温度など)に関連して非常に迅速に解釈することである。観測される微震活動は、固体を侵食する可能性のある媒体の機械的劣化、貯留層を帯水層と連通させる可能性が高い割れ目の形成、または坑井の性能を劣化させ、場合によっては坑井に損傷を与える恐れのある、熱、割れ目、または機械を原因とする他の現象と組み合わせることができる。
【0011】フランス特許第2593292号(米国特許第4775009号)、フランス特許第2681573号(米国特許第5303773号)、またはヨーロッパ特許第546892号(米国特許第5370445号)には特に、(ケーシングと地下層とのセメント結合部に埋め込まれるか、または外部で生産配管と組み合わされケーシングの内面に押し付けられた)1つまたは2つ以上の坑井に永久的に設置された地震検出器または他の検出器を、実施される様々な作業(生成、注入、これらの坑井によって実施される様々な作業)を妨害することなしに使用することを含む、地下貯留層の経時的な変化を監視する様々な技術が記載されている。検出器を永久的に坑井の中に設置することにより、貯留層の開発に関係する様々な現象を検出するようにこの貯留層の地震監視を行うことができる。
【0012】フランス特許第2703457号、フランス特許第2703470号、またはヨーロッパ特許第748457号(米国特許第5724311号)には、放出・受信手段を永久的に坑井の中または地表の近くに設置することにより、ある地層に弾性波を加え、この地層から送り返される応答信号を得ることによって、貯留層の能動的な監視を長期的にかつ反復的に行うための方法が記載されている。同一の条件の下で得られた信号に対して微分処理演算が実行される。
【0013】フランス特許第2688896号およびフランス特許第2689647号(米国特許第5481502号)には特に、坑井の外側のケーシングまたは生産配管内に設置された永久的な検出器からの信号を収集し、長期的で反復的な監視または地震調査中に表面記録・制御機器に送信するように特に構成された電子獲得・送信システムが記載されている。
【0014】ヨーロッパ特許出願第1074858号およびフランス特許第2780900号(米国特許第6113388号)には、1つまたは2つ以上の弾性波検出器または音響波検出器によって得られる信号の、各検出器に対する最初の到着時間および/または終了時間のような少なくとも1つの有意の時間をこれらの検出器上で高い精度で自動的に見付けるように、これらの信号を自動的に分析するための方法も記載されている。
【0015】フランス特許第2772137号(米国特許第6049508号)には、記録されたすべてのイベントのうちで、タイプCイベントと呼ばれる完了レベルで誘発されるイベントを考慮しつつ、現場の特徴付けに重要なタイプEのイベントを自動的に識別するための方法が記載されている。これらのイベントは、注入の停止および再開、表面設置レベル(パイプ、様々な装置)を含む、坑井の中の任意の深さ、場合によっては表面(坑口)でのある完了要素(弁、パッカーなど)の開閉によって生成される。地下帯域(貯留層)が地表のネットワークと連通することなど、いくつかのこれらの作用により、特に圧力の変動の結果として、タイプEのイベントが遅延することが多く、これを記録し解釈することが望ましい。タイプCのイベントは、比較的短い時間間隔で何度も起こる可能性があり(実際的な例として、1週間に3400回以上)、同じ期間内の発生回数が比較的少ない(たとえば、数十回)ことが多いタイプEのイベントを得ることによって誘発される地力現象のリアルタイムでの監視に悪影響を及ぼす。
【0016】地下層に結合された地震受信機だけでなく、地下層に直接リンクされた弾性波を検出する技術的帯域開発機器の要素との直接的な音響結合を行う1つまたは2つ以上の基準検出器が用いられる。これらの受信機および各基準検出器から得られる信号を比較分析することにより、地下帯域内のイベントが、各基準検出器によって検出されたイベントから独立したものであるか、それともそのようなイベントに直接的または間接的に依存するものであるかに応じて、記録が様々な種類に分類される。
【0017】地下層で起こる可能性の高い微震イベントを組織的に測定することによって、上述のように、後で行われる識別・分析作業を簡略化するように慎重に分類する必要のある多量の地震記録が生成される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、開発中の地下層に結合された地震受信機によって検出された地震イベントまたは微震イベントの記録を、様々な選択基準に従って自動的に分類するための方法及び装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明による方法により、地下層に結合された地震受信機によって検出された信号に対応する記録された地震トレース上で検出されたイベントを、そのイベントが、純粋に微震によるものであるか、それとも何らかの理由で、外部環境あるいは地層開発活動または監視活動に関する人為的な原因に依存するものであるかに応じて、様々な基準に従って自動的に分類し、分析のための地震トレースの有意の部分を選択することができる。
【0020】この方法は主として、検出間隔(Pld)中の少なくとも1つの記録された地震トレース上で、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対するあるしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出し、少なくとも記録された地震トレース上で、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択し、このグローバル記録間隔(Ple)内で検出された地震信号が、純粋に地震イベントまたは微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、この記録間隔(Ple)の地震信号を所定の分類ラベルと共に記憶することを含むことを特徴とする。
【0021】ある実施態様によれば、この方法は、単一の記録された地震トレース(Tn)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用すること、およびいくつかの地震トレース上の対応するグローバル記録間隔を記憶することを含む。
【0022】他の実施態様によれば、この方法は、対応する検出間隔(Pld)が所定の時間間隔(Plg)に含まれる場合に、同じ選択関数を適用することによって、ある数p(p≧2)の異なる記録された地震トレース(Tn、Tp)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用すること、および少なくともp個の記録された地震トレース上のすべてのイベントをカバーするのに十分な所要時間のグローバル記録間隔を記憶することを含む。
【0023】他の実施態様によれば、この方法は、対応する検出間隔(Pld)が所定の時間間隔(Plg)に含まれる場合に、同じ選択関数を適用することによって、ある数p(p≧2)の異なる記録された地震トレース(Tn、Tp)上のイベントを検出することを含む、選択基準を適用すること、および数pよりも多い数N個の記録された地震トレース上のすべてのイベントをカバーするのに十分な所要時間のグローバル記録間隔を記憶することを含む。
【0024】他の実施態様によれば、人為的な原因のために地震信号が得られることによってp個の記録された地震トレースのうちの1つが生成されたときに、この方法は、イベントが検出された他の地震トレースを、取り消される地震トレースの範疇に分類し、このような地震トレースを記憶することを含む。
【0025】他の実施態様によれば、この方法は、検出時間が所定の時間間隔よりも長い地震トレースを禁止し、後で、所定の再活動化間隔中に選択関数の値が第2のしきい値よりも小さくなった場合にこのような地震トレースを再有効化することを含む。
【0026】この方法で分類された地震トレースは、坑井の周りの地層に結合された地震検出器または音響検出器により地下層を通じて得られる。このような地震トレースは、地震源から放出された地震信号の、地中での放出に応答して地層から反射された地震信号に対応する地震トレースであってよく、この場合、このような地震源によって引き起こされたものではない地震イベントのみを選択するように、いくつかの地震トレース上で禁止基準を使用することが好ましい。
【0027】本発明によるデータ処理装置により、地下層に結合された地震受信機によって検出された地震信号に対応する記録された地震トレース上で検出されたイベントを、そのイベントが、純粋に微震によるものであるか、それとも何らかの理由で、外部環境あるいは地層開発活動または監視活動に関する人為的な原因に依存するものであるかに応じて、様々な基準に従って自動的に分類し、分析のための地震トレースの有意の部分を選択することができる。この装置は主として、検出間隔(Pld)中の少なくとも1つの記録トレース上で、少なくとも1つの基準に従って、所定の選択関数(E、A)に対するあるしきい値(Sd)を超えた地震信号を検出する手段と、少なくとも記録トレース上で、検出間隔(Pld)のいずれかの側と重なり合うグローバル記録間隔(Ple)を選択する手段と、このグローバル記録間隔(Ple)内で検出された地震信号が、純粋に微震イベントに対応するものであるか、それともある程度人為的な原因に関係するものであるかに応じて、このグローバル記録間隔(Ple)の地震信号を所定の分類ラベルと共に記憶する手段とを有する。
【0028】本発明による、地下層の地震監視を行うためのシステムは主として、地下層に結合された複数の地震受信機と、様々な地震受信機によって検出された地震信号を記録するための装置と、上記で定義された処理装置とを有する。
【0029】地震受信機はたとえば、液体またはセメント、機械的な結合手段、あるいは磁化によって地層に結合することができる、地層を通じて少なくとも1つの坑井の中に分散された、たとえばハンドロホンおよび/またはジオホンおよび/または加速度計である。
【0030】この装置は、地震受信機を記録装置と接続する少なくとも1つの伝送ケーブルを有してよい。
【0031】データ受信および/または送信手段は、たとえば光ファイバに基づく技術を使用する。
【0032】この装置は、上記の地震源によって引き起こされたものではない地震イベントのみを選択するか、または記録装置の飽和を防止するように、いくつかの記録された地震トレースを禁止する手段を含んでよい。
【0033】これらの検出・分類規定により、この方法および装置では、地層の微震活動を組織的に測定することによって得られた、多くの場合かなりの量の記録ファイルから、直接解釈可能であり、日付を有する、分類済みの有意の記録を含むずっと制限された数のファイルを分離することができる。
【0034】したがって、データ記憶機能の不要な飽和が防止され、スタンドアロンすなわち独立の条件の下で動作する能力が重要である地震データ処理装置の有効自律性が高くなる。
【0035】いくつかのモードと同時に動作することができるため、必ずしも各帯域間で知覚することのできない機械的な再調整を監視中の帯域に施すことができるという、大規模な現場の管理に関するある利点が処理装置にもたらされる。
【0036】いくつかの検出/禁止モードを使用する動作モードと組み合わせて使用されるある種の地震受信機上の連続的な検出を一時的にかつ自動的に禁止できるため、特に、間欠的にのみ測定されるある受信チャネルによって得られるか、またはこのようなチャネルが再活動化基準を満たすときにこのようなチャネルによって得られる有用な情報を失わないようにすることができる。
【0037】本発明による方法の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、非制限的な例についての以下の説明を読むことによって明らかになろう。
【0038】
【発明の実施の形態】図1に概略的に示されている地震または微震監視システムは、所定の位置に配置された後、ケーシングパイプ2と坑井1との間にセメントを注入することによって周囲の地層に結合されるケーシングパイプ2を各々が備える1つまたは2つ以上の坑井1の中に設置されている。生産配管3が、密閉された坑井1の中に下降させられる。この生産配管3によって、(地下帯域Pから流体を抽出するか、または地下帯域Pに流体を注入するために)地下帯域Pで作業を実施することができる。汲出し手段および弁(不図示)によって、検討中の帯域を制御しながら活動化することができる。地震監視システムは、たとえば、生産配管3の外側に固定され、可撓性の要素4(図2)などの結合解除手段によってケーシングパイプ2の内側の壁に押し付けられた一連のn個の地震受信機R1〜Rnを各坑井1の中に有している。地震監視システムは地震受信機R1〜Rnを含んでもよい。
【0039】各地震受信機Rkは、たとえば単一の箱内に3つのジオホンを有するトライホンであり、ジオホンの軸は三矩形三面体の方向に向けられている。坑井1の中に局地電子ボックス5が配置されている。各局地電子ボックス5は、関連する地震受信機Rkによって検出された信号を得るために1つまたは2つ以上のトライホンRkに接続されている。様々な局地電子ボックス5が1つまたは2つ以上の伝送ケーブルCによってマイクロコンピュータなどの表面収集装置6に接続されている。受信機をいくつかの坑井の中に互いに距離を置いて永久的に設置する場合、様々な表面収集装置6は、たとえば前述のフランス特許第2772137号、フランス特許第2689647号(米国特許第5481502号)に記載されているように、たとえば、イーサネット(登録商標)ネットワークなどの通信ネットワークによって離れた中央研究所の記録された地震信号を処理する装置7に接続されている。多坑井マルチレベルシステムはたとえば、坑井1の中に設置された遠隔測定リンク当たり最大で9個または18個のレベルの3個のトレースと、最大で10基の装備された坑井1とを有してよい。
【0040】坑井当たり単一の遠隔測定リンクを使用する場合、測定セッションは、活動化信号によって各表面組立体または中央研究所から開始することができる。1日に一度またはオペレータの主導により、測定セッション中に起こった顕著な地震イベントを記録上で見付け、分類し、日誌に記録し、その後測定を再開するために、測定が割り込まれ、以下に説明する規定に従って一連の試験が実施される。
測定構成この動作により、現場の機器構成から測定構成、すなわち、測定セッションの一部になるすべての記録トレース(「測定」トレースと呼ぶ)を選択することができる。
【0041】この段階が完了すると、オペレータは獲得構成を定義することができる。
検出基準の定義この動作によって、オペレータは、微震イベントに対する検出基準と、検出基準が適用されるすべての測定トレースとを定義することができる。したがって、測定トレースのうちのある数のトレース、すなわち、−基準が適用される「検出」トレース、−各基準に対して記録される、記録すべきトレース、および−1つまたは2つ以上のトレース上で検出されたイベントが微小イベントであることを確認または無効化することができるようにする取消しトレースを定義する必要がある。
【0042】微震イベントが検出された場合、イベントを示す時間に記録すべきすべてのトレース上のすべてのデジタル化信号が、日付を付されたうえで獲得用マイクロコンピュータのディスク上に格納される。日誌も更新される。
【0043】定義により、基準とは、所与の期間内の1つまたは2つ以上のトレース上に適用される分析関数である。
【0044】これはたとえば「エネルギー」関数E(Tn、Pld、Sd)である。この関数は、間隔Pld内のトレースTnの信号のrms値を算出し、この結果をしきい値Sdと比較する。しきい値を超えている場合、関数はブール代数のTRUEを返す。逆の場合は、FALSEを返す。rms値は、間隔Pldで算出された連続的な要素を各サンプルから除去することによって算出される。
【0045】これは「振幅」関数A(Tn、Pld、Sd、X)であってもよい。この関数は、間隔Pld内のトレースTnの信号の絶対値を算出し、パラメータとして使用される数Xに対してしきい値Sdを超えた回数を比較する。しきい値を超えている場合、この関数はブール代数のTRUEを返す。逆の場合は、FALSEを返す。
【0046】以下にある数のイベント検出基準をリストし、次にイベント取消し基準をリストし、最後に、雑音の多い検出トレースを禁止できるようにする手順を示す。
記録の制限記憶ディスクの飽和を防止するために、たとえば、1時間に亘るイベントの50%のみを記憶し、1日に亘るイベントの10%のみを記録することを決定してよい。この制限は、破砕時の測定のようなある種の作業の場合は削除してよい。永久的な測定中には、すべてのイベントが規則的な間隔で自動的にバックアップされる(たとえば、24時間おきに光ディスク上にバックアップされる)。このバックアップ手順は、オペレータの要求に応じて実行することもできる。
様々な検出基準単一のトレースTnに適用される基準の原則(図3、図4)
この基準によって、イベントが微震イベントであることを検出することができる。トレースTnの場合、基準は以下のように構成してよい。検出されたイベントは、関数を間隔Pld(検出間隔)に適用した結果がしきい値Sdを超えた場合は微震イベントになる。検出されたイベントにより、この基準に関連する記録すべきすべてのトレースが記録される。この記録手順は、間隔Ple1(前記録間隔)を除く、間隔Pldが開始してから得られたサンプルに対して開始され、間隔Ple2(総記録間隔)を含む。しきい値が検出された場合、間隔Pldは毎回2分の1の間隔だけ進む。
【0047】間隔Plg(グローバルイベント間隔)が終了する前に新しい検出が行われた場合、同じ微震イベントであると考えられる。一方、Plgを越えた新しい検出は別の微震イベントとみなされ、記録される。
【0048】すべての記録されたトレースは、たとえば数十ミリ秒から最長で1秒または2秒以上の範囲のサイズPleを有する。前述の場合は、記録同士が重なり合う。
マルチトレース検出基準の原則(図5)
この種の基準により、イベントが実際に微震イベントであることを比較的厳密に確認することができる。これらの基準が適用されるトレースは、単一の坑井または様々な坑井で得られる。2つのトレースTnおよびTpの場合、基準は以下のように構成してよい。
【0049】検出されたイベントは、グローバル間隔Plgにおいて、間隔Pld内のTnのrms値がしきい値Sdnを超え、間隔Pld内のTpのrms値がしきい値Sdpを超えた場合に微震イベントになる。検出されたイベントにより、この基準に関連する記録すべきすべてのトレースが記録される。この記録手順は、間隔Ple1を除く、間隔Pldnの開始時に得られたサンプルに対して開始され、間隔Ple2を含む。しきい値が検出された場合、間隔Pldは毎回2分の1の間隔だけ進む。
【0050】基準がこの場合も、間隔Plgが終了する前に満たされた場合、同じ微震イベントとみなされる。一方、Plgを越えた新しい検出は別の微震イベントとみなされ、記録される。
【0051】この基準は、2つよりも多くのトレースを対象としてよく、−N個のトレースがグローバル間隔Plg内の基準を満たしている場合、または−検出トレース中のN個のトレースが少なくともグローバル間隔Plg中の基準を満たしている場合にトレースを有効化してよい。
基準タイプおよびパラメータ表示トレースによるパラメータ表示各検出トレースごとに以下のパラメータ、−適用すべき関数EまたはA、−検出しきい値Sd、−禁止しきい値Si、−トレース再活動化しきい値Sr、−しきい値を超えた数X(選択された関数が「振幅」である場合)
が定義されている。
N個の特定の検出トレースに対する基準(基準Ca)
この種の基準は、すべての関数結果間のAND論理演算に相当する、指定されたすべての検出トレース上で実行されたすべての関数の結果が、所与の時間間隔でブール代数のTRUEを返した場合に満たされる。
【0052】この基準(Ca)をパラメータ表現するには、以下のパラメータ、すなわち、−この基準に関係する検出トレースのリスト、−検出限界間隔(Plg)、−検出計算間隔(Pld)、−この基準に関係する記録トレースのリスト、−前記録間隔(Ple1)、および−記録時間(Ple2)が必要である。
【0053】測定セッション中に、オペレータは、様々なパラメータ(Cal、Ca2など)を用いていくつかのタイプのCa基準を定義することができる。
P間のN個の検出トレースに対する基準(基準Cb)
この種の基準は、指定されたすべての検出トレース上で実行された少なくとも1つのN個の関数の結果が、所与の時間間隔でブール代数のTRUEを返した場合に満たされる。
【0054】この基準(Cb)をパラメータ表現するには以下のパラメータ、すなわち、−この基準に関係する検出トレースのリスト、−基準を満たす必要のあるトレースの数、−この基準に関係する記録トレースのリスト、−検出限界間隔(Plg)、−検出計算間隔(Pld)、−前記録間隔(Ple1)、および−記録時間(Ple2)が必要である。
【0055】測定セッション中に、オペレータは、様々なパラメータ(Cbl、Cb2など)を用いていくつかのタイプのCb基準を定義することができる。
単一の検出トレースに対する基準(基準Cc)
この種の基準は、トレースに関連する関数のすべての結果間のOR論理演算に相当する、指定されたトレースのうちの1つのトレース上で実行された関数の結果が、ブール代数のTRUEを返した場合に満たされる。
【0056】この基準(Cc)をパラメータ表現するには、以下のパラメータ、すなわち、−検出トレースの数、−検出限界間隔(Plg)、−検出計算間隔(Pld)、−この基準に関係する記録トレースのリスト、−前記録間隔(Ple1)、および−記録時間(Ple2)が必要である。
【0057】測定セッション中に、オペレータは、様々なパラメータ(Ccl、Cc2など)を用いていくつかのタイプのCc基準を定義することができる。同じパラメータを使用して検出トレースのリストを与えることもできる。
イベント取消し基準(Cs)
検出基準を定義する際、ある数のトレースが取消しトレースとして選択される。これらのトレースは一般に、表面トレースまたは配管トレースである。検出基準が取り消された場合、取消しトレースのみが記録される。この取消し基準は、進行中の作業によって生じた表面雑音を検出するのに用いられる。
【0058】この基準(Cs)をパラメータ表現するには、以下のパラメータ、すなわち、−表面トレース(Ts)または配管トレース(Tb)の数、−検出計算間隔(Plad)、−前取消し間隔(Pla1)(正または負の値)、−総取消し間隔(Pla2)、−前記録間隔(Plea1)、および−記録時間(Plea2)が必要である。
【0059】取消し基準がトリガされた場合、関連する基準の検出は間隔Plea2の間に取り消される。
トレース禁止・再活動化基準(Ci)(図6)
この基準によって、雑音が過度に多い検出トレースを再活動化することができる。
【0060】いずれの場合も、ある検出トレース上のイベント検出がPli(禁止間隔)よりも長い間隔に亘るものである場合、このトレースはもはや検出基準では考慮されない。このトレースは、そのrms値が間隔Plr(再活動化間隔)の間再活動化しきい値(Sr)よりも小さかった場合に再び有効化される。この原則により、孤立した地震データ獲得や規則的に行われた同じ種類のデータ獲得のような他の目的に震源を一時的に使用した結果としての非地震イベント、場合によっては連続的な地震イベントを無くすことができる。
【0061】禁止されたトレースは検出トレースのリストから削除される。トレースがタイプCa(AND)基準の一部である場合、そのトレースのトリガは依然としてTRUEとみなされる。
【0062】検出トレースの例:自然雑音レベルが2μVeffである場合、−100ms検出間隔(Pld)、−4μVeff検出しきい値(Si)、−2秒禁止間隔(Pli)、−2秒再活動化間隔(Plr)、−基準(Sr)においてトレースを再活動化するための3μVeff再活動化しきい値を使用することができる。
【0063】この基準(Ci)をパラメータ表現するには以下のパラメータ、すなわち、−この原則に従うトレースの数、−禁止間隔(Pli)、−再活動化間隔(Plr)が必要である。
【0064】禁止しきい値および再活動化しきい値とは各検出トレースのしきい値SiおよびSrである。
【0065】地震データまたは微震データの処理への適用に関して本発明の方法を説明した。この方法をより一般的に、波動信号または音響信号の処理に適用できることは明らかである。
【出願人】 【識別番号】591007826
【氏名又は名称】アンスティテュ フランセ デュ ペトロール
【氏名又は名称原語表記】INSTITUT FRANCAIS DU PETROL
【出願日】 平成14年10月4日(2002.10.4)
【代理人】 【識別番号】100088328
【弁理士】
【氏名又は名称】金田 暢之 (外2名)
【公開番号】 特開2003−185757(P2003−185757A)
【公開日】 平成15年7月3日(2003.7.3)
【出願番号】 特願2002−292322(P2002−292322)