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【発明の名称】 リークテスト用前処理装置
【発明者】 【氏名】井川 秋夫
【住所又は居所】京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会社島津製作所内

【要約】 【課題】被試験体の表面に吸着したヘリウムガスによる測定誤差を排除すると共に、リークテスト前にリーク箇所からヘリウムガスが拡散してしまうことを防止し、さらには、テスト時間の短縮化を図ることができるリークテスト用前処理装置の提供。

【解決手段】ボンビングタンク11に被試験体Sを収容し、ガス供給手段14により、このボンビングタンク11にヘリウムガスを加圧封入し、被試験体のリーク箇所にヘリウムガスを浸積させた後、ボンビングタンク11内に収容された被試験体Sと対向して配置された配管17を介してボンビングタンク11内のガスを排気するとき、ヘリウムガスが、被試験体Sを挟んで配管と対向して配置された整流格子18を通過する際に加速され、被試験体Sに衝突してから排出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被試験体を収容するタンクと、タンクにプローブガスを加圧封入するガス供給手段とを備え、被試験体のリーク箇所にプローブガスを浸積させるリークテスト用前処理装置において、前記タンク内に収容された被試験体と対向して配置され、バルブを介してタンク内のガスを排気する配管と、ガスが通過することでガスに流速を加える気流発生手段とを備えると共に、その気流発生手段は被試験体を挟んで前記配管と対向して配置されることで、前記タンク内のガスが前記配管を通過して排出されとき、前記気流発生手段で加速され、被試験体に衝突してから排出されるよう構成されたことを特徴とするリークテスト用前処理装置。
【請求項2】 前記気流発生手段が、複数のオリフィスが形成された整流格子であることを特徴とする請求項1に記載されたリークテスト用前処理装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉検査等に使用されるリークデテクタの前処置装置であって、被試験体のリーク箇所にプローブガスを浸積させるボンビング処理を行うヘリウムボンビング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】封止検査や密閉検査を行う有力な手段の一つとしてリークデテクタがある。このようなリークデテクタは、例えば、プローブガスとして被試験体に封入されたヘリウム(He)ガスの漏れを検出する。
【0003】そして、このようなリークデテクタを使用したリークテスト法の1つとして、前処理において、プローブガスであるヘリウムガスを加圧封入したタンク内に被試験体を収容し、密閉不完全なリーク箇所を有している場合は、その部分にヘリウムガスを浸積させ、一定時間経過後、被試験体をタンクからヘリウムリークデテクタへ移し、漏れ出すヘリウムガスの有無を検出するボンビング法がある。
【0004】特に、前処理として、図2に示したヘリウムボンビング装置では、複数の被試験体Sを載置した試料カゴ55をボンビングタンク51に収容し、ボンビングタンク51内に、バルブV2を介してヘリウムガス供給手段54からヘリウムガスを加圧封入すると、被試験体Sのリーク箇所にヘリウムガスが浸積すると共に、被試験体Sの表面にもヘリウムガスが吸着する。したがって、このままの状態でヘリウムリークデテクタに移してリークテストすると、被試験体Sの表面からのヘリウムガスが検出されてしまって測定精度を悪くする。
【0005】そこで、このヘリウムボンビング装置には、バルブV4を介してボンビングタンク51にヘリウムガス以外の例えば窒素ガスを加圧封入する窒素ガス供給手段60を備え、被試験体Sの表面に吸着したヘリウムガスを除去するというフラッシングを行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、プローブガスであるヘリウムガスとは別種の窒素ガスなどを使用するフラッシングでは、まず、ボンビングタンク51からヘリウムガスを除去するために、バルブV3を開としてヘリウムガスをベントした後、ポンプ53によってタンク内を減圧する必要があり、そのための時間が必要であるし、さらに、窒素ガスを加圧封入してからフラッシングに要する時間も必要であるので、これらの処理中に、リーク箇所に浸積したヘリウムガスが拡散してしまうことがあり、リーク箇所が存在していてもヘリウムガスが検出されなくなることがあった。特に、内容積の小さな被試験体を対象とする場合、ボンビング終了後、リークテストを開始するまでに、僅かな時間しか許容されない。
【0007】また、窒素ガスを加圧封入するだけでは、被試験体の表面の、例えばガラスや樹脂に吸着したヘリウムガスを十分にフラッシングできない。さらに、リークテストにおける前処理時間が長大化することで、作業効率低下の原因となっている。
【0008】そこで、本発明の目的は、被試験体の表面に吸着したヘリウムガスによる測定誤差を排除すると共に、テスト前にリーク箇所からヘリウムガスが拡散してしまうことを防止し、さらには、テスト時間の短縮化を図ることができるリークテスト用前処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のリークテスト用前処理装置は、タンクに被試験体を収容し、ガス供給手段により、タンクにプローブガスを加圧封入し、被試験体のリーク箇所にプローブガスを浸積させた後、タンク内に収容された被試験体と対向して配置された配管を介してタンク内のガスを排気するとき、排出されるガスが、被試験体を挟んで配管と対向して配置された気流発生手段を通過する際に加速され、被試験体に衝突してから排出されることを特徴としている。
【0010】さらに具体的には、気流発生手段が、複数のオリフィスが形成された整流格子であり、これらオリフィスを通過する際、ガスが加速されることを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明によるヘリウムボンビング装置の一実施の形態を示す図である。
【0012】被試験体Sを収容するボンビングタンク11は、被試験体Sを出し入れするために、開閉部12を有しているとともに、バルブV1を介して排気するポンプ13と、バルブV2を介してヘリウムガスをボンビングタンク11へ加圧封入するヘリウムガス供給手段14が具備されている。
【0013】また、ボンビングタンク11には、一度に複数の被試験体Sを載置できるような網目状の試料カゴ15が設けられるとともに、被試験体S周辺のガスを試料カゴ15の網目を介して均一にベントできるよう、試料カゴ15が収容される筐体16に複数の配管17が設けられ、配管17を通過したガスがボンビングタンク11の外部で合流して、バルブV3を介して排出されるよう構成されている。
【0014】さらに、被試験体Sとは一定間隔を設けて、試料カゴ15と反対側に、整流格子18が配置される。この整流格子18には、複数のオリフィス19が形成されており、オリフィス19を通過するガスが所定の流速を加えられて、被試験体Sに衝突するよう構成されている。なお、本実施例では、整流格子18は、配管17が設けられた筐体16の開口面に、嵌め込まれたり載置されるよう構成されており、ボンビングタンク11の外部へ排出されるガスが効率よく、整流格子18のオリフィス19を通過するよう構成される。
【0015】上記したようなヘリウムボンビング装置の動作について、図1を用いて説明する。まず、開閉部12を開き、複数の被試験体Sが載置されている試料カゴ15を、筐体16の内部の所定の位置に収容してから、筐体16の開口部にその開口部を覆うように整流格子18を載置した後、開閉部12を閉じる。
【0016】次に、バルブV1を開として、所定時間、ポンプ13でボンビングタンク11内を予備真空排気した後、バルブV1を閉とする。そして、バルブV2を開として、所定時間、ボンビングタンク11内にヘリウムガスを加圧封入した後、バルブV2を閉とする。
【0017】このように、ボンビングタンク11内にヘリウムガスが加圧封入された状態で、所定時間待機することで、被試験体Sのリーク箇所にヘリウムガスが浸積するが、同時に被試験体Sの表面にもヘリウムガス分子が吸着する。
【0018】そして、所定時間経過後、バルブV3を開とすると、ボンビングタンク11内に加圧封入されていたヘリウムガスが、外部との圧力差によって、配管17を通って外部へ流れ出ようとするため、まず、整流格子18のオリフィス19を通過する際、その流速が加速させる。このときのガス速度を利用して、ヘリウムガス分子を被試験体Sの表面に衝突させ、その衝撃でフラッシングすることで、被試験体Sの表面に吸着したヘリウムガス分子を弾き飛ばし、被試験体Sの表面に衝突したヘリウムガス分子と共に配管17より外部へ排出する。
【0019】そして、所定時間経過後、ボンビングタンク11内がほぼ大気圧となってから、V3を閉とした後、開閉部12を開き、整流格子18を取り外して、試料カゴ15を取り出す。そして試験カゴ15から被試験体Sを取り出して、ヘリウムリークデテクタにセットすることでリークテストを行う。
【0020】なお、本実施例では、整流格子を使用して、ボンビングタンク11から排出されるヘリウムガスに流速を与え、被試験体Sの表面に衝突させたが、例えば、渦巻き状の気流を発生させる手段を使用して、ヘリウムガスを高速化してもよい。
【0021】また、本実施例では、ボンビングタンク11から排出されるヘリウムガスのみを利用して、被試験体Sの表面をフラッシングしたが、ヘリウムガス以外の例えば乾燥窒素もボンビングタンク11内に供給するよう窒素ガス供給手段を設けて、乾燥窒素も併用して被試験体Sの表面をフラッシングすることで、さらに効果的に、被試験体Sの表面に吸着したヘリウムガスをフラッシングすることができる。
【0022】
【発明の効果】以上のように、本発明のリークテスト前処理装置によれば、外部へ排出するパプローブガスを使用して、被試験体の表面に吸着したガスをフラッシングするので、別種のパージガスを供給する手段が不要となる。また、別のパージガスを加圧封入するだけではフラッシング不十分であったが、プローブガスを衝突させることで、被試験体のガラスや樹脂に吸着しているプローブガスを効果的にフラッシングできる。さらに、このような別種のパージガスでフラッシングする前に、プローブガスを排出する工程も不要となり、前処理時間を短縮化できるとともに、この工程中にリーク箇所に浸積したプローブガスまで拡散してしまうことを抑制し、内容積の小さな被試験体であっても、十分に精度の良いリークテストが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
【住所又は居所】京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
【出願日】 平成13年10月31日(2001.10.31)
【代理人】 【識別番号】100098671
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 俊文 (外1名)
【公開番号】 特開2003−139645(P2003−139645A)
【公開日】 平成15年5月14日(2003.5.14)
【出願番号】 特願2001−333776(P2001−333776)