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【発明の名称】 埋め込み形照明器具
【発明者】 【氏名】高井 誉
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【氏名】井川 正夫
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【氏名】五十嵐 賢治
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝ライテック株式会社内

【要約】 【課題】器具収まり状態および制光体の着脱操作性を向上できる安価な天井埋め込み形照明器具を提供することにある。

【解決手段】ランプソケット7に支持されるランプ3を、一面に四角形の光照射用開口を有した器具本体2に内蔵する。器具本体2に合成樹脂製の制光体取付け枠4を固定する。この取付け枠4は、天井6に開けた器具設置孔6の孔縁6aを覆う孔縁カバー部11bを一体に有して四角枠形に形成されている。制光体取付け枠4に取付けられる制光体5は、制光体取付け枠4に着脱可能に引掛けられる枠係合部23bを有した複数の板ばね23を備える。単なる押し込みのワンタッチ操作で制光体5を、その各板ばね23を介して制光体取付け枠4に取付けられるようにして、Vばねを省略したことを特徴としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一面に光照射用開口を有し、かつ、ランプソケットが固定された器具本体と、前記ランプソケットに支持して前記器具本体に内蔵されるランプと、器具設置孔の孔縁を覆う孔縁カバー部を一体に有して前記開口の内周に沿って前記器具本体に固定された合成樹脂製の制光体取付け枠と、この取付け枠に着脱可能に引掛けられる枠係合部を有した複数の板ばねを備えて前記制光体取付け枠に取付けられる制光体と、を具備したことを特徴とする埋め込み形照明器具。
【請求項2】 前記制光体取付け枠を、複数の枠材を組合わせて形成したことを特徴とする請求項1記載の埋め込み形照明器具。
【請求項3】 前記制光体は、前記制光体取付け枠の下面と略面一になるように設けられる制光体枠を有し、この制光体枠は合成樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の埋め込み形照明器具。
【請求項4】 前記制光体取付け枠の内側壁には係合部が設けられており、前記制光体の板ばねの先端部に前記係合部と係合する被係合部が設けられていることを特徴とする請求項1から3の内のいずれか1項記載の埋め込み形照明器具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、例えば天井などに埋め込んで設置される埋め込み形照明器具に係り、特に、器具本体の光照射用開口に制光体を配置して用いられる埋め込み形照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】 制光体付きの天井埋め込み形照明器具は、ランプ及び点灯装置を内蔵しかつ下面が開口された金属製の器具本体と、この本体の下面開口部に取外し可能に配置される制光体とを備えている。制光体は、四角枠形をなす金属製の制光体枠と、この枠の内側に設けられたルーバや光拡散性の制光カバー等の制光要素とを備えている。制光体は、その互いに平行な2個の枠材に夫々取付けたVばねを、これらVばねに対応して器具本体の両側壁内面に夫々設けたばね係合金具に係合させて、器具本体に取付けられている。
【0003】制光体の取付けは、Vばねを手ですぼめてばね係合金具に挿入して係合させた後に、制光体とともにVばねを押上げることによりなされる。この取付けに伴って、Vばねが自らの弾性力で開かれるので、器具本体に取付けられた制光体には、Vばねによる引き上げ力が作用する。この引き上げ力によって、器具本体が埋め込まれた天井の器具設置孔の孔縁に、制光体枠が有する孔縁カバー部が接触させるようになっている。
【0004】ランプ交換などのメンテナンスのために制光体を取外す作業は、制光体を引き下げた後、これに伴って制光体枠と天井との間に作られる間隙に手を差し入れ、各Vばねを、その弾性力に抗してすぼめてばね係合金具から外すことにより、行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】 従来、器具設置壁例えば天井への器具収まり状態は、前記のように制光体の孔縁カバー部を天井の器具設置孔の孔縁に接触させることで行なっている。しかし、孔縁カバー部を有する制光体枠が金属製であるため、この孔縁カバー部と天井との間に隙間を生じ易く、器具収まり状態が良くないことが多々ある。
【0006】なぜなら、Vばねによる制光体の引き上げ力は、孔縁カバー部を有する金属製の制光体枠に対するVばねの取付け部に集中するので、この集中荷重に耐える枠強度を制光体枠が必要とする。そのため、制光体枠の材厚等は厚く、この枠の剛性が高くなっていることから、金属製の孔縁カバー部の変形は容易ではない。そして、天井は正確な平坦ではなく多少の傾きや波を打っていたりすることが一般的である。したがって、剛性が高い金属製孔縁カバー部の天井への追従性が低く、天井面になじむように変形することが難しいので、結果的に孔縁カバー部と天井との間に隙間を生じ易いものである。
【0007】この問題は、Vばねのばね力を強くすることである程度改善できる。この場合、Vばねを手ですぼめるのに強い操作力が必要となる。そのため、器具本体に制光体を着脱する操作性が低下するとともに、Vばねが開放された瞬間の反発力が強いので、着脱操作の際にVばねで怪我をする恐れが高まる。よって、好ましい対策とは言えない。
【0008】又、高い剛性を有した金属製の制光体枠は、必然的に大きな重量があるので、器具本体への既述の着脱操作性を損ない易く、大形になるほど著しくなる。さらに、制光体の器具本体への取付けにおいては、器具本体内のばね係合部に、制光体側のVばねを位置合わせしなければならないが、ばね係合部の位置を確認することは、器具本体が器具設置孔に埋め込まれた状態にあることと相俟って、取付けようとする制光体自体が邪魔となるので容易ではない。したがって、制光体を器具本体に取付けるための作業性も良くない。
【0009】しかも、前記のように高い剛性を有する制光体枠は、複雑な板金加工と溶接とを施して組立てた後に、塗装して仕上げられるので、コスト高である。
【0010】本発明が解決しようとする課題は、器具収まり状態および制光体の着脱操作性を向上できる安価な埋め込み形照明器具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するために、本発明は、一面に光照射用開口を有し、かつ、ランプソケットが固定された器具本体と、前記ランプソケットに支持して前記器具本体に内蔵されるランプと、器具設置孔の孔縁を覆う孔縁カバー部を一体に有して前記開口の内周に沿って前記器具本体に固定された合成樹脂製の制光体取付け枠と、この取付け枠に着脱可能に引掛けられる枠係合部を有した複数の板ばねを備えて前記制光体取付け枠に取付けられる制光体と、を具備したことを特徴とする。
【0012】本発明において、制光体取付け枠を形成する合成樹脂には弾性変形が容易な熱可塑性樹脂を好適に使用できるとともに、この取付け枠は、一体成形されたものであってもよく、或いは複数の枠材を連結して形成されたものであってもよい。又、本発明において、器具本体と制光体取付け枠との連結は、ねじ止め、接着剤を用いた接着、爪係合、又はこれらの併用等により適宜実施できる。又、本発明において、制光体には、制光要素としての格子状をなすバッフルの周部に複数の板ばねを取付けて形成され、したがって制光体枠を備えない構成の制光体、或いは、制光要素としての光拡散性制光カバーを制光体枠に支持し、この制光体枠に複数の板ばねを取付けて形成され、したがって制光体枠を備えた構成の制光体を用いることもできる。なお、後者の制光体の場合、その制光体枠は、合成樹脂製又は金属体製を主体として形成できる。又、本発明の埋め込み形照明器具は、器具設置部に器具本体を埋め込んで取付けられるものであるので、天井埋め込み形の照明器具には制約されない。
【0013】本発明においては、孔縁カバー部が一体形成された制光体取付け枠を固定した器具本体を、器具設置部に埋め込み固定するに伴って、器具設置孔の孔縁を孔縁カバー部で覆うことができ、この場合、合成樹脂製の孔縁カバー部は前記孔縁に沿ってなじむように容易に変形できる。そして、制光体を制光体取付け枠に押付けることに伴い、制光体に設けられた複数の板ばねの枠係合部が制光体取付け枠に引掛って、制光体取付け枠に制光体が取付けられる。この逆に、制光体を制光体取付け枠から離脱する方向に引くことに伴い、複数の板ばねの枠係合部と制光体取付け枠との引掛りが外されて、制光体取付け枠から制光体を取外すことができる。そのため、Vばねを使用しないで、制光体を着脱できる。
【0014】本発明の好ましい形態では、前記制光体取付け枠を、複数の枠材を組合わせて形成している。この形態では、制光体取付け枠を、枠形形状のままの姿に成形したり、枠形形状のままの姿で輸送する必要がないので、成形性が良くなるとともに、輸送荷姿を小さくできる。
【0015】更に、本発明の好ましい形態では、前記制光体は、前記制光体取付け枠の下面と略面一になるように設けられる制光体枠を有し、この制光体枠を合成樹脂としてい。この形態では、制光体を軽量化できるとともに、溶接や塗装なども要しないの。で、更に取扱いを容易となり、かつ、安価な照明器具を提供できる。
【0016】更に又、本発明の好ましい形態では、前記制光体取付け枠の内側壁には係合部が設けられており、前記制光体の板ばねの先端部に前記係合部と係合する被係合部が設けられている。この形態では、係合部と被係合部とが係合することにより、制光体を制光体取付け枠に仮止めできる。
【0017】
【発明の実施の形態】 以下、図1〜図6に示す本発明の第1実施形態を説明する。
【0018】本実施形態は器具設置部例えば天井に埋め込み設置される埋め込み形照明器具1を例示するものであって、この照明器具1は、図1〜図3に示すように器具本体2、ランプ3、制光体取付け枠4、及び制光体5等を備えている。器具本体2と制光体取付け枠4とは、一体化されて、照明器具1の器具埋め込み部9を構成する。なお、図2〜図4中符号6は器具設置部である天井を示し、同図中符号6aは天井6に開けられた器具設置孔を示し、同図中符6bは器具設置孔6aを規定する孔縁を示している。
【0019】金属製の器具本体2は、前後左右の各側壁2aとこれらに連なる奥壁2bとにより、一面である下面を四角に開口した四角い箱状をなし、各側壁2aの前記開口側の縁部2cは、夫々外方に折り曲げられている。器具埋め込み部9は、器具本体2の縁部2cが天井6の孔縁6cに引っ掛るまで器具設置孔6aに挿入されて、天井6に埋め込み設置される。この設置においては、前記挿入に伴って奥壁2bの取付け孔2d(図1に示す)に通された天井裏の図示しない吊りボルトに、器具本体2の内側から図示しないナットが螺合して締め付けられる。
【0020】器具本体2には、ランプソケット7、このソケット7に着脱可能に支持されるランプ3、及びこのランプ3を点灯させる電子安定器等の点灯装置8が内蔵されている。ランプソケット7には例えば片口金形ランプ用のものが使用されていて、このソケット7は一つの側壁2aの内面に固定されている。ランプ3には、U字形のバルブを有する片口金形放電灯としての片口金形蛍光ランプが使用されている。ランプ3は、その口金部3aをランプソケット7に接続するとともに、前記バルブの先端部を奥壁2b内面に取付けた図示しないランプホルダに支持して取付けられていて、器具本体2の前記開口に対向して配置されている。したがって、器具本体2の前記開口は光照射用開口として用いられる。点灯装置8は側壁2aの内面に固定されている。
【0021】制光体取付け枠4は、紫外線に強い合成樹脂、好ましくは弾性変形が容易な熱可塑性合成樹脂で成形された複数例えば4個の枠材11を四角枠形に組立てて形成されている。各枠材11は押し出し成形された合成樹脂製品である。そのため、各枠材11の夫々の断面は同一である。各枠材11の両端部は、いずれも図5で代表して示すように45度の角度で斜めに形成されている。
【0022】各枠材11は、幅狭な中空部11dを有した主部11aと、この主部11aの一端から外側に一体に張出した孔縁カバー部11bとを備え、主部11aの一端部には窪み部11cが設けられている。隣接する枠材11同士はその45度の端部斜面同士を合わせて連結されており、この連結は、図5に示すようにL形をなす連結金具12の一辺12aを一方の枠材11の中空部11dに圧入するとともに、連結金具12の他片12bを他方の枠材11の中空部11dに圧入してなされている。なお、図示しないが、連結金具12にねじ孔を設け、このねじ孔に主部11aに通される図示しないねじを螺合させて、隣接する枠材同士の連結をより確実にする構成を採用してもよい。
【0023】前記のように各枠材11を押出し成形品とすることは、同じ押出し成形型で得た押出し型材を、適当な長さに切断して各枠材11を得るので、製造設備が共通化され、金型費等が削減される。そのため、制光体取付け枠4を射出成形で一体成形したり、金属製とする場合に比較して、各枠材11のコスト、ひいては制光体取付け枠4のコストを低減できる。それだけではなく、前記押出し型材を切断する長さを異ならせることによって、縦横寸法が異なる種々の大きさの制光体取付け枠4とする場合に容易かつ安価に適合できる点でも優れている。
【0024】前記構成の制光体取付け枠4は、器具本体2の開口の内周に沿って主部11aを挿入して器具本体2と組合わされ、図5で代表して示すように、器具本体2の側壁2aに外側から挿通されるねじ13を、主部11aのねじ受け孔14に螺合することにより、図2〜図4に示すように器具本体2に固定されている。この場合、前記連結金具12にねじ孔を設けておいて、このねじ孔に前記ねじ受け孔14を通ったねじ13を螺合することによって固定強度をより高めてもよい。
【0025】器具本体2内への制光体取付け枠4の挿入は、器具本体2の縁部2cに制光体取付け枠4の孔縁カバー部11bが当たることによって規制される。したがって、縁部2cを覆った孔縁カバー部11bは、器具埋め込み部9の天井6への既述の埋め込み設置によって、図2〜図4に示すように器具設置孔6aの孔縁6bを覆うものである。
【0026】図1〜図3等に示すように前記制光体5は、制光体枠21と、制光カバー22と、複数の板ばね23とを備えている。
【0027】前記制光体取付け枠4を外枠と位置付けた場合に、内枠と位置付けられる制光体枠21は、好ましくは合成樹脂で成形された複数例えば4個の枠材24を四角枠形に組立てて、前記制光体取付け枠4より一回り小さく形成されている。各枠材24は押し出し成形された合成樹脂製品である。そのため、各枠材24の夫々の断面は同一である。各枠材24の両端部は、いずれも図6で代表して示すように45度の角度で斜めに形成されている。
【0028】図2〜図4等に示すように各枠材24は、中空な第1枠部25と、中空な第2枠部26と、これらの中央部を接続した板状壁部27(図6に示す)と、カバー受け部28とを有している。第1枠部25は板状壁部27の一面側に設けられ、第2枠部26は板状壁部27の他面側に設けられている。カバー受け部28は制光体枠21の内方に突出されている。図1及び図6に示すように互いに平行な2個の枠材24の板状壁部27には、夫々複数例えば2つの通孔27aが開けられている。
【0029】隣接する枠材24同士はその45度の端部斜面同士を合わせて連結されている。この連結は、図6に示すようにL形をなす連結金具29の一辺を一方の枠材24の第1枠部25に挿入するとともに、連結金具29の他片を他方の枠材24の第1枠部25に挿入し、かつ、第1枠部25に通されるねじ30を連結金具29のねじ受け部29aに螺合してなされている。
【0030】前記のように各枠材24を押出し成形品とすることは、同じ押出し成形型で得た押出し型材を、適当な長さに切断して各枠材24を得るので、製造設備が共通化され、金型費等が削減される。そのため、制光体枠21を射出成形で一体成形したり、金属製とする場合に比較して、各枠材24のコスト、ひいては制光体枠21のコストを低減できる。それだけではなく、前記押出し型材を切断する長さを異ならせることによって、縦横寸法が異なる種々の大きさの制光体枠21とする場合に容易かつ安価に適合できる点でも優れている。
【0031】制光カバー22には乳白色の光拡散板が使用されている。制光カバー22は、その周部を各カバー受け部28に載せて、制光体枠21に内側開口を覆って配置されている。制光カバー22は各カバー受け部28に載っているだけで、格別な固定を施されていない。そのため、必要に応じて制光カバー22を各カバー受け部28に接離する方向に移動させることが可能である。
【0032】図2〜図4等に示すように各カバー受け部28の先端部は先細に形成されている。この先細形状によって、制光カバー22の周部と各カバー受け部28の先端部との間に楔状の隙間G(図2に示す)が設けられている。前記先細形状とする一例として、各カバー受け部28の先端部に複数の細かな段部が階段状に形成されている。
【0033】前記器具埋め込み部への取付け部品として機能する板ばね23は、充分な弾性を有する金属例えばステンレス板等で形成されている。この板ばね23は、通孔27aを通って枠材24に固定されている。この固定は、板ばね23の第1枠部25外面への重なった固定部23a(図2及び図3に示す)を貫通して連結金具29に螺合される前記ねじ30によりなされている。板ばね23は、固定部23aの一端から板状壁部27とは反対側に一体に延出された枠係合部23bと、固定部23aの他端からカバー受け部28に向けて一体に延出されたカバー押え23cとから形成されている。
【0034】枠係合部23bは、略くの字形状に成形されていて、制光体取付け枠4の主部11aにこの主部11aの内側から着脱可能に引掛けられる。この引掛けの受け部10(図2及び図3に示す)として主部11aの内側角部が用いられる。ばね製のカバー押え23cは斜片部とこの先端から鋭角に折り曲げられた先端片部とを有して成形されている。このカバー押え23cは、制光カバー22の周部をその裏側からカバー受け部28に押し付けている。カバー押え23cは弾性変形可能であるから、カバー受け部28から離れる方向へ強制的に制光カバー22が押される場合の移動を阻止しない。
【0035】図2及び図3等に示すように枠係合部23bの根元と固定部23aの一端とは略直角な角部23dを形成している。角部23dは前記主部11aの奥側の角部11eに沿って被さり、この角部11eに支持されている。同様に、カバー押え23cの根元と固定部23aの他端とは略直角な角部23eを形成している。角部23eは主部11aの正面側の角部11gに沿って被さり、この角部11gに支持されている。
【0036】前記構成の制光体5を、その第1枠部25側を先頭にして、制光体取付け枠4の主部11aの内側開口に押上げる(押し込む)ことにより、図2に示すように制光体枠21が制光体取付け枠4の内周に沿って配置され、かつ、各板ばね23の枠係合部23bが主部11aのばね受け部10に弾性的に引っ掛って係合する。それにより、前記器具埋め込み部9に制光体5が取付けられる。この取付け状態では、制光体5の第2枠部25は制光体取付け枠4の主部11aに形成されている窪み部11cに入り込んで、制光体取付け枠4との制光体枠21及び制光カバー22の正面(下面)が略面一に連なる。そのため、光照射方向への制光体5の突出が少ないとともに凹凸が極小であるので、照明器具1の体裁がよい。
【0037】ランプ交換や清掃のために、制光体5を器具本体2側から取外すには、この制光体5に引き出し力を与えて、各板ばね23の枠係合部23bを、弾性変形させて主部11aのばね受け部10から外して、引き下げれば(引き出せば)よい。この場合、図4に示すように、制光カバー22の周部と制光体枠21のカバー受け部28との間に指を挿し込み、カバー受け部28の裏面に指を引掛けて制光体5の引き出し操作を行なうことができる。この操作において、既述のように隙間Gがあるので、指を容易にカバー受け部28の裏面に引掛けることができる。しかも、操作者の指が掛かるカバー受け部28の先端部裏面は階段状の段部となっていて、指が滑りにくいので、容易に引き出し操作を行なうことができる。
【0038】前記のように制光体5を制光体取付け枠4に押付けるという単純なワンタッチ操作に伴い、制光体5の各板ばね23が制光体取付け枠4に引掛って、この枠4に制光体5を取付けることができる。この逆に、制光体5を制光体取付け枠4から離脱する方向に引き出すという単純なワンタッチ操作に伴い、各板ばね23の制光体取付け枠4への引掛りが外されて、制光体取付け枠4から制光体5を取外すことができる。そのため、器具本体2に固定された制光体取付け枠4に対する制光体5の着脱操作性がよい。
【0039】したがって、Vばねを使用しないで器具本体2に制光体5を着脱可能な照明器具1とできるとともに、着脱操作に伴って怪我をする恐れもない。
【0040】各板ばね23は制光体5を器具本体2側に強く引き寄せる力を制光体5に与えるものではなく、単なる脱落止めとして機能しているので、制光体5に大きな強度を要することがない。このことと相俟って、制光体5には孔縁カバー部に相当する部分がないため、制光体5を小形かつ軽量にできる。そのため、着脱操作時の制光体5の取扱いが容易になるだけではなく、制光体5のコストを低減できる。その上、制光体5の制光体枠21の各枠部を金属に比して強度が小さい合成樹脂製とすることができ、手間がかかる溶接や、塗装なども要しないので、更なるコストダウンが可能であり、安価な構成の照明器具1とできる。
【0041】前記構成の照明器具1は、器具本体2に取付けた制光体取付け枠4に一体に成形された孔縁カバー部11bを、天井6の器具設置孔6aの孔縁6bに接触させて、この孔縁6bを孔縁カバー部11bで覆い隠して設置されるので、孔縁カバー部11bによって天井6への設置状態の収まりの善し悪し、言いかえれば、設置状態の体裁の善し悪しが決定される。
【0042】ところで、孔縁カバー部11bは、比較的変形が容易な合成樹脂製で成形されていて剛性が比較的低く、このカバー部11bは器具埋め込み部9の天井6への取付け施工(設置)に伴って孔縁6bに押付けられる。そのため、天井6が多少の傾きや波を打っていたりしていても、それに追従して孔縁6bになじむように容易に変形して、孔縁6bに密着できる。したがって、孔縁カバー部11bと天井6との間に隙間を生じることを抑制できることに伴い、器具収まり状態を向上できる。
【0043】しかも、既述のように孔縁カバー部11bを有する制光体取付け枠4、及び制光体枠21が合成樹脂製であることにより、これらに任意の色付けをすることができるとともに、押出し成形の際に2色成形することによって、例えば木目調などのデザインを容易に得ることができる。そのため、照明器具1の外観が、白木タイプ、オーク材タイプ等天然木材を模した木目調デザイン、又は黒塗り調デザイン等を呈する種々の照明器具1を製造する場合に有利である。
【0044】又、既述のように制光体5を取付ける上で強大な力が作用しない制光体取付け枠4は、コスト的に安価で軽量な合成樹脂で作られているとともに、この取付け枠4には、組立てコストが掛かる溶接や塗装を要しないとともに、合成樹脂製の制光体枠21においても、同様に係る組立てコストが掛かる溶接や塗装を要しない。したがって、これら部材のコストの低減によって、照明器具1全体のコスト低減及び軽量化を図ることができる。
【0045】前記構成の照明器具1は、その合成樹脂製の制光体取付け枠4を、4個の枠材11を組合わせて形成している。そのため、四角枠形の制光体取付け枠4を、この形状のままの姿に成形する必要がなく、4個の枠材11を合成樹脂材料から成形すればよいので、成形性が良くなるに伴い、成形コストを低減できる。しかも、同様の理由から、輸送においても制光体取付け枠4を四角枠形の形態で取扱う必要がないので、制光体取付け枠4を分解して輸送荷姿を小さくできるに伴い、輸送コストを低減できる。更に、以上のように制光体取付け枠4を分解して輸送できるので、大型で大重量に耐える包装材などを要することもなくなるので、この点においても輸送コストを低減できる。
【0046】前記構成の照明器具1では、制光体5が、制光体取付け枠4の内周に沿って配置される制光体枠21を備え、この制光体枠21を同一断面をなした4個の枠材24を組合わせて形成している。そのため、制光体取付け枠4を4個の枠材11を組合わせて形成したのと同様な理由により、成形性が良くなって成形コストを低減できるとともに、輸送荷姿が小さくなるので輸送コストを低減できる。
【0047】前記構成の照明器具1では、制光体5が、内方に突出するカバー受け部28を有して、制光体取付け枠4の内周に沿って配置される制光体枠21と、周部をカバー受け部28に載せて制光体枠21の内側開口を覆って設けられる光拡散材性の制光カバー22と、制光体枠21の複数箇所に取付けられた板ばね23とを備え、制光カバー22の少なくとも周部を、カバー受け部28の裏側においてこのカバー受け部28に接離する方向に移動可能に設けている。そのため、既述のようにメンテナンス時等にカバー受け部28を指掛け部として利用し、この受け部28の裏側に指を掛けて、制光体5を制光体取付け枠4から容易に引き外すことができる。この場合、既述のようにカバー受け部28の先端部を、制光カバー22の周部との間に楔状の隙間Gを形成するように先細に形成したので、カバー受け部28の裏面に指を掛け易いものである。
【0048】前記構成の照明器具1では、制光体枠21に、制光カバー22の周部をカバー受け部28に押付けるばね製のカバー押さえ23cを取付けている。そのため、カバー受け部28の裏面に指を掛ける機能を損なうことなく、通常時における制光カバー22のがたつきを防止できる。
【0049】前記構成の照明器具1では、板ばね23が、制光体取付け枠4に固定される固定部23aと、この固定部23aの一端から一体に延出されて制光体取付け枠4に着脱可能に引掛けられる枠係合部23bと、固定部23aの他端から一体に延出されたカバー押え23cとで形成されている。このようにカバー押え23cと枠係合部23bとが一体であるため、これらを別々に設ける必要がなく、部品点数及び組立工数が少なく、コストを低減できる。
【0050】前記構成の照明器具1では、枠係合部23bの根元と固定部23aの一端とがなす角部23dを制光体枠21の奥側の角部11eに沿わせて支持し、カバー押え23cの根元と固定部23aの他端とがなす角部23eを、角部11eよりも制光体枠21の正面側に位置する角部11gに沿わせて支持している。このように枠係合部23bの根元とカバー押え23cの根元とを、夫々異なる角部11e、11gに支持させたので、枠係合部23bの根元とカバー押え23cの一方の動きが他方に影響することが防止され、一体につながっている枠係合部23b及びカバー押え23cの機能を夫々独自に全うさせることができる。
【0051】図6〜図10は本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態は基本的には第1実施形態と同様な構成であるので、同様構成部分には第1実施形態と同じ符号を付して、その構成および作用の説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施形態は制光体等の構成が第1実施形態とは異なる。
【0052】この第2実施形態において、制光体45は、前後左右の枠材46〜49を四角枠形に組立てるとともに、この枠内に制光要素として例えば格子状に組んだルーバ50を取付けて形成されている。ルーバ50を構成する縦横の各部材及び各枠材46〜49は、いずれも表面が鏡面となっているアルミニューム薄板で形成されている。
【0053】制光体45は、その左右の枠材46が有する外向きに縁部に連結された複数の板ばね51を有している。これらの板ばね51の一端部は前記外向きに縁部の連結されている。板ばね51は、その他端部(先端部)に合成樹脂製の制光体取付け枠4のばね受け部10に着脱可能に引掛けられる略V字状の枠係合部51aと、後述の溝条52に係合可能な係合部例えば枠係合部51aの先端から前記V字の頂点側に折り返されて枠係合部51aの一辺とともに略U字形状を形成する先端折り曲げ片51bとを有している。先端折り曲げ片51bは前記V字の頂点より約2mm程度突出している。
【0054】図9等に示すように制光体取付け枠4を形成する枠材11の内側壁は、枠材11の厚み方向中間部例えば厚み方向略中央部に先端折り曲げ片51bの突出端が引っ掛り得る係合部として例えば溝条52が設けられているとともに、この溝条52の両側部分は平坦に形成されている。溝条52は、制光体取付け枠4に対する制光体45の押し込み方向にはさほどの抵抗を生じないように略順方向に傾斜した溝内面と、制光体取付け枠4からの制光体45の引き出し方向に対して略直角となる溝内面とで形取られている。なお、以上説明した以外の構成は図6〜図10に図示されない構成を含めて、第1実施形態と同じである。
【0055】この第2実施形態においても、孔縁カバー部11bを一体に有し、かつ、弾性変形が容易な熱可塑性合成樹脂で成形された制光体取付け枠4を、器具本体2に固定して器具埋め込み部9を形成し、制光体取付け枠4に対して制光体45を単に押し引きすることにより、制光体45をその複数の板ばね51を用いて制光体取付け枠21に着脱可能に取付ける構成であるので、第1実施形態と同様の作用を得て、本発明の課題を解決できる。
【0056】しかも、板ばね51の先端折り曲げ片51bの突出端が略V字状の枠係合部51aのV字の頂点より少し突出しているから、制光体45をそのルーバ50に手を掛けて引き出す際に、板ばね51の弾性力によって先端折り曲げ片51bの突出端が、図9に示すように制光体取付け枠4の内面の溝条52に引っ掛る。この引掛かりにより、制光体45を仮止めできるので、制光体45全体が不用意に引き出されることがない。そのため、制光体45全体の脱落止めのために通常設けられている紐やチェーン等の吊り下げ具の使用及びその取付けの手間を省略して、コストを低減できる。この状態から更に強く制光体45を引くことによって、溝条52への先端折り曲げ片51bの引っ掛りを外せるので、制光体45全体を制光体取付け枠4から離脱させることができる。
【0057】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、Vばねを使用しないので、埋め込み設置された器具本体に固定されている制光体取付け枠に、複数の板ばねを有した制光体を押し引きするという簡便な操作で制光体を着脱でき、制光体の着脱操作性がよい。しかも、Vばねを使用しないから、制光体に大きな強度を要することがなく、又、器具本体側の制光体取付け枠を合成樹脂としたことで、この枠に塗装を要しない等を理由として、コストダウンを図ることができる。更に、合成樹脂の制光体取付け枠に一体に設けられて器具設置孔の孔縁を覆う孔縁カバー部が、前記孔縁に沿ってなじむように容易に変形できるので、孔縁カバー部と天井面等器具設置部との間に隙間を生じることを抑制し易く、器具収まり状態を向上できる等の効果を有する埋め込み形照明器具を提供できる。
【0058】請求項2の発明によれば、合成樹脂製制光体取付け枠の成形性が良く成形コストが低減されるとともに、制光体取付け枠の輸送荷姿が小さく輸送コストが低減されるので、より安価な埋め込み形照明器具を提供できる。
【0059】請求項3の発明によれば、合成樹脂製の制光体枠を備えるので、制光体を軽量にできるとともに、溶接や塗装なども要することがなくなり、よって、更に取扱いが容易でかつ安価な照明器具を提供できる。
【0060】請求項4の発明によれば、制光体の板ばねに設けた被係合部が制光体取付け枠の係合部と係合することにより、制光体を制光体取付け枠に仮止めできるので、通常設けられる落下防止用の紐やチェーンなどを設けなくても制光体が不用意に落下することを防止できる照明器具を提供できる。
【出願人】 【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
【住所又は居所】東京都品川区東品川四丁目3番1号
【出願日】 平成14年2月28日(2002.2.28)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦 (外6名)
【公開番号】 特開2003−257231(P2003−257231A)
【公開日】 平成15年9月12日(2003.9.12)
【出願番号】 特願2002−54974(P2002−54974)