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【発明の名称】 導光体、及び照明装置
【発明者】 【氏名】古屋 哲夫
【住所又は居所】大阪府大阪市北区長柄東2丁目9番95号 ウエスト電気株式会社内

【要約】 【課題】本発明は、光源からの光が紫外線を含んでいても劣化することのない導光体、及び導光体を備えた照明装置を提供することを課題とする。

【解決手段】光源1から発せられる光を受光面で受光して内部に導光し、内部に導光した光を他の面から外部に向けて放射する板状をなした透明樹脂製の導光体2の受光面に紫外線を吸収する紫外線吸収膜6が形成されてなることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光源から発せられる光を受光面で受光して内部に導光し、内部に導光した光を他の面から外部に向けて放射する板状をなした透明樹脂製の導光体であって、前記受光面に紫外線を吸収する紫外線吸収層が形成されてなることを特徴とする導光体。
【請求項2】 請求項1記載の導光体と、光源と、この光源から発せられた光を前記導光体の受光面に向けて照射する反射体と、前記導光体の一方の面に対向して設けられる光反射板と、前記導光体の他方の面に対向配置される光制御部材とを備えてなることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置等の照明装置に使用される導光体、及び導光体を備えた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、液晶表示装置の照明装置として、板状をなした透明なアクリル樹脂やポリカーボネート製の導光体の端面(受光面)に、光反射傘で取り囲まれた光源である冷陰極放電管から発せられる光の方向を照射し、この光が導光体の受光面を介して内部に導光され、導光された光を導光体の一方の面に対向配置された反射板で反射させ、反射した光を導光体の他方の面から外部に放射するものが多用されている。
【0003】ところで、周知のように冷陰極放電管は、紫外線を含んだ光を発する。そのため、アクリル樹脂やポリカーボネートなどの樹脂で成型された導光体の受光面に、冷陰極放電管からの光が照射されると、光に含まれた紫外線が、導光体の受光面のみならず導光体自身を劣化させてしまう。特に受光面の紫外線劣化は著しく、受光面が変色(例えば、黄色に変色)し、照明装置として必要な冷陰極放電管からの光が、この変色によって遮られ、結果的に外部に放射する照明装置として十分な光量の光を得ることができなくなるという問題を有していた。
【0004】そこで、冷陰極放電管から発せられる光に紫外線が含まれないように、冷陰極放電管が改良された。この改良された冷陰極放電管は、図3に示すように、筒状のガラスバルブ7と、ガラスバルブ7の両端部をビードガラス8a,8bを介して封止した一対の主電極9a,9bとを備え、筒状のガラスバルブ7の内周面に、紫外線を遮断する紫外線カット膜10を形成するとともに、紫外線カット膜10の表面上に蛍光被膜11が形成されている。
【0005】このように、ガラスバルブ7内に紫外線カット膜10を形成したことで、紫外線が外部へ放射されるのを防止し、導光体の受光面、及び導光体の劣化の防止が図られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年においては、液晶表示装置の小型化が進み、液晶表示装置に用いられる照明装置も小型化されている。これに伴って、照明装置の光源である冷陰極放電管も外径及び内径が小さな極細のものが開発されているが、このような極細な冷陰極放電管は、ガラスバルブ7の内径が小さいため、内周面に完全な紫外線カット膜10を形成することが困難となっており、結局、放電管の製法が複雑化し、コスト的に高いものとなっている。
【0007】そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、光源からの光が紫外線を含んでいても劣化することのない導光体、及び該導光体を備えた照明装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、本発明の請求項1に記載の導光体は、光源から発せられる光を受光面で受光して内部に導光し、内部に導光した光を他の面から外部に向けて放射する板状をなした透明樹脂製の導光体であって、前記受光面に紫外線を吸収する紫外線吸収層が形成されてなることを特徴とする。
【0009】上記構成の導光体によれば、受光面に紫外線吸収層が形成されているので、光源からの光が紫外線を含んでいても、紫外線吸収層により紫外線のみが吸収されて導光体に紫外線が到達するのを防止し、必要な光のみを内部に導光することができる。これにより紫外線による導光体の劣化を防止することができるため、導光体の変色を防止して常に十分な光量の光を外部に放射することができる。
【0010】また、本発明にかかる請求項2に記載の照明装置は、請求項1記載の導光体と、光源と、この光源から発せられた光を前記導光体の受光面に向けて照射する反射体と、導光体の一方の面に対向配置される光反射板と導光体の他方の面に対向配置される光制御部材を備えてなることを特徴とする。
【0011】上記構成の照明装置によれば、導光体の受光面に形成された紫外線吸収層が形成されているので、光源からの光に紫外線が含まれていても、紫外線を吸収して導光体の劣化を防止することができ、且つ照明に必要な十分な光量の光を導光体内に導光して外部に放射することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかかる導光体、及び照明装置について、図面を参酌しつつ説明する。
【0013】本実施形態にかかる照明装置は、図1に示す如く、光源である直管形状の冷陰極放電管1と、冷陰極放電管1からの光が照射され、内部に光を導光して外部に放射する楔形状の導光体2と、冷陰極放電管1からの全ての光を前記導光体2側に向ける光反射体である反射傘3と、導光体2の一方の面に対向配置され、導光体2内に導光されこの一方の面から放出した光を再度導光体2に光入射させる反射板4と、前記導光体2の他方の面と対向配置され、他方の面から放射される光の方向性等を制御する板状の光制御部材5とで構成されている。なお、前記冷陰極放電管1は、従来のものと略同等の構成を有しているので、図3及び同図に付した符号を用いて説明する。
【0014】冷陰極放電管1は、筒状のガラスバルブ7と、このガラスバルブ7の両端部を、ビードガラス8a,8bを介して封止した棒状をなした一対の主電極9a,9bとで構成され、従来技術で説明した紫外線をカットする紫外線カット膜10がないものである。
【0015】ガラスバルブ1の内周面は、蛍光被膜11のみが形成されている。この点において、従来技術で説明した冷陰極放電管と構成を異にしている。つまり、紫外線を含んだ光を発する冷陰極放電管である。
【0016】一対の主電極9a,9bのそれぞれは、一端部に有底筒状の電極が形成され、この電極の底部に棒状をなした導入金属体の一端が接続されたものであり、電極をガラスバルブ7内に位置させるとともに、導入金属体の他端部をガラスバルブ7から露出させるように配置されている。
【0017】またビードガラス8a,8bは、球状をなしており、主電極9a,9bの導入金属体に挿通された状態で、気密性を有して取り付けられ、上述の如く、ガラスバルブ7の両端部と溶着されて、主電極9a,9bとともにガラスバルブ1の内部空間を封止している。なお、一対の主電極9a,9b間におけるガラスバルブ7内には、アルゴンとネオンの混合ガスからなる希ガス、及び気化した水銀が封入されている。
【0018】一方、導光体2は、透明なアクリル樹脂、或いはポリカーボネートを成型したものであり、平面視略矩形状をなした樹脂製の板材である。かかる導光体2の一方の面(以下、放射面という)に対して他方の面は、導光体2の長手方向に傾斜しており(以下、この面を傾斜面という)、断面形状が、光源の受光面に対する一端側に向けて先細りした楔状をなしている。また、導光体2における光入射の他端面(以下受光面という)の全面には、図2に示す如く、紫外線を吸収する紫外線吸収層である紫外線吸収膜6が形成されている。
【0019】この紫外線吸収膜6は、例えば、酸化チタンの粉末と、溶剤である酢酸エチルと、結着剤とを混合して得られる懸濁液を導光体2の受光面に塗布し、乾燥させることにより形成されている。
【0020】このように構成された導光体2は、紫外線吸収膜6を冷陰極放電管1のガラスバルブ7と対向させるように配置されている。
【0021】図1に戻り、反射傘3は、たとえば光を反射し得るように内面に光反射率の良好な反射膜を形成した板材を略U字状に曲げて形成されたものであり、冷陰極放電管1の周りを包囲し、冷陰極放電管1の光が外部に漏れないように、U字状の開口部分が前記導光体2の受光面近傍に接続されている。
【0022】反射板4は、反射傘3と同様に、光反射率の良い反射膜を形成した板材からなり、板材が、導光体2の傾斜面、及び一端面に対向しうるように配設されている。
【0023】また光制御部材5は、樹脂製の板材からなり、光の方向性を制御するように表面形状が構成されており、前記導光体2の放射面と対向配置されている。この光制御部材5は、光を拡散する部材と拡散光の方向を規制するプリズム板とで構成しても良い。
【0024】このように構成された照明装置は、冷陰極放電管1の一対の主電極9a,9b間に通電して光が発せられると、この光が反射傘3によって導光体2の受光面に形成された紫外線吸収膜6に向けて照射され、紫外線吸収膜6によって光に含まれた紫外線のみが吸収されて他の光が導光体2内に導光される。そして、導光体2内に導光された光は、受光面とは別の面(傾斜面、一端面)から外部に向けて放射しようとするが、この光は、少なくとも導光体2の傾斜面、及び一端面に対向配置された反射板4によって導光体2の放射面に向けて反射され、導光体に再入射され、結果的に放射面から光制御部材5に向けて放射され、光制御部材5によって、光の放射方向が制御されて外部に放射される。
【0025】以上のように、光源である冷陰極放電管1からの光が照射される導光体2の受光面に、紫外線を吸収する紫外線吸収膜6を形成したので、冷陰極放電管1からの光が紫外線を含んでいても、導光体2の受光面、及び導光体2には紫外線が到達せず、樹脂製の導光体2が劣化するのを防止することができる。これにより、導光体2が変色するのを防止することができ、導光体2の劣化による光量の減少を防止し、十分な光量の光を放射する導光体2、及び導光体2を備えた照明装置を提供することができる。
【0026】また、導光体2の受光面に紫外線吸収膜6を形成することで、冷陰極放電管1からの紫外線による劣化を防止するようにしたので、光源である冷陰極放電管に特別なもの、すなわち、紫外線を遮断し得る構成を有したコストの高い冷陰極放電管を使用することがなく、結果的に、照明装置の製造コストを低コストにすることができる。
【0027】尚、本発明の導光体、及び照明装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】本実施形態において、光源として冷陰極放電管1を採用したが、光源は、冷陰極放電管に限定されるものではなく、紫外線を含む光を発する他の光源であってもよく、この場合においても本実施形態と同様の作用、及び効果を奏することはもちろんのことである。
【0029】本実施形態における冷陰極放電管1は、ガラスバルブ7の内周面に紫外線カット膜を備えていないが、従来と同様に、紫外線カット膜を形成したものであってもよく、導光体2の紫外線吸収膜6との相乗効果がえられる。
【0030】また、本実施形態において、導光体2の断面形状を楔状にしたが、導光体2は、平板状であってもよい。
【0031】さらに、本実施形態における導光体2は、平面視略矩形状に構成されたが、導光体2は、平面視略矩形状のものに限定されるものではなく、種々の形状であってもよい。この場合、光源から光を照射される面、すなわち、本実施形態における受光面に相当する面に、紫外線吸収膜6を形成すればよい。
【0032】
【発明の効果】以上述べた様に本発明の照明装置は、光源からの紫外線を含んだ光を受光する導光体の受光面に紫外線吸収層が形成されているので、光源からの光が紫外線を含んでいても、紫外線吸収層により紫外線のみが吸収されて導光体に紫外線が到達するのを防止することができ、紫外線による導光体の劣化を防止することができる。これにより、導光体の変色を防止して十分な光量の光を外部に放射することができる。
【出願人】 【識別番号】000102186
【氏名又は名称】ウエスト電気株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市北区長柄東2丁目9番95号
【出願日】 平成14年3月13日(2002.3.13)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄 (外2名)
【公開番号】 特開2003−272427(P2003−272427A)
【公開日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【出願番号】 特願2002−68121(P2002−68121)