| 【発明の名称】 |
照明器具 |
| 【発明者】 |
【氏名】石渡 富繁 【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内
|
| 【要約】 |
【課題】周囲温度による影響を抑制して、所定の光出力が得られる無電極放電ランプを搭載した照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、無電極放電ランプ3を収納している照明器具本体2と、照明器具本体2の開口部に、開口部を閉塞または開口部との間に照明器具本体2の内部に通気可能な隙間11を形成するように移動可能に配設された透光性部材4と、照明器具本体2の周囲温度に応じて透光性部材4を移動させるように形成された熱応動部材5とを具備している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 無電極放電ランプと;開口部を有し、この開口部より放射光が出射されるように無電極放電ランプを収納している照明器具本体と;前記開口部に、開口部を閉塞または開口部との間に照明器具本体の内部に通気可能な隙間を形成するように移動可能に配設された透光性部材と;照明器具本体の周囲温度に応じて透光性部材を移動させるように形成された熱応動部材と;を具備していることを特徴とする照明器具。 【請求項2】 熱応動部材は、照明器具本体の周囲温度が予め設定された温度以上のときに伸張することを特徴とする請求項1記載の照明器具。 【請求項3】 熱応動部材は、バイメタルからなることを特徴とする請求項1または2記載の照明器具。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、無電極放電ランプを搭載した照明器具に関する。 【0002】 【従来の技術】放電ランプは、周囲温度により光出力が変動し、適正温度より高くても低くても発光効率が低下する。そして、放電ランプは、通常、照明器具に収容されているので、周囲温度が上昇すると、過度に昇温しやすい。 【0003】放電ランプの昇温を抑制した照明器具は、例えば特公昭61−3045号公報(従来技術)に開示されている。この従来技術の照明器具50は、図5に示すように、箱体51の上部に冷却用の通気孔52を設け、この冷却孔52に遮蔽弁53を取り付け、遮蔽弁53を温度感知作動板54に支持させるように構成されている。そして、温度感知作動板54は、バイメタル等で構成されて蛍光ランプ55の中央部近傍に設けられ、蛍光ランプ55の管壁の温度が40℃より昇温したときには遮蔽弁53を次第に大きく開放するとともに、40℃より低温の場合には閉じるように作動するものである。これにより、蛍光ランプ55は、点灯時には最冷点の温度が常に約40℃に保たれ、効率よく発光する。 【0004】ところで、高所や街路などでは、ランプ交換等のメンテナンスを必要としない照明器具が切望され、蛍光ランプよりも5倍以上の長寿命である無電極放電ランプを搭載した照明器具が用いられている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】無電極放電ランプは、通常の点灯時、管壁の温度が100℃以上となるので、従来技術の密閉構造の箱体51に収納すると、特に夏期の周囲温度が高いときに、アマルガムチップおよびランプ取付脚などの部材等の温度が許容値を超えやすく、照明器具に不具合を生じやすい。そこで、箱体51に開口部を設け、箱体51の内部を通気させることが考えられるが、特に冬期の周囲温度が低いときに、例えば0℃以下のときにランプの保温が損なわれ、光束が立ち上がらないことや光束が極端に低下するという問題があった。 【0006】本発明は、周囲温度による影響を抑制して、所定の光出力が得られる無電極放電ランプを搭載した照明器具を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載の照明器具の発明は、無電極放電ランプと;開口部を有し、この開口部より放射光が出射されるように無電極放電ランプを収納している照明器具本体と;前記開口部に、開口部を閉塞または開口部との間に照明器具本体の内部に通気可能な隙間を形成するように移動可能に配設された透光性部材と;照明器具本体の周囲温度に応じて透光性部材を移動させるように形成された熱応動部材と;を具備していることを特徴とする。 【0008】本発明および以下の各発明において、特に言及しない限り、各構成は以下による。 【0009】無電極放電ランプを点灯させる点灯装置は、照明器具本体の外部、内部のいずれに設けてもよく、照明器具と別置してもよい。 【0010】熱応動部材は、周囲温度が低いときに収縮して照明器具本体の開口部を透光性部材により閉塞させる。これにより、照明器具本体の内部は密閉され、無電極放電ランプは自身の発熱により保温される。一方、周囲温度が高いときに伸張して照明器具本体の開口部から透光性部材を移動させ、開口部および透光性部材の間に隙間を形成させる。この隙間から外気が照明器具本体の内部に流入し、無電極放電ランプおよびアマルガムチップなどが過度に熱せられることが防止される。 【0011】また、熱応動部材は、上記収縮および伸張する部材、例えばバイメタルや可逆性形状記憶合金などに限らず、温度に応じて透光性部材を移動させる部材に形成されていればよい。例えば、照明器具本体の部位や無電極放電ランプのアマルガムチップなどの温度を温度センサで検出して、モータなどの駆動手段で透光性部材を移動させることを許容する。 【0012】開口部を閉塞するとは、照明器具本体の内部を完全に密閉することを意図せず、開口部および透光性部材の間に多少の隙間を許容する。また、透光性部材自体によって閉塞することに限らず、付属部品によって閉塞することを包含する。 【0013】透光性部材は、可視光を透過するものであればよく、プラスチックやガラスなど材質等は問わない。また、透光性部材は、別の部材に支持され、この別の部材に移動手段が形成されていてもよい。 【0014】本発明によれば、照明器具本体の周囲温度が低いときに、照明器具本体の開口部が透光性部材により閉塞され、照明器具本体に収納されている無電極放電ランプは、周囲温度の影響を直接に受けにくくなり、自身の発熱により保温される。そして、照明器具本体の周囲温度が高いときに、開口部および透光性部材の間の隙間を介して外部の通気が照明器具本体の内部に導かれ、この通気により、無電極放電ランプおよびその支持部材等は、過度に熱せられることが防止される。これにより、無電極放電ランプは、周囲温度の高低の影響を抑制して、所定の光出力が得られる。 【0015】請求項2に記載の照明器具の発明は、請求項1記載の照明器具において、熱応動部材は、照明器具本体の周囲温度が予め設定された温度以上のときに伸張することを特徴とする。 【0016】熱応動部材は、予め設定された温度以上のときに伸張し、照明器具本体の開口部および透光性部材の間に隙間を形成させ、予め設定された温度より低いときは収縮し、照明器具本体の開口部を透光性部材により閉塞させる。 【0017】本発明によれば、照明器具本体の周囲温度が予め設定された温度以上のときに熱応動部材が伸張して、照明器具本体の開口部および透光性部材の間に隙間が形成され、無電極放電ランプおよびその支持部材等は、隙間を介して外部と通気することにより過度に熱せられることが防止される。 【0018】請求項3に記載の照明器具の発明は、請求項1または2記載の照明器具において、熱応動部材は、バイメタルからなることを特徴とする。 【0019】バイメタルは比較的安価であり、入手しやすい。そして、螺旋状にして照明器具本体および透光性部材の間に配設することにより、透光性部材を開口部へ移動または離間させることができる。 【0020】本発明によれば、熱応動部材はバイメタルからなるので、照明器具が安価に製造される。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。 【0022】図1〜図4は、本発明の実施形態を示し、図1は照明器具の概略斜視図、図2は照明器具の要部拡大図であり、(a)は熱応動部材が収縮した状態図、(b)は熱応動部材が伸張した状態図、図3は無電極放電ランプの周囲温度に対する光束の変化図、図4は周囲温度0℃の時の光束の立ち上がり図である。 【0023】照明器具1は、照明器具本体2、無電極放電ランプ3、透光性部材4、熱応動部材としてのバイメタル5を有して構成されている。 【0024】図1において、照明器具本体2は、角錐台形状に形成され、下面2aに図示しない開口(開口部)を有し、上面2bに点灯ボックス6を取り付け、内部に無電極放電ランプ3を収納している。また、無電極放電ランプ3の放射光を開口部側に反射させる図示しない反射板が無電極放電ランプ3を包囲するようにして設けられている。 【0025】無電極放電ランプ3は、照明器具本体2の内壁に配設された図示しないランプ取付脚に固定され、環状に形成されている。そして、点灯ボックス6内に配設された図示しない点灯装置によって高周波電圧が引加されて点灯する。無電極放電ランプ3の放射光は、直接光または反射板により反射された反射光として照明器具本体2の開口部より出射される。 【0026】そして、照明器具本体2の開口部に対向して透光性部材4が配設されている。透光性部材4は、例えばポリカーボネート樹脂からなり、図2に示すように、照明器具本体2の台座部2cにバイメタル5を介して支持されている。すなわち、透光性部材4は、少なくとも4隅に挿通棒7が立設されている。そして、照明器具本体2の台座部2cには、挿通孔8が形成されており、図2(a)に示すように、挿通棒7は、挿通孔8に挿通可能である。そして、挿通棒7にバイメタル5が螺旋状に巻回され、バイメタル5の両端は、それぞれ台座部2cおよび透光性部材4に固定されている。こうして、バイメタル5は、照明器具本体2の台座部2cに透光性部材4を支持している。 【0027】そして、透光性部材4の周縁および周側には、断面コ字状のパッキン9が取り付けられている。また、照明器具本体2の台座部2cの周側には、略L字状の側板10が図示しないねじ等により取り付けられている。そして、透光性部材4、パッキン9および側板10は、図2(b)に示すように、バイメタル5が最大に伸張し、透光性部材4が照明器具本体2の台座部2cから最も離間した状態で、側板10の内面およびパッキン9間に照明器具本体2の開口部に連通する隙間11が形成されるようにそれぞれの大きさが設定されている。なお、側板10は、無電極放電ランプ3などが破損したときに、その破片の落下防止に寄与するとともに、照明器具本体2の内部へ埃や塵等が進入することを抑制する。また、側板10は、側面に通気孔を設けてもよい。 【0028】バイメタル5は、例えばインバーと青銅のように、熱膨張率の大きい金属薄板と熱膨張率の小さい金属薄板とが接合されたものであり、図2に示すように、挿通棒7の外面に沿い螺旋状に形成されている。そして、当初、図2(a)に示すように、バイメタル5が収縮している状態において、周囲温度が高くなると、熱膨張率の大きい金属薄板が伸張するので、バイメタル5は、図2(b)に示すように、挿通棒7に沿って伸張する。ここで、本実施形態では、照明器具本体2の内部温度が例えば30℃以上のときに伸張するように、材質、全長や幅などの大きさ等が予め設定されている。 【0029】バイメタル5が収縮している状態は、図2(a)に示すように、パッキン9が照明器具本体2の台座部2cの下面2aに当接し、透光性部材4により照明器具本体2の開口部が閉塞されている。そして、照明器具本体2の周囲温度が30℃以上に上昇すると、図2(b)に示すように、バイメタル5が伸張し、透光性部材4およびパッキン9が照明器具本体2の台座部2cの下面2aより移動、離間する。そして、照明器具本体2の内部は、隙間11を介して照明器具本体2の外部と連通し、通気される。 【0030】このように、バイメタル5は、照明器具本体2の周囲温度に応じて透光性部材4を移動させるように形成されている。そして、透光性部材4は、移動することにより、照明器具本体2の開口部を閉塞または照明器具本体2の内部に通気可能な隙間11を形成するように構成されている。 【0031】次に、本発明の実施形態の作用について述べる。 【0032】照明器具本体2の周囲温度が30℃より低い例えば0℃のとき、図2(a)に示すように、照明器具本体2の内部は、透光性部材4およびパッキン9により密閉される。この状態で、無電極放電ランプ3が点灯すると、無電極放電ランプ3の発熱により照明器具本体2の内部は保温される。この結果、無電極放電ランプ3は、過冷却になることが防止され、所定の光束が得られる。 【0033】図3は、照明器具本体2の周囲温度に対する無電極放電ランプ3の光束(光出力)の変化を示したものであり、周囲温度が30℃以下のときに、無電極放電ランプ3を保温することにより、最大またはそれに近い光出力が得られることが確認された。そして、照明器具本体2の内部を透光性部材4およびパッキン9により密閉しても、照明器具本体2自体の放熱により、照明器具本体2の内部温度は異常温度とならず、ランプ取付脚などの熱損傷や無電極放電ランプ3のアマルガムチップ3aが許容温度以上になること等は確認されなかった。そして、図4に示すように、照明器具本体2の周囲温度が0℃においても、光束の立ち上がりが早く、無電極放電ランプ3の点灯後、約10分で安定時の約80%の光束を得ることが確認できた。 【0034】そして、照明器具本体2の周囲温度が例えば0℃から上昇すると、バイメタル5の熱膨張率の大きい金属薄板が大きく膨張していく。そして、照明器具本体2の周囲温度が30℃以上になると、バイメタル5は伸張する。これにより、図2(b)に示すように、透光性部材4およびパッキン9と、照明器具本体2の開口部との間に隙間11が形成される。そして、照明器具本体2の内部の熱は、隙間11の通気を介して照明器具本体2の外部へ放熱される。すなわち、無電極放電ランプの点灯による照明器具本体2の内部温度の上昇は、照明器具本体2自体の放熱に加え、隙間11からの放熱により抑制される。この結果、照明器具本体2の内部温度は異常温度とならず、ランプ取付脚などの熱損傷や無電極放電ランプ3のアマルガムチップ3aが許容温度以上になること等は確認されなかった。 【0035】上述したように、照明器具本体2の周囲温度が30℃以上になると、照明器具本体2の内部に通気させ、周囲温度が30℃より低くなると、照明器具本体2の内部を密閉させることにより、無電極放電ランプ3を安定して点灯させ、ほぼ最大出力の光束および発光効率が得られるとともに、ランプ取付脚や点灯装置などの温度上昇を抑制することができる。そして、照明器具本体2の外面に通気孔を設けないことにより、照明器具本体2の外面から内部に水や埃等が内部に進入することが防止されているので、照明器具1を街路などの屋外に設置することができる。 【0036】なお、バイメタル5は、照明器具本体2等の構造により、伸張、収縮する周囲温度を適宜設定すればよい。また、熱応動部材は、周囲温度に応じて次第に伸張、収縮するように形成されたものを用いてもよい。 【0037】 【発明の効果】請求項1の発明によれば、照明器具本体の周囲温度が低いときに、照明器具本体の開口部が透光性部材により閉塞され、照明器具本体の周囲温度が高いときに、開口部および透光性部材の間の隙間を介して照明器具本体の内部と外部が通気されるので、無電極放電ランプは、周囲温度の高低の影響を抑制して適度に自身を熱することができ、所定の光出力で放射することができる。 【0038】請求項2の発明によれば、熱応動部材は、照明器具本体の周囲温度が予め設定された温度以上のときに伸張するので、照明器具本体の開口部および透光性部材の間に隙間が形成され、無電極放電ランプおよびそのアマルガムチップや取付脚などは、隙間を介して外部と通気することができ、過度に熱せられることを防止することができる。 【0039】請求項3の発明によれば、熱応動部材はバイメタルからなるので、照明器具を安価に製造することができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003757 【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社 【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号
|
| 【出願日】 |
平成14年3月28日(2002.3.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100101834 【弁理士】 【氏名又は名称】和泉 順一
|
| 【公開番号】 |
特開2003−297139(P2003−297139A) |
| 【公開日】 |
平成15年10月17日(2003.10.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−92905(P2002−92905) |
|