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【発明の名称】 人体検知装置
【発明者】 【氏名】島田 直
【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1 株式会社日立ホームテック内

【要約】 【課題】非検知対象である小動物の誤検知を効率良く排除でき、安価で、かつ、精度良く人体を検知できる人体検知装置を実現することを目的とする。

【解決手段】人体1から放射される赤外線を集光する光学系2と、光学系2で集光された赤外線を検出し電気信号に変換する焦電素子3と、焦電素子3の出力信号を増幅する増幅回路4と、増幅回路4で増幅された信号を不要な周波数成分を減衰して通過させる帯域フィルタ5と、帯域フィルタ5を通過した信号が、予め設定された閾値を超えたときに検出信号を出力する比較回路6と、前記検出信号を外部の機器に出力する信号出力回路7とで構成される人体検知装置において、前記光学系2の設置位置は床面より上方とし、光学系2が集光可能なビーム形状の赤外線検知エリア9の方向は、斜め上方に設定した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人体(1)から放射される赤外線を集光する光学系(2)と、光学系(2)で集光された赤外線を検出し電気信号に変換する焦電素子(3)と、焦電素子(3)の出力信号を増幅する増幅回路(4)と、増幅回路(4)で増幅された信号を不要な周波数成分を減衰して通過させる帯域フィルタ(5)と、帯域フィルタ(5)を通過した信号が、予め設定された閾値を超えたときに検出信号を出力する比較回路(6)と、前記検出信号を外部の機器に出力する信号出力回路(7)とで構成される人体検知装置において、前記光学系(2)の設置位置は床面より上方とし、光学系(2)が集光可能なビーム形状の赤外線検知エリア(9)の方向は、斜め上方に設定したことを特徴とする人体検知装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高齢化社会に対応した老人専用住宅で、居住者の健康異変を自動的に検知して緊急通報を行なう健康異変検知システムや、不法侵入者に対する防犯システム等に用いられる人体検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の人体検知装置として、赤外線受光式のものが知られている。この人体検知装置は、人体から放射される赤外線の量と、人体の背景から放射される赤外線の量との差、すなわち、人体とその背景との温度差を焦電素子を用いて検出することで人体を検知している。
【0003】赤外線検知エリア内の赤外線量変化を常時監視し、赤外線検知エリア内に人が入り込むと、人体から放射される赤外線が光学系を介して集光され焦電素子に導かれる。この時の赤外線量は、赤外線検知エリア内の背景から放射される赤外線量に対して通常増大する。赤外線受光式の人体検知装置は、この赤外線量の変化を用いて人体を検知するもので、人体を検知した際には、検出信号を出力し、この信号に基づいて外部機器が照明のON/OFFをしたり、ブザーを鳴動させるなどの制御を行っている。
【0004】このような一例として、特開平10−188147号公報および特開平06−230144号公報などの例がある。
【0005】従来の第一の例として、特開平10−188147号公報の例を、図3を用いて説明する。図3はこの第一の例を示す構成図である。
【0006】図において、8は人体検知装置で、天井12に人体1から放射される赤外線を検出する人体検知手段と、該人体検知手段を保護するカバーと、該カバーの前方に配置された保護部材とを具備している。9は赤外線検知エリアであり、天井12に設置された人体検知装置8から下方に向かって設定されている。
【0007】そして、人が赤外線検知エリア9内に入ると、その赤外線量により、人体1として検知するものである。
【0008】従来の第二の例として、特開平06−230144号公報の例を、図4を用いて説明する。図4はこの第二の例を示す構成図である図において、8aは第一の人体検知装置で、天井12に取り付けられ、在室を検知する。8bは第二の人体検知装置で、天井12に取り付けられ、入口(ドア13)を通過して入室する動作を検知する。9aは第一の人体検知装置8aによる第一の赤外線検知エリアである。9bは第二の人体検知装置8bによる第二の赤外線検知エリアである。この二つの赤外線検知エリア9a、9bは互いに重複しないように定められている。
【0009】そして、二つの人体検知装置8a、8bの動作の組み合わせにより、人が部屋に居るか居ないかを検知するものである。
【0010】以上に示す従来の人体検知装置8は、部屋の天井12に設けられて、赤外線検知エリア(図3において9、図4において9a、9b)を真下方向または斜め下方に設定しているため、犬や猫等の小動物が通過しても、人体1と同様に赤外線を放出していることから、誤って人と見なして検知するという問題がある。
【0011】このような小動物に対する誤検知に対処する例として、特開平05−274562号公報の例がある。
【0012】そこで、従来の第三の例として、特開平05−274562号公報の例を、図5を用いて説明する。図5はこの第三の例を示すブロック構成図である。
【0013】図において、2は光学系で、赤外線を集光する。14は赤外線検出素子で、光学系2から入射した赤外線をその変動量に応じた電気信号に変換する。この赤外線検出素子14の出力信号を増幅回路4で増幅し、増幅回路4の出力増幅信号が所定のレベル以上となった時に警報信号発生回路16を駆動するレベル検出回路15を備えている。
【0014】また、感音手段17と、この感音手段17による出力信号レベルが所定値以上となった時に、検出感度を上げる感度可変手段18とを具備している。
【0015】以上の構成において、侵入者があった場合、侵入行為に伴う何らかの音が発生することから、この音が感音手段17の出力信号レベルが所定値以上である時に、感度可変手段18を介して増幅回路4の感度を上げて人体1の検出感度を上げ、確実に人体1を検出する。
【0016】この時、犬や猫等の小動物が侵入した場合、感音手段17の出力信号レベルは所定値以下なので、検出感度を上げることがなく、誤って検出し、警報信号発生回路16を駆動することがない、というものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、従来の第一例から第二例に示す赤外線受光式の人体検知装置は、通常天井に取り付けられ、赤外線検知エリアを真下方向または斜め下方に設定しているため、犬や猫等の小動物が通過しても、人体と同様に赤外線を放出していることから、誤って人と見なして検知するという問題がある。
【0018】また、このような誤検知に対処して第三例に示すように、赤外線検出素子以外に感音手段を追加して設ける方法は、音により人体と、犬や猫等の小動物とを判別するものであるが、確実性がやや低く、かつ、赤外線検出素子部以外に感音手段およびその周辺部品を必要とするため、コストアップとなる。
【0019】本発明は前記不具合を解決するものであり、非検知対象である小動物の誤検知を効率良く排除でき、安価で、かつ、精度良く人体を検知できる人体検知装置を実現することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の課題を解決するために、人体から放射される赤外線を集光する光学系と、光学系で集光された赤外線を検出し電気信号に変換する焦電素子と、焦電素子の出力信号を増幅する増幅回路と、増幅回路で増幅された信号を不要な周波数成分を減衰して通過させる帯域フィルタと、帯域フィルタを通過した信号が、予め設定された閾値を超えたときに検出信号を出力する比較回路と、前記検出信号を外部の機器に出力する信号出力回路とで構成される人体検知装置において、前記光学系の設置位置は床面より上方とし、光学系が集光可能なビーム形状の赤外線検知エリアの方向は、斜め上方に設定したものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明は、前述のように、光学系の設置位置は床面より上方とし、光学系が集光可能なビーム形状の赤外線検知エリアの方向は、斜め上方に設定したものである。
【0022】これにより、誤検知を効率よく排除でき、安価で、かつ、精度良く人体を検知できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に従って説明する。
【0024】図1は本発明の一実施例のブロック構成図、図2は本発明の一実施例の設置位置および赤外線検知エリアを示す図である。
【0025】図において、1は人体である。2は光学系で、人体1から放射される赤外線を集光する。3は焦電素子で、光学系2で集光された赤外線を検出し電気信号に変換する。4は増幅回路で、焦電素子3の出力信号を増幅する。
【0026】5は帯域フィルタで、増幅回路4で増幅された信号を不要な周波数成分を減衰して通過させる。6は比較回路で、帯域フィルタ5を通過した信号が、予め設定された閾値を超えたときに検出信号を出力する。7は信号出力回路で、前記検出信号を外部の機器に出力する。
【0027】8は人体検知装置で、前記2から7の要素で構成される。
【0028】9は赤外線検知エリアで、前記光学系2が集光可能なビーム形状のエリアであり、このビーム形状は特に指定は無く、扇形でも、円錐形でもよい。10は人体検知装置8が設置される部屋である。11は犬や猫等の小動物である。
【0029】尚、図において、光学系2および焦電素子3は、人体検知装置8の本体と一体の構成としているが、本体とは別体として、設置の柔軟性を持たせる構成も考えられる。
【0030】そして、光学系2の設置位置は床面より上方とする。詳細には、部屋10の壁面で、非検知対象である小動物11よりも高い位置とする。この設置位置は周囲の条件などにより適切な高さとすればよい。
【0031】また、赤外線検知エリア9の方向は、斜め上方に設定し、検知対象である人体1の腰から頭部付近を検知対象となるようにする。このように設定することにより、赤外線検知エリア9の方向は、背景が天井となるので、熱的な外乱も受け難くなり、検知精度が向上する。
【0032】以上の構成において、図2を用いて、全体の動作を説明する。
【0033】人が部屋10の中に入ると、人体1は人体検知装置8の赤外線検知エリア9内に入ることになり、光学系2で集光する赤外線量が背景のみの時より増加して、焦電素子3に送られ、焦電素子3は赤外線量の増加に応じて増大した電気信号を出力する。この電気信号は、増幅回路4で増幅され、帯域フィルタ5で不要な周波数成分が減衰されて通過し、比較回路6に入力される。
【0034】このとき、比較回路6に入力された電気信号は、予め設定された閾値を超える大きさとなるので、比較回路6からは検出信号が出力されて信号出力回路7に入力され、信号出力回路7はこれを受けて、外部に検出信号を出力する。外部機器は、この信号を受けて、照明機器の場合はONまたはOFF、ブザーなどの場合は警報音を鳴動させるなどの動作が行われる。
【0035】一方、部屋10の中に犬や猫等の小動物11が入った場合、人体検知装置8は小動物11より高い壁面に設置され、かつ、赤外線検知エリア9は斜め上方に向いているため、検知されることが無い。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光学系の設置位置は床面より上方とし、光学系が集光可能なビーム形状の赤外線検知エリアの方向は、斜め上方に設定したので、人体検知装置は非検知対象である小動物の誤検知を効率よく排除でき、また、基本的な要素で構成させているため、安価に実現でき、かつ、熱的外乱も受け難いため、精度良く人体を検知できるものである。
【出願人】 【識別番号】000005131
【氏名又は名称】株式会社日立ホームテック
【住所又は居所】千葉県柏市新十余二3番地1
【出願日】 平成13年6月19日(2001.6.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2003−4862(P2003−4862A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−184920(P2001−184920)