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【発明の名称】 発光ダイオードの固定構造
【発明者】 【氏名】大河戸 昌也
【住所又は居所】神奈川県伊勢原市板戸80番地 市光工業株式会社伊勢原製造所内

【要約】 【課題】放熱のためにリード脚の下端部が大型化された発光ダイオードでも固定作業及び交換作業が容易な固定構造を提供する。

【解決手段】一方のリード脚5の下端部5aを金属プレート配線7の切起部12に差込み、他方のリード脚6の下端部6aを係止具15で金属プレート配線8に取付ける固定構造のため、リード脚5、6の下端部5a、6aが大きくても、固定作業及び交換作業を容易に行うことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の配列方向で配される複数の発光ダイオードの下部に、下端部がそれぞれ離反する方向に曲折された一対のリード脚を形成し、各発光ダイオードのリード脚の下端部を、樹脂製のハウジング上に発光ダイオードの配列方向に沿って平行に設けられた一対の金属プレート配線に固定する発光ダイオードの固定構造であって、一方の金属プレート配線に、一方のリード脚の下端部を該下端部の先端側から差込可能な切起部を形成し、他方の金属プレート配線に対して、他方のリード脚の下端部の上側から係止具を取付けて、該リード脚の下端部を係止具と金属プレート配線との間で挟持したことを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項2】 請求項1記載の発光ダイオードの固定構造であって、前記切起部が、一方のリード脚の下端部の上面に面接触した差込状態となることを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発光ダイオードの固定構造であって、前記係止具に、リード脚の下端部を金属プレート配線側へ押圧するバネ部を形成したことを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ダイオードの固定構造であって、前記切起部が、先細りテーパ形状であることを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項5】 請求項4記載の発光ダイオードの固定構造であって、一方のリード脚の下端部を、切起部に対応したテーパ形状にしたことを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光ダイオードの固定構造であって、他方の金属プレート配線に、他方のリード脚の下端部の先端と係合して、一方のリード脚の下端部が切起部から抜ける方向への発光ダイオードの移動を規制する突起を、形成したことを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の発光ダイオードの固定構造であって、一対の金属プレート配線は切断容易な連結片により一体化されており、ハウジングに取付けられた後、発光ダイオードの固定前又は固定後に、連結片を切断して、一対の金属プレート配線をそれぞれ独立した状態にしたことを特徴とする発光ダイオードの固定構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、発光ダイオードの固定構造、特に車両用ランプ装置に好適な発光ダイオードの固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両用のランプ等で使用されている発光ダイオードとしては、一般に発光ダイオードの本体の下部から形成されたリード脚を、ランプのハウジングに取付けた金属プレート配線に対し、半田付けにより固定している。そして、複数の発光ダイオードを配列方向に沿って固定することにより、発光ダイオードを面状に配し、ランプとして点灯するように構成している。また、発光ダイオードのリード脚の下端部は、発光ダイオードで発生する熱を金属プレート配線へ放熱するために大きく形成し、且つ互いに離反する方向へ曲折して、広い面積で金属プレート配線と接触するようにされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のように、発光ダイオードのリード脚を、ハウジングの金属プレート配線に半田で取付ける構造は、1つの発光ダイオードを固定するのに、2つのリード脚の下端部をそれぞれ金属プレート配線に半田付けする必要があるため、固定作業が大変面倒である。また、発光ダイオードが点灯不良になった場合には、半田を溶かして不良の発光ダイオードを取り外した後に、新しい発光ダイオードを再度半田付けする必要があり、交換作業も面倒である。そして、放熱効果を高めるためにリード脚の下端部を大型化すると、それだけリード脚の下端部が金属プレート配線に対して大量の半田で固定されることになり、固定作業及び交換作業がより困難になる。
【0004】この発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、放熱のためにリード脚の下端部が大型化された発光ダイオードでも固定作業及び交換作業が容易な固定構造を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、所定の配列方向で配される複数の発光ダイオードの下部に、下端部がそれぞれ離反する方向に曲折された一対のリード脚を形成し、各発光ダイオードのリード脚の下端部を、樹脂製のハウジング上に発光ダイオードの配列方向に沿って平行に設けられた一対の金属プレート配線に固定する発光ダイオードの固定構造であって、一方の金属プレート配線に、一方のリード脚の下端部を該下端部の先端側から差込可能な切起部を形成し、他方の金属プレート配線に対して、他方のリード脚の下端部の上側から係止具を取付けて、該リード脚の下端部を係止具と金属プレート配線との間で挟持した。
【0006】請求項1記載の発明によれば、発光ダイオードの一方のリード脚の下端部を金属プレート配線の切起部に差込み、他方のリード脚の下端部を係止具で金属プレート配線に取付けるだけで、発光ダイオードの固定が完了するため、リード脚の下端部が大きくても、固定作業を容易に行うことができる。そして、発光ダイオードの交換が必要になった場合には、係止具を外すだけで、発光ダイオードを簡単に取り外して新たなものに替えることができるため、交換作業も容易である。
【0007】請求項2記載の発明は、切起部が一方のリード脚の下端部の上面に面接触した差込状態となる。
【0008】請求項2記載の発明によれば、切起部が一方のリード脚の下端部の上面に面接触した差込状態となるため、一方のリード脚の下端部と金属プレート配線との接触面積が増し、放熱効果が向上する。
【0009】請求項3記載の発明は、係止具にリード脚の下端部を金属プレート配線側へ押圧するバネ部を形成した。
【0010】請求項3記載の発明によれば、係止具のバネ部によりリード脚の下端部を金属プレート配線側へ押圧することができるため、他方のリード脚の下端部と金属プレート配線との接触が確実になり、放熱効果が向上する。
【0011】請求項4記載の発明は、切起部が先細りテーパ形状である。
【0012】請求項4記載の発明によれば、切起部が先細りテーパ形状であるため、一方のリード脚の下端部を差込むことにより突き当たり感が得られ、一方のリード脚の差込み方向での位置決めが行える。
【0013】請求項5記載の発明は、一方のリード脚の下端部を、切起部に対応したテーパ形状にした。
【0014】請求項5記載の発明によれば、リード脚の下端部が切起部に対応したテーパ形状をしているので、リード脚の下端部を切起部に差し込むことで、リード脚の差し込み方向での角度も決まる。
【0015】請求項6記載の発明は、他方の金属プレート配線に、他方のリード脚の下端部の先端と係合して、一方のリード脚の下端部が切起部から抜ける方向への発光ダイオードの移動を規制する突起を、形成した。
【0016】請求項6記載の発明によれば、他方の金属プレート配線に突起を形成したため、一方のリード脚の下端部が切起部から抜ける方向への発光ダイオードの移動を規制することができる。
【0017】請求項7記載の発明は、一対の金属プレート配線は切断容易な連結片により一体化されており、ハウジングに取付けられた後、発光ダイオードの固定前又は固定後に、連結片を切断して一対の金属プレート配線をそれぞれ独立した状態にした。
【0018】請求項7記載の発明によれば、金属プレート配線をハウジングに取付ける際に、連結片により一体化したまま金属プレート配線を取付けるため、2本の金属プレート配線を正しい間隔を保ったまま一度に取付けることができ、ハウジングへの取付け作業が行い易くなる。発光ダイオードの固定前又は固定後に、連結片を切断すれば、2本の金属プレート配線がそれぞれプラス側とマイナス側の「配線」として独立し、発光ダイオードへの給電が行える。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。この実施形態では、自動車のストップランプの場合を例に説明する。図1中の符号1は、このストップランプのレンズ内部に設けられた樹脂製のハウジングを示している。図1は、発光ダイオード2を3個分だけ固定している部分を示しているが、実際には多数の発光ダイオード2が面状に配列されている。発光ダイオード2は、一定の配列方向Sに一列で並びながら面状に多数配置される。
【0020】この実施形態で用いられている発光ダイオード2は、扁平ボックス型の本体3の上面にドーム型の発光部4を有し、本体3の下面からは下端部5a、6aが本体3よりも外側へ出たL字形のリード脚5、6が一対形成されている。リード脚5、6の下端部5a、6aは放熱性を高めるために大きく形成され、先端は先細りテーパ形状になっている。
【0021】ハウジング1の上面には、配列方向Sに沿って2本の金属プレート配線7、8が取付けられる。ハウジング1の上面には、2本の金属プレート配線7、8を収納する溝部9が形成され、且つ溝部9において各発光ダイオード2を固定する部位に凹部10が形成されている。
【0022】金属プレート配線7、8は、導電性及び伝熱性に優れた銅板を打ち抜き形成したものである。2枚の金属プレート配線7、8は、それぞれが発光ダイオード2のリード脚5、6に対応する間隔で平行に離れており、最初の段階では、各金属プレート配線7、8は連結片11により一体化されている。
【0023】金属プレート配線7、8は、各発光ダイオード2を固定する部分だけ幅広になっており、配列方向Sにおいて発光ダイオード2を固定する部分同士の間は、幅が細くなっている。尚、全長にわたって同じ幅でも良い。
【0024】この2本の金属プレート配線7、8のうち、一方の金属プレート配線7には、リード脚5の下端部5aの先端に合致したテーパ形状の切起部12が上向きに形成されている。この切起部12は金属プレート配線7を部分的に切起こしたもので、リード脚5の下端部5aの板厚分だけ金属プレート配線7の上面から上側へ持ち上げている。
【0025】また、他方の金属プレート配線8には、リード脚6の下端部6aの幅よりも若干広い間隔で一対の切込部13が形成され、その内側部分は下側に押し込まれた状態で傾斜している。そして、その切込部13よりも他端側には突起14が切り起こし形成されている。この突起14は、リード脚6の下端部6aの先端に当接して、リード脚6の位置決めをするものである。
【0026】一対の切込部13には、係止具15が取付けられる。この係止具15は、他方のリード脚6の下端部6aを金属プレート配線8に取付けるためのものである。すなわち、係止具15は、リード脚6の下端部6aを金属プレート配線8における一対の切込部13の間の載せた状態で、その上側から切込部13に対して取付けられる。
【0027】係止具15は、金属プレート配線7、8と同じ金属板を折り曲げ形成したもので、長手方向の両端部から長い脚部16が下向きに形成され、幅方向の両端部から短いフランジ17が下向きに形成されている。脚部16には、逆向きに切起こされたフック18が形成され、切込部13へ挿入することにより、切込部13の端部に係合して抜けが防止される。尚、取り外す必要がある場合には、工具を用いて切込部13から抜くことができる。
【0028】係止具15の中央には、下側へ断面湾曲状に切り起こしたバネ部19が形成されている。このバネ部19は、断面湾曲状のため上下方向で弾性変形可能であり、フランジ17よりも下方へ突出した状態で形成されている。従って、リード脚6の下端部6aの上から係止具15を取付け、その脚部16を切込部13内に挿入して係合させることで、バネ部19は上下方向で撓んだ状態となり、リード脚6の下端部6aに対して金属プレート配線8側への押し付け力を付与する。
【0029】次に、発光ダイオード2の実際の固定作業の手順を説明する。まず、連結片11にて一体的に結合された状態の2本の金属プレート配線7、8を、ハウジング1の上面の溝部9内に収納して、図示せぬネジ手段によりハウジング1に対して取付ける。金属プレート配線7、8における発光ダイオード2を固定する部分は、凹部10に対応した位置にする。連結片11により一体化したまま金属プレート配線7、8を取付けるため、2本の金属プレート配線7、8を正しい間隔を保ったまま一度に取付けることができ、ハウジング1への取付け作業が行い易い。
【0030】金属プレート配線7、8をハウジング1に取付けた後、連結片11を図示せぬ工具にて切断し、2本の金属プレート配線7、8をそれぞれプラス側とマイナス側の「配線」として独立させる。連結片11を切断しても、金属プレート配線7、8は既に正しい間隔でハウジング1に対して取付けられているため、金属プレート配線7、8の位置の変動はない。
【0031】次に、発光ダイオード2における一方のリード脚5の下端部5aを、一方の金属プレート配線7の切起部12内に挿入し、他方のリード脚6の下端部6aを他方の金属プレート配線8の一対の切込部13間に置く。切起部12及び下端部5aが同じテーパ形状であるため、リード脚5の下端部5aを切起部12内に差込むことにより突き当たり感が得られ、リード脚5の差込み方向での位置決めが行えると共に、リード脚5の差し込み方向での角度も決まるため、他方のリード脚6の下端部6aは一対の切込部13と突起14との間の正規位置に正しく置かれる。そして、突起14が他方のリード脚6の下端部6aの先端に係合し、発光ダイオード2が金属プレート配線7、8の幅方向で移動不能となり、仮止め状態となる。
【0032】このように仮止めされた発光ダイオード2における他方のリード脚6の下端部6aに対して、上側から係止具15を被せ、その脚部16を切込部13内に挿入する。切込部13の下方のハウジング1には、凹部10が形成されているため、挿入した脚部16とハウジング1とが干渉するおそれはない。リード脚6が正しい位置に仮止めされているため、脚部16の挿入作業も容易に行える。脚部16を切込部13内に挿入するとフック18が切込部13の端部に係合し、抜けが防止される。
【0033】このように、一方のリード脚5の下端部5aは、金属プレート配線7の切起部12に差込み、他方のリード脚6の下端部6aは、係止具15を用いて金属プレート配線8に係合させることで、発光ダイオード2の固定が完了するため、リード脚5、6の下端部5a、6aを放熱のために大きく形成しても、固定作業を容易に行うことができる。
【0034】そして、固定された状態では、係止具15のバネ部19が上下方向で撓んで、下端部6aを金属プレート配線8に押し付けているため、リード脚6の下端部6aと金属プレート配線8との接触が確実になり、リード脚6から金属プレート配線8への伝熱が確実に行われ、放熱効果が向上する。また、切起部12側においても、切起部12がリード脚5の下端部5aの上面に面接触した差し込み状態となっているため、下端部5aと切起部12との接触面積が増して、放熱効果が向上する。
【0035】更に、発光ダイオード2の交換が必要になった場合には、係止具15を外すだけで、発光ダイオード2を簡単に取り外して新たなものに替えることができる。このような易解体性は、発光ダイオード2の交換メンテナスだけでなく、廃棄処理する場合の部品の分別にも好都合である。
【0036】尚、以上の実施形態では、連結片11にて一体的に結合された状態の2本の金属プレート配線7,8を、ハウジング1の上面の溝部9内に収納して、図示せぬネジ手段を金属プレート配線7,8に形成された孔にねじ込むことで、ハウジング1に対して取付ける例を示したが、これに限定されず、金属プレート配線7,8側の孔の径を若干小さくして、この孔にピンを圧入させる取付け方でも良い。また、ピンと孔とによる取付け方にも限定されず、ハウジング1側に金属プレート配線7,8を押付けるだけで金属プレート配線7,8と係合するフック手段を設けたり、或いは金属プレート配線7,8を別物のクリップ手段の差し込みによりハウジング1に取付ける構造等にしても良い・【0037】
【発明の効果】この発明によれば、発光ダイオードの一方のリード脚の下端部を金属プレート配線の切起部に差込み、他方のリード脚の下端部を係止具で金属プレート配線に取付けるだけで、発光ダイオードの固定が完了するため、リード脚の下端部が大きくても、固定作業を容易に行うことができる。そして、発光ダイオードの交換が必要になった場合には、係止具を外すだけで、発光ダイオードを簡単に取り外して新たなものに替えることができるため、交換作業も容易である。
【出願人】 【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東五反田5丁目10番18号
【出願日】 平成14年5月8日(2002.5.8)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外7名)
【公開番号】 特開2003−331635(P2003−331635A)
【公開日】 平成15年11月21日(2003.11.21)
【出願番号】 特願2002−133031(P2002−133031)