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【発明の名称】 地震予測即時報知システム
【発明者】 【氏名】藤縄 幸雄

【氏名】堀内 茂木

【氏名】井上 公

【氏名】松本 拓己

【氏名】根岸 弘明

【氏名】藤原 広行

【要約】 【課題】地震の予測強度や予測到達時刻(時間)を知らせ、地震に対する咄嗟の備えを行うことを支援し、災害の防止を図る。

【解決手段】地震に関するリアルタイム情報に基づき到達する地震波を予測し報知する地震予測即時報知システムであって、地震に関するリアルタイム情報を受信する受信手段2、3と、受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき報知の要否を判定する第1の判定手段4と、受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき特定地に到達する地震波の予測演算を行う予測演算手段5と、予測演算手段により予測演算された地震波の到達を報知する報知手段6、7とを備え、地震観測網で決定された地震パラメータを、当該地点に地震波が到達するより早く伝達し、当該地点の位置、地震学的特性を考慮して、その地点の必要な情報を即時に算出し表示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地震に関するリアルタイム情報に基づき、到来する地震波を予測し、報知する地震予測即時報知システムであって、地震に関するリアルタイム情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき報知の要否を判定する第1の判定手段と、前記受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき特定地に到達する地震波の予測演算を行う予測演算手段と、前記予測演算手段により予測演算された地震波の到達を報知する報知手段とを備えたことを特徴とする地震予測即時報知システム。
【請求項2】 前記受信手段は、前記リアルタイム情報として地震の3要素を受信するものであることを特徴とする請求項1記載の地震予測即時報知システム。
【請求項3】 前記受信手段は、前記リアルタイム情報として地震波形を受信し、前記第1の判定手段は、地震波形から地震の3要素を求める解析手段を含むことを特徴とする請求項1記載の地震予測即時報知システム。
【請求項4】 前記第1の判定手段は、前記地震の3要素から地震の大きさが予め設定された判定値以上か否かにより報知の要否を判定することを特徴とする請求項2又は3記載の地震予測即時報知システム。
【請求項5】 前記第1の判定手段は、前記地震の3要素から前記特定地に対する震央距離が地震の大きさに基づき求められる有感半径より大きいか否かにより報知の要否を判定することを特徴とする請求項2又は3記載の地震予測即時報知システム。
【請求項6】 前記予測演算手段は、地震動の場所の地質状況、建造物の構造の違いを含む増幅係数を求めて特定地に到達する地震波の予測演算を行うことを特徴とする請求項1記載の地震予測即時報知システム。
【請求項7】 前記予測演算手段は、地震波の予測演算として、地震P波及びS波の到達予測時間並びに予測震度を求めることを特徴とする請求項1記載の地震予測即時報知システム。
【請求項8】 前記予測演算手段は、前記P波の到達予測時間及び予測震度のデータを実測データと比較して、前記S波の到達予測時間及び予測震度の補正を行うことを特徴とする請求項7記載の地震予測即時報知システム。
【請求項9】 前記予測演算手段は、前記補正情報により前記予測演算のパラメータを更新することを特徴とする請求項9記載の地震予測即時報知システム。
【請求項10】 前記報知手段は、前記地震波の震度が予め設定された判定値以上か否かを判定する判定手段を含み、前記地震波の震度が前記判定値以上であることを条件に地震波の到達予測時間及び予測震度を報知することを特徴とする請求項1記載の地震予測即時報知システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地震に関するリアルタイム情報に基づき、到来する地震波を予測し、報知する地震予測即時報知システムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】これまでも、地震波の到達したあと、当該地点における震度などの地震動の強度を報知するものがあったが、地震波の到達前にその強度や到達時刻を利用者が知る手立てはなかった。
【0003】地震災害を少なくする方法は多岐にわたるが、本発明では、これらの情報により地震に対する咄嗟の備えを行うことを支援し、災害の防止を図るものである。具体的には、地震発生の後、各種の観測網によって観測されたデータを用いて、主震動であるS波の到達前に利用者に、その居住場所での地震の予測強度や予測到達時刻(時間)を報知して、この課題の解決を図る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのために本発明は、リアルタイム地震データあるいはリアルタイム地震情報に基づき到達する地震波を予測し報知する地震予測即時報知システムであって、地震に関するリアルタイム情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信したリアルタイム地震情報に基づき報知の要否を判定する第1の判定手段と、前記受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき特定地に到達する地震波の予測演算を行う予測演算手段と、前記予測演算手段により予測演算された地震波の到達を報知する報知手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0005】前記受信手段は、前記リアルタイム情報として地震の3要素を受信するかあるいは地震波形を受信し、前記第1の判定手段は、地震波形から地震の3要素を求める解析手段を含み、前記第1の判定手段は、前記地震の3要素から地震の大きさが予め設定された判定値以上か否か、前記地震の3要素から前記特定地に対する震央距離が地震の大きさに基づき求められる有感半径より大きいか否かにより報知の要否を判定することを特徴とするものである。
【0006】また、前記予測演算手段は、利用者の居住場所周辺の地質状況、建造物の構造の違いを含む増幅係数を求めて特定地に到達する地震波の予測を行い、地震波の予測演算として、地震P波及びS波の到達予測時間並びに予測強度を求め、前記P波の到達予測時間及び予測強度のデータを実測データと比較して、前記S波の到達予測時間及び予測強度の補正を行い、前記補正情報により前記予測演算のパラメータを更新し、前記報知手段は、前記地震波の強度が予め設定された判定値以上か否かを判定する判定手段を含み、前記地震波の強度が前記判定値以上であることを条件に地震波の到達予測時間及び予測強度を報知することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る地震予測即時報知システムの実施の形態を示す図、図2は本発明に係る地震予測即時報知システムの他の実施の形態を示す図、図3は地震予測報知の表示例を示す図、図4は内部システム及び外部システムの構成概要を示す図である。図中、1−1〜1−nは地震センサからなる地震観測網、2、11は受信部、3は解析部、4、12は第1判定部、5、13は予測演算部、6、14は第2判定部、7、15は報知部、16は第1判定基準データ、17は増幅係数データ、18は第2判定基準データを示す。
【0008】図1において、地震観測網1−1〜1−nは、全国各地の地震の観測地域に設置され、地震波形を観測し発信する地震観測網である。これらから発信される情報は、原データを含む地震に関するリアルタイム情報であり、気象庁などの国の機関による全国データ(レベル1)、県・市町村などによる地域データ(レベル2)、大規模施設などが自ら作成する局地データ(レベル3)の種類に概略分けられる。なお、地震に関するリアルタイム情報は、原データと防災に使用可能な強度、到達時間などの地震パラメータがある。
【0009】受信部2は、地震観測網1−1〜1−nからの地震に関するリアルタイム情報を受信するものであり、あらかじめ選定されたレベルのデータを取得する。ただし、機能としては、利用可能な全データを並列的に処理するように拡張機能をもたせてもよい。その際、結果の表示を並列にする、あるいは時間の早いものを優先するなどの選択を行う部分を設けてもよい。地震に関するリアルタイム地震パラメータ情報は、一定規模以上の地震が発生すると、公共機関あるいは通信業者から発信されるものであり、その内容は、地震の3要素(場所:Xo ,Yo 、時間:To 、大きさ:Mo )である。
【0010】解析部3は、地震波形を受信した場合にこれを解析して地震の三要素(場所・時間・大きさ)を求め、さらには、特定地の震央距離(震央Xo ,Yo から特定地X,Yまでの距離)D、地震の大きさ(マグニチュード)Mo から有感半径Rを求めるものである。特定地の個数は原則的に制限はない。
【0011】第1判定部4は、特定地において地震情報を報知するか否かを判定するものであり、例えば気象庁震度階(相当)I=5以上を与えるマグニチュードMo か否か、特定地の震央距離DがマグニチュードMo から求められる有感半径Rr 以内か否かなどにより判定される。
【0012】予測演算部5は、震央距離Dと地震の大きさMo と深さHo から特定地での標準強度Sr を求めると共に、地震動の場所の地質状況、建物の構造の違いなどによる特定地における増幅係数Aを求め、それら標準強度Sr と増幅係数Aを用いて地震波(S波)の予測強度S、あるいは最大速度、最大加速度、最大変位、到達予測時刻Tなど地震強度の地震パラメータを求める。
【0013】第2判定部6は、求めた予測強度Sを予め設定される下限強度Smin と比較して予測強度Sが下限強度Smin 以下か否かを判定するものである。
【0014】報知部7は、予測強度Sが下限強度Smin 以下であれば報知を行わず、予測強度Sが下限強度Smin を越える場合に、地震波(P波、S波)の伝播速度を基に到達予測時刻T(P,S)と予測強度Sを報知(例えば表示)するものである。この場合の各地震波の到達予測時刻Tは、それぞれの伝播速度に基づいて求められる。周知の如く、伝播速度は、地盤などの条件によって若干の幅はあるがP波が7km/sec程度に対し、S波が4.7km/sec程度と約半分に近い。2種地震波のうち、実質的な地震被害を発生させるのはS波である。そこで、到達時刻の早いP波により、予測データT(P)、S(P)と実測データTo (P)、So (P)とを比較し、それらを基に遅れて到達するS波について、到達予測時刻T(S)と予測強度S(S)について補正を行い、予測精度を向上することができる。さらには、この補正データを地震の発生毎に蓄積してそのデータを予測値の計算に反映させることにより、予測精度のより向上を図ることができる。
【0015】本発明に係る地震予測即時報知システムは、報知する対象や設置する場所、施設などに応じた形態がある。例えばその1つは、広域的システムの形態であり、自治体などにおいて地域(広域)的な防災対策のために地震観測、報知を行う場合である。この場合には、その自治体などの観測センターにおいて、図1に示すように地震計から地震に関するリアルタイム情報を受信し、その地域に関して上記解析、判定、演算を行い、到達予測時刻と予測強度の報知を行う。したがって、この場合には、例えばその地域内の各特定地点について到達予測時刻と予測強度を演算し、それぞれを各特定地点に報知したり、地区毎に警報を発するなどの対応が考えられる。
【0016】また、他の1つは、個別的システムの形態であり、家庭や事業所(工場、事務所など)、施設(レジャー施設、集合住居施設、イベント開催施設など)において、それぞれ個別に防災対策として報知を行う場合である。この場合には、例えば一定規模以上の地震が発生すると、図2に示すように所定の解析が行った公共機関や通信業者などのセンターから発信される地震の3要素を受信部11で受信して第1判定部12、予測演算部13、第2判定部14で上記判定、演算を行い、報知部15で到達予測時刻と予測強度の報知を行う。
【0017】図2において、第1判定基準データ16は、受信したリアルタイム情報に基づき報知の要否を判定するための判定値Mr のデータを有し、第1判定部12では、地震の大きさMo が予め設定されたこの判定値r 以上か否かにより報知の要否を判定する。また、震央距離Dと有感半径Rr との比較で報知の要否を判定する場合には、第1判定部12で、それぞれ震央距離Dと有感半径Rr を求めて比較を行う。
【0018】増幅係数データ17は、例えば全国的平均値をレベル1とし、経験的にあるいは計算によって求められた全国分布値をレベル2、自治体などが地殻特性データなどに基づいて作成した値をレベル3、居住地固有の値をレベル4、さらに報知器が置かれている場所の値をレベル5とし、それぞれA1 、A2 、A3 、A4 、A5 とする増幅係数のデータを有し、さらには補正係数βのデータを有する。これら増幅係数のデータは、センターから配信してもよいし、独自のシステムに保存してもよい。予測演算部13では、これらの値から震源地を考慮した特定地における実効増幅係数Aを求め、到達予測時刻Tと予測強度Sの演算を行う。
【0019】第2判定基準データ18は、地震波の予測強度Sを判定するための判定値(下限強度)Smin のデータを有し、第2判定部14では、演算された地震波の予測強度Sがこの判定値Smin 以上であるか否かを判定する。報知部15は、予測強度Sが下限強度Smin 以下であれば報知を行わず、予測強度Sが下限強度Sminを越える場合に、地震波(P波、S波)の伝播速度を基に到達予測時刻Tと予測強度Sを報知(例えば表示)する。その地震予測報知の表示例を示したのが図3である。
【0020】本発明に係る地震予測即時報知システムでは、全体として、図4に示すようにその内部システムが増幅係数のデータベース、増幅係数の更新、予測アルゴリズム、補正アルゴリズムの評価で構成され、外部システムが観測インフラ、通信インフラ、リアルタイム情報インフラで構成される。
【0021】更に、システム全体の動作フローに従い本発明を具体的に詳述する。図5は本発明に係る地震予測即時報知システムの動作フローの例を説明するための図、図6は地震予測報知後の予測情報の補正処理を説明するための図である。
【0022】本発明に係る地震予測即時報知システムでは、図5に示すようにまず、地震センサからの地震波形を受信すると(ステップS11)、測定点での到達時刻と地震波形の分析を基に地震の3要素を求め(ステップS12)、第1の判定として、求めた地震の3要素のうち地震の大きさMo が特定地において地震情報を報知する大きさMr 以上のものであるか否か(Mo ≧Mr ),の判定を行う(ステップS13)。なお、地震の発生時刻などの推定のためには、システムやセンサ内蔵の時計(精度1ms以上)を用いてもよいし、GPS時計を取得させるようにしてもよい。座標値は、GPSによる値、又は手動入力値とする。
【0023】気象庁震度階IをマグニチュードMo 、震央距離Dから求めるには、経験的に知られた関数 〔数1〕
I=I(Mo ,D)
=2Mo −4.60 logD−0.00167D−0.32を用いる。通常は、当該地点で気象庁震度階I=5以上を与えるマグニチュードMr を使うのがよいであろう。例えば事務室用、家庭用の場合には、I>5.0が設定され、製造ラインなどでは、その特性に応じてI≦5.0に設定されるが、設定値は使用者が決定するものとする。また、有感半径Rr (km)の算出には、〔数2〕
o =−1.0+2.7 logRrの関数が用いられる。したがって、Rr とDを比較して、R≦Dの場合には、危険性が少ないとして地震情報を無視する。あるいは、〔数3〕
M=α log10Rを使って、限界マグニチュードMmin のテーブルを震央距離D毎に、例えば0.5刻みで作り、そのテーブルから対応する震度を検索してもよい。
【0024】次に、地震動の場所の地質状況、建物の構造などの違いによる増幅係数Aを求め(ステップS14)、さらに、震央距離Dに対応した当該地点の標準強度Srを求めて(ステップS15)、増幅係数Aと標準強度Sr から当該地点の予測強度S、到達予測時刻Tを求める(ステップS16)。
【0025】実効増幅係数Aは、各レベルでの係数値の積〔数4〕
A=A1 ・A2 ・A3 ・A4 ・A5で求められ、A1 〜A5 のうちデータのない場合には、それらの値は1.0とする。そして、標準強度Sr は、次式から求める。
【0026】〔数5〕
r =S(Mo ,D,Ho
当該地点の予測強度Sは、〔数6〕
S=A・Sで求められる。
【0027】続いて、第2の判定として、求めた予測強度Sが下限強度Smin 以上か否かを、S≧Smin により判定し(ステップS17)、予測強度Sが下限強度Smin より小さい場合には、報知を行わずステップS11に戻り、次の地震波形の受信を待ち、予測強度Sが下限強度Smin 以上の場合には、例えば図3に示す地震P波の予測強度S(P)、到達予測時刻T(P)、S波の予測強度S(S)、到達予測時刻T(S)を表示する(ステップS18)。
【0028】地震予測報知後は、さらに図6に示すようにP波が到達するのを待ち(ステップS19)、P波が到達し検測されると、その時刻及び強度の実測データを取り込み(ステップS20)、予測データとを比較して予測情報の補正を行う(ステップS21)。さらに、S波が到達するのを待ち(ステップS22)、S波が到達し実測されると、その時刻及び強度の実測データを取り込み(ステップS23)、予測データとを比較して予測情報の補正を行い(ステップS24)、Aなどのパラメータを更新する(ステップS25)。
【0029】予測情報の補正は、P波の予測強度S(P)、到達予測時刻T(P)に対して実測した強度をSt (P)、到達予測時刻をTt (P)とすると、補正後の予測強度S′(S)は、〔数7〕
S′(S)=S(S)+ΔS(S)
ΔS(S)は、〔数8〕
ΔS(S)=ΔS(P)(aS /aP
〔数9〕
ΔS(P)=S(P)−St (P)
であり、aS /aP には、次の実験式〔数10〕
S =aS S −bS logD−cS D−dSP =aP P −bP logD−cP D−dPにより求める。
【0030】また、到達予測時刻T′(S)は、〔数11)
T′(S)=T(S)+ΔTP (VP /VS
ただし、VP :P波の伝播速度、VS :S波の伝播速度〔数12)
ΔTP =T(P)−Tt (P)
により求める。
【0031】補正係数βは、〔数13)
S′(S)=βS(S)
とする。
【0032】そして、これらの補正を行った後は、P波の実測した強度St (P)、到達予測時刻Tt (P)、補正したS波の予測強度S′(S)、到達予測時刻T′(S)を表示する。さらに、S波が到達した後は、予測作業を終了する。予測データ、実測データと算出した時刻などは増幅係数、補正係数の更新情報としてメモリに保存する。これらのデータに基づきデータベース化される設定パラメータの再評価、更新を行うことができる。
【0033】なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、それぞれの報知特定地において強度、到達時刻などを予測し表示などにより報知したが、センターに予測演算装置をおいて一定の地域の各特定地の強度、到達時刻などを予測し、伝送して報知してもよい。また、到達予測時刻、予測強度を表示により報知したが、音声やデジタル信号により出力するように構成してもよいし、地域防災支援システムに送信させるようにしてもよい。さらに、特定地域、特定地点を対象として予測演算を行ったが、2次元平面で予測演算を行い、予測強度、到達予測時刻をマッピングさせるようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、地震に関するリアルタイム情報に基づき到達する地震波を予測し報知する地震予測即時報知システムであって、地震に関するリアルタイム情報を受信する受信手段と、受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき報知の要否を判定する第1の判定手段と、受信手段により受信したリアルタイム情報に基づき特定地に到達する地震波の予測演算を行う予測演算手段と、予測演算手段により予測演算された地震波の到達を報知する報知手段とを備えたので、あらかじめ整備されていた地震観測網で決定された地震パラメータを、当該地点に地震波が到達するより早く伝達し、当該地点の位置、地震学的特性を考慮して、その地点の地震の強度などの地震防止上必要な情報を即時に算出し、それを地震波(P波、S波)の到達予測時刻とともに表示することができる。
【0035】受信手段は、リアルタイム情報として地震の3要素を受信し、受信手段は、リアルタイム情報として地震波形を受信し、第1の判定手段は、地震波形から地震の3要素を求める解析手段を含み、第1の判定手段は、地震の3要素から地震の大きさが予め設定された判定値以上か否か、地震の3要素から特定地に対する震央距離が地震の大きさに基づき求められる有感半径より大きいか否かにより報知の要否を判定するので、自治体用、個別用に対応してシステムを構成し、それぞれの対象、目的に応じて報知を行うようにすることができる。
【0036】また、予測演算手段は、地震動の場所の地質状況、建造物の構造の違いを含む増幅係数を求めて特定地に到達する地震波の予測演算を行い、地震波の予測演算として、地震P波及びS波の到達予測時間並びに予測強度を求め、P波の到達予測時間及び予測強度のデータを実測データと比較して、S波の到達予測時間及び予測強度の補正を行い、補正情報により予測演算のパラメータを更新し、報知手段は、地震波の強度が予め設定された判定値以上か否かを判定する判定手段を含み、地震波の強度が判定値以上であることを条件に地震波の到達予測時間及び予測強度を報知するので、S波に対する予測精度をより高め、さらに予測精度の高いシステムを提供することができ、もって危険場所からの避難等の緊急動作を行うのを支援することができる。
【出願人】 【識別番号】501138231
【氏名又は名称】独立行政法人防災科学技術研究所
【識別番号】501389224
【氏名又は名称】藤縄 幸雄
【識別番号】501389213
【氏名又は名称】堀内 茂木
【識別番号】501426954
【氏名又は名称】松本 拓己
【識別番号】501389235
【氏名又は名称】根岸 弘明
【識別番号】501426909
【氏名又は名称】藤原 広行
【出願日】 平成13年8月28日(2001.8.28)
【代理人】 【識別番号】100088041
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 龍吉 (外7名)
【公開番号】 特開2003−66152(P2003−66152A)
【公開日】 平成15年3月5日(2003.3.5)
【出願番号】 特願2001−257765(P2001−257765)