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【発明の名称】 土砂内における金属製危険物探知装置
【発明者】 【氏名】池田 省三
【住所又は居所】栃木県那須郡西那須野町四区町1534−1 五洋建設株式会社技術研究所内

【氏名】井上 茂
【住所又は居所】宮城県仙台市青葉区二日町16−20 五洋建設株式会社東北支店内

【要約】 【課題】作業者に対してより安全な状態で、大量の土砂に対する爆発物検出が迅速に行われ、施工能力を低下させないで、浚渫や掘削及び埋め立て作業を可能ならしめる。

【解決手段】土砂を流下させる管路4に備えた非金属筒部4aの外周に、リング状をした金属探知センサー5を、その非金属筒部4aと同心配置に設置し、その金属探知センサー5によって、管路4内を流下する土砂内の金属製危険物を探知する。金属探知器にはパルスインダクション方式のものを使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】土砂を流下させる管路を備え、該管路の一部に非金属材料をもって形成した非金属筒部を備え、該非金属筒部の外周に、リング状をした金属探知センサーを、該非金属筒部と同心配置に設置し、該金属探知センサーによって、前記管路内を流下する土砂内の金属製危険物を探知するようにしてなる土砂内における金属製危険物探知装置。
【請求項2】パルスインダクション方式の金属探知器を使用し、該金属探知器の電磁パルス送受信コイルをリング状に成形して金属探知センサーとしてなる請求項1に記載の土砂内における金属製危険物探知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として火薬が装填されたままの砲弾等の爆発する危険性のある金属製危険物が存在する水底地盤を浚渫し、又は陸上地盤を掘削し、その土砂による埋め立て工事を行う際に、土砂中の金属製危険物の除去を目的としてこれを探知する土砂内における金属製危険物探知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、火薬が装填されたままの不発砲弾等の爆発物が存在する可能性がある水域の水底地盤浚渫に際しては、その施工区域に対して予め、船上からの作業又は水底における潜水士による作業によって探査を行っていた。
【0003】探査には、地中の磁気の乱れを検出する磁気探査器や、発振器から高エネルギーの電磁パルスを発信させ、これによって金属内部に生じる渦電流を検出し増幅する所謂金属探知器が使用されている。
【0004】これらは何れもリング状をしたセンサーを地表面と平行にして、作業者による手作業又は機械を使用して移動させることによって検知させるようにしている。
【0005】一方、浚渫した土砂内に混入している金属物質探知方法として、ベルトコンベアの上方に磁気探知センサーを設置し、ベルトコンベア上を送られる土砂に対する磁気探査を行うことによって金属物質を検出しようとしたものも開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の磁気探査器を使用する方法では、強磁性材料の検出には有効であるが、不発の砲弾や銃弾の薬きょうは真鍮製のものが多く、この場合には磁気が鉄に比べてかなり低い。
【0007】また、海底面から深い位置に砲弾類がある場合、検知磁気が弱いため探査が不完全となり、浚渫に際して作業者が危険にさらされる場合があった。
【0008】更に、浚渫土砂を土砂篩にかけて夾雑物を取り除き、埋め立て土砂とする場合には、土砂篩に爆発物が激しく衝突し、爆発する事態も考えられ、危険な作業となる場合がある。
【0009】また、土砂をベルトコンベアにて搬送する途中に磁気探査センサーを設置した従来の装置では、ベルトコンベアが鉄材であるため、上述した金属探知器が使用できず、従って真鍮製の薬きょう等の非鉄金属からなる爆発物の検出ができなかった。
【0010】このような各種の事情から、爆発物が存在している可能性のある水底地盤の浚渫やその他の地盤掘削、及びその土砂による埋め立て作業には、最新の注意を払う必要が生じ、施工能力を著しく低下させざるを得なかった。
【0011】本発明はこのような従来の問題に鑑み、浚渫や地盤掘削による土砂中の爆発物を、作業者に対してより安全な状態で、完全に検出することができ、かつ大量の土砂に対する爆発物検出が迅速に行われ、施工能力を低下させないで、浚渫や掘削及び埋め立て作業を可能ならしめる土砂内における金属製危険物探知装置の提供を目的としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の如き従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための本発明の特徴は、土砂を流下させる管路を備え、該管路の一部に非金属材料をもって形成した非金属筒部を備え、該非金属筒部の外周に、リング状をした金属探知センサーを、該非金属筒部と同心配置に設置し、該金属探知センサーによって、前記管路内を流下する土砂内の金属製危険物を探知するようにしてなる土砂内における金属製危険物探知装置にある。
【0013】尚、金属探知器にはパルスインダクション方式のものを使用し、該金属探知器の電磁パルス送受信コイルをリング状に成形して金属探知センサーとすることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面について説明する。
【0015】図1は本発明にかかる金属製危険物探知装置の全体の概略を示している。図において符号1は、浚渫土や掘削土等の土砂を、グラブバケット2等の揚土手段をもって投入するホッパーである。このホッパー1内には、間隔が200mm程度の目皿3が設置されている。この目皿によって極大型の夾雑物や土塊を除去し、後述する管路4の詰まりを防止するようにしている。
【0016】ホッパー1の出口には傾斜した管路4が連通されている。この管路4は、ホッパー1内に投入された土砂が、自然落下速度より遅い速度でスムーズに流下されるように傾斜が付けられている。
【0017】管路4は、その一部が所定の長さだけ、非金属筒材をもって構成した非金属筒部4aを有している。この非金属筒部4aの外周にリング状をしたコイルからなる金属探知センサー5が、該非金属筒部4aと同心配置に設置されている。この金属探知センサー5の内径は、非金属筒部4aの外形より大きく形成され、非金属筒部4aの外周面から一定間隔を隔てて設置されている。
【0018】金属探知センサー5は、所謂パルスインダクション方式による金属探知を行う増幅器6に接続されて金属探知器を構成している。この金属探知器は、金属探知センサー5を、高エネルギー電磁気をパルス状に発信させる発振アンテナであると同時に、各パルス間の電磁気無発信時には受信アンテナとなるようにしている。そして、これから発信した高エネルギー電磁気が、導電性金属物体を貫通すると、該金属物体内に磁場が発生し、この磁場によって金属物体内に渦電流が流れ、この渦電流に誘導されて、更にもう1つの磁場が生じる。この磁場を受信アンテナとして作用している金属探知センサー5が捉え、これを増幅して、探知信号を発するようになっている。
【0019】尚、図中7は、管路4の下端から排出される土砂を上面に受けて搬送するベルトコンベアである。
【0020】この例の金属製危険物の探知装置は、管路4の非金属筒部4aの前述した金属探知センサー5内を、金属物質を含む土砂が通過すると、該センサー5がこれを検知し、増幅器6で増幅し、警報を発するとともに、金属物質が検出された位置の土砂がベルトコンベア7に載せられた状態でこれを停止させる。然る後、ベルトコンベア7上の土砂を静かに検査し、爆発物である場合に、然るべき爆発物処理を行う。
【0021】次に、上述した金属製危険物の探知装置に使用する金属探知センサーの検出範囲に関する試験について説明する。
【0022】1.使用金属探知センサーループセンサー: 直径80cm電 源 : AC100V(50〜60Hz)
【0023】2.試験資料試験資料として、第1表に示すNo.1〜No.4の4種類を用意した。
【0024】第1表
【0025】3.センサー検出範囲確認試験試験方法図2に示すように、金属探知センサーaの中心線方向をx軸とするとともに、該センサーaの直径方向をy軸とした一辺が140cmの平面c上に、試験資料bを置き、各座標位置におけるセンサーaによる検出レベル(mV )を測定した。
【0026】試験結果結果は、第2表の如くであった。第2表は試料No.2について行った試験の結果である。
【0027】第2表
【0028】結果を等高線グラフで表すと図3に示す如くとなった。
【0029】この結果から、センサーaの内部であれば、最低50mV以上の出力が検出されることが判明した。
【0030】4.移動速度及び移動速度を変えた場合の検出試験試験方法図4に示すように、60cmの塩化ビニル製のパイプdを流路とし、その外周に、これと同心配置にセンサーaを固定し、発泡スチロールからなる資料支持体eに資料bを固定し、これを可変定速牽引ウインチfによって移動させ、センサーaによる検出レベルを測定した。
【0031】資料bの位置をセンサーaからの距離を40cmとし、移動速度を0.5(m/s)〜1.5(m/s)に変化させ、それぞれの検出レベルを測定した。
【0032】試験結果結果は、第3表に示す如くであった。尚、第3表中の各電流値は、各試料の各移動速度(0.5m/s、1m/s、1.5m/s)における検出レベルを示している。
【0033】第3表
この結果をグラフに表すと第5図の如くである。
【0034】この結果から、資料No.2、即ち真鍮製の直径20mm、長さ200mmの薬きょうに似せた資料が、どの位置であっても充分に検出できることが判明した。
【0035】
【発明の効果】上述のように、本発明に係る土砂内における金属製危険物探知装置は、浚渫した土砂を流下させる管路に備えた非金属筒部の外周に、リング状をした金属探知センサーを、該非金属筒部と同心配置に設置し、該金属探知センサーによって、前記管路内を流下する土砂内の金属製危険物を探知するようにしたことにより、大口径の管路内を連続して大量の土砂を流下させる場合であっても、その流下中に真鍮その他の金属を的確に検出することができ、火薬が装填されたままの砲弾や銃弾などの爆発物の探査が、作業効率を低下させることなく遠隔的に操作によって安全に行うことができることとなったものである。
【出願人】 【識別番号】000166627
【氏名又は名称】五洋建設株式会社
【住所又は居所】東京都文京区後楽2丁目2番8号
【出願日】 平成13年11月27日(2001.11.27)
【代理人】 【識別番号】100089886
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 雅雄
【公開番号】 特開2003−161785(P2003−161785A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2001−360883(P2001−360883)