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【発明の名称】 人体検出装置
【発明者】 【氏名】藤井 善行
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会社ノーリツ内

【氏名】河井 健児
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会社ノーリツ内

【氏名】池内 康秀
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会社ノーリツ内

【氏名】植田 貴之
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会社ノーリツ内

【要約】 【課題】本発明は、報知手段をさらに強化した人体検出装置を提供することを課題とする。

【解決手段】動作要求報知手段による動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことで、入浴者に対して二重の報知がなされ、動きの要求が明確となり、注意喚起の確実化を図ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 浴室等を撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動きの有無を判定する判定手段と、該判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを特徴とする人体検出装置。
【請求項2】 浴室等を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段と、該動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを設けたことを特徴とする人体検出装置。
【請求項3】 浴室等を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段と、該動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を複数回行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の複数回の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを設けたことを特徴とする人体検出装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定時間間隔で撮像する撮像装置により浴室等を監視して人体の動きに異常が生じた場合には、遠隔場所に居る他者に警報を発する人体検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、出願人は、浴室等を撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動きの有無を判定する判定手段と、該判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を行なう動作要求報知手段とからなる人体検出装置を先に提案した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の人体検出装置においては、入浴中において人体の動きが止ったとき、例えば浴槽内で寝ていたとき、警報に至るのを防止するため、単に動き動作の要求を行なう動作要求報知手段を設けたものでは、未だ不十分であった。特に、動作要求の報知を文字画像で報知するものでは眠っている場合には効果がなく、また、音声で報知するものでも聞こえにくいという問題があった。
【0004】そこで、本発明は上記問題点に鑑み、報知手段をさらに強化した人体検出装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の人体検出装置は、浴室等を撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動きの有無を判定する判定手段と、該判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを第1の特徴としている。この第1の特徴によれば、動作要求報知手段による動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことで、入浴者に対して二重の報知がなされ、動きの要求が明確となり、注意喚起の確実化を図ることができる。
【0006】また、本発明の人体検出装置は、浴室等を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段と、該動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを設けたことを第2の特徴としている。この第2の特徴によれば、上記の特徴に加え、人体の動き量を所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段と、該動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段とを設けている。実際の撮像画像を取り込んでデータ処理を行い、動きの有無を判定したことで、確実に人体の停止の検出を行なうことができ、設定時間後の警報を正確に発することができる。なお、動き量とは、実際に撮像した2枚の実画像を比較し、受光量の差を演算することで求めた値をいう。数値化して処理することで、検出の安定化を図ることができる。
【0007】また、本発明の人体検出装置は、上記の特徴に加え、浴室等を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、該撮像装置を制御する制御装置と、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサと、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段と、該動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により動きの停止判定があった後設定時間経過後に警報を発する報知手段と、設定時間をカウントするタイマ手段と、設定時間の終了時から一定時間繰り上げて動き動作の要求を複数回行なう動作要求報知手段とからなるものであって、動作要求の複数回の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことを設けたことを第3の特徴としている。この第3の特徴によれば、上記の特徴に加え、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を複数回に渡って報鳴させることにより、更なる注意喚起を図ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態を示す全体構成図である。図2は本発明の一実施形態を示す電気回路のブロック図である。図3は人体検出センサの画像検出部の1画素を構成する画像コア回路の構成を示す回路図である。図4はセンサの撮像範囲と検知範囲及び検知領域との関係を示す説明図である。図5は本発明の一実施形態を示す制御フローチャートである。図6は本発明の一実施形態を示す人体停止検出のフローチャートである。図7は人体検出センサと温水機器とリモコンとの関係を示す一実施形態の説明図である。図8は人体検出センサと温水機器とリモコンとの関係を示す他実施形態の電気制御のブロック図である。図9は一実施例を示す記憶部の拡大図である。図10の(a)は右下方へ向けて移動した物体の現画像と前画像を示す図、(b)は前画像の明暗を各画素毎に示す図、(c)は現画像の明暗を各画素毎に示す図である。図11は画像の境界に対応する画素における明暗の変化を示す差分画像を表わした図である。図12は一実施形態を示す電気回路ブロック図、図13は一実施形態を示す人体監視のフローチャートである。図14はリモコンと人体検出センサとの関係を示す電気ブロック図である。図15は他実施形態を示すリモコンと温水機器と人体検出センサとの接続関係を示す電気回路図である。図16は表示関係を示す電気ブロック図である。図17は入退出の判定を行うフローチャートである。図18〜図20は赤外線センサの出力波形を示すものである。図21は撮像装置及び赤外線センサと制御装置との関係を示す説明図である。図22〜図24は動き量演算手段による動き量の検出出力を示すものである。図25は一実施形態を示すフローチャートである。図26は一画素の画像階調の差を示す説明図である。図27は一実施形態を示す警報報知のフローチャートである。図28は一実施形態を示すタイマ設定方法のフローチャートである。
【0009】図1は本発明の一実施形態の概略を示すものであって、浴室1の内部には浴槽2及び洗場3を設けてある。4は浴室1への出入口である。5は人体センサであり、その詳細については後述するが、浴室1の内壁面上部に取り付けてある。具体的には、浴槽2の長手方向に接する浴室壁面の上部位置に取り付けてある。温水機器40には、該温水機器40を遠隔位置から操作する浴室に設置した風呂リモコン60及び台所に設置した台所リモコン70を接続してある。そして人体センサ5は、本実施形態では浴室1の壁面に取り付けているが、この例に限ることなく、浴室1の天井内面に取り付けても良い。人体センサ5は、人工網膜を利用した撮像装置を有し、浴室1における人体の動きを撮像して画像処理する人体検出センサ51と、赤外線による熱検知により人体を検知する赤外線センサ52とから構成している。撮像装置は浴室等の監視領域を所定時間間隔ごとに撮像するものである。 【0010】浴室1には温水機器40を遠隔操作する風呂リモコン60を設置し、また台所には温水機器40を遠隔操作する台所リモコン70を設置している。ここに、温水機器40とは、湯水を加熱し浴槽等に供給するための機器であり、具体的には給湯器付風呂釜、給湯器付暖房機、温水暖房機、給湯器等により構成されている。温水機器にはガスを燃料とするもののみならず石油を燃料とするものでもよい。温水機器40と人体検出センサ51とはケーブル41で接続されている。ケーブル41の末端には分岐コネクタ43により、二方に分岐し、一方には人体検出センサ51、他方にはスイッチ80を設けた退室リモコンに接続してある。そして、給湯器等を制御する前記リモコン60、70には、浴室1に入浴者がいることを知らせる液晶表示パネル等の表示部を有しており、人体センサ5が入浴者を検知して、検知信号を出力すると、表示部が点灯等表示するようになっている。表示部は上記のものに限られず、入浴者の動きが一定時間無かった場合、浴槽で寝ているかまたは倒れたと推測し、まず風呂リモコン60で警報音あるいは音声により注意を喚起し、浴室側から応答が所定時間内にない場合には、台所リモコン70において警報音あるいは音声により家族等の他者に警報報知するようにしてある。
【0011】そして、温水機器40には熱交換器及びバーナが内蔵されており、制御のための各種センサを設けてある。また、温水機器40から浴槽2に対して給湯落し込み管46が接続配管されている。また、人体センサ5を作動させるための電源は、温水機器40の電源プラグ47から導入され、温水機器40のコントローラ42部の図示しないトランスを介して降圧され低電圧化されて供給される。
【0012】図2は人工網膜チップを利用した人体検出センサ51と、赤外線センサ52とからなる人体センサ5の具体構成を示したものである。人体検出センサ51は、監視領域を所定時間間隔で撮像する撮像装置6と、撮像装置6を制御すると共に撮像画像を処理、判定等するマイクロコンピュータからなる制御装置7とから構成されている。また、制御装置7と前述したリモコン60、70とは例えば後述する通信IC等の通信部53により送受信するようにしてある。そして、人体検出センサ51の他に赤外線センサ52を同一のケース体内に設け、その制御装置7を共用し、浴室1が暗い場合の監視の相互補填を行なうようにしてある。
【0013】前記撮像装置6の撮像部8は、縦128×横128画素からなる解像度の画像検出部9、結像レンズ10、スキャナ11、マルチプレクサ12及びスキャナ駆動制御部13から構成されている。画像検出部9は縦32×横32画素のものを用いても良く、また多数の画素の一部で画像の検出処理をしても良い。画像検出部9の画素はそれぞれモノクロ256階調「レベル0(黒)〜255(白)の256階調」で表現される。
【0014】そして、撮像部8においては、浴室内の画像は、結像レンズ10によって画像検出部9に結像される。スキャナ11は、スキャナ駆動制御部13によって駆動制御されており、スキャナ駆動制御部13は画像検出部9の各画素列を順次一定周期毎に受光状態(オン状態)となるように制御している。受光状態となった1列の各画素から同時に出力された光電流は、マルチプレクサ12によって複数の電気信号は1つの電気信号にまとめられ、増幅器14で増幅された後、アナログ電圧として出力される。アナログデータからデジタルデータへの変換は制御装置7の変換器により行うようにしてある。
【0015】また、画像検出部9の各画素は、図3に示すように画素コア回路17によって構成されている。画素コア回路17は受光素子18、電荷蓄積回路19、感度可変回路20から構成されており、感度可変端子21及びリセット端子22がスキャナ11に接続され、光電流出力端子23がマルチプレクサ12に接続されている。
【0016】図2においてゲイン調整部16は、画像出力部15における画像平均値(画像の明るさ)をチェックし、画像平均値が適切な範囲から外れていれば、増幅器14によって撮像装置6のゲインを調整すると共にスキャナ駆動制御部13によって画像検出部9の蓄積時間を調整し、適正な明るさの画像が得られるように調光する。この調光は後述する分割された各検知領域毎に行ってもよい。
【0017】人工網膜を用いた撮像装置6では、画像平均値は、画像検出部9を構成する全画素における階調(0階調(黒)〜255階調(白)の256階調)の平均値であり、0〜255の値で表わさせる。この画像平均値は増幅器14のゲインと画像検出部9の蓄積時間によって決定される。ここで、ゲインはカメラの絞りに相当し、蓄積時間はカメラのシャッタースピードに相当する。従って、撮像装置6の適正な画像平均値を得ようとすれば、適当なゲインに固定しておき、蓄積時間を調整すればよい。あるいは、適当な蓄積時間を固定しておき、ゲインを調整すればよい。
【0018】そして、図2において少なくとも撮像をおこなう画像検出部9とスキャナ11とスキャナ駆動部13とゲイン調整部16とは1チップで構成されている。このチップは人工網膜チップと称される。また、このチップの裏面位置には、制御装置7を設けてあり、この制御装置7は各種のソフトウエアを組み込んだマイクロコンピュータからなり、この内部には人体検出センサ51による検知処理を行なう検知領域を複数の領域に分割する領域分割手段24等をソフトウエアーとして組み込んである。
【0019】具体的には、図4に示すように、制御装置7に入力された画像情報を処理するためのポイントテーブル25を複数域に分割するものである。すなわち人体検出センサ51による検出可能な撮像能力範囲(ポイントテーブル25全体に相当)を、まず画像処理の必要な検知領域26と、画像処理を行なわない非検知領域27とに区画している。すなわち、撮像能力範囲のすべてを検知領域とはしていない。これにより検出処理可能な検出処理領域のうちの一部を、実際に検知し処理するセンサ検知領域として使用することで画像の処理範囲を限定して、画像処理の速度を早めている。さらに前記の検知領域26を、図4のように、入口領域29と洗場領域30と浴槽領域31との3つの領域に分割するようにしてある。検知領域26の分割については、この例に限られることなく、入口領域29と該入口領域29以外の領域の2つに分割してもよい。例えば、洗場領域30及び浴槽領域31を合わせて1つの領域に設定しても差しつかえない。ここに入口領域29とは、浴室の場合には浴室内であって浴室への出入口ドアの近傍に位置する領域をいう。洗場領域30とは、主として頭や体を洗う床部の領域をいい、また、浴槽領域31とは浴槽が位置している領域をさす。このように分割された領域毎に、順次画像情報が制御装置7に入力されて、領域毎に検出、演算等の処理がなされるのである。
【0020】そして、人体センサ51を構成する結像レンズ10と撮像装置6と制御装置7とは、前記赤外線センサ52と共に1つのケースに納められ、人体センサセットとして壁面等に取り付けられる。取り付け位置は浴室への出入口4を含め、浴室1全体を視野角に納めるようにすれば良い。
【0021】そして、撮像装置6の検知出力と赤外線センサ52の検知出力はそれぞれ判定手段32へ入力される。判定手段32は撮像装置6からの出力と赤外線センサ52からの出力に基づき、浴室における入浴者の有無や入浴者の動きなどを総合的に判断するようになっている。
【0022】人工網膜により検出した画像は次のように画像処理される。画像を制御、処理する制御装置7は、画像検出部9を構成する全画素から画像情報を一定時間毎に受信し、一定時間毎に画像情報を受け取ると、該画像情報を処理し、判定手段32により入浴者の動きを判定するのである。
【0023】次に、人工網膜21でとらえた画像から人の動きを抽出するための画像処理方法を説明する。マイクロコンピュータで構成される制御装置7は、所定時間毎に画像情報を受け取ると、当該画像情報から入浴者の動きを所定の解析アルゴリズムに従って解析し、入浴者の動きを監視する。
【0024】具体的には、いま図10(a)のように正方形の物体の画像(明画像)Pが位置P1から位置P2へ移動したとする。このとき、明るい画素を記号B、暗い画素を記号Dで表わせば、前画像は図10(b)で表わされ、現画像は図10(c)で表わされる。この前後の画像は、図12の画像記憶手段115により一旦記憶される。撮像された画像は順次更新され常に最新の両画像が記憶されるようになっている。そして動き量演算手段111により、分割された領域毎に前記2枚の画像が比較されて、各領域の各画素(x、y)毎に、前画像pの受光量Pp(x、y)と現画像nの受光量Pn(x、y)との差分(動き量)
D(x、y)=Pn(x、y)−Pp(x、y)
が演算され、演算結果は図11のような差分画像として得ることができる。図11の差分画像においては、差分D(x、y)が正の画素は+記号で表わし、負の画素は−記号で表わし、D(x、y)がゼロの画素は0記号で表わしている。このような差分の総和を捉えることで、動きがあるか否かを各領域毎に判定することができ、この判定は動き有無判定手段114にて行われる。動き量が生じていなければ「動き無し」と判定され、生じていれば「動き有り」と判定される。人体の動きに相当する所定値以上の動き量により、動きの有無を判定するようにしてある。この判定方法について、図22から図24を用いて説明する。動き量演算手段111により演算された動き量の検出値は、しきい値を使用して、前記動き有無判定手段114にて判定される。このしきい値は高設定値(C1)と低設定値(C2)の2段階に予め設定されてある。そして動き量の検出出力がしきい値C1を超えたときのみ、人体検出センサによる人体の「動きあり」と判定するようにしてある(図22)。この判定により動き有無判定手段114からオン信号を出力するようにしてある。従って、図23のように動き量の検出出力が、高設定値(C1)と低設定値(C2)の間にあるような場合には、人体の動きがあったとは判定されず、信号は出力されない。また、図24のように、動き量の検出出力が低設定値(C2)のしきい値を下回った場合には、人体検出センサによる人体の「動きなし」と判定するようにしてあり、この判定によりオフ信号を出力するようにしてある。人体検出センサ51の待機状態、すなわち電源が入って作動状態にあり人体の動きを検出できる状態にあるときには、しきい値を高く設定してある。また、人体の「動きあり」判断ののちの入室判定後には、しきい値変更手段152により、しきい値を低い値に変更するようになっている。
【0025】一方、動き有無領域検出手段112により、前述した分割された領域毎に動きのある領域か否かを検出するようにしてある。すなわち、撮像装置6で撮像された撮像画像は、入口領域29、洗場領域30及び浴槽領域31の順に一定時間毎に制御装置7に読み込まれ、この画像データを解析することで、動きのある領域を検出するようにしてある。この検出は例えば、前述した動き量の生じた領域を動きのある領域として検出すればよい。あるいは、人の動きにより生じる電圧の変化を捉えて、変化のある領域を動きのある領域であるとして、その領域を検出するようにすればよい。そして、動きの発生している領域が、予め特定された領域に該当するか否かを特定領域該当判定手段113により判定するようにしてある。特定領域とは、浴槽領域31又は洗場領域30を意味し、入口領域29を除く領域である。動きのある領域が特定領域か否かは、例えば信号が符合するか否かにより、あるいは他の検知領域を順次検索して特定領域以外の領域で動きがなければ特定領域に該当すると判断させている。このような検索は、動きの有無と動きのある領域の信号から、順次状態を遷移させてマイクロコンピュータ内で検索させている。
【0026】また、人体検出センサ51は感度を自動調整するための感度調整回路(図示せず)を備えており、浴室内が暗い場合には感度を高くし、浴室内が明るい場合には、感度を低くすることによって検出精度が高くなるようにしている。
【0027】次に、浴室1に人が入室したか否か等の判別について説明する。図5において、人が浴室1に入り始めると、まず待機状態にある赤外線センサ52が人体を検知してオンとなる(ステップS1)。次に、人体検出センサ51が一定時間内に(ステップS2)動き量演算手段111により洗場で動き量を検出すれば、動き有無判定手段114によって人の動きの有無が判定される(ステップS3)。そして、この動き有無判定手段114による出力信号と、赤外線センサ52による出力信号との両出力信号がオンしたとき、入室したものと判断される(ステップS4)。このように、人体検出センサ51による人体検知には撮像及び動き量の演算等に時間を要すること、あるいは浴室1が暗い場合には監視感度が鈍いことから、赤外線センサ52を併用し、赤外線センサ52が人体を検出した後、人体検出センサ51が動き量を検出することで、人体検出センサ51の弱点を補い、入室したことの判断の確実化を期しているものである。
【0028】また、人体検出センサ51が洗場3において人を検知しなかった場合(ステップS3でノーの場合)でも、浴槽2において人を検知すると(ステップS5)、赤外線センサ52及び人体検出センサ51が共に人を検知している場合には(ステップS6、S7)、入室しているものと判断することとしている(ステップS4)。そして、入室判断後は退室リモコンに設けたスイッチ80がオンされる(ステップS8)まで入室状態にあるものとして扱われる。スイッチ80のオン操作後は浴室から退室したものとしている(ステップS9)。
【0029】そして、図12において制御装置7には、動き量の演算に至る前に前回画像と今回画像との各画素毎の画像階調の差分を演算する画素差分演算手段118をプログラムしてある。この画素差分演算手段118による演算結果は、差分比較手段119により、予め定めた一定値と比較するようにしてある。そして、差分が一定値以下の場合には、制御装置7にプログラムされた差分値補正手段121により差分値を0値に補正することとしている。具体的には、例えばある画素の画像階調の差分が±3以下の場合には0に補正している。差分が一定値を超えた場合、例えば画像階調の差分が±4以上の場合には、その差分データ値を用いて後刻の動き量の演算を行なうようにしてある。また、画素差分の演算は、検知領域全体で演算してもよいが、分割された分割領域毎に演算してもよい。
【0030】そして、図21は本発明の一実施形態を示すものであり、人体検出センサ51及び赤外線センサ52による人体の動きの有無の検出方法を示すものである。制御装置7には赤外線センサ52で検出された出力電圧が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する出力電圧検知判定手段150、赤外線センサ52の検出途中でしきい値を変更するしきい値変更手段151を設けてある。また、前述した動き量演算手段により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段114、その判定のしきい値を入室判定前と入室判定後とで変更するしきい値変更手段152を設けてある。図17は検出フローを示すものであり、センサが待機状態(ステップS50)にあるときには、前述した両判定手段150、114のしきい値を高く設定している(ステップS51)。 そして赤外線センサ52の出力電圧が予め指定した設定範囲を超えると(ステップS52でイエスの場合)、赤外線センサによる人の動きがあると判断することとしている(ステップS53)。具体的には図18に示すように、出力電圧がしきい値A1以上(若しくはA2以下)になった場合に、オン信号を出力するようになっている。これにより、赤外線センサ52の検出領域が人体検出センサ51の検出領域よりも広く、例えば図19に示すように人体検出センサ51の検出領域外で人が動いた場合でも、赤外線センサ52の検出感度を入室判定後に比べて鈍くしてあるので、赤外線センサ52が誤って動きありと判断することがなくなった。人体検出センサの検出領域外で人が動いた場合とは、例えば、浴室の入口手前の洗面所で動きありと判断するような場合をいい、入室判断前はしきい値を高めに設定することで、このような誤検出をすることがなくなった。さらに、本実施形態では、動き量の検出値が所定のしきい値(C1)以上となった場合(ステップS54)に、動き有無判定手段114により人体検出センサ51による動きがあるものと判断される(ステップS61)。これにより、浴室の床面に映った影の動きのみでは、熱感知式の赤外線センサ52が感知しないので、誤検知が生じることはなくなる。また、猫等の小動物が誤って浴室に入った場合には、動き量が相違することにより、人とは異なる判定をすることができる。つまり、図23のように人の動き量を基準にしてしきい値(C1)を予め指定しておくことで、猫や犬の動きではしきい値(C1)を超えないので、誤検出を防止することができる。しきい値は赤外線センサ側には設けず、動き有無判定手段114にのみ設けてもよい。そして、赤外線センサ52の動きあり判断(ステップS53)と、特定領域における動き量ありの判断により、入室判定がなされる(ステップS55)。これにより、確実に浴室内に人が入ったことが判断できる。この判定による出力信号により、入浴中である旨の表示を行うようにしてもよい。そして、この入室判定がなされることで、しきい値変更手段151、114により、しきい値が高から低に変更される(ステップS56)。これにより、具体的には図20に示すように、出力電圧がしきい値B2とB1との間になった場合に、オフ信号を出力することとなる。そして赤外線センサ52の単位時間当たりの出力電圧が設定範囲に入ると(ステップS57でイエスの場合)、出力電圧検知判定手段150による判定により出力信号はオフとなり、赤外線センサによる人の動きなしと判断することとしている(ステップS58)。さらに、人体検出センサ51による動き量の単位時間当たりの検出出力が低しきい値(C2)以下になると(ステップS59でイエスの場合)、動き有無判定手段114がオフ信号を出力する。このように、入室判定後は、判定手段の判定のしきい値を厳格な基準とすることで、動き有無の判定を厳しくし、動きの停止の検出精度を向上させている。また、赤外線センサ52の出力信号と人体検出センサからの出力信号が共にオフした時は、人が浴室から出たものとみなすこととしている(ステップS60)。
【0031】次に装置全体を構成するセンサ、リモコン等の各部材間における他の実施例の接続構成について図7を用いて説明する。風呂リモコン60と台所リモコン70とは、有線のリモコンのケーブル41によってそれぞれ温水機器40内のコントローラの制御部90に接続されている。
【0032】また、人体検出センサ51はケーブル41により風呂リモコン60に接続されている。この風呂リモコン60には、ケーブル41を接続するための接続用の端子85を設けてあり、人体検出センサ51を作動させるための電源をこの風呂リモコン60から供給するようになっている。人体検出センサ51と温水機器40あるいはリモコン60、70との接続は、上記の例に限られず、図8に示されるように人体検出センサ51から通信ICを経て、温水機器40と接続する台所リモコン70から風呂リモコン60を介して接続してもよい。また通信ICを介して台所リモコン70、風呂リモコン60及び温水機器40の順序で接続してもよい。あるいはまた、図15に示されるように、人体検出センサ51と温水機器40とは直接的に、風呂リモコン60と台所リモコン70との接続と同様に、通信ICを介して接続してもよい。
【0033】そして図7において、制御部90には、温水機器40を制御する給湯器制御部91と、人体検出センサ51による異常検出信号により作動し前記各リモコン60、70に設けたスピーカ等の報知手段61、71を動作させる報知動作部92と、報知手段による報知を解除する報知解除部93とを設けてある。なお、これら報知動作部92及び報知解除部93は、センサ側あるいはリモコン側に設けてもよい。これにより温水機器側の制御負担を少なくできる。
【0034】また、風呂リモコン60には報知を解除するための報知解除手段62であるインターホンスイッチ、温水機器を操作するための操作用のスイッチ63、表示を行うための液晶表示板、タッチパネル等の表示手段64が設けられている。また台所リモコン70には報知を解除するための報知解除手段72であるインターホンスイッチ、温水機器を操作するための操作用のスイッチ73、表示用の表示手段74が設けられている。また、各リモコンに設けた音声報知のための報知手段61、71は、スピーカと音声ICとにより構成することを推奨する。
【0035】さらに、報知解除手段72による報知解除がなされない場合において、緊急連絡用の特定電話番号に発信する電話発信部100を制御部90内に設けてもよい。
【0036】図8は人体検出センサ51と各リモコン60・70、温水機器40間の通信接続関係を示す回路図の一例であり、本実施例は通信ICを使用して接続してある。人体検出センサ51には前述した撮像装置6の他、制御装置7、通信用の通信ICからなる通信部53を設けてある。この通信部53は、アナログ通信部55とデジタル通信部56とにより構成してあり、アナログ通信部55は例えばASK(amplitude shift keying)方式で構成すればよい。また、デジタル通信部56は例えばQPSK(quadri phase shift keying)方式の他、M16QAM、GFSK、BPSK等のデジタル高速変調方式を採用すればよい。
【0037】風呂リモコン60には、前述した操作スイッチの他に、表示手段64、風呂リモコン制御部65、通信用の通信ICからなる前記同様のアナログ通信部66、デジタル通信部67を設けてある。また、風呂リモコン60には、スピーカ等61に報知用の音声IC68、PCMコーディック69を設けてある。このPCMコーディック69は、例えばADPCM、DPCMなどのPCM(pulse code modulation)方式により、音声情報や映像情報を符号化及び復号化するものである。
【0038】また、風呂リモコン60のインターホンスイッチ62は通話ボタンの押し操作により、台所リモコン70に設けたインターホンのスピーカと通話状態とするものである。マイクロホンスイッチと兼用させてもよい。そして、インターホンには、人体の動きの停止を検出したとき、あるいは報知手段による警報を発したときに、通話ボタンの押し操作なしに、風呂と台所との通話を可能にしインターホンを通話可能に作動させるインターホン作動手段120を設けてある。このインターホン作動手段120はマイクロコンピュータ内にソフトウエアとしてプログラムされているものであって、マイクロコンピュータ自体は風呂リモコンに設けてもよく、または人体検出センサ51あるいは温水機器のコントローラ内に設けてもよい。図12のものでは人体検出センサ51の制御装置7のマイクロコンピュータにプログラムされている。風呂リモコン60のリモコンケースには、ケーブル41を接続するための接続用の端子85を設けてあり、ケーブル41により温水機器40と接続する台所リモコン70を介して風呂リモコン60を経て、人体検出センサ51に作動用の電源を供給するようになっている。
【0039】また、前記人体検出センサ51には、後述する音声記憶部及び画像記憶部とからなるデータ記憶部54を設けてある。台所リモコン70には、前述した操作スイッチ73の他、表示手段74、台所リモコン制御部75、アナログ通信用の通信ICからなるアナログ通信部76、デジタル通信用の通信ICからなるデジタル通信部77を設けてある。78は音声ICでスピーカ等71に報知用のICである。79はPCMコーディックである。また、台所リモコン70のインターホンスイッチ62はその通話ボタンの押し操作により、風呂リモコン60に設けたインターホンのスピーカと通話状態となるものである。マイクロホンスイッチと兼用させてもよい。そして、前記同様に、人体の動きの停止を検出したとき、あるいは報知手段による警報を発したときに、通話ボタンの押し操作なしに、風呂と台所との通話を可能にしてインターホンを通話可能に作動させるようにしてある。温水機器40には、前述した制御部90、給湯制御部91の他、通信用の通信ICからなるアナログ通信部95、商用電源を低電圧化するためのトランス96等を設けてある。
【0040】そして、人体検出センサ51のアナログ通信部55及びデジタル通信部56は、風呂リモコン60のアナログ通信部66及びデジタル通信部67と接続され、該風呂リモコン60のアナログ通信部66及びデジタル通信部67は、台所リモコン70のアナログ通信部76及びデジタル通信部77を介して温水機器40のアナログ通信部95と接続されている。これら通信部間のケーブル41線は電力重畳式の二芯ケーブルを使用し、センサ用の信号と通常の給湯制御用の制御信号と重畳して伝送するようにしておけばよい。
【0041】図9は人体検出センサを操作し、報知手段に報知させるため人体検出センサに設けたデータ記憶部54の内容を示す説明図である。
【0042】図9において音声記憶部101は、前述したリモコンの報知手段61、71に音声を報知させるための音声データを記憶させたものであり、EEPROM等から構成してある。この音声記憶部101は、少なくとも、入浴者に対して「動いて下さい」と言うメッセージで体を動かす動作の要求を報知するための音声データを記憶させた動作要求報知音声記憶部107と、入浴者の動きが停止して所定時間経過した場合に他者に「浴室を見に行って下さい」と言う警報を発するための音声データを記憶させた警報報知音声記憶部108とから構成してある。また、前記動作要求報知音声記憶部107と報知手段61、71とで動作要求報知手段を構成している。データ記憶部54には、さらに注意喚起用のメロディを記憶したメロディ記憶部109を設けてある。このメロディは上記動作要求の報知時に報鳴させるようにしてある。このメロディは複数回数、すなわち動作要求の報知指令がある度に報知するようにしてある。
【0043】102は画像記憶部であり、前記表示手段64、74に人体検出用の画像を表示させる画像表示データを記憶させたものである。この画像記憶部102は、人体検出に必要な機能を画像により表示するためのものであり、例えば人体検出の初期操作に必要な画面を表示手段に表示するための画像データを記憶させる操作用画像記憶部103、人体の動きが停止した状態を前記表示手段に表示する画像データを記憶する停止画像記憶部104、報知手段を報知させた状態を前記表示手段に表示するための画像データを記憶する報知用画像記憶部105及びその他画像を表示するために必要なデータを記憶させるその他記憶部106から構成してある。その他記憶部106には、人体の動きのあることを示すため動きのある画像を表示する画像データを記憶させてある。この動きのある画像とは、人体の実際の撮像画像ではなく、人体が動いていることを示す擬似的な画像、例えば動きのある人形のアニメーションのような画像を意味するものである。動きのある画像のみならず停止画像についても、擬人化することで、プライバシーの保護を図っている。
【0044】なお、画像記憶部102は、本実施例では人体検出センサ51側に設けているが、この例に限られず、図16に示すように、リモコン側、例えば風呂リモコン60の風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータに一体的あるいは別体的に設けてもよい。そして、風呂リモコン制御部65には、画像記憶部102のその他記憶部106から画像データを呼び出して表示手段64、74に表示するための動き画像表示手段133をプログラムしている。この動き画像表示手段133は、動き量演算手段111による動き量の検出の信号により作動するようになっている。
【0045】また、風呂リモコン制御部65には、画像記憶部102の停止画像記憶部103から画像データを呼び出して表示手段64、74に表示するための停止画像表示手段134をプログラムしている。この停止画像表示手段134による表示は、表示の解除手段により解除される。
【0046】また、停止画像表示手段134は、判定手段32による人体の停止判定の信号により作動するようになっている。風呂リモコン制御部65には、停止画像表示手段134による表示を解除して動き画像表示手段133を作動させて動きのある画像に切り替えるための切替手段135をプログラムしている。切替手段135は、具体的にはリモコンの運転スイッチ129による信号により作動するようにしてある。
【0047】そして、人体検出装置の操作に際しては、予めリモコンの操作スイッチを操作して、人体検出センサ51側の操作用画像記憶部103から操作に必要な初期画面画像を表示手段64、74に呼出して表示させ、その画面から特定の画面を選択して操作を開始する。2回目からは、これらを記憶させて使用すればよい。操作と同時に、人体検出センサ51側の音声記憶部101から音声データの一部を呼出して、スピーカ等の報知手段61、71により音声で報知させる。
【0048】次に、図6に示されるように、人体の停止の検出フローについて説明する。まず撮像装置6によって前述したように所定時間間隔で監視領域を撮像し(ステップS11)、撮像した前回画像と所定時間後の今回画像とを一旦制御装置7に記憶させる(ステップS12)。
【0049】そして、前述した画素差分演算手段118により、前回画像と今回画像との各画素毎の画像階調の差が演算される(ステップS70)。そして、この各画素毎の差分が演算された後には、動き量の演算に至る前に、図25に示すように各画素の差分値が一定値以下か否かを差分比較手段119によって比較する(ステップS71)。この差分値の演算は1画素毎に、前回撮像した画像の画素と、これに対応した今回撮像した画像の画素との階調差を演算して行なう。通常の状態では人の動きがなければ階調差は生じることはないが、場合によっては、図26に示すように、特定の画素に階調差である差分が生じることがある。
【0050】差分比較手段119により比較した差分データ値が一定値以下の場合には(ステップS71でイエスの場合)、差分補正手段121により、差分データ値を0値に補正することとしている。具体的には、特定の画素の差分データ値が例えば+3の場合、言い換えれば今回画像が前回画像よりもその階調差が3階調増加している場合には、増加している特定の画素のみの差分値を0値に補正している(ステップS72)。階調差が生じている画素が1つの場合には、その画素のみ補正すればよい。2つの場合には2つ共補正すればよい。
【0051】そして、この補正された値を使用して後刻の動き量の演算を行なうようにしている(ステップS73)。 これにより、人の動きがないにもかかわらず画像階調が所定時間の前後で若干変動した場合、この変動によるばらつきを補正し、変動による差を除外して、人体の動きを検出することができるのである。
【0052】また、ステップS71で、差分比較手段119により比較した差分データ値が一定値を超えた場合には(ステップS71でノーの場合)、差分値を補正することなく、差分データ値をそのまま使用して後刻の動き量の演算を行なうこととしている(ステップS74)。具体的には、特定の画素の差分データ値が例えば+4の場合、言い換えれば今回画像が前回画像よりもその階調差が4階調増加している場合には、その差分データ値を使用して後刻の動き量の演算を行なうようにしている。これにより、例えば通常人の動きがある場合の差分を基準にして、予め一定の値を設定しておき、一定値を超えている場合には、人の動きがあるものとして取扱い、差分データ値をそのまま使用して後刻の動き量の演算を行なうことで、人体の動きを明確に検出することができるのである。そして、各画素毎の差分演算を、分割した分割領域毎に行なうことで、比較するデータ量を減らして迅速に階調の変化の生じている画素を検索することができる。
【0053】そして、各画素毎の差分データが実測された後、図6に示すフローに戻って、動き量が演算されることとなる。この動き量の演算は(ステップS13)、制御装置7にプログラムされた動き量演算手段111により、各領域毎の各画素毎に、前画像の受光量と現画像の受光量との差分(動き量)を演算する(ステップS13)。この動き量演算による人体の動き検出により、画像記憶部から画像データが呼び出されて、動き画像表示手段133によって表示手段64、74に動きのある画像が表示される(ステップS21)。赤外線センサ52による動き検出と、動き量演算による動き検出とが共にあった場合にのみ、表示するようにしてもよい。この動きのある画像は例えば、手を動かしているアニメーション、体を上下、左右に動かしている絵図等により構成すればよく、表示手段64、74の表示板をマトリックス表示部とすることで、マトリックスを構成する各ドットの明暗(白、黒)を組み合わせて複数枚の図柄を構成し、この複数枚の図柄を一定の順序で繰り返して表示することにより、残像現象を利用して静止画像を動く画像のように擬似的に表示することを推奨する。一方、前記動き有無領域検出手段112により、動きの発生している領域が検出される(ステップS14)。
【0054】そして、これらの情報は制御装置7の判定手段32に送られる。判定手段32においては、動きの生じている領域が予め特定された領域、すなわち、浴槽領域31又は洗場領域30に該当するか否かを、特定領域該当判定手段113によって判定するのである。さらに、判定手段32においては平行して、動き有無判定手段114により動きがあるか否かを判定するのである。
【0055】動きが生じている領域が、浴槽領域31又は洗場領域30に該当する場合(ステップS15でイエスの場合)において、かつ、動きがないと判定されたとき(ステップS16でイエスのとき)には、浴室内で入浴者が倒れたものと推測して、人の動きが停止したものと判定している(ステップS17)。この停止判定により、警報のステップに移行するようになっている。
【0056】また、浴槽、洗場領域において、動きがあると判定された場合(ステップS16でノーの場合)には、前記同様に撮像、演算、判定が所定時間毎に更新して繰り返されるのである。さらに、ステップS15において、動きが生じている領域が浴槽又は洗場領域以外の場合(ステップS15でノーの場合)であって、その後動きがないと判定された場合(ステップS18でイエスの場合)には、赤外線センサ52の出力信号のオフ(ステップS19でイエスの場合)を条件に、人の動きが停止したものと判断するようにしている(ステップS17)。また、動きが生じている領域が浴槽又は洗場領域以外の場合(ステップ15でノーの場合)であって、その後も動きが継続しているとき(ステップS18でノーのとき)は、浴室入口付近で活動していると考えられるから、継続して監視がなされるのである。
【0057】次に図28にタイマの設定時間を可変する方法について説明する。まず、風呂リモコン60に設けた運転スイッチ129をオンして装置全体に電源を供給する(ステップS80)。次に、1回押すごとに表示手段64の画面を1枚づつ切り替える設定スイッチ126により、タイマの設定画面が現れるまで順次オンする(ステップS81)。表示手段64の表示画面がタイマの設定変更を可能にできるタイマ設定画面になれば(ステップS82でイエスの場合)、画面横に設けられた2つの選択スイッチを操作する(ステップS83)。この選択スイッチは押し操作により画面に表示する数値を最小数値の方向に変更する第1選択スイッチ127と、最大数値の方向に変更する第2選択スイッチ128とから構成してある。具体的には、タイマの設定を0.5分から、1分、2分、以後1分間刻みで10分まで11段階の設定が行なえるようにしてあり、所望により最短から最長の10分までの間で任意に選択して設定できるようになっている。工場からの出荷時には、2分間に予め設定してある。出荷後、例えば展示会で実演展示を行なう場合には、最小時間の0.5分が画面に表示されるまで第1選択スイッチを押し続けて、表示画面に0.5が現れると設定スイッチ126をオンする(ステップS84)。選択スイッチ127、128により数値を変更したのち、設定スイッチ126をオン操作することで、変更した画面の数値情報が人体検出センサの制御装置7側に送信され、例えば制御装置7に設けた設定時間記憶手段140に記憶される(ステップS85)。これにより、タイマ時間の設定が終了し(ステップS86)、以後設定した所定の時間がタイマ手段117によりカウントされる。
【0058】次に、図13に示す人体停止後の警報フローについて説明する。前述したようにタイマ時間の設定後において、人体検出センサ51により停止判定がなされた場合には(ステップS30)、停止判定の信号が出力されて、動きのある画像を停止すると共に停止画像表示手段134が作動して、停止状態を示す画像が表示手段64、74に表示される(ステップS30)。この停止画像は、前述した動きのある画像の一部を構成する1枚の静止画像を利用して構成してある。
【0059】そして、人体検出センサ51の制御装置7に設けたタイマ手段117が、設定した所定時間のカウントの作動を開始しタイマスタートする(ステップS31)。このタイマ手段117は、判定手段32による停止判定の信号によりスタートし、所定時間をカウントするものである。この所定時間は前述したように11段階に設定できるものである。
【0060】図13に戻り、タイマ手段117と表示手段64、74との関係は、タイマ手段117は人体検出センサ51の制御手段のマイクロコンピュータのクロック機能を利用して、通常時においては時刻をカウントしている。この時刻の表示は風呂リモコン60に設けた風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータの時刻表示手段130によって、風呂リモコン60の表示手段64に表示されている。また、風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータには、停止判定後のタイマ手段117による設定時間の終了時から一定時間繰り上げて、表示手段64にカウントの表示を行うためのカウント表示手段131を設けてある。このカウント表示手段131は、具体的には設定時間の終了時から30秒前に表示手段64に数字による表示を開始するようになっており、30秒間数字によりカウント状況を表示するようになっている。このカウント表示は30から順次1秒ごとにカウントダウンすることを推奨する。これにより、入浴者は後刻の警報報知に至るまでの残時間を、瞬時に目視してとらえることができる。また、風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータには、表示手段64の画面を、時刻表示からカウントダウン表示に切り替える切替表示手段132を設けてある。
【0061】そして、図13において、動きのない状態が継続し(ステップS32でイエスの場合)、設定時間の終了時から遡って30秒前になると(ステップS33でイエスの場合)、カウント表示手段131により表示手段64に数値が表示される(ステップS34)。タイマスタートからカウントは開始されているが、カウントの表示のみを、停止判定時であるカウント開始時よりも遅らせることで、入浴者にとっては、停止後すぐにカウント表示されることによる不安感を払拭することができる。また、停止後に動きを開始した場合にはタイマ解除されて、カウント表示自体を省略することができて、時計表示への切り替えの回数を少なくすることができる。
【0062】さらに、カウントダウン表示と同時に動作要求信号が人体検出センサ51側より出力され(ステップS35)、風呂リモコン60から入浴者に対して動作要求の表示がなされる(ステップS36)。この報知手順については、人体検出センサ51側の画像記憶部102の報知用画像記憶部105から、停止した場面に対応する予め記憶させた情報を読み出して、アナログ通信部55及びデジタル通信部56を介して伝送し、風呂リモコン部に画像で表示する。
【0063】この報知は具体的には、例えば「動いて下さい」という文字画像によって報知するようにすればよい。浴槽内ではじっとしていると動きが止まる場合があるので、入浴者に対して動きを要請して、人体検出センサの誤警報を防ぐためである。文字画像による報知と併せて、注意を喚起するためメロディ記憶部109からメロディを流すようにしてある。この報知は浴槽に浸かって動きがなくなってしばらくしてから、すなわち、停止判定後行われる。従って、浴槽に浸かった直後に動作要求がなされることはなくなる。
【0064】停止判定後に、人体検出センサ51が人の動きを検出した場合には(ステップS32でノーの場合)、入浴者は健在であると推測でき、タイマは解除される(ステップS42)。そして同時に、人体の動きの検出による検出信号を受けて停止画像表示手段134による停止画像の表示が解除される(ステップS43)。解除されたのち、動き画像表示手段133により、動き画像を再び表示するようにしてもよい。これにより、家族の者は、停止後動き始めたことを遠隔場所から知ることができる。
【0065】そして、動作要求が報知された後(ステップS36)においても依然として動きのない停止状態が設定時間の15秒前まで継続した場合には(ステップS37、38でイエスの場合)、文字表示に加えて風呂リモコン60に「動いて下さい」の音声による警告を発するようにしている(ステップS39)。このとき、メロディを流すようにしてある。メロディを付加することで、入浴者への動き要請の働きかけを強化することができる。そして、動きの無い状態がタイマの設定時間まで継続し、設定時間が経過すると(ステップS40、41でイエスの場合)、異常である旨の信号を出力し、音声記憶部101の警報報知音声記憶部108及び画像記憶部102の報知画像記憶部105から、他者に異常状態を知らせるための予め記憶させた情報を、通信部53を介して伝送し、台所リモコンの報知手段71に音声で警報すると共に表示手段74に画像で表示することとしている(ステップS44)。
【0066】この警報報知(ステップS44)は具体的には、例えば「浴室を見て下さい」という音声情報および文字画像によって警報するようにしてある。これにより、人体検出センサ51による人体の異常情報を台所に警報することができる。
【0067】この警報信号は、通信ICからなる通信部を介して、図8のように伝送する。すなわち、人体検出センサ51に設けた音声記憶部101、画像記憶部102から、音声及び画像データを前述した信号に応じて呼び出し、アナログ及びデジタル通信部66、76を介して台所リモコン70に伝送し、台所リモコン70に設けられたスピーカ等の報知手段71及び表示手段74に報知及び表示する。画像の検出、処理は前述した各領域29、30、31毎に行っているので、報知及び表示のための応答速度を早めることとなる。一方、浴室には風呂リモコンに設けられたスピーカから入浴者に対して「動いて下さい」の音声、注意喚起のメロディが発せられる。
【0068】 インターホンはすでに通話可能状態となっているので、体は動かないが声を出すことのできる入浴者は、通話ボタンを押さなくても、異常状態の緊急時には声を出しさえすれば、直ちに浴室外の家族と連絡をとることができて便利なものとなる。
【0069】動作要求報知後(ステップS36)に、人体検出センサ51が人の動きを検出した場合には(ステップS37でノーの場合)、入浴者は健在であると推測でき、前記同様にタイマは解除される(ステップS46)。そして同時に、人体の動きの検出による検出信号を受けて停止画像表示手段134による停止画像の表示が解除される(ステップS47)。解除されたのち、動き画像を再び表示するようにしてもよい。これにより、浴室内の状態を遠隔場所から把握することができる。
【0070】そして、警報報知がなされた(ステップS44)後は、家族の者が浴室に駆けつけ、救助を行うこととなる。報知、停止画像表示の解除は例えば、運転スイッチ129のオフ操作によって行えばよい(ステップS45)。通常の使用時には設定時間を2分に設定しておけば、入浴者に対して、設定時間の終了時から30秒繰り上げて動作要求の報知が風呂リモコンからなされる。同時にメロディが流れ、注意喚起がなされるのである。
【0071】なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で各種設計変更可能である。図27は他の実施例を示すものであり、タイマ設定後警報報知に至るまでのフローである。まず、タイマ時間を設定する(ステップS87)。そして、撮像装置及び制御装置を有する人体検出センサ51、動き量演算手段111により演算された検出値が予め指定された設定範囲に入るか否かをしきい値を用いて判定する動き有無判定手段114により、人体の動きを継続的に監視し、動きの検出を行なう(ステップS88)。ここで、人体の動きの停止を判定した場合には(ステップS89でイエスの場合)、人体検出センサ51本体に設けた発光ダイオード82を消灯する(ステップS90)。同時に、停止判定による信号によりタイマ手段117のタイマをスタートする(ステップS91)。タイマ時間は設定時間記憶手段140に記憶された所定の時間である。
【0072】停止状態が継続し、やがてタイマの設定時間終了時から一定時間(例えば30秒)遡った時点まで継続すると(ステップS92、ステップS93で共にイエスの場合)、風呂リモコン60の表示手段64に「動いて下さい」の文字で動作要求の表示を行なう(ステップS94)。併せて、メロディ記憶部109からメロディが呼出されてメロディが報知される(ステップS95)。さらに、設定時間の終了に至る15秒前まで停止状態が継続すると(ステップS96、ステップS97で共にイエスの場合)、風呂リモコン60の表示手段64に「動いて下さい」の音声により動作要求の警告を行なうと共にメロディが報知される(ステップS98)。さらに、停止状態のままで設定時間が経過すると(ステップS99)、風呂リモコン60には「動いて下さい」の音声警告及びメロディによる報知(ステップS100)、台所リモコン70の表示手段には「浴室を見て下さい」の文字及び音声で警告を発するようにしたものである(ステップS101)。前記一定時間は30秒に設定しているが、これに限られず20秒、あるいは40秒としてもよい。この一定時間は、設定時間可変手段により選択できる最低時間に一致させることで、必ず動作要求の報知を行なうことができ、同時にメロディによる注意喚起を図ることができる。
【0073】また、本実施形態ではシステムバスルームについて説明したが、この例に限られることなくこれ以外の既存の浴室にも設置できるものである。さらに人体検出センサはCCDカメラを使用したものであってもよい。また、人体検出センサと警報報知手段とを有線により接続したものを示したが、無線により接続したものであってもよい。
【0074】
【発明の効果】以上のように本発明は、動作要求報知手段による動作要求の報知時に報鳴させる旋律を記憶したメロディ記憶部を設けたことで、入浴者に対して二重の報知がなされ、動きの要求が明確となり、注意喚起の確実化を図ることができる。また本発明は、実際の撮像画像を取り込んでデータ処理を行い、動きの有無を判定したことで、確実に人体の停止の検出を行なうことができ、設定時間後の警報を正確に発することができる。さらに本発明は、動作要求の報知時に報鳴させる旋律を複数回に渡って報鳴させることにより、更なる注意喚起を図ることができる。
【出願人】 【識別番号】000004709
【氏名又は名称】株式会社ノーリツ
【住所又は居所】兵庫県神戸市中央区江戸町93番地
【出願日】 平成13年9月17日(2001.9.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−90886(P2003−90886A)
【公開日】 平成15年3月28日(2003.3.28)
【出願番号】 特願2001−282265(P2001−282265)