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【発明の名称】 電磁波を用いた物体検知装置
【発明者】 【氏名】冨永 雅敏
【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

【氏名】森下 慶一
【住所又は居所】兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内

【要約】 【課題】フェージングの影響を回避し、もって、物体の形状および材質を精度良く把握すること。

【解決手段】本発明の電磁波を用いた物体検知装置は、電磁波を物体23に向けて発信するとともに、発信された電磁波が物体23に反射して物体23側から戻った反射波を受信する複数の電磁波送受信機1(#a、#b)と、各電磁波送受信機1(#a、#b)によって受信された反射波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて物体23の形状および材質を把握するデータ処理装置22とを備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電磁波を被検知物体に向けて発信するとともに、前記発信された電磁波が前記被検知物体に反射して前記被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波送受信機と、前記各電磁波送受信機によって受信された反射波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項2】 電磁波を被検知物体に向けて発信する電磁波発信機と、前記被検知物体の周りを取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置され、前記電磁波発信機によって発信された電磁波が前記被検知物体に反射して前記被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波受信機と、前記各電磁波受信機によって受信された反射波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項3】 電磁波を被検知物体に向けて発信し、前記被検知物体によって反射された電磁波に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、前記電磁波を発信する電磁波発信機と、前記電磁波発信機によって発信された電磁波を、任意の方向に散乱させる散乱手段と、前記散乱手段によって散乱され、更に前記被検知物体によって反射された前記電磁波を受信する電磁波受信機と、前記電磁波受信機によって受信された電磁波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項4】 電磁波を被検知物体に向けて発信し、前記被検知物体によって反射された電磁波に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、前記電磁波を発信する電磁波発信機と、前記電磁波発信機によって発信された電磁波を任意の一方向に反射する反射体として作用し、自転することによって前記方向が変化するミラーボールと、前記ミラーボールによって反射され、更に前記被検知物体によって反射された前記電磁波を受信する電磁波受信機と、前記電磁波受信機によって受信された電磁波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項5】 電磁波を被検知物体に向けて発信し、前記被検知物体によって反射された電磁波に基づいて前記被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、前記被検知物体の周りを取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置され、電磁波を前記被検知物体に向けて発信するとともに、前記発信された電磁波が前記被検知物体に反射して前記被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波送受信機と、前記各電磁波送受信機によって受信された各反射波の強度に基づいて前記被検知物体の表面各面における形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えたことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項6】 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の電磁波を用いた物体検知装置において、前記電磁波は、スペクトル分布を持つ変調波、または周波数掃引された単一周波数のミリ波、または複数周波数を有するミリ波であることを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の電磁波を用いた物体検知装置において、前記被検知物体が配置された部屋の壁、または床、または天井、または他の物体のいずれかによって反射された前記電磁波を吸収する電磁波吸収体を、前記壁、床、天井、および他の物体のうちの少なくともいずれかの近傍に配置したことを特徴とする電磁波を用いた物体検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁波を用いた物体検知装置に係り、更に詳しくは、例えばミリ波のような電波を物体に向けて発信し、物体に反射して戻ってくる電波の強度により物体の形状や材質を検知する電磁波を用いた物体検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】物体は、ミリ波のような電磁波を受けるとその電磁波を反射するという特性を有している。この反射特性は、物体の形状や材質に依存するので、反射した電磁波をデータ処理することによって、物体の有無、物体の形状、あるいは物体の材質を把握する物体検知装置が適用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の電磁波を用いた物体検知装置では、以下のような問題がある。
【0004】すなわち、図7にその概念を示すように、ミリ波送受信機21から物体23に向けて単一周波数のミリ波CW(Carrier Wave)を送信し、物体23に反射して戻る反射ミリ波CW’をミリ波送受信機21で受信し、受信した反射ミリ波CW’の強度に基づくデータ処理をデータ処理装置22において行うことによって、物体23の形状および材質等を検知するミリ波検知装置の場合、ミリ波送受信機21から送信されたミリ波CWの一部のミリ波CWが、例えば図中点線で示すように壁、床等の障害物25との反射を経て反射ミリ波CW’となりミリ波送受信機21によって受信される。
【0005】これによって、反射ミリ波CW’と反射ミリ波CW’とが干渉し、フェージングが発生するために、データ処理装置22は、正しいデータ処理を行うことができず、物体を正しく検知することができないという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、フェージングの影響を回避し、もって、物体の形状および材質を精度良く把握することが可能な電磁波を用いた物体検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0008】すなわち、請求項1の発明の電磁波を用いた物体検知装置は、電磁波を被検知物体側に向けて発信するとともに、発信された電磁波が被検知物体に反射して被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波送受信機と、各電磁波送受信機によって受信された反射波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えている。
【0009】請求項2の発明の電磁波を用いた物体検知装置は、電磁波を被検知物体側に向けて発信する電磁波発信機と、被検知物体の周りを取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置され、電磁波発信機によって発信された電磁波が被検知物体に反射して被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波受信機と、各電磁波受信機によって受信された反射波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えている。
【0010】請求項3の発明は、電磁波を被検知物体に向けて発信し、被検知物体によって反射された電磁波に基づいて被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、電磁波を発信する電磁波発信機と、電磁波発信機によって発信された電磁波を、任意の方向に散乱させる散乱手段と、散乱手段によって散乱され、更に被検知物体によって反射された電磁波を受信する電磁波受信機と、電磁波受信機によって受信された電磁波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えている。
【0011】請求項4の発明は、電磁波を被検知物体に向けて発信し、被検知物体によって反射された電磁波に基づいて被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、電磁波を発信する電磁波発信機と、電磁波発信機によって発信された電磁波を任意の一方向に反射する反射体として作用し、自転することによって方向が順次切り替わるミラーボールと、ミラーボールによって反射され、更に被検知物体によって反射された電磁波を受信する電磁波受信機と、電磁波受信機によって受信された電磁波についてデータ処理を行い、この結果に基づいて被検知物体の形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えている。
【0012】請求項5の発明は、電磁波を被検知物体に向けて発信し、被検知物体によって反射された電磁波に基づいて被検知物体の形状および材質を把握する物体検知装置であって、被検知物体の周りを取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置され、電磁波を被検知物体側に向けて発信するとともに、発信された電磁波が被検知物体に反射して被検知物体側から戻った反射波を受信する複数の電磁波送受信機と、各電磁波送受信機によって受信された各反射波の強度に基づいて被検知物体の表面各面における形状および材質を把握するデータ処理手段とを備えている。
【0013】請求項6の発明では、請求項1乃至5のうちいずれか1項の発明の電磁波を用いた物体検知装置において、電磁波は、スペクトル分布を持つ変調波、または周波数掃引された単一周波数のミリ波、または複数周波数を有するミリ波である。
【0014】請求項7の発明では、請求項1乃至6のうちいずれか1項の発明の電磁波を用いた物体検知装置において、被検知物体が配置された部屋の壁、または床、または天井、または他の物体のいずれかによって反射された電磁波を吸収する電磁波吸収体を、壁、床、天井、および他の物体のうちの少なくともいずれかの近傍に配置する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】なお、以下の各実施の形態の説明に用いる図中の符号は、図7と同一部分については同一符号を付して示すことにする。
【0017】(第1の実施の形態)第1の実施の形態を図1から図3を用いて説明する。
【0018】図1は、第1の実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置の構成概念図である。
【0019】すなわち、本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、2つの電磁波送受信機1(#a,#b)と、データ処理装置22とを備えている。
【0020】各電磁波送受信機1(#a,#b)ともに、広範囲なスペクトル分布を持つ変調波、または周波数掃引された単一周波数のミリ波、または複数の周波数を有するミリ波を、検出する物体23に向けて発信する。そして、発信した電磁波が物体23に反射し、物体23側から戻ってきた反射波を受信し、データ処理装置22に出力する。
【0021】データ処理装置22は、各電磁波送受信機1(#a,#b)から出力された反射波をデータ処理することによって、物体23の有無、物体23の形状、更に物体23の材質を把握する。
【0022】仮に、図1に示すような構成において、電磁波送受信機1(#a)と、電磁波送受信機1(#b)との何れもが、物体23に対向して単一周波数の電磁波EWを送信し、この反射電磁波EW’の受信を行う場合、電磁波送受信機1(#a)が、電磁波EWを送信すると、図2に示すように、電磁波送受信機1(#a)は、物体23で反射した中心ビームの反射電磁波EW’のみを受信する。
【0023】また仮に、電磁波送受信機1(#b)が単一周波数の電磁波EWを送信すると、図3(a)に示すように、電磁波送受信機1(#b)は、物体23で反射した中心ビームの反射電磁波EW’と、地上等の反射物26で反射した反射波EW’との合成波(EW’+EW’)を受信する。この合成波(EW’+EW’)は、周波数に依存して強め合うことも弱め合うこともあるため、本来同一であるはずの電磁波送受信機1(#a)で受信する電磁波強度と、電磁波送受信機1(#b)で受信する電磁波強度とは異なり、物体23の形状および材質等の状況を正確に把握することが出来ない。
【0024】しかしながら、本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置における電磁波送受信機1(#a,#b)では、広範囲なスペクトル分布を持つ変調波、または周波数掃引された単一周波数のミリ波、または複数の周波数を有するミリ波を、検出する物体23に向けて発信する。これによって、電磁波送受信機1(#b)で受信する反射波は、周波数に依存して強弱を持つことになるが、受信する反射波を平均化させることにより、この平均値は電磁波送受信機1(#a)で受信する直接波のみの反射波EW’の強度と一致する。
【0025】したがって、データ処理装置22は、この反射波EW’をデータ処理することによって、物体23の有無、物体23の形状、あるいは物体23の材質を精度良く把握する。
【0026】本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、以上のような構成をしているので、物体23に反射して戻った反射波EW’に基づいてデータ処理することができるので、フェージングの影響を受けることなく、物体23の有無、物体23の形状、あるいは物体23の材質を精度良く把握することが可能となる。
【0027】なお、電磁波送受信機1を1つのみ備えた構成であっても、周辺環境に応じてフェージングの影響で受信電力が変動する。したがって、受信電力を一定に保つために、送信する電磁波を、広帯域にスペクトル分布を持つ変調波、または周波数掃引された単一周波数のミリ波、または複数の周波数を有するミリ波とすることが有効である。
【0028】なお、図3(b)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電磁波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置することにより、フェージングの影響を低減化することも可能である。
【0029】(第2の実施の形態)第2の実施の形態を図4を用いて説明する。
【0030】図4は、第2の実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置の構成概念図である。
【0031】すなわち、本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、1つの電磁波波送受信機1と、3つの電磁波受信機4(#1〜#3)と、データ処理装置22とを備えている。
【0032】電磁波送受信機1は、検知対象である物体23に向けて電磁波を発信する。そして、発信した電磁波が物体23に反射し、物体23側から戻ってきた反射波を受信し、データ処理装置22に出力する。ここで電磁波とは、単一周波数のミリ波、広帯域なスペクトル分布を持つ変調波、周波数掃引された単一周波数のミリ波、あるいは複数の周波数を有するミリ波等が該当する。
【0033】また、各電磁波受信機2(#1〜#3)は、電磁波送受信機1とあわせて物体23の周囲を取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置している。電磁波送受信機1によって発信された電磁波は、物体23に衝突してランダムの方向に反射する。したがって、このように電磁波送受信機1と各電磁波受信機2(#1〜#3)とで物体23の周囲を取り囲むように配置することによって、物体23の表面各面で反射した電磁波を受信できるようにしている。
【0034】データ処理装置22は、電磁波送受信機1および各電磁波受信機2(#1〜#3)から出力された反射波をデータ処理することによって、物体23の表面各面の形状、あるいは材質を把握する。
【0035】また、図4(b)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置するようにしても良い。
【0036】本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、以上のような構成をしているので、物体23の表面各面における形状および材質を把握することができる。
【0037】また、図4(b)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置した場合には、フェージングを回避し、データ処理装置22によってなされるデータ処理の精度を高めることができる。
【0038】(第3の実施の形態)第3の実施の形態を図5を用いて説明する。
【0039】図5は、第3の実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置の構成概念図である。
【0040】すなわち、本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、図5(a)に示すように、電磁波送信機5と、散乱体6と、電磁波受信機2と、データ処理装置22とを備えている。なお、電磁波受信機2は、1つとは限らず、図5(b)に示すように、複数備えていても良い。
【0041】電磁波受信機5は、散乱体6に向けて電磁波を発信する。ここで電磁波とは、単一周波数のミリ波、広帯域なスペクトル分布を持つ変調波、周波数掃引された単一周波数のミリ波、あるいは複数の周波数を有するミリ波等が該当する。そして、発信した電磁波は、散乱体6によってランダムな方向に散乱され、うちいずれかの電磁波が物体23に向けて発信されるようにしている。
【0042】散乱体6は、例えばミラーボールであって、この様な散乱体6から物体23に向けて電磁波を照射することによって、物体23に複数の電磁波が照射され、フェージングの影響を緩和する。更に、散乱体6から物体23に向けて反射される電磁波が同時に一方向のみであって、反射方向が連続的に変化する回転式のミラーボールである場合には、後述するようにデータ処理装置22によってなされる時間平均処理によって、フェージングの影響を更に緩和する。
【0043】このようにして物体23に向けて発信された電磁波は、物体23の表面で反射し、その反射波が電磁波受信機2によって受信されるようにしている。電磁波受信機2は、更に、受信した反射波をデータ処理装置22に出力する。
【0044】データ処理装置22は、電磁波受信機2から出力された反射波をデータ処理することによって、物体23の形状、あるいは材質を把握する。特に、散乱体6が、物体23に向けて反射する電磁波が同時に一方向のみであって、反射方向が連続的に変化する回転式のミラーボールである場合には、電磁波受信機7から出力された反射波の強度に対して時間平均を取ることにより、フェージングの影響を緩和するようにしている。
【0045】また、図5(c)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置するようにしても良い。
【0046】本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、以上のような構成をしているので、ミラーボールの様な散乱体6から複数の電磁波が物体23に照射されることによって、フェージングの影響を緩和して物体23の表面各面の形状および材質を把握することができる。なお、散乱体6として、散乱する電磁波が同時に一方向のみで散乱方向が連続的に変化する方式のミラーボールを適用した場合には、データ処理装置22が、受信した電磁波強度に対して時間平均をとることによって、フェージングの影響をより緩和することができる。
【0047】更に、図5(b)に示すように複数の電磁波受信機2(#1〜#3)を備えた場合には、物体23の表面各面の形状および材質を把握することができる。
【0048】もちろん図5(c)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置した場合には、フェージングを回避し、データ処理装置22によってなされるデータ処理の精度を高めることができる。
【0049】(第4の実施の形態)第4の実施の形態を図6を用いて説明する。
【0050】図6は、第4の実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置の構成概念図である。
【0051】すなわち、本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、複数の電磁波送受信機1と、データ処理装置22とを備えている。ここでは、一例として4つの電磁波送受信機1(#1〜#4)を備えた場合を示している。
【0052】各電磁波送受信機1(#1〜#4)は、検知対象である物体23に向けて電磁波を発信する。そして、それぞれ発信した電磁波が物体23に反射し、戻ってきた反射波を受信し、データ処理装置22に出力する。ここで電磁波とは、単一周波数のミリ波、広帯域なスペクトル分布を持つ変調波、周波数掃引された単一周波数のミリ波、あるいは複数の周波数を有するミリ波等が該当する。
【0053】また、これら各電磁波送受信機1(#1〜#4)は、物体23の周囲を取り囲むようにそれぞれ異なる場所に配置している。このように各電磁波送受信機1(#1〜#4)をそれぞれ異なる場所に配置することによって、物体23の異なる面で反射した電磁波を受信できるようにしている。
【0054】データ処理装置22は、各電磁波送受信機1(#1〜#4)から出力された反射波をデータ処理することによって、物体23の表面各面の形状、あるいは材質を多面的に把握する。この把握方法としては、例えば、以下に示す2通りがある。
1)各電磁波送受信機1(#1〜#4)から出力された反射波強度を、画像化し、並列表示することによって、各方向の状況を比較しながら把握する。
2)各電磁波送受信機1(#1〜#4)から出力された反射波強度を表示した表示画像を、所定時間間隔毎に順次切り換えながら表示する。これによって、あたかも物体23を見込みながら観測者が物体23の周りを回っている様に物体23の状況を把握することができる。
【0055】また、図6(b)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置するようにしても良い。
【0056】本実施の形態に係る電磁波を用いた物体検知装置は、以上のような構成をしているので、物体23の表面各面の形状および材質を多面的に把握することができる。
【0057】また、図6(b)に示すように、壁、床、あるいは障害物25等の電波が反射しやすい箇所に、例えばカーボンのような電波吸収体4を配置した場合には、フェージングを回避し、データ処理装置22によってなされるデータ処理の精度を高めることができる。
【0058】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲の発明された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、フェージングの影響を回避することができる。
【0060】以上により、物体の形状および材質を精度良く把握することが可能な電磁波を用いた物体検知装置を実現することができる。
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目5番1号
【出願日】 平成13年11月19日(2001.11.19)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外5名)
【公開番号】 特開2003−156570(P2003−156570A)
【公開日】 平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願番号】 特願2001−353545(P2001−353545)