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【発明の名称】 人体検知センサー
【発明者】 【氏名】清水 拓也
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三菱電機株式会社内

【要約】 【課題】湿度の高い環境下でも使用できる人体検知センサーを得ることを目的とする。

【解決手段】人の存在を検知するセンサー部1と、このセンサー部1からの信号を処理する回路素子5と、前記センサー部1及び前記回路素子5を装着する回路基板6と、前記センサー部1、前記回路素子5及び前記回路基板6を収納するケース7と、前記回路基板6に接して設けられ前記センサー部2を囲む障壁9と、前記ケース7内の前記障壁9の外側に充填されたポッティング材11とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 人の存在を検知するセンサー部と、このセンサー部からの信号を処理する回路素子と、前記センサー部及び前記回路素子を装着する回路基板と、前記センサー部、前記回路素子及び前記回路基板を収納するケースと、前記回路基板に接して設けられ前記センサー部を囲む障壁と、前記ケース内の前記障壁の外側に充填されたポッティング材とを備えた人体検知センサー。
【請求項2】 前記センサー部はレンズを有し、前記ケースの前記レンズに対向する部分を球面状に突出させて形成したことを特徴とする請求項1記載の人体検知センサー。
【請求項3】 前記ケースを上ケースと下ケースとから構成し、前記上ケース側に開口部を設け、前記上ケースと一体に前記障壁を形成したことを特徴とする請求項1記載の人体検知センサー。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浴室等、湿度の高い環境で使用する人体検知センサーの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、人体検知センサーにより人の存在の有無を判断して、部屋の照明をON、OFFしたり、洗面所の換気をON、OFFしたりするものがあった。また、浴室の暖房を行う浴室用暖房機の機能として、入浴者の有無によって自動的に運転の開始や停止を行うようにしたいという要望があった。また、浴室の暖房を快適にするために、入浴前は温風用ヒーターを用いて循環用送風機を強風運転する暖房を行い、入浴中は輻射用ヒーターを用いて循環用送風機を弱風運転する暖房を行うものがあるが、入浴前の暖房と入浴中の暖房の切り替えを入浴者の有無によって自動的に行うようにしたいという要望もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の人体検知センサーは湿度に対する対策が施されていないため、浴室内のような結露や湯気の絶えず発生する環境下での使用には適しておらず、使用した場合には水分による回路部の劣化や故障などが生じるという問題があった。
【0004】本発明はこのような問題を解決するもので、湿度の高い環境下で使用しても故障することがない人体検知センサーを得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係る人体検知センサーは、人の存在を検知するセンサー部と、このセンサー部からの信号を処理する回路素子と、前記センサー部及び前記回路素子を装着する回路基板と、前記センサー部、前記回路素子及び前記回路基板を収納するケースと、前記回路基板に接して設けられ前記センサー部を囲む障壁と、前記ケース内の前記障壁の外側に充填されたポッティング材とを備えたものである。ここで、障壁は下記の実施の形態においてはリブ9に相当する。
【0006】また、前記センサー部はレンズを有し、前記ケースの前記レンズに対向する部分を球面状に突出させて形成したものである。
【0007】また、前記ケースを上ケースと下ケースとから構成し、前記上ケース側に開口部を設け、前記上ケースと一体に前記障壁を形成したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態1における人体検知センサーの斜視図、図2はその正面図、図3はその内部構成を説明するための断面図、図4は図1に示す人体検知センサーをA−Aで切断した一部断面図、図5は図1に示す人体検知センサーのB−B断面図である。この実施の形態においては、焦電形人感センサーなどの赤外線検知センサーを用いた場合について説明する。
【0009】各図において、1はセンサー部であり、赤外線検知センサー2とレンズ3から構成される。この赤外線検知センサー2は、温度差による赤外線入射量の変化を検知することにより人体の有無を検知するものである。4はLED等の表示ランプであり、赤外線検知センサー2が人の存在を検知したとき等に点灯する。5はIC、コンデンサー、抵抗等の回路素子であり、赤外線検知センサー2からの信号を処理し、照明器具や暖房機等(図示せず)の制御部に出力するためのものである。照明器具や暖房機はこの信号に基づいて運転を行う。6はセンサー部1、表示ランプ4、回路素子5が装着された回路基板である。
【0010】7はセンサー部1、表示ランプ4、回路素子5、回路基板6を収納し、人体から発せられる赤外線を透過する樹脂により成形されたケースであり、下ケース7aと上ケース7bとから構成される。上ケース7bはレンズ4に対向する部分のみを球面状に突出させている。また、上ケース7bは下ケース7aよりも小さく、組み合わせたときに開口部8が形成される。9は上ケース7bと一体に形成されセンサー部1と表示ランプ4を囲むように設けられたリブであり、回路基板6に接している。10は下ケース7aと上ケース7bとをネジなしで組み合わせるためのツメである。
【0011】11はケース7内のリブ9の外側に充填されたウレタン系の樹脂等のポッティング材であり、回路素子5及び回路基板6を覆っている。具体的には回路素子5のうち一番高さの高い電解コンデンサーの上面より2mm上までポッティング材11を充填している。ここで、センサー部1の上方までポッティング材11を充填しなかったのは、充填により赤外線検知センサー2の感度が低下する恐れがあるからである。12は下ケース7aの両側面に形成された軸状突起であり、取付部(図示せず)の開口部に挿入することによりケース7が回動自在に取り付けられる。
【0012】次に、ポッティング材11の充填方法について説明する。まず、下ケース7aにセンサー部1、表示ランプ4、回路素子5を装着した回路基板6を収納する。この下ケース7aに、上ケース7bをツメ10により固定する。次に、開口部8からポッティング材11をケース7内に充填する。
【0013】ここで、ポッティング材11の充填前に下ケース7aと上ケース7bを組み合わせるのは、上ケース7bの球面状の突出部によりレンズ4がずれないよう押え込み、上ケース7bに形成されたリブ9と下ケース7aにより回路基板6をはさんで固定するとともに、リブ9によりポッティング材11がリブ9の内側に浸入するのを防止するためである。また、図示はしないが、上ケース7bにコードを固定するクリップ部を形成し、このクリップ部にコードを固定してからポッティング材11を充填することができるため、充填の過程でコード引き出し部分が動いて固まり、穴が開いてしまうことを防止できる。
【0014】また、上ケース7bをセンサー部1を覆う程度の大きさとし、開口部8を比較的大きくしたのは、充填時にスムーズにポッティング材11が流れ、気泡が発生しないようにするとともに、ポッティング材11の流れ具合を後から確認できるようにするためである。また、開口部を小さくした場合、ポッティング材11を一気に注入すると開口部から溢れ出てしまい、それを防止するためにゆっくり注入したのでは作業時間が長くなってしまうという問題があるからである。
【0015】このようにポッティング材によって回路素子5及び回路基板6を覆ったので、水分による回路の劣化及び故障を防止できる。また、リブ9によりセンサー部1と表示ランプ4を囲むようにしたため、外部との気密性を確保でき、センサー部1及び表示ランプ4が湿度の影響を受けないようにすることができる。
【0016】したがって、耐湿性や耐水性の保証されない安価な赤外線検知センサーを、浴室内のような結露や湯気の絶えず発生する環境下で使用することが可能となる。すなわち、結露や湯気の絶えず発生する浴室に設置される浴室用換気乾燥機等に取り付けても、回路の劣化や故障がなく、人の存在を正確に検知できる。例えば、浴室用換気乾燥機に自動暖房モードを設け、入浴前は温風用ヒーターを用いて循環用送風機を強風運転する暖房を行い、人体検知センサーが人の存在を検知したとき輻射用ヒーターを用いて循環用送風機を弱風運転する暖房に切り替え、人の存在を検知しなくなったとき自動的に暖房を停止させる制御が可能となる。
【0017】また、リブ9は、上述のようにポッティング材11がリブ9の内側に浸入するのを防止する役目も果たす。すなわち、リブ9の内側の空気圧によって、また、リブ9を回路基板6に密着させることによって、ポッティング材11がセンサー部1及び表示ランプ4が取り付けられているリブ9の内側へ浸入するのを防止できる。
【0018】ポッティング材11としては、ウレタン系の樹脂の他、アクリル、エポキシ、シリコーンゴムなど、電気的な絶縁性があって、流動状態から加熱や2液混合等によって固まって回路素子5や回路基板6を保護できる素材であれば、同様の効果を得ることができる。2液混合の例としては、主材としてMDI系ポリイソシアネートを用い、硬化材としてリシノレート系ポリオールを用いるものがある。なお、ウレタン系の樹脂のように、難燃性を確保できる素材であれば、ポッティング材11としてより適している。
【0019】また、上ケース7bはレンズ3に対向する部分のみを球面状に突出させた形状であるため、その突出部によって上述のようにレンズ3がずれないように位置決めすることができるとともに、人体検知センサーの厚みを小さくすることができる。
【0020】また、人体検知センサーをケース7に形成された軸状突起12によって回動自在に取り付けるようにしたので、検知範囲を変更することができる。したがって、検知範囲を浴室の洗い場の方に向けるなどの調整が可能となる。特に、浴室内の浴槽部分と洗い場部分では温度が異なるため、周囲との温度差により人の存在を検知する赤外線検知センサーを用いた場合には効果がある。
【0021】なお、ケース7は上述の形状に限らず、センサー部1、表示部4、回路素子5、回路基板6を収納でき、ポッティング材11を充填できるものであればよい。ポッティング材11を注入する開口部8も上述の形状に限らず、上ケース7bに穴状に形成してもよい。
【0022】また、リブ9は上ケース7bと一体に形成したが、センサー部1を囲みポッティング材11が浸入することを防止できる構成であれば、別体として回路基板6に直接取り付けてもよい。
【0023】また、この実施の形態においては、人体検知センサーが人の存在を検知したときに表示部4を点灯させるようにしたので、使用者に検知したことを知らせることができるが、表示部4のない構成であってもよい。
【0024】また、この実施の形態においては、下ケース7aも上ケース7bも共に赤外線を透過する樹脂によって形成したが、赤外線を検知する側である上ケース7bのみを赤外線を透過する樹脂としても良い。
【0025】実施の形態2.上記の実施の形態1においては、センサーとして赤外線検知センサーを用いたが、イメージセンサーや超音波センサー等を用いる場合でも、上述のようにその回路素子や回路基板をポッティング材により覆い、ポッティング材がセンサーの取付部に浸入しないような構成とすれば、人体検知センサーを湿度から保護することができる。
【0026】
【発明の効果】この発明に係る人体検知センサーによれば、人の存在を検知するセンサー部と、このセンサー部からの信号を処理する回路素子と、前記センサー部及び前記回路素子を装着する回路基板と、前記センサー部、前記回路素子及び前記回路基板を収納するケースと、前記回路基板に接して設けられ前記センサー部を囲む障壁と、前記ケース内の前記障壁の外側に充填されたポッティング材とを備えたので、湿度の高い環境下で使用しても故障することがない。
【0027】また、前記センサー部はレンズを有するものであって、前記ケースの前記レンズに対向する部分を球面状に突出させて形成したので、湿度の高い環境下で使用しても故障することがないという効果を有するとともに、人体検知センサーの厚みを小さくすることができる。
【0028】また、前記ケースを上ケースと下ケースとから構成し、前記上ケース側に開口部を設け、前記上ケースと一体に前記障壁を形成したので、湿度の高い環境下で使用しても故障することがないという効果を有するとともに、組み立て及びポッティング材の充填が容易になる。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区丸の内二丁目2番3号
【出願日】 平成13年6月19日(2001.6.19)
【代理人】 【識別番号】100102439
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 金雄 (外1名)
【公開番号】 特開2003−4861(P2003−4861A)
【公開日】 平成15年1月8日(2003.1.8)
【出願番号】 特願2001−184621(P2001−184621)