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【発明の名称】 照明装置
【発明者】 【氏名】神谷 孝行
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【氏名】苗代 光博
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【氏名】野田 和司
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【氏名】伊藤 浩史
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【氏名】佐野 良男
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地 豊田合成株式会社内

【要約】 【課題】長時間の照明が可能で、コンパクトに構成され、かつ平行光を照射することができ、車両室内における読書灯などとして好適に利用できる照明装置を提供する。

【解決手段】LEDの光放出側に、前記LEDの光を集束して放射する第1レンズを設置し、前記第1レンズの光放射側に、前記第1レンズを介して放射された光を略平行光に集束して放射する第2レンズを設置して照明装置を構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 LEDと、前記LEDの光放出側に設置され、前記LEDの光を集束して放射する第1レンズと、前記第1レンズの光放射側に設置され、前記第1レンズを介して放射された光を略平行光に集束して放射する第2レンズと、を備える照明装置。
【請求項2】 前記LEDから横方向に放出された光を光の取り出し方向に反射するリフレクタ、をさらに備える請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】 前記第1レンズには、前記LED側に凹部が形成されており、該凹部内に前記LEDが設置される、請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】 LEDと、前記LEDがマウントされる基板と、前記LEDの光放出側に設置される第1レンズ板であって、前記LEDの光が導入される領域に凸レンズ状の第1レンズ部が形成された第1レンズ板と、前記第1レンズ板の光放射側に設置される第2レンズ板であって、前記第1レンズ板の前記第1レンズ部を介して放射される光が導入される領域に凸レンズ状の第2レンズ部が形成された第2レンズ板と、を備えてなる照明装置。
【請求項5】 前記第2レンズ部が、前記第1レンズ部を介して導入される光を略平行光に集束して放射する、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】 LEDと、前記LEDの光放出側に設置されるレンズ板であって、前記LEDの光が導入される領域に略逆すり鉢形状のレンズ部を有するレンズ板と、及び前記LEDから放出される光の中で前記レンズ部の周縁部を介して放射される光を、光の取り出し方向に反射するリフレクタと、を備える照明装置。
【請求項7】 前記レンズ部はその中央部が凸レンズ状に突出している、請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】 前記レンズ部の前記周縁部は凸レンズ状に突出する領域を有する、請求項6又は7に記載の照明装置。
【請求項9】 前記レンズ板の光放射側に設置される略平板状のカバーをさらに備える、請求項6〜8のいずれかに記載の照明装置。
【請求項10】 前記レンズ板において、前記レンズ部の前記LED側には凹部が形成されており、該凹部内に前記LEDが設置される、請求項6〜9のいずれかに記載の照明装置。
【請求項11】 前記LEDがチップ型のLEDである、請求項1〜10のいずれかに記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は照明装置に関する。本発明の照明装置は、車両室内や航空機室内などにおいて、例えば読書用のライトとして乗員の手元などを照明することに利用できる。
【0002】
【従来の技術】車両室内ではルームランプによる広範囲の照明や、ドア等に設置された光源からのステップ部の照明など様々な照明が行われている。従来、このような照明は主として乗降時の安全性確保のためや、マップの参照、音響機器の操作などを目的としたものであった。また、光源としては、電球や蛍光灯が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、走行中に乗員(後部座席あるいは助手席の乗員)が読書などをする際、手元を効果的に照明することができる照明装置の提供が望まれている。このような照明装置には十分な照度が必要とされることは勿論のこと、使用者や周辺の人へ不快感を与えること無く、かつ、周辺部品・機器へ熱的な影響を及ぼさない長時間の点灯が可能であることが要求される。また、使い勝手の面及び車両室内が限られたスペースであることを考慮すれば、コンパクトであることが好ましい。これらに加えて、スポットライト的な平行光により照明が行えることが好ましい。平行光を利用した照明によれば、照明装置と照明対象(本など)との距離に多少変動が生じたとしても、等しい領域を等しい光量の光で照明することができ、走行中の路面からの振動に起因して、あるいは乗員自らが照明対象の位置を移動させることによる照明効果の低下を防止できるからである。
【0004】ところで、従来の車両等の照明においては一般に光源としてバルブが使用されていたが、光源が高温となり、人が触れたり接近したときに光源の熱さにより、使用者に不快感を与えるばかりでなく周辺部品へも高熱による影響を与える恐れが有った。また、他の光源として蛍光灯が使用されることが有るが、高電圧駆動のため昇圧回路が必要となり、その昇圧回路が電気的なノイズや磁界を発生させ、周辺の部品へ影響を与える恐れが有った。これに代えてLEDを用いれば、使用者や周辺の人へ不快感を与えること無く、かつ、周辺部品・機器へ熱的な影響を及ぼさない長時間の点灯が可能となり、また照明装置のコンパクト化が図られる。しかしながら、例えばLEDとしてチップ型のものを採用した場合には、かかるLEDからの光は拡散状態で放射されるため、これをそのまま利用しただけでは平行光を照射できる照明装置を構成することはできない。一方、砲弾型(ランプ型)LEDを利用することにより、封止樹脂(モールド部材)の形状の如何によってある程度の光の絞込みは可能であるが、平行光を得ることは容易でない。仮に平行光を得ようとすれば、光軸方向に厚い封止部材を採用する必要が生じ、照明装置のコンパクト化、薄型化の要請に沿わないこととなる。本発明は以上の課題に鑑みなされたものであって、車両室内などにおける読書灯などとして好適な照明装置、即ち長時間の照明が可能で、コンパクトに構成され、かつ平行光を照射することができる照明装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を解決すべく次の構成からなる。即ち、本発明の第1の局面は、LEDと、前記LEDの光放出側に設置され、前記LEDの光を集束して放射する第1レンズと、前記第1レンズの光放射側に設置され、前記第1レンズを介して放射された光を略平行光に集束して放射する第2レンズと、を備える照明装置である。
【0006】かかる構成によれば、点灯に伴う発熱量が少ないLEDを光源として採用することにより、長時間の点灯が可能な照明装置となる。また、LEDは小型であることから照明装置をコンパクト化できる。一方、第1レンズと第2レンズによってLEDの光は平行光へと変換され、平行光による照明が可能となる。二つのレンズを利用することによって、薄型化を図りつつ、LEDから放出された光を効率的に平行光へと変換できる。
【0007】LEDは消費電力及び発熱量が小さくかつ長寿命であることから、長時間連続的に点灯させることに適した光源である。また、LEDは小型で、かつ電球に比べて低発熱であるため照明装置全体を小型・薄板化できる。LEDのタイプは特に限定されず、砲弾型、チップ型などを採用できる。好ましくは、チップ型LEDが採用される。チップ型LEDは砲弾型LEDと比較してより小型であることから、照明装置の一層のコンパクト化、薄型化を図ることができるからである。
【0008】LEDの発光色は特に限定されないが、照明装置から最終的に白色光が放射されるようにLEDの発光色(発光波長)を選択することが好ましい。例えば、白色光を発光するLEDを採用することができる。また、蛍光体を励起可能な光を発光するLED(例えば、紫外領域の光を発光可能なLED)を採用し、蛍光体の作用を利用して白色光を得ることも可能である。例えば、青色系の発光色のLEDを採用し、併せて当該LEDの光を受けて黄色〜黄緑色系の蛍光を発する蛍光体を用いることにより、LEDからの光及び蛍光とを混色させて白色光を得ることができる。また、赤系、緑系、青系をそれぞれ発光可能な発光素子を備えたLEDを採用することもできる。このようなLEDでは、白色系の光を発光可能なことは勿論のこと、各発光素子の点灯状態を個別に制御すれば様々な色の光を得ることができる。従って、白色光による照明のほか、様々な色の光によるバリエーション豊かな照明態様を作り出すことが可能となる。尚、可視領域及び紫外領域の光を発光可能なLED光源を用いてもよい。
【0009】蛍光体は、例えばLEDの光放出側に設置される後述の第1レンズ、及び/又は第2レンズに含有させることができる。また、第1レンズ等の表面に蛍光体を含有する層を設けても良い。勿論、LEDと第1レンズとの間や、第1レンズと第2レンズとの間などに別途蛍光体を含有する層を設けることもできる。
【0010】用いられる蛍光体の種類は特に限定されず、有機系、無機系を問わず用いることができる。有機系の蛍光体を用いることにより、クリアー感のある光源による照明が可能となる。他方、無機系の蛍光体を用いると、艶消し感のある光源による照明装置が形成可能となる。様々な蛍光色を有する蛍光体を採用することができ、例えば光の三原色である赤色、緑色、又は青色の蛍光色を有する蛍光体の他、それらの中間色を蛍光する蛍光体を用いることができる。複数の蛍光体を組み合わせて用いることもでき、例えば赤色系蛍光体、緑色系蛍光体、及び青色系蛍光体を混合して用いることができる。
【0011】LEDは、基板にマウントされた状態で用いることができる。照明領域の拡大、照度の向上等のために複数のLEDを用いることが好ましい。この場合におけるLEDの配置態様は特に限定されず、例えば直線状、円弧状(以上において、数列をなす態様を含む)に配置することができる。また、一定領域(例えば矩形領域、円形領域)にマトリクス状に配置することもできる。一定領域を発光ムラのない光で照明する観点からは、このようなマトリクス状の配置態様を採用することが好ましい。
【0012】本発明の第1の局面では第1レンズと第2レンズという二つのレンズが用いられる。二つのレンズを利用することによって薄型化が図れ、かつLEDから放出された光を効率的に平行光へと変換できる。特に、光源としてチップ型LEDを採用した場合には、拡散状態で放出された光源の光を効率的に平行光へと変換することができる。第1レンズはLEDの光放出側に設置される。第1レンズはそれに入射するLEDの光を集束して外部に放射する。第1レンズにおいてLED側に凹部を形成し、この凹部内にLEDを設置することが好ましい。LEDからの光を効率的に第1レンズに導入するためである。特にチップ型LEDを採用した場合には、チップ型LEDから放出される光はいわゆる拡散状態にあるため、このようにチップ型LEDが第1レンズに包囲されるように構成することで、チップ型LEDから放出された光を極めて効率的に第1レンズ内に導入することが可能となる。第1レンズ内へのより効率的な光の導入を可能とするために、第1レンズをLEDに近接して配置することが好ましい。このような配置態様によれば併せて薄型化も図れる。
【0013】ここで、LEDの光が導入される領域に凸レンズ状の第1レンズ部が形成された板状部材(第1レンズ板)を用いることができる。ここでの第1レンズ部は上記の第1レンズに相当する。このような第1レンズ板では、凸レンズ状の領域を複数設けることによって複数の第1レンズ部を形成することができる。従って、LEDを複数用いる場合において、LED毎に第1レンズを用意する必要が無くなる。即ち、使用するLEDに応じた数の第1レンズ部を形成した第1レンズ板を用意すればよい。よって、構成が簡易なものとなる。また、予めLEDの配置態様に合わせて複数の第1レンズ部を形成しておけば、LEDごとに位置調整しながら第1レンズの設置を行う必要が無く、組み付け作業が容易となり、かつその精度も向上する。
【0014】第1レンズ(又は第1レンズ部)の光放射側には第2レンズが設置される。この第2レンズは、第1レンズ(又は第1レンズ部)を介して放射された光を略平行光に集束して放射する。第1レンズを介して放射された光をより効率的に第2レンズ内へと導入するために、第2レンズを第1レンズに近接して配置することが好ましい。このような配置態様によれば併せて薄型化も図れる。
【0015】ここで、第1レンズ(又は第1レンズ部)を介して放射される光が導入される領域に凸レンズ状の第2レンズ部が形成された板状部材(第2レンズ板)を用いることができる。ここでの第2レンズ部は上記の第2レンズに相当する。この第2レンズ部が、第1レンズ部を介して導入される光を略平行光に集束して放射することが好ましく、このような構成によれば略平行光を放射する照明装置となる。このような第2レンズ板では、凸レンズ状の領域を複数設けることによって複数の第2レンズ部を形成することができる。従って、LEDを複数用いる場合において、LED毎に第2レンズを用意する必要が無い。即ち、使用するLEDに応じた数の第2レンズ部を形成した第2レンズ板を用意すればよい。よって、構成が簡易なものとなる。また、予めLEDの配置態様に合わせて複数の第2レンズ部を形成しておけば、LEDごとに位置調整しながら設置を行う必要が無く、組み付け作業が容易となり、かつその精度も向上する。
【0016】第1レンズ(又は第1レンズ板)及び第2レンズ(又は第2レンズ板)は、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂や、ガラス等の無機材料を用いて作製することができる。
【0017】LEDから横方向に放出された光を光の取り出し方向に反射するリフレクタを備えることが好ましい。このようなリフレクタを設けることにより、LEDから横方向に放出された光をも照明光として利用できる。もって、照度の向上や照明領域の拡大といった効果が奏される。リフレクタはそれによって反射される光が平行光として外部に放射されるような反射面形状を備えることが好ましい。また、リフレクタをそれに反射された光が第2レンズ(又は第2レンズ部)を介さずに外部に照射するような位置に設置することが好ましい。リフレクタによる反射光で平行光とした光が第2レンズによって屈折し、広角の光となることを防止するためである。 例えば、第1レンズ板及び第2レンズ板を用いる場合にあっては、第1レンズ板と第2レンズ板との間、かつ第1レンズ部の周囲にリフレクタを設置することができる。リフレクタは金属板、又は適当な樹脂の表面に金属メッキなどを施して形成することができる。
【0018】以上の構成では光源としてのLED、及び第1レンズ(又は第1レンズ部)と第2レンズ(又は第2レンズ部)という2種類のレンズを用いることにより、コンパクトかつ平行光を照射可能な照明装置が提供される。以下に示す本発明の第2の局面では、照明装置の更なるコンパクト化、及び構成の簡略化を図るべく、以下の構成が提供される。即ち、本発明の第2の局面は、LEDと、前記LEDの光放出側に設置されるレンズ板であって、前記LEDの光が導入される領域に略逆すり鉢形状のレンズ部を有するレンズ板と、及び前記LEDから放出される光の中で前記レンズ部の周縁部を介して放射される光を、光の取り出し方向に反射するリフレクタと、を備える照明装置に関する。
【0019】かかる構成によれば一つのLEDに対してレンズ(又はレンズ板)を二つ用意する必要がなくなることから一層の薄型化、コンパクト化が達成される。同時に照明装置全体の構成がより簡略なものとなる。ここで、レンズ板に設けるレンズ部を略逆すり鉢形状としたことにより、当該レンズ部の中央部では凸レンズ効果によって光の集束が生じ、もって照明光の平行光化が行われる。一方で、レンズ部の周縁部からはLEDから横方向ないし斜め上方に放出された光が放射されるが、この光はリフレクタの作用によって効率的に光の取り出し方向へと変換される。その結果照明光として利用できる光の量が増大する。換言すれば、光の取り出し効率の高い照明装置となる。さらに、略逆すり鉢形状のレンズ部を採用することにより、その表面から放射される光による照明領域は比較的広範囲に及ぶ。このことから、一定照明範囲の光を得るために必要なLEDの数が少なく済む。即ち、使用するLED数の低減が図られる。したがって、LED使用数の変化に伴う製造コストの低減はもとより、レンズ板の構成の簡略化ひいては照明装置全体の構成を簡略化することによる大幅なコストダウンが達成される。
【0020】本発明の第2の局面ではLEDの光放出側にレンズ板が設置され、このレンズ板にはLEDの光が導入される領域に略逆すり鉢形状のレンズ部が形成されている。ここでの逆すり鉢形状には、円錐形状、6角錐、8角錐などの多角錐形状、及び山形などが含まれる。また、光の放射態様の制御を考慮すれば、逆すり鉢形状はその中心軸に対して対称なものであることが好ましい。但し、その中心軸に対して非対称な部分を有する形状のものを採用することもできる。ここで、レンズ部の中央部を凸レンズ状に突出した形状とすることが好ましい。レンズ部の中央部に導入されるLEDの光を効率的に集束し、より平行光に近い光をレンズ部表面から放射させるためである。一方、レンズ部の周縁部に凸レンズ状に突出した領域を設けることが好ましい。このような構成とすれば当該領域において円周外方向へ光の集束効果が得られる。これにより、当該領域に導入されるLEDの光を集束させ、LEDから横方向ないし斜め上方へ変換して放射することができ、リフレクタによる反射で放射方向を制御できる。尚、レンズの中央部と周縁部との境界はレンズ板とLEDとの距離、使用するLEDの発光特性、照明光の態様などを考慮して定められ、例えばLEDの発光中心を起点としてLEDの光軸に対して約45°〜約70°の傾斜角を有する直線とレンズ部表面との交点によって両者の境界が構成される。
【0021】LEDから放出された光の中でレンズ部の周縁部を介して放射される光を、光の取り出し方向に反射するリフレクタが備えられる。このようなリフレクタを設けることにより、LEDから横方向ないし斜め上方に放出され、レンズ部の周縁部を介して放射される光を効率的に照明光として利用できる。もって、照度の向上や照明領域の拡大といった効果が奏される。リフレクタはそれによって反射される光が平行光として外部に放射されるような反射面形状を備えることが好ましい。リフレクタはレンズ部の周囲に設置され、好ましくはレンズ部の周囲を取り囲むように設置される。リフレクタは金属板、又は適当な樹脂の表面に金属メッキなどを施して形成することができる。
【0022】レンズ板のレンズ部においてそのLED側に凹部を形成し、この凹部内にLEDを設置することが好ましい。LEDからの光を効率的にレンズ部に導入するためである。特にチップ型LEDを採用した場合には、チップ型LEDから放出される光はいわゆる拡散状態にあるため、このようにチップ型LEDがレンズ部に包囲されるように構成することで、チップ型LEDから放出された光を極めて効率的にレンズ部内に導入することが可能となる。レンズ部内へのより効率的な光の導入を可能とするために、LEDをレンズ部に近接して配置することが好ましい。このような配置態様によれば併せて一層の薄型化も図られる。
【0023】LEDの使用数は特に限定されないが、複数のLEDを用いることにより、より広範囲の光を照射可能な照明装置を構成することができる。この場合、レンズ板にはLEDの使用数と同数のレンズ部が形成される。このようにLED毎にレンズ板を用いるのではなく、複数のレンズ部が形成された一のレンズ板を用いることにより、上記本発明の第1の局面において第1レンズ板を用いた場合と同様に、照明装置の構成が簡略となり、またレンズ板の組み付け作業の容易化、組み付け精度の向上が図られることは言うまでもない。
【0024】レンズ板の光放射側にカバーを備えることができる。このカバーとしては略平板状(実質的に表面に凹凸が存在しない)のものを採用できる。但し、その上面(光放射面)又は裏面に所望の凹凸を形成することもできる。例えばレンズ状部分を設けたり、粗面加工を施すことができる。また、カバー内に蛍光体、光拡散剤等を含有させることができる。これら蛍光体などを含む層(例えば蛍光体フィルム)をカバー表面(上面又は裏面)に形成してもよい。尚、特に記載のない構成、即ち使用できるLEDの種類、発光色、配置態様などは上述の本発明の第1の局面におけるものと同様である。
【0025】本発明の照明装置は、自動車、電車などの車両や航空機などの室内において乗員の手元などを照明することに利用できる。例えば、自動車のリアパッケージに装着し、後部座席の乗員の使用に供される読書用ライトとして利用することができる。以下、本発明の構成を、実施例を用いてより詳細に説明する。
【0026】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例である車両室内用照明装置1(以下、照明装置1という)の平面図を示す。図2は照明装置1の側面図である。同様に、図3は照明装置1の部分背面図であり、図4は図1におけるC−C線断面図である。また、図5は図2において符号Aで示した矢視平面図である。図6は図4の部分拡大図である。
【0027】照明装置1は、照明部2、アーム部3、取り付け部4から構成される。照明部2は基板10、チップ型LED20、第1レンズ板30、第2レンズ板40を備え、これらの部材がケース50内に収納される。チップ型LED20は白色系の発光色を有するLEDである。各チップ型LED20はその配置態様がマトリクス状となるように基板10上にマウントされる。尚、基板10には所定の配線パターンが形成されている。基板10の配線パターンは電源用の配線に接続されており、使用時にはこの配線が車両側の電源に接続されて各チップ型LED20への電力が供給される。また、各チップ型LED20は基板10の配線パターンを介してスイッチ60に接続されている。このスイッチ60とチップ型LED20との間には図示しない制御回路が形成されており、スイッチ60を押す毎に全てのチップ型LED20のオン、オフが切り換えられる。
【0028】ケース50の底面51には、放熱用に複数の孔52が設けられている。一方、空気中の埃などがこの孔52を介して照明部2内へ侵入するのを防止するために、底面51の内側には一面に不織布シート53が敷かれている。アーム部3はその中に配線を通した中空のフレキシブルチューブからなり、表面にはクロムメッキが施されている。アーム部3はOリング70を介して照明部2の一端側中央部に接続されており、照明部2がアーム部3を軸として約30°回転可能となっている(図5を参照)。
【0029】照明装置1は、取り付け部4を自動車のリアパッケージにボルトで固定して使用される。そして、アーム部3を適宜屈曲させて照明部2の位置及び光の照射方向が調整される。
【0030】次に、図4の部分拡大図である図6を参照しながら第1レンズ板30、第2レンズ板40、及びリフレクタ36の構成、並びに光の放射態様について説明する。第1レンズ板30は光透過性樹脂(本実施例ではポリカーボネート樹脂)を成形したものであって、凸レンズ状に形成された第1レンズ部31を備える。この第1レンズ部31は前後左右に等間隔となるように複数設けられている。第1レンズ板30は、平面視において各第1レンズ部31の中心が基板10にマウントされた各チップ型LED20の中心と一致するように、第1レンズ部31が形成される側と反対側の面を下にして基板10と平行に設置される。また、各第1レンズ部31の反対側にはそれぞれ凹部32が形成されており、この凹部32内にチップ型LED20が位置する。
【0031】第2レンズ板40は第1レンズ板30と同様に光透過性樹脂製(本実施例ではポリカーボネート樹脂)であって、凸レンズ状に形成された第2レンズ部41を備える。この第2レンズ部41は、その表面曲率が第1レンズ部31のそれよりも緩やかであり、且つその外径は第1レンズ部31のそれよりも大きい。第1レンズ板30の第1レンズ部31と同様に、この第2レンズ部41も前後左右に等間隔となるように複数設けられている。第2レンズ板40は、第2レンズ部41が形成される側と反対側の面を下にして、第1レンズ板30を覆うように第1レンズ板30と平行に設置される。尚、図示されるように、第2レンズ板40を設置した際には、平面視において各第2レンズ部41の中心位置が、第1レンズ板30の各第1レンズ部31及び各チップ型LED20の中心位置と一致する。
【0032】リフレクタ36は、第1レンズ板30と第2レンズ板40との間であって、隣り合う二つの第1レンズ部31に挟まれる位置に設けられる。その結果、第1レンズ部31を取り囲むようにしてリフレクタ36が配設されることとなる。リフレクタ36は金属の表面にNiメッキを施してなり、その表面は光の取り出し方向に向かってすり鉢状に湾曲している。
【0033】続いて、照明装置1の照明態様について説明する。スイッチ60の操作によってチップ型LED20が点灯されると、チップ型LED20からは広範囲の光が放出される。この光の多くの部分は第1レンズ板30の凹部32の底面より第1レンズ部31に導入される。導入光は第1レンズ部31のレンズ効果によって集束された後、第1レンズ部31の表面35より放射される。放射光は続いて第2レンズ板40の裏面43に照射し、第2レンズ部41に導入される。第2レンズ部41においてもそのレンズ効果によって光の集束が行われ、その結果第2レンズ部41の表面44からは略平行の光束を有する光(平行光)が外部放射する。一方、チップ型LED20から横方向に放射された光は第1レンズ板30の凹部32の側面を介して第1レンズ板30に導入され、第1レンズ部31を経ることなく、第1レンズ板30の表面より放射される。放射された光はリフレクタ36に照射し、その表面で反射されて図に示すように光の取り出し方向に向かう光へと変換される。そして、反射光は第2レンズ板40の第2レンズ部41が設けられていない領域46を介して外部放射される。その結果、上記の第1レンズ部31及び第2レンズ部41を連続的に介して外部放射される光の周囲を取り囲み、かつ当該光と同様に略平行な光が外部放射されることとなる。
【0034】このように、チップ型LED20から放射される光はその一部が第1レンズ部31及び第2レンズ部41によって略平行光に変換され、他の一部がリフレクタ36によって略平行光に変換され、全体として略平行な光となって外部放射される。そして、各チップ型LED20の光が同様の態様で外部に放射されることにより、照明装置1の発光面(第2レンズ板40の上面)のほぼ全領域から、平行な光束を有する光が放射される。従って、照明装置1では平行な光をもって乗員の手元の本などを照明することができる。平行な光による照明が行えることから、照明装置1との距離が多少変動したとしても照度及び照明領域はほとんど変化することがない。従って、照明装置1を読書灯として利用する場合を例に採れば、走行中の振動などによって照明装置1と本との距離が多少変動しても、照度の変化によって字が読みづらくなることがほとんど無く、また照明領域の変化に合わせて本の位置を調整する必要がほとんど無く、読書灯として極めて好適なものとなる。一方、照明装置1では二つのレンズ、即ち第1レンズ板30における第1レンズ部31と、第2レンズ板40における第2レンズ部41を組み合わせて用いたことにより、高い集光度が得られ、併せてリフレクタを利用することにより集光効率がアップし、正面照度の極めて高い照明が行えるものとなる。
【0035】次に本発明の第2の局面の一実施例である車両室内用照明装置80(以下、照明装置80という)について説明する。図7は照明装置80の平面図である。また、図8は照明装置80の側面図である。同様に、図9は照明装置80の部分背面図であり、図10は図7におけるD−D線断面図である。また、図11及び図12は図8においてそれぞれ符号E及びFで示した矢視平面図である。図13は図10の部分拡大図である。尚、各図面において上述の照明装置1と同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】照明装置80は照明部81、アーム部3、及び取り付け部4から概略構成される。照明部81は基板10、チップ型LED20、カバー90、及びレンズ板100を備え、これらの部材がケース95内に収納されている。チップ型LED20は白色系の発光色を有するLEDである。
【0037】ケース95の底面96には、放熱用に複数の孔52が設けられている。アーム部3はその中に配線を通した中空のフレキシブルチューブからなり、表面にはクロムメッキが施されている。アーム部3はベアリング機構97を介して照明部81の一端側中央部に接続されており、これによりアーム部3を軸として照明部81を自由に回転させ、所望の角度の状態で一時的に固定することが可能となっている。
【0038】図14に示されるように、照明装置80はその取り付け部4を自動車のリアパッケージ110にボルトで固定して使用される。そして、アーム部3を適宜屈曲させて照明部81の位置及び光の照射方向が調整される。
【0039】次に、図10の部分拡大図である図13を参照しながらレンズ板100及びリフレクタ93の構成、並びに光の放射態様について説明する。レンズ板100は光透過性樹脂(本実施例ではポリカーボネート樹脂)を成形したものであって、互いに等間隔となるように形成された複数のレンズ部101を有する。レンズ部101はその表面が略逆すり鉢形状であって、中央部102は凸レンズ状に突出した形状に成形されている。また、レンズ部101の周縁部103には中央部102とは別個に凸レンズ状の領域が形成されている。このように、レンズ部101の表面は二つの凸レンズ状の面が接合されて構成されている。レンズ板100は型成形のような一般的な成形方法によって作製される。本実施例では周縁部103全体に亘って凸レンズ状となるようにレンズ部101の形状を設計したが、周縁部103において中央部102側の領域(例えば中央部102に連続する領域)のみをこのような凸レンズ状にすることもできる。この場合、凸レンズ状に形成されない領域は例えばフラットな面とすることができる。
【0040】レンズ部101のチップ型LED20に対向する側には凹部104が形成されており、この凹部104内にチップ型LED20が配置される。図示されるように凹部104の下部領域105はチップ型LED20から遠ざかるようにテーパーする面となっている。このようなテーパー加工を凹部104に施すことにより、チップ型LED20とレンズ板100との間により多くの空間(空気層)を確保することができ、チップ型LED20からの効率的な放熱を行うことができる。尚、このようなテーパー加工は、チップ型LED20からの光が実質的に照射しない凹部104の領域に限って行うことが好ましい。光が照射する部分においてもテーパー加工を行えば、形成されたテーパー面による光の屈折を考慮してレンズ部101を設計する必要が生じるからである。レンズ部101の表面には全体に鏡面加工が施されている。これにより、レンズ部101表面から効率的な光の放射が行われる。レンズ板100は平面視において各レンズ部101の中心が基板10にマウントされた各チップ型LED20の中心と一致するように、凹部104が形成される側を下にして基板10と平行に設置される。
【0041】レンズ板100の光照射側にはカバー90が被せられる。このカバーは光透過性樹脂製(本実施例ではポリカーボネート樹脂)であって、照明装置80内部に埃などが侵入するのを防止する。また、照明装置80の表面意匠性の向上にも寄与する。
【0042】リフレクタ93はレンズ板100とカバー90との間であって且つ隣り合う二つのレンズ部101に挟まれる位置に設置される。その結果、レンズ部101を取り囲むようにしてリフレクタ93が配設されることとなる。リフレクタ93は金属の表面にNiメッキを施してなり、その表面は光の取り出し方向に向かってすり鉢状に湾曲している。
【0043】続いて照明装置80の照明態様について説明する。スイッチ60の操作によってチップ型LED20が点灯されると、チップ型LED20からは広範囲の光が放出される。この光の多くの部分はレンズ板100の凹部104の底面よりレンズ部101に導入される。導入光の中でレンズ部101の中央部102に至る光はレンズ効果によって集束された後、当該中央部102の表面より放射される。この放射光は続いてカバー90を透過し、外部に放射される。一方、レンズ部101に導入された光の中で、レンズ部101の周縁部103に至る光の一部(周縁部103において中央部102に近い領域に至る光)は、図示されるようにレンズ効果によって屈折された後、直接カバー90に至り、続いてこれを透過して外部に放射される。他方、レンズ部101の周縁部103において中央部102から離れた領域に至る光は、図示されるように周縁部103で屈折されて放射された後、リフレクタ93表面で反射され、光の取り出し方向に向かう光へと変換される。その後、カバー90を透過して外部に放射される。以上のようなレンズ部101の周縁部103を介して外部に放射される光はレンズ部101の中央部102を介して外部放射される光の周囲を取り囲み、かつ当該光と同様に略平行な光となる。
【0044】以上のような光の放射態様によって、照明装置80の発光面(カバー90の上面)のほぼ全領域から平行な光束を有する光が放射される。従って、照明装置80では平行な光をもって乗員の手元の本などを照明することができる。平行な光による照明が行えることから、照明装置80との距離が多少変動したとしても照度及び照明領域はほとんど変化することがなく、上記の照明装置1と同様に読書灯として極めて好適なものとなる。これに加えて、照明装置80の光の放射態様によれば、一のチップ型LED20に起因する光による照明範囲が上記の照明装置1の場合に比較して広いものとなり、少ない数のLEDによって照明装置を構成することができる。
【0045】この発明は、上記発明の実施の形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【0046】以下、次の事項を開示する。
(11) 前記LEDが複数用いられ、前記第1レンズ板には、各LEDの光が導入される領域にそれぞれ前記第1レンズ部が形成され、前記第2レンズ板には、各第1レンズ部を介して放射される光が導入される領域にそれぞれ前記第2レンズ部が形成されている、請求項4又は5に記載の照明装置。
(12) 複数の前記LEDが前記基板上にマトリクス状に配置されている、(11)に記載の照明装置。
(13) 前記LEDから横方向に放出された光を光の取り出し方向に反射するリフレクタ、をさらに備える、請求項4、5、(11)、及び(12)のいずれかに記載の照明装置。
(14) 前記リフレクタが、前記第1レンズ板と前記第2レンズ板との間に設置される、(13)に記載の照明装置。
(15) 前記第1レンズ部には、前記LED側に凹部が形成されており、該凹部内に前記LEDが設置される、請求項4、5、(11)〜(14)のいずれかに記載の照明装置。
(16) 前記LEDがチップ型のLEDである、請求項4、5、(11)〜(15)のいずれかに記載の照明装置。
【出願人】 【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
【住所又は居所】愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1番地
【出願日】 平成14年5月17日(2002.5.17)
【代理人】 【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅 (外2名)
【公開番号】 特開2003−281908(P2003−281908A)
【公開日】 平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願番号】 特願2002−143756(P2002−143756)