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【発明の名称】 地震被害予測システムの被害推定方法
【発明者】 【氏名】丹羽 博志
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】片山 洋
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】藤本 滋
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】相田 安彦
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区浮島町2番1号 株式会社東芝浜川崎工場内

【氏名】中島 政隆
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【氏名】礒 敦夫
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株式会社東芝横浜事業所内

【要約】 【課題】解析モデルを使用することなく、小地域などの限定された地域の地震被害や影響を、その地域に設置された観測手段の観測情報から短時間で地震被害を推定できる地震被害予測システムの被害推定方法を提供することである。

【解決手段】観測された地震データを構造物の応答に影響する周波数帯域(固有振動数帯域)のみとなるようにフィルタ処理した後に、その最大値によって被害状況を推定する。また、入力エネルギを評価することで構造物の被害推定を行う。さらに、構造物の振動特性に着目して地震時の変化を捉えることによって被害推定する。これにより、構造物の解析モデルを用いることなく迅速に構造物の被害推定が行える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、構造物の固有振動数に対応したフィルタ条件で前記地震動データをフィルタ処理し、フィルタ処理した地震動データの最大値に基づいて前記構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知することを特徴とする地震被害予測システムの被害推定方法。
【請求項2】 地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、地震動検知時に観測された地震動データに基づいて地震による構造物への入力エネルギを計算し、計算した入力エネルギとあらかじめ各構造物に対して設定した破壊に至るまでの限界エネルギと比較することによって構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知することを特徴とする地震被害予測システムの被害推定方法。
【請求項3】 地表面に設置され地表面の地震動を観測する第1の観測手段と、構造物に設置され構造物の地震動を観測する第2の観測手段と、第1の観測手段および第2の観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データおよび構造物の地震動データを収集して保存し、地震動検知時に観測された構造物の地震動データの応答から構造物の固有振動数や減衰比を求め、健全時の構造物の固有振動数および減衰比とを比較し、その変化を評価することによって構造物の被害状況を推定することを特徴とする地震被害予測システムの被害推定方法。
【請求項4】 大地震が発生した後の余震による地表面の地震動データおよび構造物の地震動データを収集して保存し、余震時に観測された構造物の地震動データの応答から構造物の固有振動数や減衰比を求め、直近の大地震により同定された構造物の固有振動数および減衰比とを比較し、その変化を評価することによって構造物の被害状況を推定することを特徴とする請求項3に記載の地震被害予測システムの被害推定方法。
【請求項5】 観測された地震時の地表面の地震動データに対する構造物の地震動データから構造物の伝達関数を求め、その伝達関数から構造物の固有振動数や減衰を同定することを特徴とする請求項3または4に記載の地震被害予測システムの被害推定方法。
【請求項6】 複数個の第1の観測手段および第2の観測手段で観測された地震動データ間の時刻差を修正して保存することをと特徴とする請求項3ないし5のいずれか1項に記載の地震被害予測システムの被害推定方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震発生時の地震動による影響を推定評価し対応を支援する防災システムである地震被害予測システムの被害推定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地震発生時の地震動による影響を推定評価し、その地震動の対応を支援する防災システムとして地震被害予測システムがある。この地震被害予測システムでは、観測手段としての地震計を地表面に設置し、その地震計により観測された地震動を計算機に入力して、計算機により構造物の地震被害を推定するようにしている。
【0003】この場合、計算機では、あらかじめ構造物をモデル化した上で、観測された振動波形をそのモデルに入力し、応答計算を行い許容値と比較することにより地震被害を推定することが行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような地震被害推定方法では応答計算に時間がかかるので、地震後即時の被害推定に支障をきたす恐れがある。また、構造物のモデル化に大きな手間を要したり、モデル化が出来たとしても、その精度が悪い場合には実情と異なった被害推定を行う恐れがある。
【0005】このように、従来の地震被害予測推定システムの被害推定方法においては、被害推定結果の出力に時間を要したり、一般の住宅、オフィスビル、工場などのように耐震解析モデルの無い構造物については新たに解析モデルを作成する手間を必要としている。
【0006】本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであり、構造物の解析モデルを必要とせず、小地域などの限定された地域の地震被害や影響を、その地域に設置された地震計の観測情報から短時間で評価できる地震被害予測システムの被害推定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、構造物の固有振動数に対応したフィルタ条件で前記地震動データをフィルタ処理し、フィルタ処理した地震動データの最大値に基づいて前記構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知することを特徴とする。
【0008】請求項2の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、地表面に設置され地震動を観測する観測手段と、前記観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データを収集して保存し、地震動検知時に観測された地震動データに基づいて地震による構造物への入力エネルギを計算し、計算した入力エネルギとあらかじめ各構造物に対して設定した破壊に至るまでの限界エネルギと比較することによって構造物の被害状況を推定し、その被害推定結果を管理者に通知することを特徴とする。
【0009】請求項3の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、地表面に設置され地表面の地震動を観測する第1の観測手段と、構造物に設置され構造物の地震動を観測する第2の観測手段と、第1の観測手段および第2の観測手段で観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機とを有した地震被害予測システムにより、構造物の地震被害を推定する地震被害予測システムの被害推定方法において、地震動検知時に観測された地震動データおよび構造物の地震動データを収集して保存し、地震動検知時に観測された構造物の地震動データの応答から構造物の固有振動数や減衰比を求め、健全時の構造物の固有振動数および減衰比とを比較し、その変化を評価することによって構造物の被害状況を推定することを特徴とする。
【0010】請求項4の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、請求項3の発明において、大地震が発生した後の余震による地表面の地震動データおよび構造物の地震動データを収集して保存し、余震時に観測された構造物の地震動データの応答から構造物の固有振動数や減衰比を求め、直近の大地震により同定された構造物の固有振動数および減衰比とを比較し、その変化を評価することによって構造物の被害状況を推定することを特徴とする。
【0011】請求項5の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、請求項3または4の発明において、観測された地震時の地表面の地震動データに対する構造物の地震動データから構造物の伝達関数を求め、その伝達関数から構造物の固有振動数や減衰を同定することを特徴とする。
【0012】請求項6の発明に係る地震被害予測システムの被害推定方法は、請求項3ないし5のいずれか1項の発明において、複数個の第1の観測手段および第2の観測手段で観測された地震動データ間の時刻差を修正して保存することをと特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図であり、図2は第1の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法を実現するための地震被害予測システムのハードウエア構成図である。
【0014】図2に示すように、構造物(建家)4の敷地1内の地表面に、地震動の観測手段2として地震計が一台設置されており、観測手段の出力は計算機3に取り込めるように有線もしくは無線により接続されている。地震が発生すると観測手段2が信号を出力し、計算機3に振動波形が収録される。計算機3は収録した振動波形を基に各種の計算を行い、対象とする構造物の被害を計算してその結果を表示し管理者に伝える。
【0015】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図である。観測手段2により地震動が観測されると(S1)、地表面の振動波形が収集され(S2)、計算機3に収録される(S3)。まず、被害推定を行う第一の構造物4が選択され(S4)、その構造物4の固有振動数f0がデータベース5より呼び出され、この固有振動数f0に対応したフィルタ条件が選択される(S5)。
【0016】そして、観測された地表面の振動波形にフィルタ処理を行い(S6)、フィルタ処理された振動波形の最大値を抽出し(S7)、その最大値と構造物の減衰値とから構造物の応答値を推定する(S8)。そして、データベース5の許容値f1と比較することにより(S9)、構造物の被害を推定する(S10)。
【0017】被害推定すべき構造物が他にもある場合はこの作業を繰り返す(S11)。すべての構造物について被害推定を終了したら、その結果を表示して管理者に通知し(S12)、処理を終了する。
【0018】このように、第1の実施の形態では、地震動を観測する観測手段2と、観測した地震動データを収集し保存すると共に観測データを分析処理し表示する計算機3とを有し、計算機3は、地震動検知時に観測された応答データを適正にフィルタ処理し、その最大値により構造物の被害状況を推定し管理者に通知する。従って、構造物のモデルを必要とせず、しかも短時間で地震被害を推定できる。
【0019】次に本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係る地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図である。なお、第2の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法を実現するための地震被害予測システムのハードウエア構成は、図2に示した地震被害予測システムのハードウエア構成と同一である。
【0020】観測手段2により地震動が観測されると(S1)、地表面の振動波形が取り出され(S2)、計算機3に収録される(S3)。次に、収録された地表面の振動波形により構造物4に加えられる入力エネルギスペクトルを計算する(S4)。この入力エネルギは、たとえば1自由度振動系を考えることにより、次のように求めることができる。
【0021】
【数1】

ここで、Ei:入力エネルギy:質点の相対変位z:地動変位m:質点の質量c:粘性減衰係数k:ばね定数(1)式の質点の質量m、ばね定数kを適当に変化させることにより、1自由度系の固有振動数f0iを変化させ、各固有振動数f01〜f0nに対応する入力エネルギーを(1)式を用いて求めて横軸を固有振動数、縦軸を入力エネルギとして整理して入力エネルギースペクトルを計算する。
【0022】そして、被害推定を行う第一の構造物4が選択されると(S5)、その構造物4の固有振動数f0がデータベース5より呼び出され、入力エネルギースペクトルの固有振動数f0に対応する入力エネルギEiが選択される(S6)。また、データベース5より第一の構造物の許容限界エネルギE1が呼び出され、入力エネルギースペクトルの固有振動数f0に対応する入力エネルギEiと許容限界エネルギE1とが比較されることにより(S7)、構造物の被害推定を行う(S8)。被害推定すべき構造物が他にもある場合はこの作業を繰り返す(S9)。すべての構造物について被害推定を終了したら、その結果を表示して管理者に通知し(S10)、処理を終了する。
【0023】この第2の実施の形態では、地震動を観測する観測手段2と、観測した地震動データを収集し保存すると共に観測データを分析処理し表示する計算機3とを有し、地震動検知時に観測された地震動から地震による構造物への入力エネルギを計算し、あらかじめ各構造物に対して設定した破壊に至るまでの限界エネルギと比較することによって構造物の被害状況を推定し管理者に通知する。従って、構造物のモデルを用いることなく迅速に構造物の被害推定が行える。また、構造物の地震動データから構造物の固有振動数や減衰比を求めるので、より精度が向上する。
【0024】次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図であり、図5は第3の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法を実現するための地震被害予測システムのハードウエア構成図である。
【0025】図5において、構造物(建家)4の敷地1内の地表面に第1の観測手段2aとしての地震計が一台設置されており、また、構造物4の上部に第2の観測手段2bとしての地震計が各構造物4にそれぞれ一台ずつ設置されている。第1の観測手段2a、および第2の観測手段2bの出力は計算機3に取り込めるように有線もしくは無線により接続されている。地震が発生すると地震計2a、2bが信号を出力し、計算機3に振動波形が収録される。計算機3は収録した振動波形を基に各種の計算を行い、対象とする構造物4の被害を計算して表示し管理者に伝えるようになっている。
【0026】図4は本発明の第1の実施の形態に係る地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図である。観測手段2a、2bにより地震動が観測されると(S1)、地震動が観測されると地表面の振動波形および構造物4の振動波形が収集され(S2)、計算機3に収録される(S3)。この場合、地表面の振動波形と構造物4の振動波形とは、観測データ間の時刻の差を修正された上で計算機3に収録される。
【0027】次に、収録された地表面の振動波形に対する被害推定の対象である構造物4の振動波形を取り出し(S4)、その構造物4の伝達関数を計算する(S5)。そして、計算機3内部に組み込まれた振動特性同定ルーチンを呼び出し(S6)、この振動特性同定ルーチンにより、ステップS5で計算した伝達関数に基づいてその構造物4の固有振動数f1および減衰比γ1が計算される(S7)。
【0028】計算された固有振動数f1と減衰比γ1は、データベース5に蓄積されたその構造物の固有振動数f0と減衰比γ0とそれぞれ比較される(S8)。両者にあらかじめ設定したばらつきdより大きな差があるかどうかで構造物4の被害を推定する(S9)。
【0029】被害推定すべき構造物が他にもある場合はこの作業を繰り返す(S10)。すべての構造物4について被害推定を終了したら、その結果を表示して管理者に通知し(S11)、処理を終了する。また、観測された地震から同定された固有振動数f1と減衰比γ1はデータベース5に新たなデータとして蓄積され、各構造物4の振動特性のばらつきdを更新する。
【0030】この第3の実施の形態では、地表面に設置され地表面の地震動を観測する第1の観測手段2aと、構造物4に設置され構造物4の地震動を観測する第2の観測手段2bと、第1の観測手段2aおよび第2の観測手段2bで観測した地震動データを収集して保存すると共に地震動データを分析処理し分析結果を表示する計算機3とを有し地震動検知時に観測された構造物4の応答から固有振動数f1や減衰比γ1を求め、健全時のそれらを比較し、その変化を評価することによって構造物4の被害状況を推定する。従って、構造物の地震動データから構造物の固有振動数f1や減衰比γ1を求めることができるので、より被害状況の推定の精度が向上する。
【0031】次に本発明の第4の実施の形態を説明する。図6は、本発明の第4の実施の形態に係る地震被害予測システムの被害推定方法の動作ステップを示す流れ図である。なお、第4の実施の形態に係わる地震被害予測システムの被害推定方法を実現するための地震被害予測システムのハードウエア構成は、図5に示した地震被害予測システムのハードウエア構成と同一である。
【0032】一般に大地震の後には余震が続くことが多い。
【0033】大地震が観測手段2a、2bにより地震動が観測されると(S1)、地震動が観測されると地表面の振動波形および構造物4の振動波形が収集され(S2)、計算機3に収録される(S3)。この場合、地表面の振動波形と構造物4の振動波形とは、観測データ間の時刻の差を修正された上で計算機3に収録される。
【0034】次に、収録された地表面の振動波形に対する被害推定の対象である構造物4の振動波形を取り出し(S4)、その構造物4の伝達関数を計算する(S5)。そして、計算機3内部に組み込まれた振動特性同定ルーチンを呼び出し(S6)、この振動特性同定ルーチンにより、ステップS5で計算した伝達関数に基づいてその構造物4の固有振動数f1および減衰比γ1が計算される(S7)。計算された固有振動数f1と減衰比γ1はデータベース5に蓄積される(S8)。被害推定すべき構造物が他にもある場合はこの作業を繰り返す(S9)。
【0035】その後に引き続き発生する余震が観測されると(S10)、余震時における地表面の振動波形と構造物4の振動波形とが収集され(S11)、計算機3に収録される(S12)。次に、収録された余震時における地表面の振動波形に対する余震時における構造物4の振動波形が取り出され(S13)、その構造物4の伝達関数が計算される(14)。
【0036】そして、計算機3内部に組み込まれた振動特性同定ルーチンを呼び出し(S15)、この振動特性同定ルーチンにより、ステップS14で計算した伝達関数に基づいてその構造物4の固有振動数f11および減衰比γ11が計算される(S16)。ここで、計算された固有振動数f11と減衰比γ11は、ステップS8でデータベース5に蓄積された直近の大地震により同定された固有振動数f1と減衰比γ1と比較され(S17)、これによって、その構造物4の被害状況を推定する(S18)。
【0037】被害推定すべき構造物が他にもある場合はこの作業を繰り返す(S19)。すべての構造物4について被害推定を終了したら、その結果を表示して管理者に通知し(S20)、処理を終了する。
【0038】一般に大地震時に構造物は損傷するが、観測される振動特性は損傷の生ずる前の振動特性を示すことが多い。それに対して、大地震により損傷を受けた後に発生する余震時には振動特性が変化する。この第4の実施の形態では、あらかじめ構造物の振動特性を記録し、大地震が発生した後の余震による構造物の地震応答を記録し、その地震応答を分析することによって振動特性を把握する。そして、大地震が発生したときの振動応答と余震時の振動応答とを比較することによって構造物の地震被害予測を行う。従って、余震による被害状況がより精度良く推定できる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、小地域などの限定された地域の地震被害や影響を、その地域に設置された地震計の観測情報から短時間で評価することができる。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【住所又は居所】東京都港区芝浦一丁目1番1号
【出願日】 平成13年11月28日(2001.11.28)
【代理人】 【識別番号】100100516
【弁理士】
【氏名又は名称】三谷 惠
【公開番号】 特開2003−161783(P2003−161783A)
【公開日】 平成15年6月6日(2003.6.6)
【出願番号】 特願2001−362446(P2001−362446)