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【発明の名称】 照明装置および画像読み取り装置
【発明者】 【氏名】藤野 耕三
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜4丁目7番28号 日本板硝子株式会社内

【要約】 【課題】光源ユニット近傍での光量欠乏を防ぎ、光源ユニットから出射された光を効率良く利用できる。

【解決手段】導光体12の端面部に光源ユニット10を配置し、光源ユニット10から出射される光を導光体12の端面部から導光体内部に導いて導光体12を発光させる照明装置において、導光体12と光源ユニット10との間に、厚みが、光源ユニット10から出射される光の波長以上であり、導光体の厚さの1/2以下である空気層13を設ける。全反射角より大きい角度で出射される光cは、光源ユニット10の出射面で全反射されて光源ユニット内部に戻され、出射面から再度出射する。全反射角より小さい角度で出射される光dは、空気層で±90°の範囲に広がって導光体12の端面全面に届くようになり、導光体12の内部に入った光dは、導光体12の側面で全反射して、再度導光体の内部に戻る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】導光体の端面部に光源を配置し、光源から出射される光を導光体の端面部から導光体内部に導いて導光体を発光させる照明装置において、前記導光体と光源との間に空気層を有し、前記空気層の厚みが、前記光源から出射される光の波長以上であり、導光体の厚さの1/2以下であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】前記空気層の厚みが1.0mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】前記空気層の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】前記導光体は、面状導光体または線状導光体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置を用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光源から出射される光を導光体内部に導いて導光体を発光させる照明装置、およびこの照明装置を利用した画像読み取り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ、コピー機、スキャナなどの画像読み取り装置には、原稿を読み取るための装置として、イメージセンサが用いられている。イメージセンサのタイプとしては、縮小型、密着型などの種類がある。そのなかで密着型イメージセンサは、光源、正立等倍結像光学装置、センサなどから構成されている。そして、このような密着型イメージセンサは、一般的に、縮小型イメージセンサに比べて、光路長が短く、機器を小型化でき、また、煩わしい光学調整も無く、機器への組み込みが容易である等のメリットがあり、縮小型イメージセンサに代わって、多く使用されるようになってきた。
【0003】このような密着型イメージセンサにおける光源には、内部にLEDチップを含む光源ユニットと、透明な導光体からなる照明装置が用いられている。この照明装置は、導光体の端面部に光源ユニットを配置し、光源ユニットから出射される光を導光体の端面部から導光体内部に導いて均一なライン状または面状の光源装置を構成するものである。
【0004】図1は、導光体の端面部に光源ユニットが配置される部分の照明装置の断面図である。光源ユニット10は、プリント基板16と、プリント基板16の凹部に設けられたLEDチップ14と、それを覆う透明樹脂17とから構成されている。光源ユニット10は、導光体12に密着して固定されている。ここで、透明樹脂17と導光体12との間には界面11がある。
【0005】光源ユニット10のLEDチップ14から出射された光は、導光体12の端面部から導光体12内部に入射される。導光体12内部に入射された光は、導光体12の中を全反射を繰り返しながら伝搬する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図1において、透明樹脂17は、エポキシ樹脂(屈折率n=1.5)とし、導光体12は、アクリル樹脂(屈折率n=1.5)とする。空気層との全反射角はスネルの法則により41.8°である。LEDチップ14から界面11に向かって出射される光の内、49°で出射される光をaとし、48°で出射される光をbとする。
【0007】上述したように、光源ユニット10と導光体12とが密着して固定されており、透明樹脂17と導光体12の屈折率が同じであると、図2に示すように、LEDチップ14から出射された光は直進して導光体12に入射する。
【0008】光aは、導光体12に入射した後、導光体12の側面に到達すると、側面の空気層に全反射角より小さい角度で入射するので、反射せず、外部に漏れてしまう。このため、光量ロスとなり、光源ユニット10近傍では光量欠乏状態となる。
【0009】一方、光bは、導光体12に全反射角より大きい角度で入射した後、導光体の側面で反射し、導光体に戻ってくるので、有効に利用できる。しかし、導光体12に入射した後、光bのように作用する光は、LEDチップ14から(90°−全反射角)までの角度で出射される光に限定され、n=1.5では±48.2°の範囲の光だけであり、光源ユニット10から出射された光を効率良く利用することができないという問題がある。
【0010】本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は、光源ユニット近傍での光量欠乏を防ぎ、光源ユニットから出射された光を効率良く利用できる照明装置およびその照明装置を利用した画像読み取り装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、導光体の端面部に光源を配置し、光源から出射される光を導光体の端面部から導光体内部に導いて導光体を発光させる照明装置において、導光体と光源との間に空気層を有し、空気層の厚みが、光源から出射される光の波長以上であり、導光体の厚さの1/2以下であることを特徴とする。
【0012】空気層の厚みは、1.0mm以下または1μm以上であることが好ましく、導光体は、面状導光体または線状導光体であることが好ましい。
【0013】また、画像読み取り装置は、上述した照明装置を用いることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】本発明は、光源ユニットと導光体との間に空気層を設けることにより、光の利用効率を大幅に増大させるものである。
【0016】図3は、光源ユニットと導光体との間に空気層を設けたときの光の進む状態を説明する図である。図3に示すように、光源ユニット10は、プリント基板16と、プリント基板16の凹部に設けられたLEDチップ14と、LEDチップ14を覆う透明樹脂17とから構成されている。光源ユニット10と導光体4との間には空気層13が設けられている。
【0017】全反射角より大きい角度で出射される光c(図では42°)は、光源ユニット10の出射面で全反射されて光源ユニット内部に戻され、更に内部で反射されて光源ユニット10の出射面から再度出射する。
【0018】全反射寸前の角度で出射される光は、光源ユニット10から出射された後、空気層13で±90°の範囲に広がるので、光源ユニット10に対向する導光体12の面の端面全面に光が届く(例えば、図ではLEDチップ14から41°で出射した光dは、空気層13の存在により、導光体12の端部に入射する)。また、導光体12の内部に入った光dは、全反射の条件を満たしているので、導光体12の側面で反射して、再度導光体12の内部に戻ってくる。
【0019】光源ユニットと導光体との間に空気層を設けると、次の2つの効果が同時に現れる。
【0020】まず、全反射角より大きい角度で出射される光は、全反射により光源ユニット内部に戻され、光源ユニットの出射面から再度出射するので、光量ロスとならない。すなわち、出射光のほとんど全てが導光体内に取り込まれ、有効に利用される。
【0021】さらに、全反射角より小さい角度で出射される光は、光源ユニットから出射された後、空気層で±90°の範囲に広がるので、対向する導光体の端面全面に光が行き届くようになり、また、導光体の内部に入った光は、導光体の側面で全反射して、再度導光体の内部に戻ってくるので、光量分布を均一にする効果がある。
【0022】次に、空気層の厚さの範囲について説明する。
【0023】導光体の厚さは、数mmであるので、光源ユニットと導光体とが離れすぎると、この隙間から導光体に入射しないで外部に漏れる光の割合が多くなり、導光体への入射光量の低下やこの隙間からの迷光が目立つなどの不都合が生じる。
【0024】例えば、導光体の厚さが2mmの際は、空気層の厚さは1.0mm以下にすることが好ましい。この関係は、両者の相対的な寸法で決まるので、空気層の厚みは、導光体の厚みの1/2以下にすることが好ましい。
【0025】さらに、導光体の厚さが3.5mmの際は、空気層の厚さは0.5mm以下にすることで更に良好であったので、空気層の厚みは、導光体の厚みの1/7以下にすることがさらに好ましい。
【0026】また、逆に、光源ユニットと導光体とをどこまで接近できるかであるが、一般的に成型品である導光体の表面粗さに起因する1μm以下にすることは困難である。また、鏡面仕上げの技術を駆使してより近づけるとしても、光源から出射される光の波長程度までは小さくしてはいけない。波長領域になると、古典的幾何学のスネルの法則ではなく、量子効果である近接場効果が現れ、光のしみ出し現象を起こし、あたかも空気層の無い状態と等価的になる。したがって、空気層の厚みは、光源から出射される光の波長以上とすることが好ましい。
【0027】光源ユニットと導光体との間に空気層を設ける構造は、ライン照明装置および面照明装置のいずれにも適用できるものである。
【0028】図4は、光源ユニットと導光体との間に空気層を設けたライン照明装置の一例を示す図であり、透明な棒状導光体の一端部および他端部と光源ユニットとの部分の拡大断面図である。
【0029】LEDチップ(発光体)24は、プリント基板26にワイヤボンディングにより実装され、更に、その上を透明樹脂(エポキシ樹脂)27で保護されている。そして、LEDチップ24から出た光は、透明な棒状導光体22の一端から導光体22内に入るが、入射角度が広すぎると、一部の光は導光体22から外部に出てしまうので、空気層25を設けることで、導光体22の一端に向かう光の広がり角度を変え、光の利用効率を高めている。
【0030】導光体22の光源ユニット20側の端部には突起22bが形成され、ケース21には突起22bが嵌合する凹部21aが形成されているが、これは、導光体22をケース21に収納した際に、光源ユニット20側の端部を正確に位置決め固定することで、光源ユニット20のLEDチップ24と導光体22の一端面との間に形成される空気層25の厚みを一定にするためのものである。
【0031】次に、光源ユニットと導光体との間に空気層を備える構造のライン照明装置および面照明装置を利用した画像読み取り装置について説明する。
【0032】図5は、上述した空気層を有するライン照明装置を利用した画像読み取り装置の一例を示す断面図である。
【0033】図5に示す画像読み取り装置は、密着型イメージセンサ36がケース33内に設けられ、ケース上面は原稿台ガラス35で構成されている。原稿台ガラス35上には、紙原稿32が置かれ、原稿押さえ蓋31で押さえられる。
【0034】密着型イメージセンサ36は、内部にロッドレンズアレイ39と、ラインセンサ40と、光源ユニットと導光体との間に空気層を備えるライン照明装置(線状光源)34とを備え、原稿台ガラス35に近接して配置される。
【0035】密着型イメージセンサ36は、一定方向に往復駆動されて、原稿を読み取りスキャンする。ライン照明装置34から出射された光は、紙原稿32で反射して、ロッドレンズアレイ39を介してラインセンサ40に入射する。
【0036】上述した空気層を有するライン照明装置を密着型イメージセンサに設けて画像読み取り装置を作製したところ、光量が増加しているので、画像の読み取り速度が向上でき、高速の画像読み取り装置を作製できた。
【0037】図6は、上述した空気層を有する面照明装置を利用した画像読み取り装置の一例を示す断面図である。
【0038】図6に示す画像読み取り装置は、密着型イメージセンサ36がケース33内に設けられ、ケース上面は原稿台ガラス35で構成されている。原稿台ガラス35上には、フィルム原稿37が置かれ、フィルム原稿37の上方には面照明装置38が置かれる。この面照明装置38は、原稿押さえ蓋(図示せず)に内蔵されるか、またはフィルム原稿読み取り時に原稿押さえ蓋と交換する。
【0039】密着型イメージセンサ36は、内部にロッドレンズアレイ39と、ラインセンサ40を備え、原稿台ガラス35に近接して配置される。また、この密着型イメージセンサ36は、紙原稿を読み取るために必要なライン照明装置34をも内蔵しており、フィルム原稿の読み取り時には、消灯される。
【0040】密着型イメージセンサ36は、一定方向に往復駆動されて、原稿を読み取りスキャンする。面照明装置38から出射された光は、フィルム原稿37を透過して、ロッドレンズアレイ39を介してラインセンサ40に入射する。
【0041】上述した空気層を有する面状照明装置で画像読み取り装置を作製したところ、光量が増加しているので、画像の読み取り速度が向上でき、高速の画像読み取り装置が作製できた。
【0042】なお、上述した照明装置は、ファクシミリ、コピー機、スキャナなどの画像読み取り装置に限って用いられるものではなく、例えば液晶ディスプレイのバックライト等、種々のものに利用できることは言うまでもない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の照明装置は、導光体と光源ユニットとの間に、厚みが、光源ユニットから出射される光の波長以上であり、導光体の厚さの1/2以下である空気層を設けているため、全反射角より大きい角度で出射される光が、光源ユニットの出射面で全反射され、光源ユニット内部に戻されて再度出射し、全反射角より小さい角度で出射される光が、空気層で±90°の範囲に広がって、導光体の端面全面に届くようになり、また、導光体の内部に入った光は、導光体の側面で全反射して、再度導光体の内部に戻ってくるようになるので、光源ユニット近傍での光量欠乏を防ぎ、光源ユニットから出射された光を効率良く利用できる。
【0044】また、この照明装置を利用した画像読み取り装置は、光量が増加するので、画像の読み取り速度が向上する。
【出願人】 【識別番号】000004008
【氏名又は名称】日本板硝子株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号
【出願日】 平成14年3月22日(2002.3.22)
【代理人】 【識別番号】100086645
【弁理士】
【氏名又は名称】岩佐 義幸
【公開番号】 特開2003−281913(P2003−281913A)
【公開日】 平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願番号】 特願2002−80223(P2002−80223)